JP5007425B2 - 百日咳ワクチンの安全性評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、百日咳毒素の検出方法、それに基づく百日咳ワクチンの安全性評価方法・品質管理方法、及びそれらの方法に使用する試薬、キットなどに関する。
ワクチンは、感染症の防御において有効である。しかし、ワクチンは時として副反応を引き起こすことがあるため、ワクチンの安全性評価及び品質管理は重要である。
従来、ワクチンの安全性・品質については、ワクチン接種後の実験動物の体重(マウス体重減少試験)、白血球数(マウス白血球数増加試験)、酵素活性などの血液学的数値、又は病理学的変化が主な指標とされてきた。百日咳のためのワクチンについては、マウス体重減少試験及びマウス白血球増加試験が国家検定項目として義務づけられ、品質管理に応用されている(非特許文献1)。また、世界保健機構(WHO)、ヨーロッパ(European Pharmacopoeia)及び米国の基準では、マウス体重減少試験が要求されている(非特許文献2)。
マウス体重減少試験(MWGT)は、一群のマウスの腹腔内に被検試料を注射し、その後の体重を個別に7日間観察することを要する。多くの要因が体重変化に影響を与えるため、一般に、マウス体重減少試験は、全般的な毒性を測定する非特異的試験であると考えられている。マウス白血球増加試験も同様であり、被検試料を腹腔内注射された一群のマウスの末梢白血球数を3日後に測定するものである。
百日咳毒素(pertussis toxin;「PT」ということがある)に対して特異的な試験としては、ヒスタミン感受性試験(HIST)が唯一の実際的な手段である。しかし、この方法もまた、一群のマウスに被検試料を腹腔内注射してから5〜6日の期間を要するうえ、標準化することが困難である。現在知られている他の方法はいずれも実用性がない(非特許文献2)。
したがって、これらの方法はいずれも別の方法で置き換えられることが望まれている。
AGP(α1酸性糖タンパク、オロソムコイドとも呼ばれる:J00696)は、α1に電気泳動度をもつ分子量約40kDaの糖タンパク質であり、45%程度の糖を含む。AGPは、主に肝臓で合成・異化が行われており、急性炎症に際して増加する急性相反応物質のひとつとして生体防御に関与していることが知られている(非特許文献3及び4)。
Lbp(LPS結合蛋白:NM_017208)は、肝細胞から産生される約60kDaのタンパクである。Lbpについては、LPS(リポ多糖)と複合体を形成しLPSレセプターのmCD14(単核球膜上)に結合することにより、LPSに対する感度を100〜1,000倍に増幅すること;LPSをHDL (High Density Lipoprotein)に結合させることにより、HDLの生物学的なポテンシーを中和させること;さらに、LPSにより引き起こされる細菌性ショックからマウスを保護することなどが明らかにされている(非特許文献5)。
Hpx(ヘモペキシン:M62642)は、肝臓で産生・分泌される分子量約60kDaの血清糖タンパク質で、遊離ヘムと結合する性質を持っている。また、これも急性相反応物質のひとつであることが知られている(非特許文献6及び7)。
これらのタンパクについて、百日咳菌又は百日咳毒素との関連は知られていない。
「生物学的製剤基準」、厚生労働省(2004)、120〜122頁(百日咳ワクチン)及び123〜125頁(沈降精製百日咳ワクチン)。 Corbel and Xing. "Toxicity and potency evaluation of pertussis vaccines." Expert Rev. Vaccines 3(1), 89-101, 2004 Fournier T., Medjoubi-N N., Porquet D. "Alpha-1-acid glycoprotein." BBA 1482, 157-171, 2000 戸叶嘉明、橋本博史、日本臨床57, 250-252, 1999LBP Fenton MJ., Golenbock DT. "LPS-binding proteins and receptors." J. Leucocyte Biol. 64, 25-32, 1998pRHx1 Tolosano E., Altruda F. "Hemopexin: Structure, Function, and Regulation." DNA Cell Biol. 21, 297-306, 2002 鈴木金吾、並木秀男「血中ヘモペキシンの好中球機能抑制作用と自己免疫疾患への臨床的展望」 日本臨床62, 577-586, 2004 Sakamoto K., Imai J-I., Nishikawa A., Honma R., Ito E., Yanagisawa Y., Kawamura M., Ogawa R., Watanabe S. "Influence of inhalation anesthesia assessed by comprehensive gene expression profiling." Gene 356, 39-48, 2005(マイクロアレイ解析) Lentschat A., Krahashi H., Michelsen KS., Thomas LS., Zhang W., Vogel SN., Arditi M., Mastoparan, "a G protein agonist peptide, differentially modulates TLR4- and TLR2-mediated signaling in human endothelial cells and murine macrophages." J. Immunol. 174, 4252-4261, 2005(リアルタイムPCR解析)
