JP5001488B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
[技術分野]
本発明は、半導体装置に関し、特に、各種のセンサと組み合わせて使用される温度補償機能付きの集積回路(以下、ICという)、およびセンサとその温度補償機能付きのICとを組み合わせたセンサICに関するものである。
【0002】
[背景技術]
従来、センサと信号処理用のICとを組み合わせたセンサICは、様々な分野で利用されている。
特に、センサの出力信号に応じてオン・オフする機能を有するセンサICとしては、磁気検知用のものが知られている。例えば、パーソナルコンピュータのCPUの冷却用ファンの回転検知などに磁気センサICが利用されている。
【0003】
ところで、センサからの出力信号(電気信号)を増幅演算し、規定の感度で出力をオン・オフするような機能を持つようなICの場合、通常、センサからの出力が温度によって変化するため、温度によらずに常に規定の感度でICの出力をオン・オフさせる何らかの温度補償回路が必要になる。この温度補償として、従来、センサからの出力信号の温度特性に応じて、その出力信号の増幅度、またはセンサに与える電圧や電流の量を変化する手法が知られている。
【0004】
例えば、特開昭57−197883号公報に記載の発明は、温度に対して単調に増加する電圧をセンサに与え、この電圧によりセンサを駆動することにより温度補償を行うようにしたものである。しかし、センサによっては、駆動に必要な電圧を非常に高くする必要があり、消費電力の増大を招いたり、または発熱が大きくなったりして高温になればなるほどその動作に不安があった。
【0005】
また、特公平3−51118号公報に記載の発明が知られている。この発明は、ホール電圧を発生するホール素子(センサ)、そのホール素子を通して流れる電流に関連する基準電圧を発生する基準電圧発生手段、そのホール電圧と基準電圧との相対的な大きさに依存した出力信号を発生する比較手段などを備え、感度が流れる電流の関数である各種のセンサの温度補償ができるものである。
【0006】
このように特公平3−51118号公報に記載の発明は、感度が流れる電流の関数であるセンサに用いた場合には適用できるが、感度と流れる電流が相関を持たないようなセンサでは使用できない。また、温度補償回路に汎用性がないので、他のセンサと組み合わせて使用する等の応用性が低い。
さらに、センサを同じようにして作った場合でも、同じ感度のときに同じ電流が流れるとは限らない。逆にいえば、同じ電流が流れているからといって同じ感度を示すとは限らない。従って、センサの特性のばらつきが大きい場合には、電流をモニタすることが逆効果になることがあり得る。
【0007】
ところで、広く使用されているバルクシリコン上に形成された温度補償回路は、125°C以上の高温下では、PN接合面でのリーク電流が急激に増加し、温度補償に問題があった。特に、150°C以上の高温下では、温度補償が実現不可能であった。
一方、高温用ICの技術として、増幅演算回路をSOI(シリコン・オン・インシュレータ)基板などの絶縁性下地の上の半導体層に形成する手法が知られている。この手法によれば、PN接合面積が低減でき、高温域でのリーク電流の低減やラッチアップの防止が可能であり、より高温での動作が可能なことが一般に知られている。このため、従来方式による温度補償回路を、SOI基板上の半導体層に形成すれば、高温下において動作の多少の改善は期待できる。
【0008】
しかし、従来方式の温度補償回路をSOI基板上の半導体層に形成した場合には、高温下における温度補償の高精度と信頼性を実現することが難しい上に、高温下では消費電力に基づく発熱による耐久性の低下が問題となる。
これを解決するためには、センサからの微小信号を正確に増幅できる上に、高温下でも駆動電圧が低く消費電力の小さい高精度の温度補償ができることが求められるが、これらの条件を満たすセンサICを実現するのは容易ではない。
【0009】
従って、センサと温度補償機能付きICとを組み合わせたセンサICにおいて、200°C以上の高温下で高精度かつ安定に動作するものは実現されていない上に、そのための温度補償機能付きICも実現されておらず、その実現が望まれていた。
また、従来、歯車の回転を検知するものとして、シリコンモノリシックでCMOS回路を使用したセンサICが知られている。しかし、そのセンサICでは、実用上の上限温度が150℃であり、その上限温度が200℃以上のものが望まれていた。
【0010】
そこで、本発明は、上記のような背景の下になされたものであり、その第1の目的は、各種のセンサと組み合わせて使用でき、そのセンサからの出力信号に対して、高温下でも高精度かつ信頼性の高い温度補償を行うことができる温度補償機能付きICとしての半導体装置(以下、センサIC用ICという)を提供することにある。
本発明の第2の目的は、高温下において高精度かつ安定に動作する信頼性の高いセンサICとしての半導体装置(以下、センサICという)を提供することにある。
【0011】
[発明の開示]
本発明は、センサからのセンサ出力信号を入力し、このセンサ出力信号を温度依存性のない所要の増幅率で増幅するとともにオフセットを打ち消すようにした増幅手段と、前記センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数で変化する基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさを前記基準信号発生手段からの基準信号の大きさと比較し、この比較結果に応じて所要の信号を出力する比較手段と、前記センサに対して供給すべき温度依存性のない定電圧を生成する定電圧生成手段とを備え、前記増幅手段は、前記センサ出力信号が入力される第1、第2、および第3のオペアンプと、前記第1、第2、および第3のオペアンプの各オフセット電圧を打ち消すオフセット補償信号を所定の周期毎に前記第1のオペアンプから生成させ、当該オフセット補償信号を前記第1、第2、および第3のオペアンプの各オフセット補償用端子に供給して保持させ前記オフセット電圧を打ち消すオフセット補償手段と、前記第2のオペアンプの出力端子と反転入力端子との間に接続される第1の抵抗、および前記第1の抵抗と同じ温度係数を有し、前記第3のオペアンプの出力端子と前記第2のオペアンプの反転入力端子と間に接続される第2の抵抗とを含み、前記基準信号発生手段は、温度依存性のない定電圧を発生する定電圧源と、絶対温度に比例するとともに基準抵抗の大きさに反比例する定電流を発生する定電流源とを少なくとも備え、前記定電圧源の発生する定電圧と、前記定電流源の発生する定電流に基づいて、絶対温度に対して1次関数的に変化する2つの基準電圧を発生し、かつ、前記増幅手段、前記基準信号発生手段、前記比較手段、および前記定電圧生成手段は絶縁性基板上に設けられた半導体層を用いて形成させたことを特徴とする半導体装置(センサIC用IC)を提供する。
【0012】
ここで、上記の「同じ温度係数」とは、同一の温度係数の場合のみならず、ほぼ同一の温度係数の場合も含む概念であり、その誤差範囲の許容値は半導体装置(センサIC)の精度に依存する。
本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記半導体層は、シリコン薄膜であることを特徴とするセンサIC用ICが挙げられる。
【0013】
また、本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記シリコン薄膜の厚さが、30nm以上1000nm以下であることを特徴とするセンサIC用ICが挙げられる。
このように本発明のセンサIC用ICによれば、増幅手段は、センサのセンサ出力信号を入力し、このセンサ出力信号を温度依存性のない所要の増幅率で増幅するとともにオフセットを打ち消すように動作し、センサの出力信号を正確に増幅できるようにした。
【0014】
また、基準信号発生手段は、センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数で変化する基準信号を発生し、この信号が、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用し、センサの出力信号が温度の影響により変化しても、その影響を打ち消すことができるようにした。
さらに、増幅手段、基準信号発生手段、比較手段、および定電圧生成手段は、絶縁性基板上に設けられた半導体層を用いて形成され、その半導体層は好ましくはシリコン薄膜とし、高温域においてリーク電流が低減できる上にラッチアップの防止が図れる構造とした。
【0015】
このため、本発明のセンサIC用ICでは、各種のセンサのうちその出力の大きさが基準信号発生手段の発生する基準信号の温度係数と同じ温度係数で変化するものであるときには、そのセンサと組み合わせて使用することができ、この場合には、センサの出力について低温から高温(例えば−40℃から200℃以上)にかけての広い温度範囲に亘って高精度の温度補償が実現でき、もって高温下でも高精度かつ高信頼性の動作が実現できる。
【0016】
また、本発明のセンサIC用ICは、センサと組み合わせたセンサICを構成する場合に、センサの温度特性に合わせて基準信号発生手段の構成要素を変更するだけで実現できるので、各種のセンサと組み合わせることができ、もって応用範囲が広い。
本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記基準信号発生手段は、前記センサのセンサ出力信号の温度係数を予め測定しておき、それと同じ温度係数を持つ基準信号を発生するようになっていることを特徴とするセンサIC用ICが挙げられる。
【0017】
この実施態様によれば、基準信号発生手段は、センサのセンサ出力信号の温度係数を予め測定しておき、それと同じ温度係数を持つ基準信号を発生し、この信号が、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用されるようになっているので、センサと組み合わせてセンサICを構成する場合にその比較の精度が向上する。
【0018】
また、センサは製造組み立てにおいて、特性別に厳密に選別でき、基準信号発生手段は選別したセンサの特性に合わせた基準信号を発生できるので、センサと組み合わせて希望の仕様のセンサICを容易に実現できる。
本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記基準信号発生手段は、前記センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数を持ち、かつ、絶対温度に対して1次関数的に変化する基準信号を発生することを特徴とするセンサIC用ICが挙げられる。
【0019】
この実施態様によれば、基準信号発生手段が、センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数を持ち、かつ、絶対温度に対して1次関数的に変化する基準信号を発生し、この信号が、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用される。
このため、この実施態様では、各種のセンサのうちその出力の大きさが絶対温度に対してその大きさが1次関数的に変化するときには、そのセンサに応じた絶対温度の1次関数で与えられる基準信号を発生することによって、そのセンサと組み合わせて使用することができ、この場合には、センサの出力について低温から高温にかけての広い温度範囲に亘って高精度の温度補償が実現でき、もって高温下でも高精度かつ高信頼性の動作が実現できる。また、たとえ広い温度領域で1次関数的でなくとも、近似的にその出力が1次関数と見なせる温度域では、その温度領域で高精度の動作が実現できる。
【0020】
本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記増幅手段は、複数のオペアンプからなり、前記センサ出力信号を温度依存性のない増幅率で増幅する信号増幅手段と、前記複数のオペアンプの各オフセットの補償を所定の周期毎に行うオフセット補償手段と、からなること特徴とするセンサIC用センサが挙げられる。
