JP4999847B2 - 感染防止のための不織布材料の抗微生物処理 - Google Patents

感染防止のための不織布材料の抗微生物処理 Download PDF

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Description

本発明は、保護物品に適用可能な化学的処理に関する。特に、本発明は、病原体及び感染症の拡散を防止するための材料組成物に関する。
近年、院内感染の蔓延が、患者と医療従事者の双方にとって深刻な問題となっている。院内感染は、病院や長期ケア施設等の医療施設で発生する。一般に、病院内の病原体は、伝染力が強力である、かつ標準的な抗生物質に対して耐性を有する。そのため、院内感染は、外部での市中感染よりも深刻かつ危険である。米国では、毎年約2〜10万人が院内感染で死亡している。米国の入院患者(1年あたり約200万人)の約5〜19%は、臨床的に明らかな院内感染に罹患する。これらの院内感染(hospital-acquired infection:HAI)は、通常は、患者の病気や怪我の診断又は治療に用いられる手順又は治療方法に関係している。
院内感染の作用機序は、他の感染症と同様に、ホスト、作用物、及び環境因子に依存する。ホストの危険因子は、年齢、栄養状態、及び共存疾患である。院内感染は、微生物固有の病原性、並びに、施設内での病原菌のコロニー形成及び生存能力の影響を受ける。診察手順、医療機器、医療及び外科治療が、病院環境における危険因子である。院内感染は、細菌、ウイルス、菌類又は寄生虫が原因で発生する。これらの微生物は、患者の体内にすでに存在する、又は、周囲環境、汚染された医療機器、医療従事者若しくは他の患者から伝播する。関連する病原体に応じて、感染は、身体の全ての部分で開始される。局所感染は、身体の特定部位に限定され、局所症状を有する。
また、院内感染は、外科的処置、尿道若しくは血管に挿入されたカテーテル、又は、鼻若しくは口から肺に吸い込まれた物質によって発生し得る。院内感染の最も一般的なタイプは、尿路感染(urinary tract infection:UTI)、気管内人工呼吸器の使用に起因する肺炎、血液感染性の病原菌汚染、及び手術創感染である。例えば、腹部の手術創が感染すると、手術創の部分が赤く、熱く及び痛くなる。全身性の感染症は、病原体が血流に入って、例えば、高熱、寒気、低血圧、又は精神的な混乱などの一般的な全身症状を引き起こす。
病院及び他の医療施設では、院内感染を防止するための広範囲な感染管理プログラムが実施されている。感染防止のために標準的な予防策としては、手洗いがある。手洗いは、依然として病気の拡散防止に効果的な方法なので、定期的に行うべきである。医療従事者及び見舞人の頻繁な手洗いは、伝染性の微生物が、接触伝播機序を介して入院患者に伝播するのを防止するために必要である。血液、体液、分泌物、排泄物、及び汚染物品に接触するときは、手袋を着用するべきである。また、粘膜及びに創部に接触するときは、手袋を使用するべきである。同一の患者に対する処置が終了し、著しく汚染されたら、手袋を交換するべきである。手袋は、使用後は、汚染されていない環境表面や他の患者に接触する前に早急に廃棄するべきである。その後、手を洗浄するべきである。血液、体液又は分泌物の飛沫又はしぶきの発生しそうな処置又はケア中は、目、鼻及び口の粘膜を保護するために、医療従事者はマスク、ゴーグル及びフェイス・シールドを着用するべきである。血液又は体液の飛沫が発生しそうな処置又はケア中は、皮膚を保護及び衣類の汚染を防止するために、ガウンを着用するべきである。医療機器及び装置は、それらが汚染されていないことを確実にするために、適切に消毒する必要がある。
今日の健康管理環境では、院内感染との戦いにはまだ勝利していない。院内感染防止プログラム、及び、患者を治療する際の医療従事者側の適切な予防処置に対する誠実な努力によって、感染を約25〜33%防止することができるが、依然として多数の感染が発生している。現在の方法は、十分ではない。予防措置(手洗いや、手袋、フェイス・マスク、カバーガウンの着用)の実施にもかかわらず、主に接触伝播によって、HAIは依然として発生している。つまり、病原体で汚染された表面(例えば、手、衣類及び/又は医療機器)と接触した者は、依然として、ある表面から他の表面へと、すぐさまに又は最初の接触から短時間で病原体を伝播させることができる。研究者は、微生物に関連する問題に対処するのに、様々な方法を用いてきた。病院及び他の医療施設では、消毒剤及び殺菌剤が、様々な局所的及び硬質表面の用途に広く使用されている。特に、これらは、感染防止実施の本質的な部分であり、院内感染防止を助ける。しかし、現在入手可能な従来の抗微生物物質は、抗微生物物質が塗布された基材上での病原体の殺滅及び固定化には、あまり効果的ではない。
抗微生物物質が殺生物剤に対して耐性を有するという問題は、望ましくない細菌及び菌類の複合体の管理をもたらした。消毒剤及び殺菌剤製品の広範な使用は、微生物の薬剤耐性(特に、抗生物質に対する交差耐性)の発達に関する懸念を助長する。これらの製品には、様々な活性化学物質(又は「殺生物剤」)が含有されているが、その多くは、消毒、殺菌、保存のために数百年にもわたり使用されてきた。それにもかかわらず、これらの活性物質の作用機序については、抗生物質よりも、あまり詳しく知られていない。一般に、殺生物剤は、抗生物質よりも幅広い活性を有している。また、抗生物質が特定の細胞内標的を持つ傾向があるのに対して、殺生物剤は複数の標的を持ち得る。消毒剤及び殺菌剤製品の広範な使用は、微生物の薬剤耐性(特に、抗生物質に対する交差耐性)の発達に関する懸念を助長する。この総説は、微生物の消毒剤及び殺菌剤に対しての薬剤耐性の作用形態及び作用機序について知られていることを考察し、現在の臨床環境の知識に関連させることを可能な限り試みる。
抗生物質は、必要な場合にのみ使用する。抗生物質の使用は、真菌生物カンジダ菌による感染にとって好都合な状況を作り出す。また、抗生物質の乱用は、抗生物質に耐性を有する細菌を発生させる原因となる。さらに、抗微生物物質又は抗生物質の乱用及び浸出は、生体内での生物濃縮を引き起こし、哺乳類細胞に対して細胞傷害性を引き起こす。
患者及び医療従事者の双方をより良く保護するために、即効性、高効率、抗微生物性(抗ウイルス性を含む)を有する保護物品(例えば、衣類、手袋及び他の被覆物品)が、幅広い抗微生物保護のために、様々な用途に求められている。産業界は、場所間及び患者間における病原体の接触伝播を管理又は防止することができる抗微生物物質を求めている。従来の抗微生物物質では、抗生物質が細菌に摂取されたときに、前記細菌を殺滅する。この従来の抗微生物物質において生じる耐性の問題について考えると、接触したときに実質的に殺滅し、それが塗布された基材からの浸出が無い又は最小限である抗微生物物質は、当該分野の作業者にとっては好ましい。したがって、病原体の断続的な生存又は成長のための媒体でさえも提供しない、かつ、抗微生物性物質が塗布される基材と安定的に結合する物質を開発することが重要である。さらに、抗微生物性の保護物品の製造コストは比較的安価にすべきである。また、優れた液体バリア性及び抗静電気性とを同時に有する抗微生物性物質が求められている。さらに、血液感染性及び/又は空気感染性病原体(例えば、HIV、SARS、B型肝炎など)からの感染を防止するための抗微生物性及び抗ウイルス性物質が求められている。
