JP5001479B2 - アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートの製造方法 - Google Patents

アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートの製造方法 Download PDF

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    • C10M135/10Sulfonic acids or derivatives thereof

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルキルトルエンスルホネートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スルホネート類、特にカルシウム、バリウムもしくはマグネシウムの過塩基性スルホネート類は、潤滑油用添加剤として広く使用されている。「過塩基性」なる用語は、スルホネートの原料となるスルホン酸と反応させるのに必要な量よりも過剰の金属を含有するスルホネートを記すのに使われる。しばしば、過剰の金属はその炭酸塩の形をとり、その場合に過塩基性スルホネートは分散剤として、金属スルホネートにおける金属炭酸塩のコロイド状分散物からなる。このような過塩基性スルホネートは潤滑油において分散剤として用いられ、エンジン作動中にエンジンのクランクケースで生ずる酸を中和し、よって腐食を低減することができる。
【0003】
スルホネートは一般に、アルキル鎖が分枝鎖または直鎖である芳香族のモノアルキレートから得られる。油溶性スルホネートは、炭素原子数が16より多い、通常は20より多いアルキル基を含むアルキレートから得られる。
【0004】
WO96/26919号公報には、潤滑剤において有用であるとされる低塩基価のスルホネートが開示されている。そのスルホネートは、高分子量のスルホン酸(即ち、数平均分子量が500またはそれより上である)から合成される。高分子量スルホン酸はアルカリールスルホン酸、例えばアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルトルエンスルホン酸またはアルキルキシレンスルホン酸であってもよい。スルホン酸は、C15〜C60あるいはそれより上のアルキルベンゼン、またはC15〜C60あるいはそれより上のアルキルキシレン、またはC15〜C60あるいはそれより上のアルキルトルエンのスルホン酸の混合スルホン酸であることが好ましいとされている。
【0005】
低分子量のスルホン酸も使用することができる。好ましいのはアルキルアリールスルホン酸であり、最も好ましいのはC8〜C30及びそれより上のアルキル置換アルキルベンゼンまたはアルキルトルエンまたはアルキルキシレンのスルホン酸の混合物であるとされている。低分子量スルホン酸の数平均分子量は少なくとも300であることが好ましく、より好ましくは少なくとも350であると記載されている。
【0006】
好ましい高分子量スルホン酸、および存在するとして低分子量スルホン酸は、C2、C3またはC4のポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリノルマルブテンから合成された芳香族アルキレートから誘導されたものであると記載されている。また、線状α−オレフィンなどの直鎖炭化水素から合成された芳香族アルキレートから、直鎖の低分子量スルホン酸を合成することも可能であると述べられている。
【0007】
1980年11月25日に発行された米国特許第4,235,810号明細書(オセレットら)には、16〜30個の炭素原子を含む直鎖と分枝鎖のオレフィンの混合物でアルキル化することにより合成されたアルキル芳香族化合物が開示されている。プロピレンのオリゴマーは好ましい分枝鎖オレフィンであると述べられている。アルキル芳香族化合物は全塩基価が300のスルホネートに変換することができる。
【0008】
1981年3月31日に発行の米国特許第4,259,193号明細書(チアチオーら)には、アルキルアリール部がモノ・アルキルオルト・キシレンまたはモノ・アルキルトルエンであり、アルキル基が15〜40個の炭素原子を含む過塩基性のアルカリ土類金属モノ・アルキルオルト・キシレンが開示されている。アルキル基は直鎖でもあるいは分枝鎖でもよい。プロピレンのオリゴマーはアルキル基として用いることができる。実施例では、過塩基性スルホネートの全塩基価は300である。
【0009】
