JP5000441B2 - 電力測定方法および電力測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力測定方法およびこれをもちいた電力測定装置に関し、特に電力線の第k調波(kは自然数。k=1の基本波を含む)の有効電力および無効電力のいずれか一方または双方の測定を行う方法および装置に関する。
電力の測定は、電子式電力量計、電力計、電子式位相計、高調波電力計、高調波レベル検出器など様々な測定装置で利用されている。電子技術の発達により、近年では、計測対象の電圧値、電流値をデジタル値に変換してソフトウェアで電力を演算する電力測定が主流となりつつある。
従来用いられている代表的な電力計20の基本構成図を図2に示す。電力計20は、計測する電力線の電圧値と電流値とを電子回路が扱える電気信号に変換する電圧センサ22と電流センサ23とを備えたセンサ部21と、センサ部21からの出力を選択的に出力する選択スイッチ24と、選択スイッチ24からの出力信号を計測部26が扱える信号に増幅する増幅器25と、A/D変換器27と演算回路28を備えた計測部26と、計量値表示のための表示装置29で構成される。
選択スイッチ24は、入力1が電圧センサ22の出力に接続され、入力2が電流センサ23の出力に接続され、入力3が接地電圧に接続されている。接地電圧は増幅器25とA/D変換器27のオフセットの算出に用いる。計測部26の演算回路28はソフトウェアによりA/D変換器27から出力されるデジタル電圧値とデジタル電流値とを乗算し、有効電力Pを算出して表示装置29に出力する。表示装置29は、有効電力Pを数値表示するだけでなく、指示表示用のパルス点灯を伴う場合がある。
ところで、上述した基本構成を用いて無効電力Qを測定する場合、電圧値と電流値とのいずれかの位相を90度移相させる必要がある。そこで、装置の複雑化やコストアップを避けるため、ハードウェアの追加や特殊な演算回路やソフトウェアを利用することなく、無効電力Qを測定する測定方法が必要となる。このような測定に従来から用いられている代表的な方法として、フィルタを用いて移相させる方法(第1の従来技術)、メモリを用いて移相させる方法(第2の従来技術)、FFT処理を用いる方法(第3の従来技術)がある。以下に、各従来技術を簡単に説明する。
まず、第1の従来技術は、特許文献1に記載された発明のように、電圧値または電流値をフィルタを用いて90度遅らせたりまたは進ませたりした後に、演算回路で乗算して算出する方法である。この方法の一例を、図3を参照して説明する。
電力線の電圧値をA/D変換器で変換して得られたデジタル電圧値Vを、ローパスフィルタ(LPF)31に入力し、位相を90度遅延させて遅延したデジタル電圧値Vdelayを求める。次に、演算回路32でデジタル電流値Iと遅延したデジタル電圧値Vdelayとを乗算して無効電力Qを求める。
図3で用いているLPF31の概略構成図を図4に示す。LPF31は、現在のデジタル電圧値VからNクロック前のデジタル電圧値Vまで、1クロック毎に遅延させたデジタル電圧値V、V、・・・、Vを格納するメモリ41、42、・・・、45と、各電圧値V、V、・・・、Vを平均化して遅延したデジタル電圧値Vdelayを求める加算器46とにより構成されている。このとき、図5に示すように、LPF31のカットオフ周波数fcを測定を行う電力線の周波数fiよりも低く設定することにより、位相を90度遅延させることができる。
第2の従来技術は、デジタル電圧値Vを、電力線の周期の位相90度相当分、順次メモリに記憶して、90度相当分の過去のデジタル電圧値Vと現在のデジタル電流値Iとの積をとって無効電力Qを求める方法である。この方法の一例を、図6を参照しながら説明を行う。
図6は、周波数50Hz(周期20ms)の電力線の電圧値と電流値を、2.5msごとにサンプリングして、得られたデジタル電圧値V、V45、V90、・・・、V225とデジタル電流値I、I45、I90、・・・、I225を時間を追って左から右に並べて表示している。VとIの添え字は測定開始時を基準とした位相を示している。
演算回路により、90度の位相に相当するサンプリング数を算出し、算出されたサンプリング数だけずれたデジタル値を乗算して無効電力Qを算出する。本例の場合、周期20msの信号を2.5msごとにサンプリングしているため、90度(1周期の1/4)の位相に相当するサンプリング数は2(=20/2.5/4)である。従って、図6に示すように、Q=V×I90、Q=V45×I135・・・というように、2サンプル前のデジタル電圧値Vと現在のデジタル電流値Iと乗算して無効電力Qを算出する。
第3の従来技術は、特許文献2および3に記載された発明のように、計測されたデジタル電圧値V デジタル電値Iとを、FFT処理で周波数毎に演算する方法である。この方法は、計測信号1周期のデジタルデータをフーリエ変換し、抽出したい周波数毎に演算する。
特許第3369500号公報 国際公開第WO2003/081264号パンフレット 特開2006−58043号公報
しかし、フィルタを用いて移相させる方法(第1の従来技術)は、LPF31で90度移相するために必要なデータ数が大きくなり、大容量のメモリが必要となる。また、図5に示すとおり、周波数が変化するとゲインが変化してしまうため、電力線の周波数が変動すると遅延したデジタル電圧値Vdelayの値が変化してしまう。
また、メモリを用いて移相させる方法(第2の従来技術)では、電力線に含まれる高調波成分は90度移相されないため、高調波成分の無効電力を測ることができない。また、電力線の周期の90度相当分だけのメモリが必要となる。さらに、電力線の周波数は変動するため、測定に先立って電力線の周期を確認しなければ正確な測定を行うことができない。この点、サンプリング数を多くとることにより周期変動に追従した90度移相を行うことができるが、この場合には、容量の大きな記憶メモリが必要になる。
さらに、FFT処理を用いる方法(第3の従来技術)では、周期間データを記憶するメモリが必要であため、大容量のメモリが必要となる。また、サンプリングのビット長が大きいと、FFT処理に必要な数値処理が増加する。このため、電力線の周期の間にFFT処理を終えるためには、DSP相当の高い計算機能を持った演算回路が必要となる。さらに、サンプリング周波数を電力線の周波数の整数倍に合わせ込む必要があるため、D/A変換器に接続した電圧制御発振器(VCO)を設けるか、高速なクロック動作が必要となり、構成が複雑化してしまう。
上述した課題は、電力線の第k調波成分(kは自然数。以下同じ)の電力を測定する電力測定方法であって、電力線の電圧値および電流値をサンプリングして、それぞれデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iに変換するA/D変換ステップ(301)と、電力線の周期の近傍値であって任意に設定した計測時間Tの1/kの時間を1周期とする正弦関数および余弦関数のそれぞれについて、前記サンプリング時点における正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを取得する関数値取得ステップと(302)、計測時間Tの1/kの時間にわたって、所定のサンプリング周期Tで、A/D変換ステップおよび関数値取得ステップを繰り返し実行して、デジタル電圧値Vと関数値Sとの積和値Akappと、デジタル電圧値Vと関数値Cとの積和値Bkappと、デジタル電流値Iと関数値Sとの積和値A’kappと、デジタル電流値Iと関数値Cとの積和値B’kappと、を求める積和演算ステップ(301〜304)と、積和値Akapp、Bkapp、A’kappおよびB’kappから、近似有効電力Pkappおよび近似無効電力Qkappのいずれか一方またはその双方(以下、近似電力Pkapp、Qkappという)を求める電力演算ステップ(305)と、積和演算ステップ(301〜304)および電力演算ステップ(305)を所定回数繰り返し実行して求めた複数の近似電力Pkapp、Qkappを平均化して、有効電力Pkaveおよび無効電力Qkaveのいずれか一方またはその双方(以下、電力Pkave、Qkaveという)を求める平均化ステップ(306、307)と、
を含む電力測定方法により解決することができる。
すなわち、あらかじめ記憶された正弦関数および余弦関数の関数値と、A/D変換ステップで変換されたデジタル電値Vおよびデジタル電値Iとを、測定を行う第k調波成分のほぼ1周期にわたって積和演算し、積和値から近似有効電力Pkappおよび近似無効電力Qkappのいずれか一方または双方を求める。さらに、複数の近似電力Pkapp、Qkappを求めて平均化し、それぞれ対応する有効電力Pkaveおよび無効電力Qkaveのいずれか一方または双方を求める。つまり、複数の近似有効電力Pkappを平均化して第k調波成分の有効電力Pkaveを求め、複数の近似無効電力Qkappを平均化して第k調波成分の無効電力Qkaveを求める。なお、k=1の場合は基本波成分となる。