本発明は、材料基材及び保護用物品に適用可能な抗微生物性材料組成物を提供する。前記抗微生物性組成物(antimicrobial composition)は、A群、B群及び随意的なC群から選択される少なくとも1つの成分を含む混合物を含有する。前記A群は、例えばポリヘキサメチレン・ビグアニド(PHMB)などの第1の抗微生物性物質(antimicrobial agent)を含む。前記B群は、第2の抗微生物性物質、有機酸又は加工助剤を含む。前記C群は、抗静電気剤又はフッ素ポリマーを含む。あるいは、前記抗微生物性組成物は、溶液中又は前記基材上に存在する活性物質に対する重量%が、約0.1〜99.9重量%のポリヘキサメチレン・ビグアニド(PHMB)と、約0.1〜99.9重量%の相乗的協働剤(synergistic co-active agent)Xとの混合物と特徴付けられる。前記Xは、界面活性剤、有機酸及び第2の抗微生物性物質のうちの少なくとも1つである。前記第1及び第2の抗微生物性物質は、それぞれ、約1000:1〜約1:1000の範囲の比で存在する。
前記抗微生物性組成物は、約30分以内に、少なくとも1×10CFU/g(又は、3log10減少)の微生物殺滅効果を示す。望ましくは、前記組成物は、約5〜10分以内に、少なくとも1log10CFUの減少を示す。前記組成物は、前記表面から浸出しないように、前記基材の表面と安定的に結合する。また、前記組成物は、前記表面上に、均一に被覆される。
前記第2の抗微生物性物質は、次のうちの少なくとも1つである。第2のビグアニド、クロルヘキシン、アレキシジン及びそれらの関連する塩、安定化酸化剤(例えば、二酸化塩素)、安定化過酸化物(例えば、過酸化尿素、過酸化物マンニトール)、亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム)、ビスフェニル(例えば、トリクロサン、ヘキサクロロフェン)、第4級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム、セトリミド、塩化セチルピリジウム、4級化セルロース、他の4級化ポリマー)、様々な「自然発生的」物質(例えば、緑又は黒茶抽出物由来のポリフェノール、クエン酸、キトサン、アナターゼTiO、トルマリン、竹抽出物、ニーム油)、ヒドロトロープ類(例えば、強力な乳化剤)、カオトロピック剤(例えば、アルキル・ポリグリコシド)、及びそれらの相乗的組み合わせ。
前記加工助剤としては、アルコール(例えば、オクタノール、ヘキサノール、イソプロパノール)、湿潤剤、界面活性剤、粘度調整剤(例えば、ポリビニル・ピロリドン(PVP)、エチル・ヒドロキシ・エチル・セルロース)、結合剤、表面改質剤、塩、及びpH調整剤がある。前記界面活性剤としては、第4級アンモニウム基で修飾されたセルロース又はセルロース由来材料がある。
他の態様によれば、本発明は、少なくとも1つの表面を有する基材を備えた保護用物品であって、前記表面が、溶液中の本発明に係る抗微生物性組成物で処理された保護用物品に関する。いくつかの実施形態では、抗微生物処理された前記表面は、ユーザの身体から離れる外側方向に向いている。前記基材の少なくとも一部は、弾性材料、ポリマー材料、織布材料又は不織布材料のいずれかから構成することができる。特に、前記基材は、天然若しくは合成の弾性膜若しくはシート、セルロース・ベースの繊維、ポリマーフィルム、ポリオレフィン材料又はそれらの組み合わせから構成することができる。前記基材が不織布材料から構成される場合は、前記不織布材料の片面を抗微生物性溶液(antimicrobial solution)で被覆することができる。前記抗微生物性溶液は、前記不織布材料に、最大で15μmまで浸透させることができる。しかし、必要に応じて、前記抗微生物性溶液を、前記不織布材料に完全に染み込ませてもよい。
前記保護用物品は、患者、医療従事者、又は潜在的に伝染性のある病原体若しくは微生物と接触する可能性がある他の者が着用する衣類の形態をとることができる。前記衣類としては、ガウン、ローブ、フェイス・マスク、ヘッドカバー、靴カバー及び手袋などがある。あるいは、前記保護用物品としては、手術着、手術用開窓(surgical fenestration)又はカバー、ドレープ、シーツ、リネン、パッド、ガーゼ包帯、ふき取り繊維、スポンジ、並びに、家庭用、企業用、医療用及び産業用の他の清掃、殺菌及び消毒用の物品がある。
また、本発明は、基材の処理方法であって、a)基材、並びに、PHMBを含む抗微生物性物質及び相乗的協働剤の混合物を含有する抗微生物性溶液を準備するステップと、b)前記基材を槽に浸漬する、又は、前記基材の表面に前記抗微生物性溶液のコーティングを噴霧するステップとを含む方法を提供する。抗微生物性溶液を受け取るべく前記基材の表面を官能化するために、前記基材を励起ガスのグロー放電処理(例えば、コロナ又はプラズマ)するステップを含むにさらすステップを含む。
前記基材は、天然繊維、合成繊維又はこれらの両繊維を組み合わせたものから作成された、弾性又は非弾性、多孔性若しくは無孔性の膜若しくはフィルム、及びラミネート、又はそれらの組み合わせから作成された、織布繊維及び不織布繊維の両方を包む。他の基材としては、ゴム、プラスチック若しくは他の合成ポリマー材料、又は、金属、鉄、ガラス若しくはセラミック材料がある。これらの基材は、様々な医療ケア、個人ケア、企業的、産業的、及び感染症が広がる可能性がある他の用途に使用するために作成される。
本発明に係る保護用及び/又は消毒用物品の他の特性及び利点は、以下の詳細な説明によって明らかになるであろう。上記の[課題を解決するための手段]の欄での説明、並びに下記の[発明を実施するための最良の形態]及び[実施例]の欄での説明は、本発明の例示のみを目的としたものであり、[特許請求の範囲]に記載された本発明を理解するための概要を提供することを目的としている。
[第1部:定義及び専門用語]
本明細書及び添付した特許請求の範囲では、文脈で明確に別途規定される場合を除いて、単数は複数の場合も含むものであることを了解されたい。別途規定される場合を除いて、ここで使用される技術用語及び科学用語は、本発明が関連する技術分野の当業者に一般的に理解されている又は一般的に受け入れられているのと同じ意味である。
ここで用いられる「抗微生物性物質(antimicrobial agent)」という用語は、微生物を殺滅する又は微生物の増殖を抑制する化学物質又は他の物質を意味する。今日使用される抗微生物性物質は、抗細菌物質(細菌を殺滅する)、抗ウイルス物質(ウイルスを殺滅する)、抗真菌物質(真菌を殺滅する)、及び抗寄生虫物質(寄生虫を殺滅する)である。抗微生物性物質の2つの主要な種類は、「抗生物質」と消毒剤(別名、「殺生物剤(biocide)」)である。殺生物剤と抗生物質は、両方とも抗微生物性物質である。
前記「殺生物剤」という用語は、生存する微生物を不活性化する(通常は広範囲の)殺虫剤などの化学物質を指す一般用語である。殺生物剤は、抗微生物作用に幅があるので、増殖を抑制する「静菌性(-static)」(例えば、静細菌性、静真菌性、静胞子性)、及び標的生物を殺滅する「殺滅性(-cidal)」(例えば、殺細菌性、殺真菌性、殺胞子性、殺ウイルス性)などの用語を用いるとより具体的になる。
