JP5007237B2 - 開閉装置及びこれを用いた携帯機器 - Google Patents

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Description

本発明は、開閉装置及びこれを用いた携帯機器に関し、特に一方側の部材と他方側の部材とをヒンジ結合した折りたたみ式のヒンジ結合体を押しボタン操作等の簡単な操作のみで開いた状態に動作(以下、開動作という)させる機能を備えた開閉装置に関する。
従来、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)等の携帯型電子機器に代表される携帯機器においては、小型・軽量でかつ保護機能に優れた折りたたみ式の筐体を採用したものが多用されているが、この種の携帯機器においては、筐体が小型になるほどその筐体を手で開く操作が煩わしくなるという難点があったため、近時、筐体のヒンジ結合部分に押しボタン操作のみでその開動作を可能にする開閉装置を実装して操作性を向上させたものが提案されている。
この種の開閉装置としては、ヒンジ結合される一方側の部材に固定された筒状ガイド部材内に、プッシュボタン操作を回転に変換する変換カムと、変換カム及び復帰ばねにより駆動される解除カムと、この解除カムにより操作される固定カム及び反転カム等といった複数の回動カムを収納して、押しボタン操作に応動し、これら複数の回動カムと可動側の筐体に回転方向一体に係合する可動側カムとの係合状態を変化させることで、ばねの付勢力を利用した開動作がなされるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−232336号公報
しかしながら、上述のような従来の開閉装置にあっては、回動カムのうち可動側筐体に回転方向一体に係合する回動カムとこれに直接係合する回動カムとが、それぞれ回動中心軸線を挟んで対向する一対の同一機能のカムを同一円柱面上に配置する構成となっていたため、両回動カムの係合範囲(係合面積)が最小となったときにもその係合面の面圧を所定値以下に抑える必要から一定角度以上の最小係合角度範囲が要求され、開閉動作の範囲が180度よりもその最小係合角度範囲分だけ少なくならざるを得なかった。そのため、一定の開閉角度範囲を得ようとすれば、高い面圧に耐え得る材料で回動カムを作製する必要が生じ、成形性に優れた材料を用いて回動カムを注型成形し、所要の耐久性を確保しつつコスト低減を図るということが困難であった。
また、狭小なヒンジ結合部内に、筐体を閉じた姿勢で保持固定するための固定カムと、この固定カムを解除させる解除カムと、固定カムの解除時にこれに代わり可動側カムと係合して可動側カム及び可動側筐体を開動作方向に回動させる反転カム等といった多数の回動カムを使用していたため、構成が複雑でコスト高になるとともに小型化が容易でないという問題があった。
したがって、上記開閉装置を実装する携帯機器においても、小型化やコスト低減の面で難点があった。
そこで、本発明は、回動カムの面圧を抑えることができるようにして、低コストで耐久性にも優れた開閉装置を提供し、これを用いた小型・低コストでヒンジ結合部の耐久性にも優れた携帯機器を提供することを目的とする。
本発明の開閉装置は、上記目的達成のため、(1)ヒンジ結合される一方側の部材に固定され、前記ヒンジ結合の中心軸線の方向に延在するガイド中心軸線を有する固定ガイド部材と、外部からの操作により前記固定ガイド部材に対し所定の操作方向に変位するよう前記固定ガイド部材に変位可能に支持された操作カムと、前記操作カムに係合し前記操作カムの変位に応じて前記ガイド中心軸線の軸線回りに回動するよう前記固定ガイド部材に回動可能に支持された第1回動カムと、前記第1回動カムの回動位置に応じて前記ガイド中心軸線の軸線方向に変位するとともに前記ガイド中心軸線の軸線回りに回動するよう前記固定ガイド部材に支持された第2回動カムと、ヒンジ結合される他方側の部材に対し前記ガイド中心軸線の軸線回りの回動を規制されるとともに、前記第2回動カムに対向するよう前記固定ガイド部材に対し前記ガイド中心軸線の軸線方向に変位可能にかつ前記ガイド中心軸線の軸線回りに回動可能に連結された可動カムと、前記可動カムを前記第2回動カムに付勢し、前記第2回動カムと前記可動カムとの係合状態に応じて、前記他方側の部材を前記一方側の部材から離隔させる開動作方向及び前記他方側の部材を前記一方側の部材に接近させる閉動作方向のうちいずれか一方側に付勢する付勢手段と、前記第1回動カムを前記操作カムによる所定の操作開始位置に復帰させるとともに、前記付勢手段により前記他方側の部材を前記閉動作方向側に付勢可能な所定の動作開始位置に、前記第2回動カムを復帰させる復帰手段と、を備え、前記操作カムが前記外部からの操作により前記所定の操作方向に変位したとき、前記付勢手段の付勢力により前記可動カムを介して前記他方側の部材を前記一方側の部材に対し前記開動作方向に回動させる開閉装置であって、前記第2回動カム及び前記可動カムが、それぞれ前記ガイド中心軸線から異なる半径で前記軸線方向に対向する複数種の端面カム部を有し、前記複数種の端面カム部は、前記操作カムの操作により前記第1回動カムが前記所定の操作開始位置から回動するとき、前記付勢手段からの付勢により前記軸線方向に互いに押圧されながら係合状態を変化させ、前記付勢手段による前記他方側の部材の付勢方向を反転させる外側の付勢方向切換えカム部と、前記外側の付勢方向切換えカム部より前記ガイド中心軸線に近い内側で互いに係合し、前記操作カムの操作により前記第1回動カムが前記所定の操作開始位置から回動するとき、前記付勢手段からの付勢により前記軸線方向に互いに押圧されながら前記外側の付勢方向切換えカム部と同期するタイミングで係合状態を変化させ、前記付勢手段による前記他方側の部材の付勢方向を反転させる内側の付勢方向切換えカム部と、を含むものである。
この構成では、付勢方向切換えカム部を複数配しながらも、個々の付勢方向切換えカム部について180度以上の作動範囲を設定することができ、ヒンジ開閉角度を十分に確保しながらも、係合するカム同士の最小係合角度範囲を十分に確保することができる。その結果、カム係合面の当接部位における面圧を十分に下げることができ、例えば成形性に優れた材料で第2回動カムや可動カムを作製することが可能となる。さらに、他のカムによって付勢手段の付勢方向を切り換える必要がないことから、部品点数を削減することができ、簡素で小型・軽量になる。従って、製造コストも削減でき、カムの係合面圧の低下により耐久性も向上する。また、外側の付勢方向切換えカム部と内側の付勢方向切換えカム部の動作のタイミングが一致すれば、内外の付勢方向切換えカム部は回動方向又は軸線方向において任意の相対位置をとり得るので、設計の自由度も高くなる。
本発明の開閉装置においては、(2)前記第2回動カムの前記外側の付勢方向切換えカム部と前記内側の付勢方向切換えカム部とが、互いに前記第2回動カムの回動中心軸線を挟んで対向するよう前記第2回動カムの回動方向において180度異なる位置に配置されているのがよい。この構成により、同一半径で180度間隔に配置される一対のカム部を有する場合と同様に各回動カムにガイド中心軸線を傾ける方向のモーメントが生じるのを抑えながらも、そのような対向カム部では達成できない範囲にまで作動角度範囲を拡大することができる。
本発明の開閉装置は、好ましくは、(3)前記第2回動カムの前記外側の付勢方向切換えカム部と前記内側の付勢方向切換えカム部とのうち各付勢方向切換えカム部が、前記第2回動カムが前記所定の動作開始位置に復帰した状態で前記他方側の部材が前記一方側の部材に最も接近する閉位置の近傍にあるとき、前記可動カムを前記他方側の部材の前記閉動作方向側に付勢するよう前記ガイド中心軸線と直交する平面に対して所定傾斜方向に傾斜した一方側の傾斜カム面と、前記ガイド中心軸線と直交する平面に対して前記一方側の傾斜カム面とは逆方向に傾斜した他方側の傾斜カム面と、前記一方側の傾斜カム面と前記他方側の傾斜カム面の間で前記可動カム側に最も突出し前記付勢手段による前記他方側の部材の付勢方向を反転させる頂部と、を有するものである。
この構成により、各付勢方向切換えカム部が、その軸線方向に開閉する成形型等で容易に成形可能な形状となる。