本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記オペアンプは、前記センサ出力信号を差動増幅する差動増幅部と、この差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すオフセット補償部とからなり、前記オフセット補償部は、前記差動増幅部のオフセット電圧に応じたオフセット補償信号を所定の周期毎に受け取り、このオフセット補償信号に基づいて前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すようにしたことを特徴とするセンサIC用ICが挙げられる。
【0021】
本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記オフセット補償部は、さらに前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消す電圧を保持するコンデンサを備え、このコンデンサに前記差動増幅部のオフセット電圧に応じた電圧を周期的に保持させ、前記オフセット補償部は、前記保持電圧に基づいて前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すようにしたことを特徴とするセンサIC用ICが挙げられる。
【0022】
本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記比較手段は、前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさを2つの基準電圧の大きさと比較し、この比較結果に応じて出力がオン・オフすることを特徴とするセンサIC用ICが挙げられる。
本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記比較手段は、前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさの基準電圧に対する割合を演算し、その割合に応じたデジタル信号を出力するようになっていることを特徴とするセンサIC用ICが挙げられる。
【0023】
本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記基準信号発生手段は、温度依存性のない定電圧を発生する定電圧源と、絶対温度に比例するとともに基準抵抗の大きさに反比例する定電流を発生する定電流源とを少なくとも備え、前記定電圧源の発生する定電圧と、前記定電流源の発生する定電流に基づいて、絶対温度に対して1次関数的に変化する2つの基準電圧を発生することを特徴とするセンサIC用ICが挙げられる。
【0024】
本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記基準信号発生手段は、絶対温度に比例するとともに基準抵抗の大きさに反比例する定電流を発生する第1定電流源と、この第1定電流源と直列に接続され、電圧・電流変換用抵抗に温度依存性のない定電圧を印加させて定電流を発生する第2定電流源と、前記第2定電流源の電流と前記第1定電流源の電流との差の定数倍の電流からなる定電流を発生させる第3定電流源と、この第3定電流源に直列に接続され、前記第3定電流源からの定電流を流す上限基準電圧発生用抵抗および下限基準電圧発生用抵抗とからなり、前記上限基準電圧発生用抵抗および下限基準電圧発生用抵抗に発生する2つの電位のうちの1つの電位または2つの電位を基準電位として取り出すようにしたことを特徴とするセンサIC用ICが挙げられる。
【0025】
本発明のセンサIC用ICの実施態様として、前記基準抵抗、前記電圧・電流変換用抵抗、前記上限基準電圧発生用抵抗、および前記下限基準電圧発生用抵抗は、同一の温度係数を持つことを特徴とするセンサIC用ICが挙げられる。
一方、本発明は、測定物理量を電気信号に変換して出力し、その出力信号が固有の温度係数を持つセンサと、このセンサのセンサ出力信号を入力し、このセンサ出力信号を温度依存性のない所要の増幅率で増幅するとともにオフセットを打ち消すようにした増幅手段と、前記センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数で変化する基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさを前記基準信号発生手段からの基準信号の大きさと比較し、この比較結果に応じて所要の信号を出力する比較手段と、前記センサに対して供給する温度依存性のない定電圧を生成する定電圧生成手段とを備え、前記増幅手段は、前記センサ出力信号が入力される第1、第2、および第3のオペアンプと、前記第1、第2、および第3のオペアンプの各オフセット電圧を打ち消すオフセット補償信号を所定の周期毎に前記第1のオペアンプから生成させ、当該オフセット補償信号を前記第1、第2、および第3のオペアンプの各オフセット補償用端子に供給して保持させ前記オフセット電圧を打ち消すオフセット補償手段と、前記第2のオペアンプの出力端子と反転入力端子との間に接続される第1の抵抗、および前記第1の抵抗と同じ温度係数を有し、前記第3のオペアンプの出力端子と前記第2のオペアンプの反転入力端子と間に接続される第2の抵抗とを含み、前記基準信号発生手段は、温度依存性のない定電圧を発生する定電圧源と、絶対温度に比例するとともに基準抵抗の大きさに反比例する定電流を発生する定電流源とを少なくとも備え、前記定電圧源の発生する定電圧と、前記定電流源の発生する定電流に基づいて、絶対温度に対して1次関数的に変化する2つの基準電圧を発生し、かつ、前記増幅手段、前記基準信号発生手段、前記比較手段、および前記定電圧生成手段は、絶縁性基板上に設けられた半導体層を用いて形成させたことを特徴とする半導体装置(センサIC)を提供する。
【0026】
本発明のセンサICの実施態様として、前記半導体層は、シリコン薄膜であることを特徴とするセンサICが挙げられる。
また、本発明のセンサICの実施態様として、前記シリコン薄膜の厚さが、30nm以上1000nm以下であることを特徴とするセンサICが挙げられる。
このように本発明のセンサICによれば、増幅手段は、センサのセンサ出力信号を入力し、このセンサ出力信号を温度依存性のない所要の増幅率で増幅するとともにオフセットを打ち消すように動作し、センサの出力信号を正確に増幅できるようにした。
【0027】
また、基準信号発生手段は、センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数で変化する基準信号を発生し、この信号が、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用し、センサの出力信号が温度の影響により変化しても、その影響を打ち消すことができるようにした。
さらに、増幅手段、基準信号発生手段、比較手段、および定電圧生成手段は、絶縁性基板上に設けられた半導体層を用いて形成され、その半導体層は好ましくはシリコン薄膜とし、高温域において基板へのリーク電流が低減できる上にラッチアップの防止が図れる構造とした。
このため、本発明のセンサICでは、センサの出力について低温から高温(例えば−40℃から200℃以上)にかけての広い温度範囲に亘って高精度の温度補償が実現でき、もって高温下でも高精度かつ高信頼性の動作が実現できる。
【0028】
このように本発明のセンサICでは、基準信号発生手段が、センサのセンサ出力信号の大きさの温度係数と同じ温度係数で変化する基準信号を発生し、この信号は、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用される。さらに、増幅手段は、センサからのセンサ出力信号を温度依存性のない所要の増幅率で増幅するとともにオフセットを打ち消すように動作する。このため、この発明のセンサICでは、センサの出力について低温から高温にかけての広い温度範囲に亘って高精度の温度補償が実現でき、もって高温下でも高精度かつ高信頼性の動作が実現できる。 本発明のセンサICの実施態様として、前記センサは、センサ出力信号が固有の温度係数を持ち、そのセンサ出力信号が絶対温度の1次関数で与えられることを特徴とするセンサICが挙げられる。
【0029】
本発明のセンサICの実施態様として、前記センサは、磁気センサであることを特徴とするセンサICが挙げられる。
本発明のセンサICの実施態様として、前記磁気センサが、ホール素子であることを特徴とするセンサICが挙げられる。
本発明のセンサICの実施態様として、前記ホール素子は、その感磁部がGaAsにより構成されていることを特徴とするセンサICが挙げられる。
【0030】
この実施態様にかかる発明は、発明者らがGaAsの抵抗値が温度に対して増加するという特性に着目し、その特性を積極的かつ効果的に利用するために鋭意研究を重ねて発明を完成するに至ったものである。
従って、この発明は、ホール素子の感磁部に温度に対してその抵抗値が増加するGaAsを採用したので、温度の増加に伴って感磁部の電流を減少させて電源電流を減少させることができる。このため、センサICは、高温になるに従って消費電力が減少する上にその電流の消費による温度の上昇が抑制され、高温でも安定に動作することができる。
【0031】
本発明のセンサICの実施態様として、前記基準信号発生手段は、前記センサのセンサ出力信号の温度係数を予め測定しておき、それと同じ温度係数を持つ基準信号を発生するようになっていることを特徴とするセンサICが挙げられる。
この実施態様によれば、基準信号発生手段は、センサのセンサ出力信号の温度係数を予め測定しておき、それと同じ温度係数を持つ基準信号を発生し、この信号が、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用されるようになっているので、その比較の精度が向上する。
【0032】
また、センサは製造組み立てにおいて、特性別に厳密に選別でき、基準信号発生手段は選別したセンサの特性に合わせた基準信号を発生できるので、センサと組み合わせて希望の仕様のセンサICを容易に実現できる。
本発明のセンサICの実施態様として、前記基準信号発生手段は、前記センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数を持ち、かつ、絶対温度に対して1次関数的に変化する基準信号を発生することを特徴とするセンサICが挙げられる。
【0033】
この実施態様によれば、基準信号発生手段が、センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数を持ち、かつ、絶対温度に対して1次関数的に変化する基準信号を発生し、この信号が、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用するようにし、センサの出力信号が温度の影響により変化しても、その影響を打ち消すことができるようにした。
【0034】
このため、センサの出力について低温から高温にかけての広い温度範囲に亘って高精度の温度補償が実現でき、もって高温下でも高精度かつ高信頼性の動作が実現できる。また、たとえ広い温度領域で1次関数的でなくとも、近似的にその出力が1次関数と見なせる温度域では、その温度領域で高精度の動作が実現できる。
【0035】
本発明のセンサICの実施態様として、前記増幅手段は、複数のオペアンプからなり、前記センサ出力信号を温度依存性のない増幅率で増幅する信号増幅手段と、前記複数のオペアンプの各オフセットの補償を所定の周期毎に行うオフセット補償手段と、からなることを特徴とするセンサICが挙げられる。
本発明のセンサICの実施態様として、前記オペアンプは、前記センサ出力信号を差動増幅する差動増幅部と、この差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すオフセット補償部とからなり、前記オフセット補償部は、前記差動増幅部のオフセット電圧に応じたオフセット補償信号を所定の周期毎に受け取り、このオフセット補償信号に基づいて前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すようにしたことを特徴とするセンサICが挙げられる。