前記「抗生物質」という用語は、合成的な又は天然由来の有機化学物質を意味する。抗生物質は、ほとんどの場合、ヒト、動物及び植物の感染症の治療に低濃度で使用され、微生物の増殖を防止又は抑制する。抗生物質の例としては、治療薬剤(例えば、ペニシリン)がある。一方、殺生物剤の例としては、消毒剤又は殺菌剤(例えば、ヨウ素)がある。抗生物質は一般的に、単一の標的及び非常に特異的な作用機序を有し、「鍵と鍵穴」の関係のように細胞膜内の受容体又は代謝若しくは核酸機能と相互作用して酵素過程又は代謝過程を抑制することにより殺菌作用を行う。一方、殺生物剤は、複数の標的及び作用機序を有する。殺生物剤の作用機序としては、例えば細菌性微生物の外側細胞膜の物理的破壊及び恒久的破壊などがある。抗生物質及び殺生物剤は、ドアをキーで開けるのとドアを大きなハンマーで壊すのと同じぐらい互いに異なる。抗生物質は特異的な作用機序を有するので、新しい多剤耐性微生物の広がり及び発達により密接に関連する。結果として、殺生物剤を使用することが、本発明の好適な実施形態である。有用な殺生物性化学物質のいくつかの例としては、ビグアニド(例えば、クロルヘキシン、アレキシジン及びそれらの関連する塩)、ハロゲン放出剤(例えば、ヨード、ヨードフォア、次亜塩素酸ナトリウム、N−ハラミン)、安定化酸化剤(例えば、二酸化塩素)、安定化過酸化物(例えば、過酸化尿素、過酸化物マンニトール)、金属含有種及びそれらの酸化物(例えば、粒子形状の又は支持マトリックス若しくはポリマーに組み込まれた銀、銅、セレン)、亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム)、ビスフェニル(例えば、トリクロサン、ヘキサクロロフェン)、第4級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム、セトリミド、塩化セチルピリジウム、4級化セルロース、他の4級化ポリマー)、様々な「自然発生的」物質(例えば、緑又は黒茶抽出物由来のポリフェノール、クエン酸、キトサン、アナターゼTiO、トルマリン、竹抽出物、ニーム油)、ヒドロトロープ類(例えば、強力な乳化剤)、及びカオトロピック剤(例えば、アルキル・ポリグリコシド)、並びにそれらの相乗的組み合わせがある。基材の化学的性質(ポリオレフィン対セルロース・ベース材料)及び製品への組み込み方法(局所的対グラフト)に応じて、最終的に要求される製品特性を得るために、上記の化学物質の多くを単独又は組み合わせて使用することができる。
ここで用いられる「含む(containing)」という用語は、抗微生物性物質を目的とする物品に組み入れる任意の方法に従って作成された製品を意味する。前記方法は、繊維の押し出し成及び回転中、並びに、製品の作成に使用される不織布材料の製造中に溶融させたポリマーへの、活性物質の溶融による付加を含む。また、前記方法は、完成品の作成に使用される繊維に「面性(sidedness)」を付与する又は付与しない、局所的塗布を含む。さらに、前記方法は、プラズマ処理、静電気付加、例えばUV、ガンマ線若しくは電子ビーム放射線源を使用した放射線表面グラフト共重縮合、又は、抗微生物活性を有するグラフト共重縮合表面の作成するための化学的開始(chemical initiation)の使用などの、他の非標準的な方法を含む。
ここで用いられる「広範囲の微生物」という語句は、最小のグラム陽性及びグラム陰性細菌並びにそれらの耐性菌を包含すると定義される。前記耐性菌としては、例えば、メチシリン耐性(methicillin resistant Staphylococcus aureus:MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin resistant enterococcus:VRE)、及びペニシリン耐性肺炎球菌(penicillin resistant Streptococcus pneumoniae:PRSP)がある。好ましくは、この語句は、全ての細菌(グラム陽性、グラム陰性、抗酸性菌)、酵母(カンジダ菌)、及びエンベローブ型ウイルスと裸のウイルスを含む両方ウイルス(例えば、ヒトインフルエンザ、ライノウイルス、ポリオウイルス、アデノウイルス、肝炎、HIV、ヘルペス、シンプレックス、SARS、鳥インフルエンザ)を包含すると定義される。
ここで用いられる「増殖を急速に抑制及び制御する」という語句は、対象となる物品における広範囲の微生物の濃度を、フラスコ攪拌法、液滴チャレンジ試験、及び/又はエアロゾル・チャレンジ試験で測定したときに、約30分以内に少なくとも1log10減少させることを意味すると定義される。好ましくは、この語句は、微生物の濃度を、約30分以内に3log10(すなわち、10コロニー形成単位(colony forming unit:CFU)/g)減少させることを意味する。より好ましくは、この語句は、微生物の濃度を、約30分以内に4log10以上減少させることを意味する。
ここで用いられる「接触伝播を防止又は最小限に抑える」という語句は、対象となる物品における生存する広範囲の微生物が他の面と接触したときの伝播を、非処理の対照物品と比較して、米国特許公開公報第2004/0151919号に概説されている接触伝播規格プロトコルで測定したときに、少なくとも1log10減少させることを意味すると定義される。好ましくは、この語句は、生存微生物の伝播を、3log10減少させることを意味する。より好ましくは、この語句は、生存微生物の伝播を、4log10以上減少させることを意味する。
「非浸出性の」抗微生物性表面は、ASTM E2149−01試験プロトコル(動的接触条件下での固定された抗微生物性物質の抗微生物活性を測定するための標準的な試験方法)に合格した表面を意味する。選択された処理物質で抑制される領域が生じないということは、活性種が処理された基材から浸出しないことを実証する。
[第2部:説明]
殺菌剤及び消毒剤は、病院及び他の医療施設で、様々な局所用途及び硬質表面用途に幅広く使用されている。特に、殺菌剤及び消毒剤は、感染管理に必要不可欠な部分であり、院内感染の防止を助ける。近年は、微生物汚染の可能性及び感染の危険性に対する懸念が高まっており、化学的な殺生物剤を含む抗微生物性製品の使用が増加している。一般に、殺生物剤は、抗生物質よりも幅広い活性を有する。また、抗生物質が特定の細胞内標的を持つのに対して、殺生物剤は複数の標的を持つことができる。しかし、従来の殺生物剤は、微生物に対して有効に作用するためには、病原体に摂取される又は接触面から浸出する必要があった。
組成物及び前記組成物で処理された物品の必要性を鑑みて、本発明は、細菌及びウイルス伝播及び感染に関連する問題を解決する方策を提供する。本発明に係る抗微生物性組成物は、接触直後に1log10の殺滅効果、及び接触後の約30分以内(通常は約10〜15分以内)に少なくとも3log10の殺滅効果を発揮することができる。前記抗微生物性組成物は、様々な基材又は材料(例えば、織布又は不織布繊維)、及び有機又は無機表面に、安定的に塗布することができる。
[第A節:抗微生物性組成物]
本発明に係る抗微生物性組成物は、複数の抗微生物性試薬の組み合わせにより、個々の成分の非加算的な相乗効果を生成する。我々は、いくつかの化合物を、潜在的な抗微生物性物質及び/又は加工助剤と見なす。特に、我々は、例えば、第4級アンモニウム化合物及びポリマー性ビグアニド、アルコール、並びに界面活性剤などの様々なカチオン性ポリマーを、保護用基材への適用可能性の主要候補と見なす。我々は、第4級アンモニウム化合物(例えば、第4級アンモニウム・セルロース、第4級アンモニウム・シロキサン)、ポリマー性ビグアニド、界面活性剤、アルコール、及び有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、安息香酸)などのカチオン性ポリマーの組み合わせによって、広範囲の病原菌に対して有効な非加算的な相乗作用が得られることを見いだした。他の抗微生物性化合物、界面活性剤と組み合わせると、ポリマー性ビグアニドを単独で用いる場合よりも、ポリマー性ビグアニドの抗微生物効果が向上する。これらの相乗作用的な組成物は、作用の即効性及び多機能性を実現する。このことにより、単一成分のビグアニド組成物よりも細菌耐性が発達する傾向が少なくなる。さらに、本発明に係る組成物における殺生物剤の活性成分は、単一の成分を用いる場合よりも、比較的低濃度でより効果的である。これらの相乗作用的な組成物は、効率を向上させるだけではなく、低い浸出性、低い細胞毒性、及び低いコストを潜在的に可能にする。したがって、本発明に係る組成物は、ポリマー性ビグアニドを従来の組成物よりも低濃度で使用することができる。
