JP5003934B2 - ガスケット - Google Patents
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Description
そこで下記特許文献1に記載のものは、ガスケットの内周面の全周に亘って窪み部を形成するとともに、この窪み部の開口縁部には全周に亘って径方向内方に突出する突起が一体に形成されたものが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1のように、ガスケットとして振動を吸収する突起が一体に形成されている場合、突起の弾性変形にズレが生じると、ガスケットのシール性にそのまま影響を及ぼすという問題がある。即ち、ゴム材等で一体形成された突起の弾性変形及びその復元弾力によってシール性を保持しようとすると、設計公差等の精度的なズレや振動等の動きによるズレの影響をガスケットが直接受け、突起が窪み部を介して軸線方向に弾性変形せず、2部材間のシール性が損なわれてしまうのである。よってこれを解消するため、ガスケットが取付けられる部位には、一定のシール幅を確保する必要が生じていた。
上記縮径部が挿通される透孔を備えた芯材と、該芯材の透孔内周縁部に沿ってゴム材の加硫接着により固着一体に形成されたシール部とよりなり、上記芯材は、上記透孔が形成された平円環部と、この平円環部に連成され、上記嵌合筒部を拘止するよう形成された拘止部とからなり、上記シール部は、上記平円環部の厚みより厚く形成されるとともに、上記嵌合筒部と上記取付凹部との間に介装されるビード部を有し、上記拘止部は、爪部材からなり、上記爪部材には、上記嵌合筒部側に凸状とした屈曲部が形成され、上記爪部材は、上記芯材の外周縁部に上記透孔と同心的に連成された円筒部に形成されていることを特徴とする。
よって、組付性、シール性及び装着性のよいガスケットとすることができる。
以下に説明する各実施例においては、一例として自動車等の燃料噴射装置の一部を構成するインジェクタのシール部位に、本発明のガスケットを介装させた場合について説明する。
図1は、第1の実施形態として、本発明のガスケットをインジェクタとボディとの間に介装させた状態を示す概略図、図2(a)は、図1におけるガスケットの全体斜視図、(b)は図1におけるガスケットの部分断面図である。
自動車エンジンの必要とする適切な混合気をキャブレータの代わりに供給する燃料噴射装置は、吸入空気量を電気的に検出し、エンジンの回転速度、各部温度等の情報をコンピュータ(コントロールユニット)に送り、もっとも適した燃料噴射量を計算して、インジェクタ1から燃料を正確に噴射するようになっており、具体的には、フューエルポンプ(不図示)によりインジェクタ1へ適正量の燃料を圧送し、コンピュータからの信号によりインテークマニホールド内に燃料を噴射するよう構成されている。
図中、1は各気筒のインテークマニホールド(不図示)等に取付けられ、適正量の燃料を噴射するインジェクタ、2は略円筒状でなるインジェクタ1のハウジング、3はインジェクタ1とボディ4との嵌合部位に介装されるガスケット、4はシリンダヘッド(不図示)へとつながるボディ、5はボディ4に設けられ、ガスケット3に装着されるインジェクタ1が取付けられる取付凹部、6はインジェクタ1によって噴射された燃料の噴射口である。
図1に示すように、ガスケット3は、インジェクタ1のハウジング2に形成されたガスケット取付部2bにシール部32が嵌合され、芯材31の拘止部31bがハウジング2の嵌合筒部2aに拘止するように組付けられる。
ここで図例のものは、拘止部31b(爪部材)が平円環部31aに3つ連成された例を示しているが、これに限定されず、拘止する嵌合筒部2aの大きさ等に応じて適宜設計される。
芯材2は、鋼板や樹脂等を成型したものが適宜採用される。
ここに示すガスケット3は、拘止部31bの形状は、図1、図2のものと同様であるが、シール部32の形状が異なるものである。
上下型7、8には、シール部32の形状に応じたキャビティーが形成されており、所定形状に成型された芯材31を下型8に配置し、上型7を設置した後、未加硫ゴムをキャビティー内に装填し、加圧し加熱して未加硫ゴムを硬化させる。これによって、芯材31にゴム材のシール部32が加硫接着され、固着一体とされたガスケット3を成型することができる。
またここに示すシール部32は、平円環部31aの透孔内周縁部に沿って平円環部31aの厚みより厚く、内方向に突出し、上下対称に形成されたビード部32aと、平円環部31aの透孔内周縁部の上下面にビード部32aから外方向に延出して形成された保持部32bとからなるものである。
シール部32をこのようなビード部32aを有した形状とすれば、嵌合されるインジェクタ1と取付凹部5との間に介装させた場合、上記ビード部32aが圧縮変形し、その復元弾力によってシール性が維持される。また保持部32bが、平円環部31aの透孔内周縁部の上下面に設けられたものとすれば、芯材31とシール部32とがより強固に固着一体とされたガスケット3とすることができる。