【0036】
本発明のセンサICの実施態様として、前記オフセット補償部は、さらに前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消す電圧を保持するコンデンサを備え、このコンデンサに前記差動増幅部のオフセット電圧に応じた電圧を周期的に保持させ、前記オフセット補償部は、前記保持電圧に基づいて前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すようにしたことを特徴とするセンサICが挙げられる。
【0037】
本発明のセンサICの実施態様として、前記比較手段は、前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさを2つの基準電圧の大きさと比較し、この比較結果に応じて出力がオン・オフすることを特徴とするセンサICが挙げられる。
本発明のセンサICの実施態様として、前記比較手段は、前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさの基準電圧に対する割合を演算し、その割合に応じたデジタル信号を出力するようになっていることを特徴とするセンサICが挙げられる。
【0038】
本発明のセンサICの実施態様として、前記基準信号発生手段は、温度依存性のない定電圧を発生する定電圧源と、絶対温度に比例するとともに基準抵抗の大きさに反比例する定電流を発生する定電流源とを少なくとも備え、前記定電圧源の発生する定電圧と、前記定電流源の発生する定電流に基づいて、絶対温度に対して1次関数的に変化する2つの基準電圧を発生することを特徴とするセンサICが挙げられる。
【0039】
本発明のセンサICの実施態様として、前記基準信号発生手段は、絶対温度に比例するとともに基準抵抗の大きさに反比例する定電流を発生する第1定電流源と、この第1定電流源と直列に接続され、電圧・電流変換用抵抗に温度依存性のない定電圧を印加させて定電流を発生する第2定電流源と、前記第2定電流源の電流と前記第1定電流源の電流との差の定数倍の電流からなる定電流を発生させる第3定電流源と、この第3定電流源に直列に接続され、前記第3定電流源からの定電流を流す上限基準電圧発生用抵抗および下限基準電圧発生用抵抗とからなり、前記上限基準電圧発生用抵抗および下限基準電圧発生用抵抗に発生する2つの電位のうちの1つの電位または2つの電位を基準電位として取り出すようにしたことを特徴とするセンサICが挙げられる。
本発明のセンサICの実施態様として、前記基準抵抗、前記電圧・電流変換用抵抗、前記上限基準電圧発生用抵抗、および前記下限基準電圧発生用抵抗は、同一の温度係数を持つことを特徴とするセンサICが挙げられる。
【0040】
[発明を実施するための最良の形態]
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の半導体装置にかかるセンサICの内部の信号処理回路の構成をセンサとともに示したブロック図である。
このセンサICは、図1に示すように、物理量を電気信号に変換して出力するセンサ1と、このセンサ1の出力信号を処理する集積化された信号処理回路2とから構成され、以下の説明では、センサ1と信号処理回路2とがハイブリットで組み合わされた場合とする。なお、このセンサICは、モノリシックICにより実現するようにしても良い。
【0041】
センサ1は、図1に示すように、接地端子3、バイアス端子4、および出力端子5、6を備えている。センサ1の種類としては、磁気センサ、圧力センサ、光センサ、温度センサ、湿度センサ、位置センサ、速度センサ、回転数センサなど特に制限はないが、温度に依存しない一定の電圧を加えた時に、その出力が理想的または近似的に温度の1次関数として表すことができるセンサが好ましい。例えば、磁気センサの1つであるホール素子(ホールセンサ)であって、その感磁部がGaAs(ガリウムヒ素)からなるものが特に好ましい。
【0042】
センサには、使用する温度範囲内でその出力が単調に増加または減少し、かつ温度変化が近似的または理想的に温度の1次関数として表現できるものが多い。特に使用温度範囲を選べば、多くのセンサの出力が温度の1次関数として近似できるので、多くのセンサをセンサ1として使う事ができる。
ここで、上述のセンサ1の出力が絶対温度に対して1次関数的に変化するとは、絶対温度に対して出力が直線的に増加または減少するのみならず、出力が変化せずに一定の場合も含まれるものとする。
【0043】
次に、信号処理回路2の構成について、図1を参照して説明する。
この信号処理回路2は、図1に示すように、保護回路7と、バンドギャップ・レファレンス電圧生成回路8と、内部電源生成回路9と、センサ1用の定電圧生成手段を構成するセンサバイアス電圧生成回路10と、クロック生成回路11と、増幅手段を構成するセンサ信号増幅回路12と、基準信号発生手段を構成する基準電圧発生回路13と、比較手段を構成するシュミット・トリガ回路14と、NMOSFET15とを少なくとも備えている。
【0044】
保護回路7は、電源接続端子16と接地端子17との間に電源が接続され、この接続により両端子に電源電圧が印加されるようになっており、その接続の際に電源が逆に接続された場合には、その出力側に接続されるバンドギャップ・レファレンス電圧生成回路8、内部電源生成回路9、およびセンサバイアス電圧生成回路10をその逆電圧から保護するようになっている。
【0045】
バンドギャップ・レファレンス電圧生成回路8は、内部電源生成回路9、センサバイアス電圧生成回路10、基準電圧発生回路13に供給する基準電圧を生成するとともに、基準電圧発生回路13に供給する定電流を生成するようになっている。
内部電源生成回路9は、信号処理回路2内の各部を駆動する電圧Vddを生成し、その生成された電圧Vddは、図では省略されているがセンサ信号増幅回路12や基準電圧発生回路13などに供給されるようになっている。
【0046】
センサバイアス電圧生成回路10は、センサ1に供給する温度に依存しない定電圧をバイアス電圧として生成するものであり、この生成されたバイアス電圧Vbiasはセンサ1の接地端子3とバイアス端子4との間に印加され、これによりセンサ1が動作するようになっている。
クロック生成回路11は、センサ信号増幅回路12を構成するオペアンプOP1〜OP3のオフセットを打ち消すために図2に示すように設けたスイッチSW1−1〜SW1−2、スイッチSW2−1〜SW2−3、スイッチSW3−1〜SW3−3の開閉動作を行うためのクロックを生成するようになっている。
【0047】
センサ信号増幅回路12は、センサ1からの出力信号をセンサ信号入力端子19、20を介して2つの入力端子に取り込み、温度に依存しない増幅率(利得)で増幅するとともに、オフセットを打ち消す機能を備えている。また、センサ信号増幅回路12の出力Voutpはシュミット・トリガ回路14に供給され、その出力Voutnは基準電圧発生回路13のオペアンプOP5の入力端子に供給されるようになっている。
【0048】
基準電圧発生回路13は、センサ信号増幅回路12の出力電圧をシュミット・トリガ回路14が比較する際の2つの異なる上限基準電圧Vhighと下限基準電圧Vlowを発生し、この上限基準電圧Vhighおよび下限基準電圧Vlowをシュミット・トリガ回路14にそれぞれ供給するようになっている。さらに、基準電圧発生回路13は、その出力がセンサ1の出力の温度係数と同じ温度係数で変化し、かつその大きさが絶対温度に対して1次関数的に変化する2つの基準電圧VhighおよびVlowを発生するようになっている。なお、温度係数の意味については、後述する。
【0049】
ここで、基準電圧が絶対温度に対して1次関数的に変化するとは、絶対温度に対して直線的に増加または減少するのみならず、変化せずに一定の場合も含まれるものとする。
シュミット・トリガ回路14は、その出力側にNMOSFET15が接続され、NMOSFET15のドレインが出力端子21に接続されている。また、このシュミット・トリガ回路14は、センサ信号増幅回路12の出力電圧を、基準電圧発生回路13からの上限基準電圧Vhighと下限基準電圧Vlowに基づいて比較し、その出力電圧が上限基準電圧Vhighを上回る場合には、出力Voutが「L」レベルとなり、その出力電圧が下限基準電圧Vlowを下回る場合にはその出力Voutが「H」レベルとなる。さらに、このシュミット・トリガ回路14は、ヒステリシスを持つコンパレータとして機能するので、上限基準電圧Vhighと下限基準電圧Vlowとの間が不感帯となり、この不感帯では出力Voutが反転することはない。
【0050】
次に、このような構成からなる信号処理回路2は、IC(集積回路)で作成されるので、この点について説明する。
信号処理回路2を集積化する際のプロセスとしては、C−MOSプロセス、バイポーラプロセスなど、特に制限はない。また、ICを形成する半導体基板については、絶縁性下地の上の半導体層、すなわち絶縁性基板上に設けられた半導体層を用いるが、この場合には、高温でもリーク電流が少なく、ラッチアップが起こりにくくなり、コンデンサなどの素子精度を向上させることができ、センサ信号増幅回路12のオフセット電圧の低減のための回路機能が、高温域でもあっても室温付近と変わることがなく高精度で得る事ができる。
【0051】
特に、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)基板は実績のある材料であり、SOI基板上(絶縁性基板の上に形成したシリコン薄膜)に回路を形成するのがより好ましい。このSOI構造で用いる絶縁性下地(絶縁性基板)としては、サファイヤ、γ−Al23、フッ化物、シリコン酸化物が利用できるが、これらと同等の絶縁性をもつものであれば良い。
【0052】
また、その作製方法にも特に制限はない。例えば、絶縁性下地がシリコン酸化物の場合には、SIMOX(セパレーション・バイ・イオン・インプランテッド・オキサイド)基板、貼り合わせSOI基板、固相エピタキシャル成長SOI基板のいずれも使用可能である。
ここで、上記の絶縁性基板上に設けられて信号処理回路2が形成される半導体層であるシリコン薄膜(シリコン層)の厚さは、30nm〜1000nmとする事が好ましい。厚さが30nmより小さいとシリコン層と絶縁層との界面近傍の欠陥の影響によってデバイスの動作に問題が出てくる。一方、厚さが1000nmより大きいとPN接合面の面積が増え、リーク電流がバルクシリコン基板を使った場合と同等のレベルになり、150℃以上の高温でのデバイスの動作が厳しくなる。従って、そのシリコン薄膜の厚さは、より好ましくは50nm〜200nmであり、後述の本発明の実施例では、120nmの厚さのシリコン薄膜を使用している。
【0053】
次に、センサ信号増幅回路12の構成の詳細について、図2を参照して説明する。
このセンサ信号増幅回路12は、図2に示すように3つのオペアンプOP1〜OP3から構成され、この各オペアンプOP1〜OP3は、センサ信号増幅用の非反転入力端子23と反転入力端子24の他に、オフセット補償用の非反転入力端子25と反転入力端子26を備えている。
【0054】
このセンサ信号増幅回路12は、センサ1からの出力信号を入力する2つの入力端子19、20を備え、一方の入力端子19は、スイッチSW2−2を介してオペアンプOP1の非反転入力端子23に接続されるとともに、オペアンプOP2の非反転入力端子23に直接接続されている。また、他方の入力端子20は、スイッチSW3−1を介してオペアンプOP1の非反転入力端子23に接続され、かつオペアンプOP3の非反転入力端子23に直接接続されている。
【0055】
オペアンプOP1の非反転入力端子23と反転入力端子24との間には、スイッチSW1−1が接続されている。また、オペアンプOP1の反転入力端子24は、スイッチSW2−1を介してオペアンプOP2の反転入力端子24に接続されるとともに、スイッチSW3−2を介してオペアンプOP3の反転入力端子24に接続されている。オペアンプOP1の出力端子と反転入力端子26との間にはスイッチSW1−2が接続され、その反転入力端子26はコンデンサC1を介して接地されている。