ポリヘキサメチレン・ビグアニド(PHMB)塩酸塩は、ほとんどの微生物における負に帯電した膜を強力に引き付けて破壊するカチオン性ビグアニドである。PHMBは、ヘキサメチレン・スペーサによって連結された高塩基性ビグアニド基から成る単位を有するポリマーである。一般的に、PHMBの活性は、内部膜破壊の強化に関連する重合の増加レベルに伴い、重量ベースで増加する。PHMBは、細菌細胞膜の表面の受容部位と結合して二重層を広範囲に破壊し、細菌代謝過程に大きな有害な障害をもたらす。PHMBは、細胞膜の酸性リン脂質のドメイン形成を引き起こすと考えられている。そして、透過率の変化が結果として起こり、いくつかの膜結合性酵素の機能変化をもたらすと考えられている。
ある理論によれば、PHMBと細胞エンベロープとの相互作用についての提案された一連の順序は下記の通りである。(i)PHMBは、リン酸塩含有化合物への強力で特異的な吸着力によって、負に帯電された細菌細胞の表面を急速に引き付ける。(ii)外側膜の完全性が損なわれ、PHMBは、内側膜に引き付けられる。(iii)PHMBはリン脂質と結合し、内側膜の浸透性(K損失)が増加するとともに、静菌作用が同時に起こる。(iv)膜機能が完全に喪失し、その後、細胞内構成物質の沈殿及び殺菌作用が生じる。細菌及び真菌におけるPHMBの作用機序は、(1)構造的完全性を提供する二価陽イオンの置換、及び(2)膜リン脂質への結合、による外側細胞膜の破壊である。これらの作用により膜が破壊され、その結果、膜構造に依存する全ての代謝過程(例えば、エネルギー発生、プロトン駆動力及び輸送)が停止する。PHMBは、特に、シュードモナス菌に対して有効である。
細胞膜の破壊が致命的であることを示す微生物学的証拠は多数存在する。これは、染料が充填された小型の単層のリン脂質小胞(直径50〜100nm)を作成することにより、実験室でモデル化することができる。生理学濃度の範囲でのPHMBの追加により、前記小胞の急速な破壊(染料の放出をモニタすることにより観察される)が引き起こされ、一定時間における殺滅率が高まる。外側膜がひとたび開くと、PHMB分子は細胞膜と接触し、負に帯電したリン脂質と結合することができる。細菌膜の物理的破壊は、細胞からの重要な細胞成分の漏出をもたらし、このことにより細菌を殺滅する。
PHMBは、負に帯電した分子に対して、非常に強力な親和性を有する。このことは、コーティング組成物に使用される、ある共通のアニオン性(しかし、カチオン性又は非イオン性ではない)の界面活性剤と相互作用できることを意味する。また、PHMBは、ポリビニル・アルコール、セルロース系増粘剤、及びでんぷんベースの製品に適合し、ポリ酢酸ビニル及び酢酸ビニルエマルジョン系において良好に作用する。PHMBは、シリコン・エマルジョン及びカチオン性電着系においても良好な性能を発揮する。PHMBの所定の製剤に対しての適合性は、単純な適合試験によってすぐに分かる。多くの場合は、微調整されたアニオン性成分によって安定システムがもたらされる。
PHMB分子は、無極性基材との疎水性相互作用、及び負に電荷された基材の領域に関連する錯体電荷相互作用によって、例えば、手袋、カバーガウン、フェイス・マスク、医療又は外科用器具などの被覆された基材表面に結合される。細菌がPHMB分子の近傍に近接するとすぐに、PHMBはより高く負に電荷された細菌細胞に選択的に移送される。あるいは、前記ビグアニドの疎水性領域は、基材の疎水性領域と相互作用し、負に帯電した細菌分子と相互作用するための、PHMB分子のカチオン性領域の接近を可能にする。実際の機序は、両方の相互作用を組み合わせたものである。PHMBが基材に保持される作用機序は現時点では十分に明らかにされていない。しかし、最新の浸出データは、PHMBは実際には基材には粘着しておらず、ASTM試験方法([実験の節]で後述する)で規定されたようには浸出しないことを示している。したがって、PHMBは塗布された基材から浸出しないので、PHMBが生物耐性又は細胞毒性をもたらす可能性は低い。
例えば、Cosmocil CQ(液体状、20重量%PHMB)又はVantocil(分子量が約3,000の、PHMBのヘテロ分散混合物)の登録商標名で市販されているPHMBの例は、グラム陽性及びグラム陰性細菌に対して活性であるが、殺胞子性ではない。
第2の活性抗微生物性物質としては、第4級アンモニウム化合物、第4級アンモニウムシロキサン、ポリ第4級アミン、粒子形状の又は支持マトリックス若しくはポリマーに組み込まれた金属含有種及びそれらの酸化物、ハロゲン、ハロゲン放出剤又はハロゲン含有ポリマー、ブロモ化合物、二酸化塩素、チアゾール、チオシアネート、イソチアゾリン、シアノコバラミン、ジチオカルバマート、チオネイン、トリクロサン、アルキルスルホ琥珀酸、アルキル・アミノ・アルキルグリシン、ジアルキル・ジメチル・ホスホニウム塩、セトリミド、過酸化水素、1−アルキル−1,5−ジアザペンタン、又はセチル・ピリジニウム化合物がある。
表1は、本発明に係る抗微生物性組成物に使用可能な様々な殺生物剤及び加工助剤を示すものである。表1には、前記殺生物剤及び加工助剤の一般的な化学名及び市販名も示されている。AEGIS(登録商標) AEM 5700(DOW CORNING, MIDLAND, ML)及びCRODACEL QM(CRODA, INC., PARSIPPANY, NJ)の名で市販されている第4級アンモニウム化合物、Glucopon 220 UP(Cognis Corp, Ambler, PA)の名で市販されている例えばアルキル−ポリグリコシドなどの界面活性剤、並びに、Hydagen CMF及びHydagen HCMF(Cognis Corp., Cincinnati, OH)の名で市販されているグリコール酸キトサンは、PHMBの殺滅効果を相乗作用的に著しく高める(後述する)。ここに示した殺生物剤の多くは、単独で又は組み合わせて、微生物に対しての取り組みが大幅に異なる様々な製品に使用することができる。
表1 活性試薬及び加工助剤
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*内部溶融添加剤として使用する。これらの添加剤は、熱可塑性樹脂(例えば、ポリプロピレン:PP)において、前記添加物を含有する繊維及びウエブを作成するために、その後、未使用樹脂と乾燥混合され、共押し出しされる濃度物を生成するための一般的な化合物である。
表2は、表1に示した試薬を様々な割合で含有する、本発明に係る抗微生物性組成物の例を示すものである。各試薬は、組成物全体の活性物質に対する重量%で示されている。湿潤性及び/又は処理被覆の均一性を高める加工助剤(例えば、ヘキサノール、オクタノール、アルキル・ポリグリコシド。他の界面活性剤)などの他の成分は、前記組成物の成分の総量に対して約0.1〜1重量%の範囲で、前記組成物に組み入れることができる。いくつかの実施形態では、加工助剤は、約0.2〜0.75重量%の濃度で存在する。各組成物は、水溶液中で混合される。前記組成物は、抗微生物効果のための望ましい又は予め定められた量を基材に付加する処理過程に応じて、望ましい又は要求される濃度に希釈される。例えば、浸透プロセスを使用し、湿潤ピックアップ率100%を目標とする場合は、前記基材に付加する濃度と同じ量が添加された溶液を作成する。換言すれば、前記基材への1%付加を目標とする場合は、処理組成物溶液中の活性物質の濃度を1重量%にする。個々の成分は、個々の化学試薬を特定するために、一般名又は市販名で簡単な形態で列記している(ただし、本発明に係る組成物の成分を限定するものではない)。表2に示す組成物の例はすべて、所定の有機又は無機の基材上に、通常のコーティングに使用することができる。また、表2に示す組成物の各々は、15〜30分以内に、コロニー形成単位(CFU/mL)(CFU/g)の、少なくとも約3log10減少をもたらすのに効果的である。前記組成物は、約10分以内に(ある場合では5分以内に)微生物を死滅させる即効性であることが望ましい。
