JP5001234B2 - ブタ及び家禽類の疾患及び感染症の治療及び予防 - Google Patents

ブタ及び家禽類の疾患及び感染症の治療及び予防 Download PDF

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Description

本発明は、動物、詳しくは、ブタ及び家禽類の疾患及び感染症を治療又は予防する為の動物薬(veterinary medicament)としての抗生物質の使用に関連する。
ブタ及び家禽類であって、特に集約的飼育がされているもの、又は大規模経営において飼育されているものは、様々な疾患及び感染症を患う傾向又はそれらにかかる危険性を有する。感染症及び疾患は、例えば、ブタ及び家禽類におけるマイコプラズマ疾患、ブタにおけるローソニア感染症及びブタ赤痢及び家禽類における壊死性腸炎が挙げられる。これらの型の各疾患又は感染症を治療する為の薬剤が提案又は使用されてきた。かかる薬剤は、一般に幅広く疾患もしくは感染症において非常に効果的であるとは考えられておらず、又は低い投与レベルで効果的であることも考えられていない。従って、例えば、ブタの赤痢を治療するのに用いられるチアムリン(tiamulin)はローソニアにおいて効果がなく、そしてマイコプラズマ疾患に対して非常に効果的ではなく、マイコプラズマに対して用いられるエリスロマイシンはブタの赤痢又はローソニアに対する効果が報じられていない。
驚くことに、家禽類のマイコプラズマ疾患を治療及び抑制する為に高い投与量で従来使用されて来た公知の抗生物質アイブロシン(さもなくば3−O−アセチル−4″−O−イソバレリル−チロシンとしても公知である)はブタのローソニア感染症(回腸炎)、及びブタの赤痢の予防及び治療並びに家禽類の壊死性腸炎の予防及び治療においても効果があることをこの度我々は発見した。それはブタのマイコプラズマ疾患の治療及び抑制並びに家禽類のマイコプラズマ疾患の治療及び抑制においてこれまで用いられてきたよりかなり低い投与量においても有効である。更に、テトラサイクリン、詳細にはクロルテトラサイクリン又は又はオキシテトラサイクリンと組み合せて用いた場合、相乗的な結果が生ずることが分かっている。
故に、本発明は、ブタにおけるローソニア感染症もしくはブタ赤痢もしくは家禽類における壊死性腸炎の予防もしくは治療をする為の動物薬の調製におけるアイブロシンそれ自体のもしくは酸添加塩のような薬理学的に許容できる(無毒の)誘導体としての使用、並びに有効な量のアイブロシンもしくは薬理学的効果のあるその誘導体を場合に応じてブタもしくは家禽類に対して投与することを含んで成る、ブタにおけるローソニア感染症もしくはブタ赤痢又は家禽類における壊死性腸炎を治療もしくは抑制する為の方法を供する。
それはブタ及び家禽類におけるマイコプラズマ疾患の治療もしくは抑制をする為の動物薬の調製におけるアイブロシンそれ自体又は薬理学的に許容できる誘導体としての使用を含み、当該薬剤は、200ppm (200g/1000kg飼料)未満のレベルで飼料に添加される。その上、それはブタ及び家禽類におけるマイコプラズマ疾患を治療又は抑制する為の対応する方法も含む。
本発明は活性成分として、アイブロシン及びテトラサイクリン、特にクロルテトラサイクリン又はオキシテトラサイクリンの混合物を含んで成る動物薬をも含む。
それは、ポリビニルピロリドンにより被覆された粒子形態においてアイブロシンを含んで成る、(ブタ又は家禽類の為等の)動物の飼料に添加する為の薄層被覆組成物(table coated composition)をも含む。
英国特許明細書第1,539,907号において、3及び4位にアシル基を有するチロシン誘導体及びその酸添加塩、詳細には、酒石酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、塩酸、硫酸及びリン酸添加塩がそこに開示されている。チロシン誘導体の中でもそこに具体的に開示されているのは、3−O−アセチル−4″−O−イソバレリル−チロシンであり、それは現在一般にアイブロシンとして知られている。この化合物は式
