JP5006574B2 - 雪庇除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無落雪屋根やパラペットで形成された屋上等の軒先(外縁部)にできる雪庇の除去装置に関するものである。
近年、北海道や東北、北陸などの多雪地帯の住宅では、屋根に積もった雪を道路や隣家に落とさないようにするため、図18に示すような樋(とう)と呼ばれる細長い溝を備えた無落雪屋根が採用されることが多く、あるいは図19に示すような水平な陸屋根の外縁部や屋上等の外縁部にパラペットが設けられる場合が多い。
無落雪屋根は、屋根の中央付近に樋を設け、この樋に向けて屋根の傾斜面を形成することにより、軒先から落雪させることなく屋根上で融雪し、融雪水を樋に導いて排水管から排水するようになっている。
また、パラペットは、屋根やテラスの外縁部を囲むようにして30〜50cm程度の凸状高さに形成されるものであり、このようなパラペットで囲まれた屋上に雪を溜めて落雪を防止するため、屋上で融雪して融雪水を排水管から排水するようになっている。
しかしながら、前述した無落雪屋根やパラペットは、雪の滑落を防止する効果や軒先に氷堤や氷柱が形成されるのを抑制する効果を奏するが、雪庇ができやすいという問題がある。雪庇とは、屋根の軒先に形成される雪の塊のことであって、風などの影響によって軒先の外側へ突出するように成長するものである。特に、東側に面した軒先には、冬の冷たい西風によって雪庇が大きく成長し、落下するため非常に危険である。
したがって、従来では、その都度、棒などを使って成長した雪庇を突き崩し、不測の事故が生じてしまうのを防止している。一方、上述した雪庇の問題を解決するための発明として、パラペットの上面や屋上に電熱線を張り巡らし、この電熱線から熱を供給することで雪を溶かして積雪や雪庇が生じないようにする発明が提案されている(特許文献1)。
実開平2−123520号公報
しかしながら、実開平2−123520号公報に記載された発明においては、工事費等のイニシャルコストおよび電気代等のランニングコスト、補修費などの費用が相当かかってしまうという問題がある。また、一度に降る積雪量が非常に多い場合には、電熱線の能力を超えてしまうため雪庇が形成してしまうおそれがあるし、寒冷地では融雪水が流れた後に再び凍って氷堤や氷柱になってしまうという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、無落雪屋根やパラペットが形成された屋上等の軒先(外縁部)にできる雪庇を除去し、雪庇が大きく成長するのを防止することができる雪庇除去装置を提供することを目的としている。
本発明に係る雪庇除去装置の特徴は、無落雪屋根の外縁部またはパラペットが設けられた屋根の外縁部に生じる雪庇を融雪するための長尺状の融雪平板部を有しており、この融雪平板部を屋根の外縁部から水平方向に所定の間隔を隔ててその長手方向を前記外縁部に沿って配置して、前記外縁部と前記融雪平板部との間に建物の外壁面によって暖められた暖気を通す空間を設けるとともに、その融雪平板部の上下方向を鉛直方向または鉛直方向に対して所定の角度に傾斜させて固定することにより、前記融雪平板部の上端部が雪庇を切り落とすカッターとして機能する点にある。
また、本発明において、前記融雪平板部には、この融雪平板部と屋根の外縁部との間に所定の間隙を形成して前記融雪平板部を支持する間隙形成支持部が設けられていることが好ましい。
さらに、本発明において、前記間隙形成支持部の下面には、屋根の外縁端面に接して雪等の荷重に対抗する補強支持部が設けられていることが好ましい。
また、本発明において、前記間隙形成支持部は、前記融雪平板部の上下方向に左右1対のスリットを形成し、このスリット間の板状部分を前記融雪平板部に対して直角または直角近似の所定角度に折り曲げて構成されてもよい。
