JP2005188531A - プッシュオープンヒンジ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボタン操作力を弱くして操作を容易にしても、折畳式電話機などの筐体を180°近くまで開くことができるようにする。
【解決手段】アウターカム52とインナーカム51と解除キー53とからなる3重構造の複合可動カムを、表示部筐体に固定する。複合可動カムに当接する固定カム2を、操作部筐体に固定する。アウターカム52とインナーカム51は、解除キー53を介して係合している。筐体を閉じると、固定カム2の突起部が、インナーカム51の突起を乗り越えて、全閉状態にロックされる。筐体の全閉状態でボタン1を押すと、プランジャー4が解除キー53を押して、アウターカム52とインナーカム51の係合を解除する。固定カム2の突起先端がアウターカム52の斜面を滑り降りアウターカムの凹部まで達し、筐体が180°近くまで開く。インナーカム51は、固定カム2に押しやられて約180°回転する。
【選択図】図1
【解決手段】アウターカム52とインナーカム51と解除キー53とからなる3重構造の複合可動カムを、表示部筐体に固定する。複合可動カムに当接する固定カム2を、操作部筐体に固定する。アウターカム52とインナーカム51は、解除キー53を介して係合している。筐体を閉じると、固定カム2の突起部が、インナーカム51の突起を乗り越えて、全閉状態にロックされる。筐体の全閉状態でボタン1を押すと、プランジャー4が解除キー53を押して、アウターカム52とインナーカム51の係合を解除する。固定カム2の突起先端がアウターカム52の斜面を滑り降りアウターカムの凹部まで達し、筐体が180°近くまで開く。インナーカム51は、固定カム2に押しやられて約180°回転する。
【選択図】図1
Description
本発明は、プッシュオープンヒンジ装置に関し、特に、折り畳まれた筐体をボタン操作によりワンタッチで開くことができる携帯電話機のプッシュオープンヒンジ装置に関する。
折畳式携帯電話機は、表示部筐体と操作部筐体を、ヒンジ機構で開閉自在に結合してある。通話時などには、ヒンジ機構のオープンボタンを押す操作によりワンタッチで開くことができ、使用後には両筐体を手で折り畳むようになっている。開き方向のトルクに抗して表示部筐体を折り畳むと、固定カムと回転カムが、圧縮スプリングの弾力によって押し付けられながら係合するので、表示部筐体と操作部筐体は、折り畳まれた状態でロックされる。オープンボタンを押すと、回転カムが圧縮スプリングに抗してヒンジ軸方向内側に押され、固定カムと回転カムの係合が外れる。トーションスプリングの開き方向のトルクによって、表示部筐体が回転して開く。表示部筐体が所定の角度まで開くと、固定カムの回転カムが、圧縮スプリングによって押し付けられながら係合するので、表示部筐体が開いた状態でロックされる。
このプッシュオープンヒンジ装置では、閉じた状態におけるカムの係合力を強くしなければ、トーションスプリングのトルクに打ち勝つことができない。確実に閉じようとすると、カムの係合力を十分に強くする必要がある。その結果、カムの係合を解除するために強い力が必要になり、ボタンを押す力を強くすることになって、ボタン操作の容易性が犠牲となる。ボタン操作力が弱くてもよいようにすると、確実な閉止ができない。これを解決するために、本発明者は、特許文献1において、折畳式携帯電話機を開くためのボタン操作力を小さくして、オープン操作を容易にしても確実に閉じられるようにしたプッシュオープンヒンジ装置を提案した。
このヒンジ装置では、トーションスプリングの固定端を操作部筐体に固定し、作用端を表示部筐体に固定されたホルダの溝部に係止する。操作部筐体を閉じる直前の位置で、トーションスプリングの作用端がバネ受部の溝部に落ち、ホルダにはトルクがかからなくなる。この状態で可動カムの突起部を固定カムのカム溝に係合させて、表示部筐体を閉じる。開くときは、可動カムが離れる直前に、トーションスプリングの作用端が、バネ受部の溝部からホルダの溝部に戻り、ホルダにトルクがかかって、表示部筐体が開く。閉じた状態での可動カムにはトルクがかかっていないので、固定カムと可動カムの係合力は弱くてもよく、解除のためにボタンを押す力も小さくなる。