Figure 0005001234
(式中、R1 はアセチルでありそしてR2 はイソバレリルである)である。適切なアシル供与体、特にアセチルCoA、イソバレリルCoA、酢酸、イソ吉草酸、カリウム、ナトリウム又はそれら酸のアンモニウム塩、これら酸のメタノール及びエタノールエステル、これら酸のアミド及びα−オキソ吉草酸の存在下での、チロシンの生化学的アシル化によって又は適切なアシル化微生物により適切にチロシンを部分的にアシル化することによってアイブロシンを生産する為の方法がそこに開示されている。アシル化微生物はストレプトミセス(Streptomyces)属の微生物であり、詳細には、ストレプトミセス・セルモトレランス(Streptomyces thermotolerans )(ATCC 11416)、ストレプトミセス・ファンジシダス亜種(Streptomyces fungicidus)、エスピノミセチカス(espinomyceticus)(ATCC 21574)、ストレプトミセス・ミカロファシエンス(ATCC 21454)及びストレプトミセス・ヒグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)(ATCC 21582)から選択されたものである。
前記明細書に記載されていることは、チロシン誘導体がヒト又は動物に対して投与できること、及びある薬剤耐性菌等グラム陽性菌の数に対するその作用について触れられている。公知のマクロライド抗生物質薬剤に類似する方法において、誘導体をヒト、家畜、家庭のペット類(house hold pet)、実験動物及び家禽類に対して用いることができ、そして感染症疾患の経腸、非経腸又は局所抑制において用いることができるといってはいるが、しかし明細書は、動物の詳細な疾患もしくは感染症の治療もしくは抑制における前記誘導体の使用については具体的に述べていない。
実際は、初期の日本の市場登録(Japanese marketing registration)を基づいてアイブロシンは現在まで市販されておりそして飼料中200〜500ppm の高投与量でのブタ及び家禽類におけるマイコプラズマ疾患を治療及び抑制する為にのみ認可されている。それはブタ及び家禽類の他の感染症及び疾患の治療及び予防する為に適切であり、そして特に、エリスロマイシンのようなマイコプラズマ疾患に対する効果を有する他のマクロライド抗生物質は、上記のようなブタ及び家禽類の他の感染症に対する任意の作用もしくは任意の有意な作用を持たないと考えるべき理由はない。勿論、それは、関係当局による個別の認可もしくは承認がなければ、ある特定の目的の為に販売が認められている動物薬を任意の他の目的に用いる為の販売もしくは推薦ができないという全ての主要な国々において適用される承認計画の特徴である。従って、新たなる獣医学的使用をする為の既知の抗生物質の使用に対してさえも強い反抗動機(coumter-ircentine)がある。
しかし、この度我々が大規模なin vitro及びin vivo(動物)トライアルワーク(trial work)により発見及び確認したことは、アイブロシン及びその許容できる誘導体が、理にかなった投与率で(ブラキスピラ・ヒョドセントエリアエ(Brachyspira hyodysenteriae)によって引き起こされる)ブタのブタ赤痢及びローソニア感染症の予防及び治療において有効であることだ。家禽類及びブタのマイコプラズマ疾患の予防及び治療において、それらは低い投与率で効果的であることも大規模なin vitro及びin vivo(動物)トライアルワークにより発見及び確認された。最後に、in vitroトライアルワークにより示されたことは、(クロストリジウム・ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens )によって引き起こされる)家禽類の壊死性腸炎の予防及び治療においてもそれらは効果的であるようだということである。