上述したように、従来の非特異的な試験法は、多くの要因によって影響を受ける体重、白血球数などを指標としているため、観察された毒性の原因を明確に突き止めることが困難である。また、個体差による変動など、試験精度を低下させる因子が多く存在するため、再現性及び精度が低い欠点が存在する。さらに、いずれの方法によっても、多数の動物を3日〜1週間程度の期間維持し、観察・測定などを行う必要がある。そのため、時間及び手間がかかり、経済性・効率性の点でも劣っている。
したがって、本発明は、上記のような従来の試験法の欠点を克服し、正確、迅速、簡便な百日咳毒素の検出方法、及びそれを用いる百日咳ワクチンの安全性評価方法及び品質管理方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような方法に使用するための試薬、キットなどをも提供する。
本発明者らは、DNAマイクロアレイを用いて百日咳毒素に対して発現量の変動する遺伝子を網羅的に解析した。その結果、AGP、Lbp及びHpx1の3種の遺伝子発現が百日咳毒素に応答して短時間のうちに特徴的に変動し、百日咳毒素の存在の指標として適することを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、
〔1〕 以下の工程:
1)ヒト以外の動物に被検試料を投与し、
2)この動物における、AGP、Lbp及びHpxからなる群から選択される1種以上の指標遺伝子の発現の有無又は量を測定し、
3)前記発現の有無又は量を前記被検試料中に存在する百日咳毒素の有無又は量と関連づける工程
を含む、被検試料中の百日咳毒素の検出方法;
〔2〕 前記AGP遺伝子が、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードする遺伝子であり、
前記Lbp遺伝子が、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードする遺伝子であり、及び/又は
前記Hpx遺伝子が、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードする遺伝子である、前記〔1〕記載の方法;
〔3〕 前記工程2)において、前記1種以上の指標遺伝子に由来する核酸を増幅する工程を含む、前記〔1〕又は〔2〕記載の方法;
〔4〕 前記工程2)において、前記1種以上の指標遺伝子に由来する核酸を、その指標遺伝子に由来する核酸又はその相補鎖の一部と特異的にハイブリダイズしうるプローブとハイブリダイズさせる工程を含む、前記〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔5〕 前記プローブが、固相に固定化されている、前記〔4〕記載の方法;
〔6〕 前記工程2)において、前記指標遺伝子3種すべての発現の有無又は量を測定する、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の方法;
〔7〕 前記被検試料が、百日咳ワクチン又はその成分である、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の方法;
〔8〕前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の方法を含む、百日咳ワクチンの安全性評価方法;
〔9〕前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の方法を含む、百日咳ワクチンの品質管理方法;
〔10〕前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載の方法により百日咳毒素の有無又は量を測定し、百日咳毒素の含有量が5μg/mL又はそれ未満である百日咳ワクチン;
〔11〕 以下の配列:
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするAGP遺伝子のヌクレオチド配列、
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするLbp遺伝子のヌクレオチド配列、
(c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするHpx遺伝子のヌクレオチド配列、及び
(d)前記(a)〜(c)に記載された配列と相補的なヌクレオチド配列