PHMBは、表2に示す全ての組成物に含有されている。実施例1〜6、及び16は、少なくとも2つ又は3つの他の有用な抗微生物活性物質又は加工助剤を含有する組成物を示す。実施例7〜13は、高濃度(>70〜75重量%)のPHMBを含有する組成物を示す。実施例14〜26は、中程度の濃度のPHMBを含有する組成物を示す。第4級アンモニウム化合物及び界面活性剤は、抗微生物性を発揮することに加えて、処理基材材料の湿潤を助ける。前記湿潤は、基材上に、PHMBのためのより均一な処理表面を形成するのを助けると考えられている。また、前記材料の湿潤性を高めると、前記材料の表面上で、標的の生物をより接近させて、抗微生物性物質の活性部分と接触させることができると考えられている。また、アルコールも、前記材料の抗微生物性に対して、同様の効果を発揮することができる。様々な物質を組み合わせた溶液で処理された材料は、PHMBのみで処理した場合よりも、高い殺生物効果を示す。
表2Aに示す実施例27〜31では、即効性の局所用組成物を、比較的ゆっくりと作用する殺生物剤(基材の表面に埋め込まれている、又は、ポリマーベースの不織布繊維に溶融によって組み込まれている)と組み合わせている。この2種類の抗微生物性組成物は、相補的に作用する。即効性の局所的抗微生物性組成物は、抗微生物処理された基材と接触する全ての微生物に対して急速な反応(すなわち、固定及び殺滅)を示す。そして、基材に埋め込まれた又は組み込まれたゆっくり作用する殺生物剤は、保護レベルを長期間に渡って(少なくとも6〜12時間、より一般的には約24時間以上)維持する。
いくつかの実施形態では、抗微生物性組成物は、細菌及びウイルスの両方に作用する殺生物剤の組み合わせを含む。例えば、抗微生物性組成物は、実施例1〜6のように、PHMB、第4級アンモニウム・セルロース、キシリトール、クエン酸、安息香酸、界面活性剤、錯化剤(例えば、PVP)、抗静電気剤(例えば、Nicepole FL)を含有する。抗静電気剤は、水の表面張力を20ダイン/cm以上減少させないものが望ましい。本発明に係る組成物は、中程度の親水性を有することが望ましい。したがって、表面に塗布される組成物の液滴は、例えばポリプロピレン基材の表面に対して、約90度未満の接触角を形成することができる。本発明に係る組成物は、約2〜約5又は6の範囲のpHを有する。好ましいpHの範囲は、目的とする、特定の使用環境条件に応じて、約2.5〜4、又は、約2.5〜3.5である。実施例1、3、22及び23は、医療用繊維によく見られる不織布繊維を処理するのに有用な抗静電気剤として作用する、アクリル系のコポリマー化合物及びイソプロピル・アルコールを含有している。
抗微生物性溶液は、第1の活性物質と、第2の活性物質とを含有している。第1の活性物質は、少なくとも0.1〜99.9重量%のポリヘキサメチレン・ビグアニド(PHMB)を含む。第2の活性物質は、アルキル・ポリグリコシド、第4級セルロース誘導体、第4級シロキサン、界面活性剤、及び有機酸のうちの少なくとも1つから選択される。処理基材上での各活性物質及び加工助剤の最終濃度は、約0.01〜20重量%の範囲である。正確な濃度は、標的とする微生物の種類、及び/又は被覆された基材材料の性質によって決定される。例として、各成分の一般的な濃度範囲を表22に示す。
処理表面上における組成物の成分の最終濃度
Figure 0004999847
本発明に係る抗微生物性組成物は、ヒトにとって無臭であるべきである。すなわち、前記組成物は、少なくともヒトの嗅覚系には検出されないようにすべきである。本発明に係る抗微生物性組成物を、フェイス・マスク、及びヒトの鼻に近接する他の基材に使用する場合は、この特徴は重要である。
[第B節:基材及びその性質]
様々な異なる種類の基材を、本発明に係る抗微生物性組成物によって処理又は被覆することができる。本発明では、基材材料の例としては、医療機器及び/又は手術用機器、又は病院施設で見られる、例えば天然ゴム若しくは合成ポリマー・ラテックスなどの弾性膜、フィルム若しくは発泡体、軟質及び硬質ゴム若しくはプラスチック、又は、金属、ガラス若しくはセラミックの表面がある。あるいは、他の実施形態では、基材材料は、織布又は不織布繊維から選択される。織布は、天然繊維(例えば、セルロース、綿、亜麻、ウール、シルク)、又は、天然繊維と合成繊維との組み合わせ(例えば、熱可塑性物質、ポリエステル、ナイロン、アラミド、ポリアクリル酸材料)から作成される。不織布繊維の基材の作成に、様々な種類の弾性又は非弾性の熱可塑性ポリマーを使用することができる。例えば、様々な種類の弾性又は非弾性の繊維、フィラメント、フィルム、シーツ又はそれらの組み合わせ及びそれらのラミネートに、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン及びプロピレンのポリマー及びコポリマー、ポリ乳酸及びポリグリコール酸のポリマー及びコポリマー、ポリブチレン、スチレン・コブロック・ポリマー、メタロセン触媒ポリオレフィン(好ましくは0.9g/cm未満の密度であることが好ましい)、並びに、他の種類のポリオレフィンを使用することができる(ただし、これらに限定されるものではない)。
本発明の有益な特性は、上記の第A節で説明した抗微生物性組成物で処理した不織布材料で示した。処理された不織布から、様々な種類の製品を作成することができる。前記製品としては、例えば、保護衣類、ガウン又はエプロン、作業服、及び、寝具類の布地、有窓カバー、ラップ又はパッドの製造に使用されるシート材料がある。他の使用としては、例えば、フェイス・マスク、手袋、足カバー、パーソナルケア製品(水着、おしめ、トレーニング・パンツ、吸収性物品、ふき取り繊維、及び成人用失禁物品を含む)などの様々な医療用物品がある。本発明に係る抗微生物性組成物は、細菌活性を防止するための様々な用途に用いることができる。例えば、医療用吸収剤又はパーソナルケア製品では、本発明に係る組成物は、吸収媒体の裏地又は基質に、皮膚との接触面から離れた外側又は内側層に配置することができる。
本発明に係る物品の他の有利な面は、本発明に係る処理を受ける不織布又は織布基材及び物品は、抗微生物性が長持ちすることである。表3に示すように、本発明に係る組成物は、処理基材上に抑制領域が形成されない。基材の表面上に形成された抗微生物コーティングは、一般的な病院又は医療での使用条件下において、水性又は水性ベース物質及び有機溶媒の存在下で非浸出性である。抗微生物性物質は、手袋の表面に対して強力に吸着又は結合されるので、抗微生物効果は化学的により長持ちする。したがって、抗微生物効果が長時間持続するという利点がある。
さらに、抗微生物コーティングの安定結合性(non-fugitive)は、微生物の移動、及び、「スーパーバグ」と呼ばれる耐性菌の発達を最小限に抑えることができる。従来の抗微生物性物質は、効率的に作用するためには、物品(例えば、手袋)の表面から浸出して微生物に摂取される必要があった。このような従来の抗微生物性物質を使用する場合は、微生物は、投与量が致死的である場合に限って害を受け破壊される。投与量が亜致死的である場合は、微生物には抗微生物性物質に対する耐性が付与される。そのため、病院は、そのような物質を免疫低下患者に使用したくはない。さらに、抗微生物性物質は前記プロセスによって摂取されるので、抗微生物処理の効果は、使用するにつれて減少する。しかし、本発明で使用される抗微生物化合物又はポリマーは、微生物に摂取されない。前記抗微生物性物質は、処理基材の表面上に存在する微生物の膜を破壊する。従来の固定化抗微生物組成物の問題点は、固定化された微生物が依然として生存し、細胞毒素又は他の病原因子の生成を続けることである。本発明に係る組成物は、生物を固定及び殺滅することにより、さらなる汚染可能性を防止する。