本発明の開閉装置は、より好ましくは、(4)前記固定ガイド部材に同軸にガイド軸部が設けられ、前記第1回動カム及び前記第2回動カムがそれぞれ前記ガイド軸部により前記固定ガイド部材に対し同軸にガイドされているものである。この構成により、第1回動カム及び第2回動カムの回動中心を安定させ、良好な係合姿勢で回動カムを作動させることができるとともに、カムの組込みも容易化できる。また、付勢方向切換えカム部はガイド中心軸から離間しているので中心部の空間をガイドに有効活用できることになる。
さらに、本発明の開閉装置は、(5)前記ガイド軸に支持されるとともに前記可動カム及び前記他方側の部材にそれぞれ回動方向一体に係合した有底筒状体を更に備え、前記付勢手段が、前記有底筒状体と前記可動カムとの間に縮設された弾性部材で構成されたものであるのが好ましい。この構成により、ガイド軸に有底筒状体を装着して付勢手段である弾性部材を収納することができ、開閉装置の要部をガイド軸上に装着してユニット化することができる。また、有底筒状体には、弾性部材の一端を担持させるだけでなく、可動カムの軸方向移動に対するガイド機能を持たせることができる。
本発明の開閉装置は、また、(6)前記固定ガイド部材及び前記可動カムが、前記軸線方向に対向するそれぞれの端面位置決めカム部を有し、前記他方側の部材が前記一方側の部材から最も離隔する開位置の近傍に達したとき、前記可動カムが前記第2回動カムから離脱するとともに、前記固定ガイド部材及び前記可動カムの前記端面位置決めカム部が互いに係合して前記他方側の部材を前記開位置に位置決め保持するのがよい。この構成により、第2回動カムと可動カムの係合・離脱と端面位置決めカムによる位置決めとの間での動作の円滑な移行が可能となる。
この場合、本発明の開閉装置は、(7)前記固定ガイド部材及び前記可動カムの端面位置決めカム部は、前記第2回動カム及び前記可動カムの前記複数種の端面カム部より前記ガイド中心軸線に近い半径位置で互い係合及び離脱するのがより好ましい。これにより、固定ガイド部材と稼動カムの位置決めカム部を第2回動カムの中心部を通して係合させることができる。また、固定ガイド部材側にガイド軸部を設けた場合には、固定ガイド部材側の位置決めカム部をガイド軸部に容易に形成可能であり、しかも、可動カム側の位置決めカム部との係合に適した軸方向の最適な位置に形成することが可能となる。
本発明の開閉装置においては、(8)前記第2回動カムの前記外側の付勢方向切換えカム部と前記内側の付勢方向切換えカム部とのうち各付勢方向切換えカム部における前記他方側の傾斜カム面の中間部分とその両側部分とで、前記ガイド中心軸線と直交する平面に対する傾斜勾配を異ならせ、前記付勢手段の付勢力によって前記一方側の部材に対し前記開動作方向に回動する前記他方側の部材を、前記他方側の傾斜カム面の中間部分で減速させるようにしてもよい。この構成により、付勢手段の付勢力によって一方側の部材に対し開動作方向に回動する他方側の部材を、他方側の傾斜カム面の中間部分で減速させることが可能となり、開動作の態様を多様化することができる。
あるいは、本発明の開閉装置においては、(9)前記第2回動カムの前記外側の付勢方向切換えカム部と前記内側の付勢方向切換えカム部とのうち各付勢方向切換えカム部における前記他方側の傾斜カム面の中間部分を前記所定傾斜方向に傾斜させて、その両側部分とは前記ガイド中心軸線と直交する平面に対する傾斜方向を異ならせ、前記付勢手段の付勢力によって前記一方側の部材に対し前記開動作方向に回動する前記他方側の部材を、前記他方側の傾斜カム面の中間部分で停止させるようにしてもよい。この構成により、付勢手段の付勢力によって一方側の部材に対し開動作方向に回動する他方側の部材を、他方側の傾斜カム面の中間部分で定位置に停止させることが可能となり、開閉装置を使用する携帯機器の機能に応じて停止位置を適宜設定し、そのヒンジ開閉機能を高めることができる。
一方、本発明の携帯機器は、(10)上記構成の開閉装置を用いた携帯機器であって、ヒンジ結合される前記一方側の部材と前記他方側の部材とにより開閉可能な折りたたみ式の筐体を構成したものである。この構成により、低コストで耐久性に優れた簡素な開閉装置を用いて、小型・軽量かつ低コストで耐久性にも優れた携帯機器を提供することが可能となる。
本発明によれば、第2回動カム及び可動カムのカム係合面の当接部位における面圧を十分に下げて、例えば成形性に優れた材料で第2回動カムや可動カムを成形することが可能となり、しかも、他のカムによって付勢手段の付勢方向を切り換える必要がないことから部品点数を削減することができ、簡素で小型・軽量かつ低コストの、しかも耐久性の高い開閉装置を提供することができる。また、この開閉装置を用いて、小型・軽量かつ低コストで耐久性にも優れた携帯機器を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1の実施の形態]
図1〜図16は、本発明の第1の実施の形態に係る開閉装置及びこれを用いた携帯機器を示す図である。
図1及び図2に示す携帯電話機10は、片手で把持可能な折り畳み式の携帯型情報端末(携帯機器)であり、相対的に回動できるようにヒンジ結合された一対の筐体20,30を備えている。筐体20は複数の操作部21a,21b,21cや音声入力部(図示せず)等が配されるとともに筐体30の回動によって開放及び閉塞される操作面21を有しており、筐体30は筐体20と対向する内面側に表示画面31や音声出力部(符号無し)を備えている。また、筐体20,30には、それぞれ通信や表示及び音声処理等のための電子回路が内蔵されている。なお、操作部を装備した筐体20が操作時に支持される側となることが多いので、ここでは筐体20を固定筐体と呼び、筐体30を可動筐体と呼ぶ。
図2に示すように、携帯電話機10のヒンジ結合部11の一端側には、開閉装置としてのヒンジ開閉ユニット100が装着されており、他端側には配線通路26,33が形成されている。
このヒンジ開閉ユニット100は、図3及び図4に示すように、ヒンジ結合される一方側の部材である固定筐体20に固定された固定ケース110(固定ガイド部材)と、ヒンジ結合される他方側の部材である可動筐体30のヒンジ部32に回転方向一体に係合し、軸線回りの回動を規制された有底筒状体からなる可動ケース120と、固定ケース110の一端側に軸方向変位可能に支持された操作部材としてのプッシュカム130と、固定ケース110内に収納され支持された複数の回動カムである固定カム140(第2回動カム)及びロック解除カム160(第1回動カム)と、固定カム140に係合するよう可動ケース120に軸方向変位可能かつ回転方向一体に収納された回転カム150(可動カム)と、可動ケース120と回転カム150の間に縮設された圧縮ばね170(弾性部材)と、固定ケース110に同軸に支持されたガイドシャフト180(ガイド軸部)と、ロック解除カム160を所定の操作開始位置に復帰させる復帰ばね190(復帰手段)とを含んで構成されている。
固定ケース110は、固定筐体20と可動筐体30のヒンジ結合の中心軸線10a上に位置するガイド中心軸線110cを有しており、例えば固定筐体20と可動筐体30をヒンジ結合するヒンジ結合ユニット23,24のうち一方側のヒンジ結合部23の固定筐体側部品の内周部位に固定されている(詳細は図示していない)。
また、プッシュカム130もヒンジ結合部23の内方に配置されており、このプッシュカム130は、携帯電話機10のヒンジ結合部11(例えば固定筐体20側)内に設けられた押しボタン25を介して外部から内方側(図4中の矢印10bの向き)に操作され、その操作により固定ケース110に対し所定の操作方向である軸線方向に変位する操作カムとなっている。なお、操作カムは必ずしもプッシュカム130のようなプッシュ式のものでなくともよく、操作力を固定ケース110のガイド中心軸線方向に向けて出力し得るものであれば、操作入力方向は特定されず、レバー式、スライド式、回転式等のものであってもよい。
本実施形態のヒンジ開閉ユニット100においては、プッシュカム130は例えば図5に示すような形状を有し、固定ケース110は例えば図6及び図7に示すような形状を有している。
