JP5003799B2 - 紙葉類繰出装置 - Google Patents
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図1は第1の実施例における紙葉類繰出装置の構成を示す側面図、図2は第1の実施例における分離部の構成を示す正面図である。
図1において、1は紙葉類繰出装置であり、装置内に集積した紙幣や伝票等の紙葉類Pを1枚ずつ分離して紙葉類搬送路へ繰出すものである。
3は繰出しローラであり、ステージ2の上方に配置され、ステージ2に集積された紙葉類Pを分離するためものである。この繰出しローラ3の外周面の一部には紙葉類Pを分離するために充分な摩擦力を有する摩擦部材が取り付けられ、回転させることにより当接した紙葉類Pを1枚ずつ分離することができる。
ここで、紙葉類集積部19とは、繰出しローラ3と最下降させたステージ2との間で形成される空間であり、図示しない壁で側面が形成されている。
5はリバースローラであり、フィードローラ4に対向し、圧接するように配置されたものである。このリバースローラ5は図示しないワンウェイクラッチを備え、図中反時計方向のみ回転可能に構成されたものである。
6は舌片アームであり、その一端がフィードローラ4およびリバースローラ5の近傍に設けられた支点7において回動自在に軸支され、他端は自由端となっている。その自由端部に回転軸8が設けられ、その回転軸8にはギア10が固着されているとともに、その回転軸8に固着された筒状に形成されたハブ部が設けられている。
回転軸8に固着されたギア10は回転軸12の固着されたギア11と噛合するように配置され、回転軸12の回転力を回転軸8に伝達する。したがって、図示しないモータ等の正逆両方向に回転可能な駆動手段により回転軸12を回転させることにより、回転軸8に固着された舌片9を正逆両方向に回転させることが可能である。
ここで、舌片9は、舌片機構部を分離準備動作位置に配置させ、回転軸8を回転させたとき舌片9の先端部が紙葉類集積部19の上部に集積された紙葉類Pの紙葉類集積部19の出口方向の端部に接触するに充分な長さを有するものとする。また、紙葉類集積部19の側面を形成する側面壁には舌片9の先端部が紙葉類Pに接触するに充分な開口部20が設けられているものとする。さらに、舌片機構部を退避位置に配置させたとき舌片9は、紙葉類集積部19に集積された紙葉類Pに接触することなく繰出しローラ3による分離動作およびフィードローラ4ならびにリバースローラ5による繰出しの動作を妨げることがないものとする。
図2において、15はフィードローラ回転軸であり、フィードローラ4が固着されたものである。このフィードローラ回転軸15は図示しないモータ等の駆動手段により回転可能に構成されている。
上述した構成の作用について説明する。
図3は第1の実施例における分離準備動作を示すフローチャートであり、図中Sで表すステップにしたがって説明する。
S2a:紙葉類Pの上面が繰出しローラ3に当接すると制御部はステージ2の上昇を停止させ、図示しない機構により舌片機構部を分離準備動作位置に配置させる。
舌片9を回転させると図4(b)に示すようにその舌片9の先端部は紙葉類集積部19に集積された紙葉類Pのフィードローラ4およびリバースローラ5が配置された紙幣集積部19の出口側の端部に当接する。この舌片9の先端部が紙葉類Pの端部に当接することにより、その端部がさばかれ、密着した紙葉類Pと紙葉類Pとの間に間隙を形成させる。
S5a:舌片9の回転を停止させると制御部は図示しない機構により舌片機構部を図4(c)に示すように退避位置に配置させる。
S6a:舌片機構部を退避位置に配置させると制御部は繰出しローラ3を図4(d)に示すように矢印Aの方向、すなわち、反時計方向に回転させ、また、フィードローラ4も反時計方向に回転させ、紙葉類Pの分離動作および繰出し動作を開始する。
なお、紙葉類繰出し装置1はステージ2上に集積された紙葉類Pを分離および繰出す動作を行うものに限られることなく、紙葉類搬送路から搬送された紙葉類をフィードローラ4、リバースローラ5および舌片9を所定の方向に回転させステージ2上に集積することが可能なものであってもよい。
