JP2018178435A - 軒天加温ユニット、およびそれを利用した氷柱防止装置 - Google Patents
軒天加温ユニット、およびそれを利用した氷柱防止装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018178435A JP2018178435A JP2017076324A JP2017076324A JP2018178435A JP 2018178435 A JP2018178435 A JP 2018178435A JP 2017076324 A JP2017076324 A JP 2017076324A JP 2017076324 A JP2017076324 A JP 2017076324A JP 2018178435 A JP2018178435 A JP 2018178435A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- eaves
- heating
- heating element
- target building
- cord
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
Abstract
【課題】軒先から軒天に雪解け水が回り込み、軒天下の外壁に達してしまうような氷柱が発生してしまうのを確実に防止可能とする新たな氷柱防止技術を提供する。【解決手段】対象建築物7の軒天73直下に沿って軒天用発熱体3を、同軒天用発熱体3の形状に応じて適宜保持可能な形状とされた高熱伝導率・耐候性素材製の抱持部21(22)と、該抱持部21(22)の、対象建築物7の軒天73および建築物7の軒天73下に対応する外壁74の少なくとも何れか一方に対応する適所に、該抱持部21(22)および同抱持部21(22)に保持された軒天用発熱体3を、対象建築物7に対して固着可能な固定ブラケット部とからなる軒天ヒーターホルダー20を有し、該軒天ヒーターホルダー20の抱持部21(22)に、シート状またはコード状のPTC特性を有する軒天用発熱体3が装着されてなる軒天加温ユニット2である。【選択図】図1
Description
この発明は、建築物の屋根が冬季に着雪や凍結するのを防止する技術に関連するものであり、特に、軒先およびその周辺に氷柱が発生するのを防止する氷柱防止装置を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
北国では、冬季に住宅の屋根に積雪し、日中の気温の上昇によって積雪層の一部が解け、積雪層下と屋根葺き板上との間を流れ落ちた雪解け水が、葺き板の軒先の水切りから雨樋に流れ落ちることとなるが、夜間などの気温の低下によって軒先に氷柱が発生し、該氷柱が次第に大型化すると、日中に気温が上昇して発生した雪解け水が、軒先の氷柱によって堰き止められてしまい、該氷柱の大型化によって堰き止められた雪解け水が、夜間などの気温の低下によって軒先の葺き板上に氷塊層となって残存し、日中の気温の上昇で発生した雪解け水が、該氷塊層によって堰き止められて行き場を失い、葺き板の継ぎ目などを通じて屋内などに流れ落ちてしまう、所謂スガ漏り(スガ漏れ)を発生し、軒天下に氷柱を発生したり、雪解け水が室内天井や室内壁を伝って屋内に浸入したりするなどして多大な被害を被ることがあり、また、大型化した氷柱は、棟がわから軒先の氷塊層上をズレるように滑って移動してくる積雪層を堰き止めて、軒先に大きな雪庇を発生させる原因となり、気温の上昇に伴って自重に耐えきれなくなった氷柱や雪庇が、突然落下して来たり、さらに、軒先の葺き板上の氷塊層、雪庇および屋根全体に積もった積雪層までが続いて滑落して来たりする虞があり、近接する隣家の窓や外壁などを破損したり、地上の倉庫や駐車してある車両などにも被害を及ぼしてしまう事故の原因ともなっていた。
北国では、冬季に住宅の屋根に積雪し、日中の気温の上昇によって積雪層の一部が解け、積雪層下と屋根葺き板上との間を流れ落ちた雪解け水が、葺き板の軒先の水切りから雨樋に流れ落ちることとなるが、夜間などの気温の低下によって軒先に氷柱が発生し、該氷柱が次第に大型化すると、日中に気温が上昇して発生した雪解け水が、軒先の氷柱によって堰き止められてしまい、該氷柱の大型化によって堰き止められた雪解け水が、夜間などの気温の低下によって軒先の葺き板上に氷塊層となって残存し、日中の気温の上昇で発生した雪解け水が、該氷塊層によって堰き止められて行き場を失い、葺き板の継ぎ目などを通じて屋内などに流れ落ちてしまう、所謂スガ漏り(スガ漏れ)を発生し、軒天下に氷柱を発生したり、雪解け水が室内天井や室内壁を伝って屋内に浸入したりするなどして多大な被害を被ることがあり、また、大型化した氷柱は、棟がわから軒先の氷塊層上をズレるように滑って移動してくる積雪層を堰き止めて、軒先に大きな雪庇を発生させる原因となり、気温の上昇に伴って自重に耐えきれなくなった氷柱や雪庇が、突然落下して来たり、さらに、軒先の葺き板上の氷塊層、雪庇および屋根全体に積もった積雪層までが続いて滑落して来たりする虞があり、近接する隣家の窓や外壁などを破損したり、地上の倉庫や駐車してある車両などにも被害を及ぼしてしまう事故の原因ともなっていた。
こうしたスガ漏りや、軒先の氷柱、軒先の葺き板上の氷塊層、その上に発生した雪庇などの地上への落下を防止するために、屋根上の除雪を行なったり、それができない場合には、軒先に発生した氷柱をできるだけ小さい中に氷柱落としなど道具類を使って落下させ、被害を未然に防止する努力が不可欠になっているものの、住民の高齢化や人手不足などによって、屋根の軒先に発生した氷柱や雪庇を安全に除去することができないケースもあり、それらは、雪国での大きな社会問題の一つともなっている。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、金属製の融雪パイプを軒樋に沿って軒樋の上方に配設すると共に、コネクターボックス内で給電線に接続したヒーター線をカバーチューブに内蔵して融雪パイプに導入し、ヒーター線を融雪パイプの内部に配線した構成の軒先融雪装置とし、コネクターボックス内で給電線に接続した樋凍結防止用のヒーター線をカバーチューブに内蔵し、このカバーチューブを堅樋内部及び/又は軒樋底部に配設してなる軒先融雪装置や、同特許文献1(2)に見られるような、屋根から伝わる水が建物から離れる部位となる水切りを、底面と、底面の一方端から立ち上がり建物に連なる表側壁と、底面の他方端から立ち上がり前記建物からは離間している裏側壁とを有する薄板で形成し、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数。以下、同様。)線状発熱体を前記底面と表側壁に断熱材で圧接して設け、水切りの最下点となる底面に発熱体を設けて、水が留まりやすい部位での再凍結を防止できるようにしてなる建物の軒先構造などが散見される。
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、金属製の融雪パイプを軒樋に沿って軒樋の上方に配設すると共に、コネクターボックス内で給電線に接続したヒーター線をカバーチューブに内蔵して融雪パイプに導入し、ヒーター線を融雪パイプの内部に配線した構成の軒先融雪装置とし、コネクターボックス内で給電線に接続した樋凍結防止用のヒーター線をカバーチューブに内蔵し、このカバーチューブを堅樋内部及び/又は軒樋底部に配設してなる軒先融雪装置や、同特許文献1(2)に見られるような、屋根から伝わる水が建物から離れる部位となる水切りを、底面と、底面の一方端から立ち上がり建物に連なる表側壁と、底面の他方端から立ち上がり前記建物からは離間している裏側壁とを有する薄板で形成し、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数。以下、同様。)線状発熱体を前記底面と表側壁に断熱材で圧接して設け、水切りの最下点となる底面に発熱体を設けて、水が留まりやすい部位での再凍結を防止できるようにしてなる建物の軒先構造などが散見される。
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような軒先融雪装置は、融雪パイプを軒樋に沿って軒樋の上方に配設すると共に、該融雪パイプにヒーター線を内蔵したカバーチューブを導入してなるものとしてあり、軒先から軒天に回り込んで発生してしまう氷柱の発生を防止することはできない上、軒先に発生する氷柱を確実に溶かすには、該融雪パイプの断面積を充分に大きく設定し、複数本のヒーター線を導入し、該融雪パイプを万遍なく加熱できるものとしなければならず、軒先融雪装置の大型化と、複雑化とを避けられないものとなっており、また、特許文献1(2)に代表される建物の軒先構造は、PTC線状発熱体を内蔵した薄板製の水切りを、建物の屋根の軒先先端に吊り下げたものとしてあり、さらに、軒先の屋根上にも、屋根上ヒーターを追加して設置されたものとしているが、軒天の下面に回り込んでしまった雪解け水などが、再凍結してしまうのを防止するのは困難であるという欠点があった。