この方法では、サンプリングしたデジタル電圧値Vやデジタル電流値Iを記憶する必要が無く、簡単な演算だけで第k調波成分の有効電力Pkaveや無効電力Qkaveを求めることができる。また、電力線の実周期Tが変動したり、計測時間Tと電力線の実周期Tが異なっていても、平均化により測定誤差を補正することができるため、測定に先立って電力線の実周期Tを確認する必要がない。
このとき、平均化ステップが、積和演算ステップおよび電力演算ステップを連続して所定回数繰り返し実行することが望ましい。連続してサンプリングを行うことにより、平均化による誤差補正の効果を高めることができるからである。
また、平均化ステップが、積和演算ステップおよび電力演算ステップを非周期的に所定回数繰り返し実行するものであってもよい。サンプリングの開始時間を非周期的に設定することにより、平均化による誤差補正の効果を高めることができるからである。
また、前記電力測定方法が、さらに、電力線の実周期Tを検出する周期検出ステップ(308)と、電力線の実周期Tと計測時間Tとの相対誤差から、有効電力の補正値Eおよび無効電力の補正値Eのいずれか一方または双方(以下、補正値E、Eという)を求める補正値取得ステップ(309)と、電力Pkave、Qkaveを補正値E、Eで補正する補正ステップ(310)と、を含むことが望ましい。電力線の周期Tと計測時間Tとの相対誤差から補正値E、Eを求めて補正を行うことにより、より測定精度の高い電力P、Qを求めることができる。
また、上述した課題は、電力線の基本波の無効電力を測定する電力測定方法であって、電力線の電圧値および電流値をサンプリングして、それぞれデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iに変換するA/D変換ステップ(221)と、電力線の周期の近傍値であって任意に設定した計測時間Tを1周期とする正弦関数および余弦関数のそれぞれについて、前記サンプリング時点における正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを取得する関数値取得ステップ(222)と、計測時間Tにわたって、所定のサンプリング周期Tで、A/D変換ステップおよび関数値取得ステップを繰り返し実行して、デジタル電圧値Vと関数値Sとの積和値Aと、デジタル電圧値Vと関数値Cとの積和値Bと、デジタル電流値Iと関数値Sとの積和値A’と、デジタル電流値Iと関数値Cとの積和値B’と、を求める積和演算ステップ(211〜224)と、積和値A、B、A’およびB’から、無効電力Qを求める電力演算ステップ(225)と、を含む電力測定方法によっても解決することができる。
すなわち、あらかじめ記憶された正弦関数および余弦関数を表す関数値と、A/D変換ステップで変換されたデジタル電値Vおよびデジタル電値Iとを電力線のほぼ1周期にわたって積和演算し、その結果から基本波の無効電力Qを求める。基本波の無効電力Qは周波数ずれによる誤差の影響が小さいため、平均化を行わずとも実用上十分な測定値を得ることができる。このため、より簡素な構成で無効電力Qの測定を行うことができる。
さらに、上述した課題は、電力線の第k調波成分の電力を測定する電力測定装置(100)であって、電力線の電圧値および電流値を、所定のサンプリング周期Tでサンプリングして、それぞれデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iに変換するA/D変換手段(120)と、計測時間Tを1周期とする正弦関数および余弦関数について、サンプリング周期Tごとの正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを示す関数値テーブル(141)を格納した記憶手段(140)と、計測時間Tの1/kの時間にわたって、前記A/D変換手段(120)からサンプリングしたデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iを、前記記憶手段(140)からサンプリング時点のk倍の時間に相当する正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを、それぞれ取得するとともに、デジタル電圧値Vと関数値Sとの積和値Akappと、デジタル電圧値Vと関数値Cとの積和値Bkappと、デジタル電流値Iと関数値Sとの積和値A’kappと、デジタル電流値Iと関数値Cとの積和値B’kappとを求める積和演算機能(131)と、積和値Akapp、Bkapp、A’kappおよびB’kappから、近似有効電力Pkappおよび近似無効電力Qkappのいずれか一方または双方を求める電力演算機能(132)と、積和演算機能(131)と電力演算機能(132)を所定回数繰り返し実行して求めた複数の近似電力Pkapp、Qkappを平均化して、有効電力Pkaveおよび無効電力Qkaveのいずれか一方または双方を求める平均化機能(133)とを有する電力演算手段(130)と、を備えた電力測定装置(100)によっても解決することができる。
すなわち、あらかじめ記憶手段(140)に記憶された正弦関数および余弦関数を表す関数値(141)と、A/D変換手段(120)で変換されたデジタル電値Vおよびデジタル電値Iとを、電力線の第k調波のほぼ1周期にわたって積和演算し、積和値から近似有効電力Pkappおよび近似無効電力Qkappのいずれか一方または双方を求める。さらに、複数の近似電力Pkapp、Qkappを求めて平均化し、それぞれ対応する有効電力Pkaveおよび無効電力Qkaveのいずれか一方または双方を求める。つまり、複数の近似有効電力Pkappを平均化して有効電力Pkaveを求め、複数の近似無効電力Qkappを平均化して無効電力Qkaveを求める。なお、k=1の場合は基本波成分となる。
この電力測定装置(100)では、サンプリングしたデジタル電圧値Vやデジタル電流値Iを記憶する必要がない。また簡単な演算だけで第k調波成分の有効電力Pkaveや無効電力Qkaveを求めることができるため、計算能力の低い演算回路で電力演算手段(130)構成することがきる。また、電力線の実周期Tが変動したり、計測時間Tと電力線の実周期Tが異なっていても、平均化により測定誤差を補正することができるため、測定に先立って電力線の実周期Tを確認する必要がない。
このとき、電力演算手段(130)において平均化の出力である電力Pkave、Qkaveが、積和演算機能(131)および電力演算機能(132)を連続して所定回数繰り返し実行して求めた近似電力Pkapp、Qkappを平均化した電力であることが望ましい。連続してサンプリングを行うことにより、平均化による誤差補正の効果を高めることができるからである。
また、電力演算手段(130)において平均化の出力である電力Pkave、Qkaveが、積和演算機能(131)および電力演算機能(132)を非周期的に所定回数繰り返し実行して求めた近似電力Pkapp、Qkappを平均化した電力であってもよい。サンプリングの開始時間を非周期的に設定することにより、平均化による誤差補正の効果を高めることができるからである。
また、前記電力測定装置(100)が、さらに、電力線の実周期Tを検出する周期検出手段を備え、かつ、前記電力演算手段(130)が、さらに、電力線の実周期Tと計測時間Tとの相対誤差から、有効電力の補正値Eおよび無効電力の補正値Eのいずれか一方または双方を求める機能(135)と、電力Pkave、Qkaveを補正値E、Eで補正する機能(134)とを有することが望ましい。電力線の実周期Tと計測時間Tとの相対誤差から補正値E、Eを求めて補正することにより、より測定精度の高い電力Pkave、Qkaveを求めることができるからである。
この電力測定装置(100)において、前記記憶手段(140)が、さらに、電力線の実周期Tと補正値E、Eとの対応を示す補正値テーブル(142)を格納しており、かつ、前記電力演算手段(130)が、検出された電力線の周期から補正値テーブルを参照して補正値E、Eを求める機能を有するを有していることが望ましい。
本発明に係る電力測定装置(100)は、電力線の実周期Tが変化しても計測時間Tを変更する必要がないため、電力線の実周期Tと補正値E、Eとの関係は一定となる。したがって、あらかじめ両者の関係を示すテーブルを用意しておくことにより、測定の度に補正値E、Eを演算する必要がなくなり、より数値処理能力の小さな演算回路で電力演算手段(130)を構成することが可能となる。