図4に示すガスケット3の拘止部31bは爪部材からなり、嵌合筒部2a側に凸状とした屈曲部31baが形成されるともに、嵌合筒部2aとは反対側に凸状とした屈曲部31bbが更に連成されている。即ち、該ガスケットは、1つの爪部材31bに、互いに相反する向きに凸状に屈曲した屈曲部31ba、31bbを備えており、嵌合筒部2aとは反対側に凸状とした屈曲部31bbは、インジェクタ1を取付凹部5に嵌合すると、取付凹部5の側面に弾性当接する状態となる。
尚、ここに示すシール部32は、保持部32bが平円環部31aの透孔内周縁部の下面側にのみ形成されたものを示しているが、これに限定されるものではなく、図3に示す形状のものも適用可能であることは言うまでもない。
図5(a)は、本実施形態のガスケットの全体斜視図、(b)は同ガスケットの部分断面図である。尚、第1の実施形態に共通する部分には同一の符号を付し、その説明は割愛する。
図5に示すガスケット3の芯材31には、芯材31の外周縁部に透孔3aと同心的に連成された円筒部31cが形成されており、拘止部31bが該円筒部31cに形成されている。拘止部31bは爪部材からなり、該爪部材31bには嵌合筒部2a側に凸状とした屈曲部31baが形成され、シール部32は、保持部32bが平円環部31aの透孔内周縁部の下面側にのみ形成されたものを示しているが、これに限定されるものではなく、図3に示す形状のものも適用可能であることは言うまでもない。
また図例のものは、拘止部31b(爪部材)が円筒部31cに3つ形成された例を示しているが、これに限定されず、拘止する嵌合筒部2aの大きさ等に応じて適宜設計される。
図6(a)は、本実施形態のガスケットの全体斜視図、(b)は同ガスケットの部分断面図である。尚、第1の実施形態に共通する部分には同一の符号を付し、その説明は割愛する。
図6に示すガスケット3の拘止部31bは、芯材31の外周縁部に透孔3aと同心的に連成された円筒部31cの内面に形成され、上記嵌合筒部2a側に凸状とした凸曲部31bcでなり、シール部32は、保持部32bが平円環部31aの透孔内周縁部の下面側にのみ形成されたものを示しているが、これに限定されるものではなく、図3に示す形状のものも適用可能であることは言うまでもない。
また図例のものは、凸曲部31bcが円筒部31cに3つ形成された例を示しているが、これに限定されず、拘止する嵌合筒部2aの大きさに応じて適宜設計される。
図7(a)(b)に示すガスケット3の拘止部31bは、芯材31の外周縁部に透孔3aと同心的に連成された円筒部31cに形成され、嵌合筒部2a側に凸状になるよう切り起こした切起し爪部31bdでなり、シール部32は、保持部32bが平円環部31aの透孔内周縁部の下面側にのみ形成されたものを示しているが、これに限定されるものではなく、図3に示す形状のものも適用可能であることは言うまでもない。
更に切起し爪部31bdは図例の形状に限らず、例えば切起し爪部を嵌合筒部2a側に凸状に折り曲げて、折曲部(不図示)を形成し、この折曲部で嵌合筒部2aに拘止するものとしてもよい。
2 ハウジング
2a 嵌合筒部
2b ガスケット取付部
3 ガスケット
3a 透孔
31 芯材
31a 平円環部
31b 拘止部(爪部材)
31ba、31bb 屈曲部
31bc 凸曲部
31bd 切起し爪部
31c 円筒部
32 シール部
4 ボディ
5 取付凹部
6 噴射口
Claims (2)
- 嵌合筒部とそれに嵌合される取付凹部との2部材間に介装され、上記嵌合筒部から縮径して形成された縮径部が上記取付凹部の底面に開口する口部に挿通された状態で、該2部材間をシールするガスケットであって、
上記縮径部が挿通される透孔を備えた芯材と、該芯材の透孔内周縁部に沿ってゴム材の加硫接着により固着一体に形成されたシール部とよりなり、上記芯材は、上記透孔が形成された平円環部と、この平円環部に連成され、上記嵌合筒部を拘止するよう形成された拘止部とからなり、
上記シール部は、上記平円環部の厚みより厚く形成されるとともに、上記嵌合筒部と上記取付凹部との間に介装されるビード部を有し、
上記拘止部は、爪部材からなり、
上記爪部材には、上記嵌合筒部側に凸状とした屈曲部が形成され、
上記爪部材は、上記芯材の外周縁部に上記透孔と同心的に連成された円筒部に形成されていることを特徴とするガスケット。 - 嵌合筒部とそれに嵌合される取付凹部との2部材間に介装され、上記嵌合筒部から縮径して形成された縮径部が上記取付凹部の底面に開口する口部に挿通された状態で、該2部材間をシールするガスケットであって、
上記縮径部が挿通される透孔を備えた芯材と、該芯材の透孔内周縁部に沿ってゴム材の加硫接着により固着一体に形成されたシール部とよりなり、上記芯材は、上記透孔が形成された平円環部と、この平円環部に連成され、上記嵌合筒部を拘止するよう形成された拘止部とからなり、
上記シール部は、上記平円環部の厚みより厚く形成されるとともに、上記嵌合筒部と上記取付凹部との間に介装されるビード部を有し、
上記拘止部は、上記嵌合筒部側に凸状とした凸曲部或いは切起し爪部からなり、上記芯材の外周縁部に上記透孔と同心的に連成された円筒部に形成されていることを特徴とするガスケット。
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