【0056】
オペアンプOP1の出力端子は、スイッチSW2−3を介してオペアンプOP2の非反転入力端子25に接続され、その非反転入力端子25はコンデンサC2を介して接地されている。また、オペアンプOP1の出力端子は、スイッチSW3−3を介してオペアンプOP3の非反転入力端子25に接続され、その非反転入力端子25はコンデンサC3を介して接地されている。
【0057】
オペアンプOP2の反転入力端子24とその出力端子との間に抵抗R1が接続されている。オペアンプOP2の出力は出力端子27から取り出せるようになっている。また、オペアンプOP2の反転入力端子24とオペアンプOP3の反転入力端子24との間には、抵抗R2が接続されている。さらに、オペアンプOP3の出力は反転入力端子24に帰還されるとともに、その出力が出力端子28から取り出せるようになっている。また、オペアンプOP1の非反転入力端子25とオペアンプOP2、OP3の反転入力端子26には、同一の基準電位Voを与えるようにしている。
【0058】
また、上述のスイッチSW1−1及びSW1−2、スイッチSW2−1〜SW2−3、およびスイッチSW3−1〜SW3−3は、図1に示すクロック生成回路11からのクロックに基づき、所定周期でその開閉動作を行われるようになっている。
このような構成からなるセンサ信号増幅回路12の各オペアンプOP1〜OP3は、図3に示すような構成からなるので、このオペアンプの構成について説明する。
【0059】
このオペアンプは、図3に示すように、オフセット補償部31、増幅部32、および2次増幅部33から構成されている。
オフセット補償部31は、図3に示すように、カレントミラー回路を構成するPMOSFET(以下、PMOSトランジスタという)Q1及びQ6と、カレントミラー回路を構成するPMOSトランジスタQ2及びQ5と、PMOSトランジスタQ5及びQ6のドレイン間に接続されるオフセット補償用の抵抗R0と、オフセット補償用の信号を入力してMOSトランジスタQ1、Q2、Q5、Q6のソース・ドレイン電流を制御するためのNMOSFET(以下、NMOSトランジスタという)Q3及びQ4と、電流源Iaとから構成されている。
【0060】
これを詳述すると、PMOSトランジスタQ1のソースが正側電源ライン34に接続されるとともに、そのゲートとドレインが接続され、この共通接続部がNMOSトランジスタQ3のドレインおよびPMOSトランジスタQ6のゲートに接続されている。また、PMOSトランジスタQ2のソースが正側電源ライン34に接続されるとともに、そのゲートとドレインが接続され、この共通接続部がNMOSトランジスタQ4のドレインおよびPMOSトランジスタQ5のゲートに接続されている。
【0061】
PMOSトランジスタQ5及びQ6の各ソースは正側電源ライン34に接続されるとともに、そのドレイン間に温度補償用の抵抗R0が接続されている。NMOSトランジスタQ3のゲートは入力端子26に接続され、NMOSトランジスタQ4のゲートは入力端子25に接続されている。また、NMOSトランジスタQ3及びQ4の各ソースは共通に接続され、この共通接続部が定電流源Iaを介して負側電源ライン35に接続されている。
【0062】
増幅部32は、図3に示すように、信号を入力するためのPMOSトランジスタQ7及びQ8と、カレントミラー回路を構成するNMOSトランジスタQ9及びQ10とから構成されている。
これを詳述すると、PMOSトランジスタQ5のドレインがPMOSトランジスタQ7のソースに接続されている。PMOSトランジスタQ7のゲートは入力端子24に接続され、そのドレインはNMOSトランジスタQ9のドレインに接続されている。また、NMOSトランジスタQ9のゲートとドレインが接続され、そのソースは負側電源ライン35に接続されている。
【0063】
また、PMOSトランジスタQ6のドレインがPMOSトランジスタQ8のソースに接続されている。また、PMOSトランジスタQ8のゲートは入力端子23に接続され、そのドレインはNMOSトランジスタQ10のドレインと2次増幅部33の入力側に接続されている。さらに、NMOSトランジスタQ10のゲートがNMOSトランジスタ9のゲートに接続され、そのソースは負側電源ライン35に接続されている。
【0064】
次に、このように構成されるセンサ信号増幅回路12の動作について、図2および図3を参照して説明する。
まず、オペアンプOP1〜OP3における各オフセットの補償動作(打ち消し動作)について説明する。
いま、図1に示すクロック生成回路11からのクロックφ1がオンの期間には、図2に示すスイッチSW1−1およびSW1−2のみが同時に閉じた状態になり、オペアンプOP1の非反転入力端子23と反転入力端子24が接続されて入力端子が短絡状態になる。このため、オペアンプOP1から出力されるオフセット電圧がコンデンサC1に保持され、この保持された電圧が図3に示すオフセット補償部31の反転入力端子26に供給される。
【0065】
ところで、図3の増幅部32において、増幅すべき入力電圧は、PMOSトランジスタQ7とQ8の差動対のゲートから与えられるが、PMOSトランジスタQ7とQ8の動作するしきい値電圧が、PMOSトランジスタQ7とQ8との間のミスマッチに起因してばらつき、入力のオフセット電圧が生じてしまう。
【0066】
ここで、MOSトランジスタQ1、Q2、Q5、Q6、Q7、Q8、Q9、Q10のドレイン−ソース間に流れる各電流をI1、I2、I5、I6、I7、I8、I9、I10とし、MOSトランジスタQ3、Q4のゲートと負側電源ライン35との間の入力電圧をUn1、Up1とし、MOSトランジスタQ7、Q8のゲートと負側電源ライン35との間の入力電圧をUp2、Uu2とし、MOSトランジスタQ8のドレインから2次増幅部33に向けて流れる電流をIoutとすると、MOSトランジスタQ1とQ6、およびMOSトランジスタQ2とQ5とはそれぞれカレントミラー回路を構成するので、このカレントミラーの関係から、次の(1)(2)式が成立する。
【0067】
5=h×I2 (1)
6=h×I1 (2)
但し、hは定数であり、また双方ともミラー比は同じである。
また、定電流源Iaに流れる電流Iaは定電流のため、次の(3)式が成立する。
Ia=I1+I2 (3)
【0068】
さらに、MOSトランジスタQ9とQ10はカレントミラー回路を構成するので、次の(4)式が成立する。
9=I10 (4)
ここで、MOSトランジスタQ7とQ8の入力を0にしたときのオフセット電圧が、上記のようにコンデンサCIに保持され、この保持された電圧がオフセット補償部31のMOSトランジスタQ4のゲートに印加される。
【0069】
このため、オフセット補償部31のMOSトランジスタQ3及びQ4に流れる電流、すなわち電流I1と電流I2との割合が変化し、これにより電流I5、I6も変化する。
ここで、g1をトランジスタQ3、Q4のトランスコンダクタンスとすると、次に(5)式が成立する。
2−I1=g1×(Up1−Un1) (5)
【0070】
また、電流Ioutと電流I8とは、Iout≪I8の関係があるので、次の(6)式が成立する。
9=I10=I7≒I8(6)
このとき、抵抗R0を流れる電流IRについて次の(7)式が成立する。 IR=I5−I7=I8−I6 (7)
【0071】
また、式(6)と(7)により次式(8)が成立する。
R=(I5−I6)/2 (8)
さらに、(1)、(2)、(5)から次の(9)が成立する。
R=h×(I2−I1)/2=g1×h×(Up1−Un1)/2 (9)
また、gをトランジスタQ7、Q8のトランスコンダクタンスとし、さらに、g/〔1+(g×R0/2)〕をg2と定義すると、出力Voutはkを定数として次の(10)式で表すことができる。
out=k×Iout=k×(I8−I7
=k×g2×(Up2−Un2−IR×R0)
=k×g2×〔Up2−Un2−R0×g1×h×(Up1−Un1)/2〕…(10)
【0072】
式(10)において、トランジスタQ7とQ8のミスマッチに起因するオフセット電圧は、電圧Up2と電圧Un2の差として現れるので、トランジスタQ3とQ4の入力、すなわち電圧(Up1−Un1)を適切な値として入力することによって、オフセット電圧を打ち消すことができる。
次に、クロック生成回路11からのクロックφ2がオンの期間には、スイッチSW3−1〜SW3−3のみが同時に閉じた状態になる。これにより、オペアンプOP3に係るオフセット電圧がオペアンプOP1から出力されてコンデンサC3に保持され、この保持電圧が図3に示すオフセット補償部31の非反転入力端子25に供給される。この結果、オペアンプOP3のオフセット電圧が上記と同様の原理により打ち消される。
【0073】
次いで、クロック生成回路11からのクロックφ3がオンの期間には、スイッチSW2−1〜SW2−3のみが同時に閉じた状態になる。これにより、オペアンプOP2に係るオフセット電圧がオペアンプOP1から出力されてコンデンサC2に保持され、この保持電圧が図3に示すオフセット補償部31の非反転入力端子25に供給される。この結果、オペアンプOP2のオフセット電圧が上記と同様の原理により打ち消される。
【0074】
一方、このようなオペアンプOP1〜OP3の各オフセットの補償動作に並行して、センサ1からのセンサ信号入力端子19、20に印加されるセンサ信号電圧Vhallは、オペアンプOP1及びOP2により増幅され、その増幅された電圧が出力端子27、28から出力される。 そして、上記の動作によりオペアンプOP1〜OP3のオフセット電圧を完全に打ち消すことができる場合には、センサ信号増幅回路12の出力端子27、28に出力される出力電圧Voutは、センサ1からのセンサ信号入力端子19、20に印加されるセンサ信号電圧をVhallとすると、次の(11)式に示すようになる。
Vout=〔(R1/R2)+1〕・Vhall …(11)
【0075】
ここで、R1はオペアンプOP2の反転入力端子24とその出力端子との間に接続される抵抗の抵抗値であり、抵抗R2はオペアンプOP2の反転入力端子24とオペアンプOP3の反転入力端子24との間に接続される抵抗の抵抗値である(図2参照)。
このセンサ信号増幅回路12は、(11)式からわかるように、抵抗R1と抵抗R2とに同じ温度係数を持たせることにより、温度に依存しない所要の増幅度でセンサ信号を増幅することができる。
次に、図1に示した基準電圧発生回路13の構成の詳細について、図4を参照して説明する。
【0076】
この基準電圧発生回路13は、図4に示すように、PMOSトランジスタQ11及びQ12からなり定電流源として機能するカレントミラー回路41と、電圧・電流変換用抵抗R3に温度依存性のない電圧Vbgを印加させることにより定電流を流す定電流回路42と、PMOSトランジスタQ14、Q15、およびQ16からなり定電流源として機能するカレントミラー回路43と、上限基準電圧発生用抵抗Rhigh及び下限基準電圧発生用抵抗Rlowなどからなる基準電圧発生部44と、NMOSトランジスタQ17及びQ18からなるカレントミラー回路45とを備え、出力端子46、47から上限基準電圧Vhighと下限基準電圧Vlowが出力されて図1に示すシュミット・トリガ回路14に供給されるようになっている。
【0077】
カレントミラー回路41は、図4に示すように、PMOSトランジスタQ11とQ12とからなり、これらの各ゲートが接続され、この共通接続部がPMOSトランジスタQ11のドレインに接続されている。また、PMOSトランジスタQ11とQ12の各ソースは、正側電源ライン51に接続されている。さらに、PMOSトランジスタQ12のドレインは、NMOSトランジスタQ13のドレインに接続されている。
【0078】
このような構成からなるカレントミラー回路41のPMOSトランジスタQ11にはバンドギャップ・レファレンス電圧生成回路8で生成された電流Iptatが供給され、この電流IptatがMOSトランジスタQ12に定電流として流れるようになっている。この電流Iptatは、絶対温度Tに比例するとともに、バンドギャップ・レファレンス回路8内に設けられた抵抗R4(図示せず)の大きさに反比例し、Kを定数とすると、次の(12)式により表される。
Iptat=K・(T/R4)…(12)