1983年6月7日に発行された米国特許第4,387,033号明細書(レナックら)には、全塩基価が400の高塩基性カルシウムスルホネートが開示されている。スルホネートを合成するのに使用されたアルキルスルホン酸は、好ましくはアルキル鎖に少なくとも18個の炭素原子があるものである。分子量が300と700の間、例えば400と500の間にあるアルカリールスルホン酸、例えばアルキルベンゼンやアルキルトルエンスルホン酸は好適であると書かれている。アルキル基は直鎖でもあるいは分枝鎖でもよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、潤滑油用添加剤として有用な低過塩基性アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートの製造に有利に用いられる製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の製造方法によって提供されるアルキルトルエンスルホネートとしては、全塩基価が約2から約30、ジアルキレート含量が0%から約25%、そしてモノアルキレート含量が約75%から約100%である低過塩基性アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートであって、そしてアルキル基がプロピレンオリゴマーから誘導された分枝鎖アルキル基である低過塩基性アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートがある。
【0016】
本発明は、アルキルトルエン基の平均分子量が300から323であるアルキルトルエンスルホン酸を溶媒の存在下でアルカリ土類金属の活性源と反応させることにより、アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートを製造する方法において、溶媒として水を使用することを特徴とする改良された製造方法を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法により好ましく製造される低過塩基性アルキルトルエンスルホネートは、トルエンのアルキレートから製造する。アルキレートは、当該分野では公知の技術を用いてトルエンのフリーデル−クラフトアルキル化反応により製造することができる。
【0018】
本発明のスルホネートを製造するのに用いられるアルキレートは、アルキル基としてプロピレンオリゴマーを用いて製造する。オリゴマーはジ・オレフィン含量が少ない、すなわち臭素価が約15から25mg/100gである。
【0019】
アルキルトルエンアルキレートの合成は、トルエンを各種のルイス酸またはブレンステッド酸触媒を用いて、後述するプロピレンオリゴマーでアルキル化することにより行なうことができる。代表的な市販の触媒としては、リン酸/けいそう土、ハロゲン化アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化アンチモン、塩化第二スズ、塩化亜鉛、オニウム・ポリ(フッ化水素)、およびフッ化水素を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。その他の触媒としては、少なくとも一種類の金属酸化物を有する固体酸性触媒、例えば天然ゼオライト、合成ゼオライト、合成モレキュラーシーブ、およびクレーを挙げることができる。
【0020】
トルエンのアルキル化により各種の生成物が生じうる。これらには、異性モノ−アルキル化トルエン類、例えばオルト・アルキルトルエン、メタ・アルキルトルエン、およびパラ・アルキルトルエンがあるが、それらに限定されるものではない。その他の生成物としては、ジ・アルキル化および/またはポリアルキル化トルエン生成物およびそれらの異性体を挙げることができる。好ましいトルエンアルキレートは、許容範囲のスルホン化収量を与えるものである。
【0021】
好ましいアルキル化トルエン生成物のGLPC分析は、該生成物が、本明細書では軽質生成物、中間(留分)生成物、および重質生成物として表す三つの主要な部分からなることを明らかにしている。トルエンアルキレートのGLPC分析は、FID検出器を備えたバリアン6100ガスクロマトグラフを用いて、以下のカラムおよび計器条件で操作して行われる。
Figure 0005001479
【0022】
得られたクロマトグラムを下記のようにして分析し、軽質留分、中間留分および重質留分の分布の割合を決定する。
パーセント軽質生成物含量=15.05分と30分の間に溶離するピークの
面積/15.05分と80分の間に溶離するピークの面積
パーセント中間生成物含量=30.05分と45分の間に溶離するピークの
面積/15.05分と80分の間に溶離するピークの面積
パーセント重質生成物含量=45.05分と80分の間に溶離するピークの