図5において、プッシュカム130は、ガイドシャフト180が挿入されるガイド軸挿入穴130aを有し、ガイドシャフト180を介して固定ケース110のガイド中心軸線110c上に配置される。また、プッシュカム130は、押しボタン25からの操作力が加えられる操作端部131と、固定ケース110の小判形の保持穴113(図3参照)に対応する一対の平行平面カット部からなる回り止め部133と、ロック解除カム160に係合してロック解除カム160を回動させる一対のカム部134とを有している。これらのカム部134は、ロック解除カム160の操作側カム部162のカム形状に対応する傾斜部134aを有している。また、ロック解除カム160は、プッシュカム130の一対のカム部134に係合する一対の操作側カム部162を有しており、プッシュカム130の軸方向変位に応じて軸線回りに所定の回動角度範囲内で回動するようになっている。
また、図8に示すように、ロック解除カム160の一端側(装置外方側)に設けられた一対の操作側カム部162はそれぞれ傾斜面162aを有するとともに、中央のガイド穴160aの中心軸線160cに対し180度の回転対称に配置されており、この一対の操作側カム部162に対応して、固定ケース110には図6(c)に示す中間内底壁部117に一対の扇形の穴部110hが180度の回転対称に形成されている。ロック解除カム160はそのガイド穴160aの中心軸線160cと直交する座面161で固定ケース110の中間内底壁部117に対し摺動可能である。また、ロック解除カム160の他端側に設けられた一対の解除カム部163はそれぞれ固定カム担持面163aとその一方側で固定カム140とカム係合する傾斜面163bとを有し、中央のガイド穴160aの中心軸線160cに対し180度の回転対称に配置されている。
また、図6(c)に示すように、固定ケース110は、中間内底壁部117から前記ガイド中心軸線110cと同軸になるよう突出した中空円筒状のカム支持軸部116を有しており、固定カム140及びロック解除カム160は、それぞれこのカム支持軸部116をガイド軸として、固定ケース110内に回動可能にかつガイド中心軸110cに対し同軸に支持されている。さらに、カム支持軸部116には、ガイドシャフト180がいわゆるしっくり嵌合により同軸に支持されており、これらカム支持軸部116及びガイドシャフト180が本発明にいうガイド軸部を構成している。なお、固定ケース110、プッシュカム130、固定カム140及びロック解除カム160にはグリース等の適当な潤滑剤を塗布することもできる。
一方、固定ケース110の図6中右端側には、固定カム140を軸線方向変位に応じてその軸線回りに回動させる一対の傾斜ガイド部115が設けられている。これら傾斜ガイド部115は、それぞれガイド中心軸線110cと直交する平面、例えば固定ケース110の端面110eに対して所定傾斜方向に所定の進み角γ1だけ傾斜して、ガイド中心軸線110cに対し180度の回転対称に配置されている。また、傾斜ガイド部115は、ガイド中心軸線110cを中心とするほぼ螺旋状の湾曲形状をなしている。なお、ここで「進み角」とは、ねじにおけるリード角(tan−1(リード(L)/周長(πd)))に相当する螺旋の傾きを意味するが、ここでは回動カムの特定の動作角度範囲当たりの従動側の変位(進み)を所定の単位仮想円柱面でとらえるもの(従動側の変位/カム動作角度(θ)×係合半径(r))に応じた値となる。
固定カム140は、一対の傾斜ガイド部115に係合するよう放射外方に突出する一対の180度間隔の外周側のガイド係合部141を有しており、図9(a)に示すように、各ガイド係合部141の両側縁はガイド中心軸線、例えばガイド穴140aの中心軸線140cに対し直交する平面に対して、所定傾斜方向に所定の進み角γ1だけ傾斜している。これらガイド係合部141は、固定ケース110のガイド中心軸線110cから所定の離間距離(係合半径r0)を隔てて傾斜ガイド部115に係合している。
また、固定カム140はロック解除カム160に対向する一対の解除側カム部144を有しており、これら解除側カム部144はロック解除カム160に対面する対向面144aと、ロック解除カム160の解除カム部163の傾斜面163bに係合する傾斜面144bとを有している。そして、固定カム140の解除側カム部144とロック解除カム160の解除カム部163とがロック解除カム160の回動により互いに傾斜面144b,163bで係合したとき、固定カム140はロック解除カム160の回動に応じて軸線方向に変位可能となる。ここで、傾斜面144b,163bが固定ケース110のガイド中心軸線110cと直交する平面となす進み角は、前記進み角γ1より小さい(傾斜が緩い)角度に設定されている。
従って、固定カム140は、その解除側カム部144の傾斜面144bとロック解除カム160の解除カム部163の傾斜面163bとが係合したとき、傾斜ガイド部115により外周側でガイドされながら先端側でロック解除カム160に係合し、ロック解除カム160の回動位置に応じて固定ケース110のガイド中心軸線110cの軸線方向に変位するとともに、ガイド中心軸線110cの軸線回りに回動することで、螺旋状にねじれ運動する。
さらに、固定カム140は、図9(a)〜図9(c)に示すように、回転カム150と対向する一対の付勢方向切換えカム部142,143を有しており、これら付勢方向切換えカム部142,143はガイド中心軸線110cと一致するガイド穴140aの中心軸線140cから前記所定の離間距離より小さい半径で回転カム150に係合する。さらに、これら付勢方向切換えカム部142,143は、中心軸線140cから異なる所定の半径r1,r2の仮想円柱面(図9(c)に二点差線で示す)上で、回転カム150の対応するカム部153,154にそれぞれ係合するようになっている。
ここで、放射外方(半径方向外側)の付勢方向切換えカム部142は、図9(b)及び図10(a)に示すように、中心軸線140cと直交する平面に対して所定傾斜方向に傾斜した第1の傾斜カム面142a(一方側の傾斜カム面)と、中心軸線140cと直交する平面に対して第1の傾斜カム面142aとは逆方向に傾斜した第2の傾斜カム面142cと、第1の傾斜カム面142aと第2の傾斜カム面142cの間で回転カム150側に最も突出した頂部142bとを有している。また、放射内方(半径方向内側)の付勢方向切換えカム部143は、放射外方の付勢方向切換えカム部142に対し180度回転させた角度位置で、かつ、半径方向では内側に位置しており、図10に示すように、中心軸線140cと直交する平面に対して所定傾斜方向に傾斜した第1の傾斜カム面143aと、中心軸線140cと直交する平面に対して第1の傾斜カム面143aとは逆方向に傾斜した第2の傾斜カム面143cと、第1の傾斜カム面143aと第2の傾斜カム面143cの間で回転カム150側に最も突出した頂部143bとを有している。また、付勢方向切換えカム部143の第2の傾斜カム面143cの下部(他方側の傾斜面)は、一旦中心軸線140cと直交する平面上に位置する中間減速領域143dとされ、更に第2の傾斜カム面143cと同一方向に更に急な傾斜をなす延長傾斜面143eとなっている。ここで、中間減速領域142d,143dは本発明にいう他方側の傾斜面の中間部分であり、第2の傾斜カム面142c,143c及び延長傾斜面142e,143eがその両側部分である。
なお、付勢方向切換えカム部142,143の係合半径r1,r2は、両付勢方向切換えカム部142,143が互いに固定カム140の回動中心であるガイド中心軸線110cを挟んで対向する180度間隔の対向カムとして機能し得るように、共に所定半径以上に設定され、その半径の比率r2/r1は所定比率以上で1未満となる。