【0079】
定電流回路42は、図4に示すように、NMOSトランジスタQ13と、電圧・電流変換用抵抗R3と、オペアンプOP4とから構成されている。すなわち、NMOSトランジスタQ13のドレインがMOSトランジスタQ12のドレインに接続されるとともに、そのソースが電圧・電流変換用抵抗R3の一端に接続され、その他端が負側電源ライン52に接続されている。また、オペアンプOP4は、その非反転入力端子に入力端子48を介してバンドギャップレファレンス回路8から温度依存性のない定電圧Vbgが印加されるとともに、その出力端子がNMOSトランジスタQ13のゲートに接続され、その反転入力端子がNMOSトランジスタQ13のソースと電圧・電流変換用抵抗R3との共通接続部に接続されている。
【0080】
カレントミラー回路43は、図4に示すように、MOSトランジスタQ14、Q15、およびQ16から構成されている。すなわち、MOSトランジスタQ14、Q15、およびQ16の各ゲートが接続され、その共通接続部がMOSトランジスタQ14のドレインと、MOSトランジスタQ12とMOSトランジスタQ13のドレイン同士を接続した共通接続部とに接続されている。また、MOSトランジスタQ14、Q15、およびQ16の各ソースは、正側電源ライン51に接続されている。さらに、MOSトランジスタQ15のドレインが上限基準電圧発生用抵抗Rhighの一端に接続され、MOSトランジスタQ16のドレインがMOSトランジスタQ18のドレインに接続されている。
【0081】
基準電圧発生部44は、図4に示すように、オペアンプOP5、上限基準電圧発生用抵抗Rhigh、および下限基準電圧発生用抵抗Rlowから構成されている。すなわち、オペアンプOP5は、その非反転入力端子にセンサ信号増幅回路12からの出力Voutnが供給されるようになっており、その出力端子が反転入力端子に直接接続されている。また、上限基準電圧発生用抵抗Rhighと下限基準電圧発生用抵抗Rlowとが直列に接続され、その共通接続部にオペアンプOP5の出力端子が接続されている。さらに、上限基準電圧発生用抵抗Rhighの一端がMOSトランジスタQ15のドレインと出力端子46に接続され、下限基準電圧発生用抵抗Rlowの一端がMOSトランジスタQ17のドレインと出力端子47に接続されている。
【0082】
カレントミラー回路45は、図4に示すように、NMOSトランジスタQ17とQ18とからなり、MOSトランジスタQ17とQ18の各ゲートが接続され、この共通接続部がMOSトランジスタQ18のドレインおよびMOSトランジスタQ16のドレインに接続されている。また、MOSトランジスタQ17のドレインは、下限基準電圧発生用抵抗Rlowの一端に接続されている。さらに、MOSトランジスタQ17とQ18の各ソースは、負側電源ライン52に接続されている。
【0083】
次に、このように構成される基準電圧発生回路13の動作について、図4を参照して説明する。
MOSトランジスタQ11とQ12はカレントミラー回路を構成するので、MOSトランジスタQ12のソースとドレイン間には、MOSトランジスタQ11に流れる電流Iptatがカレントミラーされて同一の電流が流れる。
【0084】
一方、バンドギャップ・レファレンス電圧発生回路8からオペアンプOP4に供給される電圧Vbgは、温度に依存しない一定電圧であり、この電圧がオペアンプOP4を介してMOSトランジスタQ13に供給されるので、MOSトランジスタQ13のソースとドレイン間には、(Vbg/R3)の電流が流れる。なお、R3は抵抗R3の抵抗値である。
【0085】
従って、MOSトランジスタQ14のソースとドレイン間に流れる電流I14は、MOSトランジスタQ13に流れる電流とMOSトランジスタQ12に流れる電流との差となり、(12)式から次の(13)式のように表される。
14=(Vbg/R3)−K・(T/R4)…(13)
また、PMOSトランジスタQ14とQ15およびQ16はカレントミラーの関係にあるので、そのミラー比をmとしたとき、上記の電流I14のm倍の電流がMOSトランジスタQ15、Q16、Q18に流れ、トランジスタQ17もトランジスタQ18とミラー関係にあるので、トランジスタQ17にも同じ電流I14×mが流れ、この電流I14×mが、上限基準電圧発生用抵抗Rhighと下限基準電圧発生用抵抗Rlowに流れることになる。この結果、上限基準電圧発生用抵抗Rhighと下限基準電圧発生用抵抗Rlowに発生する上限基準電位Vhighと下限基準電位Vlowは、次の(14)及び(15)式のように表される。
【0086】
Vhigh=m・〔[(Vbg/R3)−K・(T/R4)〕・Rhigh十Voutn =−m・K・T・(Rhigh/R4)+m・Vbg・(Rhigh/R3)+Voutn…(14)
Vlow =−m・〔(Vbg/R3)−K・(T/R4)〕・Rlow+Voutn =m・K・T・(Rlow/R4)−m・Vbg・(Rlow/R3)+Voutn…(15)
【0087】
ここで(14)(15)式において、Voutnはセンサ信号増幅回路12で増幅した信号値の零の電位である。また、抵抗R3、R4、Rhigh、およびRlowは、同じ温度係数を持つものを使用しているので、上限基準電位Vhighと下限基準電位Vlowとは、いずれも抵抗の温度変化による影響はなく、常に絶対温度Tの1次関数とすることができる。また、抵抗R3、R4、Rhigh、およびRlowの各値とミラー比mを変更するだけで、任意の絶対温度の一次関数として上限基準電位Vhighと下限基準電位Vlowとを生成することができる。
【0088】
つまり、各種のセンサのうち、定電圧駆動した場合に、その出力が絶対温度の一次関数で理想的または近似的に表現できるセンサについては、信号処理回路2内の抵抗R3、R4、Rhigh、およびRlowの値とミラー比mの大きさのみの変更により、常に一定感度でオン・オフするセンサICを構成することができる。
【0089】
また、特に抵抗RhighおよびRlowを同一特性の同一抵抗値とした場合には、上限基準電位Vhighと下限基準電位Vlowとは、センサ信号増幅回路12で増幅した信号の零レベル(Voutn)に対して、完全に対称な値とすることができる。ここで、基準信号としての上限基準電位Vhighと下限基準電位Vlowの温度係数について検討する。まず、基準信号Vの温度係数を次のように定義するものとする。すなわち、絶対温度T(K)の時の基準信号をV(T)と表わすものとし、室温がT=300Kを基準に考えると、温度T(K)のときの基準信号V(T)の温度係数αは、次の(16)式のように定義する。
α=(1/V(300))・ΔV/ΔT…(16)
【0090】
ここで、(16)式中のΔVは基準信号の変化量、ΔTは絶対温度Tの変化量を表す。
この(16)式により、(14)、(15)式の基づいて上限基準電位Vhighと下限基準電位Vlowの温度係数を求めると、次の(17)式のように温度によらずに一定となる。
Vhighの温度係数=Vlowの温度係数
=K/(300・K−Vbg・R4/R3)…(17)
【0091】
従って、センサ1からの出力信号が、絶対温度の1次関数であるとき、抵抗R3、R4の抵抗値を適当に与えることで、その温度係数と式(17)の温度係数を等しくすることができる。逆に、温度係数が等しい場合、センサ1からの出力信号の増幅率、ミラー比m、抵抗RhighおよびRlowを適当に与えることで、規定感度でのセンサからの信号の増幅信号の温度特性を式(14)、(15)と同じにすることができる。つまり、常に一定の感度でオン・オフするセンサICを構成できる。
【0092】
以上説明したように、この実施形態にかかるセンサICは、センサ1と、絶縁基板上に設けられた半導体層に形成させた信号処理回路2とで構成した。そして、センサ1はその出力が絶対温度に対して1次関数的に変化するものとし、これに対応して、センサ信号処理回路2側の基準電圧発生回路13は、その出力が、センサ1の出力の温度係数と同じ温度係数で変化し、かつ絶対温度に対して1次関数的に変化する基準電圧Vhigh、Vlowを発生し、この電圧を、シュミット・トリガ回路14がセンサ信号増幅回路12の出力電圧の大きさを比較してオン・オフ出力するための基準電圧として使用するようにした。さらに、センサ信号増幅回路12は、センサ1からの出力信号を温度に依存しない増幅率で増幅するとともにオフセット電圧を打ち消す機能を備えるようにした。
【0093】
従って、この実施形態にかかるセンサICでは、センサ1の出力について低温から高温にかけての広い温度範囲に亘って高精度の温度補償が実現でき、もって、従来実現できなかった200°C以上の高温下でも高精度かつ高信頼性の動作が実現できる。
また、この実施形態にかかるセンサICにおいて、センサ1がホール素子であり、その感磁部がGaAsにより構成される場合には、GaAsの抵抗が温度の増加に対して増加する性質があるので、感磁部に流れる電流が減少して電源電流が減少する。このため、センサICは、高温になるに従って消費電力が減少する上にその電流の消費による発熱が抑制され、高温でも安定に動作することができる。
【0094】
さらに、本発明のセンサIC用ICの実施形態である信号処理回路2は、基準電圧発生回路13が、その大きさが、入力端子19、20間により与えられるセンサ1からの出力信号の温度係数と同じ温度係数で変化し、かつ絶対温度に対して1次関数的に変化する基準電圧Vhigh、Vlowを発生し、この電圧をシュミット・トリガ回路14がセンサ信号増幅回路12の出力電圧の大きさを比較してオン・オフ出力するための基準電圧として使用するようにした。また、信号処理回路2は、絶縁基板上に設けられた半導体層に形成するようにした。
【0095】
従って、この実施形態にかかる信号処理回路2は、各種のセンサのうちその出力が絶対温度に対して1次関数的に変化するものであるときには、そのセンサに応じた温度の1次関数で与えられる基準信号を生成することによって、そのセンサと組み合わせて使用することができる。この場合には、この実施形態に係るセンサIC用ICは、センサの出力について低温から高温にかけての広い温度範囲に亘って高精度の温度補償ができ、もって、従来実現できなかった200°C以上の高温下でも高精度かつ高信頼性の動作が実現できる。
【0096】
また、この実施形態の信号処理回路は、自動車の用途などの高温度下や温度格差の大きな部位で使用される磁気センサと組み合わせて磁気センサICを提供できるのみならず、圧力センサや温度センサなどの各種のセンサと組み合わせることにより高温下で使用できる各種のセンサICを実現できる。
さらに、この実施形態にかかるセンサICでは、センサバイアス電圧生成回路10が発生する定電圧によりセンサ1を定電圧駆動するとともに、センサ1の温度補償を基準電圧発生回路13により行うようにした。このため、高温下においてセンサ1の消費電力を低減させることができるので、高温での発熱を抑制でき、その結果、200℃以上の高温下でも安定動作が実現できる。
【0097】
なお、上記の実施形態では、比較手段としてヒステリシスを持つシュミット・トリガ回路14を使用するようにしたが、これに代えてヒステリシスを持たないコンパレータを使用するようにしても良い。
また、シュミット・トリガ回路14に代えてA/D変換器(アナログ・デジタル変換器)に置き換えることが可能である。この場合には、センサ1の増幅信号をA/D変換器のアナログ入力信号とする。また、基準電圧発生回路13は、その出力がセンサ1の出力の温度係数と同じ温度係数で変化し、かつその大きさが絶対温度に対して1次関数的に変化する基準電圧を発生する。そして、A/D変換器にはその基準電圧がレファレンス電圧として供給され、これを用いてA/D変換器は入力電圧をデジタル信号に変換する。
【0098】