さらに、本発明において、前記融雪平板部の屋根側の面には、前記間隙形成支持部を連結するための1対の狭持部が上下対向位置に設けられており、前記間隙形成支持部の先端部には、前記狭持部に狭持され得る上下幅を備えているとともに前記間隙形成支持部に対して直角または直角近似の所定角度に形成された連結部が設けられており、この連結部を前記狭持部に狭持させて連結し、前記間隙形成支持部の基端部を屋根の外縁部に固定してなるようにしてもよい。
また、本発明において、前記屋根の外縁部から前記融雪平板部の上端部に向けて外側上方に傾斜された飛雪板が設けられていてもよい。
さらに、本発明において、前記融雪平板部の下端部を長手方向に沿って外側に折り曲げてなる暖気導入兼撓み防止部を形成するようにしてもよい。
また、本発明において、前記融雪平板部には、長手方向に沿って長尺状の電熱体を取り付けるようにしてもよい。さらに、本発明において、前記融雪平板部の表面には、マット仕上げが施されていてもよい。
本発明によれば、安価で簡単な補修工事によって無落雪屋根やパラペットが形成された屋上等の軒先(外縁部)にできる雪庇を容易に除去し、雪庇が大きく成長するのを防止することができる。
以下、本発明に係る雪庇除去装置の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態の雪庇除去装置1Aを屋根の外縁部2に設置した状態を示す図であり、図2は、図1の矢印A方向から見た側面図である。
図1に示すように、第1実施形態の雪庇除去装置1Aは、無落雪屋根やパラペットが形成される屋上等の軒先2に取り付けられるものであり、長尺状の融雪平板部3Aと、この融雪平板部3Aを屋根の軒先2に間隙Sを形成するように支持するための間隙形成支持部4Aとから構成されている。
融雪平板部3Aは、屋根の外縁部にできる雪庇を融雪するためのものであり、アルミニウム等によって長尺状の平板に成形され、その長手方向に沿って間隙形成支持部4Aに固定するための固定穴Hが穿孔されている。また、融雪平板部3Aの表面31,32にはマット仕上げ(艶消し)が施されている。これは、押し出し成形によって融雪平板部3Aを形成する場合、その表面に押し出し方向の筋が残ってしまうので、この筋による細かい段差が雪を付着させてしまう原因になるため、これを防止するものである。なお、融雪平板部3Aに使用する材料は、熱伝導率や高い強度、加工性や耐腐食性に優れた材料の観点からアルミニウムが好ましいが、これに限られるものではなく、使用条件に応じて適宜選択してよい。
間隙形成支持部4Aは、図1および図2に示すように、横断面が略L字状に形成されており、屋根の外縁部2と融雪平板部3Aとの間に暖気を通す間隙Sを形成して融雪平板部3Aを支持するものである。その間隙形成支持部4Aの先端部41には、融雪平板部3Aの屋根側の面32に固定するための固定穴Hが穿孔されている。また、間隙形成支持部4Aの基端部42には、屋根の軒先2に固定するための固定穴Hが穿孔されている。間隙形成支持部4Aは、所定の間隙Sを形成するように融雪平板部3Aを支持できればよいが、積雪重量を考慮すると、複数個を使用するのが好ましい。但し、必要以上に強度の安全率を取るがために間隙形成支持部4Aの個数を多くしたり、幅を大きく形成し過ぎると、間隙Sが狭くなって暖気の通路が不充分になるおそれがあるので、注意が必要である。
なお、本第1実施形態では、固定穴Hに連通させたネジにナットを締め付けることにより、融雪平板部3Aと間隙形成支持部4Aとを固定しているが、これに限られるものではなく、接着剤やクリップ部材などを利用してもよい。また、本第1実施形態では、間隙形成支持部4Aを融雪平板部3Aとは別体に形成しているが、両者を一体的に形成するようにしてもよい。
つぎに、このような構成を備えた本第1実施形態における雪庇除去装置1Aの設置方法および作用について説明する。