さらにオープン操作を容易にした従来のプッシュオープンヒンジ装置の例としては、特許文献2に開示された「電子機器用ヒンジ」がある。押釦を押すことにより自動的に使用可能な角度まで開き、片手で全開位置までフリーストップで開くことができる電子機器用ヒンジである。第1筐体と第2筐体が、互いに開閉可能に連結されている。押釦付きのプッシュオープンタイプの第1ヒンジにより、第1筐体と第2筐体を所定の開き角度まで自動的に開く。所定の自動開き角度から強くフリクショントルクを発生させるフリクションタイプの第2ヒンジを、プッシュオープンタイプの第1ヒンジと同軸に取り付ける。ロック手段は、いずれかのヒンジに設ける。
特願2003-187036号明細書
特開2003-161312号公報
しかし、従来のプッシュオープンヒンジ装置では、プッシュボタンの押下により自動的に筐体が開く角度が小さく、180°近くまで開くことができないという問題があった。本発明は、上記従来の問題を解決して、ボタン操作力を弱くして操作を容易にしても、折畳式電話機などの筐体を180°近くまで開くことができるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明では、第1筐体と連動して固定軸のまわりを回転するアウターカムとインナーカムと解除キーとからなる3重構造の複合可動カムと、第2筐体に固定され複合可動カムに突起部で当接する固定カムと、解除キーを押して筐体の全閉状態における固定カムと複合可動カムの係合を解除するプランジャーと、プランジャーを押すボタンとを具備するプッシュオープンヒンジ装置のインナーカムに、第1筐体と第2筐体が折り畳まれた0°の全閉状態において固定カムの突起部と係合する突起部と、手動で開閉する場合に固定カムの突起部に当接する傾斜カム面とを設け、アウターカムに、第1筐体と第2筐体が自動で開く途中に固定カムの突起部に当接する傾斜カム面を設けた構成とした。
本発明では、上記のように構成したことにより、ボタン操作力を弱くして操作を容易にしても、折畳式電話機などの筐体を180°近くまで開くことができる。
以下、本発明の実施例について、図1〜図28を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例1は、3重構造の複合可動カムのアウターカムとインナーカムが解除キーで係合した状態で、固定カムの突起部がインナーカムの突起を乗り越えるとロックがかかって全閉状態になり、ボタンを押すと解除キーが離れて係合が解けてインナーカムは自由回転し、固定カムの突起先端がアウターカムの斜面を滑り降りてアウターカムの凹部まで達し、アウターカムが180°近くまで回転して筐体が全開するプッシュオープンヒンジ装置である。
図1と図2は、本発明の実施例1におけるプッシュオープンヒンジ装置の分解斜視図である。図1(a)は、プッシュオープンヒンジ装置の前面分解斜視図である。図1(b)は、プッシュオープンヒンジ装置の複合可動カムの前面分解斜視図である。図2(a)は、プッシュオープンヒンジ装置の裏面分解斜視図である。図2(b)は、プッシュオープンヒンジ装置の複合可動カムの裏面分解斜視図である。
図3〜図7は、プッシュオープンヒンジ装置の平面図と断面図である。図3(a)は、プッシュオープンヒンジ装置の全開状態の平面図である。図3(b)は、プッシュオープンヒンジ装置の全開状態の軸方向断面図である。図4(a)は、プッシュオープンヒンジ装置の全閉状態の平面図である。図4(b)は、プッシュオープンヒンジ装置の全閉状態の軸方向断面図である。図5(a)は、プッシュオープンヒンジ装置の全閉状態でボタンを押したときの平面図である。図5(b)は、プッシュオープンヒンジ装置の全閉状態でボタンを押したときの軸方向断面図である。図6(a)は、プッシュオープンヒンジ装置の開閉途中の平面図である。図6(b)は、プッシュオープンヒンジ装置の開閉途中の軸方向断面図である。図7(a)は、プッシュオープンヒンジ装置のインナーカムがアウターカムに係合した状態における軸に垂直な断面図である。図7(b)は、プッシュオープンヒンジ装置のインナーカムがアウターカムから分離した状態における軸に垂直な断面図である。
