JP5004737B2 - 巻上装置における粉塵飛散防止装置 - Google Patents

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本発明は、クリーンルーム等に設置される天井走行クレーンに装備される巻上装置における粉塵散防止装置に関する。
近年、半導体製造装置、液晶製造装置及び食品製造、加工装置に代表される各種製品の製造装置においては、クリーンルームが設備され、クリーンルーム内で部品や製品の搬送及び装置のメンテナンスを行うため、巻上装置を装備した天井走行クレーンが設置されている。しかし、この装置の場合、巻上装置のロードチェーンやワイヤロープやドラム等の磨耗による粉塵が発生する場合があり、クリーンルーム内に天井走行クレーンを設備する場合には、巻上装置に粉塵の飛散を防止する手段が講じられている。(例えば、特許文献1参照)
以下、特許文献1に記載された従来の天井走行クレーンにおける粉塵飛散防止装置について図5を参照して説明する。図5に示す天井走行クレーンに装備される巻上装置は、レール1上を走行するトロリー2、ロードチェーン巻上用ロードシーブを搭載するホイスト3、ロードチェーン4を備え、ロードチェーン4は、下端に下フック7が固設され、ホイスト3に設けたロードシーブ5に巻取られる。ホイスト3の下部には、ホイスト3と下フック7の基部間で、ロードチェーン4を被覆し、ジャバラ状に伸縮する被覆体6aが設けられ、その上部はダストバン11に取設された上部フレーム8aに、下部は下部フレーム10aに取設されている。
伸縮被覆体6aとロードチェーン4の間には、伸縮被覆体6aとロードチェーン4が接触しないようにガイドする線状ガイド13aが設けられ、ダストパン11には線状ガイド13aを巻取る巻取装置が設けられている。また、ロードチェーン4には鎖止め金具26と錆止め金具の上部にクッションラバー27が設けられており、ロードチェーン4の巻き上げ動作時にクッションラバーがリミットレバー22に当接しリミットレバー22を回動することで、ホイスト駆動用モータの駆動を停止するように構成されている。
以上の通り特許文献1に記載された粉塵飛散防止装置において、伸縮被覆体6aは、ローチェーン4の上下動に連動して、ロードチェーン4を包被する状態で、下フック7の下降位置から上昇位置間で略ジャバラ状に伸縮し、伸縮動作時にロードチェーンと伸縮被覆体間には、下部が下部フレーム10aに係着されて、ロードチェーン4の動きに連動して上下動する複数本の線状ガイド13aが設けられているため、伸縮被覆体6aは伸縮動作時において、線状ガイド13aには接触してもロードチェーン4とは接触しないため、伸縮被覆体6aの損傷を防止することができるという特徴を有する。
特開2005−126238号公報
特許文献1に記載された粉塵飛散防止装置は、上記した通り、伸縮被覆体がローチェーンの上下動に連動して、ロードチェーンを包被する状態で、下フックの下降位置から上昇位置間で略ジャバラ状に伸縮し、伸縮動作時にロードチェーンと伸縮被覆体間には、下部が下部フレームに係着されて、ロードチェーンの動きに連動して上下動する複数本の線状ガイドが設けられているため、伸縮被覆体は伸縮動作時において、ロードチェーンとは接触しないため、伸縮被覆体6aの損傷を防止することができるという作用を有するが、線状ガイドが巻き取りや伸縮被覆体との接触等による材料疲労等により切断した場合には、伸縮被覆体は、図5に示すように、ロードチェーンに係着されているクッションラバーに引掛り、そのため伸縮被覆体はロードチェーンの上昇により上部フレームに設けた開口部に巻き込まれ、損傷するという課題を有していた。
上記課題を解決するため、本発明は、ロードチェーンを巻上下げする巻上装置の本体と、ロードチェーンの下端に取設された下フック基部間に、ロードチェーンを被覆する伸縮被覆体を設け、伸縮被覆体の上部を巻上装置本体下部に設けた上部フレームに、下部を下フック基部に設けた下部フレームに取り付け、伸縮被覆体とロードチェーン間に、伸縮被覆体とロードチェーンの接触を防ぐようにガイドする線状ガイドを設けた巻上装置における粉塵散防止装置であって、ロードチェーンに上下にスライド可能に挿嵌され前記上部フレームに設けたガイド板に当接し、自身の下降動作を制限する下降制限用鍔を有するリミットパイプと、前記リミットパイプの上部に、ロードチェーンに挿嵌され、リミットパイプに連動し、上端にホイスト駆動用モータを停止するリミットレバーと当接する当接板を有し下端をリミットパイプに設けた段部に係止される鎖バネを備え、ロードチェーンの上昇動作に連動して、リミットパイプ及び鎖バネを介して、リミットレバーを回動し、ホイスト駆動用モータを停止することを特徴とする。