(1)特開2005−155222号公報 (2)特開2012−31700号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種軒先融雪装置や建物の軒先構造などは、何れも軒先に氷柱が発生するのを防止できるものとなっているが、軒天の下面に回り込んでしまった雪解け水が再凍結してしまうのを防止するのが難しいという欠点を残すものであり、さらに、季節風の吹き込みなどによって、軒天の下がわに配した建物の外壁付近にまで雪解け水が到達し、大きな氷柱を発生してしまった場合などには、建築物に多大な被害を及ぼす虞があり、本願出願人は、永年に亘って建築物や舗装敷地などに消雪装置を設置、提供する事業に携わってきた経験と、様々な顧客から得られた情報などに基づき、軒先先端下は固よりの事、軒天下から軒天直下付近の外壁に至る範囲に氷柱や凍結が発生し、建築物に多大な被害を及ぼしてしまうのを効果的に防止可能とする新規な氷柱防止技術の開発の必要性を痛感するに至ったものである。
上述したとおり、従前までに提案のある各種軒先融雪装置や建物の軒先構造などは、何れも軒先に氷柱が発生するのを防止できるものとなっているが、軒天の下面に回り込んでしまった雪解け水が再凍結してしまうのを防止するのが難しいという欠点を残すものであり、さらに、季節風の吹き込みなどによって、軒天の下がわに配した建物の外壁付近にまで雪解け水が到達し、大きな氷柱を発生してしまった場合などには、建築物に多大な被害を及ぼす虞があり、本願出願人は、永年に亘って建築物や舗装敷地などに消雪装置を設置、提供する事業に携わってきた経験と、様々な顧客から得られた情報などに基づき、軒先先端下は固よりの事、軒天下から軒天直下付近の外壁に至る範囲に氷柱や凍結が発生し、建築物に多大な被害を及ぼしてしまうのを効果的に防止可能とする新規な氷柱防止技術の開発の必要性を痛感するに至ったものである。
(発明の目的)
そこで、この発明は、軒先から軒天に雪解け水が回り込み、軒天下の外壁に達してしまうような氷柱が発生してしまうのを確実に防止可能とする新たな氷柱防止技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の軒天加温ユニット、およびそれを利用した新規な氷柱防止装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
そこで、この発明は、軒先から軒天に雪解け水が回り込み、軒天下の外壁に達してしまうような氷柱が発生してしまうのを確実に防止可能とする新たな氷柱防止技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の軒天加温ユニット、およびそれを利用した新規な氷柱防止装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の軒天加温ユニットは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、対象建築物の軒先下面である軒天の天井面直下に、棟平行方向および棟交叉方向の少なくとも何れか一方に沿って軒天用発熱体を、同軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能な形状とされた高熱伝導率・耐候性素材製の抱持部と、該抱持部の、対象建築物の軒天および同対象建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に、該抱持部および同抱持部に保持された軒天用発熱体を、対象建築物に対して固着可能な固定ブラケット部が設けられてなる軒天ヒーターホルダーを有し、該軒天ヒーターホルダーの抱持部に、シート状またはコード状のPTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数。以下、同様)特性を有する軒天用発熱体が装着されてなるものとした構成を要旨とする軒天加温ユニットである。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の軒天加温ユニットは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、対象建築物の軒先下面である軒天の天井面直下に、棟平行方向および棟交叉方向の少なくとも何れか一方に沿って軒天用発熱体を、同軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能な形状とされた高熱伝導率・耐候性素材製の抱持部と、該抱持部の、対象建築物の軒天および同対象建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に、該抱持部および同抱持部に保持された軒天用発熱体を、対象建築物に対して固着可能な固定ブラケット部が設けられてなる軒天ヒーターホルダーを有し、該軒天ヒーターホルダーの抱持部に、シート状またはコード状のPTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数。以下、同様)特性を有する軒天用発熱体が装着されてなるものとした構成を要旨とする軒天加温ユニットである。
この基本的な構成からなる軒天加温ユニットは、その表現を変えて示すならば、対象建築物の軒先下面である軒天の天井面直下に、鼻隠しに平行方向および破風板に平行方向の少なくとも何れか一方に沿って軒天用発熱体を、同軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能な形状とされた高熱伝導率・耐候性素材製の抱持部と、該抱持部の、対象建築物の軒天および同対象建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に、該抱持部および同抱持部に保持された軒天用発熱体を、対象建築物に対して固着可能な固定ブラケット部が設けられてなる軒天ヒーターホルダーを有し、該軒天ヒーターホルダーの抱持部に、シート状またはコード状のPTC特性を有する軒天用発熱体が装着されてなるものとした構成からなる軒天加温ユニットとなる。
(関連する発明1)
上記した軒天加温ユニットに関連し、この発明には、それを利用した氷柱防止装置も包含している。
即ち、軒天ヒーターホルダーの抱持部が、対象建築物の軒先下面である軒天の天面直下に配され、軒天用発熱体が、該抱持部に抱持され、軒天ヒーターホルダーの固定ブラケット部が、対象建築物の軒天および建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に固着されたこの発明の基本をなす前記軒天加温ユニットの複数個が、対象建築物の軒天に沿って軒天直下に配列され、軒天用発熱体、および、軒天用発熱体から延伸された電源コード部の少なくとも何れか一方が、対象建築物の外壁適所またはその近傍に設置された電源供給源に接続されてなるものとした、この発明の基本をなす前記軒天加温ユニットを利用した氷柱防止装置である。
上記した軒天加温ユニットに関連し、この発明には、それを利用した氷柱防止装置も包含している。
即ち、軒天ヒーターホルダーの抱持部が、対象建築物の軒先下面である軒天の天面直下に配され、軒天用発熱体が、該抱持部に抱持され、軒天ヒーターホルダーの固定ブラケット部が、対象建築物の軒天および建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に固着されたこの発明の基本をなす前記軒天加温ユニットの複数個が、対象建築物の軒天に沿って軒天直下に配列され、軒天用発熱体、および、軒天用発熱体から延伸された電源コード部の少なくとも何れか一方が、対象建築物の外壁適所またはその近傍に設置された電源供給源に接続されてなるものとした、この発明の基本をなす前記軒天加温ユニットを利用した氷柱防止装置である。
この発明の氷柱防止装置は、表現を変えて示すと、軒天ヒーターホルダーの抱持部が、対象建築物の軒先下面である軒天の直下に配され、軒天用発熱体が、該抱持部に抱持され、軒天ヒーターホルダーの固定ブラケット部が、対象建築物の軒天および同対象建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に固着された、この発明の基本をなす前記軒天加温ユニットの複数個が、対象建築物の軒天に沿って軒天直下に配列され、軒天用発熱体、および、軒天用発熱体から延伸された電源コード部の少なくとも何れか一方が、対象建築物の外壁適所またはその近傍に設置された電源供給源に接続され、該電源供給源には、軒先用となるコード状のPTC特性を有する雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線が接続され、対象建築物の葺き部軒先の水切り直下に沿って延伸された高熱伝導率・耐候性素材製・棚状の細帯板と、該細帯板と一体化され、該水切り直下となる対象建築物の適所に固着可能な固定片とからなる軒先ヒーターホルダーが、対象建築物の葺き部軒先の水切り直下に沿って該固定片を介して固着され、該雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線が、該軒先ヒーターホルダーの細帯板上と、対象建築物の葺き部軒先の水切り下との間であって、棟寄りとなる奥角がわに沿って配線されると共に、該雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線よりも軒先外側となる細帯板上、および、対象建築物の葺き部軒先の水切り下の少なくとも何れか一方に沿って断熱性・弾性素材製の固定用断熱帯が延設された上、該雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線が、対象建築物の葺き部軒先の水切りより下方に設けられた雨樋内に沿って延伸され、要所々々を適宜結束帯を介して固定された軒先消雪ユニットが設けられた、この発明の基本をなす前記軒天加温ユニットを利用した氷柱防止装置となる。