アイブロシンは、180°〜184℃の融点を有する白色結晶粉末として自由形態において入手でき、エタノールのような低級アルコール、アセトンのようなケトン、ジエチルエーテルのようなエーテル、酢酸エチルのようなエステル及びトルエンのような芳香族炭化水素に可溶性であるが、n−ヘキサン及び石油エーテルにはほとんど溶けない。それはpH7以下の水溶液には非常に溶けやすいが、より高いpHの水溶液中には溶けにくい。その理由は、それが酸添加塩を形成する塩基性の化合物だからであり、そして薬理学的に許容できるかかる塩の使用は本発明の内に含まれている。許容できる酸添加塩を形成する酸は無機酸、例えば、塩酸、硫酸又はリン酸並びに有機酸、例えば酒石酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸及びコハク酸等が挙げられる。許容できる誘導体のある例は、アイブロシン塩酸塩(融点129〜133℃)及びアイブロシン酒石酸塩(融点119〜122℃)である。アイブロシンそれ自身よりもかかる誘導体は往々にして一層水溶性であり、それ故それらを使用することは製剤としての利点(formulation advantages)を伴いうる。
アイブロシン及び適切な誘導体は、所望の投与経路の為の適切な固体もしくは液体状担体及び賦形剤との混合をすることにより公知の方法で動物薬中へ本発明により処方でき、例えば、経口、経腸もしくは非経腸投与の為の組成物を提供することができる。常用の成分が担体及び賦形剤として使用できる。例えば、経口投与の為の液体製剤の為には水及び塩溶液を使用でき、そして固体製剤の為にはシリカ材料(Silicaceouo materials )のケイ素及びケイ酸塩(水和ケイ酸マグネシウム等)、穀物産物(大豆及び小麦粉等)及び他の薬理学的に許容できる固体を使用できる。製剤は更なる補助物質及び添加物、例えば無機物、潤滑剤、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤及び着色もしくは香味物質を通常の方法において含んでも良い。記載の疾患の予防もしくは抑制において、ブタもしくは家禽類の為の動物飼料もしくは飲料水に対する添加物としてアイブロシンもしくは誘導体を含むことが特に都合が良い。しかし疾患の治療においてもし望まれれば、それは注射可能な溶液、もしくは錠剤、カプセルもしくはシロップ中に含まれて良い。
(それ自体又は適切な誘導体、酒石酸塩のような酸添加塩の形態等において)アイブロシンは1〜10重量%での様々な効能において予混合物(premixes)中に処方されて良い。かかる予混合物を生産する為の特に適切な組成物は、アイブロシン塩、大豆粉のような充填剤及びヒドロキシプロピルセルロースのような添加物を含んで成り、180〜220mg/gの効能を有する。
ペレット飼料又は押出し飼料を製造する為に高温に委ねられる動物飼料中でのアイブロシンの安定性を確保する為に、ポリビニルピロリドンにより被覆した粒子形態の被覆アイブロシンを(例えば酒石酸塩のような酸添加塩等適切な誘導体の形態において)提供することが望ましい。重量による適切な割合は、活性成分:ポリビニルピロリドン50:1〜1:1である。不活性充填剤及び他の成分はかかる組成物中で存在して良く、総ポリビニルピロリドン濃度が0.1〜10重量%であるのが好ましい。
動物薬製剤は、ブタ及び家禽類の感染症及び疾患の治療において有用な更なる活性成分、例えば更なる抗生物質、詳細にはテトラサイクリン抗生物質をその目的の為に含んでも良い。感度試験より我々が発見したことは、テトラサイクリン抗生物質と一緒にアイブロシンを使用することにより、各抗生物質を単独で用いるより用いられる両方の抗生物質の投与量を下げても、可能だろう類似の結果を達成することができるということだ。
飼料の添加物として又は直接投与される製剤として用いる為の動物薬製剤は、アイブロシンを任意の都合の良い割合、例えば1重量%未満〜90重量%超で含んで良い。液体製剤は典型的に50重量%〜90重量%で含み、一方で固体製剤は典型的に1〜25重量%で含む。