面積/15.05分と80分の間に溶離するピークの面積
好ましい本発明のトルエンアルキレートは、軽質生成物を約0〜15%、中間生成物を約75−90%、そして重質生成物を約0〜15%含有する。
【0023】
トルエンアルキレートはまた、IRによっても、塩塊セル上にフィルムとして生成物のIRスペクトルの吸光度を記録することにより分析することができる。IRスペクトルは、650〜1000cm-1の範囲に調整してプロットする。異性体分布は以下のようにして算出する。
オルト異性体含量(パーセント)=705cm-1でのピークの高さ/705cm-1、785cm-1、および815cm-1でのピーク高さの合計
メタ異性体含量(パーセント)=785cm-1でのピークの高さ/705cm-1、785cm-1、および815cm-1でのピーク高さの合計
パラ異性体含量(パーセント)=815cm-1でのピークの高さ/705cm-1、785cm-1、および815cm-1でのピーク高さの合計
好ましい本発明のトルエンアルキレートは、オルト異性体が約25〜35%、メタ異性体が約15〜25%、そしてパラ異性体が約40〜55%の異性体分布を示す。
【0024】
本発明のスルホネートを製造するのに用いられるアルキル化ベンゼンおよびトルエンの分子量は、約300から約315であり、好ましくは約300から約308である。それらは、モノアルキレートとジアルキレートの混合物から構成されていてもよい。本明細書で使われるとき、「モノアルキレート」は、アルキレートがプロピレンオリゴマーから誘導されたただ1つのアルキル基を含むという事実を意味し、そして「ジアルキレート」は、プロピレンオリゴマーから誘導された2つのアルキル基を持つ化合物を意味する。これらの用語はいずれも、芳香環上に存在しうる他のアルキル基、例えばトルエン中のメチル基を意味するものではない。
【0025】
本発明のスルホネートを製造するのに用いられるアルキレートは、好ましくは全部がモノアルキレートである。しかしながら、モノアルキレートとジアルキレートの混合物も用いることができる。そのような混合物を用いるとき、一般にはモノアルキレートは、混合物中に約75%、好ましくは約85%、そしてより好ましくは約90%から100%含まれ、あるとすれば残りがジアルキレートである。
【0026】
アルキレートをプロピレンのオリゴマーから製造するので、芳香環上のアルキル基は全て分枝鎖アルキルとなる。本発明のアルキレートには直鎖アルキル基が含まれない。
【0027】
本発明の好ましい態様では、アルキレートはアルキルトルエンのオルト・、メタ・およびパラ・異性体混合物である。好ましくは混合物は、オルト・異性体を約25〜35%、メタ・異性体を約15〜25%、およびパラ・異性体を約40〜55%含有する。
【0028】
当該分野で公知の方法を用いてアルキレートをスルホン化し、そしてスルホン酸をアルカリ土類金属で中和する。
【0029】
本発明により製造されるスルホネートは過塩基化されている、すなわちスルホン酸を中和するのに必要な量よりも多くアルカリ土類金属を含有している。スルホネートは、比較的低い全塩基価(「TBN」)を示すので、低過塩基性物質とみなされる。本明細書で使われるとき、「全塩基価」は添加剤1グラムにおけるKOH1ミリグラムと等価な塩基の量を意味する。よって、高いTBN価は生成物のアルカリ性がそれだけ強いこと、従って保有するアルカリ度が大きいことを反映している。添加剤組成物のTBNは、ASTM試験法D664あるいは他の同様な方法により容易に決定される。本発明の低過塩基性アルキルトルエンスルホネートの全塩基価は約2から約30である。
スルホネートを生成させるのに用いられるアルカリ土類金属は、カルシウム、バリウムまたはマグネシウムであり、カルシウムが好ましい。
【0030】
アルキルトルエンスルホネートが所望の生成物であるとき、過塩基化反応は溶媒として水を用いて行うことができることを発見した。以前には、水と有機溶媒、例えば2−エチルヘキサノールとの組合せが用いられていた。しかしながら、有機溶媒の使用は水が唯一の溶媒であるときに比べれば経費が高くつき、また廃棄物処理の問題を招く。今では、反応は溶媒として水だけを用いて、すなわち有機溶媒の不在下で実施できることがわかっている。しばしば、過塩基化反応は潤滑油の存在下で実施されている。本開示によって、そのような油は過塩基化反応の溶媒とはみなされなくなる。
【0031】
本発明の製造方法により製造することのできる低過塩基性アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート潤滑油組成物に含有させることができる。潤滑油組成物はまた、本発明により製造されるスルホネート以外のスルホネート、例えばアルキルアリール部のアルキル基が直鎖であるスルホネートを含有することも可能である。しかしながら、潤滑油組成物および濃縮物において、アルキルトルエンのアルキル基の50%以上は分枝鎖アルキルである。好ましくは、アルキルの約60〜65%以上が分枝鎖であり、そして更に好ましくは本質的に全て(すなわち、95〜100%)のアルキルが分枝鎖である。
