JP5005937B2 - 面発光レーザ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、面発光レーザ素子に関し、更に詳しくは、メサポストを有し、基板に対して垂直方向に共振器構造を形成する面発光レーザ素子に関し、信頼性に優れた半導体レーザ素子に関するものである。
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser.以下、単に面発光レーザ素子と称する。)は、基板に対して直交方向に光を出射させる半導体レーザである。面発光レーザ素子は、同じ基板上に2次元アレイ状に多数のレーザ素子を配列することが可能であり、通信用光源として、また、その他の様々なアプリケーション用デバイスとして注目されている。また、ギガビット・イーサーネットや、ファイバーチャネル等のデータコム通信における高速光伝送の信号光源用途を中心に、面発光レーザ素子のニーズも高まっている。
面発光レーザ素子は、GaAsやInPといった半導体基板上に1対の半導体多層膜DBRミラー(例えば、GaAs系ではAl(Ga)As/AlGaAs等)を形成し、その対のDBRミラーの間に発光領域となる活性層を有するレーザ構造部を備えている。特に、GaAs系面発光レーザ素子は、GaAs基板上に形成でき、しかも、熱伝導率が良好で、反射率の高いAlGaAs系DBRミラーを用いることができるので、0.8μm〜1.0μm帯のレーザ光を発光できるレーザ素子として有望視されている。また、活性層にGaInNAs系材料を用いた面発光レーザ素子は、1.2μm〜1.6μm帯の長波長域の光を発光できる面発光レーザ素子として有望視されている。これらの面発光レーザ素子では、電流効率を高め、閾値電流値を下げるために、Al酸化層で電流注入領域を狭窄する構造を構成する酸化層狭窄型の面発光レーザ素子が提案されている。
従来の850nm帯の酸化層狭窄型の面発光レーザ素子の構成について、その断面模式図を示す図2を参照して説明する。面発光レーザ素子10は、n−GaAs基板12上に、それぞれの層の厚さがλ/4n(λは発振波長、nは屈折率)のn−Al0.9Ga0.1As/n-Al0.2 Ga0.8Asの35ペアからなる下部DBRミラー14、下部クラッド層16、量子井戸活性層18、上部クラッド層20、及び、それぞれの層の厚さがλ/4n(λは発振波長、nは屈折率)のp−Al0.9Ga0.1As/p-Al0.2Ga0.8Asの25ペアからなる上部DBRミラー22から構成される積層構造を備えている。
上部DBRミラー22では、量子井戸活性層18に近い側の一層が、Al0.9GaAs層に代えて、AlAs層24で形成され、かつ中央の電流注入領域以外の周囲領域のAlAs層24のAlが、選択的に酸化され、Al酸化層25からなる電流狭窄層を構成している。
積層構造のうち、上部DBRミラー22は、フォトリソグラフィー処理及びエッチング加工により、AlAs層24よりも下方の量子井戸活性層18に近い層までが、例えば直径30μmの円形のメサポスト38に加工されている。メサポスト38を形成する場合には、メサポスト領域以外の半導体層を全てエッチングしてしまう形態や、エッチングによって円筒状溝を設けて、円筒状溝内にメサポストを形成する形態が採られている。
メサポスト38に加工した積層構造を水蒸気雰囲気中にて、約400℃の温度で酸化処理を行い、メサポスト38の外側からAlAs層24のAlを選択的に酸化させることにより、Al酸化層25からなる電流狭窄層が形成される。
メサポスト38は、周囲が例えばポリイミド層26により埋め込まれている。ポリイミド層26の上部には、外周5μm〜10μm程度の幅で接触するリング状電極が、p側電極28として設けられている。また、基板裏面を適宜研磨して基板厚さを例えば200μm厚に調整した後、n−GaAs基板12の裏面にn側電極30が形成されている。更に、ポリイミド層26上には、外部端子とワイヤーで接続するための電極パッド32が、リング状のp型電極28と接触するように形成されている。