以上のとおり、この発明の軒天加温ユニットによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、季節風などによって建築物の軒天下に吹き込んだ雪解け水などが凍結し、軒天に氷柱を発生するのを確実に防止することができるものとなり、しかも、PTC特性を有する軒天用発熱体が、日光や南風の吹き付けなどによって温度が上昇する範囲は発熱せず、温度が低下している範囲のみが効率的に発熱するから、電力消費量を削減しつつ、格段に効率良く氷柱の発生を防止できるという秀でた効果を発揮することができる。
矩形シート状の軒天用発熱体を用いたものの場合には、軒天ヒーターホルダーの設置範囲にわたり、対象建築物の軒天を面的に加熱することができるから、ムラのない氷柱防止効果を得ることができ、コード状の軒天用発熱体を用いた場合には、消費電力を大幅に削減しつつ、氷柱の発生する範囲を重点的且つ効率良く氷柱防止することができるものとなり、しかも、筒型抱持部は軽量化し易く、対象建築物の軒天周辺への荷重負担を大幅に軽減することができるという利点が得られる。
緯線噛合状に配された各一側枝線パターン部と各対峙枝線パターン部との経線方向端間に渡って1または複数本の何れか一方のPTC特性を有するヒーター帯膜が配されてヒーター回路とされた矩形シート状の軒天用発熱体が用いられたものは、温度低下した範囲でより隈無く発熱するものとなり、大幅な省エネルギー化とmより確実な氷柱防止とを高水準で達成できるものとなる。
抱持部と固定ブラケット部との間に角度調節機構を配するようにした軒天ヒーターホルダーが用いられたものの場合には、対象建築物毎に異なる外壁と軒天との角度に応じて、自在に角度調整可能となるから、設置作業の効率を大幅に改善し、より迅速且つ取付け部間の隙間や傾きなどを無くして、作業者の熟練を要さずとも、より仕上がりの綺麗な設置を実現化することができる。
この発明の軒天加温ユニットを利用した氷柱防止装置によれば、対象建築物の軒天に氷柱が発生してしまうのを悉く防止し、氷柱発生による対象建築物の劣化や破損による老朽化を防止して耐久寿命を延命化できると共に、設置に利用される矩形シート状の軒天用発熱体やコード状の軒天用発熱体がPTC特性を有するものとしてあるから、頻繁な電源操作や、特別な制御装置などの設置が不要となり、設置回路が簡素化され、より経済的に設置することができるようになると共に、電力消費などのランニングコストを大幅に節減することができるという秀でた特徴を有するものとなる。
加えて、PTC特性を有する雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線が、軒先ヒーターホルダーを介して、対象建築物の葺き部軒先の水切り直下に沿って設置された上、該雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線が、対象建築物の葺き部軒先の水切りより下方に設けられた雨樋内に沿って延伸され、要所々々を適宜結束帯を介して固定された軒先消雪ユニットが設けられてなる、この発明の氷柱防止装置によると、対象建築物の軒天に氷柱が発生するのを防止できるばかりでなく、さらに、対象建築物の葺き部軒先の水切りに発生する氷柱も、確実に解消することができる上に、対象建築物の葺き部軒先の水切りより下方に設けられた雨樋内の凍結をも防止でき、対象建築物の軒先周辺の全体に氷柱が発生するのを確実に且つ経済的に防止できるという秀でた効果を奏するものとなる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
軒天加温ユニットの軒天ヒーターホルダーは、対象建築物の軒先下面である軒天の天面直下に、軒天用発熱体を高熱伝導率・耐候性を有して保持する機能を担い、軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能な形状とされた高熱伝導率・耐候性素材製の抱持部と、該抱持部の、対象建築物の軒天および同対象建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に、該抱持部および同抱持部に保持された軒天用発熱体を、対象建築物に対して固着可能な固定ブラケット部が設けられてなるものとしなければならず、例えば、後述する実施例にも示すように、矩形シート状の軒天用発熱体の形状に応じた筐形抱持部を有するものとしたり、また、コード状の軒天用発熱体の形状に応じた筒型抱持部を有するものとしたりすることが可能であり、軒天用発熱体の設置数や配置に応じて複数の抱持部や、複数の固定ブラケット部を有するものとすることが可能である。
軒天加温ユニットの軒天ヒーターホルダーは、対象建築物の軒先下面である軒天の天面直下に、軒天用発熱体を高熱伝導率・耐候性を有して保持する機能を担い、軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能な形状とされた高熱伝導率・耐候性素材製の抱持部と、該抱持部の、対象建築物の軒天および同対象建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に、該抱持部および同抱持部に保持された軒天用発熱体を、対象建築物に対して固着可能な固定ブラケット部が設けられてなるものとしなければならず、例えば、後述する実施例にも示すように、矩形シート状の軒天用発熱体の形状に応じた筐形抱持部を有するものとしたり、また、コード状の軒天用発熱体の形状に応じた筒型抱持部を有するものとしたりすることが可能であり、軒天用発熱体の設置数や配置に応じて複数の抱持部や、複数の固定ブラケット部を有するものとすることが可能である。
軒天ヒーターホルダーの抱持部は、対象建築物の軒先下面である軒天の直下に、棟平行方向および棟交叉方向の少なくとも何れか一方に沿って軒天用発熱体を、同軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能な形状を呈すると共に、軒天用発熱体が発する熱を効率的に外部に伝達可能となり、耐候性を有して固定ブラケット部に一体となる機能を担うものであり、高熱伝導率・耐候性素材製のものとしなければならず、例えば、対象建築物の軒先下面である軒天の直下に、鼻隠しに平行方向および破風板に平行方向の少なくとも一方に沿って軒天用発熱体を、同軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能な形状とされたものとすべきであり、後述する実施例にも示すように、矩形シート状の軒天用発熱体の形状に応じて、対象建築物の軒先下面面積に納まる寸法・形状とされた底壁、および、該底壁の周縁に一体化され、該底壁の周囲を囲む形状に立ち上げられた周側壁からなる天面開放状の筐形抱持部とされ、適所に軒天用発熱体の電源コード用の配線口が設けられたものとすることができる外、コード状の軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能であって、対象建築物の軒先下面面積に納まる寸法・形状とされた筒体が1本か、または、該筒体の複数本が、対象建築物の軒天直下に沿って配列するよう互いに一体化されたものかの何れか一方とした筒型抱持部とされたものとすることができる。
軒天ヒーターホルダーの固定ブラケット部は、対象建築物の軒天および同対象建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する抱持部の適所に、該抱持部および同抱持部に保持された軒天用発熱体を、対象建築物に対して固着可能とする機能を担い、前記対象建築物の適所に対して充分な強度、および耐久性、耐候性を有して取り付け可能なものとされなければならず、後述する実施例にも示しているが、木ネジ、ビス、ボルト・ナット、植え込みボルト、釘などによって固着可能なフランジ状のものとすることが可能であり、また、前記対象建築物の適所に対してネイルガン、熔接、蝋付け、接着剤、両面粘着テープ、その他など様々な結合技術によって固着可能なものとすることが可能である。
加えて、軒天ヒーターホルダーの抱持部と、固定ブラケット部との間には、該固定ブラケット部に対する抱持部の支持姿勢を調節可能とする角度調節機構が設けられてなるものとすることが可能であり、外部から加えた折り曲げ力によって塑性変形可能な変形可能部としたり、蝶番状の無段階状に姿勢角度変形可能なヒンジ機構としたり、または、ヒンジ機構の適所に、弾性的に出没可能な係合部と、該係合部が係合可能な刻み段部とを有するなどして、段階的に姿勢角度変形可能なノッチ機構を有する角度調節機構などとすることが可能である。
氷柱防止装置は、対象建築物の軒天下に回り込んだ雪解け水や雨水などが、凍結して氷柱になるのを防止可能とする機能をにっており、軒天加温ユニットを対象建築物の軒天および建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に設置し、軒天ヒーターホルダーの抱持部に抱持された軒天用発熱体、および、軒天用発熱体から延伸された電源コード部の少なくとも何れか一方が、対象建築物の外壁適所またはその近傍に設置された電源供給源に接続されてなるものとしなければならない。