のいずれかの配列の一部である配列を有する核酸フラグメントであって、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載の方法において使用される核酸フラグメント;
〔12〕 AGP、Lbp及びHpxからなる群から選択される1種以上の指標遺伝子に由来する核酸又はその相補鎖の一部を特異的に増幅しうるように設計された1組以上のプライマー対からなる、百日咳毒素の検出用の試薬;
〔13〕 AGP、Lbp及びHpxからなる群から選択される1種以上の指標遺伝子に由来する核酸又はその相補鎖の一部と特異的にハイブリダイズしうるように設計された1種以上のプローブからなる、百日咳毒素の検出用の試薬;
〔14〕 前記プライマー対が、
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするAGP遺伝子に由来する核酸、
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするLbp遺伝子に由来する核酸、
(c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするHpx遺伝子に由来する核酸、及び
(d)前記(a)〜(c)に記載された核酸と相補的なヌクレオチド配列を有する核酸、
からなる群から選択される1種以上の核酸の一部を特異的に増幅しうる、前記〔12〕記載の百日咳毒素の検出用の試薬;
〔15〕 前記プローブが、
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするAGP遺伝子に由来する核酸、
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするLbp遺伝子に由来する核酸、
(c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするpRHx1遺伝子に由来する核酸、及び
(d)前記(a)〜()に記載された核酸と相補的なヌクレオチド配列を有する核酸、
からなる群から選択される1種以上の核酸の一部と特異的にハイブリダイズし得る、前記〔13〕記載の百日咳毒素の検出用の試薬;
〔16〕 前記〔13〕又は〔15〕記載のプローブが固定化されている、百日咳毒素の検出用の支持体;
〔17〕 前記〔11〕〜〔16〕のいずれか1項記載の核酸フラグメント、試薬又は支持体を含む、百日咳毒素の検出用又は百日咳ワクチンの安全性評価もしくは品質管理用キット、
が提供される。
本発明によれば、百日咳毒素を極めて迅速に高感度で正確に検出することができる。即ち、本発明によれば、従来の非特異的な試験法では不可能であった1μg/mL以下のレベルでの百日咳毒素の検出が可能である。また、本発明で指標として用いられる3種の遺伝子発現はいずれも百日咳毒素に対する応答における個体差が比較的小さいため、使用する動物数が従来よりも少なくても再現性のよい結果が得られる。さらに、従来の方法では試験期間として3日以上を要していたが、これを数時間〜約1日以内にまで大幅に短縮することができる。
本発明によれば、上記の遺伝子のいずれか1種以上の発現を検出するための適当な特異的核酸試薬(プローブ又はプライマー)を用意することにより、核酸の検出技術において慣用されている一般的な試薬及び手法を用いて、試験者の熟練を必要とせずに簡便に大量の試験をルーチンに行うことができる。さらには、本発明の方法を行うために必要な試薬をキットとして提供することもできる。
したがって、本発明は、百日咳ワクチンの安全性評価方法及び品質管理方法として非常に多くの利点を有する。
本発明の方法においては、まず、ヒト以外の動物に被検試料を投与する。動物としては、ヒト以外の哺乳類、特にげっ歯類、なかでもラットが好ましい。被検試料は、百日咳毒素の存在が疑われるものであれば特に限定されないが、一般的には現行のワクチン、新しい製法によるワクチン、ワクチンを製造するための各種成分などが挙げられる。
本発明に関して「ワクチン」は、製造方法を問わず、任意の感染性疾患を予防又は抑制する目的で免疫系を刺激するためにヒト又はヒト以外の動物に投与される抗原又は抗原含有組成物を意味し、抗原は精製されていてもいなくてもよく、また、ウイルス又は細菌などの病原体そのもの(細菌細胞など)を含んでいても含んでいなくてもよい。
投与経路は、特に制限されず、経口であっても非経口であってもよいが、一般的には注射、特に腹腔内注射が慣用される。投与量は用いる動物種、投与経路などによって異なるが、たとえばラットに注射によって投与する場合、1〜10mL、好ましくは1〜5mL程度が一般的である。
次に、被検試料を投与された動物におけるAGP、Lbp及びHpxからなる群から選択される1種以上の指標遺伝子の発現の有無又は量を測定する。これは、一般的には、この動物から採取した器官、組織又は細胞などの試料から、公知の方法によって全RNA、mRNA又はそのcDNA、あるいはタンパクを調製し、指標遺伝子の発現量を測定することによって行うことができる。AGP、Lbp及びHpxは主に肝臓で発現されるため、肝臓由来の試料が望ましい。