【0032】
ある態様では、潤滑油は無灰分散剤およびジアルキルジチオリン酸亜鉛も含有する。別の態様では、潤滑油は金属フェネート、金属スルホネート、および金属サリチレートからなる群より選ばれる清浄剤も含有する。配合物中に存在してもよい他の添加剤としては、錆止め剤、消泡剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、酸化防止剤、およびその他公知の各種の添加剤を挙げることができる。
【0033】
特に、以下の添加剤成分は、本発明により製造される過塩基性のアルキルトルエンスルホネートと組み合わせて好ましく用いることができる成分の例である。
(1)金属清浄剤:過塩基性硫化アルキルフェネート、過塩基性スルホネート、および過塩基性サリチレート。
(2)無灰分散剤:アルケニルスクシンイミド、他の有機化合物で変性されたアルケニルスクシンイミド、ホウ酸で変性されたアルケニルスクシンイミド、およびアルケニルコハク酸エステル。
【0034】
(3)酸化防止剤
1)フェノール型(フェノール系)酸化防止剤:4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−I−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンジル)−スルフィド、およびビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−スルフィド。
2)ジフェニルアミン型酸化防止剤:アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−I−ナフチルアミン、およびアルキル化・I−ナフチルアミン。
3)その他の型:金属ジチオカルバメート(例えば、亜鉛ジチオカルバメート)、およびメチレンビス(ジブチルジチオカルバメート)。
【0035】
(4)錆止め剤(錆防止剤)
1)非イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレート、およびポリエチレングリコールモノオレート。
2)その他の化合物:ステアリン酸およびその他の脂肪酸、ジカルボン酸、金属石鹸、脂肪酸アミン塩、重質スルホン酸の金属塩、多価アルコールの部分カルボン酸エステル、およびリン酸エステル。
【0036】
(5)抗乳化剤:アルキルフェノールと酸化エチレンの付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、およびポリオキシエチレンソルビタンエステル。
(6)極圧剤(EP剤):ジアルキルジチオリン酸亜鉛(Zn−DTP、第一級アルキル型及び第二級アルキル型)、硫化油、ジフェニルスルフィド、メチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、および鉛ナフテネート。
(7)摩擦緩和剤:脂肪アルコール、脂肪酸、アミン、ホウ酸エステル、およびその他のエステル。
【0037】
(8)多機能添加剤:硫化オキシモリブデンジチオカルバメート、硫化オキシモリブデン有機リンジチオエート、オキシモリブデンモノグリセリド、オキシモリブデンジエチレートアミド、アミン−モリブデン複合化合物、および硫黄含有モリブデン複合化合物。
(9)粘度指数向上剤:ポリメタクリレート型ポリマー、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、水和スチレン−イソプレン共重合体、ポリイソブチレン、および分散剤型粘度指数向上剤。
(10)流動点降下剤:ポリメチルメタクリレート。
【0038】
本発明により製造することができる低過塩基性スルホネートは、潤滑油に清浄性および分散性を付与するのに有用である。低過塩基性スルホネートは潤滑油組成物を提供するが、その潤滑油組成物は、良好な摩擦係数を示し、他の添加剤、特にスルホネートやフェネートとの相溶性が良く、潤滑油組成物に表皮を生じさせず、良好な水分許容度を示し、発泡を生じることがなく、酸化安定性が良く、そして良好な錆止めをもたらすものである。
【0039】
アルカリ土類金属のアルキルトルエンスルホネートを潤滑剤に使用したとき、その量は全潤滑剤組成物の約0.5%から40%の範囲にあるが、好ましくは全潤滑剤組成物の約1%から25%の範囲である。そのような潤滑油組成物は、乗用車、重オンロード及びオフロード車、鉄道、天然ガスおよび船舶を含めて、トランクピストンや低速クロスヘッドなど、ガソリン機関やディーゼル機関等の内燃機関のクランクケースにおいて有用である。潤滑油組成物はまた、油圧作動用途においても有用である。