図1〜図7において、ボタン1は、筐体を開くための押しボタンである。固定カム2は、機器本体である操作部筐体(第2筐体)に固定されるカムである。固定カム2の突起部は、くの字型をしている。固定カムの底面(図1(a)左側)には、シャフト3を通してEリング9で固定する穴がある。シャフト3は、両端に平坦部があり、回転しないように固定カム2に固定される。プランジャー4は、固定カム2の底面の穴を貫通して、ボタン1に取り付けられる。複合可動カムは、インナーカム51とアウターカム52と解除キー53とキー用スプリング54からなっている。複合可動カムにはシャフト3が貫通しており、シャフトに対して回転可能に取り付けられている。
複合可動カムは、第1圧縮スプリング12により固定カム2へ押し付けられ、固定カム2の突起部は、インナーカム51またはアウターカム52のカム面に当接する。プランジャー4と複合可動カムの間には、第2圧縮スプリング17が設けられており、プランジャー4を固定カム2に押し付けている。アウターカムの突起部も、くの字型をしており、固定カム2の突起部と互いに入りこんで、180°以上回転できるようになっている。解除キー53は、筐体全閉時、ボタン1の押下によりプランジャー4に押されて軸方向に移動し、インナーカム51から離脱し、インナーカム51は、アウターカム52との係合を解除される。筐体全開時には、ボタン1を押してもプランジャー4が解除キー53を押さないようになっている。
ホルダ6は、表示部筐体(第1筐体)に固定される部材である。シャフト3が貫通して、複合可動カム5のアウターカム52と係合して、ともに回転する。バネ受部7とストッパ8とEリング10で規制されて、軸方向へは移動しない。バネ受部7は、トーションスプリング11の作用端と係合して、トルクを封止する部材である。シャフト3に回転を規制され、ストッパ8とEリング10で、軸方向の動きも規制される。ストッパ8は、バネ受部7などの部材を、軸方向に動かないように固定する部材である。シャフト3に回転を規制されて取り付けられている。Eリング9は、シャフト3の一端を固定カム2の底面で固定する部材である。Eリング10は、シャフト3の他端をストッパ8の底面で固定する部材である。
複合可動カムとホルダ6の間に設けられている第1圧縮スプリング12は、複合可動カムを固定カム2に押し付け、複合可動カムのカム面である斜面に、固定カム2の突起部を当接させる。バネ受部7とストッパ8の間に、トーションスプリング11が設けられている。トーションスプリング11の固定端は、ストッパ8に固定されている。トーションスプリング11の作用端は、ホルダ6に係止されている。ホルダ6が固定されている表示部筐体が開く方向に回転するようにトルクを発生する。表示部筐体と操作部筐体の開き角度がほぼ20°になるところまで閉じられると、作用端がホルダ6から抜けて、バネ受部7の溝に落ち込み、トルクが封止される。トーションスプリング11は、複合可動カムを介して、表示部筐体に開き方向のトルクをかけるねじりバネである。第1圧縮スプリング12は、複合可動カムを固定カム2に押し付けるためのバネである。第2圧縮スプリング17は、プランジャー4を固定カム2に押し付けるためのバネである。
図8〜図24は、プッシュオープンヒンジ装置の複合可動カムの動作説明図である。円周方向を直線に展開して360°以上に亘って示してある。図8は、全開型インナーカムを備えた複合可動カムの全閉位置の展開図である。図9は、同じく全閉位置でボタンを押したときの展開図である。図10は、同じくボタンを押して開く途中の位置の展開図である。図11は、同じく全開位置の展開図である。図12は、同じく全閉位置の展開図であり、インナーカムが180°回転した状態であるが、外観上は図8と同じである。