ところで、上述した従来の酸化層狭窄型構造では、AlAs層24を酸化してAl酸化層25に転化させると、体積が収縮し、Al酸化層25に隣接する化合物半導体層に応力が発生することが知られている。活性層18は、Al酸化層25の近傍に位置するため、これによって、活性層18に損傷が生じ、素子寿命が短くなるという問題があった。そこで、素子寿命の短縮化を防ぐために、AlAs層24に代えて、ガリウム(Ga)を微量に含んだAl0.98Ga0.02As層を用いることが提案されている。また、AlAs層24の厚さを40nm程度に薄くして、Al酸化層25に転化した際の体積の収縮により発生する応力を小さくすることも行われている。
以上のように、多層膜DBRミラーとして用いられるAlGaAs半導体層の一層について、Al組成比を他よりも高くし、あるいはAlAs層で置き換えて、この層のみを選択的に酸化することが可能であり、これによって選択酸化層による応力を低減させる工夫がなされている。
一方、DBRミラーを構成する多層膜についても、強い酸化条件に曝されるので、上部DBRミラー22を構成するAl組成の高い層、すなわち低屈折率層であるAl0.9 Ga0.1 As層が、図3の符号27に示したように、メサポストの周囲に沿って円環状に酸化されてしまうという問題があった。
酸化により形成されるDBRミラー部の酸化層27の幅は、電流狭窄用のAl酸化層の組成や厚さにより決まる酸化条件や、更にDBRミラーを構成する化合物半導体層の組成や厚さに依存するものの、例えば数百nm程度は酸化されてしまう。数百nmという酸化の度合いは、メサポストの径から見れば小さいものの、DBRミラーを構成するAl0.9 Ga0.1As層は、レーザー光の波長λに対してλ/4nとなるように設計されているため、膜厚が厚く、更にペア数が多いため、数百nmの酸化幅とはいえ、酸化による体積の収縮は無視できないほど大きい。従って、その収縮により発生する応力は、面発光レーザ素子の信頼性に大きな影響を及ぼす可能性がある。特にメサポスト部分に活性層を持ち、メサポスト側面に活性層の端面が露出している面発光レーザ素子では、その活性層端面に欠陥が生じやすい。
上記のようなDBRミラーの酸化を防止するため、高Al含有層である低屈折率層のAl組成比を所定の比率内に抑えたDBRミラーを有する面発光レーザ素子の開発も行われている。
特開2003−8142号公報
上述したように、面発光レーザ素子では、DBRミラー部の酸化に起因する体積変化により発生する応力は、活性層に影響を及ぼし、メサポスト側面の活性層端面に転移を発生させる要因となる。このような面発光レーザ素子では、長時間にわたって通電を続けると、製造中に発生した転移がメサポスト中央部の発光領域にまで増殖し、偶発故障の原因となる。
DBRミラーの酸化を抑制するためには、低屈折率層においてAl含有量を抑えた半導体層を用いるということも有効ではある。しかし、AlGaAs系の半導体層では、Alの組成比に応じてAl含有層の屈折率が異なるので、Alの組成比を大きく変えて高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくし、反射率の高いDBRミラーを形成するための要請が大きい。
AlGaAs層のAlの含有量を低く抑えると、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることができず、所定の反射率を有する反射鏡を形成するためには、積層ペア数を増やすことが必要になる。しかしながら、放熱特性、光透過性、製造コストの面から、積層ペア数をあまりに増加させることは好ましくない。