潤滑油組成物は、黒スラッジ堆積物を低減する方法、ピストン堆積物を低減する方法、あるいはそれら両方において使用することができる。
【0040】
そのような潤滑油組成物には完成潤滑油が用いられるが、その完成潤滑油はシングルグレードであってもあるいはマルチグレードであってもよい。マルチグレード潤滑油は、粘度指数(VI)向上剤を添加することにより調製される。代表的なVI向上剤は、ポリアルキルメタクリレート、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ジエン共重合体などである。VI改善性とともに分散性を示すいわゆる分散剤型VI向上剤もそのような配合物に使用することができる。
【0041】
そのような組成物に用いられる潤滑粘度の油は、鉱油であってもよいし、あるいは乗用車、重オンロード及びオフロード車、鉄道、天然ガスおよび船舶を含めて、トランクピストンや低速クロスヘッドなど、ガソリン機関やディーゼル機関等の内燃機関のクランクケースでの使用に適した粘度の合成油であってもよい。クランクケース潤滑油は通常は、およそ0°Fで1300cStから210°F(99℃)で24cStの粘度を示す。潤滑油は合成または天然の原料から誘導されたものであってもよい。本発明において基油として使用できる鉱油としては、パラフィン系石油、ナフテン系石油、および通常潤滑油組成物に使用されるその他の石油を挙げることができる。合成油としては、炭化水素合成油および合成エステルの両方を挙げることができる。有用な合成炭化水素油としては、適正な粘度を有するアルファオレフィンの液体ポリマーを挙げることができる。特に有用なものは、1−デセン三量体などC6〜C12のアルファオレフィンの水素化液体オリゴマーである。同様に、適正な粘度のアルキルベンゼン、例えばジドデシルベンゼンも使用することができる。有用な合成エステルとしては、モノカルボン酸やポリカルボン酸と、モノヒドロキシアルカノールやポリオールとのエステルを挙げることができる。代表的な例としては、ジドデシルアジペート、ペンタエリトリトールテトラカプロエート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジラウリルセバケートなどがある。モノ及びジカルボン酸とモノ及びジヒドロキシアルカノールとの混合物から合成された複合エステルも使用することができる。
鉱油と合成油のブレンドも有用である。たとえば、10%から25%の水素化1−デセン三量体と75%から90%の150SUS(100°F)鉱油のブレンドは、優れた潤滑油基油となる。
【0042】
ある態様では、潤滑油組成物は下記成分を含有する:
(a)主要量の潤滑粘度の油、
(b)1〜20%の少なくとも一種類の無灰分散剤、
(c)1〜40重量%の本発明のアルカリ土類金属のアルキルトルエンスルホネート混合物、
(d)0.05〜5%の少なくとも一種類のジチオリン酸亜鉛、
(e)0.0〜10%の少なくとも一種類の酸化防止剤、
(f)0.0〜1%の少なくとも一種類の抑泡剤、および
(g)0.0〜20%の少なくとも一種類の粘度指数向上剤。
【0043】
添加剤濃縮物もまた、本発明の範囲に含まれる。本発明の濃縮物は、本発明により製造されるアルカリ土類金属のアルキルトルエンスルホネートからなり、少なくとも一種類の前記添加剤を含む。一般に、濃縮物は輸送や貯蔵の際の取り扱いを容易にするために十分な有機希釈剤を含んでいる。
【0044】
濃縮物のうち10%から90%は有機希釈剤である。濃縮物のうち0.5%から90%は本発明により製造されるアルカリ土類金属のアルキルトルエンスルホネートである。濃縮物の残りは他の添加剤から構成される。
【0045】
使用できる好適な有機希釈剤としては例えば、溶媒で精製した100N、すなわちCit-Con 100N、および水素化処理した100N、すなわちRLOP 100Nなどを挙げることができる。有機希釈剤は、100℃における粘度が約1から約20cStであることが好ましい。
【0046】
以下に、各種の用途において使用することができる添加剤パッケージの代表的な実施例を挙げる。これらの代表的な実施例では、本発明により製造されるアルカリ土類金属のアルキルトルエンスルホネートが用いられる(単に「スルホネート」と記載する)。下記の重量パーセントは、プロセス油も希釈油も一切含まず、活性成分の量に基づいている。これらの実施例は本発明を説明するために提示されるのであって、本発明を限定するものではない。
【0047】