以上説明したように、第1の実施例では、紙葉類集積部に集積された紙葉類Pを分離する前に舌片9を回転させ、その先端部を紙葉類Pに当接させて密着した紙葉類Pの間に間隙を形成することにより、官封券のように密着して重なった状態の紙葉類を1枚ずつ分離して繰出す場合であっても完全な分離を得ることができるという効果が得られる。
第2の実施例の構成は第1の実施例の構成と同様なので同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施例の構成の作用について説明する。
なお、以下に説明する各部位の動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)や制御用の情報に基づいて図示しない中央処理装置等の制御部により制御される。
S1b〜S6b:S1a〜S6aと同様なのでその説明を省略する。
S7b:紙葉類Pの分離動作および繰出し動作を開始するとその動作が正常に行われているか図示しないセンサ等の異常検出手段により監視される。ここで、異常検出手段により検出される異常とは、紙葉類Pの詰まり、紙葉類Pが一部重なって分離する重走や複数の紙葉類Pが連なってしまう連鎖等である。
S9b:繰出しローラ3およびフィードローラ4の回転を停止させると制御部は図6(b)の矢印Bが示すようにステージ2を下降させる。ステージ2を下降させることによりステージ2に集積された紙葉類Pと繰出しローラ3の間に異常が検知された紙葉類Pを戻す空間を形成する。
S11b:舌片機構部を分離準備動作位置に配置させると制御部は図6(c)に示すようにフィードローラ4を図中時計方向に、リバースローラ5を図中反時計方向に回転させ、さらに、舌片9を図中反時計方向に回転させて図中矢印Cが示すように異常の原因となった紙葉類Pをステージ2に集積された紙葉類Pと繰出しローラ3の間の空間に戻す。このとき、舌片9の先端部が紙葉類Pの端部に当接することにより、紙葉類搬送路上の紙葉類Pは押し戻されるとともに、押し戻された紙葉類Pは叩き落とされ、ステージ2に集積された紙葉類Pの上にさらに集積される。
S12b:フィードローラ4、リバースローラ5および舌片9の回転を停止させると制御部は図示しない機構により舌片機構部を退避位置に配置させ、処理をS1bへ移行させて図6(d)の矢印Cの示す方向にステージ2を上昇させ、分離準備動作および分離動作ならびに繰出し動作を再度行う。
このようにして分離動作および繰出し動作において異常を検知した後も、再度の分離動作および繰出し動作を行う前に分離準備動作を行う。
なお、本実施例ではS7bにおいて、異常検出手段により分離動作および繰出し動作に異常が発生したことを検知するようにしたが、分離した紙葉類Pを計数する計数手段を設け、記憶部に記憶した所定の枚数の紙葉類Pを分離したことを検知するようにしてもよい。
したがって、S7bにおいて、分離準備動作を行うことにより密着した紙葉類Pと紙葉類Pとの間に間隙を形成させることができる紙葉類Pの枚数が、例えば、100枚とすると、その枚数の紙葉類Pの分離が終了したことを検知した場合、S8bからS12bの処理を行い、そして、S1bからS6bの処理を行うことにより、まだ分離準備動作が行われていない密着した紙葉類Pと紙葉類Pとの間に間隙を形成させ、分離動作を開始することができる。
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、紙葉類Pの分離動作および繰出し動作において異常を検知した場合、または、所定の枚数の紙葉類Pを分離したことを検知した場合、分離準備動作を行った後に、再度、分離動作および繰出し動作を行うようにしたため、分離動作および繰出し動作における異常を低減させることができ、装置の休止率を低減させることができるという効果が得られる。