まず、本第1実施形態の雪庇除去装置1Aを使用する場合、融雪平板部3Aの固定穴Hに合わせて間隙形成支持部4Aの先端部41を固定するとともに、この間隙形成支持部4Aの基端部42を屋根(パラペットを含む)の外縁部2に固定する。これにより、融雪平板部3Aは、その長手方向が屋根の外縁部2に沿って配置されるとともに、屋根の外縁部2から所定の間隙Sを隔てた状態で支持され、暖気を通す空間を設けるようになっている。また、融雪平板部3Aの上下方向は、実質的に鉛直方向を向けられて固定される。
上述のように、本第1実施形態の雪庇除去装置1Aを軒先2に設置した後、屋根に雪が降り積もり、その軒先2に雪庇5が成長し始めると、図3に示すように、軒先2と融雪平板部3Aの間隙Sの上部に雪庇5が覆い被さってしまう。しかし、その雪庇5の下方には、間隙Sによる空間が開口しており、建物の外壁面から放出される廃熱や、換気口からの排気により暖められて上昇する空気が滞留する。あるいは、雪庇が完全に成長した後であっても、太陽熱によって壁が暖められて暖気が上昇し、間隙Sを通って雪庇5の下方空間に導かれる。
これにより、前記間隙Sの空間に滞留した暖気が、雪庇を直接的に暖めて溶かすとともに、熱伝導率の高い融雪平板部3Aを介して間接的に暖めて成長し始めた雪庇5を溶かすため、雪庇5が大きく成長するのを未然に防止する。また、図4(a)に示すように、風雪が強くて短期間で大きな雪庇5ができてしまった場合でも、前記空間に滞留した暖かい空気と、これにより暖められた融雪平板部3Aが雪庇5の基端部を溶かして切断してしまう。そして、略鉛直方向に固定された融雪平板部3Aがカッターのような役割を果たし、図4(b)に示すように、張り出した雪庇5を切り落とすことができる。さらに、融雪平板部3Aが風によって揺動される場合には、雪庇5に振動を与えるため、より簡単に雪庇5を除去するという作用を併せ持つ。
また、記録的な大雪等があると、雪庇5が融雪平板部3Aを巻き込むように成長し、間隙Sの下方開口部をも塞いでしまうことが考えられる。この場合、間隙Sに暖気が導入されなくなり、上述のような雪庇除去効果が低減してしまうおそれがある。したがって、このような大雪を想定し、融雪平板部3Aの長手方向に沿って長尺状の電熱体(図示せず)を取り付けるようにしてもよい。これにより、大雪によって間隙Sが塞がれてしまった場合でも、積極的に融雪平板部3Aの温度を上昇させられるため、雪庇5の基端部を融雪し、わずかな力を加えるだけで簡単に切断し易い状態にさせられるようになっている。なお、電熱体としては、テープヒータ等が挙げられる。
なお、本第1実施形態においては、融雪平板部3Aと間隙形成支持部4Aとの間隙Sを30mm〜50mm程度に設定している。間隙Sをあまり狭く設定してしまうと滞留する暖気量が減るため、上述した融雪効果等が十分に発揮されない可能性がある。一方、間隙Sをあまり広く設定してしまうと暖気が冷えやすくなり効率性が悪くなるし、融雪平板部3Aまで雪庇が成長する余地を与えてしまう。また、間隙形成支持部4Aの基端部42にかかるトルク負荷が大きくなるという問題もある。
また、本第1実施形態では、融雪平板部3Aの上下方向を実質的に鉛直方向に一致させているが、これに限られるものではなく、上述したカッター効果を奏する範囲内であれば、軒先2の形状等に合わせて適当な角度に傾斜させてよい。例えば、図5に示すように、融雪平板部3Aの上部を長手方向に沿って外側に傾斜させれば、屋根に沿って吹き付ける風等の働きにより、当該傾斜面に降り積もる雪を吹き飛ばし、雪庇の成長を抑制する作用を得られる可能性が考えられる。但し、傾斜させすぎると融雪平板部3Aに積雪してしまうので注意が必要である。一方、融雪平板部3Aの上部を長手方向に沿って内側に傾斜させると、屋根に沿う風の流れに逆らう状態となり、傾斜面に雪が付着してしまう可能性が高い。
以上のような本第1実施形態によれば、雪庇5の成長を未然に抑制するとともに、形成されてしまった雪庇5を簡単に切り落として過度の成長を防止するため、雪庇5が落下することによる不慮の事故を抑制することができる。また、簡単な補修工事によって雪庇除去装置1Aを軒先2に設置でき、設置した後は放っておくだけで雪庇5が除去されるため、イニシャルコストを安価に抑え、ランニングコストは不要である。