一方、回転カム150の放射外方のカム部153は、図11(a)〜図11(c)に示すように、そのガイド穴150aの中心軸線150cと直交する平面に対して所定傾斜方向に傾斜した第1の傾斜カム面153aと、中心軸線150cと直交する平面に対して第1の傾斜カム面153aとは逆方向に傾斜した第2の傾斜カム面153cと、第1の傾斜カム面153aと第2の傾斜カム面153cの間で固定カム140側に最も突出した頂部153bとを有している。また、放射内方の付勢方向切換えカム部154は、放射外方のカム部153に対し180度回転させた角度位置で、かつ、半径方向では内側に位置しており、図11(a)及び図11(b)に示すように、中心軸線150cと直交する平面に対して所定傾斜方向に傾斜した第1の傾斜カム面154aと、中心軸線150cと直交する平面に対して第1の傾斜カム面154aとは逆方向に傾斜した第2の傾斜カム面154cと、第1の傾斜カム面153aと第2の傾斜カム面153cの間で固定カム140側に最も突出した頂部154bとを有している。また、カム部154の第2の傾斜カム面154cの下部は、一旦中心軸線150cと直交する平面上に位置する短い中間減速領域154dとされ、更に第2の傾斜カム面154cと同一方向に更に急な傾斜をなす延長傾斜面154eとなって、最終的には扇形の穴部150hに続いている。
また、回転カム150の中心部には、固定ケース110のカム支持軸部116に対向するボス部151が設けられており、その先端には固定ケース110のカム支持軸部116に設けられた一対の凹状の端面位置決めカム116a(図6及び図7参照)に係合するよう、一対の凸状の端面位置決めカム部151aが設けられている。すなわち、回転カム150及び固定ケース110は、固定ケース110のガイド中心軸線方向に対向するそれぞれの端面位置決めカム部151a,116aを有しており、可動筐体30が固定筐体20から最も離隔する開位置の近傍に達したとき、回転カム150が固定カム140から離脱するとともに、固定ケース110及び回転カム150の端面位置決めカム部116a,151aが互いに係合して、可動筐体30を前記開位置に位置決め保持するようになっている。
さらに、図11(b)に示されるように、固定ケース110及び回転カム150の端面位置決めカム部116a,151aは、固定カム140及び回転カム150の端面カム部である付勢方向切換えカム部142,153及び143,154よりも、固定ケース110のガイド中心軸線110cに近い半径位置で互い係合及び離脱するようになっている。なお、位置決め時における固定ケース110及び回転カム150の端面位置決めカム部116a,151aの係合部分については、固定筐体20及び可動筐体30の手動による開動作時に適当な脱出トルクを与えるように所定の圧力角が設定されている。
一方、図4に示すように、回転カム150と可動ケース120の間に縮設された圧縮ばね170は、回転カム150を固定カム140側に付勢し、固定カム140と回転カム150との係合状態に応じて、可動ケース120及び可動筐体30を固定筐体20から離隔させる開動作方向10e(図1参照)に、あるいは、可動ケース120及び可動筐体30を固定筐体20に接近させる閉動作方向10d(図1参照)のうちいずれか一方側に付勢する付勢手段となっている。
ここにいう「係合状態に応じて」とは、例えば固定カム140が所定の動作開始位置に復帰した状態において、可動筐体30が固定筐体20に最も接近する閉位置の近傍に位置するよう手動操作されたとき、圧縮ばね170からの軸線方向外方側(図4中の矢印10cの向き)への付勢力を受ける回転カム150が一方側の傾斜面142a,143aと係合することで可動筐体30の閉動作方向側に付勢され、一方、可動筐体30が固定筐体20から所定角度以上開いた(離隔した)位置まで操作されたときには、圧縮ばね170からの軸線方向の付勢力を受ける回転カム150が他方側の傾斜面142c,143cと係合することで、回転カム150が可動筐体30の開動作方向側に付勢されるといったものであり、回転カム150が固定カム140の一対の付勢方向切換えカム部142,143のどちら側の傾斜面に係合するかに応じてという意味である。
また、一対の付勢方向切換えカム部142,143の第1の傾斜カム面142a,143aは、固定ケース110のガイド中心軸線110cと直交する平面に対して所定傾斜方向に傾斜したその進み角γ2が、固定ケース110の傾斜ガイド部115がガイド中心軸線110cと直交する平面に対して前記所定傾斜方向に傾斜した進み角γ1以下となっている。なお、前述の通り、ここでの進み角は、従動側の変位(進み)/カムの動作角度(θ)×係合半径(r)に応じた値となるので、方射内方の付勢方向切換えカム143は、実際の摺動距離当たりでは急勾配となるが、その進み角は放射外方の付勢方向切換えカム142と同一である。
回転カム150は、また、図4に示すように、ガイドシャフト180を介して固定ケース110に対して同軸に支持されることで、固定ケース110に対してそのガイド中心軸線110cの軸線方向に変位可能にかつ中心軸線110cの軸線回りに回動可能に連結されている。
また、同図に示すように、ガイドシャフト180は、一端から所定距離を隔てた位置に一体的に装着され固定ケース110の中間内底壁部117にロック解除カム160とは反対側から当接する拡径部182と、止め輪201が例えばかしめにより固定される他端部181とを有しており、止め輪201に隣接して装着された止め輪201より面積の広いスペーサリング202を介して可動ケース120の底壁部121を抜け止めするようになっている。拡径部182には、復帰ばね190が巻き掛けられ保持されている。
可動ケース120は、その有底筒状体の底壁部121の中心に位置するガイド穴(符号無し)部分で、ガイドシャフト180を介して固定ケース110に対して同軸に支持されるが、この軸穴部分を内方に突出させることで、ガイド穴を長くするようにしてもよい。また、可動ケース120は可動筐体30に対して図3に示すような平行カット部122により回転方向一体に係合するが、軸線方向に延びる突条や溝等でもよい。
復帰ばね190は、例えば固定ケース110の縦溝119とロック解除カム160の間に介在するねじりコイルばねからなり、拡径部182に保持されながらロック解除カム160をプッシュカム130との係合面積を少なくする側に付勢することで、圧縮ばね170により可動筐体30を閉動作方向側に付勢可能な所定の動作開始位置に、固定カム140を復帰させるようになっている。さらに、ロック解除カム160が所定の操作開始位置に復帰することで、プッシュカム130も復帰させられる。もっとも、プッシュカム130は押しボタン25と共に他の復帰ばねにより復帰させてもよい。
上述のように、本実施形態においては、固定カム140及び回転カム150に、それぞれ固定ケース110のガイド中心軸線110cから異なる半径r1,r2で軸線方向に対向する複数種の端面カム部として付勢方向切換えカム部142,153及び143,154を設けており、それら複数種の端面カム部142,153及び143,154は、プッシュカム130の操作によりロック解除カム160が所定の操作開始位置から回動するとき、圧縮ばね170からの付勢により軸線方向に互いに押圧されながら係合状態を変化させ、圧縮ばね170による可動筐体30の付勢方向を反転させる外側の付勢方向切換えカム部142,153と、その外側の付勢方向切換えカム部142,153よりも固定ケース110のガイド中心軸線110cに近い内側で互いに係合し、プッシュカム130の操作によりロック解除カム160が操作開始位置から回動するとき、圧縮ばね170からの付勢により軸線方向に互いに押圧されながら外側の付勢方向切換えカム部142,153と同期するタイミングで係合状態を変化させ、圧縮ばね170による可動筐体30の付勢方向を反転させる内側の付勢方向切換えカム部143,154とで構成されている。そして、プッシュカム130の操作によりロック解除カム160が所定の操作開始位置から回動するとき、固定カム140が傾斜ガイド部115にガイドされながら回転カム150側からの押圧力により回転駆動されて回転カム150との係合状態を変化させ、圧縮ばね170による可動ケース120及び可動筐体30への付勢方向を反転させるようになっている。
また、本実施形態の携帯電話機10では、押しボタン25を押す外部からの操作によりプッシュカム130が軸線方向(所定の操作方向)に変位すると、圧縮ばね170の付勢力により回転カム150を介して可動筐体30を固定筐体20に対し開動作方向に回動させることができる一方、固定カム140の所定の動作開始位置への復帰状態で可動筐体30を手動で開くこともでき、各操作方向において一定の操作量に達すると、ばねの付勢とカムの作用でその開動作又は閉動作が自動的に完了する動作がなされる。
次にその動作について説明する。
(手動による開閉動作時)