I)船舶用ディーゼルエンジン油
1)スルホネート 65%
第一級アルキルZn−DTP 5%
潤滑粘度の油 30%
2)スルホネート 65%
アルケニルスクシンイミド無灰分散剤 5%
潤滑粘度の油 30%
3)スルホネート 60%
第一級アルキルZn−DTP 5%
アルケニルスクシンイミド無灰分散剤 5%
潤滑粘度の油 30%
【0048】
4)スルホネート 65%
フェノール型酸化防止剤 10%
潤滑粘度の油 25%
5)スルホネート 55%
アルキル化ジフェニルアミン型酸化防止剤 15%
潤滑粘度の油 30%
6)スルホネート 65%
フェノール型酸化防止剤 5%
アルキル化ジフェニルアミン型酸化防止剤 5%
潤滑粘度の油 25%
【0049】
7)スルホネート 60%
第一級アルキルZn−DTP 5%
フェノール型酸化防止剤 5%
潤滑粘度の油 30%
8)スルホネート 60%
アルケニルスクシンイミド無灰分散剤 5%
アルキル化ジフェニルアミン型酸化防止剤 10%
潤滑粘度の油 25%
9)スルホネート 55%
他の添加剤 25%
第一級アルキルZn−DTP
アルケニルコハク酸エステル無灰分散剤
フェノール型酸化防止剤
アルキル化ジフェニルアミン型酸化防止剤
潤滑粘度の油 30%
【0050】
II)自動車用エンジン油
1)スルホネート 25%
アルケニルスクシンイミド無灰分散剤 35%
第一級アルキルZn−DTP 10%
潤滑粘度の油 30%
2)スルホネート 20%
アルケニルスクシンイミド無灰分散剤 40%
第二級アルキルZn−DTP 5%
ジチオカルバメート型酸化防止剤 5%
潤滑粘度の油 30%
3)スルホネート 20%
アルケニルスクシンイミド無灰分散剤 35%
第二級アルキルZn−DTP 5%
フェノール型酸化防止剤 5%
潤滑粘度の油 35%
【0051】
4)スルホネート 20%
アルケニルスクシンイミド無灰分散剤 30%
第二級アルキルZn−DTP 5%
ジチオカルバメート型摩耗防止剤 5%
潤滑粘度の油 40%
5)スルホネート 20%
スクシンイミド無灰分散剤 30%
第二級アルキルZn−DTP 5%
モリブデン含有摩耗防止剤 5%
潤滑粘度の油 40%
【0052】
6)スルホネート 20%
アルケニルスクシンイミド無灰分散剤 30%
他の添加剤 10%
第一級アルキルZn−DTP
第二級アルキルZn−DTP
アルキル化ジフェニルアミン型酸化防止剤
ジチオカルバメート型摩耗防止剤
潤滑粘度の油 40%
7)スルホネート 60%
他の添加剤 10%
フェノール型酸化防止剤
アルキル化ジフェニルアミン型酸化防止剤
ジチオカルバメート型摩耗防止剤
抗乳化剤
ホウ素含有摩擦緩和剤
潤滑粘度の油 30%
【0053】
III)作動油
1)スルホネート 20%
第一級アルキルZn−DTP 50%
他の添加剤 25%
フェノール型酸化防止剤
リン含有極圧剤
トリアゾール型腐食防止剤
抗乳化剤
非イオン性錆防止剤
潤滑粘度の油 5%
【0054】
2)スルホネート 10%
第一級アルキルZn−DTP 40%
他の添加剤 47%
フェノール型酸化防止剤
硫黄含有極圧剤
トリアゾール型腐食防止剤
抗乳化剤
非イオン性錆防止剤
潤滑粘度の油 3%
【0055】
3)スルホネート 10%
リン含有極圧剤 40%
フェノール型酸化防止剤 15%
他の添加剤 25%
ジフェニルアミン型酸化防止剤
硫黄含有極圧剤
トリアゾール型腐食防止剤
抗乳化剤
非イオン性錆防止剤
潤滑粘度の油 10%
【0056】
4)スルホネート 20%
リン含有極圧剤 30%
他の添加剤 45%
ジフェニルアミン型酸化防止剤
硫黄含有極圧剤
トリアゾール型腐食防止剤
抗乳化剤
非イオン性錆防止剤
潤滑粘度の油 5%
【0057】
IV)変速機作動液
1)スルホネート 35%
第一級アルキルZn−DTP 20%
ポリオール型摩擦緩和剤 20%
硫黄含有極圧剤 5%
潤滑粘度の油 20%
2)スルホネート 40%
第一級アルキルZn−DTP 15%
アミド型摩擦緩和剤 15%
硫黄含有極圧剤 5%
潤滑粘度の油 25%
【0058】
3)スルホネート 30%
第一級アルキルZn−DTP 20%
他の添加剤 30%
アルケニルスクシンイミド無灰分散剤
アミド型摩擦緩和剤
エステル型摩擦緩和剤
リン・硫黄含有極圧剤
潤滑粘度の油 20%
4)スルホネート 35%
第一級アルキルZn−DTP 15%
他の添加剤 25%
ポリオール型摩擦緩和剤
アミド型摩擦緩和剤
リン・硫黄含有極圧剤
潤滑粘度の油 25%
【0059】
ある態様では、潤滑油組成物は下記成分の混合物をブレンドすることにより製造される:
(a)主要量の潤滑粘度の油、
(b)1〜40%の本発明のスルホネート、
(C)0.05〜5%のジチオリン酸亜鉛、および