また、下フック基部に設けた下部ブラケットに、リミットパイプの下端に当接し、リミットパイプを上昇させる当接体を設けたことを特徴とする。
本発明の巻上装置における粉塵飛散防止装置は、ロードチェーンに上下にスライド可能に挿通され、ロードチェーンの上下動動作に連動するるリミットパイプと、前記リミットパイプの上部に、リミットパイプに連動し、上端にリミットレバーと当接し、ホイスト駆動用モータを停止する当接板を有する鎖バネを設けたので、ロードチェーンの上昇により、下フック基部の下部ブラケットに設けた当接体が上昇すると、リミットパイプの下端は当接体に当接し、ロードチェーンの上昇動作に連動し、鎖バネも上昇し、鎖バネの緩衝作用により、当接板でリミットレバーを緩やかに作動し、ホイスト駆動用モータを停止するように構成されているので、当接板がリミットレバーを作動する時の当接板とリミットレバーの衝撃を鎖バネで緩和するため、ホイスト駆動用モータの停止動作をスムーズに行うことができる。
また、仮に、線状ガイドが切断し、伸縮被覆体が図4に示すように、リミットパイプの下端と当接体間に狭まった場合であっても、伸縮被覆体は鎖バネのバネ圧だけでリミットパイプの下端と当接体間で緩やかに狭持され、伸縮被覆体に物理的衝撃力が加われないため伸縮被覆体の損傷も防止することができる。
また、リミットパイプは、上部フレームに設けた開口部に嵌挿されているので、伸縮被覆体の開口部への巻き込みを防止することができ、伸縮被覆体が開口部に巻き込まれることによる伸縮被覆体の損傷も防止することができる。
以下、図1〜図4を参照して本発明の巻上装置における粉塵飛散防止装置について説明する。図1は本発明の粉塵飛散防止装置において、下フックの下降時中の正面図、図2は下フックの上昇時の正面図、図3は図1、2の要部拡大図、図4は線状ガイドが切断した場合の状態を示す正面図である。
図において、1はレール、2はレール1上を走行するトロリー、3はロードチェーン巻上用ロードシーブを搭載するホイスト、4はロードチェーンで、ロードチェーン4は、下端に下フック7が取設され、ホイスト3に設けたロードシーブ5に巻取られる。6はホイスト3の下部に設けられ、ホイスト3と下フック7の基部間で、ロードチェーン4を被覆し、ジャバラ状に伸縮する伸縮被覆体で、その上部は上部フレーム11aに設けた取付ガイド8に、下部は下フックの基部に取着された下部フレーム10に取設され、上部フレーム11aは巻上装置の下部に設けたダスト板11の下部に取設される。12は伸縮被覆体6をロードチェーン4と接触しないようにガイドする線状ガイド13を巻取る巻取装置、14は線状ガイド13を巻取装置12にガイドするガイドローラである。上部フレーム11aには、ロードチェーン4及び後記するリミットパイプが挿通される開口部(図示せず)が設けられている。また、前記した通り、上部フレーム11aには、ロードチェーン4の被覆体である伸縮被覆体6の上端が密接した状態で取付けられており、下部フレーム10には伸縮被覆体の下端が密接した状態で取付けられている。伸縮被覆体6はロードチェーン4の外側で上部フレーム11aから下方に吊下するロードチェーン4の吊下部全体を包被する。下部ブラケット9には線状ガイド13の下端が係止される係止部15が設けられている。伸縮被覆体6は薄い素材からなり略ジャバラ状に伸縮可能な構成となっている。16はロードチェーン4に挿通されるリミットパイプで、中間部に下降制限用鍔17が設けられている。下降制限用鍔17はリミットパイプ16が降下し、上部フレーム11aに設けたガイド板18に当接するとリミットパイプ16の下降を停止する。19はロードチェーン4に挿通され、下端がリミットパイプ16の内側に設けた段部20に係止され、先端に当接板21を係着する鎖バネ、22は当接板21の上昇動作時に、当接板21と係合して回転し、ホイスト駆動用モータ(図示せず)の駆動を停止するリミットレバーである。リミットパイプ16はダスト板11の上部フレーム11aに上下方向スライド可能に吊下され、下降動作時に下降制限用鍔17がガイド板18に当接すると以降の下降動作が制限される。鎖バネ19は下端がリミットパイプ16の段部20に係止され、上端に設けた当接板21は常時は図3に示すようにリミットレバー22と係合しない位置に定置されている。23は下部ブラケット9に取設され、ロードチェーン4の巻上時にリミットパイプ16の下端に当接し、リミットパイプ16を上昇させる当接体である。24はロードチェーン4と下フック7を連結する下フック取付金具、25は無負荷側ロードチェーンを収納する収納バケットである。