まず、携帯電話機10が折り畳まれた状態、すなわち固定筐体20の操作面21と可動筐体30の表示画面31が対面した状態から、携帯電話機10を手動で開く場合について説明すると、ヒンジ開閉ユニット100の内部の初期状態は図4に示す状態となっており、このときの主要なカムの状態を展開して模式的に示すと、図12(a)のようになる。なお、図12中では回転カム150の左側への動きが閉動作、逆の右側への動きが開動作となる。
図12(a)に示す初期状態、すなわち、手動での開動作の開始時には、動作開始位置に復帰し傾斜ガイド部115で回動を規制される固定カム140の第1の傾斜カム面142a,143aに回転カム150のカム部153,154が係合して、可動ケース120が可動筐体30の閉動作方向への付勢を受けながら折り畳み位置である閉じ位置で保持されている。
次いで、手動により可動筐体30を固定筐体20に対して開動作方向に回動させると、図12(b)に示すように、回転カム150が圧縮ばね170を初期状態よりも圧縮させつつその付勢力に抗して固定カム140のカム部142,143の頂部142b,143bを乗り越え、圧縮ばね170の付勢方向が開動作側に反転する。従って、ユーザが手動で可動筐体30を開く最初のうちは操作抵抗があるが、ある程度開いた後は、開く操作を継続しなくとも可動筐体30が勝手に開動作を続ける状態となる。
可動筐体30の開動作が進み、所定の開位置に接近して来ると、図12(c)に示すように、回転カム150の端面位置決めカム部151aが固定ケース110のカム支持軸部116の端部に当接することで軸方向変位を規制される回転カム150のカム部153,154が固定カム140のカム部142,143から離脱し、固定ケース110側へのカムの乗り移りがなされる。
次いで、可動筐体30の開動作が更に進み、ほぼ所定の開位置に達すると、図12(d)に示すように、回転カム150の端面位置決めカム部151aが固定ケース110のカム支持軸部116の端面位置決めカム部116aに落ち込んで、回動方向に位置決めされ、可動筐体30が固定筐体20に対して所定の開位置に保持されることになる。このとき、回転カム150には圧縮ばね170からの付勢力が作用しているから、可動筐体30は固定筐体20に対して所定の脱出トルク以上で開かれるか、後述する押しボタン25の操作がされない限り、閉じた状態を維持することになる。
なお、この間、固定カム140は一度も回動も軸線方向変位もしない。
ここで、例えば手動により、可動筐体30が固定筐体20に対して所定の脱出トルク以上で開かれると、回転カム150の端面位置決めカム部151aがカム支持軸部116の端面位置決めカム部116aから離脱する。これにより操作抵抗が急に軽くなり、回転カム150は図12(d)に示した状態から図12(c)に示す状態へ戻り、次いで、回転カム150が更に図12(b)に示した状態に戻って、回転カム150のカム部152,153が固定カム140のカム部142,143に係合する。
この状態においては、可動筐体30が固定筐体20に対し閉動作方向に回動するにつれて操作抵抗が増すことになるが、回転カム150のカム部152,153が図12(b)に示す状態から図12(a)に示す状態に移行する途中で固定カム140のカム部142,143の頂部142b,143bを乗り越えると、付勢方向が閉動作側に反転して操作力が急減し、可動筐体30は閉まり勝手となる。このように、良好な操作感を伴う閉動作が可能となる。
(押しボタン操作による開動作時)
次に、携帯電話機10が折り畳まれた状態で押しボタン25の操作がされる場合について説明すると、ヒンジ開閉ユニット100の内部の初期状態は、図4に示す状態となっており、このときの主要なカムの状態を展開して模式的に示すと、図13(a)のようになる。これは、図12(a)に示したのと同じ状態であり、図13中でも、回転カム150の左側への動きが閉動作、逆の右側への動きが開動作となる。
図13(a)に示す初期状態、すなわち、押しボタン25の操作開始時点には、動作開始位置に復帰し傾斜ガイド部115で回動を規制される固定カム140の第1の傾斜カム面142aに回転カム150のカム部153,154が係合して、可動ケース120が可動筐体30の閉動作方向への付勢を受けながら折り畳み位置である閉じ位置で保持されている。
次いで、例えば固定筐体20を把持した片手の何れかの指(例えば親指)で、押しボタン25が押されると、プッシュカム130がガイド中心軸線110cの軸線方向に移動することで、復帰位置にあったロック解除カム160が駆動されて回動する。そして、押しボタン25が所定の操作量を超えて操作されると、固定カム140とロック解除カム160の係合状態が、図14に示すように固定カム140のロック解除カム160側への落ち込みが可能な状態となり、図14中に仮想線で示す初期位置にあった固定カム140が同図中の実線位置まで変位する。
このとき、固定カム140は、傾斜ガイド部115にガイドされながら軸線回りに回動するとともに軸線方向に変位することで、回転カム150のカム部153,154の第1の傾斜面153a,154aに対してその頂部側へ滑り抜けるようにほぼ螺旋運動し、いわゆるダルマ落しのような要領で、圧縮ばね170からの軸線方向の付勢力を回転カム150を介して受けながらも、傾斜ガイド部115からの比較的大きな回転トルク等を受けることで、図13(b)及び図14に示す状態へと付勢方向を反転させる。なお、回転トルク(T)は、固定カム140と回転カム150の各係合部位における軸線方向の推力(押圧力)、その部位の進み角の正接(tanγ)及び係合半径(r)の積(T=F×tanγ ×r)で表わされる。
付勢方向の反転後は、回転カム150のカム部153,154が固定カム140のカム部142,143の第2の傾斜カム面142c,143cを滑り落ち、可動ケース120及び可動筐体30が勝手に開動作を続ける状態となる。
可動筐体30の開動作が進み、所定の開位置に接近して来ると、図13(c)及び図15に示すように、回転カム150の端面位置決めカム部151aが固定ケース110のカム支持軸部116の端部に当接することで軸方向変位を規制される回転カム150のカム部153,154が固定カム140のカム部142,143から離脱し、固定ケース110側へのカムの乗り移りがなされる。
次いで、可動筐体30の開動作が更に進み、ほぼ所定の開位置に達すると、図13(d)及び図16に示すように、回転カム150の端面位置決めカム部151aが固定ケース110のカム支持軸部116の端面位置決めカム部116aに落ち込んで、回動方向に位置決めされ、可動筐体30が固定筐体20に対して所定の開位置に保持されることになる。
一方、押しボタン25の操作力が解除された後、復帰ばね190の復帰トルクにより、ロック解除カム160が初期の操作開始位置側に復帰するとともにプッシュカム130を初期の位置まで押し戻す。そして、回転カム150が図13(d)の状態に達するときにはロック解除カム160が操作開始位置に達し、固定カム140が傾斜ガイド部115より進み角の小さいロック解除カム160の解除カム部163によって回転カム側に押し上げられ、所定の動作開始位置に復帰する。
従って、押しボタン25の操作後、この復帰時点で、図12(d)に示す手動による開動作の完了時点の状態と同じになる。
よって、この状態からの閉動作は、上述した手動による場合と同様である。
このように、本実施形態では、固定カム140と回転カム150とに、係合半径の異なる外側の付勢方向切換えカム部142,153と内側の付勢方向切換えカム部143,154が設けられ、これらが固定カム140と回転カム150との係合部分で互いに同期するタイミングで係合状態を変化させることで、回転カム150の回動方向のうちいずれか一方への圧縮ばね170の付勢方向を反転させることから、付勢方向切換えカム部を複数配しながらも、個々の付勢方向切換えカム部142,143,153,154について180度以上の作動範囲を設定することができ、対向するカム同士の最小係合角度範囲(最小の係合面積)も十分に確保することができる。その結果、カム係合面の当接部位における面圧を十分に下げることができ、例えば成形性に優れた材料で固定カム140や回転カム150を成形(例えば樹脂や金属粉を用いて注型成形)することが可能となる。さらに、切換え専用の他のカムによって圧縮ばね170の付勢方向を切り換える必要がないことから、部品点数を削減することができ、簡素で小型・軽量になる。従って、ヒンジ開閉ユニット100の製造コストが削減できるし、カムの係合面圧の低下により耐久性も向上する。また、外側の付勢方向切換えカム部142,153と内側の付勢方向切換えカム部143,154の動作のタイミングが一致すれば、内外の付勢方向切換えカム部142,143,153,154は回動方向又は軸線方向において任意の相対位置をとり得るので、設計の自由度も高くなる。