本発明は、上記に鑑み、メサポストを有する従来の面発光レーザ素子において、放熱特性や光透過性の低下を抑え、且つ、DBRミラーの酸化に起因して活性層に与える応力を抑制することが出来る面発光レーザ素子、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の面発光レーザ素子は、基板上に、上部DBRミラーと、下部DBRミラーと、前記上部DBRミラーと下部DBRミラーとの間に配設された活性層とを備え、少なくとも前記上部DBRミラー及び活性層がメサポストに形成され、前記活性層の近傍であって前記上部DBRミラー内に、特定半導体層の一部領域を酸化してなる酸化狭窄層を有し、波長λで発振する面発光レーザ素子において、前記上部DBRミラーは、少なくとも活性層近傍にあり、前記酸化狭窄層を含む第1の領域と、該第1の領域よりも活性層に遠い側に設けられた第2の領域とを有し、前記第1の領域における前記酸化狭窄層以外の低屈折率層のAl含有量が前記第2の領域における低屈折率層のAl含有量よりも小さく、前記第1の領域は、λ/(4・n1)の厚さの低屈折率層(但し、n1は該低屈折率層の屈折率)λ/(4・n2)の厚さの高屈折率層(但し、n2は該高屈折率層の屈折率)が交互に積層された周期的構造を有し、該周期的構造の少なくとも1つのペアにおいて、前記低屈折率層がGaIn1−yP(0≦y≦1)からなる半導体材料で構成され、前記高屈折率層がGaIn1−yAs1−z(0≦y≦1、0≦z≦1)からなり、少なくとも活性層に近接した1ペアがAl組成の低いものであるように半導体材料で構成されていることを特徴とする。
DBRミラーの活性層近傍の第1の領域のみにAl含有量が少ない半導体層を使用し、その酸化を抑制することによって、活性層への応力を低減し、面発光レーザ素子の信頼性を向上させる。また、DBRミラーの活性層から遠い側の第2の領域については、大きなAl含有量により構成材料の選択の自由度を大きくすることによって、積層ペア数の増加を抑え、効率的なDBRミラーを構成することができる。
本発明の実施形態について説明する前に、本発明の理解を容易にするために、本発明の原理を説明する。
本発明者等は、電流狭窄層を構成するAl酸化層に用いる化合物半導体層として、Al0.98GaAs層、及び、膜厚が60nm未満の薄いAlAs層を、種々の酸化条件でAl酸化層に転化し、Al酸化層の生成に伴い種々の酸化幅を有するDBRミラーを有する面発光レーザ素子を作製した。作製した面発光レーザ素子の寿命試験を行って、DBRミラーの酸化幅(Al組成が高い層の酸化幅)と、面発光レーザ素子の素子寿命との関係を調べ、図4に示すような結果を得た。
図4は、横軸にDBRミラーの酸化幅(μm)をプロットし、縦軸に素子寿命(hr)をプロットした、酸化幅と素子寿命との関係を示すグラフである。寿命試験は、85℃の動作温度で行い、また、素子寿命の定義は、一定の駆動電流を注入して連続動作させ、光出力が2dB低下したときの経過時間とした。この結果、図4に示すように、素子寿命は、DBRミラーの酸化幅を小さくすれば、長くなることがわかる。
次に、本発明者等は、DBRミラーの酸化幅を小さくする方法を研究した。DBRミラーを構成する一方の層であるAlxGa1-xAs層の酸化速度は、Al組成Xに依存し、Al組成Xが大きいほど酸化速度は速い。従って、Al組成Xを小さくし、AlAs層との酸化選択比を大きくすれば、良いことになる。しかし、Al組成Xを小さくすると、DBRミラーの他方の層である高屈折率層との屈折率差が小さくなるので、所要の反射率を維持するためには、DBRミラーのペア数を増やす必要が生じ、製作コストの増大を招くことになる。このように、DBRミラーでは、低いAl組成XとDBRミラーのペア数の抑制、つまり製作コストの低減とはトレードオフの関係にある。