線状ガイド13はロードチェーン4と伸縮被覆体6間に数本設けられ、好ましくは4本設けられ、巻取装置12で、ロードチェーン4の巻上げ巻下げ動作に同調して自動的に上下動するように構成されており、巻取装置12により常時巻取方向にテンションが加えられている。伸縮被覆体6は、ロードチェーン4の巻上げ巻下げ動作により、下フック7の下降位置から上昇位置間でジャバラ状にし、この上下伸縮動作時に、ロードチェーン4と伸縮被覆体6間に設けた線状ガイド13によるガイド作用により、ロードチェーン4との接触が防止されるので、ロードチェーンの巻上下動作時に伸縮被覆体6がロードチェーン4との接触による損傷を防止でき、また、線状ガイド13を設けることで伸縮被覆体6の素地を薄い布製とすることができ、伸縮率が大きい伸縮被覆体を用いることができる。また、線状ガイド体13は巻取装置12により常時巻取方向にテンションが加えられているため、線状ガイド体13は常時緊張しており、ロードチェーン4と伸縮被覆体6の接触を確実に防止することができる。
また、ロードチェーン4が上昇すると、下部ブラケット9に取設された当接体23がリミットパイプ16の下端に当接し、リミットパイプ16はロードチェーン4に連動して上昇し、鎖バネ19の先端に設けた当接板19の収縮による緩衝作用によりリミットレバー22を緩やかに回動し、ホイスト駆動用モータの駆動を停止する。一方、ロードチェーンが下降すると、リミットレバー22は連動して下降し、下降制限用鍔17が取付フレーム11に設けたガイド板18に当接すると、以降の下降を停止し、ガイド板18上に定置される。
本実施の形態によると、ロードチェーン4に上下にスライド可能に挿通され、ロードチェーン4の上下動動作に連動するリミットパイプと、前記リミットパイプ16の上部に、リミットパイプ16に連動し、上端にリミットレバー22と当接し、ホイスト駆動用モータ(図示せず)を停止する当接板21を有する鎖バネ19を設けたので、ロードチェーン4の上昇により、下部ブラケット9に設けた当接体23がリミットパイプ16の下端に当接し、リミットパイプ16及び鎖バネ19を上昇させると、鎖バネ19の緩衝作用により、当接板21がリミットレバー22に当接し、ホイスト駆動用モータを停止するように構成されている。そのため当接板21とリミットレバー22の当接時の衝撃を鎖バネで緩衝することができるため、ホイスト駆動用モータの停止動作をスムーズに行うことができる。
また仮に、線状ガイド13が切断し、伸縮被覆体6が図4に示すように、リミットパイプ16の下端と当接体23間に狭まった場合であっても、伸縮被覆体6は鎖バネ19のバネ圧だけでリミットパイプ16の下端と当接体23間で緩やかに狭持されるため、伸縮被覆体6の損傷を防止することができる。
また、リミットパイプ16が上部フレーム11aに設けた開口部に嵌挿されており、伸縮被覆体6の開口部への巻き込みを防止するので、伸縮被覆体6の上部フレーム11aの開口部への巻き込みを防止することができる。
本発明の粉塵飛散防止装置の下フック下降時の正面図。 下フック上昇時の正面図。 図1、2の腰部拡大図。 線状ガイド切断時の正面図。 従来例の正面図。
符号の説明
4 ロードチェーン
5 ロードシーブ
6 伸縮被覆体
9 下部ブラケット
10 下部フレーム
11 ダスト板
11a 上部フレーム
13 線状ガイド
16 リミットパイプ
17 鍔
18 ガイド板
19 鎖バネ
20 段部
21 当接板
22 リミットレバー
23 当接体

Claims (2)

  1. ロードチェーンを巻上下げする巻上装置の本体と、ロードチェーンの下端に取設された下フック基部間に、ロードチェーンを被覆する伸縮被覆体を設け、伸縮被覆体の上部を巻上装置本体下部に設けた上部フレームに、下部を下フック基部に設けた下部フレームに取り付け、伸縮被覆体とロードチェーン間に、伸縮被覆体とロードチェーンの接触を防ぐようにガイドする線状ガイドを設けた巻上装置における粉塵散防止装置であって、ロードチェーンに上下にスライド可能に挿嵌され前記上部フレームに設けたガイド板に当接し、自身の下降動作を制限する下降制限用鍔を有するリミットパイプと、前記リミットパイプの上部に、ロードチェーンに挿嵌され、リミットパイプに連動し、上端にホイスト駆動用モータを停止するリミットレバーと当接する当接板を有し下端をリミットパイプに設けた段部に係止される鎖バネを備え、ロードチェーンの上昇動作に連動して、リミットパイプ及び鎖バネを介して、リミットレバーを回動し、ホイスト駆動用モータを停止することを特徴とする巻上装置における粉塵散防止装置。
  2. 下フック基部に設けた下部ブラケットに、リミットパイプの下端に当接し、リミットパイプを上昇させる当接体を設けた請求項1記載の巻上装置における粉塵飛散防止装置。
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