JP5004149B2 - 新規な芳香族重合体 - Google Patents

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Description

本発明は新規な芳香族重合体に関する。
クラウンエーテルは、数々の金属イオンやプロトン性水素をもつゲスト分子と効率よく相互作用してゲスト分子を捕捉できることが知られている。
側鎖として下記式(A)で表される脂肪族クラウンエーテル構造を繰り返し単位として有するポリフェニレンビニレンが知られている(非特許文献1)。また本発明者らは、下記式(B)で表される脂肪族クラウンエーテル構造を繰り返し単位として有するポリフェニレンオキサイドを提案している(特許文献1)。このように側鎖にクラウンエーテルを導入することにより、ゲスト分子を補捉したり、認識したり、伝導したりする作用が期待される。
Figure 0005004149


J. Mater. Chem. 2000, 10, 1573. 特開2005-290097号公報
本発明の目的は、芳香環と複数のヘテロ原子をもつ環状構造を有する、ポリフェニレンビニレンやポリフェニレンなどの新規な芳香族重合体を提供することである。
すなわち本発明は、一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有する芳香族重合体を提供するものである。
Figure 0005004149

(式中、Arは置換されてもよい四価の芳香族炭化水素基を表し、Arは置換されてもよい二価の芳香族炭化水素基を表す。XおよびXはそれぞれ独立に単結合、酸素原子、硫黄原子、−NR−または−CR=CR−を表し、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または置換されてもよい炭化水素基であり、R〜Rは互いに同一でも異なっていてもよい。nは0または1である。Qは下式(II)で表される二官能性基を表す。)
Figure 0005004149