つぎに、本発明に係る雪庇除去装置の第2実施形態について図面を用いて説明する。
図6は、本第2実施形態における雪庇除去装置1Bを軒先2に取り付けた状態を示す側面図であり、図7は、本第2実施形態の間隙形成支持部4Bの構成を示す斜視図である。なお、本第2実施形態のうち、前述した第1実施形態の構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
図6および図7に示すように、本第2実施形態の雪庇除去装置1Bの特徴は、間隙形成支持部4Bの下面から補強支持部43を垂下させている点にある。そして、この補強支持部43が屋根の外縁部2の端面と接するように間隙形成支持部4Bを取り付けることにより、融雪平板部3Aや雪庇5等からの荷重に対抗するとともに、取り付け後のぐらつきを防止するようになっている。なお、本第2実施形態では、補強支持部43を垂下させているが、補強効果を奏する範囲内であれば、間隙形成支持部4Bに対して傾斜させて設けてよい。
以上のような本第2実施形態によれば、本第1実施形態の効果に加えて、間隙形成支持部4Bの耐荷重性や安定性を向上させることができ、雪庇除去装置1Bが脱落するのを確実に防止することができる。
つぎに、本発明に係る雪庇除去装置の第3実施形態について図面を用いて説明する。
図8は、本第3実施形態における雪庇除去装置1Cを軒先2に取り付けた状態を示す側面図であり、図9は、本第3実施形態の雪庇除去装置1Cを示す斜視図である。なお、本第3実施形態のうち、前述した第1実施形態の構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
図8および図9に示すように、本第3実施形態の雪庇除去装置1Cの特徴は、融雪平板部3Cの一部を折り曲げることにより間隙形成支持部4Cを形成する点にある。具体的には、図9(a)に示すように、融雪平板部3Cの上下方向に下方から中間部まで至る左右一対のスリット33,33を形成し、このスリット33,33間に形成される板状部分34を図9(b)に示すように、折り曲げるようになっている。なお、本第3実施形態では、間隙形成支持部4Cが融雪平板部3Cに対して直角状態となるように折り曲げているが、これに限られるものではなく、軒先2の形状などに応じて所定角度に折り曲げてもよい。
以上のような本第3実施形態によれば、本第1実施形態の効果に加えて、部品数を減らすことができるとともに、間隙形成支持部4Cの基端部42を軒先2に取り付けるだけで雪庇除去装置1Cを設置できるため、製造コストや設置費用を低減することができる。
つぎに、本発明に係る雪庇除去装置の第4実施形態について図面を用いて説明する。
図10は、本第4実施形態における雪庇除去装置1Dを軒先2に取り付けた状態を示す側面図であり、図11および図12は、それぞれ本第4実施形態の融雪平板部3Dおよび間隙形成支持部4Dの構成を示す斜視図である。なお、本第4実施形態のうち、前述した各実施形態の構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
図10から図12に示すように、本第4実施形態の雪庇除去装置1Dの特徴は、融雪平板部3Dに設けた一対の狭持部35,35と、間隙形成支持部4Dに設けた連結部44によって両者を連結する点にある。狭持部35,35は、図11に示すように、上下方向において対向する断面略L字状の鉤形状に形成されており、融雪平板部3Dの屋根側の面32に設けられている。また、連結部44は、図12に示すように、狭持部35,35に狭持され得る上下幅を有しており、間隙形成支持部4Dの先端部41に設けられている。