ブタにおけるローソニア感染症の治療もしくは抑制をする為に、例えばそれらは飼料中40〜120重量ppm (40〜120g/1,000kg飼料)の割合で、疾患をうまく抑制又は治療するのに十分長い期間、例えば7〜14日に渡り、投与されて良い。例えば、40〜100ppm 又は50〜80ppm の数字が用いられて良い。疾患の治療において50ppm の割合で10日に渡るのが通常効果的であり、そして100ppm の割合で10日に渡るのがそれを治療することにおいて通常非常に成功裡である。ブタ赤痢の治療又は抑制をする為に類似の割合及び期間が用いられて良く、飼料において50ppm の割合で10日に渡る投与は大発生を防ぐことにおいて効果的であるようだ。壊死性腸炎の治療もしくは予防においてアイブロシンもしくは誘導体が用いられる場合、類似又はより低い割合及び時間も効果的であることが期待される。
若い家禽類におけるマイコプラズマ疾患を抑制する為に、アイブロシン製剤を卵に直接注射できる。このことにより、生まれて1日のニワトリがウシ肺疫菌様微生物(PPLO)に対して陰性にもなる。
家禽類及びブタのマイコプラズマを治療又は抑制する為に見積られた投与の割合及び投与の期間はとても低い。本来の日本の販売登録では飼料中200〜400重量ppm とみなされているが、本発明においては200ppm 未満が用いられており、上記範囲では例えば40〜150ppm 以下が好ましい。
ローソニア感染症、ブタ赤痢、壊死性腸炎の治療もしくは抑制をする為にアイブロシンもしくは誘導体が直接投与される場合、体重に基づく投与レベルは、1〜8mg/kg体重/日、好ましくは1〜5mg/kg体重/日の範囲であって良い。
ブラキスピラ・ヒョドイセントエリアエ又はマイコプラズマ・シノビアエ(Mycoplasma synoviae )に対する相乗結果について、アイブロシンがテトラサイクリン、特にクロルテトラサイクリンもしくはオキシテトラサイクリンとの混合物において用いられた場合、同成分を単独で用いる場合の量の例えば、1/2〜1/3に実質的に各成分の量が減らされて良い。混合物はアイブロシン及びテトラサイクリンを幅広い重量比、例えばアイブロシンの重量部当り10部以下のテトラサイクリン、特に重量で10:1〜5:1又は8:1〜6:1で含むのが好ましい。
本発明により、ブタ及び家禽類の感染症を治療もしくは予防する為の動物薬もしくは製剤の製造において用いるアイブロシンの使用、及び相乗効果を以下の例により示す。ここにおいて部は重量部である。
実施例1
水中で溶液にした20部のアイブロシンAPI(活性医薬成分)を80部の大豆ミールと混合し、そして当該混合物を噴霧乾燥し、アイブロシン活量200kg/1000kgを有する、飼料の為の固形添加物を得る。この製剤をブタ及び家禽類の飼料に添加し、飼料中のアイブロシンの濃度はアイブロシン25〜200g/飼料1000kgを供することができる。
実施例2
25部のアイブロシン20%を50部の水和ケイ酸マグネシウム(不活性なシリカ)、24部の小麦飼料粉末、及び1部の流動パラフィンEPと混合して粉末混合物とし、アイブロシン活量50kg/1000kgを有する飼料の為の固体添加物を得る。実施例1におけるようにこの製剤をブタ及び家禽類の飼料中で用いることができる。
実施例3
実施例2において用いられたように、5部のアイブロシン20%を40部の水和ケイ酸マグネシウム、54部の小麦飼料粉末及び1部の流動パラフィンEPと混合して粉末混合物とし、アイブロシン活量10kg/1000kgを有する飼料の為の固形添加物を得る。実施例1におけるようにこの製剤をブタ及び家禽類の飼料中で用いることができる。
実施例4
アイブロシンを水中に溶かし、ブタ又は家禽類の為の飲料水中で用いる為のアイブロシン活量80〜90%を有する水溶液を供給する。この製剤を飲料水に添加し、25〜100g/200l飲料水の範囲の飲料水中のアイブロシン濃度を供することができる。
実施例5
アイブロシンAPI 163〜169kg
ヒドロキシプロピルセルロース Ph. Eur. 8.2〜8.5kg
水 Ph. Eur. 800〜1200l
非脂質大豆粉末 720kg