被検試料の投与から指標遺伝子の発現を調べるための動物試料の採取までの時間は、動物の種や大きさ、被検試料の投与量、検出しようとする毒素の濃度範囲などによって変化しうるが、たとえば1〜10μg/mL程度の濃度範囲の百日咳毒素を検出する場合、一般的には1時間〜7日の間、好ましくは2時間〜4日程度である。当業者は、既知の濃度の毒素を含む被検試料の投与から動物試料採取までの時間を種々変更して発現量を測定することにより、所望の濃度範囲について最適な時間を適宜選択することができる。
本発明の方法においては、指標遺伝子はいずれか1種でもよいが、試験結果の正確性の観点から、好ましくはこれらの指標遺伝子の2種以上、特に好ましくは3種すべてについて発現の有無又は量を測定する。また、各指標遺伝子としては、好ましくは、AGP遺伝子が、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードする遺伝子であり;Lbp遺伝子が、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードする遺伝子であり;Hpx遺伝子が、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードする遺伝子である。
本発明に関してタンパクの「機能的等価物」とは、もとの遺伝子によってコードされるタンパクの特徴的な1つ以上の機能又は活性を、実質的にもとのタンパクと同等に、又はもとのタンパクと比較して少なくとも50%以上有するものをいう。機能的等価物は、もとのタンパクのアミノ酸配列に対して、1〜数個(又は1〜数箇所)のアミノ酸の置換、挿入、付加、欠失を有していることができる。具体的には、機能的等価物としては、たとえば、偶発的な突然変異により生じた対立遺伝子から発現される機能的な変異体タンパク、他の動物におけるホモログなどが含まれる。
本発明における指標遺伝子によってコードされるタンパク(即ちAGP、Lbp及びHpxタンパク)については、配列表の配列番号1〜3にラットにおけるそれぞれのアミノ酸配列及びヌクレオチド配列が記載されている。発現量の有無又は量を調べる指標遺伝子としては、被検試料を投与した動物における指標遺伝子のヌクレオチド配列又はそれによってコードされるアミノ酸配列と同一のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列を有する遺伝子が最も好ましいが、それらの機能的等価物をコードする遺伝子でもよい。配列相同性から見た場合、機能的等価物をコードする遺伝子は、もとの遺伝子のヌクレオチド配列と比較して、60%以上の相同性を有するもの、さらには80%以上又は85%以上の相同性を有するものが好ましい。また、機能的等価物をコードする遺伝子は、もとのタンパクのアミノ酸配列と比較して、80%以上の相同性を有するもの、さらには90%以上又は95%以上の相同性を有するものが好ましい。ここで、配列の相同性はNCBI(National Center for Biotechnology Information)のHomoloGENEで使用されているように「BLAST2.2.13」を用いて求めたものを指す。
したがって、たとえば被検試料をラットに投与してAGP遺伝子の発現の変動を調べる場合、配列番号1記載のアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を有するラットAGP遺伝子の配列に基づいて設計されたプライマー対又はプローブを用いてAGP遺伝子の発現の有無又は量を測定することが最も望ましいが、場合によっては、マウスにおけるホモログの配列に基づいて設計されたプライマー対又はプローブを用いてもよい。
発現の検出又は定量は、公知の任意の方法で行うことができる。たとえば、動物試料からRNA、あるいはmRNA又はcDNAなどの指標遺伝子に由来する核酸を調製して、ノーザンブロット法、ドットブロット法、各種PCR法(RT−PCR、リアルタイムPCRなど)、cDNA又はPCR増幅産物のハイブリダイゼーション(核酸マイクロアレイ法など)などを適宜用いて行うことができる。本発明に関してある「遺伝子に由来する核酸」は、その遺伝子と実質的に同一又は実質的に相補的な配列を有する又は含む核酸を指し、遺伝子から転写されたプロセッシング前の転写物、mRNA、mRNAから逆転写されたcDNA、それらの増幅産物などを含む。前記のような公知の方法のうち、指標遺伝子に由来する核酸を増幅する工程及び/又は指標遺伝子に由来する核酸を、各指標遺伝子に由来する核酸又はその相補鎖と特異的にハイブリダイズしうるプローブとハイブリダイズさせる工程を含むものが、感度、簡便性などの点から有利であり、なかでも、マイクロアレイのような支持体に固相化されたプローブを用いるハイブリダイゼーション法及びリアルタイムPCRは、定量性、感度及び迅速性などの点で特に好ましい。
具体的には、PCRに基づく方法においては、上記工程2)において、
(i)工程1)において被検試料を投与された動物由来の試料から、指標遺伝子に由来する核酸を調製し、(ii)前記工程(i)において得られた核酸を鋳型として用いて、適当なプライマー対を用いて指標遺伝子に由来する核酸又はその相補鎖を特異的に増幅する工程を含むことができる。