また、上記の実施形態では、センサとしてその出力が絶対温度に対して1次関数的に変化し、これに対応して基準電圧発生回路13の発生電圧が絶対温度に対して1次関数的に変化するものとした。しかし、本発明は、センサの出力の温度係数が必ずしも一定である必要はなく、この場合には、基準電圧発生回路13は、そのセンサの出力の温度係数と同じ温度係数で変化する基準電圧を発生するように構成される。例えば、温度係数が一定でなく、センサの出力が絶対温度に対して曲線的に与えられる場合には、その曲線部分を複数の区間に分け、各区間を直線として近似するようにする。そして、具体的には、直線で近似する各区間ごとに、その区間に応じた基準電圧発生回路13に相当する複数の回路を設けるとともに、各基準電圧Vhigh、Vlowとシュミット・トリガ回路14の間にアナログスイッチを設け、温度に応じてアナログスイッチを切換えて基準電圧を選択するようにする。これにより、常に、センサの出力に応じた基準電圧を発生させ、任意の温度係数を持つセンサにも対応することができる。
【0099】
なお、上記の実施形態として、センサをホール素子とし、そのホール素子の感磁部をGaAsとする場合が好ましいとしたが、センサのセンシング部の構成物質としてGaAsのような抵抗値が温度の増加に対して増加するような物質を使用する場合には、GaAsを使用した場合と同様な効果が得られる。
また、上記の実施形態の場合、動作磁束密度のばらつきの許容範囲から、センサの出力の温度係数が0.20%/℃近傍では、温度係数の誤差として30%以下であることが好ましいが、温度係数がより大きい場合には許容誤差範囲は狭くなり、また、温度係数が小さい場合には温度係数の許容範囲はかなり広くなる。
【0100】
【実施例1】
次に、本発明にかかるセンサICの実施例1として、以下のようなホールICを作製したので、これについて説明する。
この実施例1にかかるホールICは、図1〜図4に示す信号処理回路を含んだICを、シリコン酸化物を絶縁性下地とするSIMOX基板上にCMOSプロセスを用いて形成した。また、絶縁性下地の上の結晶シリコン層の厚さを120nmとした。さらに、図2および図3に示すセンサ信号増幅回路12のオフセット補償機能の切替え周期を1/500〔秒〕とした。
【0101】
次に、そのセンサ信号増幅回路12を含んだICを、センサ1として感磁部がGaAsからなるホール素子(以下、GaAsホール素子という)とハイブリッドで組み合わせ、これによりホールICを作成した。
そして、GaAsホール素子に、温度に依存しない定電圧3〔V〕を印加し、±40〔Gauss〕の磁場環境下での出力特性を測定し、図5に示すような測定結果を得た。
【0102】
図5からわかるように、+40〔Gauss〕のとき、−40°C〜200°Cの温度範囲において、出力の温度係数は、およそ−0.18〜−0.20%/℃で負の温度係数となっており、その出力は、絶対温度の1次関数として表現することができる。また、−40〔Gauss〕のときの出力は、+40〔Gauss〕のときの出力と比較すると、温度軸に対してほぼ対称になっている。
【0103】
次に、図1のセンサバイアス電圧生成部10からのバイアス電圧を3〔V〕とし、この電圧をGaAsホール素子に印加し、センサ信号増幅回路12の(8)式から求められる増幅率を50倍とし、GaAsホール素子の出力の温度特性に合うように、基準電圧発生回路13の抵抗R3、Rhigh、Rlowの各抵抗値をそれぞれ23.81〔kΩ〕、5.009〔kΩ〕、5.009〔kΩ〕とした。また、図4に示す一定の電圧Vbgを1.15〔V〕とし、式(12)に示す定数Kを2.69×10−4〔A・Ω/K〕、抵抗R4の抵抗値を4.492〔kΩ〕とした。また、式(14)、(15)のミラー比m=1とした。この結果、式(14)、(15)は式(18)、(19)のようになる。
Vhigh〔mV〕=241.9−0.30・T (18)
Vlow〔mV〕=−241.9+0.30・T (19)
【0104】
これは、図5に示したバイアス電圧として3Vを加え、40〔Gauss〕の磁場環境下においたGaAsの出力電圧を50倍したものにほぼ等しくなる。また、このとき基準電圧Vhigh、Vlowの温度係数は、約−0.20%/℃となり、GaAsの温度係数と等しくなる。
図6は、上記のような条件で動作させた場合における信号処理回路2の動作入力電圧の温度特性を示したものである。図6からわかるように、抵抗Rhighと抵抗Rlowとを同じ抵抗値にしたことによって、温度軸に対して完全に対称な動作特性が得られている。また、この温度特性は、図5に示すGaAsホール素子の温度特性と同様の特性を示していることがわかる。さらに、−40°C〜200°C以上の温度範囲において、オフセット電圧も少なく、温度軸に対して対称の所要の特性を実現できる。
【0105】
この結果、この実施例1にかかるホールICは、図7に示すように、−40°C〜200°Cの温度域において、常に一定の磁界±40〔Gauss〕の強さでオン・オフし、動作点の対称性にも優れていることがわかる。
図8は、この実施例1にかかるホールICの電源電圧が5〔V〕のときの電源電流の温度特性を示す図である。図8からわかるように、電源電流が温度の上昇とともに減少し、消費電力が少なくなる優れた特性を実現できる。このように電源電流が減少するのは、GaAsホール素子の感磁部がGaAsにより構成され、そのGaAsの抵抗値が温度の増加に対して増加する性質があるので、感磁部に流れる電流が減少し、その結果、電源電流が減少するからである。
【0106】
【実施例2】
次に、本発明にかかるセンサICの実施例2として、高温環境下で使用できる高温用回転センサICについて、図9から図14を参照して説明する。
この高温用回転センサICは、図9に示すように、磁気センサ71と、この磁気センサ71の出力信号を処理する信号処理回路72とから構成する。磁気センサ71は図1のセンサ1に相当し、信号処理回路72は同図の信号処理回路2と基本的な構成がほぼ同様であり後述の点が異なる。
【0107】
磁気センサ71は、図9に示すように4つの磁気抵抗素子MR1〜MR4を用いたブリッジ回路を形成し、その4つの磁気抵抗素子MR1〜MR4は、後述のように歯車の回転検知センサとして使用できるように配置する。ブリッジ回路は、そのバイアス電圧供給端子間に信号処理回路72から例えば1〔V〕のバイアス電圧が供給され、その出力端子から出力される出力信号は信号処理回路72の信号入力端子に入力するようになっている。
【0108】
磁気センサ71と集積回路化された信号処理回路72とを、例えば図10に示すようにパッケージ75内に配置(収納)する。磁気センサ71を構成する磁気抵抗素子MR1〜MR4は、図10に示すように磁気抵抗素子MR1、MR4とが上下に配置されてAブロック73を形成し、磁気抵抗素子MR2、MR3とが上下に配置されてBブロック74を形成している。Aブロック73とBブロック74の配置間隔は、後述する歯車82の凸部と凹部の間隔に対応するようになっている。さらに、磁気センサ71と信号処理回路72とはワイヤ線76で電気的に接続しかつ、信号処理回路72とは外部と接続するピン77とワイヤ線78で接続している。
【0109】
信号処理回路72の基本的な構成は、図1の信号処理回路2の構成とほぼ同様であるが、上記のGaAsホール素子を用いたセンサICの場合に比べて、センサ信号増幅回路12の増幅率を後述のように変更するとともに、基準電圧発生回路13を図11に示すような基準電圧発生回路79に置き換えるようにした点が異なる。
【0110】
このようにしたのは、後述のように、ブリッジ回路からの出力信号の温度係数を0として扱うためである。そこで、その温度係数に合わせるために、基準電圧発生回路13を基準電圧発生回路79に置き換え、これにより、発生する基準電圧の温度係数が0となるようにする。
従って、基準電圧発生回路79は、図4に示す基準電圧発生回路13とその基本的な構成は同様であるが、図4の基準電圧発生回路13からPMOSトランジスタQ11、Q12を省略する。なお、基準電圧発生回路79の他の部分の構成は、図4に示す基準電圧発生回路13と同様であるので、同一構成要素には同一符号を付してその構成の説明は省略する。
【0111】
次に、このように構成した高温用回転センサIC81は、図12に示すように、例えば歯車の回転検出に使用され、回転検知システムに利用できるので、これについて説明する。
この回転検知システムでは、図12に示すように、高温用回転センサIC81が、強磁性体からなり回転自在に設置された歯車82の外周に、センサ71のブロック73、74がその外周面に対向するように配置される。高温用回転センサIC81の背面側には、歯車82の磁性を強めて磁気検出を容易にするためのサマリウムコバルト磁石83が配置される。また、センサ71のブリッジ回路を駆動するために、信号処理回路72から1〔V〕の定電圧を供給するようにする。さらに、センサ71のAブロック73で感知する磁束密度と、センサ71のBブロック74で感知する磁束密度とを電圧信号として取り出し、この電圧信号を信号処理回路72に入力するようにする。
【0112】
次に、このような構成の回転検知システムの回転検知の原理について、図12を参照して説明する。
Aブロック73の感磁部(磁気抵抗素子MR1、MR4)と、Bブロック74の感磁部(磁気抵抗素子MR2、MR3)の各磁束密度は、歯車82に凹部と凸部があるので、歯車82の回転に合わせて変化し、双方の磁束密度の差もその回転に同期して変化する。この双方の磁束密度差の大きさがある一定の基準値よりも大きくなったときに、信号処理回路2の出力信号をオンにし、その基準値よりも小さくなったときにその出力信号をオフにするようにする。
【0113】
ここで、信号処理回路72からみると、歯車82、サマリウムコバルト磁石83、およびセンサ71を含めた系全体が温度補償の対象であるといえる。
センサ71のブリッジ回路に信号処理回路72から定電圧の1〔V〕を与えるようにし、歯車82を回転させたときに得られるブリッジ回路からの出力振幅を図13に示す。このセンサ系では、歯車82が回転したときに得られるセンサ71のブリッジ回路からの出力信号の振幅は、歯車82や磁石83、またはブリッジ回路の温度変化のために、その大きさの温度係数は、およそ−0.01%/℃であった。従って、−40℃〜200℃の温度範囲を考えた場合に、この温度範囲での温度係数を0に近似しても実用上差し支えないので、温度補償にかかる基準電圧発生回路を図11に示すように構成し、発生する比較基準電圧の温度係数を0とすることができる。
【0114】
また、センサ71のAブロック73とBブロック74の感磁部に作用する磁束密度が、+15Gaussで信号処理回路72の出力がオンとなり、−15Gaussでその出力がオフになるように、信号処理回路72のパラメータを決め、基準電圧発生回路79の抵抗R3、上限基準電圧発生用抵抗Rhigh、および下限基準電圧発生用抵抗Rlowの各値を、R3≒20KΩ、Rhigh=780Ω、Rlow=780Ωと設定する。
【0115】
また(14)(15)式におけるその他のパラメータは、上記のGaAsホールICと同じである。
このときには、基準電圧発生回路79の基準電圧Vhigh、Vlowは、(14)、(15)から、Vhigh=+45mV、Vlow=−45mVとなる。この基準電圧は、図14に示すブリッジ回路からの出力信号をセンサ信号増幅回路で150倍に増幅した増幅信号と比較し、その結果に応じて信号処理回路72の出力をオンまたはオフさせるので、15Gauss以上の磁束密度になった段階で出力の切り替えが起こる。 このようにして構成した実施例2の高温用回転センサICは、高温の200℃でも問題なく歯車の回転を検知できる。
【0116】
なお、この実施例2のように、歯車の回転を検知するものとして、従来からシリコンモノリシックでCMOS回路を使用したセンサICが知られているが、150℃が実用の上限温度であった。しかし、この実施例2では、上記のようにその実用の上限温度を200℃以上にすることができる。
【0117】
【実施例3】
次に、本発明にかかるセンサICの実施例3として高温環境下で使用できる高温用圧力センサICについて、図15〜図19を参照して説明する。
従来、SOI(Silicon on Insulator)構造を用いた高温用圧力センサが、200℃以上の高温で使用可能なことが知られている。そこで、この実施例3にかかる高温用圧力センサICは、図15に示すように、SOI構造の圧力センサ87と、信号処理回路88とを組み合わせ、これらを同一のパッケージ内の収納させて、200℃以上の高温下で用いることができる。
【0118】