氷柱防止装置の電源供給源は、軒天加温ユニットに設置された軒天用発熱体が氷柱防止に必要となる熱量を充分に発熱可能な程度の電力を供給できるものとしなければならず、外部から供給される商用電力の外、太陽光、風力、化石燃料、その他の様々なエネルギーを利用した自家発電による電力など、何れの電力であっても利用可能なものとすることができる。
コード状の軒天用発熱体(軒先用発熱線)は、線状を呈し、電流の供給を受け、温度の低下に伴って自動的に電流量を増加し、長さ方向に点在する低温部分で発熱可能となり、効率的に凍結を防止可能とする機能を担い、より具体的に示すと、PTC特性を有するものとした配線を防水性を有する高熱伝導率の外皮膜で被覆してなるコード状の配線からなるものであり、例えば、平行する2本の電源配線間に、膜状、板状、帯状、網状、その他の適宜形状に掛け渡したPTC素子を有するものであると言うことができ、後述する実施例にも示すとおり、英国のヒートトレース社製の電気ヒートケーブル、または、それと同等品を利用したものとすることが可能である。
矩形シート状の軒天用発熱体は、面状を呈し、電流の供給を受け、温度の低下に伴って自動的に電流量を増加し、面形状範囲内に点在する低温部分で発熱可能となり、効率的に凍結を防止可能とする機能を担い、より具体的に示すと、一対の電極パターンと、一対の電極パターン間に配されたPTC特性を有するヒーター帯膜が、上・裏面外装フィルム間に挟み込まれ、防水されてなるものとすることができ、後述する実施例にも示しているが、裏面外装フィルム上一側に沿って延伸された一側経線パターン部、および、該一側経線パターン部から枝別れされた複数本の一側枝線パターン部からなる一側櫛状電極パターンが設けられ、当該裏面外装フィルム上他側に沿って延伸された対峙経線パターン部、および、該対峙経線パターン部から、前記一側枝線パターン部間に平行するよう枝別れされた複数本の対峙枝線パターン部からなる対峙櫛状電極パターンが設けられ、緯線噛合状に配された各一側枝線パターン部と各対峙枝線パターン部との経線方向端間に渡って1または複数本の何れか一方のPTC特性を有するヒーター帯膜が配されてヒーター回路とされた上、当該一側櫛状電極パターンおよび対峙櫛状電極パターンの適所から電源供給用ハーネス部が導出され、当該裏面外装フィルムと発熱面外装フィルムとの間に、前記ヒーター回路が積層、密閉状に封止、一体化されてなるものとすることができる。
この発明の軒天加温ユニットの電源供給源には、当該軒天加温ユニットの軒天用発熱体の接続に加え、軒先消雪ユニットの軒先用発熱線が接続されたものとすることが可能であり、軒先消雪ユニットは、対象建築物の葺き部軒先の水切り直下に沿って延伸された高熱伝導率・耐候性素材製・棚状の細帯板と、該細帯板と一体化され、該水切り直下となる対象建築物の適所に固着可能な固定片とからなる軒先ヒーターホルダーが、対象建築物の葺き部軒先の水切り直下に沿って該固定片を介して固着され、該雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線が、該軒先ヒーターホルダーの細帯板上と、対象建築物の葺き部軒先の水切り下との間であって、棟寄りとなる奥角がわに沿って配線されると共に、該軒先用発熱線よりも軒先外側となる細帯板上、および、対象建築物の葺き部軒先の水切り下の少なくとも何れか一方に沿って断熱性・弾性素材製の固定用断熱帯が延設されたものとすべきであり、さらに、該軒先用発熱線が、対象建築物の軒先に設けられた雨樋内に沿って延伸され、要所々々を適宜結束帯を介して固定されたものとするのが望ましい。
軒先消雪ユニットの軒先ヒーターホルダーの細帯板は、対象建築物の葺き部軒先の水切り直下に沿って軒先用発熱線を保持し、充分な耐久性、耐候性、および高熱伝導率を有するという機能を担い、適所に固定片が一体化されたものとし、該固定片は、対象建築物の葺き部軒先の水切り直下に沿って該細帯板、および該細帯板上に沿って支持された軒先用発熱線と固定用断熱帯とを充分な強度をもって支持可能なものとしなければならず、前記対象建築物の適所に対して充分な強度、および耐久性、耐候性を有して取り付け可能なものとしなければならず、後述する実施例にも示すとおり、木ネジ、ビス、ボルト・ナット、植え込みボルト、釘などによって固着可能なフランジ状のものとすることが可能であり、また、前記対象建築物の適所に対してネイルガン、熔接、蝋付け、接着剤、両面粘着テープなど様々な結合技術によって固着可能なものとすることが可能であり、該細帯板と該固定片との連結部分には、互いの姿勢角度を調節可能とする角度調節機構が設けられたものとすることができる。
軒先用発熱線は、対象建築物の葺き部軒先の水切りより下方に設けられた雨樋内に沿って延伸されて、雨樋内の凍結を防止可能とする機能を担うようにすることも可能であり、雨樋の軒樋および竪樋に至る範囲に延伸され、要所々々を雨樋などの取り付け金具類などに対し、適宜結束帯を介して固定されたものとするのが良い。
軒先用発熱線は、対象建築物の葺き部軒先の水切りより下方に設けられた雨樋内に沿って延伸されて、雨樋内の凍結を防止可能とする機能を担うようにすることも可能であり、雨樋の軒樋および竪樋に至る範囲に延伸され、要所々々を雨樋などの取り付け金具類などに対し、適宜結束帯を介して固定されたものとするのが良い。
対象建築物は、屋根の一部に軒先形状を有しており、軒先およびその近傍の消雪、凍結防止、霜防止、氷柱防止、雪庇防止、スガ漏り防止などを要するものであるということができ、軒先の下面に軒天の天井面を設けたものとすべきであり、軒先の先端に水切りを有し、軒天下に対応する外壁を有するものとするのが良よく、軒先の先端の水切りは、対象建築物の葺き部軒先の水切りとすることができる外、建築物の屋根の軒先形状部分の、葺き材ではない、外壁の一部などからなる先端に設けられた水切りを有するものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この発明の軒天加温ユニット、およびそれを利用した氷柱防止装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
氷柱防止装置の第1実施例を示す斜視図である。
氷柱防止装置の第2実施例を示す斜視図である。
氷柱防止装置の第3実施例を示す斜視図である。
第1実施例の氷柱防止装置を断面化して示す縦断面図である。
第1実施例の筐形の軒天ヒーターホルダーを示す三面図である。
第2実施例の氷柱防止装置を断面化して示す縦断面図である。
第2実施例の筒型複数列の軒天ヒーターホルダーを示す三面図である。
第3実施例の筒型1列の軒天ヒーターホルダーを示す三面図である。
角度調節機構を有する筒型1列の軒天ヒーターホルダーを示す三面図である。
矩形シート状の軒天用発熱体を示す平面図である。
矩形シート状の軒天用発熱体の分解状態を示す平面図である。
コード状の軒天用発熱体(軒先用発熱線)を断面化して示す斜視図である。
軒先消雪ユニットを示す断面図である。
軒先消雪ユニットを示す斜視図である。
図1、図4、図5、図10および図11に示す事例は、対象建築物7の軒先70下面73である軒天73の天井面直下に、棟平行方向Aおよび棟交叉方向Bの少なくとも一方に沿って軒天用発熱体3を、同軒天用発熱体3の形状に応じて適宜保持可能な形状とされた高熱伝導率・耐候性素材製の抱持部21(22)と、該抱持部21(22)の、対象建築物7の軒天73および建築物7の軒天73下に対応する外壁74の少なくとも何れか一方に対応する適所に、該抱持部21(22)および同抱持部21(22)に保持された軒天用発熱体3を、対象建築物7に対して固着可能な固定ブラケット部27とからなる軒天ヒーターホルダー20を有し、該軒天ヒーターホルダー20の抱持部21(22)に、シート状またはコード状のPTC特性を有する軒天用発熱体3が装着されてなるものとした、この発明の軒天加温ユニットにおける代表的な第一の実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の軒天加温ユニット2は、その軒天ヒーターホルダー20が、アルミニウム合金、ステンレス合金、銅合金、鍍金鋼板などの高熱伝導率、且つ耐候性に優れた金属製であって、対象建築物7の軒先70下面である軒天73の下面面積に納まる寸法・形状、即ち、軒天73の奥行き寸法以下、および、軒天73の棟方向を複数に分割した寸法以下の縦横寸法に設定された矩形状底壁23、および、該底壁23の周縁に一体化され、該底壁23の周囲を囲む形状に立ち上げられた高さ数cm程度の周側壁24からなり、軒先がわとは反対がわの奥がわとなる角付近の適所に、必要箇所に軒天用発熱体3の電源コードHN用の配線口25が設けられた天面開放状の筐形抱持部22と、該抱持部22の、対象建築物7の軒天73および対象建築物7の軒天73下に対応する外壁74の夫々に対応する底壁23の周縁適所に、該抱持部22および同抱持部22に保持された軒天用発熱体3および後述する断熱層部Hiなどを対象建築物7に対して複数本の木ネジ28,28,……で固着可能な複数個の取付孔を穿設してなる固定ブラケット部27,27が一体化されたものとなっている。