図13は、中間停止型インナーカムを備えた複合可動カムの全閉位置の展開図である。図14は、同じく全閉位置でボタンを押したときの展開図である。図15は、同じくボタンを押して開く途中の位置の展開図である。図16は、同じく全開位置の展開図である。図17は、同じく手動で開いて中間停止位置で止めた状態の展開図である。図18は、同じく全閉位置の展開図であり、インナーカムが180°回転した状態であるが、外観上は図13と同じである。
図19は、フリーストップ型インナーカムを備えた複合可動カムの全閉位置の展開図である。図20は、同じく全閉位置でボタンを押したときの展開図である。図21は、同じくボタンを押して開く途中の位置の展開図である。図22は、同じく全開位置の展開図である。図23は、同じく手動で開いてフリーストップ範囲の停止位置で止めた状態の展開図である。図24は、同じく全閉位置の展開図であり、インナーカムが180°回転した状態であるが、外観上は図19と同じである。
図25は、キー解除機構を簡略化したプッシュオープンヒンジ装置の前面分解斜視図である。図26は、裏面分解斜視図である。このプッシュオープンヒンジ装置では、固定カムとプランジャーと解除キーの構成が簡略化されている。固定カム2は、ボタン側が平らになっている。プランジャー4と解除キー53は、筐体全開時にも当接するようになっている。
上記のように構成された本発明の実施例1における携帯電話のプッシュオープンヒンジ装置の動作を説明する。最初に、図1〜図7を参照しながら、プッシュオープンヒンジ装置の機能の概要を説明する。複合可動カムは、第1圧縮スプリング12の弾性力により、固定カム2に常に押し付けられている。図3に示すように、全開位置(表示部筐体と操作部筐体の開き角度が180°近くの位置)では、固定カム2の突起部は、アウターカム52の突起部の基部の窪みに入り込んでおり、複合可動カムの突起部と固定カム2の突起部は、互いに最も深くかみ合っている。複合可動カムの突起部は、180°を超えて回転できるので、全開状態と全閉状態での状態保持のための余裕をとっても、筐体を180°近くまで開くことができる。全開状態のとき、固定カム2の突起部は、複合可動カムのカム面の端の斜面を押し付けた状態になっている。表示部筐体は、操作部筐体に当たって限界まで開いているので、操作部筐体による抵抗力とカム面の斜面からの力が釣り合って、ガタの無い状態で安定して全開状態を保持している。
表示部筐体と操作部筐体を閉じる方向に手で力を加えると、固定カム2の突起部が、複合可動カムのカム斜面を押す力が大きくなり、第1圧縮スプリング12の弾性力に打ち勝って、固定カム2の突起部が、複合可動カムのインナーカム51の斜面を登っていく。表示部筐体は、第1圧縮スプリング12を圧縮し、トーションスプリング11を捻りながら、閉じられていく。表示部筐体と操作部筐体の開き角度がほぼ20°になると、トーションスプリング11の作用端は、ホルダ6の溝から抜けて、バネ受部7の溝に落ち、ホルダ6は、トーションスプリング11のトルクを受けなくなる。したがって、表示部筐体には、トーションスプリング11による開き方向の回転モーメントが無くなる。
固定カム2の突起部がインナーカム51の突起部を越えると、第1圧縮スプリング12の弾性力でカム斜面から閉じる方向の力を受け、表示部筐体は全閉状態まで閉じられる。この状態を図4に示す。このときも、固定カム2の突起部は、インナーカム51の斜面を押し付けながら止まっている。表示部筐体は、操作部筐体に当たって限界まで閉じているので、操作部筐体による抵抗力とカム面の斜面の抵抗力が釣り合って、ガタの無い状態で安定して全閉状態を保持している。全閉時は、トーションスプリング11のトルクが、全閉の直前20°の位置で封止されるので、第1圧縮スプリング12と複合可動カムによる全閉時の閉方向への引き込み力は、トーションスプリング11で相殺されることがなく、第1圧縮スプリング12の弾性力が弱くても、安定して閉状態を保持できる。