好ましくは前記工程(i)において、cDNAを調製する。たとえば、全RNAを調製し、ポリ(A)RNAを選択的に逆転写してcDNAを調製することができる。あるいは、全RNAからポリ(A)RNAを調製し、ランダムプライマーを用いてcDNAを調製してもよい。場合によっては、逆転写の段階で核酸を増幅することもできる。
前記工程(ii)で用いられるプライマー対は、指標遺伝子に由来する核酸又はその相補鎖の一部を特異的に増幅しうるように設計される。好ましいプライマー対は、(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするAGP遺伝子に由来する核酸、(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするLbp遺伝子に由来する核酸、(c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するタンパク又はその機能的等価物をコードするHpx遺伝子に由来する核酸、及び(d)前記(a)〜(c)に記載された核酸と相補的なヌクレオチド配列を有する核酸からなる群から選択される1種以上の核酸の一部を特異的に増幅しうるものである。このような設計方法は公知である。
また、ハイブリダイゼーションを用いる方法においては、上記工程2)において、(i)工程1)において被検試料を投与された動物由来の試料から、指標遺伝子に由来する核酸を調製し、(ii)前記工程(i)で得られた核酸と、指標遺伝子に対して特異的なプローブとを、ハイブリダイズ可能な条件下でインキュベートする工程を含むことができる。
前記工程(i)は上記と同様であり、好ましくはcDNAを調製する。この段階で核酸を標識しておいてもよい。また、前記工程(ii)において、好ましくはハイブリダイゼーションはストリンジェントな条件下で行う。本発明に関して「ストリンジェントな条件」とは、20×SSC、65℃、16時間の条件又はそれと同等以上のストリンジェンシーの条件をいう。
ハイブリダイゼーションに用いるプローブは、AGP、Lbp及びHpx遺伝子の各々の配列に基づいて、これらの遺伝子に由来する核酸又はその相補鎖の全部又は一部と特異的にハイブリダイズし得るように適宜設計される。好ましいプローブは、上記のような指標遺伝子に由来する核酸(前記(a)〜(c))及びこれらの核酸と相補的なヌクレオチド配列を有する核酸(前記(d))からなる群から選択される1種以上の核酸の少なくとも一部と特異的にハイブリダイズし、これらの存在を検出できるように設計される。このような設計方法は公知である。
また、プローブは、好ましくは固相に固定化されている。固相としては、スライドグラス、マイクロタイタープレートなどが挙げられる。
指標遺伝子の発現の有無又は量を測定した後、その結果を、動物に投与した被検試料中に存在する百日咳毒素の有無又は量と関連づける。これは、たとえば、被検試料について得られた結果を、1種以上の既知の濃度の百日咳毒素を含有する検体(陽性対照)及び百日咳毒素を含有しない検体(陰性対照)について予め又は平行して測定して得られた結果から作成された検量線と対比することにより行うことができる。
また、一般的には、毒素の存在によって発現量が影響を受けない又は受け難いと考えられる別の遺伝子(たとえばβ−アクチンのようなハウスキーピング遺伝子)についても同時に発現を測定することにより、試験の正確性を担保することができる。
本発明の方法を行うための試薬をキットとして提供する場合、指標遺伝子についての上記のような特異的プライマー対又は特異的プローブからなる百日咳毒素検出用試薬又は固定化プローブを含む支持体はキットの必須の構成成分である。キットの付加的な構成成分としては、上記のようなハウスキーピング遺伝子について特異的プライマー対又は特異的プローブ(指標遺伝子に対するプローブと同一又は別個の支持体に固定化されていてもよい)、百日咳毒素の陽性対照、陰性対照、使用説明などを記載した説明書、ハイブリダイゼーション及び/又はPCRにおいて必要な一般的な緩衝液などの試薬類、容器などが挙げられる。
本発明の百日咳毒素検出法を用いて百日咳ワクチンの安全性評価又は品質管理をするためには、上記の工程において指標遺伝子の発現の有無又は量と関連づけられた被検試料中に存在する百日咳毒素の有無又は量を、さらに予め定められた基準に基づいて、ワクチンの安全性又は品質の観点から評価することを行う。
このようにして、本発明の方法により百日咳毒素の有無又は量を測定することにより、安全で品質の確かなワクチンが得られる。一般に、安全性の有無は5μg/mLの百日咳毒素量を基準に判断されているが、本発明によれば、百日咳毒素の含有量が5μg/mL以下、好ましくは5μg/mL未満、4μg/mL以下、さらには1μg/mL以下のものを容易に選択することができ、極めて安全性の高い百日咳ワクチンが提供される。
百日咳毒素の検出及びワクチンの安全性評価
1.被検試料の投与
動物としては、ラット(Wister 8週齢、雄、SPF)を使用した。