信号処理回路88の基本的な構成は、図1の信号処理回路2の構成とほぼ同様であるが、センサ信号増幅回路12の増幅率を後述のように変更するとともに、基準電圧発生回路13を図17に示すような基準電圧発生回路101に置き換えるようにする点が異なる。この点については後述する。
従って、基準電圧発生回路101の構成は、基準電圧発生回路13の構成と基本的に同様であるが、図4の基準電圧発生回路13からPMOSトランジスタQ11、Q12を省略するとともに、オペアンプOP5の出力端子を上限基準電圧発生用抵抗Rhighと下限基準電圧発生用抵抗Rlowの共通接続点からMOSトランジスQ17のドレインに接続を変更し、かつ、その共通接続点から下限基準電位Vlowを取り出すようにした点が異なる。なお、基準電圧発生回路101の他の部分の構成は、図4に示す基準電圧発生回路13と同様であるので、同一構成要素には同一符号を付してその構成の説明は省略する。
【0119】
ところで、シリコン拡散抵抗を用いたピエゾ抵抗型圧力センサは、高温では、PN接合によるリーク電流のため、150℃以上での使用は難しい。そこで、この実施例3では、図16のようなSOI構造の圧力センサ87を使用することにより、200℃以上の高温域で動作できるようにする。
この圧力センサ87は、図16に示すように、基台91上に、酸化アルミニウム(Al23)膜92、シリコンの膜93、酸化アルミニウム(Al23)膜94が順次形成され、その酸化アルミニウム膜94上の中心にピエゾ抵抗素子95が形成され、酸化アルミニウム膜94とピエゾ抵抗素子95の表面が酸化膜(SiO2)96で被覆されるともに、ピエゾ抵抗素子95と4つの端子97とはメタル98により接続されるようになっている(図15参照)。また、その4つの端子97は、信号処理回路88と電気的に接続する。
【0120】
圧力センサ87を3Vの定電圧で駆動し、0.05Mpa〔メガパスカル〕の荷重を与えたときに得られる温度に対する出力電圧は、図18のようになる。図18によれば、実際の出力電圧の温度係数は−0.01%/℃程度であるが、近似的に、温度係数を0としても実用上差し支えないので、温度補償にかかる基準電圧発生回路を図17に示すように構成し、発生する比較基準電圧の温度係数を0とすることができる。
【0121】
また、この実施例3では、動作圧力が0.05Mpaで信号処理回路88の出力がオンとなり、その圧力が0.04Mpaでその出力がオフとなるように、信号処理回路88のパラメータを決め、センサ信号回路の増幅率を5倍とし、基準電圧発生回路101の抵抗R3、上限基準電圧発生用抵抗Rhigh、および下限基準電圧発生用抵抗Rlowの各値を、R3=20KΩ、Rhigh=310Ω、Rlow=1250Ωと設定する(その他のパラメータは、前記のGaAsホールICと同じである)。
【0122】
このようにして構成する高温用圧力センサICは、図19に示すように、室温から200℃までの温度範囲で、動作圧力が0.05Mpaで出力がオンとなり、その圧力が0.04Mpaでその出力がオフとなる。図19において、Ponは出力がオンになる動作圧力であり、Poffは出力がオフになる動作圧力である。
このようにして構成した実施例3の高温用圧力センサICは、高温の200℃でも問題なく圧力を検知できる。
【0123】
【実施例4】
本発明の実施例としては、上記のように磁気センサICおよび圧力センサICについて説明した。しかし、本発明の実施例4として、(1)多孔質層付き電気化学ポンプ式酸素センサを用いた高温用酸素センサスイッチ、(2)PTCサーミスタ、例えばBaTiO3系材料を使ったもの、と組み合わせることによって100℃〜200℃の温度範囲でスイッチングする温度スイッチが実現できると期待できる。
以上説明したように、本発明にかかるセンサIC用ICは、各種のセンサ素子と組み合わせることができ、この組み合わせにより各種のセンサICを実現することができる。
【0124】
一般に、センサに応じてセンサICを設計・製造する必要があるが、本発明にかかるセンサICは、調整すべきパラメータが、増幅率と温度係数とバイアス電圧の3点であるので、設計変更が容易である。加えて、増幅率および温度係数の異なる温度補償機能付きICをあらかじめ複数設計・製造しておけば、一般のセンサ素子でも組合せによっては広い温度域あるいは一部の温度域で、良く温度補償されたセンサICとして組み立てられる可能性が高い。つまり、本発明にかかるセンサIC用ICは、汎用的に高温用センサICとして使用できる。
また、センサと信号処理回路とを同一のパッケージ内に収納することで、小型化できる上に、高精度で動作するICセンサが実現できる。
【0125】
[産業上の利用可能性]
このように本発明のセンサIC用ICによれば、増幅手段は、センサのセンサ出力信号を入力し、このセンサ出力信号を温度依存性のない所要の増幅率で増幅するとともにオフセットを打ち消すように動作し、センサの出力信号を正確に増幅できるようにした。
また、基準信号発生手段は、センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数で変化する基準信号を発生し、この信号が、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用し、センサの出力信号が温度の影響により変化しても、その影響を打ち消すことができるようにした。
【0126】
さらに、増幅手段、基準信号発生手段、比較手段、および定電圧生成手段は、絶縁性基板上に設けられた半導体層を用いて形成され、その半導体層は好ましくはシリコン薄膜とし、高温域においてリーク電流が低減できる上にラッチアップの防止が図れる構造とした。
このため、本発明のセンサIC用ICでは、各種のセンサのうちその出力の大きさが基準信号発生手段の発生する基準信号の温度係数と同じ温度係数で変化するものであるときには、そのセンサと組み合わせて使用することができ、この場合には、センサの出力について低温から高温(例えば−40℃から200℃以上)にかけての広い温度範囲に亘って高精度の温度補償が実現でき、もって高温下でも高精度かつ高信頼性の動作が実現できる。
【0127】
また、本発明のセンサIC用ICは、センサと組み合わせたセンサICを構成する場合に、センサの温度特性に合わせて基準信号発生手段の構成要素を変更するだけで実現できるので、各種のセンサと組み合わせることができ、もって応用範囲が広い。
さらに、本発明のセンサIC用ICによれば、基準信号発生手段は、センサのセンサ出力信号の温度係数を予め測定しておき、それと同じ温度係数を持つ基準信号を発生し、この信号が、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用されるようになっているので、センサと組み合わせてセンサICを構成する場合にその比較の精度が向上する。
【0128】
また、センサは製造組み立てにおいて、その特性のばらつきを厳格に選別でき、基準信号発生手段は、製造したセンサの固有の特性に合わせた基準信号を発生できるので、センサと組み合わせて希望の仕様のセンサICを容易に実現できる。
また、本発明のセンサIC用ICによれば、基準信号発生手段が、センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数を持ち、かつ、絶対温度に対して1次関数的に変化する基準信号を発生し、この信号が、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用される。
【0129】
このため、この発明のセンサIC用ICでは、各種のセンサのうちその出力の大きさが絶対温度に対してその大きさが1次関数的に変化するときには、そのセンサに応じた絶対温度の1次関数で与えられる基準信号を発生することによって、そのセンサと組み合わせて使用することができ、この場合には、センサの出力について低温から高温にかけての広い温度範囲に亘って高精度の温度補償が実現でき、もって高温下でも高精度かつ高信頼性の動作が実現できる。また、たとえ広い温度領域で1次関数的でなくとも、近似的にその出力が1次関数と見なせる温度域では、その温度領域で高精度の動作が実現できる。
【0130】
一方、本発明のセンサICによれば、増幅手段は、センサのセンサ出力信号を入力し、この入力信号を温度依存性のない所要の増幅率で増幅するとともにオフセットを打ち消すように動作し、センサの出力信号を正確に増幅できるようにした。
また、基準信号発生手段は、センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数で変化する基準信号を発生し、この信号が、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用し、センサの出力信号が温度の影響により変化しても、その影響を打ち消すことができるようにした。
【0131】
さらに、増幅手段、基準信号発生手段、比較手段、および定電圧生成手段は、絶縁性基板上に設けられた半導体層を用いて形成され、その半導体層は好ましくはシリコン薄膜とし、高温域においてリーク電流が低減できる上にラッチアップの防止が図れる構造とした。
このため、本発明のセンサICでは、センサの出力について低温から高温(例えば−40℃から200℃以上)にかけての広い温度範囲に亘って高精度の温度補償が実現でき、高温下でも高精度かつ高信頼性の動作が実現できる。
【0132】
また、本発明のセンサICは、発明者らがGaAsの抵抗値が温度に対して増加するという特性に着目し、その特性を積極的かつ効果的に利用するために鋭意研究を重ねて発明を完成するに至ったものである。
従って、この発明は、ホール素子の感磁部に温度に対してその抵抗値が増加するGaAsを採用したので、温度の増加に伴って感磁部の電流を減少させて電源電流を減少させることができる。このため、センサICは、高温になるに従って消費電力が減少する上にその電流の消費による温度の上昇が抑制され、高温でも安定に動作することができる。
【0133】
さらに、本発明のセンサICは、基準信号発生手段は、センサのセンサ出力信号の温度係数を予め測定しておき、それと同じ温度係数を持つ基準信号を発生し、この信号が、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用されるようになっているので、温度補償の精度が向上する。
また、センサは製造組み立てにおいて、特性別に厳密に選別でき、基準信号発生手段は選別したセンサの特性に合わせた基準信号を発生できるので、センサと組み合わせて希望の仕様のセンサICを容易に実現できる。
【0134】
さらに、本発明のセンサICでは、基準信号発生手段が、センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数を持ち、かつ、絶対温度に対して1次関数的に変化する基準信号を発生し、この信号を、比較手段が増幅手段の増幅出力信号の大きさと比較して所要の信号を出力するための基準信号として使用するようにし、センサの出力信号が温度の影響により変化しても、その影響を打ち消すことができるようにした。
【0135】
このため、センサの出力について低温から高温にかけての広い温度範囲に亘って高精度の温度補償が実現でき、もって高温下でも高精度かつ高信頼性の動作が実現できる。また、たとえ広い温度領域で1次関数的でなくとも、近似的にその出力が1次関数と見なせる温度域では、その温度領域で高精度の動作が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる半導体装置(センサIC用IC)の内部の信号処理回路の構成をセンサとともに示したブロック図である。
【図2】 センサ信号増幅回路の構成の一例を示す回路図である。
【図3】 図2のセンサ信号増幅回路を構成するオペアンプの構成の一例を示す回路図である。
【図4】 基準電圧発生回路の構成の一例を示す回路図である。
【図5】 本発明の実施例1にかかるGaAsホール素子において、バイアス電圧が3〔V〕で磁束密度が±40〔Gauss〕の時のホール電圧の温度特性を示す図である。
【図6】 本発明の実施例1にかかる信号処理回路の動作入力電圧の温度特性を示す図である。
【図7】 本発明の実施例1にかかるGaAsホール素子を用いたホールICの動作磁束密度の温度特性を示す図である。