そこで、本発明者等は、更に、電流狭窄層を構成するAl酸化層に用いる化合物半導体層として、Al0.98GaAs層、及び、膜厚が60nm未満の薄いAlAs層を使い、DBRミラーを構成するAlGaAs層のAl組成Xと酸化速度との関係を調べ、図5に示す結果を得た。図5は横軸にAlGaAs層のAl組成Xをプロットし、縦軸にAlAsの酸化速度を1.0として規格化した相対酸化速度をプロットした、Al組成Xと酸化速度との関係を示すグラフである。
図5からは、AlGa1−xAsのAl組成Xが0.85以下では、酸化速度がほとんどXに依存して変化せず、また、AlAsに比べて非常に小さいことがわかる。つまり、酸化速度が大きくならないAl組成Xの上限値は、0.85である。従って、DBRミラーを構成する低屈折率層のAlGaAs層のAl比率を0.85以下、好ましくは、0.8以下とすることによって、AlAs層の酸化工程を有する面発光レーザ素子においても、ほとんど酸化されないDBRミラーを得ることができる。図5は、上記の通り、AlGaAs層のAl組成Xと酸化速度との関係を示しているが、この関係は、AlGaAs層に限らず、Alを含む他の化合物半導体層の酸化にも適用できることが、実験の結果確認された。
図6は、従来の面発光レーザ素子において、AlAs層を酸化するための処理を行った後のDBRミラーのメサポスト側面近傍の断面のTEM像である。図7は同様に、従来の面発光レーザ素子において、AlAs層を酸化するための処理を行った後のAlAs層が酸化された部分と酸化されていない部分の境界部近傍の断面のTEM像である。
図6及び図7で、平行に並んで見える横縞の大きな厚みの層は、上部及び下部のDBRミラー14、22の低屈折率層と高屈折率層であり、小さな厚みで複数層に並んでいる部分は、量子井戸活性層18である。低屈折率層であるAl0.9 Ga0.1As層は、そのメサポスト端面から150nm程度の幅の部分で酸化し、酸化層27を形成している。
平行縞以外の波状の濃淡は、応力によって結晶格子に生じた歪を反映するものである。図6及び図7のそれぞれで、酸化層27の部分から、半導体層の厚み方向に対して100nm〜200nmの範囲で特に強く歪の発生していることが読み取れる。特に酸化層27の先端部分からは、図面で見て右側のメサポスト側面に向かって末広がり状に強く歪の発生が見られる。従って、活性層18近傍のDBRミラーの低屈折率層の酸化層27の幅を減少させることによって、活性層18に生ずる応力を低減することができることが判る。また、少なくとも活性層18に最も近い低屈性率層をAl含有量の少ない層とすることによって、活性層18にかかる応力を低減させることができる。
通常は、酸化狭窄層を形成するための酸化幅は数十μm程度であるが、例えば酸化狭窄層にAlAs層を用い、DBRミラーの低屈折率層にAl0.9 Ga0.1As層を用いたとすると、酸化速度の差から、低屈折率Al0.9 Ga0.1As層の酸化幅は1μm以内である。低屈折率層の酸化した部分の先端からメサポスト側面にかけて歪が広がっていることを考慮しても、活性層近傍のDBRミラーで5ペア分程度の低屈折率層の酸化を抑制することによって、活性層にかかる応力を著しく低減し、面発光レーザ素子の長期信頼性を向上させることができる。
以上のような知見から、本発明の面発光レーザ素子では、上部DBRミラーを、活性層近傍の第1の領域と、該第1の領域よりも活性層に遠い側に設けられた第2の領域とに分け、第1の領域のAl組成が第2の領域のAl組成よりも小さい構造を採用するものである。
以下に、実施形態例を挙げ、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
第1の実施形態
図1は、本実施形態に係る面発光レーザ素子の半導体積層を示す断面図である。本実施形態の面発光レーザ素子40は、従来の面発光レーザ素子10とほぼ同様の構造をしており、異なるところは上部DBRミラー22の構成材料であり、図2に示した従来の面発光レーザ素子10と同様のプロセスによって作製することができる。