被検試料として用いるワクチン及び毒素としては、以下のものを用いた:参照百日咳ワクチン(毒性試験用)(Lot2、国立感染症研究所、平成4年4月13日)。精製百日咳ワクチン(以下「ワクチン」ということがある)(Batch PT-1012、化学及血清療法研究所)。百日咳毒素(以下「毒素」ということがある)(Lot VGF1071、Wako Chemicals USA, Inc.)。
DNAマイクロアレイ解析用としては、ワクチン及び毒素をそれぞれ生理食塩水(「大塚生食注」、大塚製薬)で5μg/mLに希釈し、動物に5mL/headで腹腔内投与した。また、毒素量による応答の変動を調べるためのリアルタイムPCR用としては、毒素の終濃度0.008、0.04、0.2、1.0、5.0μg/mLになるように毒素をワクチン(終濃度5μg/mL)に添加して段階希釈系列を作製し、これを被検試料として、動物に5mL/headで腹腔内投与した(即ち、投与毒素量:0.04、0.2、1.0、5.0、及び25μg/head)。
また、生理食塩水のみ、又は参照百日咳ワクチンのみを同様に動物に投与した。
2.組織からのRNA調製
ワクチン投与後1日目に肝臓を採取し、ISOGEN(ニッポンジーン株式会社)中でホモジナイズを行った。4℃にて1晩以上放置した後、2,400×gで10分間遠心し、上清を回収した。この上清に0.2倍量のクロロホルム(Wako)を加えて15秒間激しく振り動かし、3分間室温に置いた後、4℃にて10,000×gで15分間遠心した(クロロホルム抽出)。上清(水相)を採取してさらに1回クロロホルム抽出を行った。得られた上清に0.5倍量の1.2M塩化ナトリウム(Wako)/0.8Mクエン酸三ナトリウム(国産化学株式会社)溶液及び0.5倍量の2−プロパノール(Wako)を加えて転倒混和し、10分間室温に置き、4℃にて10,000×gで15分間遠心してRNAを沈澱させた。沈殿に70%エタノール(Wako)を加え、4℃にて4,000×gで5分間遠心することによりRNA沈澱を洗浄した。同様の操作をさらに1回繰り返した後、RNAを注射用水(「大塚蒸留水」、大塚製薬)に溶解し、以降の操作に用いた。
3.cDNA合成
First-strand cDNA Synthesis Kit (Life Science, Inc)を用いてcDNA合成を行った。5μgの前記RNAに、0.05μgのpd(T)12-18を加え、17μLにしたものを70℃で10分間処理し、次に氷上に10分間放置した。ここに、5μLの5× Reaction buffer、1μLの0.25M DTT、1μLのRNase Inhibitor、1μLのAMV Reverse Transcriptase(試薬はいずれも上記キットに添付もの)を加えて40℃で60分間処理した後、氷上にて反応を終了させた。このものをcDNAとして用いた。リアルタイムPCR解析には、このcDNAを、注射用水(「大塚蒸留水」、大塚製薬)にて6倍希釈したものを用いた。
4.検出
4−1.マイクロアレイ解析
マイクロアレイ解析は、基本的にSakamotoら(非特許文献8)に記載されたように80baseのオリゴプローブによるスタンフォードタイプ、二色の発光プローブのミックス(mix)にて行った。具体的には、「新遺伝子工学ハンドブック」(289〜294頁、羊土社(2003年))に記載された方法にしたがって、11,400の遺伝子によるマイクロアレイを作製し、前記3.で得たcDNAをターゲットとして使用して、肝臓での遺伝子発現の変化をクラスタ分析した。データ解析においては、取得した遺伝子発現プロファイルのデータから、各群同士を比較してt検定で統計的に有意差(p<0.01)がある遺伝子をピックアップし、さらに平均値の差が約1.5倍以上の差がある遺伝子を絞り込んだ。
AGP、Lbp、Hpxで使用したプローブは以下に示すとおりである。
AGP用プローブ:J00696の608番目から687番目に相当する塩基配列、即ち
TGGAGCTGGAGAAGGAGACTAAGAAGGAGACCAAGAAGGATCCTTAGGCCAAGCATGAACTCAGCTCTCTGAACTCCGGG(配列表の配列番号4);
Lbp用プローブ:NM_017208の1021番目から1100番目に相当する塩基配列、即ち
CGACCATGAGCCTACCTGAGGACAGTAAACAAATGGTCTACTTTGCCATCTCAGATCAGGCCTTCAACATAGCCACCCGG(配列表の配列番号5);
pRHx1用プローブ:M62642の1359番目から1438番目に相当する塩基配列、即ち
CAGTATAGACAAACTGAATGCAGCCAAGAGTCTGCCTCAGCCCCAGAAAGTGAACAGCATCCTTGGCTGCAGTCAATAAA(配列表の配列番号6)。
4−2.リアルタイムPCR解析
10μLのSYBRGreen PCR Master Mix(4309155, Applied Biosystems, Inc.)、下記プライマー(逆相カラム精製、ファスマック株式会社)、注射用水(「大塚蒸留水」、大塚製薬)を混和し(計19μL)、ここに1μLのcDNAを加え、7500 Fast Real Time PCR System(Applied Biosystems, Inc.)にてStandard 7500モードでPCR反応を行った。目的遺伝子の発現量は、同一試料中のβ−アクチン発現量に対する比で算出した。