このとき、前記記憶手段(140)が不揮発性メモリ(ROM)であることが望ましい。すなわち、本発明に係る電力測定装置(100)は、電力線の実周期Tが変化しても計測時間Tを変更する必要がないため、正弦関数の関数値S、余弦関数の関数値C、補正値E、Eは一定値となる。このため、揮発性メモリ(RAM)に比べて不要な書き換えに対する耐性が高く、テーブルを保持するための電力が不要で、コストも安いROMに、関数値テーブル(141)や補正値テーブル(142)を格納しておくことが望ましい。
また、前記記憶手段(140)に格納された関数値テーブル(141)が、正弦関数と余弦関数のいずれか一方の関数値の単一のテーブルであり、かつ、前記電力演算手段(130)が、正弦関数と余弦関数の他方の関数値を取得する場合には、90度の位相に相当する分だけずらした関数値を取得するものであることが望ましい。
すなわち、正弦関数と余弦関数の関数値は位相が90度異なるだけであるため、両者のテーブルを単一のテーブルとし、参照点をずらして所望の関数値を得るような構成にすることにより、記憶手段(140)の容量を減らすことができる。
また、前記A/D変換手段(120)が、デルタシグマ変調方式のA/D変換器であることが望ましい。電力線の周波数は比較的小さく(日本では50Hzまたは60Hz)、時間的な変化量が比較的緩やかであるため、高分解能がとれ、構成が簡単でコストメリットに優れたデルタシグマ変調方式のA/D変換器を採用することにより、装置構成を簡略化することができる。
さらに、上述した課題は、電力線の基本波の無効電力を測定する電力測定装置(101)であって、電力線の電圧値および電流値を、所定のサンプリング周期Tでサンプリングして、それぞれデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iに変換するA/D変換手段(120)と、計測時間Tを1周期とする正弦関数および余弦関数について、サンプリング周期Tごとの正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを示す関数値テーブル(141)を格納した記憶手段(145)と、計測時間Tにわたって、前記A/D変換手段(120)からサンプリングしたデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iを、前記記憶手段(145)からサンプリング時点の正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを、ぞれぞれ取得するとともに、デジタル電圧値Vと関数値Sとの積和値Aと、デジタル電圧値Vと関数値Cとの積和値Bと、デジタル電流値Iと関数値Sとの積和値A’と、デジタル電流値Iと関数値Cとの積和値B’とを求める積和演算機能(161)と、積和値A、B、A’およびB’から、無効電力Qを求める電力演算機能(162)とを有する電力演算手段(160)と、を備えた電力測定装置(101)によっても解決することができる。
すなわち、あらかじめ記憶手段(145)に記憶された正弦関数および余弦関数を表す関数値と、A/D変換手段(120)で変換されたデジタル電値Vおよびデジタル電値Iとを、電力線の基本波のほぼ1周期にわたって積和演算し、その結果から基本波の無効電力Qを求める。基本波の無効電力Qは周波数ずれによる誤差の影響が小さいため、平均化を行わずとも実用上十分な測定値を得ることができる。このため、より簡素な構成で無効電力Qの測定を行うことができる。
このとき、前記記憶手段(145)が不揮発性メモリ(ROM)であることが望ましい。すなわち、本発明に係る電力測定装置は、電力線の実周期Tが変化しても計測時間Tを変更する必要がないため、正弦関数と余弦関数の関数値は一定値となる。このため、揮発性メモリ(RAM)に比べて不要な書き換えに対する耐性が高く、関数値を保持するための電力が不要で、コストも安いROMを採用することが望ましい。
また、前記記憶手段(145)に格納された関数値テーブル(141)が、正弦関数と余弦関数のいずれか一方の関数値の単一のテーブルであり、かつ、前記電力演算手段(160)が、正弦関数と余弦関数の他方の関数値を取得する場合には、90度の位相に相当する分だけずらした関数値を取得するものであることが望ましい。すなわち、正弦関数と余弦関数の関数値は位相が90度異なるだけであるため、両者のテーブルを単一のテーブルとし、参照点をずらして所望の関数値を得るような構成にすることにより、記憶手段(145)の容量を減らすことができる。
また、前記A/D変換手段(120)が、デルタシグマ変調方式のA/D変換器であることが望ましい。電力線の周波数は比較的小さく(日本では50Hzまたは60Hz)、時間的な変化量が比較的緩やかであるため、高分解能がとれ、構成が簡単でコストメリットに優れたデルタシグマ変調方式のA/D変換器を採用することにより、装置構成を簡略化することができる。
なお、本願において、「電力測定装置」とは、測定対象の電力線の電圧値と電流値をデジタル値に変換して、電力(すなわち、有効電力および無効電力のいずれかまたはその両方)を測定する機能を備えた装置を意味し、電力の測定のみの機能を備えた装置に限定されない。例えば、本発明の電力測定装置を電子式電力量計に適用する場合には、図2で示したセンサ部21や増幅器25、表示装置29などを付加することになる。また、他の形態、例えば電子式位相計や高調波電力計、高調波レベル検出器等に適用する場合は、それらの機能に応じたハードウェアやソフトウェアを付加することになる。ただし、いずれの実施形態も、本願に係る電力測定装置の一実施形態であり、本発明の技術的範囲に属する。
本発明により、簡単な方法で有効電力Pと無効電力Qとを算出することができる。電力の算出に必要な積和演算はソフトウェアで記述でき、また取得したデジタル電圧値Vやデジタル電流値Iを記憶する必要が無いため、メモリやハードウェアの増加による装置構成の複雑化やコストアップが無い。また、正弦関数と余弦関数の関数値テーブルに記憶された関数値の参照点を変更するだけで、任意の高調波成分まで電力の算出ができる。さらに、電力線の周波数変動が大きな場合でも、積和演算により求めた電力を平均化して補正し、さらに必要に応じてより詳細な補正を行うことにより、測定に先立って電力線の実周期を確認することなく精度の高い測定を行うことができる。
本発明のその他の特徴、態様、および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面に関連して、より良く理解されよう。
1.電力演算の概要
はじめに、本発明における電力演算の概要を説明する。電力線の電力には、負荷で実際に消費される有効電力Pと、負荷と電源との間を往復するだけで消費されない無効電力Qに分けることができる。本願では、特にことわらない限り、「電力」とは、有効電力Pと無効電力Qの一方または双方を指すものとする。有効電力Pは電圧と電流の位相がそろった成分の電力であり、無効電力Qは両者の位相が90度ずれた成分の電力である。本発明では、測定する電力線の電圧と電流を、数値演算によって位相のそろった成分と90度ずれた成分に分離して有効電力Pと無効電力Qを求める。
すなわち、電力線の電圧の瞬時値Vと電流の瞬時値Iが次式のように表される場合、
Figure 0005000441
有効電力Pと無効電力Qは、係数のA、A’、B、B’を使って次式のように求めることができる。
Figure 0005000441
係数のA、A’、B、B’は式(1)、式(2)の両辺にsin ωtまたはcos ωtを乗じて1周期にわたって積分することにより、次式にように求めることができる。
Figure 0005000441
この演算をデジタル信号処理で実現するために、式(5)〜(8)を積和演算に変形する。電力線の1周期をサンプリング数NでサンプリングしたN個のデジタル電圧値とデジタル電流値をそれぞれV(i)とI(i)(ただし、iは1からNまでの自然数)と表すと、式(5)〜(8)は、次式にように変形することができる。
Figure 0005000441
A、A’、B、B’はデジタル電圧値Vまたはデジタル電流値Iと、正弦関数または余弦関数の積和演算で表わされるため、本願においては、A、A’、B、B’を積和値とよぶ。
次に、電力線の高調波成分について考える。第k調波成分の電圧の瞬時値VkAと電流の瞬時値IkAは次式のように表すことができる。
Figure 0005000441
このとき、第k調波成分の有効電力Pと無効電力Qは、積和値A、A’、B、B’を使って次式のように求めることができる。
Figure 0005000441
電力線の基本波の1周期をサンプリング数NでサンプリングしたN個のデジタル電圧値Vとデジタル電流値Iには、k周期分の第k調波が含まれている。積和値A、A’、B、B’は、第k調波1周期分だけ積和演算して求めることができるため、N/k個のデジタル電圧値Vとデジタル電流値Iから、次式のように求めることができる。
Figure 0005000441
なお、基本波から第N調波成分まで含めた電力線の電圧の瞬時値Vと電流の瞬時値Iは次式のように表すことができるので、