(d)1〜25%のアルケニルスクシンイミド無灰分散剤。
【0060】
その方法によって製造された潤滑油組成物は、成分が相互作用するために、初期混合物とは若干異なった組成を有するかもしれない。成分はどのような順序でブレンドしてもよいし、また成分の組合せとしてブレンドすることもできる。
【0061】
【実施例】
本発明についてさらに、以下の実施例により説明する。これらの実施例は特に有利な態様を示すものである。なお、実施例は本発明を説明するためのものであって、それによって本発明が限定されるものではない。
【0062】
[実施例1] ベンゼンアルキレートの合成
ベンゼン:オレフィンをモル比で4:1の原料を用いて、アルキルベンゼンを合成した。撹拌している容器に、平均分子量が220のプロピレンオリゴマーを40.88mL/分で、ベンゼンを56.93mL/分で、そしてフッ化水素酸を102.19mL/分で加えた。容器中での滞留時間は38℃で5.75分であった。
得られた生成物を沈降タンクに入れたところ、HF(下相)が有機相(アルキレートおよびベンゼン)から分離した。有機相を取り出し、次いでベンゼンをストリッピングによって除去した。低分子量のアルキレート(すなわち、炭素原子数が13またはそれより少ないアルキル基を有するアルキレート)を蒸留により除去した。
【0063】
ガスクロマトグラフィーは、ベンゼンをストリッピングした後のアルキレート生成物が下記物質を含有することを示唆した。
アルキルベンゼン(C4〜C12アルキル) 33.4%
アルキルベンゼン(C13アルキル) 8.6%
アルキルベンゼン(C13より上のアルキル) 58.0%
アルキレート生成物の臭素価は13mg/100グラムであった。
【0064】
蒸留後、最終アルキレート生成物は以下の性質を示した。
Figure 0005001479
【0065】
[実施例2] アルキルベンゼンスルホン酸の合成
三酸化硫黄落下型フィルム(管の高さ2m)内で反応を行った。三酸化硫黄および実施例1のアルキルベンゼン生成物を管の頂部から入れた。底部でアルキルベンゼンスルホン酸が得られた。変換レベルは約88%であり、無機酸度(硫酸で表した)は約0.6%であった。酸度は公知の方法により低くすることができた。
【0066】
[実施例3] 低過塩基性アルキルベンゼンスルホネートの合成
水和石灰(65.7g)、希釈油(638.8g)および抑泡剤(0.2g)を適当な容器に入れ、撹拌し、そして60℃に加熱した。実施例2で合成したアルキルベンゼンスルホン酸(549.1g)を、1時間かけて容器に加えた。この間に、温度を60℃から85℃に上げた。2−エチルヘキサノール(100.7g)、塩化カルシウム(13.4g)、水(23g)およびギ酸/酢酸混合物(9.1g、50/50重量比)を容器に加えた。温度を25分間かけて100℃に上げ、そしてそのレベルで温度を1.5時間維持した。次いで、温度を1時間かけて120℃に上げ、そのレベルにて1時間維持した。減圧下(4000Pa)、195℃にて1時間の蒸留により、水とアルコールを得られた生成物から除去した。残った生成物を濾過して、生成物から固形物を取り除いた。
【0067】
得られた濾過生成物は以下の性質を示した。
%沈降物 0.01
%Ca全量(重量%) 2.63
%S(重量%) 3.21
100℃粘度(cSt) 20
全塩基価(ASTM D2896) 23
%Ca(カルシウムスルホネートとして) 1.71
【0068】
[実施例4] トルエンアルキレートの合成
2リットルのオートクレーブ反応器に、トルエン1,106グラム、本発明のプロピレンオリゴマー330グラム、およびフィルトロールグレード24のクレー触媒(エンゲルハルド社製)300グラムを入れた。反応器を密閉し、撹拌しながら100℃に加熱した。約24時間後、反応器を室温まで冷却し、そして粗生成物を、ガラスブフナーロートにより減圧しながら濾過して、触媒を取り除いた。超臨界液体クロマトグラフィーによるこの粗生成物の分析は、プロピレンオリゴマーから生成物への変換が97.5%であることを示唆した。次いで、大気圧中で蒸留ポットの温度を室温から140℃までゆっくりと上げることにより、粗生成物を分別蒸留して過剰のトルエンを除去した。蒸留ポット中に得られた生成物(2015グラム)を次に、減圧下(3.5mmHg)で蒸留ポットの温度をほぼ室温から196℃まで徐々に上げることにより分別蒸留して、4つの留分を得た。
留分1 76グラム
留分2 268グラム
留分3 601グラム
留分4(蒸留ポットに残った物質) 1070グラム
【0069】
留分4の分析は以下の性質を示した。
粘度(40℃) 30.89cSt
分子量(VPO) 323
引火点(COC) 190℃
臭素指数 10.4mg臭素/100g試料