第1の実施例および第2の実施例における紙葉類繰出装置は紙葉類を分離する部位と集積する部位が同一の位置に存在する構成であったが、第3の実施例における紙葉類繰出装置は紙葉類を集積する部位と分離する部位の位置が異なる構成のものである。
図7は第3の実施例における紙葉類繰出装置の構成を示す側面図である。
この紙葉類繰出装置30はその上部に集積機構およびその下部に分離機構を配置するものである。
41はプレス板であり、ステージ40上に集積された紙葉類Pの上面を押圧するものである。このプレス板41は図示しない駆動部および機構により昇降可能に構成されたものであり、ステージ40を上昇させて集積部31を形成した場合、プレス板41はその集積部31の最上部に上昇させ紙葉類Pを集積する空間を形成する。また、ステージ40を下降させて分離部32を形成した場合、プレス板41を下降させてステージ40上に集積した紙葉類Pを下方に押圧する。
43は搬送ローラであり、集積領域42の入口の上部および下部に配置されたものである。この搬送ローラ43が図示しない駆動手段により回転させられることにより、紙葉類搬送路45を搬送された紙葉類Pを挟持し集積領域42へ搬送し、集積させる。
49は分離領域であり、ステージ40を分離部32の底部に配置させたときステージ40とプレス板41との間に形成される空間である。
ステージ40には貫通孔が設けられ、ステージ40を下降させることにより貫通孔から突出した繰出しローラ50に紙葉類Pを当接させ、その繰出しローラ3を図中時計方向に回転させて紙葉類Pを1枚ずつ分離し、分離領域49の出口へ送り出す。
52はリバースローラであり、フィードローラ51に対向し、圧接するように配置されたものである。このリバースローラ52は図示しないワンウェイクラッチを備え、図中時計方向のみ回転可能に構成されたものである。
53および54は搬送ガイドであり、フィードローラ51およびリバースローラ52により繰出された紙葉類Pを案内する紙葉類搬送路55を形成するものである。
搬送ガイド53は形成した紙葉類搬送路55と繰出しローラ3の近傍とを結び、また、搬送ガイド54は形成した紙葉類搬送路55と側面壁56とを結んでいる。
図8は第3の実施例におけるステージの要部を示す上面図である。
上述した構成の作用について説明する。
図9は第3の実施例における分離準備動作を示す説明図である。
なお、以下に説明する各部位の動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)や制御用の情報に基づいて図示しない中央処理装置等の制御部により制御される。
ステージ40上に紙葉類Pを集積させる動作が完了すると制御部はプレス板41で集積した紙葉類Pを押圧させる。
制御部は集積部31を形成する所定の位置にあるステージ40を図中矢印Fが示す方向に下降させて分離部32を形成する所定の位置へ移動させる。このとき、ステージ40上に集積された紙葉類Pの分離口側の端部は突出部60に当接してさばかれ、密着した紙葉類Pと紙葉類Pとの間に間隙を形成させる。
以上説明したように、第3の実施例では、紙葉類を集積する部位と分離する部位の位置が異なる紙葉類繰出装置であっても、突出部を分離する前のステージ上に集積された紙葉類Pに当接させて密着した紙葉類Pの間に間隙を形成することにより、官封券のように密着して重なった状態の紙葉類を1枚ずつ分離して繰出す場合であっても完全な分離を得ることができるという効果が得られる。
2 ステージ
3 繰出しローラ
4 フィードローラ
5 リバースローラ
6 舌片アーム
8、12 回転軸
9 舌片
13 搬送ガイド
15 フィードローラ回転軸
18 リバースローラ回転軸
10、11、16、17 ギア
19 紙葉類集積部
20 開口部
30 紙葉類繰出装置
31 集積部
32 分離部
40 ステージ
41 プレス板
42 集積領域
43 搬送ローラ
44 舌片
49 分離領域
50 繰出しローラ
51 フィードローラ
52 リバースローラ
53、54 搬送ガイド
45、55 紙葉類搬送路
56 側面壁
60 突出部
61 凹部