Figure 0005000441
基本波から第N調波成分まで含めた電力線の有効電力Pと無効電力Qは次のようになる。
Figure 0005000441
ここでは無効電力Qの調波成分の全てを正値と定義して絶対値をとった。
ところで、上述した数値計算では、デジタル電圧値Vとデジタル電流値Iは、電力線の基本波の1周期の間をサンプリング数Nでサンプリングしたデジタル値である。電力線の基本波の実周期Tと、N個のサンプリングを行うために必要な計測時間Tとが一致する場合、計測時間Tの中に基本波は1周期過不足なく取り込まれ、第k調波はk周期入る。この時、異なる周波数の間でエネルギーの授受は無いので、基本波はどの高調波も受けないし、他の高調波、基本波の影響も受けない。したがって、基本波の電力は誤差なく計測できる。
しかし、現実の電力線の実周期Tは変動するため、計測側の裕度を5%程度とる必要がある。しかし、電力の測定ごとに、測定に先立って電力線の実周期Tを確認して、計測時間Tを設定するのは煩雑である。そこで、計測時間Tを固定値として電力を演算し、演算結果を補正して、精度の高い電力の測定値を求める方法を考える。
基本波の実周期Tと計測時間Tとが一致しない場合は、積和演算の過程で基本波と高調波とは独立とはいえず、それぞれ影響を及ぼすことになる。基本波の実周期Tと計測時間Tとが僅かにずれている場合、計測時間Tを採取する位相によって誤差が正符号になる時と負になる時がある。
そこで、周波数がεの割合だけずれた場合の誤差を求める。すなわち、式(1)と式(2)の角周波数ωがω(1+ε)となった場合を考える。簡単のために、一般性を失うことなく角周波数ω=1として計算できる。このとき、電力線の電圧の瞬時値Vと電流の瞬時値Iは、周波数ずれεを伴って次のように表すことができる。
Figure 0005000441
周波数のずれεを知ることなく、観測された電圧Vと電流IからA、B、A’、B’を求めるために、まずこの式から sin t および cos t の成分を計算する。
Figure 0005000441
ここで、ε(error)は電力の誤差のうち、εの1次の項の意味である。その結果、内部信号の1周期間では次の電圧Vと電流Iの数式をうることができる。なお、これは1周期内の近似式であって、長い時間に対する近似式ではない。
Figure 0005000441
ここで、電力の誤差は、εの1次の項とεの2次の項および、さらに高次の項に分けられる。電力線の周波数ずれεは大きく見積もって5%程度なので、εの3次以上の高次は無視できる。そこでεの1次の項ε(error)とεの2次の項ε(error)のみを考える。すると、周波数ずれによる誤差を含む近似有効電力Pappと近似無効電力の近似値Qappは次のように表すことができる。
Figure 0005000441
ここで、PとQはそれぞれεの1次の項ε(error)とεの2次の項ε(error)の誤差分を含まない有効電力と無効電力である。
図7および図8は、計測時間Tが基本波の実周期Tと5%ずれている(周波数が95%または105%になった)ときに、計測時間Tにわたる電力の測定を連続して繰り返したときの、近似電力Papp、Qappと電力の真値P、Qとの間の差(誤差)の推移を示した図である。図で、横軸は計測時間Tを単位とした時間であり、5Tとは5回目の計測時間Tの測定で生じた誤差、10Tとは10回目の計測時間Tの測定で生じた誤差を示す。
有効電力はεの1次の項ε(error)の影響により、計測時間Tの採取に対して誤差が正弦波状に変化を繰り返すことが観測される(71)。そこで、複数の近似電力Papp、Qappを連続して測定し、得られた近似電力Papp、Qappを平均化することにより、このεの1次の項ε(error)の影響を取り除いた電力Pave、Qaveを求めることができる(72)。
また、近似電力Papp、Qappを測定する毎に、電圧値と電流値のサンプリング開始時間をランダムに変えて、すなわち非周期的な測定により得られた複数の近似電力Papp、Qappを平均化することによっても、誤差の低減効果が得られる。
これに対して、無効電力のεの1次の項ε(error)、つまり式(38)のεの1次の項ε(error)は、電力線の電圧および電流が基本波成分のみを含む場合は、次式のようにゼロまたは極めて小さくなるため、計測時間Tによらず誤差が小さな一定値となる(73)。
Figure 0005000441
ところで、有効電力、無効電力ともに、εの2次の項ε(error)の誤差は一定値として残る。この一定値はεの1次の項ε(error)に比べると小さな値であるため、要求される測定精度によっては、無視しても実用上問題ない測定値が得られる。
しかし、さらに精度の高い測定値が必要な場合もあるため、εの2次の項ε(error)の誤差の補正について考える。εの2次の項ε(error)は、式(37)と式(38)からε(error)の項を除去してさらに計算を進めると、次式にようになる。
Figure 0005000441
ここで、εの2次の項ε(error)の誤差の補正は、近似電力Papp、Qappを平均化した(すなわち、εの1次の項ε(error)をキャンセルした)電力Pave、Qaveを補正することが前提となる。そこで、式(40)と式(41)では、平均化後の電力Pave、Qaveと誤差分を補正した電力P、Qとの関係式となっている。
このように時間軸上で独立に計測時間Tの開始を定めることによって εの1次の項ε(error)は、平均的にゼロにすることができる。従って、電力系統の周波数ずれにより誤差が大きくなることはない。
式(40)と式(41)を変形すると、誤差を補正した有効電力Pと無効電力Qは、以下のように表すことができる。
Figure 0005000441
以上をまとめると、周波数ずれによる誤差補正の演算は次のようになる。
まず、近似電力Papp、Qappを求める。測定対象が電力線の基本波の無効電力Qである場合には、周波数ずれεの1次の項ε(error)を含まないため、近似電力Qappを測定結果として扱っても、実用上十分な測定結果が得られる。
測定対象が電力線の第k調波成分の電力P、Q(k=1を含む)である場合には、さらに測定を実行して、複数の近似電力Papp、Qappを求める。次に、近似電力Papp、Qappを平均化してPave、Qaveを求める。さらに、測定精度が必要な場合には、まず計測時間Tと電力線の実周期Tとから相対誤差εを求める。たとえば、T=20msでT=21msの場合には、相対誤差は(21−20)/20=0.05、つまり5%となる。そして、式(42)および式(43)で誤差を補正した有効電力Pと無効電力Qを求める。
以上のような補正を行うことにより、計測時間Tと電力線の実周期Tとがずれても、計測時間Tを変えずに精度の高い測定を行うことができる。もっとも、計測時間Tと電力線の実周期Tとの乖離が大きくなると誤差も大きくなる。電力線の周期は、規格値(日本では50Hzまたは60Hz)を中心に変動し、計測側の裕度を5%とる必要がある。このため、計測時間Tはこの裕度の範囲の任意の値に設定する。本願では、電力線の周期の変動を考慮する5%の裕度の範囲の値を「電力線の周期の近似値」とよぶ。
2. 基本波の無効電力の測定
次に、本発明に係る測定方法を利用した電力測定装置の一実施態様を示す。
図9は、基本波の無効電力Qを測定する電力測定装置101の概略構成図である。電力測定装置101は、電力線の電圧Vと電力線の電流Iとが接続されたA/D変換器120と、A/D変換器120に接続された電力演算回路160と、電力演算回路160に接続されたメモリ145と、A/D変換器120と電力演算回路160とに接続されたタイマ150を備えている。図中で、実体のないテーブルや機能は破線で表し、実体のある回路や信号線などは実線で表してある。
タイマ150は、所定のサンプリング周期Tのパルス信号を発振する。このパルス信号はA/D変換器120がサンプリングを行うタイミングを与え、電力演算回路160にタイマ割り込みをかけて、演算処理を実行させる基準信号となる。パルス信号の周期(すなわち、サンプリング周期T)は、計測時間Tをサンプリング数N(Nは自然数)で除した値となる。計測時間Tは、電力線の周期の近傍値で任意に設定した固定値である。サンプリング数Nは、測定精度と電力演算回路160の数値処理能力とのトレードオフで決定されるが、電力線の1周期で20〜40サンプル採取できるように設定することが望ましい。タイマ150が発生するパルス信号の位相を変更することにより、サンプリングの開始タイミングをランダムに変えることができる。
本実施態様のタイマ150は、計測時間Tを電力線の周期の規格値である20ms(周波数50Hz)とし、サンプリング数Nを36サンプリングとした。このため、タイマ150が発振するパルス信号の周期(サンプリング周期T)は0.556ms(=20ms/36)となる。