当該軒天ヒーターホルダー20の筐形抱持部22内には、底壁23の上面に略一致する寸法形状の矩形シート状軒天用発熱体3(F)が、その発熱面を底壁23の上面に密に接するよう収容され、さらに、該矩形シート状軒天用発熱体Fの上面上には、周側壁24の高さまで断熱層部Hiが充填されたものとしてあり、該矩形シート状軒天用発熱体Fは、底壁23の上面範囲内に納まるか、または、略一致する縦横寸法に設定された無色透明なPET(ポリエチレンテレフタレート)製フレキシブル裏面外装フィルムF0上面上に、緯線方向一方端寄りの経線方向に延伸された導電性(銅箔製)一側経線パターン部S2、および、該一側経線パターン部S2の経線方向一定間隔(10cm)置き毎となる複数箇所(5箇所)から枝別れされ、当該フレキシブル裏面外装フィルムF0上面上の、緯線方向他方端寄りとなる位置まで延伸された複数本の導電性(銅箔製)一側枝線パターン部S3,S3,……からなる一側櫛状電極パターンS1が設けられている。
また、当該フレキシブル裏面外装フィルムF0上面上の、一側経線パターン部S2とは反対がわであって、緯線方向他方端寄りの経線方向に延伸され、前記各一側枝線パターン部S3,S3,……先端から電気的に隔絶した導電性(銅箔製)対峙経線パターン部S5、および、該対峙経線パターン部S5の経線方向の、前記各一側枝線パターン部S3,S3,……間の中間位置に対応する複数箇所から枝別れされ、当該フレキシブル裏面外装フィルムF0上面上の、緯線方向一方端寄りの、前記一側経線パターン部S2の近傍であって電気的に隔絶する位置まで延伸された複数本の導電性(銅箔製)対峙枝線パターン部S6,S6,……からなる対峙櫛状電極パターンS4が設けられている。
さらに、当該フレキシブル裏面外装フィルムF0上面上の、経線方向に等間隔(5cm)を隔てて緯線噛合状に配した各一側枝線パターン部S3,S3,……と各対峙枝線パターン部S6,S6,……との経線方向端間に渡り、フレキシブル裏面外装フィルムF0上面上の緯線方向適宜間隔(3mm)置き毎に配した、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数。以下、同様。)特性を有する複数本のヒーター帯膜HB,HB,……を経線状に配列し、経線方向に交互に配した各一側枝線パターン部S3,S3,……、各対峙枝線パターン部S6,S6,……、および、それらに経線方向に跨る各ヒーター帯膜HB,HB,……とが、互いの交叉箇所で電気的に接続するよう積層し、当該一側櫛状電極パターンS1の一側経線パターン部S2、および、対峙櫛状電極パターンS4の対峙経線パターンS5の適所から、夫々フレキシブル裏面外装フィルムF0上面上より経線方向外側に電源供給用ハーネス部HNが導出され、当該フレキシブル裏面外装フィルムF0上面上の、一側櫛状電極パターンS1と対峙櫛状電極パターンS4、およびそれに積層したヒーター帯膜HB,HB,……からなるヒーター回路S上面上に、PET(ポリエチレンテレフタレート)製フレキシブル発熱面外装フィルムF1を積層状に一体化し、該フレキシブル裏面外装フィルムF0とフレキシブル発熱面外装フィルムF1との間に、前記ヒーター回路Sを密閉状にラミネート封止、一体化され、全厚さ0.4cmの矩形シート状軒天用発熱体Fとされたものである。
軒天加温ユニット2の電源供給用ハーネス部HNは、例えば、対象建築物7の外壁74の適所に設置された電源供給源Pに直接接続されたものとすることが可能である外、対象建築物7の軒先70の軒天73に沿って配列設置された複数個の軒天ヒーターホルダー20,20,……の隣接するもの同士の電源供給用ハーネス部HNが、互いに数珠繋ぎ状に直列状に接続され、電源供給源Pに最も近い軒天ヒーターホルダー20から延伸された電源供給用ハーネス部HNを、該電源供給源Pに接続されたものとすることが可能であり、さらにまた、軒天加温ユニット2,2,…の複数個毎が、互いの電源供給用ハーネス部HN,HN,……同士を直列状または並列状に接続しクラスター化され、1本化された電源供給用ハーネス部HNが、各クラスター毎に電源供給源Pに対して接続されてなるものとすることができる。
(実施例1の作用・効果)
図1および図4に示すように、軒天ヒーターホルダー20の筐形抱持部22(21)の底壁23の上面に、矩形シート状軒天用発熱体F(3)のフレキシブル発熱面外装フィルムF1の下面が、密に接合するよう収容され、電源供給用ハーネス部HNが、配線口25から、筐形抱持部22(21)の外部に導出され、該筐形抱持部22(21)内の矩形シート状軒天用発熱体F(3)のフレキシブル裏面外装フィルムF0上には、周側壁24の上端まで断熱層部Hiが充填されたものとしてあり、該軒天ヒーターホルダー20,20,……の複数個が、対象建築物7の軒先70の軒天73の棟方向Aおよび棟方向に交叉する方向Bの夫々に沿って配列され、各固定ブラケット部27,27,……が、木ネジ28,28,……によって固定状態に設置された上、隣接する軒天ヒーターホルダー20,20,……の電源供給用ハーネス部HN,HN,……同士を並列状に接続して電気的に1本に纏められた電源供給用ハーネス部HNが、対象建築物7の外壁74適所に設けられた電源供給源Pに接続され、氷柱防止装置1とされる。
図1および図4に示すように、軒天ヒーターホルダー20の筐形抱持部22(21)の底壁23の上面に、矩形シート状軒天用発熱体F(3)のフレキシブル発熱面外装フィルムF1の下面が、密に接合するよう収容され、電源供給用ハーネス部HNが、配線口25から、筐形抱持部22(21)の外部に導出され、該筐形抱持部22(21)内の矩形シート状軒天用発熱体F(3)のフレキシブル裏面外装フィルムF0上には、周側壁24の上端まで断熱層部Hiが充填されたものとしてあり、該軒天ヒーターホルダー20,20,……の複数個が、対象建築物7の軒先70の軒天73の棟方向Aおよび棟方向に交叉する方向Bの夫々に沿って配列され、各固定ブラケット部27,27,……が、木ネジ28,28,……によって固定状態に設置された上、隣接する軒天ヒーターホルダー20,20,……の電源供給用ハーネス部HN,HN,……同士を並列状に接続して電気的に1本に纏められた電源供給用ハーネス部HNが、対象建築物7の外壁74適所に設けられた電源供給源Pに接続され、氷柱防止装置1とされる。
当該氷柱防止装置1の設置により、軒天ヒーターホルダー20の筐形抱持部22(21)内に収容された矩形シート状軒天用発熱体F(3)が発する熱を、該筐形抱持部22(21)の底壁23および周側壁24を通じて放熱するものとなるから、対象建築物7の軒先70から、季節風などの吹き付けなどにより、軒天73に回り込んでしまう雪解け水の再凍結を防止し、軒天73に氷柱が発生するのを確実に防止するものとなる上、矩形シート状軒天用発熱体F(3)が、櫛型を組み合わせた形状の一側櫛状電極パターンS1および対峙櫛状電極パターンS4の間にPTC特性を有するヒーター帯膜HB,HB,……が配されてなるヒーター回路Sを有するから、雪解け水が付着した部分や、水滴の温度が低下した部分など、温度の低下が著しい範囲が重点的に発熱し、より効率的に氷結防止および氷柱の発生を阻止するものとなる上、断熱層部Hiが矩形シート状軒天用発熱体F(3)の発する熱を上方で断熱、保温するから、より熱効率に秀でた氷柱防止を達成可能とするものとなる。
図2、図6、図7および図12に示される事例は、軒天ヒーターホルダー20の抱持部(21)26が、コード状の軒天用発熱体4の形状に応じて適宜保持可能であって、対象建築物の軒先下面面積に納まる寸法・形状とされた筒体K,K,……の複数本が、両端を対象建築物7の軒天73直下に棟方向Aに向け、棟方向Aに直交する奥行き方向Bに隣接し、配列する如く互いに一体化された筒型抱持部26とされ、該コード状の軒天用発熱体4が、該筒型抱持部26に対し、同筒型抱持部26の筒状内壁に伝熱可能に接合するよう挿通状に装着されてなるものとした、この発明の軒天加温ユニットにおける代表的な第二の実施例を示すものである。
当該軒天加温ユニット2の筒型抱持部26は、アルミニウム合金、ステンレス合金、銅合金、鍍金鋼管などの高熱伝導率、且つ耐候性に優れ、コード状の軒天用発熱体4を挿着可能な内径および所定長の金属管K,K,……の複数本を熔接などによって一体化されたものであって、対象建築物7の軒先70下面である軒天73の下面面積に納まる寸法・形状とされ、より具体的には、軒天73の奥行き寸法以下、および、軒天73の棟方向を複数に分割した寸法以下の縦横寸法内に納まる外郭寸法および形状に設定されたものであり、棟方向Aに直交する奥行き方向Bに隣接する筒体K,K,……の相互間には、矩形板状であって、対象建築物7の軒天73に対して木ネジ28で取り付け可能とする取付孔が穿設された継板部SB,SBを有し、該筒型抱持部26の対象建築物7の軒天73下に対応する外壁74に対応する周壁適所に、該筒型抱持部26および同筒型抱持部26に保持されたコード状の軒天用発熱体4を対象建築物7に対して複数本の木ネジ28,28,……で固着可能な複数個の取付孔を穿設してなる固定ブラケット部27が一体化されたものとなっている。
図12に示されるように、コード状の軒天用発熱体4は、2本の平行する電力給線S1,S4に跨るようPTC特性を有するヒーター膜HBを被覆し、その外側に高熱伝導率であって耐候性、防水性を有する複数の被膜層を被覆してなり、例えば、ヒートトレース社(英国)製のコード状の発熱体4とされたものとすることが可能である。