表示部筐体と操作部筐体が全閉状態のとき、ボタン1を押すと、プランジャー4の突起部が複合可動カムの解除キー53を押し、解除キー53がインナーカム51から外れ、複合可動カムのインナーカム51とアウターカム52の係合が解除される。この状態を図5に示す。第1圧縮スプリング12の弾性力は解除キー53には掛かっていないので、ボタン1を押す力は弱くてもよく、操作性がよい。インナーカム51は自由回転するようになるので、固定カム2の突起部は、アウターカム52のカム面に当接する。アウターカム52は、第1圧縮スプリングに押されて回転する。トーションスプリング11の作用端が、バネ受部7の溝から出て、ホルダ6の溝に落ち込むので、ホルダ6は、トーションスプリング11のトルクを再び受けるようになる。したがって、表示部筐体には、トーションスプリング11による開き方向の回転モーメントが加わって、開き始める。この状態を図6に示す。
表示部筐体がほぼ175°まで開くと、表示部筐体は全開状態になる。再び、図3に示す状態になる。固定カム2の突起部が、複合可動カムの斜面の端にかかった状態で、第1圧縮スプリング12の弾性力により、開く方向の力を受ける。インナーカム51は180°回転して、キー溝がアウターカム52と一致した状態になる。解除キー53はキー溝に嵌り、インナーカム51とアウターカム52は係合される。
図7を参照しながら、解除キー53の機能を説明する。同期状態では、図7(a)に示すように、アウターカム52のキー溝とインナーカム51のキー溝の位置が一致して、解除キー53がインナーカム51のキー溝に嵌り、インナーカム51がアウターカム52と同期して回転するようになる。解除キー53は、常にアウターカム52のキー溝に嵌っており、解除キー53とアウターカム52は同期している。筐体の全閉状態でボタン1を押すと、解除キー53がプランジャー4に押されて、シャフト3に沿って内側にスライドし、インナーカム51のキー溝から解除キー53が外れる。インナーカム51は自由回転状態になり、固定カム2の突起部に押されて、アウターカム52と非同期で動く。筐体が90°程度まで開いた状態でのインナーカム51の位置は、図7(b)に示すようになる。
図8〜図12は、全開型インナーカムを備えた複合可動カムの動作を示す図である。図8を参照しながら、全閉位置におけるカムの状態を説明する。解除キー53は、インナーカム51とアウターカム52を係合しているので、両者は一体となっている。固定カム2の突起部がインナーカム51の突起部を越えている。インナーカム51は第1圧縮スプリング12に押されているので、筐体を閉じる方向に力が働く。筐体はこれ以上閉じないので、閉じた状態で安定している。
図9を参照しながら、全閉位置でボタン1を押したときのカムの状態を説明する。解除キー53は、プランジャー4に押されて、インナーカム51から離れる。インナーカム51はシャフト3の周りに自由回転するようになる。固定カム2の突起部に押されて回転し、固定カム2の突起部はアウターカム52の斜面に当接する。
図10を参照しながら、全閉位置から半開になったときのカムの状態を説明する。固定カム2の突起部は、アウターカム52の斜面をすべりながら、筐体を開く方向に動く。アウターカム52は第1圧縮スプリング12に押されているので、筐体を開く方向に力をかける。インナーカム51は固定カム2の突起部に押されて回転する。
図11を参照しながら、全開位置になったときのカムの状態を説明する。固定カム2の突起部は、アウターカム52の斜面の端で止まる。筐体は175°程度で全開しているので、カムの力と筐体の抵抗力で安定して全開状態となっている。インナーカム51は180°回転してキー溝がアウターカム52と一致した状態になる。解除キー53がキー溝に入り、両者を係合する。
図12を参照しながら、再び全閉位置になったときのカムの状態を説明する。全開位置から筐体を手で閉じると、インナーカム51とアウターカム52が係合した状態で、固定カム2の突起部がインナーカム51の斜面を登る。インナーカム51の突起部を越えると筐体を閉じる方向に力が働いて安定に閉じられる。インナーカム51は、開くときは回転して固定カム2に追従しており、開くときはアウターカム52と同期して回転している。したがって、開閉ごとに180°反転することになる。