【図8】 本発明の実施例1にかかるGaAsホール素子を用いたホールICの電源電圧が5〔V〕のときの電源電流の温度特性を示す図である。
【図9】 本発明の実施例2にかかる高温用回転センサICの構成を示す図である。
【図10】 本発明の実施例2にかかる高温用回転センサICのパッケージ内における各部の配置例を示す図である。
【図11】 本発明の実施例2にかかる高温用回転センサICにおける基準電圧発生回路の回路図である。
【図12】 本発明の実施例2にかかる高温用回転センサICを用いて歯車の回転検知システムを構成した場合の図である。
【図13】 本発明の実施例2にかかる高温用回転センサICの出力の振幅の温度変化を示す図である。
【図14】 本発明の実施例2にかかる高温用回転センサICにおけるAブロックとBブロック間の磁束密度の差と、ブリッジ回路の出力の増幅信号との関係を示す図である。
【図15】 本発明の実施例3にかかる高温用圧力センサICの構成を示す図である。
【図16】 本発明の実施例3にかかる高温用圧力センサICの高温用圧力センサの構成を示す断面図である。
【図17】 本発明の実施例3にかかる高温用圧力センサICにおける基準電圧発生回路の回路図である。
【図18】 本発明の第3実施例にかかる高温用圧力センサの出力の温度特性を示す図である。
【図19】 本発明の実施例3にかかる高温用圧力センサICの温度と動作圧力の関係を示す図である。

Claims (18)

  1. センサからのセンサ出力信号を入力し、このセンサ出力信号を温度依存性のない所要の増幅率で増幅するとともにオフセットを打ち消すようにした増幅手段と、
    前記センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数で変化する基準信号を発生する基準信号発生手段と、
    前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさを前記基準信号発生手段からの基準信号の大きさと比較し、この比較結果に応じて所要の信号を出力する比較手段と、
    前記センサに対して供給すべき温度依存性のない定電圧を生成する定電圧生成手段とを備え、
    前記増幅手段は、
    前記センサ出力信号が入力される第1、第2、および第3のオペアンプと、
    前記第1、第2、および第3のオペアンプの各オフセット電圧を打ち消すオフセット補償信号を所定の周期毎に前記第1のオペアンプから生成させ、当該オフセット補償信号を前記第1、第2、および第3のオペアンプの各オフセット補償用端子に供給して保持させ前記オフセット電圧を打ち消すオフセット補償手段と、
    前記第2のオペアンプの出力端子と反転入力端子との間に接続される第1の抵抗、および前記第1の抵抗と同じ温度係数を有し、前記第3のオペアンプの出力端子と前記第2のオペアンプの反転入力端子と間に接続される第2の抵抗とを含み、
    前記基準信号発生手段は、
    絶対温度に比例するとともに基準抵抗の大きさに反比例する定電流を発生する第1定電流源と、
    この第1定電流源と直列に接続され、電圧・電流変換用抵抗に温度依存性のない定電圧を印加させて定電流を発生する第2定電流源と、
    前記第2定電流源の電流と前記第1定電流源の電流との差の定数倍の電流からなる定電流を発生させる第3定電流源と、
    この第3定電流源に直列に接続され、前記第3定電流源からの定電流を流す上限基準電圧発生用抵抗および下限基準電圧発生用抵抗とを備え、
    前記基準抵抗、前記電圧・電流変換用抵抗、前記上限基準電圧発生用抵抗、および前記下限基準電圧発生用抵抗は、同一の温度係数を持ち、
    前記上限基準電圧発生用抵抗および下限基準電圧発生用抵抗に発生する2つの電位のうちの1つの電位または2つの電位を基準電位として取り出すようにし、
    かつ、前記増幅手段、前記基準信号発生手段、前記比較手段、および前記定電圧生成手段は、絶縁性基板上に設けられた半導体層を用いて形成させたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記半導体層は、シリコン薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記シリコン薄膜の厚さは、30nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1、第2、第3のオペアンプのそれぞれは、
    前記センサ出力信号を差動増幅する差動増幅部と、
    この差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すオフセット補償部とからなり、
    前記オフセット補償部は、前記差動増幅部のオフセット電圧に応じたオフセット補償信号を所定の周期毎に受け取り、このオフセット補償信号に基づいて前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記オフセット補償手段は、さらに前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消す電圧を保持するコンデンサを備え、
    このコンデンサに前記差動増幅部のオフセット電圧に応じた電圧を周期的に保持させ、前記オフセット補償部は、前記保持電圧に基づいて前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すようにしたこと特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記比較手段は、前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさを2つの基準電圧の大きさと比較し、この比較結果に応じて出力がオン・オフすることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記比較手段は、前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさの基準電圧に対する割合を演算し、その割合に応じたデジタル信号を出力するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 測定物理量を電気信号に変換して出力し、その出力信号が固有の温度係数を持つセンサと、
    このセンサのセンサ出力信号を入力し、このセンサ出力信号を温度依存性のない所要の増幅率で増幅するとともにオフセットを打ち消すようにした増幅手段と、
    前記センサのセンサ出力信号の温度係数と同じ温度係数で変化する基準信号を発生する基準信号発生手段と、
    前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさを前記基準信号発生手段からの基準信号の大きさと比較し、この比較結果に応じて所要の信号を出力する比較手段と、
    前記センサに対して供給する温度依存性のない定電圧を生成する定電圧生成手段とを備え、
    前記増幅手段は、
    前記センサ出力信号が入力される第1、第2、および第3のオペアンプと、
    前記第1、第2、および第3のオペアンプの各オフセット電圧を打ち消すオフセット補償信号を所定の周期毎に前記第1のオペアンプから生成させ、当該オフセット補償信号を前記第1、第2、および第3のオペアンプの各オフセット補償用端子に供給して保持させ前記オフセット電圧を打ち消すオフセット補償手段と、
    前記第2のオペアンプの出力端子と反転入力端子との間に接続される第1の抵抗、および前記第1の抵抗と同じ温度係数を有し、前記第3のオペアンプの出力端子と前記第2のオペアンプの反転入力端子と間に接続される第2の抵抗とを含み、
    前記基準信号発生手段は、
    絶対温度に比例するとともに基準抵抗の大きさに反比例する定電流を発生する第1定電流源と、
    この第1定電流源と直列に接続され、電圧・電流変換用抵抗に温度依存性のない定電圧を印加させて定電流を発生する第2定電流源と、
    前記第2定電流源の電流と前記第1定電流源の電流との差の定数倍の電流からなる定電流を発生させる第3定電流源と、
    この第3定電流源に直列に接続され、前記第3定電流源からの定電流を流す上限基準電圧発生用抵抗および下限基準電圧発生用抵抗とを備え、
    前記基準抵抗、前記電圧・電流変換用抵抗、前記上限基準電圧発生用抵抗、および前記下限基準電圧発生用抵抗は、同一の温度係数を持ち、
    前記上限基準電圧発生用抵抗および下限基準電圧発生用抵抗に発生する2つの電位のうちの1つの電位または2つの電位を基準電位として取り出すようにし、
    かつ、前記増幅手段、前記基準信号発生手段、前記比較手段、および前記定電圧生成手段は、絶縁性基板上に設けられた半導体層を用いて形成させたことを特徴とする半導体装置。
  9. 前記半導体層は、シリコン薄膜であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記シリコン薄膜の厚さは、30nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
  11. 前記センサは、センサ出力信号が固有の温度係数を持ち、そのセンサ出力信号が絶対温度の1次関数で与えられることを特徴とする請求項8、請求項9、または請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記センサは、磁気センサであることを特徴とする請求項8から請求項11のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  13. 前記磁気センサは、ホール素子であることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
  14. 前記ホール素子は、その感磁部がGaAsにより構成されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
  15. 前記第1、第2、第3のオペアンプのそれぞれは、
    前記センサ出力信号を差動増幅する差動増幅部と、
    この差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すオフセット補償部とからなり、
    前記オフセット補償部は、前記差動増幅部のオフセット電圧に応じたオフセット補償信号を所定の周期毎に受け取り、このオフセット補償信号に基づいて前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すようにしたことを特徴とする請求項8から請求項14のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  16. 前記オフセット補償手段は、さらに前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消す電圧を保持するコンデンサを備え、
    このコンデンサに前記差動増幅部のオフセット電圧に応じた電圧を周期的に保持させ、前記オフセット補償部は、前記保持電圧に基づいて前記差動増幅部のオフセット電圧を打ち消すようにしたこと特徴とする請求項15に記載の半導体装置。
  17. 前記比較手段は、前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさを2つの基準電圧の大きさと比較し、この比較結果に応じて出力がオン・オフすることを特徴とする請求項8から請求項16のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  18. 前記比較手段は、前記増幅手段からの増幅出力信号の大きさの基準電圧に対する割合を演算し、その割合に応じたデジタル信号を出力するようになっていることを特徴とする請求項8から請求項16のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
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