図12に示されるように、コード状の軒天用発熱体4は、2本の平行する電力給線S1,S4に跨るようPTC特性を有するヒーター膜HBを被覆し、その外側に高熱伝導率であって耐候性、防水性を有する複数の被膜層を被覆してなり、例えば、ヒートトレース社(英国)製のコード状の発熱体4とされたものとすることが可能である。
(実施例2の作用・効果)
図2に示すように、複数本の筒体K,K,……が、継板部SB,SBによって一体化されてなる軒天ヒーターホルダー20を有する軒天加温ユニット2は、その複数個の軒天加温ユニット2,2,……が、対象建築物7の軒天73下に対応する外壁74に各固定ブラケット部27が接合し、同軒天73下面に各筒型抱持部26,26,……が接合し、軒先70に沿って隣接する各筒体K,K,……同士が、互いの開口端同士を対峙するよう配された上、各継板部SB,SB,……および各固定ブラケット部27,27,……の取付孔に木ネジ28,28,……を装着するようにして対象建築物7に設置されたもとし、各筒型抱持部26,26,……に、PTC特性を有するコード状の軒天用発熱体4(3)を装着し、対象建築物7の周囲(軒天73下)を一周して導出した各電源コード部HN,HN,……が、同対象建築物7の外壁74の適所に設けられた電源供給源Pに接続されたものとなっている。
図2に示すように、複数本の筒体K,K,……が、継板部SB,SBによって一体化されてなる軒天ヒーターホルダー20を有する軒天加温ユニット2は、その複数個の軒天加温ユニット2,2,……が、対象建築物7の軒天73下に対応する外壁74に各固定ブラケット部27が接合し、同軒天73下面に各筒型抱持部26,26,……が接合し、軒先70に沿って隣接する各筒体K,K,……同士が、互いの開口端同士を対峙するよう配された上、各継板部SB,SB,……および各固定ブラケット部27,27,……の取付孔に木ネジ28,28,……を装着するようにして対象建築物7に設置されたもとし、各筒型抱持部26,26,……に、PTC特性を有するコード状の軒天用発熱体4(3)を装着し、対象建築物7の周囲(軒天73下)を一周して導出した各電源コード部HN,HN,……が、同対象建築物7の外壁74の適所に設けられた電源供給源Pに接続されたものとなっている。
当該軒天加温ユニット2を利用した氷柱防止装置1は、設置の際に、対象建築物7に取り付けられた各筒型抱持部26,26,……に、コード状の軒天用発熱体4(3)を挿し通すようにして張り巡らすだけなので、設置作業の効率が非常に高く、迅速に短時間の中に施工することが可能な上、PTC特性を有するコード状の軒天用発熱体4(3)が、エネルギー効率良く、氷柱防止を達成するものとなり、格段に経済的に対象建築物7の軒天73の氷柱発生を防止することができるものとなる。
図3および図8に示す事例は、軒天ヒーターホルダー20の抱持部21(26)が、コード状の軒天用発熱体4の形状に応じて適宜保持可能であって、対象建築物7の軒先70下面面積に納まる寸法・形状とされた1本の筒体Kが、その両端を対象建築物7の軒天73直下に棟方向Aか、棟方向Aに直交する方向Bかの何れか一方に向けられた筒型抱持部26(21)とされ、該コード状の軒天用発熱体4が、該筒型抱持部26に対し、同筒型抱持部26の筒状内壁に伝熱可能に接合するよう挿通状に装着されてなるものとした、この発明の軒天加温ユニットにおける代表的な第三の実施例を示すものである。
当該軒天加温ユニット2は、軒天ヒーターホルダー20の、筒型抱持部26である筒体Kが、アルミニウム合金、ステンレス合金、銅合金、鍍金鋼管などの高熱伝導率、且つ耐候性に優れると共に、コード状の軒天用発熱体4を挿着可能な内径および所定長の1本の金属管からなり、該筒体Kの両端間中央に、所定幅の矩形状プレートからなり、複数本の木ネジ28,28,……を装着可能な取付孔が穿設された固定ブラケット部27を一体化されてなるものとしてある。
図9に示すように、当該軒天加温ユニット2は、その軒天ヒーターホルダー20の固定ブラケット部27と筒型抱持部26である筒体Kとの間に、角度調節機構29として、部品同士の摩擦力を有するか、または、角度仮固定機能を有するかの何れかとされたヒンジ機構28を有するものとすることができる。
図9に示すように、当該軒天加温ユニット2は、その軒天ヒーターホルダー20の固定ブラケット部27と筒型抱持部26である筒体Kとの間に、角度調節機構29として、部品同士の摩擦力を有するか、または、角度仮固定機能を有するかの何れかとされたヒンジ機構28を有するものとすることができる。
(実施例3の作用・効果)
当該軒天加温ユニット2は、対象建築物7軒先70の軒天73およびその近傍の外壁74に、氷柱が発生するのを防止できる上、1本の筒体Kからなる筒型抱持部26を有しているから、小型軽量化して対象建築物7軒先70の外壁74に加わる荷重負担を軽減するものとなり、より経済的に設置することができ、さらに、角度調節機構29が追加されたものは、対象建築物7毎に異なる外壁74に対する軒天73の角度に応じて、固定ブラケット部27に対する筒型抱持部26の取り付け角度を自在に調節することが可能となり、設置工事をより簡単にし、設置作業効率を大幅に高めたものとなる。
当該軒天加温ユニット2は、対象建築物7軒先70の軒天73およびその近傍の外壁74に、氷柱が発生するのを防止できる上、1本の筒体Kからなる筒型抱持部26を有しているから、小型軽量化して対象建築物7軒先70の外壁74に加わる荷重負担を軽減するものとなり、より経済的に設置することができ、さらに、角度調節機構29が追加されたものは、対象建築物7毎に異なる外壁74に対する軒天73の角度に応じて、固定ブラケット部27に対する筒型抱持部26の取り付け角度を自在に調節することが可能となり、設置工事をより簡単にし、設置作業効率を大幅に高めたものとなる。
図1ないし図3、図13および図14に示すように、この発明の軒天加温ユニット2を利用した氷柱防止装置1には、後述する軒先消雪ユニット5を追加して組み込まれたものとすることが可能である。
該軒先消雪ユニット5は、対象建築物7の葺き部(葺き板)71軒先の水切り72直下に沿って延伸された高熱伝導率・耐候性素材製・棚状の細帯板51と、該細帯板51と一体化され、該水切り72直下となる対象建築物7の適所に固着可能な固定片52とからなる軒先ヒーターホルダー50を有し、該軒先ヒーターホルダー50が、対象建築物7の葺き板71軒先の水切り72直下に沿って該固定片52を介して固着されたものとなっている。
該軒先消雪ユニット5は、対象建築物7の葺き部(葺き板)71軒先の水切り72直下に沿って延伸された高熱伝導率・耐候性素材製・棚状の細帯板51と、該細帯板51と一体化され、該水切り72直下となる対象建築物7の適所に固着可能な固定片52とからなる軒先ヒーターホルダー50を有し、該軒先ヒーターホルダー50が、対象建築物7の葺き板71軒先の水切り72直下に沿って該固定片52を介して固着されたものとなっている。
軒先ヒーターホルダー50は、その全体が、アルミニウム合金、ステンレス合金、銅合金、鍍金鋼板などの高熱伝導率、且つ耐候性に優れると共に、雨樋消雪用コード状の軒天用発熱体4(前記実施例3に記載のコード状の軒天用発熱体4と実質的に同じものを使用することができる。)を充分な強度をもって保持可能であって、対象建築物7軒先70の棟方向に亘り、複数個を連ねて配置可能な形状寸法とされ、該細帯板51に対して該固定片52が転倒L字断面形に一体化され、該固定片52の複数適所には、木ネジ28,28,……用の取付孔が穿設され、対象建築物7の葺き板71軒先の水切り72直下に沿って該固定片52を介して固着された場合に、該細帯板51の先端が、水切り72先端に揃うか、水切り72先端よりも奥がわ配置となるか、または、図13に示すように、水切り72よりも突出した配置となるかの何れかの寸法形状に設定されたものとすることができる。
前記実施例の何れかに記載された軒天加温ユニット2に用いられた電源供給源Pに対して、軒先70用となるコード状のPTC特性を有する雨樋消雪用の軒先用発熱線4の電源コード部HNが接続され、該軒先用発熱線4が、該軒先ヒーターホルダー50の細帯板51上と、対象建築物7の葺き板71軒先70の水切り72下との間であって、棟寄りとなる奥角がわに沿って配線されると共に、該軒先用発熱線4よりも軒先外側となる細帯板51上、および、対象建築物7の葺き板71軒先70の水切り72下の少なくとも何れか一方に沿って断熱性・弾性素材製の固定用断熱帯Hiが、接着されて延在するよう設けられており、さらに、棟方向の両端などの要所々々には、葺き板71軒先70の水切り72下の適所に転倒N字断面形の脱落防止金具53を設けた上、該軒先用発熱線4は、対象建築物7の葺き板71軒先70の水切り72より下方に設けられた雨樋75の軒樋76内および竪樋77内に沿って延伸され、要所々々を適宜、雨樋75の取付金具などに対して結束帯6,6,……を介して固定されたものとなっている。
(実施例4の作用・効果)
当該軒先消雪ユニット5は、対象建築物7の葺き板71軒先70の水切り72の直下沿ってPTC特性を有する雨樋消雪用の軒先用発熱線4が配線、保持されたものとなっているから、軒先ヒーターホルダー50および水切り72それ自体を加熱し、氷柱の発生をより確実に防止することができるものとなり、さらに、軒樋76内および竪樋77内に沿って延伸されたPTC特性を有する雨樋消雪用の軒先用発熱線4が、雨樋75の全体の凍結を確実に防止するものとなり、前記実施例の何れか一つに記載された軒天加温ユニット2との組み合わせによって、より一段と、対象建築物7の軒先70、雨樋75、軒天73、および、軒天73下方の外壁74に氷柱や凍結が発生するのを防止する効果を高めたものとなる。