従来とは異なり、本発明に係る抗微生物性組成物で処理された不織布材料は、前記材料の表面に分離された際に、液体バリア性を大いに維持する。PHMBがSMS基材のスパンボンド層の最外部又は表面に限定されるように、抗微生物性組成物の局所的配置を制御することにより、例えば、基材材料の下層への液体流路が形成されるのを防止することができ、このことにより、バリアと抗微生物性の有益な組み合わせが得られると考えられている。例えば、いくつかの実施形態では、処理塗布過程中に、前記組成物が処理基材材料の内層に浸透しないように、抗微生物性組成物のレオロジーを調節することができる。さらに、比較的高い表面張力(40又は50ダイン/cm以上)を示す組成物を使用することが望ましい。基材内に水が浸透するのを最小限に抑え、基材のバリア性の許容レベルを維持するために、表面活性が無い又は少ない水溶性ポリマー(例えば、ヒドロキシエチル・セルロース、ポリビニル・ピロリドン)を前記組成物に組み入れることができる。これらの種類の水溶性ポリマー化合物は、良好な被膜形成剤及び粘度増加剤である。被膜形成、低い表面張力、及び高い組成粘性の組み合わせは、抗微生物性組成物処理のSMS不織布構造のバルク体への浸透を制限する均一な機能層を形成するのを助ける。その結果、ヘッド水圧試験で測定したときの、SMSのバリア性に対する悪影響を最小限にする。表4は、SMSのバリア性に対する抗微生物処理の影響が最小限であることのいくつかの例を示す。処理基材のバリア保護性能は、ヘッド水圧試験で測定すると、医療器具開発協会(Association for the Advancement of Medical Instrumentation:AAMI)の基準ではレベル3のバリア保護と規定される55ミリバール以上に達する。1.5オンス/平方ヤード(ounce per square yard:osy)(〜50gm/m)の未処理のSMS繊維が、対照として使用される(83.5ミリバールである)。従来のパディング法で処理した、PHMB及び湿潤剤、オクタノールのみを含有する本発明に係る抗微生物性組成物の繰り返しを含む同様のSMS繊維のヘッド水圧は、約62ミリバールである(又は、対照と比較すると約26%減である)。望ましいヘッド水圧は、約64〜68又は69ミリバールである。粘度調整剤を組み込んだ組成物をマイヤーロッド(Meyer rod)で塗布することにより、ヘッド水圧は、約66〜67ミリバールに向上する(又は、対照と比較すると約20%減である)。したがって、本発明によれば、適切な組成物及び塗布技術を使用することにより、良好なバリア性と良好な抗微生物性とを維持する繊維を作成することができる。また、抗微生物性化学物質を基材の表面に塗布することにより、殺生物剤が病原体との相互作用をより簡単に行うことができるので、全般的な効率が向上する。前記組成物に被覆形成化学物質を使用するにも関わらず、被覆されたSMS基材は、ユーザーの熱的快適性を確保するための良好な通気性を維持することができる。
本発明の他の特性は、前記組成物に抗静電気剤(例えば、アクリル共ポリマー及びイソプロピル・アルコール、又は塩酸グアニジン及びソルビトール)を加えた場合は、被覆された不織布材料基材に抗静電気性を付与することである。表5は、0.6重量%PHMB及び協働的抗静電気剤及び被覆形成剤で処理した1osySMS基材のバリア性及び抗静電気性示す。処理基材のバリア保護性能は、AAMI基準でのレベル2(ヘッド水圧が20ミリバール以上である)に達する。表5に示す好ましい実施例C及びDにおいては、急速な静電気の減少(0.5秒未満)と、良好なバリア性(42〜47ミリバール、対照と比較すると15〜23%減である)を示す。
本発明に係る抗微生物性組成物の実施形態は、例えば、手袋、フェイス・マスク、手術若しくは医療用の衣服、ドレープ、靴カバー、又は有窓カバーなどの保護用物品を含む。本発明の有益な特性は、ソイルローディング(soil loading)の存在下又は非存在下での、前記製品の表面上における広範囲の微生物の増殖を急速に抑制及び制御する1つ又はそれ以上の抗微生物性物質及び協働剤の組み合わせを含むフェイス・マスクを例に説明する。急速に殺滅及び抑制する抗微生物コーティングは、前記マスクにおいて、製品全体ではなくて、不織布の外面に選択的に形成される。前記抗微生物性物質は、液体の存在下でマスクの表面からは非浸出性である、及び/又は、ブロースルー(blow-through)試験プロトコルで測定したときに、使用中に前記マスクではじかれユーザーが空気感染する可能性がある粒子を復元させない。
ブロースルー試験及び分析作業により、本発明に係る抗微生物剤含有溶液による処理がフェイス・マスクの使用に安全であり、通常の使用条件下ではマスクの裏地から剥がれないという証拠が得られる。本発明に係る抗微生物性溶液で処理したスパンボンド材料サンプルを使用して、フェイス・マスク製品を使用した際の呼吸と同様なブロースルー試験を8時間以上行った。マスク材料は、2つのファネル(funnel)の間で平らに保持固定された、処理されたスパンボンド材料サンプルを含んでいる。加湿空気はファネル器具を吹き抜けて、材料から剥離した化学的処理がフラスコ内に集められる。
いくつかの実施形態では、抗微生物性物質としては、様々な殺生物剤(抗生物質ではない)が挙げられる。前記殺生物剤としては、特に、Cosmocil CQ、Vantocilなどの様々な商標名で販売されているポリ(ヘキサメチレン・ビグアニド)などのポリマー性ビグアニドが挙げられる。あるいは、フェイス・マスクは、ソイルローディングの存在下又は非存在下で、マスク表面から前記マスクと接触する他の面への、生存する広範囲の微生物の接触伝播を防止する又は最小限に抑える、1つ又は複数の抗微生物性物質を含み得る。フェイス・マスクは、ASTM F2101で測定したときに85〜90%以上の細菌ろ過効率(bacterial filtration efficiency:BFE)を有するように構成される。好ましくは、フェイス・マスクは、95%以上のBFEを有する。より好ましくは、フェイス・マスクは、99%以上のBFEを有する。フェイス・マスクは、呼吸快適性を確保するために、ASTM F2101で測定して5mm・water/cm以下の差圧を有する。望ましくは、前記差圧は、2.5mm・water/cm以下である。フェイス・マスクは、ラテックス粒子チャレンジ試験(ASTM F2299)で測定したときに、約85〜90%以下の粒子ろ過効率(particle filtration efficiency:PFE)を有する。好ましくは、フェイス・マスクは、95%以上のPFEを有する。より好ましくは、PFEは、フェイス・マスクは、99%以上のPFEを有する。フェイス・マスクは、人工血液に対して、ASTM F1862で測定したときに、約80mmHg以上の液体浸透耐性を有する。好ましくは、フェイス・マスクは、約120mmHg以上の液体浸透耐性を有する。より好ましくは、フェイス・マスクは、約160mmHg以上の液体浸透耐性を有する。
他の例として、本発明の利点を、抗微生物性のカバーガウンで説明する。前記ガウンは、ソイルローディングの存在下又は非存在下で、前記製品の表面上における広範囲の微生物の増殖を急速に抑制及び制御する1つ又はそれ以上の抗微生物性物質及び協働剤の組み合わせを含有する。あるいは、前記ガウンは、ソイルローディングの存在下又は非存在下で、前記ガウンの表面から前記ガウンと接触する他の面への、生存する広範囲の微生物の接触伝播を防止する又は最小限に抑える1つ又は複数の抗微生物性物質を含有する。フェイス・マスクと同様に、前記ガウンの表面を覆う抗微生物性物質は、前記基材と安定的に結合し、液体の存在下で前記ガウンの前記表面から非浸出性である。前記ガウンは、水圧ヘッド試験で測定したときに、20ミリバール以上(AAMI基準のレベル2)の液体バリア性を有する。好ましくは、前記ガウンは、50ミリバール以上(AAMI基準のレベル3)の液体バリア性を有する。より好ましくは、前記ガウン繊維は、ASTM F1670及びASTM F1671の試験基準で定義して、血液及びウイスル浸透に対して耐性を有する。前記液体バリア性は、100ミリバール以上であり得る。