A/D変換手段は、入力された電圧Vと入力された電流Iのアナログ値を時間軸上で離散化し、デジタル値に変換し出力する。より具体的には、タイマ150から入力されるパルスの立ち上がりエッジで、入力された電力線の電圧の瞬時値Vと電力線の電流の瞬時値Iを、デジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iに変換して出力する。電力線の周波数は50Hzで時間的な変化が比較的小さなため、本実施態様の電力測定装置101では、A/D変換手段をデルタシグマ変調方式のA/D変換器で構成することにより、高分解能をとることができ、装置構成をより簡便にし、コストも抑えている。
メモリ145には、関数値テーブル141が格納されている。関数値テーブル141のデータは、電力演算の概要の項で説明したとおり、測定する電力線の周期によらず固定値である。記憶手段は、本実施態様のように不要な書き換えに対する耐性が高く、テーブルを保持するための電力が不要で、コストが安い不揮発性メモリ(ROM)で構成することが望ましいが、実施態様にあわせてフラッシュメモリやRAMなどの他の記憶デバイスに適宜変更可能である。
関数値テーブル141は、1周期(360度)をサンプリング数Nで等分した正弦関数と余弦関数の関数値、言い換えれば、サンプリング周期Tごとの正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cが格納されている。具体的には、式(9)〜式(12)の右辺の三角関数の関数値が格納されている。本実施態様では、サンプリング数Nは36であるため、10度(=360度/10)ごとの正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cが格納されている。
このとき、正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cを別々に格納してもよいが、両者の値は位相が90度相当分異なるだけであるため、余弦関数(または正弦関数)の関数値を1.25周期分格納した単一のテーブルとし、電力演算回路160が正弦関数(または余弦関数)の関数値を参照するときに、90度の位相に相当する分だけずらした関数値を参照するように構成することで、関数値テーブル141の容量を減らすことができる。
本実施態様の関数値テーブル141は、図10に示すように、10度から450度まで10度ごとの余弦関数の関数値Cを格納した単一のテーブルとなっている。正弦関数の関数値Sを参照する場合には、90度の位相に相当する分(9データ分)だけずらした関数値を参照する。すなわち、sin10°の値が必要な場合には、cos10°の格納されている関数値データ1から9データ分ずらした関数値データ10に格納されているデータを参照する。
電力演算手段は、数値演算処理を記述したプログラムに従って数値演算処理を行う電力演算回路160で構成されている。電力演算回路160は、タイマ150からのタイマ割込みのタイミングで、デジタル電圧値Vとデジタル電流値Iを取得し、数値演算処理を行って無効電力Qを求める。
具体的な機能としては、サンプリングTの間に取得したサンプリング数N個のデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iと、メモリ145の関数値テーブル141に格納された各サンプリング時点における関数値とを積和計算して、4つの積和値A、B、A’、B’を求める積和演算機能161と、4つの積和値A、B、A’、B’から、無効電力Qを求める電力演算機能162を備える。電力演算回路160は、各機能を実現するための演算処理手順を示したソフトウェアを記憶したメモリと、処理手順に従って演算処理を行うハードウェアにより構成されている。
次に、図11のフローチャートを参照しながら、無効電力Qを測定する電力測定装置101の動作、すなわち本発明に係る無効電力の電力測定方法について説明を行う。
最初のタイマ150から電力演算回路160への割り込みのタイミングで、積和値A、B、A’、B’をゼロに初期化して、サンプリングを開始する。本願では、基準時となるこの時点を「サンプリング開始時」と呼ぶ。次のタイマ150からの割り込みのタイミングで、A/D変換器120が、電力線の電圧値Vおよび電流値Iをサンプリングして、それぞれデジタル電圧値V(1)およびデジタル電流値I(1)に変換し、電力演算回路160がV(1)およびI(1)を取得する(ステップ221)。
次に、電力演算回路160が、メモリ145の関数値テーブル141から、最初のサンプリング時点における正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cを取得する(ステップ222)。タイマ150が発生するパルス信号の周期Tは0.556msであるため、基準時(t=0)であるサンプリング開始時からみて最初のサンプリング時点はt=0.556msとなる。計測時間Tは20msであるので、最初のサンプリング時点における正弦関数の関数値Sはsin(360°×0.556/20)=sin10°となる。同様に、最初のサンプリング時点における余弦関数の関数値Cはcos(360°×0.556/20)=cos10°となる。
関数値テーブル141には、図10に示すとおり、サンプリング周期Tごとの正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cが格納されているので、最初のサンプリング時点の関数値であるsin10°とcos10°を読み出す。すなわち、関数値データ1から余弦関数の関数値cos10°を、90度の位相相当分だけずらした関数値データ10から正弦関数の関数値sin10°を取得する。
次に、デジタル電圧値V(1)と正弦関数の関数値S(sin10°)とを乗じて積和値Aに加算する。つまり積和演算を行う。同様に、デジタル電圧値V(1)と余弦関数の関数値C(cos10°)を乗じて積和値Bに加算し、デジタル電流値I(1)と正弦関数の関数値S(sin10°)を乗じて積和値A’に加算し、デジタル電流値I(1)と余弦関数の関数値C(cos10°)を乗じて積和値B’に加算する(ステップ223)。
次に、ステップ221からステップ223までの動作をサンプリング数Nだけ繰り返したか否か、すなわち、サンプリング開始時から計測時間Tが経過したか否かを判定する(ステップ224)。現時点では、1回目のサンプリングの処理が完了したところであるため、割込処理を終了し、次のタイマ割り込みまで待機する。
タイマ150から2回目のタイマ割り込みがかかると、A/D変換器120が電力線の電圧値Vおよび電流値Iをサンプリングして、それぞれデジタル電圧値V(2)およびデジタル電流値I(2)に変換し、電力演算回路160がVおよびIを取得する(ステップ221)。
次に、電力演算回路160が、メモリ145の関数値テーブル141から、2回目のサンプリング時点における正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cを取得する。すなわち、関数値データ2から余弦関数の関数値C(=cos20°)を、90度の位相相当分だけずらした関数値データ11から正弦関数の関数値S(=sin20°)を取得する(ステップ222)。
次に、デジタル電圧値V(2)と正弦関数の関数値S(sin20°)を乗じて積和値Aに加算する。すなわち積和演算を行う。積和値Aには、最初のタイマ割り込みのときに取得したデジタル電圧値V(1)と正弦関数の関数値S(sin10°)を乗算した積和値が記録されているため、この積和値に2回目の割り込み処理で得られたデジタル電圧値V(2)と正弦関数の関数値S(sin20°)との積が加算された値が、新たな積和値Aとなる。同様に、V(2)と余弦関数の関数値C(cos20°)とを乗じて積和値Bに加算し、I(2)と正弦関数の関数値S(sin20°)とを乗じて積和値A’に加算し、I(2)と余弦関数の関数値C(cos20°)とを乗じて積和値B’に加算する(ステップ223)。
次に、ステップ221からステップ223までの動作をサンプリング数Nだけ繰り返したか、否かを判定する(ステップ224)。現時点では、2回目のサンプリング処理が完了したところであるため、割込処理を終了し、次のタイマ割り込みまで待機する。
以上のようにステップ221からステップ223までの動作をサンプリング数N(本実施形態ではN=36)回繰り返す。すなわち、サンプリング開始時から計測時間Tが経過するまで繰り返す。そして、積和値A、B、A’、B’に2/Nを乗ずる。これにより、式(9)〜(12)の積和値A、B、A’、B’を求めることができる。
最後に、積和値A、B、A’、B’を式(4)に代入して無効電力Qを求める電力算出を行う(ステップ225)。電力線の無効電力の基本波成分Qは、平均化や周波数ずれによる誤差補正をせずとも、実用上十分な測定値が得られるため、求めた無効電力Qを測定結果として出力する。