当該軒先消雪ユニット5は、対象建築物7の葺き板71軒先70の水切り72の直下沿ってPTC特性を有する雨樋消雪用の軒先用発熱線4が配線、保持されたものとなっているから、軒先ヒーターホルダー50および水切り72それ自体を加熱し、氷柱の発生をより確実に防止することができるものとなり、さらに、軒樋76内および竪樋77内に沿って延伸されたPTC特性を有する雨樋消雪用の軒先用発熱線4が、雨樋75の全体の凍結を確実に防止するものとなり、前記実施例の何れか一つに記載された軒天加温ユニット2との組み合わせによって、より一段と、対象建築物7の軒先70、雨樋75、軒天73、および、軒天73下方の外壁74に氷柱や凍結が発生するのを防止する効果を高めたものとなる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の軒天加温ユニット、およびそれを利用した氷柱防止装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの軒先の融雪技術に比較して、軒天のより広い範囲を確実に凍結防止し、氷柱の発生を一段と効果的に防止することができるから、氷柱の発生および落下による事故などを未然に防ぎ、しかも軒天に直接設置できるから、構造を簡素化、軽量化且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、設置作業性を大幅に改善し得るものとなり、設置における高所作業量を格段に削減して施工時間を大幅短縮することができるから、軒天に氷柱が発生し、落下してしまうのを防止して安全を確保したいと希望する一般住宅やその他の建築物の管理者は元より、軒天および軒先先端や雨樋などの氷柱の発生を防止したり、雨樋の凍結を防止する技術の開発を進める建築業界および建設業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
叙述の如く、この発明の軒天加温ユニット、およびそれを利用した氷柱防止装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの軒先の融雪技術に比較して、軒天のより広い範囲を確実に凍結防止し、氷柱の発生を一段と効果的に防止することができるから、氷柱の発生および落下による事故などを未然に防ぎ、しかも軒天に直接設置できるから、構造を簡素化、軽量化且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、設置作業性を大幅に改善し得るものとなり、設置における高所作業量を格段に削減して施工時間を大幅短縮することができるから、軒天に氷柱が発生し、落下してしまうのを防止して安全を確保したいと希望する一般住宅やその他の建築物の管理者は元より、軒天および軒先先端や雨樋などの氷柱の発生を防止したり、雨樋の凍結を防止する技術の開発を進める建築業界および建設業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 氷柱防止装置
2 軒天加温ユニット
20 同 軒天ヒーターホルダー
21 同 抱持部
22 同 筐形抱持部
23 同 底壁
24 同 周側壁
25 同 配線口
26 同 筒型抱持部
K 同 筒体
SB 同 継板部
27 同 固定ブラケット部(取付孔)
28 同 木ネジ
29 同 角度調節機構
3 軒天用発熱体
F 矩形シート状軒天用発熱体
F0 同 裏面外装フィルム
F1 同 発熱面外装フィルム
S ヒーター回路
S1 同 一側櫛状電極パターン
S2 同 一側経線パターン部
S3 同 一側枝線パターン部
S4 同 対峙櫛状電極パターン
S5 同 対峙経線パターン部
S6 同 一側枝線パターン部
HB 同 ヒーター帯膜
HN 同 電源供給用ハーネス部、
4 コード状の軒天用発熱体(or雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線)
HN 同 電源コード部
P 電源供給源
Hi 断熱層部(or固定用断熱帯)
5 軒先消雪ユニット
50 同 軒先ヒーターホルダー
51 同 細帯板
52 同 固定片
53 同 脱落防止金具
6 結束帯
7 対象建築物
70 同 軒先
71 同 葺き板(葺き部)
72 同 水切り
73 同 軒天
74 同 外壁
75 同 雨樋
76 同 軒樋
77 同 竪樋
A 棟平行方向(鼻隠しに平行方向)
B 棟交叉方向(破風板に平行方向)
2 軒天加温ユニット
20 同 軒天ヒーターホルダー
21 同 抱持部
22 同 筐形抱持部
23 同 底壁
24 同 周側壁
25 同 配線口
26 同 筒型抱持部
K 同 筒体
SB 同 継板部
27 同 固定ブラケット部(取付孔)
28 同 木ネジ
29 同 角度調節機構
3 軒天用発熱体
F 矩形シート状軒天用発熱体
F0 同 裏面外装フィルム
F1 同 発熱面外装フィルム
S ヒーター回路
S1 同 一側櫛状電極パターン
S2 同 一側経線パターン部
S3 同 一側枝線パターン部
S4 同 対峙櫛状電極パターン
S5 同 対峙経線パターン部
S6 同 一側枝線パターン部
HB 同 ヒーター帯膜
HN 同 電源供給用ハーネス部、
4 コード状の軒天用発熱体(or雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線)
HN 同 電源コード部
P 電源供給源
Hi 断熱層部(or固定用断熱帯)
5 軒先消雪ユニット
50 同 軒先ヒーターホルダー
51 同 細帯板
52 同 固定片
53 同 脱落防止金具
6 結束帯
7 対象建築物
70 同 軒先
71 同 葺き板(葺き部)
72 同 水切り
73 同 軒天
74 同 外壁
75 同 雨樋
76 同 軒樋
77 同 竪樋
A 棟平行方向(鼻隠しに平行方向)
B 棟交叉方向(破風板に平行方向)
Claims (8)
- 対象建築物の軒先下面である軒天の天井面直下に、棟平行方向および棟交叉方向の少なくとも何れか一方に沿って軒天用発熱体を、同軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能な形状とされた高熱伝導率・耐候性素材製の抱持部と、該抱持部の、対象建築物の軒天および同対象建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に、該抱持部および同抱持部に保持された軒天用発熱体を、対象建築物に対して固着可能な固定ブラケット部が設けられてなる軒天ヒーターホルダーを有し、該軒天ヒーターホルダーの抱持部に、シート状またはコード状のPTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)特性を有する軒天用発熱体が装着されてなるものとしたことを特徴とする軒天加温ユニット。
- 対象建築物の軒先下面である軒天の天井面直下に、鼻隠しに平行方向および破風板に平行方向の少なくとも何れか一方に沿って軒天用発熱体を、同軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能な形状とされた高熱伝導率・耐候性素材製の抱持部と、該抱持部の、対象建築物の軒天および同対象建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に、該抱持部および同抱持部に保持された軒天用発熱体を対象建築物に対して固着可能な固定ブラケット部が設けられてなる軒天ヒーターホルダーを有し、該軒天ヒーターホルダーの抱持部に、シート状またはコード状のPTC(Positive Te;mperature Coefficient:正温度係数)特性を有する軒天用発熱体が装着されてなるものとした軒天加温ユニット。
- 軒天ヒーターホルダーの抱持部が、矩形シート状の軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能であって、対象建築物の軒先下面面積に納まる寸法・形状とされた底壁、および、該底壁の周縁に一体化され、該底壁の周囲を囲む形状に立ち上げられた周側壁からなる天面開放状の筐形抱持部とされ、適所に軒天用発熱体の電源コード用の配線口が設けられ、該矩形シート状の軒天用発熱体が、該軒天用発熱体の放熱面を、当該筐形抱持部の底壁上面に伝熱可能に接合するよう装着され、当該筐形抱持部内の該軒天用発熱体上には、断熱層部が積層状に充填されてなるものとした、請求項1および請求項2何れか一記載の軒天加温ユニット。
- 軒天ヒーターホルダーの抱持部が、コード状の軒天用発熱体の形状に応じて適宜保持可能であって、対象建築物の軒先下面面積に納まる寸法・形状とされた筒体が1本か、または、該筒体の複数本が平行状に一体化されたものかの何れか一方からなる筒型抱持部とされ、該コード状の軒天用発熱体が、該筒型抱持部に対し、同筒型抱持部の筒状内壁に伝熱可能に接合するよう挿通状に装着されてなるものとした、請求項1および請求項2何れか一記載の軒天加温ユニット。