Claims (8)
- 紙葉類を集積させて紙葉類集積部内を昇降可能なステージと、そのステージ上に集積された紙葉類を分離する分離機構とを備え、その分離機構で紙葉類を1枚ずつ分離して紙葉類集積部の出口へ搬送する紙葉類繰出装置において、
紙葉類集積部の出口の近傍に、駆動手段により回転する回転軸に弾性材料を固着させた舌片と、
紙葉類集積部の出口側の側面壁に該舌片を突出させる開口部と、
ステージ上に集積された紙葉類の分離動作を開始する前に、回転させた前記舌片を前記ステージ上に集積された紙葉類の端部に当接させて前記紙葉類の端部を捌くとともに、紙葉類集積部に搬送される紙葉類を集積するとき、前記舌片を反対方向に回転させて前記舌片で搬送された紙葉類の後端部を押し出す制御部とを設けたことを特徴とする紙葉類繰出装置。 - 請求項1の紙葉類繰出装置において、
一端が回動可能に軸支され、自由端である他端に前記舌片を有する舌片アームを設け、
前記分離機構で紙葉類を分離するとき、前記舌片アームを回動させて前記舌片をステージ上の紙葉類に当接させないようにしたことを特徴とする紙葉類繰出装置。 - 請求項1または請求項2の紙葉類繰出装置において、
前記舌片を、前記分離機構で紙葉類を分離する前に一定時間回転させるようにしたことを特徴とする紙葉類繰出装置。 - 請求項1、請求項2または請求項3の紙葉類繰出装置において、
前記分離機構で行う分離動作の異常を検知する異常検知手段を設け、
前記異常検知手段で異常を検知したとき、分離機構を構成するモータを停止させ、さらに、該モータを逆転させて紙葉類集積部の出口に残留した紙葉類を前記ステージ上に戻し、回転させた舌片を前記ステージ上の紙葉類の端部に当接させるようにしたことを特徴とする紙葉類繰出装置。 - 請求項1、請求項2または請求項3の紙葉類繰出装置において、
前記分離機構で行う分離動作により分離された紙葉類の枚数を計数する計数手段を設け、
前記計数手段で予め記憶部に記憶された枚数の紙葉類を分離したことを検知したとき、分離機構を構成するモータを停止させ、さらに、該モータを逆転させて紙葉類集積部の出口に残留した紙葉類を前記ステージ上に戻し、回転させた舌片を前記ステージ上の紙葉類の端部に当接させるようにしたことを特徴とする紙葉類繰出装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の紙葉類繰出装置において、
前記分離機構は、ステージ上に集積された紙葉類を分離する繰出しローラを備え、
前記制御部は、前記繰出しローラを停止した状態で前記舌片を回転させることを特徴とする紙葉類繰出装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の紙葉類繰出装置において、
前記制御部は、ステージ上に集積された紙葉類の分離動作を開始する前に、ステージ上に集積された紙葉類を前記分離機構に当接させて停止した状態で、回転させた前記舌片をステージ上に集積された紙葉類の端部に当接させて前記紙葉類の端部を捌くことを特徴とする紙葉類繰出装置。 - 紙葉類を集積させて紙葉類集積部内を昇降可能なステージと、そのステージ上に集積された紙葉類を分離する分離機構とを備え、その分離機構で紙葉類を1枚ずつ分離して紙葉類集積部の出口へ搬送する紙葉類繰出装置において、
紙葉類集積部の出口の近傍に、駆動手段により回転する回転軸に弾性材料を固着させた舌片と、
紙葉類集積部の出口側の側面壁に該舌片を突出させる開口部と、
前記分離機構で行う分離動作により分離された紙葉類の枚数を計数する計数手段とを設け、
前記計数手段で予め記憶部に記憶された枚数の紙葉類を分離したことを検知したとき、分離機構を構成するモータを停止させ、さらに、該モータを逆転させて紙葉類集積部の出口に残留した紙葉類を前記ステージ上に戻し、回転させた舌片を前記ステージ上の紙葉類の端部に当接させるようにしたことを特徴とする紙葉類繰出装置。
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