(式中、R〜Rは、置換されてもよい二価の炭化水素基を表し、すべてのR〜Rは同一でも異なっていてもよいが、Rの少なくとも一つは置換されてもよい二価の芳香環を含む炭化水素基である。YおよびZは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子または−N(R)−を表し、Rは水素原子または置換されてもよい炭化水素基を表わし、すべてのYおよびZは同一でも異なっていてもよい。aは0または1であり、bは2以上の整数であり、cは0または1であり、dは0または1である。)
芳香環と複数のヘテロ原子を持つ本発明重合体は、環状構造中の芳香環をもち、芳香環のπ軌道による相互作用を付与したり、芳香環上にカルボン酸やスルホン酸などを導入することができ、金属イオン、アンモニウムイオン、オキソニウムイオン等の捕捉材料、センサー材料、伝導材料としてさらに高性能化および高機能化することが期待できる。このような作用効果は脂肪族クラウンエーテル構造を有していた従来のポリフェニレンビニレンなどでは期待できないことである。
本発明の芳香族重合体は、上記一般式(I)で表わされる重合体である。
上記一般式(I)のArは置換されてもよい四価の芳香族炭化水素基を表し、Arは置換されてもよい二価の芳香族炭化水素基を表す。
Arの四価の芳香族炭化水素基としては、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素からそれぞれ水素原子を4個取り除いた基が好ましく、該芳香族炭化水素としてはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、トリフェニレン、フルオランセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ペンタセンが挙げられる。Arとして、ベンゼン、ナフタレンからそれぞれ水素原子を4個を取り除いた基がより好ましく、ベンゼンからそれぞれ水素原子を4個取り除いた基がさらに好ましい。ベンゼンからそれぞれ水素原子を4個取り除いた基について、その位置については1,2,3,4−位、1,2,3,5−位、1,2,4,5−位が挙げられる。
Arの二価の芳香族炭化水素基としては、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素からそれぞれ水素原子を2個取り除いた基が好ましく、該芳香族炭化水素としては上記と同じものが挙げられる。Arとして、ベンゼン、ナフタレンからそれぞれ水素原子を2個取り除いた基がより好ましく、ベンゼンからそれぞれ水素原子を2個取り除いた基がさらに好ましい。ベンゼンからそれぞれ水素原子を2個取り除いた基について、その位置については1,2−位、1,3−位、1,4−位が挙げられる。
ArおよびArおける4価および2価の芳香族炭化水素基において、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシカルボニル基、ヒドロキシスルホニル基、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、炭化水素二置換アミノカルボニル基、炭化水素スルホニル基が置換してもよい。
前記のR〜Rの炭化水素基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素数1〜50のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基、ノルボニル基、アダマンチル基等の炭素数3〜50の環状飽和炭化水素基;エテニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ノネニル基、2−ドデセニル基等の炭素数2〜50のアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基等の炭素数6〜50のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニレンエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、1−フェニル−3−プロピル基、1−フェニル−4−ブチル基、1−フェニル−5−ペンチル基、1−フェニル−6−ヘキシル基等の炭素数7〜50のアラルキル基が挙げられる。該炭化水素基としては、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基である。
前記の炭化水素オキシ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、炭化水素スルホニル基とは、オキシ基、メルカプト基、カルボニル基、オキシカルボニル基、スルホニル基に前記の炭化水素基1つが結合した基である。炭化水素二置換アミノ基、炭化水素二置換アミノカルボニル基とは、アミノ基、アミノカルボニル基に前記の炭化水素基2つが結合した基である。
ArおよびArの4価および2価の芳香族炭化水素基における置換基として、水素原子の結合した炭素原子には、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基が好ましく、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基がより好ましく、炭素原子数1〜8の炭化水素基、炭素原子数1〜8の炭化水素オキシ基がさらに好ましい。水素原子の結合した窒素原子には、炭素原子数1〜8の炭化水素基が置換することが好ましい。
上記一般式(I)のXおよびXはそれぞれ独立に単結合、酸素原子、硫黄原子、−NR−または−CR=CR−を表し、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または置換されてもよい炭化水素基であり、R〜Rは互いに同一でも異なっていてもよい。