使用したプライマーセットは以下のとおりであった。
β−アクチン(ラット由来):5’−ACCGTGAAAAGATGACCCAGATC−3’(配列表の配列番号7)と5’−GACCAGAGGCATACAGGGACAAC−3’(配列表の配列番号8)(それぞれ100μM)
APG:5’−GCTGGAGCTGGAGAAGGAGACT−3’(配列表の配列番号9)と5’−ACAGTCCCCGGAGTTCAGAGA−3’(配列表の配列番号10)(それぞれ200μM)
Lbp:5’−TCACCGCTCCCCAGTCACTA−3’(配列表の配列番号11)と5’−GGCCTGATCTGAGATGGCAAA−3’(配列表の配列番号12)(それぞれ100μM)
Hpx:5’−CTGCCTCAGCCCCAGAAAGT−3’(配列表の配列番号13)と5’−GGGTGGGCTGGGCTAATTC−3’(配列表の配列番号14)(それぞれ50μM)。
これらのプライマーにより増幅されるフラグメントの長さは、それぞれβ−アクチンが96bp、AGPが88bp、Lbpが91bp、Hpxが80bpであった。
5.結果
AGP、Lbp及びHpxについての結果を、それぞれ図1〜3に示す。各図において、パネル(A)はDNAマイクロアレイを用いた結果であり、パネル(B)及び(C)はリアルタイムPCRを用いた結果である。また、同じ実験を2回ずつ行い、1回目及び2回目の結果を、それぞれ白及び黒の棒で示した。
パネル(A)及び(B)(いずれも毒素濃度5.0μg/mL)を比較することにより、図1〜3のいずれにおいても生理食塩水(SA)、参照用百日咳ワクチン(RE)、毒素(PT)及び精製百日咳ワクチン(PV)のすべてについて、両手法によって得られた結果がよく一致し、どちらの手法を用いても整合性のある結果が得られることがわかる。また、2回の実験について同様の結果が得られていることから、再現性があることがわかる。
パネル(C)は、種々の濃度の毒素を含む試料を用いて検出限界を調べた結果である。AGP(図1)及びLbp(図2)については、個体差はあるものの、AGPの発現量は概ね毒素の濃度依存的に変動した。0.2μg/mL以下の毒素濃度では毒素を含まない対照試料との差がほとんどないが、1μg/mL以上(5μg/head)の毒素濃度は、個体差を考慮しても一群3頭の動物を用いれば充分検出可能であった。Hpxについても同様の結果が得られ、1μg/mL以上の毒素が混入している場合にSA投与群やPV投与群と比較して発現量が増加し、毒素検出の指標となり得ることがわかった。
比較例(従来法によるワクチンの毒性試験)
マウス体重減少試験及びマウス白血球数増加試験と同様の方法(非特許文献1)によって、ラットを用いてワクチンの毒性を評価した。具体的には、8週齢の雄のWisterラット(一群3頭)に、1頭あたり5mLの検体を腹腔内注射した。検体としては、生理食塩水(SA)、毒性参照用百日咳ワクチン(RE)、精製百日咳ワクチン(PV)、PVに0.2μg/mLの百日咳毒素(PT)を添加したもの(PV+PT(0.2))、PVに1.0μg/mLのPTを添加したもの(PV+PT(1.0))、PVに5.0μg/mLのPTを添加したもの(PV+PT(5.0))を用いた。
注射日(注射前)を第0日とし、第1、2、3及び7日に体重を、第1、2、3及び4日に末梢血白血球数を、それぞれ測定した。得られた測定値を、第0日の数値を100%とした場合の%として表した。
結果を図4に示す。図4においては、第0日の数値を基準としてぞれに対する増減%として表した。パネル(A)は体重、パネル(B)は白血球数の増減をそれぞれ表す。体重変化については、5.0μg/mLの百日咳毒素を含むワクチンであっても毒素を含まないワクチン又は生理食塩水と区別できない程度の変化しか見られず、この方法では毒素を検出できないことがわかった。また、白血球数の変化については、5.0μg/mLの百日咳毒素を含むワクチンでは毒性参照用ワクチンと同等以上の白血球数の増加が見られたが、1.0μg/mL以下の毒素濃度では検出できないことがわかった。
図1は、種々の被検試料に応答したAGPの発現量の変動を示す図である。パネル(A)=DNAマイクロアレイ;パネル(B)及び(C)=リアルタイムPCRによる検出結果。図1〜3において、SA=生理食塩水、RE=参照用百日咳ワクチン、PV=精製百日咳ワクチン、PT=5.0μg/mLの百日咳毒素;PT0.008=終濃度5μg/mLのPVに終濃度0.008μg/mLの百日咳毒素(PT)を添加したもの、PT0.04=終濃度5μg/mLのPVに終濃度0.04μg/mLのPTを添加したもの、PT0.2=終濃度5μg/mLのPVに0.2μg/mLのPTを添加したもの、PT1=終濃度5μg/mLのPVに終濃度1μg/mLのPTを添加したもの、PT5=終濃度5μg/mLのPVに終濃度5μg/mLのPTを添加したもの、をそれぞれ表す。 図2は、種々の被検試料に応答したLbpの発現量の変動を示す図である。パネル(A)=DNAマイクロアレイ;パネル(B)及び(C)=リアルタイムPCRによる検出結果。 図3は、種々の被検試料に応答したpRHx1の発現量の変動を示す図である。パネル(A)=DNAマイクロアレイ;パネル(B)及び(C)=リアルタイムPCRによる検出結果。 図4は、8週齢のラットを用いて行った従来の百日咳ワクチンの安全性評価方法の結果を示す図である。パネル(A)=体重減少試験。パネル(B)白血球数増加試験。SA=生理食塩水、RE=参照用百日咳ワクチン、PV=精製百日咳ワクチン、PV+PT(0.2)=PVに0.2μg/mLの百日咳毒素(PT)を添加したもの、PV+PT(1.0)=PVに1.0μg/mLのPTを添加したもの、PV+PT(5.0)=PVに5.0μg/mLのPTを添加したもの、をそれぞれ表す。