留分4のGLPC分析は下記物質を含有することを示した。
軽質生成物 0.005%
中間生成物 76.7%
重質生成物 23.3%
IRによる分析は以下のパーセント異性体分布を示した。
オルト 17.0%
メタ 13.8%
パラ 69.2%
【0070】
[実施例5] 低過塩基性アルキルトルエンスルホネートの合成
実施例4で得たトルエンアルキレートを実施例2の方法と同様にしてスルホン化し、そして得られたアルキルトルエンスルホン酸(427g)を、エクソン100N油573gと一緒に反応容器に入れて15分間かき混ぜた。得られた混合物を、100°F(37.8℃)に加熱し、Ca(OH)256.6gを加えた。190°F(87.8℃)への加熱を開始した。混合物を216°F(102.2℃)まで過熱し、そこで192°F(88.9℃)まで冷却した。抑泡剤を1滴、水56.5g、およびCaCl2の32%溶液15.1gを容器に加え、温度を182°F(83.3℃)まで下げた。反応混合物を220°F(104.4℃)に加熱し、221°F(105℃)と226°F(107.8℃)の間で30分間維持した。次いで、反応混合物を20分間かけて265°F(129.4℃)に加熱し、次に280°F(137.8℃)で40mmHgの減圧にして、320°F(160℃)まで加熱した。得られた過塩基性アルキルトルエンスルホネートの全塩基価は23.5であった。
【0071】
本発明の特定の態様に関して述べたが、本出願は、添付した請求項の真意および範囲から逸脱することなしに当該分野の熟練者によってなされうる各種の変更や置換を包含するものである。
【0072】
【発明の効果】
本発明により製造することができる低過塩基性アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートは、潤滑油に清浄性および分散性を付与するのに有用である。また、本発明の低過塩基性アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートを含有する潤滑油組成物は、良好な摩擦係数を示し、他の添加剤、特にスルホネートやフェネートとの相溶性が良く、潤滑油組成物に表皮を生じさせず、良好な水分許容度を示し、発泡を生じることがなく、酸化安定性が良く、そして良好な錆止め効果をもたらす。

Claims (6)

  1. アルキルトルエン基の平均分子量が300から323であるアルキルトルエンスルホン酸を溶媒の存在下でアルカリ土類金属の活性源と反応させることにより、アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートを製造する方法において、溶媒として水を使用することを特徴とする製造方法。
  2. 該溶媒が有機溶媒を含有しない請求項1に記載の製造方法。
  3. アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートが、全塩基価が2から30であって、アルキル基がプロピレンオリゴマーから誘導されたアルキル基である請求項1もしくは2に記載の製造方法。
  4. アルカリ土類金属がカルシウムである請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の製造方法によってアルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートを製造する工程、そして1〜40重量%の該アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートを下記の成分と混合することからなる潤滑油組成物の製造方法:
    (a)潤滑粘度の基油、
    (b)1〜20重量%の少なくとも一種類の無灰分散剤、
    (c)0.05〜5重量%の少なくとも一種類のジチオリン酸亜鉛、
    (d)0〜10重量%の少なくとも一種類の酸化防止剤、
    (e)0〜1重量%の少なくとも一種類の抑泡剤、および
    (f)0〜20重量%の少なくとも一種類の粘度指数向上剤。
  6. 請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の製造方法によってアルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートを製造する工程、そして0.5〜90重量%の該アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートを10〜90重量%の有機液体希釈剤と混合することからなる濃縮物の製造方法。
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