〜Rにおける炭化水素基としては、前記の炭化水素基が挙げられ、その置換してもよい基としては、前記のヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシカルボニル基、ヒドロキシスルホニル基、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、炭化水素二置換アミノカルボニル基、炭化水素スルホニル基が挙げられる。R〜Rとして、水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、水素原子、メチル基、フェニル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
およびXとして、単結合、酸素原子、−NR−、−CR=CR−が好ましく、単結合、酸素原子、−CH=CH−がより好ましく、単結合、−CH=CH−がさらに好ましい。
上記一般式(I)のnは0または1である。
上記一般式(I)のQは上式(II)で表される二官能性基を表す。
上記式(II)のR〜Rは、置換されてもよい二価の炭化水素基を表し、すべてのR〜Rは同一でも異なっていてもよいが、Rの少なくとも一つは置換されてもよい二価の芳香環を含む炭化水素基である。
〜Rにおける二価の炭化水素基としては、メチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,2−ブチレン基、1,2−ペンチレン基、1,2−へキシレン基、1,2−ノニレン基、1,2−ドデシレン基等の炭素数1〜12のアルキレン基;1,2−シクロプロピレン基、1,2−シクロブチレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,2−シクロノニレン基、1,2−シクロドデシレン等の炭素数3〜12のシクロアルキレン基;1,1−エテニレン基、1,2−エテニレン基、1,2−エテニレンメチレン基、1−メチルー1,2−エテニレン基、1,2−エテニレンー1,1−エチレン基、1,2−エテニレンー1,2−エチレン基、1,2−エテニレンー1,2−プロピレン基、1,2−エテニレンー1,3−プロピレン基、1,2−エテニレンー1,4−ブチレン基、1,2−エテニレンー1,2−ブチレン基、1,2−エテニレンー1,2−ヘプチレン基、1,2−エテニレンー1,2−デシレン基等の炭素数2〜12のアルケニレン基;エチニレン基、エチニレンメチレン基、エチニレンー1,1−エチレン基、エチニレンー1,2−エチレン基、エチニレンー1,2−プロピレン基、エチニレンー1,3−プロピレン基、エチニレンー1,4−ブチレン基、エチニレンー1,2−ブチレン基、エチニレンー1,2−ヘプチレン基、エチニレンー1,2−デシレン基等の炭素数2〜12のアルキニレン基;1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、3−フェニルー1,2−フェニレン基、2,2’−ジフェニレン基等の炭素数6〜12のアリーレン基;1,2−フェニレンメチレン基、1,3−フェニレンメチレン基、1,4−フェニレンメチレン基、1,2−フェニレンー1,1−エチレン基、1,2−フェニレンー1,2−エチレン基、1,2−フェニレンー1,2−プロピレン基、1,2−フェニレンー1,3−プロピレン基、1,2−フェニレンー1,4−ブチレン基、1,2−フェニレンー1,2−ブチレン基、1,2−フェニレンー1,2−ヘキシレン基、メチレン―1,2−フェニレンメチレン基、メチレン―1,3−フェニレンメチレン基、メチレン―1,4−フェニレンメチレン基等の炭素数7〜12のアリーレン基とアルキレン基からなる二価の炭化水素基があげられる。
〜Rにおける二価の炭化水素基に、前記のヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシカルボニル基、ヒドロキシスルホニル基、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、炭化水素二置換アミノカルボニル基、炭化水素スルホニル基が置換してもよく、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基が好ましく、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基がより好ましく、炭素原子数1〜8の炭化水素基、炭素原子数1〜8の炭化水素オキシ基がさらに好ましい。
およびRとしては、好ましくはアルキレン基、アリーレン基、アリーレン基とアルキレン基からなる二価の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、さらに好ましくはメチレン基、1,2−エチレン基である。
における置換されてもよい二価の芳香環を含む炭化水素基としては、アリーレン基、アリーレン基とアルキレン基からなる二価の炭化水素基が好ましく、フェニレン基、ナフチレン基、フェニレン基又はナフチレン基とメチレン基又はエチレン基からなる二価の炭化水素基が好ましく、フェニレン基、ナフチレン基、メチレンフェニレンメチレン基がより好ましく、1,4−フェニレン基、メチレン―1,4−フェニレンメチレン基がさらに好ましい。Rにおける該炭化水素基以外の二価の炭化水素基としては、好ましくはアルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、さらに好ましくは1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基である。
上記式(II)におけるYおよびZは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子または−N(R)−を表し、Rは水素原子または置換されてもよい炭化水素基を表わし、すべてのYおよびZは同一でも異なっていてもよい。RはRと具体例および好ましい例は同じである。YおよびZとして、酸素原子および−N(R)−が好ましく、酸素原子がより好ましい。
上記式(II)におけるaは0または1であり、bは2以上の整数であり、cは0または1であり、dは0または1である。a、cおよびdについては、aが1、cが1およびdが1の組み合わせ、およびaが0、cが1およびdが0の組み合わせが好ましく、aが0、cが1およびdが0の組み合わせがより好ましい。bは2〜20の整数が好ましく、2〜18の整数がより好ましく、3〜15の整数がさらに好ましく、4〜12が特に好ましい。
上記一般式(I)で表わされる繰り返し単位の好ましい例としては、下記の単位が挙げられる。
Figure 0005004149