抗微生物で処理したガウンは、米国不織布工業会(Association of the Nonwovens Fabrics Industries:INDA)の標準試験方法40.2(95)を使用した静電気減衰試験で測定したときに、5000Vの静電気を0.5秒未満で50%吸収することができる。概略的に説明すると、帯電が除去された3.5インチ×6.5インチのサンプルを用意する。前記サンプルを、帯電減衰試験装置に入れて、5000Vに帯電させる。前記サンプルを帯電させた後、帯電電圧を取り除き、電極を接地する。前記サンプルが予め定められた量(例えば、50%又は90%)の電荷を失うのに要する時間を記録する。ここでは、前記サンプルの帯電減衰時間は、Electro-Tech Systems社(Glenside, PA)から市販されている目盛り付き帯電減衰メーター(モデル番号:SDM 406C、406D)を使用して試験される。好ましくは、前記ガウン材料は、5000Vの帯電を0.5秒未満で90%除電する。より好ましくは、前記ガウン材料は、5000Vの帯電を0.5秒未満で99%除電する。また、前記ガウン材料は、火炎伝播プロトコル(CPSC 1610及びNFPA 702)で測定したときに、クラスIの可燃率を有する。病院では、不測の静電放電が原因で火事が起こる可能性を最小限に抑えるために、静電気除去及び火炎伝播の両方の必要性が重要である。基材及び抗微生物性組成物の選択だけでは、この有益な一連の特性及び作用をもたらすことができず、抗微生物性の保持に加えて、これらの両方の基準に合格することが好ましい実施形態であることに留意されたい。
[第C節:所望の性質を得るための処理方法]
本発明に係る抗微生物性組成物は、形成後の不織布ウエブ繊維の外面に、局所的に塗布することができる。望ましくは、均一なコーティングが、基材表面上に塗布される。均一なコーティングは、基材表面上の選択された部位だけに結合せずに、比較的一様に結合した、又は、処理基材表面上に均一に分布した抗微生物性物質の層を意味する。加工助剤は、抗微生物性組成物が基材表面上で乾燥するとすぐに、蒸発又は揮発することが望ましい。適切な加工助剤としては、アルコール(例えば、ヘキサノール又はオクタノール)が挙げられる。「表面処理」、「表面調節」、及び「局所的処理」という用語は、本発明に係る抗微生物性組成物を基材に塗布することを意味し、特に断らない同じ意味で使われることに留意されたい。
本発明に係る抗微生物コーティングで処理される不織布繊維は、様々なプロセスによって製造することができる。具体的な例としては、抗微生物処理基材を作成は、疎水性ポリマー基材の作成と、前記基材の少なくとも一部を、少なくとも1つの抗微生物性活性物質(例えば、PHMB)、少なくとも1つの協働剤(例えば、AEGIS AM 5700)、及び少なくとも1つの加工助剤(アルキル・ポリグリコシド、又は他の界面活性剤)を含有する混合物に暴露することを含む。上記の合成は、前記基材を、抗微生物性物質、湿潤剤、界面活性剤、及びレオロジー制御物質を含有する混合物に接触させることを含む。前記処理組成物のこれらの成分は、水性混合物に組み込まれ、水性処理として塗布される。前記処理組成物は、静電気防止剤、スキンケア剤、抗酸化剤、ビタミン剤、植物抽出物、芳香剤、臭気制御剤、及び着色剤などの他の成分をさらに含有する。処理基材上での活性試料の最終量は、所望する又は予め定められた濃度に希釈される。
ある実施形態では、前記抗微生物性組成物は、「デップ・アンド・スクイーズ(dip and squeeze)」又は「パディング(padding)」技術と呼ばれる従来の浸透プロセスによって、基材材料に塗布することができる。「デップ・アンド・スクイーズ」又は「パディング」技術は、前記基材の両面及び/又は前記基材のバルク間を、抗微生物性組成物で被覆することができる。槽内に浸漬させる場合、抗微生物性溶液は、全ての成分を含有している単一媒質である、又は、その後の複数ステップのプロセスで、抗微生物性基材層に、他の所望する成分を後から加える。例えば、単一抗微生物性溶液の組成物は、平滑剤及び/又は抗静電気剤を含有する。ポリプロピレンを含有している基材では、物理的摩擦によって発生した静電気の除去に、抗静電気剤が役立つ。抗静電気剤は、抗微生物性溶液に加えることができ、前記混合物は、1つの塗布ステップで、基材材料に同時に塗布することができる。あるいは、前記帯電防止溶液は、前記抗微生物性溶液を塗布した後の第2のステップで、スプレーを使用して塗布することができる。
シート基材の片側だけを処理して内側層又は反対側は処理したくなく、基材材料を抗微生物処理されていない他のシート層(例えば、フィルタ又はバリア媒体)に積層させる製品形態では、ロータリースクリーン、リバースロール、メイヤーロッド(又は巻線ロッド)、グラビア(Gravure)、スロットダイ、ギャップコーティング、又は、不織布繊維産業の分野の当業者には周知の他の同様な技術などの他の処理が好ましい(これらの及び他の技術の詳細については、例えば、Faustel Inc社(Germantown, Wl)のサイトwww.faustel.comを参照されたい)。また、印刷技術(例えば、フレキソ印刷)又はデジタル技術を用いることも可能である。あるいは、処理組成物の配置を制御するために、2つ以上のコーティングの組み合わせを使用することができる。このような組み合わせは、これらに限定されるものではないが、例えば、リバースグラビアプロセスと、それに続いて行われるマイヤーロッドプロセスとがある。あるいは、抗微生物性組成物は、基材表面上に、エアゾールスプレーによって塗布される。スプレー機器を使用して、抗微生物性溶液及び/又は抗静電気剤を、前記基材シートの片側のみに(又は、もし所望するのであれば別々に両側に)塗布する。抗静電気剤は、前記基材の第2のステップで、例えば、スプレー装置又は他の従来の塗布プロセスを使用して塗布することができる。シート材料の場合、処理された不織布基材のヘッド水圧は、少なくとも20ミリバール以上である。抗微生物コーティングは、SMS繊維の少なくとも単層に塗布される。あるいは、溶融押出プロセスを使用して抗微生物性物質を前記材料内に組み込んだ後、第2の抗微生物性物質又は補助活性物質の水性溶液を局所的に塗布することもできる。さらに、例えば、a)前記材料の湿潤性(必要な場合)、b)導電性又は抗静電気性、c)皮膚軟化性、d)抗酸化性を向上させるために、前記溶融押出プロセス中に、他の成分を加えることができる。
図1は、進行するウエブの片側又は両側に、本発明に係る処理組成物を塗布する例示的なプロセスを示す。本発明が、インライン処理又はオフライン処理ステップに等しく適用できることは当業者なら理解できるであろう。図1に示すウエブ12は、例えば、スパンボンド若しくはメルトブローン不織布、又は、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(spunbond-meltblown- spunbond:SMS)ラミネートである。ウエブ12は、支持ロール15の下側から、ウエブ12の片面14に塗布するための回転スプレーヘッド22を備える処理ステーションへ案内される。また、回転スプレーヘッド(図示せず)を備える随意的な処理ステーション18(破線で示す)を使用して、支持ロール17及び19の上側を案内されるウエブ12の反対面23に同一又は異なる処理組成物を塗布することもできる。各処理ステーションは、リザーバ(図示せず)から処理液体30の供給を受ける。処理されたウエブはその後、必要なら、ドライヤーカンバス(図示せず)又は他の乾燥手段を通過することにより、乾燥させられる。そして、処理されたウエブは、支持ロール25の下側を通過し、ロールとして巻かれる、又は目的とする使用のために加工される。ポリプロピレン・ウエブの場合は、処理組成物をセットして完全に乾燥させるための加熱されたドラムを通過させて、処理されたウエブを約220〜300°Fまで(より好ましくは約270〜290°Fまで)加熱することにより乾燥が達成される。他のポリマーについての乾燥温度は、当業者に明らかである。他の乾燥手段としては、オーブン、エア・ドライヤー、赤外線ドライヤー、マイクロ波ドライヤー、送風機などがある。