- 矩形シート状の軒天用発熱体が、裏面外装フィルム上一側に沿って延伸された一側経線パターン部、および、該一側経線パターン部から枝別れされた複数本の一側枝線パターン部からなる一側櫛状電極パターンが設けられ、当該裏面外装フィルム上他側に沿って延伸された対峙経線パターン部、および、該対峙経線パターン部から、前記一側枝線パターン部間に平行するよう枝別れされた複数本の対峙枝線パターン部からなる対峙櫛状電極パターンが設けられ、緯線噛合状に配された各一側枝線パターン部と各対峙枝線パターン部との経線方向端間に渡って1または複数本の何れか一方のPTC(Positive Te;mperature Coefficient:正温度係数)特性を有するヒーター帯膜が配されてヒーター回路とされた上、当該一側櫛状電極パターンおよび対峙櫛状電極パターンの適所から電源供給用ハーネス部が導出され、当該裏面外装フィルムと発熱面外装フィルムとの間に、前記ヒーター回路が積層、密閉状に封止、一体化されてなるものとした、請求項1ないし請求項4何れか一記載の軒天加温ユニット。
- 軒天ヒーターホルダーの抱持部と、固定ブラケット部との間に、固定ブラケット部に対する抱持部の支持姿勢を調節可能とする角度調節機構が設けられてなる、請求項1ないし請求項5何れか一記載の軒天加温ユニット。
- 軒天ヒーターホルダーの抱持部が、対象建築物の軒先下面である軒天の天面直下に配され、軒天用発熱体が、該抱持部に抱持され、軒天ヒーターホルダーの固定ブラケット部が、対象建築物の軒天および建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に固着された請求項1ないし請求項5何れか一記載の軒天加温ユニットの複数個が、対象建築物の軒天に沿って軒天直下に配列され、軒天用発熱体、および、軒天用発熱体から延伸された電源コード部の少なくとも何れか一方が、対象建築物の外壁適所またはその近傍に設置された電源供給源に接続されてなるものとした、請求項1ないし請求項6何れか一記載の軒天加温ユニットを利用した氷柱防止装置。
- 軒天ヒーターホルダーの抱持部が、対象建築物の軒先下面である軒天の直下に配され、軒天用発熱体が、該抱持部に抱持され、軒天ヒーターホルダーの固定ブラケット部が、対象建築物の軒天および同対象建築物の軒天下に対応する外壁の少なくとも何れか一方に対応する適所に固着された請求項1ないし請求項5何れか一記載の軒天加温ユニットの複数個が、対象建築物の軒天に沿って軒天直下に配列され、軒天用発熱体、および、軒天用発熱体から延伸された電源コード部の少なくとも何れか一方が、対象建築物の外壁適所またはその近傍に設置された電源供給源に接続され、該電源供給源には、軒先用となるコード状のPTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)特性を有する雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線が接続され、対象建築物の葺き部軒先の水切り直下に沿って延伸された高熱伝導率・耐候性素材製・棚状の細帯板と、該細帯板と一体化され、該水切り直下となる対象建築物の適所に固着可能な固定片とからなる軒先ヒーターホルダーが、対象建築物の葺き部軒先の水切り直下に沿って該固定片を介して固着され、該雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線が、該軒先ヒーターホルダーの細帯板上と、対象建築物の葺き部軒先の水切り下との間であって、棟寄りとなる奥角がわに沿って配線されると共に、該雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線よりも軒先外側となる細帯板上、および、対象建築物の葺き部軒先の水切り下の少なくとも何れか一方に沿って断熱性・弾性素材製の固定用断熱帯が延設された上、該雨樋消雪用コード状の軒先用発熱線が、対象建築物の葺き部軒先の水切りより下方に設けられた雨樋内に沿って延伸され、要所々々を適宜結束帯を介して固定された軒先消雪ユニットが設けられた、請求項1ないし請求項6何れか一記載の軒天加温ユニットを利用した氷柱防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017076324A JP2018178435A (ja) | 2017-04-06 | 2017-04-06 | 軒天加温ユニット、およびそれを利用した氷柱防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017076324A JP2018178435A (ja) | 2017-04-06 | 2017-04-06 | 軒天加温ユニット、およびそれを利用した氷柱防止装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018178435A true JP2018178435A (ja) | 2018-11-15 |
Family
ID=64281308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017076324A Pending JP2018178435A (ja) | 2017-04-06 | 2017-04-06 | 軒天加温ユニット、およびそれを利用した氷柱防止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018178435A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117389360A (zh) * | 2023-12-13 | 2024-01-12 | 石家庄学院 | 一种大数据平台的数据安全监控系统 |
-
2017
- 2017-04-06 JP JP2017076324A patent/JP2018178435A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117389360A (zh) * | 2023-12-13 | 2024-01-12 | 石家庄学院 | 一种大数据平台的数据安全监控系统 |
CN117389360B (zh) * | 2023-12-13 | 2024-03-22 | 石家庄学院 | 一种大数据平台的数据安全监控系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11414870B2 (en) | Exposed structure heating apparatus and methods of making and use | |
US4432341A (en) | Solar heater and roof attachment means | |
US8607509B2 (en) | Roof ice and snow melt system | |
US9428915B2 (en) | Heated roof drainage raceway with self adjusting heating cable cavity | |
US9949318B2 (en) | Portable heating arrangement | |
CA2525613A1 (en) | Roof deicing apparatus | |
US20100024324A1 (en) | Roof eaves ice melting system and method of installation | |
US9663955B2 (en) | Pan tile roofing system | |
US4763450A (en) | Ice dam preventer | |
US8476558B2 (en) | Ice buildup inhibitor | |
JP2018178435A (ja) | 軒天加温ユニット、およびそれを利用した氷柱防止装置 | |
US8440940B2 (en) | Photovoltaic ice dam remediation apparatus | |
US8946600B1 (en) | Roof de-icing system | |
CA3079124C (en) | Suspension mounted heating system | |
RU172748U1 (ru) | Устройство для предотвращения образования сосулек на кромке скатной кровли | |
US8901458B2 (en) | Method for an ice buildup inhibitor | |
JP5006574B2 (ja) | 雪庇除去装置 | |
JP6106302B1 (ja) | 屋根の融雪装置 | |
RU192780U1 (ru) | Устройство для предотвращения образования наледи и сосулек | |
KR200417190Y1 (ko) | 지붕 구조물 | |
US20230115753A1 (en) | Heated Panel Valley End Cap | |
RU192855U1 (ru) | Устройство для предотвращения образования наледи и сосулек | |
KR20060088526A (ko) | 지붕 구조물 | |
JP3927201B2 (ja) | 電熱式融雪方法およびその装置 | |
JP3131379U (ja) | 軒先融雪装置 |