また、本実施形態においては、固定カム140の外側の付勢方向切換えカム部142、153と内側の付勢方向切換えカム部143,154とが、互いに固定カム140の回動中心軸線140cを挟んで対向するよう固定カム140の回動方向において180度異なる位置に配置されているので、同一半径で180度間隔に配置される一対の対向カム部を有する場合と同様に各カムにその回動中心軸線を傾ける方向のモーメントが生じるのを抑えながらも、そのような対向カム部では達成できない範囲まで作動角度範囲を拡大することができる。
さらに、固定カム140の内外の付勢方向切換えカム部142,143がガイド中心軸線110cと直交する平面に対して所定傾斜方向に傾斜した第1の傾斜カム面142a,143aと、第1の傾斜カム面142a,143aとは逆方向に傾斜した第2の傾斜カム面142c,143c等と、両傾斜カム面142a,143a及び142c,143cの間で回転カム150側に最も突出した頂部142b,143bとを有し、一方、回転カム150の内外の付勢方向切換えカム部153,154がイド中心軸線110cと直交する平面に対して所定傾斜方向に傾斜した第1の傾斜カム面153a,154aと、第1の傾斜カム面153a,154aとは逆方向に傾斜した第2の傾斜カム面153c,154c等と、両傾斜カム面153a,154a及び153c,154cの間で固定カム140側に最も突出した頂部153b,154bとを有することから、各付勢方向切換えカム部142,143,153,154が、その軸線方向に開閉する成形型等で容易に成形可能な形状となる。
本実施形態では、また、固定ケース110に同軸にカム支持軸部116が設けられ、ロック解除カム160及び固定カム140がそれぞれカム支持軸部116により固定ケース110に対し同軸にガイドされていることから、ロック解除カム160及び固定カム140の回動中心を安定させ、良好な係合姿勢でこれらの回動カム140,160を作動させることができるし、両カム140,160の固定ケース110への組込みも容易化できる。また、付勢方向切換えカム部142,143はガイド中心軸110cから離間しているので、固定カム140の中心部の空間をガイドに有効活用することができる。
さらに、本実施形態では、ガイドシャフト180に可動ケース120を装着して圧縮ばね170である弾性部材を収納することができ、開閉装置の要部をガイド軸上に装着してユニット化した取扱い容易なヒンジ開閉ユニット100とすることができる。また、可動ケース120には、圧縮ばね170の一端を担持させるだけでなく回転カム150の軸方向移動に対するガイド機能や可動筐体30側への回転方向一体の係合機能を持たせることができ、ヒンジ開閉ユニット100のヒンジ結合部11への組み付けも容易となる。
加えて、固定ケース110及び回転カム150が、軸線方向に対向するそれぞれの端面位置決めカム部116a,151aを有し、可動筐体30が固定筐体20から最も離隔する開位置の近傍に達したとき、回転カム150が固定カム140から離脱するとともに、固定ケース110及び回転カム150の端面位置決めカム部116a,151aが互いに係合して可動筐体30を開位置に位置決め保持するので、固定カム140と回転カム150の係合・離脱と端面位置決めカムによる位置決めとの間での動作の円滑な移行が可能となる。
この場合、更に、固定ケース110及び回転カム150の端面位置決めカム部116a,151aは、固定カム140及び回転カム150の複数種の端面カム部142,143及び153,154よりもガイド中心軸線110cに近い半径位置で互い係合及び離脱するので、端面位置決めカム部116a,151aを中心部に配置することで、固定ケース110と回転カム150の位置決めカム部116a,151aを固定カム140の中心部を通して係合させることができる。また、固定ケース110側にカム支持軸部116を設けた場合には、固定ケース110側の位置決めカム部116aをカム支持軸部116に容易に形成可能であり、しかも、回転カム150側の位置決めカム部151aとの係合に適した軸方向の最適な位置に端面位置決めカム部116aを形成することができる。
また、本実施形態においては、圧縮ばね170の付勢力によって固定筐体20に対し開動作方向に回動する可動筐体30を、中間減速領域142d,143dで減速させるようにしているので、圧縮ばね170の付勢力によって固定筐体20に対し開動作方向に回動する可動筐体30の開動作の態様を多様化することができる。
一方、本実施形態の携帯電話機10は、ヒンジ結合される固定筐体20と可動筐体30とにより開閉可能な折りたたみ式の筐体を構成しているので、上述のようなヒンジ開閉ユニット100を用いて小型・軽量かつ低コストで耐久性にも優れた携帯機器となる。
[第2の実施の形態]
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る開閉装置を示すその要部動作説明図である。
本実施形態は、第1の実施の形態と全体構成はほぼ同様であるが、固定カムの付勢方向切換えカム部とこれらに係合する回転カムのカム部形状が上述の形状とは異なるものである。従って、上述の実施形態と同一の構成要素又はそれに相当する部分については、図1〜図16に示した符号と同一の符号を用いて説明する。
図17(a)に示すように、本実施形態では、上述の実施形態の固定カム140の付勢方向切換えカム部142,143における第2の傾斜カム面142c,143c側の形状とは異なり、固定カム240の付勢方向切換えカム部242,243における第2の傾斜面242c,243c側(他方側の傾斜面)の形状が、第1の実施形態のような中間減速領域143dや延長傾斜面143eを持たない、すなわち進み角が小さくなる中間部位を持たない単一の直線的若しくは緩やかな曲線的な傾斜面となっている。そして、これらに係合する回転カム250の一対のカム部253,254も、付勢方向切換えカム部242,243の第2の傾斜面242c,243cに係合する片側の傾斜面の角度と形状が上述の実施の形態とは相違する。固定カム240及び回転カム250のその他の構成は、第1の実施の形態の固定カム140及び回転カム150のそれらと全く同一である。
本実施形態においても、上述の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
[第3の実施の形態]
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る開閉装置を示すその要部動作説明図である。
本実施形態は、第1の実施の形態と全体構成は同様であるが、固定カムの付勢方向切換えカム部とこれらに係合する回転カムのカム部形状が上述の形状とは異なるものである。従って、第1の実施の形態と同一の構成要素又はそれに相当する部分については、図1〜図16に示した符号と同一の符号を用いて説明する。
図18(a)に示すように、本実施形態では、第1の実施形態の固定カム140の付勢方向切換えカム部142,143における頂部142b,143bから第2の傾斜カム面142c,143c側の形状とは異なり、固定カム340の付勢方向切換えカム部342,343の第2の傾斜面342c,343c側(他方側の傾斜面)の形状が、第1の実施形態のような中間減速領域143dよりも第1の傾斜カム面342a,343a側に傾斜した中間停止領域342d,343d(中間部分)を有しており、それに延長傾斜面342e,343eを接続した傾斜面となっている。そして、固定カム340の付勢方向切換えカム部342,343に係合する回転カム350の一対のカム部353,354も、付勢方向切換えカム部342,343の第2の傾斜面342c,343cに係合する片側の傾斜面の角度と形状が上述の実施の形態とは相違している。固定カム340及び回転カム350のその他の構成は、第1の実施の形態の固定カム140及び回転カム150のそれらと全く同一である。中間停止領域342d,343dや延長傾斜面342e,343eは平坦な面でなく曲面であってもよく、中間停止領域342d,343d付近でカム面が屈曲するのでなく湾曲してもよいことはいうまでもない。