また、上記一般式(II)で表されるQの好ましい例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 0005004149
本発明の重合体の数平均分子量は、500〜1,000,000が好ましく、1,000〜100,000がより好ましく、1,000〜50,000がさらに好ましい。
本発明の重合体は、下記一般式(III)で表される繰り返し単位をもってよい。
Figure 0005004149
(式中、ArおよびXは、前記のArおよびXとそれぞれ同じ意味をもつ。)
上記一般式(I)で表される繰り返し単位に、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を含む場合、その比は目的の重合体の物性を損なわない範囲で適宜定められるが、上記一般式(I)で表される芳香族化合物が全繰り返し単位中、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは80モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上である。
本発明における上記一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有する芳香族重合体の製造方法として特に限定は無いが、好ましくはChem. Rev. 2002, 102, 1359.(以下、文献1という。)に記載されるようなアリール−アリール結合形成反応、非特許文献3に記載されるような酸化カップリング反応、Encycl. Polym. Sci. Tech., 3rd Ed. “Oxidative
Polymerization”, John Wiley & Sons, New York, 2004.(以下、文献2という。)および特許文献1に記載されるヘック反応を参考にして合成できる。好ましい参考とする製造方法の例を示すと、(1)Niを用いたカップリング重合(反応条件は文献1の1378〜1392頁参照)、(2)鈴木カップリング重合(反応条件は文献1の1409〜1435頁参照)、(3)酸化カップリング重合(反応条件は文献2参照)、(4)Heckカップリング重合(反応条件はAcc. Chem. Res. 1995, 28, 2.(以下、文献3という。))が挙げられる。
上記(1)〜(4)の反応スキームを以下に示した。
Figure 0005004149
(式中、Q、Ar,Arは前記と同じ定義である。XはOまたはNHである。m〜mは繰り返し単位数を表す。)
上記反応スキーム(1)(2)(4)に用いられるモノマーは、J. Am. Chem.
Soc. 1995, 117, 12593に記載される方法で同様に合成でき、また上記反応スキーム(3)に記載されるモノマーはJ. Am. Chem. Soc. 1985,107, 2703に記載される2−ヒドロキシ−1 , 3−キシリル−1 8−クラウン−5の合成法を参照して合成できる。
上記反応スキーム(1)の好ましい反応条件として、モノマー(a)を、ニッケル錯体存在下(より好ましくは、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケルと2,2’-ビピリジルを、モノマー(a)に対してそれぞれ2〜10倍モル量用いて)、有機溶媒中(より好ましくは、脱水テトラヒドロフランをモノマー(a)に対して1〜100倍重量を用いて)、不活性ガス(より好ましくは窒素ガス又はアルゴンガス)雰囲気下に、適当な反応温度(より好ましくは0〜70℃)で、適当な時間(より好ましくは1〜200時間)、反応することである。
上記反応スキーム(2)の好ましい反応条件として、モノマー(b)及び(c)を(より好ましくは等モル量用いて)、塩基(より好ましくは、アルカリ炭酸塩をモノマー(b)に対して1〜10倍モル量を用いて)およびパラジウム錯体存在下(より好ましくは、テトラキス(トリアリールホスフィン)パラジウムをモノマー(b)に対して0.001〜0.1倍モル量用いて)、有機溶媒中(より好ましくは、脱水テトラヒドロフランをモノマー(b)に対して1〜100倍重量及び水をモノマー(b)に対して1〜100倍重量用いて)、不活性ガス(より好ましくは窒素ガス又はアルゴンガス)雰囲気下に、適当な反応温度(より好ましくは0〜100℃)で、適当な時間(より好ましくは1〜200時間)で、反応することである。
上記スキーム(3)の好ましい反応条件としては、特許文献1に記載する条件である。
上記反応スキーム(4)の好ましい反応条件として、モノマー(e)及び(f)を(より好ましくは等モル量用いて)、パラジウム塩(より好ましくは、酢酸パラジウムをモノマー(e)に対して1〜10倍モル量を用いて)、ホスフィン化合物(より好ましくは、トリアリールホスフィンをモノマー(e)に対して2〜20倍モル量用いて)、アミン(より好ましくは、トリアルキルアミンをモノマー(e)に対して2〜20倍モル量用いて)の存在下に、有機溶媒中(より好ましくは、脱水N,N−ジメチルホルムアミドをモノマー(e)に対して1〜100倍重量用いて)、不活性ガス(より好ましくは窒素ガス又はアルゴンガス)雰囲気下に、適当な反応温度(より好ましくは0〜150℃)で、適当な時間(より好ましくは1〜200時間)で、反応することである。
本発明の芳香族重合体は、単独でも、また、他のポリマーおよび/または改質剤との組成物として用いることができる。組成物のポリマー成分として、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリルおよびそれらの共重合体等のポリオレフィン類;ポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)およびそれらの共重合体等のポリエーテル類;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ジナフタレート)、ポリ(4−オキシベンゾエート)、ポリ(2−オキシ−6−ナフタレート)及びそれらの共重合体等のポリエステル類;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド類;ポリカーボネート;ポリフェニレンサルファイド;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性ポリマーを挙げることができる。組成物の改質剤成分として、具体的には2,6−ジ−t−ブチルフェノール誘導体、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類等の安定剤;ポリハロゲン化物、リン酸エステル等の難燃剤;界面活性剤;流動改質剤を挙げることができる。