3.基本波または高調波成分の電力の測定
次に、本発明に係る測定方法を利用した電力測定装置の別の実施態様を示す。
図1は、電力線の第k調波(kは自然数。k=1の基本波を含む)の有効電力Pと無効電力Qを測定する電力測定装置100の概略構成図である。なお、図1の電力測定装置100の構成要素のうち、図9の電力測定装置101の構成要素と同一の符号を付したものは、同じ構成をもつ構成要素であるため、説明を省略した。
電力測定装置100は、電力線の電圧Vと電力線の電流Iとが接続されたA/D変換器120と、電力線の電圧Vに接続された周期検出回路110と、A/D変換器120と周期検出回路110とに接続された電力演算回路130と、電力演算回路130に接続されたメモリ140と、A/D変換器120と電力演算回路130とに接続されたタイマ150を備えている。図において、実体のないテーブルや機能は破線で表し、実体のある回路や信号線などは実線で示している。
電力測定装置100のタイマ150も、前述した電力測定装置101のタイマ150と同様に、計測時間Tを電力線の周期の規格値である20ms(周波数50Hz)とし、サンプリング数Nを36、サンプリング周期Tを0.556ms(=20ms/36)とした。
周期検出手段は、電力線の電圧値Vを入力し、入力された電圧波形の立上がり、もしくは立下りから電力線の実周期Tを検出し、デジタル値で出力する手段である。本実施態様の周期検出手段は、電圧値Vのゼロクロス検出を行うことで周期を検出する周期検出回路110を利用している。
ゼロクロス検出とは、図12に示すように、電圧値Vをコンパレータ51に入力して接地電位と比較してゼロクロス電圧Vcmpを生成する。電圧値Vが接地電位より大きい場合はゼロクロス電圧Vcmpは正電圧となり、電圧値Vが接地電位より小さい場合はゼロクロス電圧Vcmpは負電圧となるため、ゼロクロス電圧Vcmpの極性が変わる時点が電圧値Vが接地電位(ゼロ)となった時点と判定できる。生成したゼロクロス電圧Vcmpをカウンタ52に入力し、ゼロクロス電圧Vcmpの立上りと立下がりの間(あるいは立下りと立ち上がりとの間)に、タイマ53から入力されるクロックパルスCLKの数をカウントする。そして、カウント数とクロックパルスCLKの周期との積から電力線の実周期Tを算出する。
本実施態様では、入力信号として電力線の電圧値Vを利用しているが、電圧値Vの代わりに電流値Iで周期検出してもよい。また、周期検出の方法は、ゼロクロス検出以外にも種々の方法があり、実施態様にあわせて適宜変更可能である。例えば、サンプリング周波数が高い場合には、A/D変換器120において、信号極性の変化点を検出し、直近の変化点との間のサンプリング回数をカウントして、カウント数とサンプリング周期Tとの積から電力線の実周期Tを算出してもよい。
メモリ140には、関数値テーブル141と補正値テーブル142が格納されている。関数値テーブル141と補正値テーブル142のデータは、測定する電力線の周波数によらず固定値であるため、本実施態様では、不要な書き換えに対する耐性が高く、テーブルを保持するための電力が不要で、コストが安い不揮発性メモリ(ROM)で構成したが、実施態様にあわせてフラッシュメモリやRAMなどの他の記憶デバイスに適宜変更可能である。なお、関数値テーブル141の内容は、図9の電力測定装置101のメモリ140に格納されたテーブルと同じ構成のテーブルである。
補正値テーブル142は、図13に示すように、周期検出回路110で検知された電力線の実周期Tと、有効電力の補正値Eと無効電力の補正値Eとの関係を示すテーブルである。有効電力の補正値Eは、式(42)の右辺のPaveの係数を電力線の実周期Tごとに求めた値が格納されている。同様に、無効電力の補正値Eは、式(43)の右辺のQaveの係数を、電力線の実周期Tごとに求めた値が格納されている。計測側の裕度を5%とるため、補正テーブル142には、電力線の周期の規格値20ms(50Hz)から5%(1ms)短い19msから5%長い21msまで0.1msきざみで補正値E、Eが格納されている。
電力演算回路130は、タイマ150からのタイマ割込みのタイミングで、デジタル電圧値Vとデジタル電流値I、関数値Sと関数値C、および、電力線の実周期Tを取得し、数値演算処理を行って有効電力Pと無効電力Qを求める。
具体的な機能としては、計測時間Tの1/kの時間にわたって、前記A/D変換器120からサンプリングしたデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iを、前記メモリ140からサンプリング時点のk倍の時間に相当する正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを、それぞれ取得するとともに、デジタル電圧値Vと関数値Sとの積和値Akappと、デジタル電圧値Vと関数値Cとの積和値Bkappと、デジタル電流値Iと関数値Sとの積和値A’kappと、デジタル電流値Iと関数値Cとの積和値B’kappとを求める積和演算機能131と、積和値Akapp、Bkapp、A’kappおよびB’kappから、近似電力Pkapp、Qkappを求める電力演算機能132と、積和演算機能131と電力演算機能132を所定回数繰り返し実行して求めた複数の近似電力Pkapp、Qkappを平均化して、電力Pkave、Qkaveを求める平均化機能133と、周期検出回路110で検出された電力線の周期Tからメモリ140の補正値テーブル142を参照して補正値E、Eを求める補正値取得機能135と、有効電力Pkave、Qkaveと補正値E、Eを乗算して、電力測定装置100の測定結果の電力P、Qを求める補正機能134とを備える。電力演算回路130は、各機能を実現するための演算処理手順を示したプログラムを記憶したメモリと、処理手順に従って演算処理を行うハードウェアにより構成されている。
次に、図14のフローチャートを参照しながら、電力測定装置100の動作、すなわち本発明に係る電力測定方法について説明を行う。
まず、はじめにタイマ150から電力演算回路130への割り込みのタイミングで、積和値Akapp、A’kapp、Bkapp、B’kappをゼロに初期化して、サンプリングを開始する。この時点が「サンプリング開始時」となる。次のタイマ150からの割り込みのタイミングで、A/D変換器120が、電力線の電圧値Vおよび電流値Iをサンプリングして、それぞれデジタル電圧値V(1)およびデジタル電流値I(1)に変換し、電力演算回路130がV(1)およびI(1)を取得する(ステップ301)。
次に、電力演算回路130が、メモリ140の関数値テーブル141から、積和値Akapp、Bkapp、A’kapp、B’kappを求めるために利用する正弦関数と余弦関数の関数値を取得する(ステップ302)。ここで、測定対象は電力線の第k調波であることから、積和演算に使用する正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cは、計測時間Tの1/kの時間を1周期とする正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cである。ところが、関数値テーブル141には、図10に示すとおり、計測時間Tを1周期とする正弦関数と余弦関数の関数値が格納されている。そこで、各サンプリング時点のk倍の時間に相当する正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cを取得することにより、計測時間Tの1/kの時間を1周期とする正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cを得ることができる。具体的には、k−1個おきにデータを取得する。
例えば、第2調波(k=2)の測定の場合には1個おきに読み出すことになるので、関数値データ2から最初のサンプリング時点の余弦関数の関数値C(cos20°)を、90度の位相相当分(9データ分)だけずらした関数値データ11から正弦関数の関数値S(sin20°)を取得する。また、第3調波(k=3)の測定の場合には2個おきに読み出すことになるので、関数値データ3から最初のサンプリング時点の余弦関数の関数値C(cos30°)を、90度の位相相当分だけずらした関数値データ12から正弦関数の関数値S(sin30°)を取得する。なお、k=1(基本波)の場合は0個おき、つまり間をとばさずに順次データを取得する。
次に、デジタル電圧値V(1)と取得した正弦関数の関数値Sとを乗じて積和値Akappに加算する。つまり、積和演算を行う。同様に、デジタル電圧値V(1)と余弦関数の関数値Cとを乗じて積和値Bkappに加算し、デジタル電流値I(1)と正弦関数の関数値Sとを乗じて積和値A’kappに加算し、デジタル電流値I(1)と余弦関数の関数値Cとを乗じて積和値B’kappに加算する(ステップ303)。