本実施形態においても、上述の実施の形態と同様な効果を得ることができる。しかも、第2の傾斜面342c,343c等の中間停止領域342d,343dがその両側の傾斜面342c,343c及び342e,343eとは逆向きに傾斜して第2の傾斜面342c,343c等に凹部形状を持たせているので、回転カム350のカム部353,354を中間の定位置で、例えば可動筐体30が固定筐体20に対し直立するかそれよりわずかに開いた位置で可動筐体30を一旦停止させることができ、動作を多様化させることができる。この場合、この場合、停止後の開動作は手動でも押しボタン操作でもよい。
なお、上述の各実施の形態においては、携帯機器を携帯電話機としたが、本発明はPDA等の他の携帯機器にも勿論適用できる。また、複数の離間するヒンジ結合部があるような携帯機器にあっては、ヒンジ開閉ユニットを同一軸線上に複数配置し、個々に操作するか操作力を伝達する操作リンケージを設けることで、採用できる。また、ヒンジ開閉ユニットの中心軸線は一方側の部材と他方側の部材のヒンジ結合中心軸線と同軸な配置としたが、所定のオフセット量だけオフセットさせた平行配置とし、可動ケースの出力を噛合い歯等で可動側の他方側の部材に伝動するような構成も考え得る。
以上説明したように、本発明は、カム係合面の当接部位における面圧を十分に下げることができ、しかも、他のカムによって付勢手段の付勢方向を切り換える必要がないことから、部品点数を削減するとともに成形性に優れた材料で第2回動カムや可動カムを成形することが可能となり、構成が簡素な小型かつ低コストの、しかも耐久性の高い開閉装置を提供することができ、また、この開閉装置を用いて、小型かつ低コストで耐久性にも優れた携帯機器を提供することができるものであり、開閉装置及びこれを用いた携帯機器、特に一方側の部材と他方側の部材とをヒンジ結合した折りたたみ式のヒンジ結合体を、押しボタン操作等の簡単な操作のみで開動作させる機能を備えた開閉装置並びにこれを備えた携帯機器全般に有用である。
本発明の特徴及び利点は以下の詳細な説明と添付図面の参照により明らかとなる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る開閉装置を装着した携帯電話機を示す図で、(a)はその筐体が閉じているときの外観斜視図、(b)はその筐体が開いているときの外観斜視図である。 図2は図1に示す携帯電話機のヒンジ結合部の断面図である。 図3は本発明の第1の実施の形態に係る開閉装置の分解斜視図である。 図4は本発明の第1の実施の形態に係る開閉装置の内部構成を示す要部正面図である。 図5は本発明の第1の実施の形態に係る開閉装置のプッシュカムを示す図で、(a)はその正面図、(b)は(a)におけるB矢視図、(c)は(b)におけるC矢視図である。 図6は本発明の第1の実施の形態に係る開閉装置の固定ケースを示す図で、(a)はその正面図、(b)はその下面図、(c)はその正面断面図である。 図7は図6に示す固定ケースの軸方向両端面を示す図で、(a)は開閉装置の内方側から見た端面図、(b)は開閉装置の外方側の端面図である。 図8は本発明の第1の実施の形態に係る開閉装置のロック解除カムを示す図で、(a)はその正面図、(b)は(a)におけるB矢視図、(c)は(b)におけるC矢視図である。 図9は本発明の第1の実施の形態に係る開閉装置の固定カムを示す図で、(a)はその正面図、(b)は(a)におけるB矢視図、(c)は(b)におけるC矢視図である。 図10は図9に示す固定カムの複数のカム形状を示す図で、(a)は図9(c)におけるA−A断面図、(b)は図9(c)におけるB−B断面図である。 図11は本発明の第1の実施の形態に係る開閉装置の回転カムを示す図で、(a)はその回り止め用の平行カット面から見た正面図、(b)は(a)におけるB矢視図、(c)は(a)におけるC矢視図である。 図12は本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話機の筐体が手動で開かれるときの主要なカムの相対的な変位を示す模式的な動作説明図である。 図13は本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話機の筐体が押しボタン操作のみで開かれるときの主要なカムの相対的な変位を示す模式的な動作説明図である。 図14は図13(a)に示す押しボタン操作開始時の状態を仮想線で、図13(b)に示す固定カム固定解除直後の状態を実線で示す主要なカムの相対的な変位を示す動作説明図である。 図15は図13(c)に示す押しボタン操作後のカムの乗り移り時における主要なカムの状態を示す動作説明図である。 図16は図13(c)に示すカムの乗り移り段階から図13(d)に示す開位置での位置決め状態に至る直前の位置決め部位の状態を示す一部破断面を含む動作説明図である。 図17は本発明の第2の実施形態に係る開閉装置の固定カム形状を模式的に示すその動作説明図である。 図18は本発明の第3の実施形態に係る開閉装置の固定カム形状を模式的に示すその動作説明図である。
符号の説明
10 携帯電話機(携帯機器)
10a ヒンジ結合の中心軸線
20 固定筐体(一方側の部材)
25 押しボタン(操作部材)
30 可動筐体(他方側の部材)
100 ヒンジ開閉ユニット(開閉装置)
110 固定ケース(固定ガイド部材)
110c ガイド中心軸線
116 カム支持軸部(ガイド軸部)
116a,151a 端面位置決めカム部
120 可動ケース(有底筒状体)
130 プッシュカム(操作カム)
140,240,340 固定カム(第2の回動カム)
142,242,342 外側の付勢方向切換えカム部(端面カム部)
143,243,343 内側の付勢方向切換えカム部(端面カム部)
142a,143a,242a,243a,342a,343a 第1の傾斜カム面(一方側の傾斜カム面)
142b,143b,242b,243b,342b,343b 頂部
142c,143c,342c,343c 第2の傾斜カム面(他方側の傾斜カム面、中間部分の両側部分)
142d,143d,342d,343d 中間減速領域(他方側の傾斜カム面、中間部分)
142e,143e,342e,343e 延長傾斜面(他方側の傾斜カム面、中間部の両側部分)
150,250,350 回転カム(可動カム)
153,253,353 カム部(外側の付勢方向切換えカム部)
154,254,354 カム部(内側の付勢方向切換えカム部)
153a,154a 第1の傾斜カム面
153b,154b 頂部
153c,154c 第2の傾斜カム面
160 ロック解除カム(第1回動カム)
180 ガイドシャフト(ガイド軸部)

Claims (12)

  1. 中心軸を有する回動カム(140;240;340)と、
    中心軸を有し、前記回動カムと対向して設けられた可動カム(150;250;350)と、
    前記可動カムを前記回動カムへ向かって付勢する付勢手段(170)と、を備え、
    前記可動カムは、前記付勢手段により回動方向または回動方向と逆の方向に付勢される第1の端面カム部(154;254;354)と、前記付勢手段により回動方向または回動方向と逆の方向に付勢され、前記第1の端面カム部より前記中心軸からの距離が大きい第2の端面カム部(153;253;353)と、を有し、
    前記回動カムは、前記第1の端面カム部と係合する第3の端面カム部(143;243;343)と、前記第2の端面カム部と係合し、前記第3の端面カム部より前記中心軸からの距離が大きい第4の端面カム部(142;242;342)と、を有し、
    前記第1の端面カム部と前記第3の端面カム部との係合状態が変化して、前記付勢手段により前記第1の端面カム部が付勢される方向が前記回動方向から前記逆の方向に変化したとき、前記第2の端面カム部と前記第4の端面カム部との係合状態が変化して、前記付勢手段により前記第2の端面カム部が付勢される方向が前記回動方向から前記逆の方向に変化するヒンジ装置。