そして、両者を連結させる際には、狭持部35,35内に連結部44を横からスライドさせて挿入し、当該連結部44を狭持させて連結するようになっている。その後、固定穴Hにネジを挿通してナットで両者を締結し、間隙形成支持部4Dの基端部42を屋根の外縁部2に固定することで雪庇除去装置1Dが構成される。この場合、固定穴Hなどを設けずに、狭持部35,35の狭持力のみで連結しておいてもよいし、あるいは連結部44を挿入した後に狭持部35,35を上下から押圧して連結力を高めてもよい。なお、本第4実施形態において、連結部44は間隙形成支持部4Dに対してほぼ直角となるように形成されているが、これに限られるものではなく、軒先2の形状や傾斜状況などに合わせて所定角度に形成すればよい。
以上のような本第4実施形態によれば、本第1実施形態の効果に加えて、融雪平板部3Dと間隙形成支持部4Dとをより強く締結することができ、融雪平板部3Dが間隙形成支持部4Dから脱落するのを防止することができる。
つぎに、本発明に係る雪庇除去装置の第5実施形態について図面を用いて説明する。
図13は、本第5実施形態における雪庇除去装置1Eを軒先2に取り付けた状態を示す側面図である。なお、本第5実施形態のうち、前述した第1実施形態の構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
図13に示すように、本第5実施形態の雪庇除去装置1Eの特徴は、融雪平板部3Eの下端部を長手方向に沿って外側に折り曲げてなる暖気導入兼撓み防止部36を形成する点にある。この暖気導入兼撓み防止部36により、建物の外壁面から放出される廃熱や、換気口からの排気により暖められて上昇する空気、および日中の気温上昇した外気が、より効果的に間隙Sに導入される。また、融雪平板部3Eの長手方向における強度が増すため、融雪平板部3Eが相当な長尺状に形成したとしても折り曲がったり撓んだりしてしまうのを防止するようになっている。
以上のような本第5実施形態によれば、本第1実施形態の効果に加えて、より多くの暖気を間隙Sに導入させて融雪効果を向上させられるとともに、融雪平板部3Eの変形を防止することができる。
つぎに、本発明に係る雪庇除去装置の第6実施形態について図面を用いて説明する。
図14は、本第6実施形態における雪庇除去装置1Fを軒先2に取り付けた状態を示す側面図である。なお、本第6実施形態のうち、前述した各実施形態の構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
図14に示すように、本第6実施形態の雪庇除去装置1Fの特徴は、軒先2に固定された間隙形成支持部4Aの基端部から、融雪平板部3Aの上端部を越えて外側上方に傾斜した飛雪板6を設ける点にある。本第6実施形態において、飛雪板6は水平方向に対して略45度の角度で傾斜されており、その先端部が、融雪平板部3Aよりも外側に突出されている。なお、傾斜角度は、45度に限られるものではなく、屋根の形状や風の向き等に合わせて適宜変更しうる。飛雪板6は間隙形成支持部4Aおよび融雪平板部3Aにボルトなどによって固定されている。なお、前記飛雪板6は間隙形成支持部4Aを介さずに直接屋根に固定してもよい。
この飛雪板6により、屋根の端部から外側上方に向かう風の流路が一連に形成されるため、屋根上に降り積もる雪を風によって外側に吹き飛ばし、雪庇の成長を未然に防止する役割を果たすようになっている。また、飛雪板6は、外側に突出された角部が雪を付着しにくくさせており、風によって飛雪板6自体にも雪は積もりにくい。さらに、その傾斜により融けた雪を内側下方に排出させるため、飛雪板6に雪が積もりにくくなっている。また、飛雪板6は、所定の傾斜角度に保持されているため、前述したテープヒータ等の電熱体を取り付け易くなっている。
以上のような本第6実施形態によれば、本第1実施形態の効果に加えて、雪庇の成長を未然に防止する効果を向上することができ、電熱体も容易に取り付けることができる。
『外気温と雪庇除去装置との関係を示す実施例』
本実施例では、上述した第1実施形態の雪庇除去装置1Aを無落雪屋根の軒先2に取り付け、外気温、融雪平板部3Aの表面温度および間隙Sによる空間内の温度を測定した。本実験は、北海道立北方建築総合研究所の協力を得て2006年2月2日から2006年2月10日にかけて行われたものであり、5時間おきに上記各温度を測定した。その結果を図15に示す。