図13〜図18は、中間停止型インナーカムを備えた複合可動カムの動作を示す図である。図13〜図16に示すカムの状態は、図8〜図11に示したものと同じである。図17を参照しながら、中間停止型を手動で開いて中間位置で停止した状態を説明する。全閉位置から筐体を手動で開くと、インナーカム51とアウターカム52が係合した状態で、固定カム2の突起部がインナーカム51の斜面を登る。インナーカム51の斜面には途中に窪みが設けてあるので、固定カム2の突起部は窪みに嵌り、筐体は中間位置で安定に停止する。さらに筐体を手動で開くと、全開位置で安定に停止する。図18に示す中間停止型を再び全閉位置にしたときのカムの状態は、図12に示したものと同じである。
図19〜図24は、フリーストップ型インナーカムを備えた複合可動カムの動作を示す図である。図19〜図22に示すフリーストップ型のカムの状態は、図8〜11に示したものと同じである。図23を参照しながら、フリーストップ型を手動で開いて中間位置で停止した状態を説明する。全閉位置から筐体を手動で開くと、インナーカム51とアウターカム52が係合した状態で、固定カム2の突起部がインナーカム51の斜面を登る。インナーカム51の斜面には途中にゆるい斜面が設けてあるので、固定カム2の突起部はその斜面で閉じる方向の弱い力を受け、トーションスプリング11の開く力と拮抗して、筐体は中間位置でフリーストップ状態になって停止する。この斜面の範囲で、筐体を自由に任意の位置で止めることができる。さらに筐体を手動で開くと、全開位置で安定に停止する。図24に示すフリーストップ型を再び全閉位置にしたときのカムの状態は、図12に示したものと同じである。
筐体の全開時にボタンを押した場合について説明する。図11に示すように、プランジャー4と解除キー53は、筐体全開時には、当接しないようになっている。プランジャー4の突起部と、解除キー53の突起部は、円周の一部のみに設けてある。図8に示すように、筐体全閉時には、プランジャー4と解除キー53は当接するが、図11に示すように、筐体全開時には、解除キー53が180°回転して、互い違いの位置に来るので当接しない。固定カム2のボタン側を外側に突出させて、プランジャー4のストロークに余裕を持たせて、筐体全開時にプランジャー4と解除キー53の間隔が開くようにしてある。そのため、筐体全開時にボタンを押しても、解除キー53はインナーカム51のキー溝から外れない。したがって、ボタン1を押してから筐体を閉じても、全閉状態でインナーカム51と固定カム2が噛み合ってロックし、全閉状態を維持できる。
それに対して、図25と図26に示した簡略構成例では、固定カム2は、ボタン側が平らになっている。プランジャー4と解除キー53は、筐体全開時にも当接するようになっている。キー解除機構を簡略化してあるので、筐体全開状態でボタンを押すと、インナーカム51の係合が解除され、全閉状態にしてもロックしない。再度全開状態にしてから閉じればロックされるので、使用上に格別の不都合はない。
上記のように、本発明の第1の実施の形態では、プッシュオープンヒンジ装置を、3重構造の複合可動カムのアウターカムとインナーカムが解除キーで係合した状態で、固定カムの突起部がインナーカムの突起を乗り越えるとロックがかかって全閉状態になり、ボタンを押すと解除キーが離れて係合が解けてインナーカムは自由回転し、固定カムの突起先端がアウターカムの斜面を滑り降りてアウターカムの凹部まで達し、アウターカムが180°近くまで回転して筐体が全開する構成としたので、ボタン操作力を弱くして操作を容易にしても、折畳式電話機などの筐体を180°近くまで開くことができる。