Claims (13)

  1. 以下の工程:
    1)ヒト以外の動物に百日咳ワクチン又はその成分を投与し、
    2)この動物における、AGP、Lbp及びHpxからなる群から選択される1種以上の指標遺伝子の発現の有無又は量を測定し、
    3)前記発現の有無又は量を前記百日咳ワクチン又はその成分中に存在する毒性を有する百日咳毒素の有無又は量と関連づける工程
    を含む、百日咳ワクチンの安全性評価方法。
  2. 前記AGP遺伝子が、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパクをコードする遺伝子であり、
    前記Lbp遺伝子が、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパクをコードする遺伝子であり、及び/又は
    前記Hpx遺伝子が、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するタンパクをコードする遺伝子である、請求項1記載の方法。
  3. 前記工程2)において、前記1種以上の指標遺伝子に由来する核酸を増幅する工程を含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記工程2)において、前記1種以上の指標遺伝子に由来する核酸を、その指標遺伝子に由来する核酸又はその相補鎖の一部と特異的にハイブリダイズしうるプローブとハイブリダイズさせる工程を含む、請求項1又は2記載の方法。
  5. 前記プローブが、固相に固定化されている、請求項4記載の方法。
  6. 前記工程2)において、前記指標遺伝子3種すべての発現の有無又は量を測定する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項記載の方法を含む、百日咳ワクチンの品質管理方法。
  8. AGP、Lbp及びHpxからなる群から選択される1種以上の指標遺伝子に由来する核酸又はその相補鎖の一部を特異的に増幅しうるように設計された1組以上のプライマー対からなる、百日咳ワクチンの安全性評価又は品質管理用の試薬。
  9. AGP、Lbp及びHpxからなる群から選択される1種以上の指標遺伝子に由来する核酸又はその相補鎖の一部と特異的にハイブリダイズしうるように設計された1種以上のプローブからなる、百日咳ワクチンの安全性評価又は品質管理用の試薬。
  10. 前記プライマー対が、
    (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパクをコードするAGP遺伝子に由来する核酸、
    (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパクをコードするLbp遺伝子に由来する核酸、
    (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するタンパクをコードするHpx遺伝子に由来する核酸、及び
    (d)前記(a)〜(c)に記載された核酸と相補的なヌクレオチド配列を有する核酸、
    からなる群から選択される1種以上の核酸の一部を特異的に増幅しうる、請求項記載の百日咳ワクチンの安全性評価又は品質管理用の試薬。
  11. 前記プローブが、
    (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパクをコードするAGP遺伝子に由来する核酸、
    (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパクをコードするLbp遺伝子に由来する核酸、
    (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するタンパクをコードするHpx遺伝子に由来する核酸、及び
    (d)前記(a)〜()に記載された核酸と相補的なヌクレオチド配列を有する核酸、
    からなる群から選択される1種以上の核酸の一部と特異的にハイブリダイズし得る、請求項記載の百日咳ワクチンの安全性評価又は品質管理用の試薬。
  12. 請求項9又は11記載のプローブが固定化されている、百日咳ワクチンの安全性評価又は品質管理用の支持体。
  13. 請求項8〜12のいずれか1項記載の試薬又は支持体を含む、百日咳ワクチンの安全性評価又は品質管理用キット。
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