図15に示すように、本実験期間中、外気温は0℃を上回ることは無かったが、融雪平板部3Aの表面温度は、いずれの日においても正午前後には0℃を上回っていることが示された。特に、2月4日、5日、8日においては、融雪平板部3Aの表面温度が20℃を超えており、天候や日照の程度によってはかなり高温度になることが示された。また、間隙Sによる空間内温度についても、総じて外気温より高温に保持されており、2月4日、5日、8日、10日においては、0℃を上回っていた。
また、図16は、無落雪屋根上に積層した雪および雪庇の断面写真である。図16に示すように、雪庇除去装置1Aに接触する部分および間隙Sによる空間周辺部では、雪がシャーベット状に溶けており、融雪効果が視認された。また、図17は、軒先の一部に、本第1実施形態の雪庇除去装置1Aを取り付けた建物を示す外観写真である。図17に示すように、雪庇除去装置1Aを取り付けていない軒先(写真左側)では、巨大な雪庇が張り出すように成長しているのに対し、雪庇除去装置1Aを取り付けた軒先(写真右側)においては、雪庇の成長はほとんど見られなかった。
以上のように、本実施例によれば、融雪平板部3Aや間隙Sによる空間内が、外気温よりも高温に保持されていることが示された。また、実際に、本第1実施形態の雪庇除去装置1Aが雪庇除去効果を顕著に奏することが実証された。
一方、上記実施例と同様な実験を防災科学技術研究所長岡雪氷防災研究所新庄支所においても行った。雪庇の状況を観察した結果、自然状態の雪庇は落下しなかったが、本発明を設置した場所にできる雪庇は、垂直に設置した融雪平板部3Aの上方で雪庇が切れたような落ち方ではなく、前記融雪平板部3Aの外側に接している雪庇の一部が落ちたように見られた。また、融雪平板部3Aと壁面との隙間は通気がよいため日中は隙間の温度が上昇する傾向にある。
以上の実施例の観察結果に基づいて雪庇除去装置1Aによる雪庇除去のメカニズムを検討すると、雪庇が融雪平板部3Aによって切断されて落下するのであれば、融雪平板部3Aの直上における雪の圧縮破壊とさらに上方における剪断破壊によると考えられる。いずれの場合も破壊をもたらすのは雪庇自身に働く重力である。また、雪庇が落下するときに融雪平板部3Aの外側に存在する雪塊の途中から破壊が生ずるならば、それは引張破壊によると考えられる。この場合も雪庇に作用する重力で破壊が生ずる。観測の結果、ほとんど後者のようにして雪庇が落下していた。
また、雪庇は、形成当初は雪結晶粒子、あるいはその破砕した雪粒子からなっているが、寒冷な環境では時間とともに焼結により粒子同士の結合が強まり、しまり雪へと変化していく。しまり雪は破壊強度が大きく、容易には落下しない。しかし、雪庇に熱が供給されて雪温が0℃に達すれば融解が始まり、しまり雪はざらめ雪に変化する。このざらめ雪の破壊強度はしまり雪に比べて小さいため、雪庇は容易に破壊されて落下すると考えられる。
一方、日射で暖められた壁面からの自由対流により熱が隙間に運ばれて、日中の隙間の温度が気温より高くなる可能性があるが、風によりその壁面の熱が拡散してしまうことも多い。また、雪庇の落下状況から判断すると、雪に伝わる熱は融雪平板部3Aからの伝導によるものが重要と考えられる。この温度は日射の吸収と隙間の空気からの乱流熱、そして壁面との間の放射熱の交換によって決まる。したがって、雪庇除去装置1Aがより効果的に機能するためには、大きな雪庇でも完全に覆われることのない程度の融雪平板部3Aの高さがあるとよい。これにより露出部分が日射を吸収して温度上昇による雪庇のざらめ化が期待できる。また、気温が上昇したときには融雪平板部3Aの隙間にも外部から空気が入ることができるように隙間を広めに形成することも効果的である。
なお、本発明に係る雪庇除去装置1A〜1Fは、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、雪庇除去装置1A〜1Fは、屋根や屋上に設けることを例示しているが、ベランダ等のパラペットに配置するようにしてもよい。