面発光レーザ素子40の製造プロセスでは、まず、n−GaAs基板12上に、それぞれの層の厚さがλ/4n(λは発振波長、nは屈折率)のn−Al0.9Ga0.1As/n−Al0.2 Ga0.8Asの35ペアからなる下部DBRミラー14、及び、n−Al0.4Ga0.6As下部クラッド層16が積層されている。下部クラッド層16を含み下部クラッド層16よりも上層の部分は、直径約30μmのメサポストを形成している。
下部クラッド層16の上には、GaAs井戸層及びAl0.2Ga0.8Asバリア層からなる量子井戸活性層18と、p−Al0.4Ga0.6Asの上部クラッド層20とが形成されており、これらの層は、図2に示した従来の面発光レーザ素子10と同様の構造である。上部クラッド層20のすぐ上には、上部DBRミラー42の第1の領域44の一部として、低屈折率層であるp−Al0.8Ga0.2As層と、高屈折率層であるp−Al0.2Ga0.8As層とが、交互に2ペア設けられている。さらにその上には、上部DBRミラーの一部分として、低屈折率層であるAlAs層24が設けられておいる。このAlAs層24は、酸化工程の処理を経て、その周囲が酸化されてAl酸化層25に形成され、電流狭窄層を構成している。
更にその上には、AlAs層24とペアになる高屈折率層であるp−Al0.8Ga0.2As層が形成されている。その上には、p−Al0.8 Ga0.2As/p−Al0.8Ga0.2Asが2ペア設けられている。これまでが、DBRの第1の領域44を構成する。それよりも上方のDBRミラーの第2の領域46には、より低屈折率を有する層としてp−Al0.9Ga0.1As層が形成され、p−Al0.9Ga0.1As/p−Al0.2 Ga0.8Asの20ペアが積層されている。
上記のように、本実施形態では、上部DBRミラー42の活性層18近傍の第1の領域44の5ペアにおいて、電流狭窄層を形成する層以外にはAl組成比が0.8以下のAlGaAs系の半導体材料を用いる。このため、活性層18近傍のDBRミラー42の第1の領域44は酸化されにくく、活性層18へのダメージを低減することができる。また、活性層18から離れた上部DBRミラー42の第2の領域46では、屈折率差を大きくすることができる半導体材料が使用されており、このため、上部DBRミラー42の積層数の増加を抑えながら、所望の面発光レーザ素子が実現可能である。
第2の実施形態
本実施形態は、図1に示した第1の実施形態の面発光レーザ素子とほぼ同様の構造を有している。異なるところは、下部DBRミラー14の一部が、メサポスト38内に形成され、活性層18近傍の第3の領域を有し、この第3の領域では、n−Al0.8Ga0.2As/n−Al0.8Ga0.2Asからなる2ペアが設けられていることである。
本実施形態は、特に、下部DBRミラー14がメサポスト38内に形成される場合に有効であり、この構造により、活性層18近傍の下部DBRミラー14の酸化を抑制し、下部DBRミラーの酸化に起因する活性層18へのダメージを低減する。
第3の実施形態
本実施形態は、図1に示した第1の実施形態及び第2の実施形態の面発光レーザ素子とほぼ同様の構造をしている。異なるところは、上部DBRミラーの第1の領域、及び/又は、下部DBRミラーの第3の領域が、高屈折率層/低屈折率層の構成として、GaInAsP/GaInPを1ペア有することである。
上述した各実施形態では、活性層近傍のDBRミラーの2ペア又は5ペアに用いる材料として、Al組成が低い材料を用いる例を示した。なお、レーザ発光波長λに対し、2ペアはλに相当し、5ペアは2.5λに相当する。しかし、この例には、限らず、少なくとも活性層に近接した1ペアをAl組成の低いものとすることによってもある程度の効果を奏する。また、上記実施形態では、上部DBRミラーを構成する材料が相互に異なる第1の領域及び第2の領域を有する面発光レーザ素子を例示したが、少なくとも、上部DBRミラー(下部DBRミラー)において、活性層近傍近傍の第1の領域(第3の領域)では低いAl組成を有し、活性層から遠ざかるにつれて第2の領域、第3の領域と段階的にAl組成が高くなるように、DBRミラーの材料構成を変えてもよい。