  2. ヒンジ結合される一方側の部材(20)に固定され、前記ヒンジ結合の中心軸線の方向に延在するガイド中心軸線(10a)を有する固定ガイド部材(110)と、
    外部からの操作により前記固定ガイド部材に対し所定の操作方向に変位するよう前記固定ガイド部材に変位可能に支持された操作カム(130)と、
    前記操作カムに係合し前記操作カムの変位に応じて前記ガイド中心軸線の軸線回りに回動するよう前記固定ガイド部材に回動可能に支持された第1回動カム(160)と、
    前記第1回動カムを前記操作カムによる所定の操作開始位置に復帰させる復帰手段(190)と、
    前記回動カムとして、前記第1回動カムの回動位置に応じて前記ガイド中心軸線の軸線方向に変位するとともに前記ガイド中心軸線の軸線回りに回動するよう前記固定ガイド部材に支持された第2回動カム(140;240;340)と、を備え、
    前記可動カムは、ヒンジ結合される他方側の部材(30)に対し前記ガイド中心軸線の軸線回りの回動を規制されるとともに、前記第2回動カムに対向するよう前記固定ガイド部材に対し前記ガイド中心軸線の軸線方向に変位可能にかつ前記ガイド中心軸線の軸線回りに回動可能に連結され、
    前記付勢手段は、前記第2回動カムと前記可動カムとの係合状態に応じて、前記他方側の部材を前記一方側の部材から離隔させる開動作方向(10e)及び前記他方側の部材を前記一方側の部材に接近させる閉動作方向(10d)のうちいずれか一方側に付勢し、
    前記復帰手段は、前記付勢手段により前記他方側の部材を前記閉動作方向側に付勢可能な所定の動作開始位置に、前記第2回動カムを復帰させるよう構成され、
    前記第2の端面カム部及び前記第4の端面カム部は、前記操作カムの操作により前記第1回動カムが前記所定の操作開始位置から回動するとき、前記付勢手段からの付勢により前記軸線方向に互いに押圧されながら係合状態を変化させ、前記付勢手段による前記他方側の部材の付勢方向を反転させる外側の付勢方向切換えカム部として機能し、
    前記第1の端面カム部及び前記第3の端面カム部は、前記外側の付勢方向切換えカム部より前記ガイド中心軸線に近い内側で互いに係合し、前記操作カムの操作により前記第1回動カムが前記所定の操作開始位置から回動するとき、前記付勢手段からの付勢により前記軸線方向に互いに押圧されながら前記外側の付勢方向切換えカム部と同期するタイミングで係合状態を変化させ、前記付勢手段による前記他方側の部材の付勢方向を反転させる内側の付勢方向切換えカム部として機能し、
    前記操作カムが前記外部からの操作により前記所定の操作方向に変位したとき、前記付勢手段の付勢力により前記可動カムを介して前記他方側の部材を前記一方側の部材に対し前記開動作方向に回動させることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
  3. 前記第2回動カムの前記外側の付勢方向切換えカム部(142;242;342)と前記内側の付勢方向切換えカム部(143;243;343)とが、互いに前記第2回動カムの回動中心軸線を挟んで対向するよう前記第2回動カムの回動方向において180度異なる位置に配置されたことを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
  4. 前記第2回動カムの前記外側の付勢方向切換えカム部と前記内側の付勢方向切換えカム部とのうち各付勢方向切換えカム部が、前記第2回動カムが前記所定の動作開始位置に復帰した状態で前記他方側の部材が前記一方側の部材に最も接近する閉位置の近傍にあるとき、前記可動カムを前記他方側の部材の前記閉動作方向側に付勢するよう前記ガイド中心軸線と直交する平面に対して所定傾斜方向に傾斜した一方側の傾斜カム面((142a;242a;342a)又は(143a;243a;343a))と、前記ガイド中心軸線と直交する平面に対して前記一方側の傾斜カム面とは逆方向に傾斜した他方側の傾斜カム面(((142c,142d,142e);(242c,242d,242e);(342c,342d,342e))又は((143c,143d,143e);(243c,243d,243e);(343c,343d,343e)))と、前記一方側の傾斜カム面と前記他方側の傾斜カム面の間で前記可動カム側に最も突出し前記付勢手段による前記他方側の部材の付勢方向を反転させる頂部((142b;242b;342b)又は(143b;243b;343b))と、を有することを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
  5. 前記固定ガイド部材に同軸にガイド軸部(116,180)が設けられ、
    前記第1回動カム及び前記第2回動カムがそれぞれ前記ガイド軸部(116)により前記固定ガイド部材に対し同軸にガイドされていることを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
  6. 前記ガイド軸に支持されるとともに前記可動カム及び前記他方側の部材にそれぞれ回動方向一体に係合した有底筒状体(120)を更に備え、
    前記付勢手段が、前記有底筒状体と前記可動カムとの間に縮設された弾性部材(170)で構成されたことを特徴とする請求項5に記載のヒンジ装置。
  7. 前記固定ガイド部材及び前記可動カムが、前記軸線方向に対向するそれぞれの端面位置決めカム部(116a,151a)を有し、
    前記他方側の部材が前記一方側の部材から最も離隔する開位置の近傍に達したとき、前記可動カムが前記第2回動カムから離脱するとともに、前記固定ガイド部材及び前記可動カムの前記端面位置決めカム部が互いに係合して前記他方側の部材を前記開位置に位置決め保持することを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
  8. 前記固定ガイド部材及び前記可動カムの端面位置決めカム部は、前記第2回動カム及び前記可動カムの前記複数種の端面カム部より前記ガイド中心軸線に近い半径位置で互いに係合及び離脱することを特徴とする請求項7に記載のヒンジ装置。
  9. 前記第2回動カムの前記外側の付勢方向切換えカム部(142)と前記内側の付勢方向切換えカム部(143)とのうち各付勢方向切換えカム部における前記他方側の傾斜カム面((142c,142d,142e)又は(143c,143d,143e))の中間部分(142d又は143d)とその両側部分((142c,142e)又は(143c,143e))とで、前記ガイド中心軸線と直交する平面に対する傾斜勾配を異ならせ、前記付勢手段の付勢力によって前記一方側の部材に対し前記開動作方向に回動する前記他方側の部材を、前記他方側の傾斜カム面の中間部分で減速させるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のヒンジ装置。
  10. 前記第2回動カムの前記外側の付勢方向切換えカム部(342)と前記内側の付勢方向切換えカム部(343)とのうち各付勢方向切換えカム部(342又は343)における前記他方側の傾斜カム面((342c,342d,342e)又は(343c,343d,343e))の中間部分(342d又は343d)を前記所定傾斜方向に傾斜させて、その両側部分((342c,342e)又は(343c,343e))とは前記ガイド中心軸線と直交する平面に対する傾斜方向を異ならせ、前記付勢手段の付勢力によって前記一方側の部材に対し前記開動作方向に回動する前記他方側の部材を、前記他方側の傾斜カム面の中間部分で停止させるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のヒンジ装置。
  11. 請求項2に記載のヒンジ装置を用いた携帯機器であって、
    ヒンジ結合される前記一方側の部材(20)と前記他方側の部材(30)とにより開閉可能な折りたたみ式の筐体を構成したことを特徴とする携帯機器。
  12. 請求項1に記載のヒンジ装置を備えた携帯端末。
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