本発明の実施例2は、トーションスプリングが無いプッシュオープンヒンジ装置である。図27は、本発明の実施例3におけるプッシュオープンヒンジ装置の前面分解斜視図である。図28は、プッシュオープンヒンジ装置の裏面分解斜視図である。実施例2におけるプッシュオープンヒンジ装置の基本的な構成と機能と動作は、実施例1と同じである。トーションスプリングが無い点が、実施例1と異なる。フリーストップ型のインナーカムにした場合、フリーストップ範囲のインナーカムの斜面を平らにする必要がある。トーションスプリングを無くしたので、蓋が極めて軽くて開閉負荷の小さい電子機器では、ヒンジの構成が簡単になり、コストを低減できる。必要に応じて、トルク封止機構を備えたトーションスプリングのみのヒンジを反対側に付けるようにしてもよい。
本発明は、携帯電話機のプッシュオープンヒンジ装置として最適である。また、携帯型の電子機器のプッシュオープンヒンジ装置としても好適である。
1 ボタン
2 固定カム
3 シャフト
4 プランジャー
6 ホルダ
7 バネ受部
8 ストッパ
9 Eリング
10 Eリング
11 トーションスプリング
12 第1圧縮スプリング
17 第2圧縮スプリング
51 インナーカム
52 アウターカム
53 解除キー
54 キー用スプリング
2 固定カム
3 シャフト
4 プランジャー
6 ホルダ
7 バネ受部
8 ストッパ
9 Eリング
10 Eリング
11 トーションスプリング
12 第1圧縮スプリング
17 第2圧縮スプリング
51 インナーカム
52 アウターカム
53 解除キー
54 キー用スプリング
Claims (6)
- 第1筐体と連動して固定軸のまわりを回転するアウターカムとインナーカムと解除キーとからなる3重構造の複合可動カムと、第2筐体に固定され前記複合可動カムに突起部で当接する固定カムと、前記解除キーを押して筐体の全閉状態における前記固定カムと前記複合可動カムの係合を解除するプランジャーと、前記プランジャーを押すボタンとを具備するプッシュオープンヒンジ装置であって、前記インナーカムは、前記第1筐体と前記第2筐体が折り畳まれた0°の全閉状態において前記固定カムの突起部と係合する突起部と、手動で開閉する場合に前記固定カムの突起部に当接する傾斜カム面とを有し、前記アウターカムは、前記第1筐体と前記第2筐体が自動で開く途中に前記固定カムの突起部に当接する傾斜カム面を有することを特徴とするプッシュオープンヒンジ装置。
- 前記第1筐体と前記第2筐体に開く方向の回転モーメントを与えるトーションスプリングを設けたことを特徴とする請求項1記載のプッシュオープンヒンジ装置。
- 前記第1筐体と前記第2筐体の全開状態で前記ボタンを押しても前記解除キーが前記インナーカムから外れないように、全開状態における前記プランジャーの位置に余裕を持たせ、前記プランジャーの突起部と前記解除キーの突起部が全開状態において互い違いになるように構成したことを特徴とする請求項1記載のプッシュオープンヒンジ装置。
- 前記第1筐体と前記第2筐体を手動で開いた場合に、中間で停止することなく全開するように、前記インナーカムの傾斜カム面を形成したことを特徴とする請求項1記載のプッシュオープンヒンジ装置。
- 前記第1筐体と前記第2筐体を手動で開いた場合に、中間で停止するように、前記インナーカムの傾斜カム面を形成したことを特徴とする請求項1記載のプッシュオープンヒンジ装置。
- 前記第1筐体と前記第2筐体を手動で開いた場合に、中間の所定範囲でフリーストップするように、前記インナーカムの傾斜カム面を形成したことを特徴とする請求項1記載のプッシュオープンヒンジ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003426791A JP2005188531A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | プッシュオープンヒンジ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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