上述したような本発明の面発光レーザ素子の構造は面発光レーザ素子を同一基板上に配列して集積したレーザアレイにも適用可能である。特に本発明の面発光レーザ素子の構成によれば、集積された複数の面発光レーザ素子の全てにおいて信頼性が要求されるレーザアレイへの適用も効果的である。
本発明の一実施形態に係る面発光レーザ素子の断面図である。 従来の面発光レーザ素子の断面図である。 DBRミラーを構成する化合物半導体層の酸化の進行を示す断面図である。 酸化幅と素子寿命との関係を示すグラフである。 Alを含有する化合物半導体層のAl組成Xと酸化速度との関係を示すグラフである。 DBRミラーのメサポスト側面近傍における低屈折率層の酸化とそれによって生じる歪の様子を示すTEM像である。 酸化処理を行った後のAlAs層が酸化された部分と酸化されていない部分の境界近傍の歪の様子を示すTEM像である。
符号の説明
12:n−GaAs基板
14:下部DBRミラー
16:下部クラッド層
18:量子井戸活性層
20:上部クラッド層
22:上部DBRミラー
24:AlAs層
26:ポリイミド層
27:DBRミラー部の酸化層
28:p側電極
30:n側電極
32:電極パッド
40:面発光レーザ素子
42:上部DBRミラー
44:第1の領域
46:第2の領域

Claims (4)

  1. 基板上に、上部DBRミラーと、下部DBRミラーと、前記上部DBRミラーと下部DBRミラーとの間に配設された活性層とを備え、少なくとも前記上部DBRミラー及び活性層がメサポストに形成され、前記活性層の近傍であって前記上部DBRミラー内に、特定半導体層の一部領域を酸化してなる酸化狭窄層を有し、波長λで発振する面発光レーザ素子において、
    前記上部DBRミラーは、少なくとも活性層近傍にあり、前記酸化狭窄層を含む第1の領域と、該第1の領域よりも活性層に遠い側に設けられた第2の領域とを有し、前記第1の領域における前記酸化狭窄層以外の低屈折率層のAl含有量が前記第2の領域における低屈折率層のAl含有量よりも小さく、前記第1の領域は、λ/(4・n1)の厚さの低屈折率層(但し、n1は該低屈折率層の屈折率)λ/(4・n2)の厚さの高屈折率層(但し、n2は該高屈折率層の屈折率)が交互に積層された周期的構造を有し、該周期的構造の少なくとも1つのペアにおいて、前記低屈折率層がGaIn1−yP(0≦y≦1)からなる半導体材料で構成され、前記高屈折率層がGaIn1−yAs1−z(0≦y≦1、0≦z≦1)からなり、少なくとも活性層に近接した1ペアがAl組成の低いものであるように半導体材料で構成されていることを特徴とする面発光レーザ素子。
  2. 前記下部DBRミラーは、少なくとも一部が前記メサポスト内に形成されており、活性層近傍の第3の領域と、該第3の領域よりも活性層に遠い側に配設された第4の領域とを有し、前記第3の領域における低屈折率層のAl含有量が前記第4の領域における低屈折率層のAl含有量よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の面発光レーザ素子。
  3. 前記第2及び第4の領域はそれぞれ、低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された周期的構造を有し、少なくとも前記低屈折率層がAl Ga 1−x As(x>0.8)である半導体材料で構成されていることを特徴とする請求項2記載の面発光レーザ素子。
  4. 前記第1及び第3の領域の厚さは、発振波長λの少なくとも2倍に相当する厚さであることを特徴とする、請求項2または請求項3のいずれかに記載の面発光レーザ素子。
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