次に、ステップ301からステップ303までの動作をサンプリング数N/kだけ繰り返したか否か、すなわち、サンプリング開始時から計測時間Tの1/kの時間が経過したか否かを判定する。現時点では、1回目のサンプリング処理が終了したところであるため、N/k=1でなければ割込処理を終了し、次のタイマ割り込みまで待機する(ステップ304)。
タイマ150から2回目のタイマ割り込みがかかると、A/D変換器120が電力線の電圧値Vおよび電流値Iをサンプリングして、それぞれデジタル電圧値V(2)およびデジタル電流値I(2)に変換し、電力演算回路130がVおよびIを取得する(ステップ301)。
次に、電力演算回路130が、メモリ140の関数値テーブル141から、積和値Akapp、Bkapp、A’kapp、B’kappを求めるために利用する正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cを取得する(ステップ302)。つまり、1回目のタイマ割り込み処理で読み出したデータからk−1個とばしてデータを読み出す。
例えば、第2調波(k=2)の測定の場合は、1回目のタイマ割り込み処理で読み出した関数値データ2から1つとばして関数値データ4から余弦関数の関数値C(cos40°)を、90度の位相相当分だけずらした関数値データ13から正弦関数の関数値S(sin40°)を取得する。また、第3調波(k=3)の測定の場合には、1回目のタイマ割り込み処理で読み出した関数値データ3から2つとばして関数値データ6から余弦関数の関数値C(cos60°)を、90度の位相相当分だけずらした関数値データ15から正弦関数の関数値S(sin60°)を取得する。ただし、k=1(基本波)の場合にはとばさずに読み出す。
次に、デジタル電圧値V(2)と正弦関数の関数値Sを乗じて積和値Akappに加算する、積和演算を行う。同様に、V(2)と余弦関数の関数値Cを乗じて積和値Bkappに加算し、I(2)と正弦関数の関数値Sを乗じて積和値A’kappに加算し、I(2)と余弦関数の関数値Cを乗じて積和値B’kappに加算する(ステップ303)。
以上のようにステップ301からステップ303までの動作をサンプリング数N/k回繰り返す。つまり、サンプリング開始時から計測時間Tの1/kの時間が経過するまで、所定のサンプリング周期Tごとにステップ301からステップ303までの動作を繰り返す。そして、積和値Akapp、Bkapp、A’kapp、B’kappに2k/Nを乗ずる。これにより、式(17)〜(20)に示した積和値A、B、A’、B’を求めることができる。
次に、積和値Akapp、Bkapp、A’kapp、B’kappを式(3)および式(4)に代入して第k調波の近似有効電力Pkappと近似無効電力Qkappを求める電力演算を行う(ステップ305)。
さらに平均化を行うため、ステップ301からステップ305を複数回数繰り返して複数の近似電力Pkapp、Qkappを求める(ステップ306)。本実施態様の電力測定装置100では、ステップ301からステップ305までの動作を連続して所定回数行なう連続サンプリングモードと、ステップ301からステップ305の動作を終了する毎にタイマ150のパルス信号の位相を変更して、非周期的にステップ301からステップ305の動作を所定回数サンプリングを行うランダムサンプリングモードの2つのモードを有する。
その後、求めた複数の近似電力Pkapp、Qkappを平均化し、有効電力Pkaveと無効電力Qkaveを求める(ステップ307)。本実施態様では、連続サンプリングモードで近似電力Pkapp、Qkappを連続して10回測定して、その平均値から電力Pkave、Qkaveを求めている。電力演算の概要の項で述べたとおり、一定値として残るεの2次の項ε(error)の誤差はεの1次の項ε(error)に比べると小さな値であるため、要求精度がそれほど高くない電力測定装置の場合には電力Pkave、Qkaveを最終的な測定結果としても実用上問題ない。
本実施態様の電力測定装置100は、さらに精度の高い測定値が要求されているため、式(42)および式(43)で示したεの2次の項ε(error)の補正を行う。
まず、タイマ150の割り込みの際に、電力演算回路130が周期検出回路110から電力線の基本波の実周期Tを取得する(ステップ308)。次に、取得した実周期Tに対応する有効電力の補正値Eと無効電力の補正値Eを、メモリ140の補正値テーブル142を参照して求める(ステップ309)。
ここで、第k調波の測定では、計測時間はT/kで電力線の第k調波成分の実周期はT/kとなるため補正値E、Eは、両者の相対誤差に基づいて求める必要がある。ところが、上述したT/kとT/kとの相対誤差は、計測時間Tと基本波の実周期Tとの相対誤差と同じ値となるため、測定対象となる調波成分にかかわらず補正値E、Eは一定値となることに留意されたい。
また、本実施態様の電力測定装置100では、電力線の基本波の実周期Tの値を少数第1位まで求めて、補正値テーブル142を参照して補正値E、Eを求めているが、より精度の高い補正値E、Eが必要な場合には、さらに正確な実周期Tの測定を行うとともに、テーブル142の値から補間して補正値E、Eを求めてもよい。例えば、実周期Tが20.05msの補正値E、Eが必要な場合には、実周期Tが20.0msのときの補正値E、Eと実周期Tが20.1msのときの補正値E、Eとの平均値を用いるようにしてもよい。さらに精度が必要な場合には、補正値テーブル142を使用せず、電力演算回路130が式(42)と式(43)を数値演算して補正値E、Eを取得してもよい。
最後に、電力Pkave、Qkaveと補正値E、Eを乗算して補正を行い、電力線の第k調波成分の有効電力Pと無効電力Qを求める(ステップ310)。
以上、本発明に係る技術的思想を特定の実施態様を参照しつつ詳細にわたり説明したが、本発明の属する分野における当業者には、請求項の趣旨及び範囲から離れることなく様々な変更及び改変を加えることが出来ることは明らかである。上述した説明は、例示を目的として述べたものであり、網羅的であることまたは開示された形に限定されることを意図したものではない。変形および修正が可能であり、それらは添付の特許請求の範囲に記載される上述の実施形態の範囲に含まれる。
例えば、上述した実施態様の電力測定装置100では、有効電力と無効電力の双方を測定しているが、有効電力と無効電力のいずれか一方を求める装置であってもよい。この場合には、近似電力や補正値も求める電力に応じて一方のみを求めることになる。例えば、有効電力Pのみを求める場合には、ステップ305では近似有効電力Pkappのみを、ステップ307では有効電力Pkaveのみを、ステップ309では補正値Eのみを求めればよい。
また、より短時間で平均化の効果が得られるデジタルのローパスフィルタを使用してもよい。さらに、電力演算回路130で、求めた電力P、Qから、次式により、さらに皮相電力VAや位相角φ、力率cosφを求めてもよい。
Figure 0005000441
本発明に係る電力測定装置の概略構成図である。 従来用いられている代表的な電子式電力計の基本構成図である。 第1の従来技術の説明図である。 図3のLPFの概略構成図である。 図3のLPFの周波数特性図である。 第2の従来技術の説明図である。 有効電力Pの誤差の推移を示した図である。 無効電力Qの誤差の推移を示した図である。 本発明に係る無効電力の電力測定装置の概略構成図である。 本発明に係る電力測定装置の関数値テーブルの説明図である。 本発明に係る無効電力測定のフローチャートである。 本発明に係る電力測定装置の周期検出回路の概略構成図である。 本発明に係る電力測定装置の補正値テーブルの説明図である。 本発明に係る第k調波の電力測定方法のフローチャートである。
符号の説明
100、101 電力測定装置
110 周期検出回路
120 A/D変換器
130、160 電力演算回路
140、145 メモリ
141 関数値テーブル
142 補正値テーブル

Claims (17)

  1. 電力線の第k調波成分(kは自然数。k=1の基本波を含む。以下同じ)の電力を測定する電力測定方法であって、
    電力線の電圧値および電流値をサンプリングして、それぞれデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iに変換するA/D変換ステップと、
    電力線の周期の近傍値であって任意に設定した計測時間Tの1/kの時間を1周期とする正弦関数および余弦関数のそれぞれについて、前記サンプリング時点における正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを取得する関数値取得ステップと、