以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分析し、標準ポリスチレン換算値として測定した。重合体の構造分析はH−NMR(CDCl3又はCD2Cl2)を用いた。なお、2,5,8,11,14-ペンタオキサ[14](1,4)(2,5-ジブロモベンゼノ)-21,24,27,30,33-ペンタオキサ[14](1,4)シクロファン(1)は、J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 12593に記載される2,5,8,11,14-ペンタオキサ[14](1,4)(2,5-ヨードベンゼノ)-21,24,27,30,33-ペンタオキサ[14](1,4)シクロファン(1’)のヨウ素原子を臭素原子に置き換えたもので、前記文献に記載の方法と同様な方法で合成した。
Figure 0005004149
実施例1
試験管にビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(Ni(cod))150 mg(0.55 mmol)、2,2’-ビピリジル85 mg (0.55 mmol)、1,5-シクロオクタジエン67 ml (0.55 mmol)を入れ、系中を窒素ガスにて置換した後、脱水THF0.3 mlを加えしばらく攪拌する。別の試験管に前記のようにして調製した2,5,8,11,14-ペンタオキサ[14](1,4)(2,5-ジブロモベンゼノ)-21,24,27,30,33-ペンタオキサ[14](1,4)シクロファン(1)68 mg (0.094 mmol)を入れ、系中を窒素ガスで置換した後、攪拌しておいた先の溶液を加え、40時間還流温度にて加熱攪拌した。反応終了後、系中に1 M塩酸を加えて、塩化メチレンにて抽出を行った。油層は無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、真空乾燥したところ、Mw=135000、Mn=11000のポリマーを定量的に得た。さらに、メタノールに再沈殿を行い、遠心分離によって上澄みを取り除き、得られた沈殿は真空下にて乾燥をし、白色の粉末を得た。Mw=200000、Mn=78000のポリマーを6.8 mg (13%)の収率で得た。本ポリマーの構造はH−NMR(図1)より下記2であることが確認できた。
Figure 0005004149
実施例2
2,5,8,11,14-ペンタオキサ[14](1,4)(2,5-ジブロモベンゼノ)-21,24,27,30,33-ペンタオキサ[14](1,4)シクロファン(1)61 mg (0.085 mmol)とベンゼン-1,4-ビス(ボロン酸プロパンジオールジエステル)(3)21 mg(0.085 mmol)、炭酸セシウム140 mg(0.425 mmol)を試験管に入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを触媒量加え、系内を窒素ガスにて置換した。その後、乾燥THF0.3 mlと脱気を行った水0.3 mlを加え、80℃にて24時間加熱攪拌した。反応終了後、塩化メチレンで抽出し、油層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮をし、油層を真空乾燥したところ、Mw=6700、Mn=3800のポリマーを定量的に得た。さらに、そのポリマーをメタノールに再沈殿したところ、Mw=9500、Mn=6500のポリマーを43%の収率で得た。本ポリマーの構造はH−NMR(図2)より下記4であることが確認できた。
Figure 0005004149
実施例3
30 mlナス型フラスコに酢酸パラジウム22 mg(0.1 mmol)、トリ(o-トリル)ホスフィン)(POT)61 mg(0.2 mmol)を入れ、内部を窒素ガスにて置換した後、脱水DMF3 mlを加え溶解させる。また、2,5,8,11,14-ペンタオキサ[14](1,4)(2,5-ジブロモベンゼノ)-21,24,27,30,33-ペンタオキサ[14](1,4)シクロファン(1)53 mg(0.073 mmol)とp-ジビニルベンゼン(5)9.5 mg(0.073 mmol)を試験管に入れ、内部を窒素置換した後、先に用意しておいた溶液24 mlを加え、さらにトリ(n-ブチル)アミン 69 ml(0.29 mmol)を加えた後、100℃で加熱攪拌を行った。24時間の反応後、反応溶液は鮮やかな黄色に変化しており、系中に水を加えて塩化メチレンで抽出を行い、油層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、油層を減圧濃縮した。濃縮液をメタノールに再沈殿させたところ、Mw=21300、Mn=10500のポリマーを80%の収率で得た。本ポリマーの構造はH−NMR(図3)より下記6であることが確認できた。
Figure 0005004149
参考例1
実施例1で得られたポリマー2をアセトニトリルに溶解させ、過塩素酸バリウムを2のクラウンエーテルに対して14、48、240、1300、3600、12000当量添加し、350nm照射による発光スペクトルを測定した(図4)。バリウムイオンの添加量が増加するほど約400nmに観測される発光ピークの強度が減少した。
実施例1の原料1とポリマー2のH−NMR(CDCl)スペクトルである。 実施例2の原料1及び3とポリマー4のH−NMR(CDCl)スペクトルである。 実施例2の原料1及び5とポリマー6のH−NMR(CDCl)スペクトルである。 実施例1のポリマー2にBaイオンを添加した際の発光スペクトル変化(照射:350nm、横軸:nm)を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有する芳香族重合体。
    Figure 0005004149

    (式中、Arは置換されてもよい四価の芳香族炭化水素基を表し、Arは置換されてもよい二価の芳香族炭化水素基を表す。XおよびXはそれぞれ独立に単結合、酸素原子、硫黄原子、−NR−または−CR=CR−を表し、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または置換されてもよい炭化水素基であり、R〜Rは互いに同一でも異なっていてもよい。nは0または1である。Qは下式(II)で表される二官能性基を表す。)
    Figure 0005004149

    (式中、R〜Rは、置換されてもよい二価の炭化水素基を表し、すべてのR〜Rは同一でも異なっていてもよいが、Rの少なくとも一つは置換されてもよい二価の芳香環を含む炭化水素基である。YおよびZは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子または−N(R)−を表し、Rは水素原子または置換されてもよい炭化水素基を表わし、すべてのYおよびZは同一でも異なっていてもよい。aは0または1であり、bは2以上の整数であり、cは0または1であり、dは0または1である。)


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