を含んで成る850kgのバッチ中で80%(w/w)超の酒石酸アイブロシンを混合した。
バッチ処理し、そして処理する間に水を除いた。HPLCによって決定した粗製物質の遊離塩基の含有量の値にあわせてアイブロシンAPIの投入量を調整し、最終製品バイオアッセイ効力180〜220mg/gを達成した。他のバッチサイズにおいても生産できる製品(AIVLOSIN EG200)は、アイブロシン予混合物を1%〜10%の様々な効能において製造する為に適していた。
実施例6
ペレット又は押出し型飼料にする為の高温処理された後の動物の飼料中で安定性を保持する被覆アイブロシン製剤を、(他のバッチサイズも使用できるが)以下の成分による1000kgのバッチ中で生産した。
AIVLOSIN FG 200(実施例5を参照のこと) 250.0kg
薄い液体パラフィン Ph. Eur. 10.0kg
小麦飼料粉末 240.0kg
ポリビニルピロリドン 10.0kg〜100.0kg
Sepiolite 1000.0kgになるように
トライアルの結果
1.ローソニア感染症
ブタのローソニア感染症(回腸炎又は豚増殖性腸炎)は、病原性のローソニア・イントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)によって引き起こされる。それは、たった6年前に単離された細菌であり、且つブタの小腸下部の腸壁の細胞中に定住する細菌である。現在迄、疾患の予防及び治療において有効であると認識されている抗細菌薬はほとんどない。その疾患は、発生率が世界じゅうで広範囲であり、そしてブタの飼育及び繁殖における経済的意義が大きい。我々によるブタに対してのin vitro及びin vivoでの大規模なトライアルワークにより示されたことは、疾患を治療すること及び感染環境中でそれが更に広大することを防ぐことにおいて、アイブロシンは非常に有効であるということである。我々によって行われたアイブロシンブタ増殖性腸炎の臨床結果を下の表1に示す。
Figure 0005001234
アイブロシンで治療した群においては、飼料摂取、体重増加及び飼料効率の大幅な改善もあった。これら全ての生産パラメーターについては、アイブロシンがよく働いた。
50g/トン飼料(1000kg)の含有率(50ppm )で、10日間に渡りアイブロシンを供給することは、疾患の抑制において効果的であり、一方で100ppm で10日間に渡る供給により発症が非常に首尾良く処理された。
2.ブタ赤痢
ブタ赤痢はブラキスピラ・ヒョドイセントエリアエによって引き起こされる。細菌は、それを陰窩に潜めて粘膜上で飼うブタの大腸のルーメン中に定住する。かつてそれはニトロイミダゾールにより処理されていたが、現在、これらはヒトが消費する動物において用いることが禁止されている。プレウロムチリン(pleuromutilin)群由来の薬品、特にチアムリン(tiamulin )は、疾患の治療の為に使用可能であり、チロシンは過去において使用が提案されていたが病原体によるチロシン耐性が進んだことにより最近では使用が劇的に減少した。
アイブロシンはその細菌に対する効果をチアムリン及びチロシンと比較する為に我々によって試験されて来た。In vitro試験の結果を下の表2に示している。(MICは最少阻害濃度、即ち調査の下でのブラキスビラ・ヒョドイセントエリアエ系統の増殖を阻害する活性成分の最低の濃度 mcg/mlである)
Figure 0005001234
in vitroにおいてアイブロシンがチロシンよりかなり一層有効であることは明らかだ。
未感染のブタを人工的に細菌の毒性系統により感染させた動物疾患モデルにおける我々による試験で分かったことは、アイブロシンを10日に渡り飼料中50ppm において与えた場合、発生を防ぐことにおいて有効である一方で、チロシンは21日以上に渡り与えることが必要であり、チアムリンはブタが危険である全期間に渡り与えることが必要であったことだ。
疾患の治療において、50ppm でアイブロシンは、(結果において)チアムリン及び(持続期間において)チロシンと同等以上に働いた。
臨床疾患の予防