    計測時間Tの1/kの時間にわたって、所定のサンプリング周期Tで、A/D変換ステップおよび関数値取得ステップを繰り返し実行して、デジタル電圧値Vと関数値Sとの積和値Akappと、デジタル電圧値Vと関数値Cとの積和値Bkappと、デジタル電流値Iと関数値Sとの積和値A’kappと、デジタル電流値Iと関数値Cとの積和値B’kappと、を求める積和演算ステップと、
    積和値Akapp、Bkapp、A’kappおよびB’kappから、近似有効電力Pkappおよび近似無効電力Qkappのいずれか一方またはその双方(以下、近似電力Pkapp、Qkappという)を求める電力演算ステップと、
    積和演算ステップおよび電力演算ステップを所定回数繰り返し実行して求めた複数の近似電力Pkapp、Qkappを平均化して、有効電力Pkaveおよび無効電力Qkaveのいずれか一方またはその双方(以下、電力Pkave、Qkaveという)を求める平均化ステップと、
    を含む電力測定方法。
  2. 請求項1記載の電力測定方法であって、
    平均化ステップが、積和演算ステップおよび電力演算ステップを連続して所定回数繰り返し実行する電力測定方法。
  3. 請求項1記載の電力測定方法であって、
    平均化ステップが、積和演算ステップおよび電力演算ステップを非周期的に所定回数繰り返し実行する電力測定方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の電力測定方法が、さらに、
    電力線の実周期Tを検出する周期検出ステップと、
    電力線の実周期Tと計測時間Tとの相対誤差から、有効電力の補正値Eおよび無効電力の補正値Eのいずれか一方または双方(以下、補正値E、Eという)を求める補正値取得ステップと、
    電力Pkave、Qkaveを補正値E、Eで補正する補正ステップと、
    を含む電力測定方法。
  5. 電力線の基本波の無効電力を測定する電力測定方法であって、
    電力線の電圧値および電流値をサンプリングして、それぞれデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iに変換するA/D変換ステップと、
    電力線の周期の近傍値であって任意に設定した計測時間Tを1周期とする正弦関数および余弦関数のそれぞれについて、前記サンプリング時点における正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを取得する関数値取得ステップと、
    計測時間Tにわたって、所定のサンプリング周期Tで、A/D変換ステップおよび関数値取得ステップを繰り返し実行して、デジタル電圧値Vと関数値Sとの積和値Aと、デジタル電圧値Vと関数値Cとの積和値Bと、デジタル電流値Iと関数値Sとの積和値A’と、デジタル電流値Iと関数値Cとの積和値B’と、を求める積和演算ステップと、
    積和値A、B、A’およびB’から、無効電力Qを求める電力演算ステップと、
    を含む電力測定方法。
  6. 電力線の第k調波成分の電力を測定する電力測定装置であって、
    電力線の電圧値および電流値を、所定のサンプリング周期Tでサンプリングして、それぞれデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iに変換するA/D変換手段と、
    計測時間Tを1周期とする正弦関数および余弦関数について、サンプリング周期Tごとの正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを示す関数値テーブルを格納した記憶手段と、
    計測時間Tの1/kの時間にわたって、前記A/D変換手段からサンプリングしたデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iを、前記記憶手段からサンプリング時点のk倍の時間に相当する正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを、それぞれ取得するとともに、デジタル電圧値Vと関数値Sとの積和値Akappと、デジタル電圧値Vと関数値Cとの積和値Bkappと、デジタル電流値Iと関数値Sとの積和値A’kappと、デジタル電流値Iと関数値Cとの積和値B’kappとを求める積和演算機能と、積和値Akapp、Bkapp、A’kappおよびB’kappから、近似有効電力Pkappおよび近似無効電力Qkappのいずれか一方または双方を求める電力演算機能と、積和演算機能と電力演算機能を所定回数繰り返し実行して求めた複数の近似電力Pkapp、Qkappを平均化して、有効電力Pkaveおよび無効電力Qkaveのいずれか一方または双方を求める平均化機能とを有する電力演算手段と、
    を備えた電力測定装置。
  7. 請求項6記載の電力測定装置であって、
    電力演算手段において平均化の出力である電力Pkave、Qkaveが、積和演算機能および電力演算機能を連続して所定回数繰り返し実行して求めた近似電力Pkapp、Qkappを平均化した電力である電力測定装置。
  8. 請求項6記載の電力測定装置であって、
    電力演算手段において平均化の出力である電力Pkave、Qkaveが、積和演算機能および電力演算機能を非周期的に所定回数繰り返し実行して求めた近似電力Pkapp、Qkappを平均化した電力である電力測定装置。
  9. 請求項6から8のいずれかに記載の電力測定装置であって、
    前記電力測定装置が、さらに、電力線の実周期Tを検出する周期検出手段を備え、かつ、
    前記電力演算手段が、さらに、電力線の実周期Tと計測時間Tとの相対誤差から、有効電力の補正値Eおよび無効電力の補正値Eのいずれか一方または双方を求める機能と、電力Pkave、Qkaveを補正値E、Eで補正する機能とを有する電力測定装置。
  10. 請求項9に記載の電力測定装置であって、
    前記記憶手段が、さらに、電力線の実周期Tと補正値E、Eとの対応を示す補正値テーブルを格納しており、かつ、前記電力演算手段が、検出された電力線の周期から補正値テーブルを参照して補正値E、Eを求める機能を有する電力測定装置。
  11. 請求項6から10のいずれかに記載の電力測定装置であって、
    前記記憶手段が不揮発性メモリ(ROM)である電力測定装置。
  12. 請求項6から11のいずれかに記載の電力測定装置であって、
    前記記憶手段に格納された関数値テーブルが、正弦関数と余弦関数のいずれか一方の関数値の単一のテーブルであり、かつ、
    前記電力演算手段が、正弦関数と余弦関数の他方の関数値を取得する場合には、90度の位相に相当する分だけずらした関数値を取得する電力測定装置。
  13. 請求項6から12のいずれかに記載の電力測定装置であって、
    前記A/D変換手段が、デルタシグマ変調方式のA/D変換器である電力測定装置。
  14. 電力線の基本波の無効電力を測定する電力測定装置であって、
    電力線の電圧値および電流値を、所定のサンプリング周期Tでサンプリングして、それぞれデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iに変換するA/D変換手段と、
    計測時間Tを1周期とする正弦関数および余弦関数について、サンプリング周期Tごとの正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを示す関数値テーブルを格納した記憶手段と、
    計測時間Tにわたって、前記A/D変換手段からサンプリングしたデジタル電圧値Vおよびデジタル電流値Iを、前記記憶手段からサンプリング時点の正弦関数の関数値Sと余弦関数の関数値Cとを、ぞれぞれ取得するとともに、デジタル電圧値Vと関数値Sとの積和値Aと、デジタル電圧値Vと関数値Cとの積和値Bと、デジタル電流値Iと関数値Sとの積和値A’と、デジタル電流値Iと関数値Cとの積和値B’とを求める積和演算機能と、積和値A、B、A’およびB’から、無効電力Qを求める電力演算機能とを有する電力演算手段と、
    を備えた電力測定装置。
  15. 請求項14に記載の電力測定装置であって、
    前記記憶手段が不揮発性メモリ(ROM)であることを特徴とする電力測定装置。
  16. 請求項14または15に記載の電力測定装置であって、
    前記記憶手段に格納された関数値テーブルが、正弦関数と余弦関数のいずれか一方の関数値の単一のテーブルであり、かつ、
    前記電力演算手段が、正弦関数と余弦関数の他方の関数値を取得する場合には、90度の位相に相当する分だけずらした関数値を取得する電力測定装置。
  17. 請求項14から16のいずれかに記載の電力測定装置であって、
    前記A/D変換手段が、デルタシグマ変調方式のA/D変換器である電力測定装置。
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