本発明に係る雪庇除去装置の第1実施形態を示す図である。 図1における矢印A方向から見た側面図である。 本第1実施形態において形成される空間を説明する図である。 本第1実施形態において、(a)雪庇が形成された状態、(b)雪庇を切り落とした状態を示す図である。 本第1実施形態の融雪平板部の他の実施例を示す側面図である。 本第2実施形態の雪庇除去装置を示す側面図である。 本第2実施形態の間隙形成支持部を示す斜視図である。 本第3実施形態の雪庇除去装置を示す側面図である。 本第3実施形態において、(a)スリットを形成した状態、(b)間隙形成支持部を折り曲げて形成した状態を示す斜視図である。 本第4実施形態の雪庇除去装置を示す側面図である。 本第4実施形態の融雪平板部を示す斜視図である。 本第4実施形態の間隙形成支持部を示す斜視図である。 本第5実施形態の雪庇除去装置を示す側面図である。 本第6実施形態の雪庇除去装置を示す側面図である。 本実施例における雪庇除去装置と外気温との関係を示すグラフである。 本実施例において、雪庇除去装置を用いた無落雪屋根上の雪の断面写真である。 本実施例において、雪庇除去装置を取り付けた建物を示す外観写真である。 従来の無落雪屋根を示す斜視図である。 従来のパラペットを有する屋上(屋根)を示す斜視図である。
符号の説明
1A,1B,1C,1D,1E,1F 雪庇除去装置
2 屋根の軒先(外縁部)
3A,3C,3D,3E 融雪平板部
4A,4B,4C,4D 間隙形成支持部
5 雪庇
6 飛雪板
31 屋根側と反対側の面
32 屋根側の面
33 スリット
34 板状部分
35 狭持部
36 暖気導入兼撓み防止部
41 先端部
42 基端部
43 補強支持部
44 連結部
H 固定穴
S 間隙

Claims (3)

  1. 無落雪屋根の外縁部またはパラペットが設けられた屋根の外縁部に生じる雪庇を融雪するための長尺状の融雪平板部を有しており、この融雪平板部を屋根の外縁部から水平方向に所定の間隔を隔ててその長手方向を前記外縁部に沿って配置して、前記外縁部と前記融雪平板部との間に建物の外壁面によって暖められた暖気を通す空間を設けるとともに、その融雪平板部の上下方向を鉛直方向または鉛直方向に対して所定の角度に傾斜させて固定することにより、前記融雪平板部の上端部が雪庇を切り落とすカッターとして機能する、雪庇除去装置。
  2. 無落雪屋根の外縁部またはパラペットが設けられた屋根の外縁部に生じる雪庇を融雪するための長尺状の融雪平板部を有しており、この融雪平板部を屋根の外縁部から所定の間隔を隔ててその長手方向を前記外縁部に沿って配置して暖気を通す空間を設けるとともに、その融雪平板部の上下方向を鉛直方向または鉛直方向に対して所定の角度に傾斜させて固定することにより、前記融雪平板部の上端部が雪庇を切り落とすカッターとして機能し、
    前記融雪平板部には、この融雪平板部と屋根の外縁部との間に所定の間隙を形成して前記融雪平板部を支持する間隙形成支持部が設けられており、
    前記間隙形成支持部の下面には、屋根の外縁端面に接して雪等の荷重に対抗する補強支持部が設けられている雪庇除去装置。
  3. 無落雪屋根の外縁部またはパラペットが設けられた屋根の外縁部に生じる雪庇を融雪するための長尺状の融雪平板部を有しており、この融雪平板部を屋根の外縁部から所定の間隔を隔ててその長手方向を前記外縁部に沿って配置して暖気を通す空間を設けるとともに、その融雪平板部の上下方向を鉛直方向または鉛直方向に対して所定の角度に傾斜させて固定することにより、前記融雪平板部の上端部が雪庇を切り落とすカッターとして機能し、
    前記融雪平板部の下端部を長手方向に沿って外側に折り曲げてなる暖気導入兼撓み防止部を形成したことを特徴とする雪庇除去装置。
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