群1:薬で治療されないチャレンジ群
群2:50ppm のアイブロシンで10日に渡り治療した群
群3:薬で治療されない非チャレンジ群
Figure 0005001234
Figure 0005001234
3.壊死性腸炎
壊死性腸炎は細菌クロストリジウム・ペルフリンゲンスによって引き起こされる疾患であり、死亡率の増加及び成長率の低下の原因となる腸の広範囲な破壊をもたらす。バージニアマイシン(Virginiamycin )及び亜鉛バシトラシンはこの疾患を抑制する成長促進剤として過去において使われたが、最近では使用が禁止されている。壊死性腸炎を治療又は抑制するマイクロライド抗生物質の使用に対する提案がされていなかったばかりか、かかる抗生物質が有用であろうという任意の期待もなかった。
しかし、下の表3から分かるように、クロストリジウム・ペルフリンゲンスの様々な系統に対して、アイブロシンは亜鉛バシトラシンよりも一層有意に有効であることが我々により行われたin vitro試験により示された。
Figure 0005001234
4.単独及び組み合わせにおけるアイブロシン及びテトラサイクリンに対する細菌の感度
試験細菌の増殖を阻害する抗生物質の最小濃度( mcg/ml)として感度を示した(MIC=最小阻害濃度)。
ブラキスピラ・ヒョドイセントエリアエ
Figure 0005001234
マイコプラズマ・シノビアエ
Figure 0005001234
Figure 0005001234
5.注射として用いたアイブロシン
若いニワトリのマイコプラズマ疾患を予防する為にアイブロシンを卵中に直接注射した。生まれて1日のニワトリをPPLO(ウシ肺疫菌様微生物)に対して陰性にもした。
以下のAIVによる研究は、EMBREX IN OVO注射系を用いて行った。
アイブロシンの経口摂取後の吸収率はチロシンと比較して150〜200%良く、そして標的部位への浸透も良かった。チロシンと比較したMICは改良されている。
水溶性AIVLOSINを用いて活性量40gのAIVLOSINを1lの無菌塩水に添加してアイブロシン注射を調製した。
卵中にAIVLOSINを注射したニワトリ及び七面鳥のマイコプラズマに対する効果を調査する目的で以下のトライアルを行った。
パイロットトライアルを行って、18日目の胚形成卵中に注射したいくつかの抗生物質の毒性を調査した。1、3及び5mg/卵(0.05ml)、各群25個の卵、でアイブロシンを試験した。結果は非常に良かった。
孵化能力(%)
1mgでは100%
3mgでは98.5%(1つの胚は生きていたがパイプしていなかった(not piped ))。
5mgでは100%
結論:
アイブロシンによる注射(0.05mlの塩水中4mg/卵)は処理群における孵化能力に影響を与えなかった。
塩水による注射(0.05ml/卵)はコントロール群における孵化能力に影響を与えなかった。
Figure 0005001234
Figure 0005001234

Claims (6)

  1. 家禽類の壊死性腸炎の治療もしくは予防の為の動物薬(veterinary medicament)であって、3−O−アセチル−4”−O−イソバレリル−チロシンもしくは薬理学的に許容できるその酸付加塩を含んで成る動物薬
  2. 飼料又は飲料水に対する添加物である、請求項1に記載の動物薬
  3. 3−O−アセチル−4”−O−イソバレリル−チロシンもしくは薬理学的に許容できるその酸付加塩がポリビニルピロリドンにより被覆された粒子形態にある、請求項1に記載の動物薬
  4. さらにテトラサイクリンを含んで成る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の動物薬
  5. 前記テトラサイクリンが、クロルテトラサイクリン又はオキシテトラサイクリンである、請求項4に記載の動物薬
  6. 1:5〜1:10の範囲における重量比で前記活性成分を含有する、請求項4又は5に記載の動物薬
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