図2は、本発明に係る処理組成物の塗布における他の配置及び方法を示す。この他の配置及び方法は、浸透又はデップ・アンド・スクイーズ塗布ステップを使用する。図2に示すウエブ100は、不織布波打ち材料の例えば、2.50osyのボンデッドカーデッドウエブ(bonded carded web)である。ウエブ100は、案内ロール102を通過して、溶液状の処理抗微生物性組成物の混合物を貯えた槽104に入る。処理時間は、案内ロール106によって制御することができる。絞りロール108、108の間に挟むことによって、余分な処理組成物は除去される。除去された余分な処理組成物は、受皿109によって槽に戻される。
基材に本発明に係る処理組成物を接触させるのは、様々な方法を用いて行うことができる。例えば、印刷ロール若しくは他の被覆ステップを用いて基材に塗布することができる、又はスプレー技術を用いることができる。好ましくは、処理組成物は、例えば、メイヤーロッド、リバースグラビア又はフレキソ印刷技術を用いて、基材上に上層として塗布される。処理組成物は、基材の表面上に均一で均質な層を形成し、基材のバルクへの浸透が最小限となるように塗布される。上層被覆は、一般に、基材上における抗微生物処理のより均一な分布をもたらし、抗微生物性物質の基材の表面上でのより急速な作用を可能にする。また、上層被覆技術は、基材上でのより良好なバリア性の維持をもたらす。
表5に示すように、抗微生物性及び帯電防止物質を、基材の特定の層(例えば、SMS構造におけるスパンボンド層)に限定することは、基材のバリア性の維持及び抗静電気性の向上に寄与する。粘度調整剤を使用して表面活性を最小限に抑えることにより、前記ヘッド水圧は向上し、静電気の除去が達成される。また、基材のバルクへの浸透を最小限にすべく、表面の上層を被覆するプロセスを用いると、例えば浸透プロセスを使用した場合よりもバリア性が向上する。
不織布ウエブ又はラミネートを本発明に係る組成物及び方法で処理することにより、基材上の所望する又は予め定められた位置に、所望するバリア性を維持しつつ、範囲の抗微生物性及び抗静電気性を付与することができる。さらに、前記処理組成物の前記成分は、別々のステップで、又は組み合わされた1つのステップで塗布することができる。また、前記方法、及び、本発明に係る成分の局所的塗布による不織布材料の抗微生物表面処理は、抗微生物能力を向上させるための複数の成分だけでなく、発生した静電気の消散をもたらす抗静電気物質を利用し得ることを理解されたい。
被覆プロセスは、これらに限定されるものではないが、次の(1)〜(4)を含む様々な要因に依存して選択される。(1)粘度、(2)溶液濃度又は固形成分含有量、(3)基材上に付加される実際のコーティング、(4)被覆される基材の表面特性。多くの場合、前記コーティング溶液は、処理又は被覆性能を最適化するために、ある成分について、濃度(又は、固形成分含有量)、粘性、湿潤性、乾燥性の調整を必要とする。
本発明は、本発明を代表する下記の実施例によってさらに説明される。
[実施例1]
浸透プロセスを用いた基材の局所的処理
説明目的で、一般に、表3に示すように、0.5重量%のPHMB、+3重量%のクエン酸、+0.3重量%のGlucopon 220 UP、+96.8重量%の水を含有する500ml水性組成物が作成される。表3に示した例の相対濃度は、固形の各成分に対して100%に正規化される。例えば、実施例1における0.5重量%のPHMBは、最終濃度において実際に0.5重量%のPHMBを達成するためには、2.5gのCosmocil CQ(20%固形のPHMB)は実際には100g溶液で使用されることを示している。
水性組成物は、実験用攪拌器(Caframo Ltd社(Wiarton, Ontario, Canada)製のStirrer RZR 50)を使用して、約20分間、完全に混合される。あるいは、高せん断混合器を使用することもできる。水性組成物(又は槽)を混合して均質化した後、テフロン(登録商標)被覆されたガラス皿に注ぎ入れる。その後、通常は8''×11''ハンドシート基材を、浸透させるために前記槽に浸漬させる。一般に、基材の完全な浸透は、基材が半透明になったときに達成される。完全に浸透させた後、基材を、実験用絞り器である固定ローラと回転ローラとの2つのローラの間で挟む。前記実験用絞り器としては、Atlas Electrical Device Co(Chicago, Illinois)製のNo. LW-849, Type LW-1がある。前記サンプルを挟んでローラを通過させた後は、余分な浸透剤が除去されると、すぐに、Mettler PE 360 balanceを使用して、湿重量を測定する。浸透させられ挟まれたサンプルは、その後、乾燥させるために、オーブンの中に約80℃で約30分間(又は、一定の重量に到達するまで)入れられる。乾燥させた後、処理及び乾燥させたサンプルの重量(Wd)を測定する。基材上の処理量は、重量測定法によって測定することができる。まずは、下記の式1を用いて、WPU(wet pick-up)%を計算する。
WPU%=(Ww−Wd)/Wd)×100 式(1)
Wwは、挟んだ後の浸透したサンプルの重量
Wdは、処理されるサンプルの乾燥重量
次に、下記の式2を用いて、前記シートに不可したパーセントを計算する。
付加%=WPU%×槽の濃度(重量%) 式(2)
例えば、槽の合計濃度が、3.8重量%であり、計算されたWPU%が100%であれば、基材への付加%は、3.8重量%となる。したがって、WPU%及び槽の濃度を調節することにより、基材への付加%を調節することができる。槽の濃度が一定であれば、前記実験用絞り器の挟む圧力を変えることによって、WPU%をある程度まで変えることができる。一般に、挟む圧力を高くすれば、より多くの浸透剤(又は処理組成物)が基材から搾り出される。また、WPU%を低くすれば、基材上への最終付加&を低くすることができる。
[実施例2]
オーバレイ被膜プロセスを使用した基材の局所的塗布
(a.リバースロール・コーティング)
リバースロール・コーティングでは、コーティング組成物は、上側の計量用ローラとその下側の塗布ローラとの間の隙間に正確にセットすることにより、前記塗布ローラ上で計量される。コーティングは、基材が下部に配置された支持ローラの周囲を通過するときに、基材で前記塗布ローラをブラシオフする。図3(A)〜(C)は、3つのロールを使用した被覆プロセスを示す。なお、4つのロールを使用することも一般的である。リバースグラビア・コーティングでは、従来のリバースロール・コーティングプロセスと同様に、実際のコーティング材料は、ふき取られる前に、ローラ上に掘り込むことにより、計量される。
(b.グラビア・コーティング)
グラビア・コーティングは、刷り込みドットが満たされたコーティング槽内で回転する彫刻ローラ、又はコーティング材料を有するローラの列に依存する。ローラ上の余分なコーティングは、ドクターブレードによって取り除かれ、前記コーティングは、彫刻ローラ及び圧力ローラを通過することによって、基材上に積層される。図4(A)及び(B)は、グラビア方式の塗布装置の典型的な構成を示す概略図である。基材に転写させる前に、コーティングを中間ローラに堆積させる、オフセット・グラビア方式が一般的である。
(c.メイヤーロッド(計量ロッド)コーティング)
計量ロッドコーティングでは、巻き線型の計量ロッド(別名:メイヤーロッド)を使用することにより、所望する量のコーティングを基材に残留させることができる。余分なコーティングは、槽ローラを通過するときに、基材上に積層される。前記量は、ロッドに巻かれたワイヤの直径によって決定される。このプロセスは、コーティング装置の他の構成要素の非精密エンジニアリングに対して著しく寛容である。図5は、一般的な配置の概略図である。
他の実施形態では、局所性の抗微生物性組成物は、遅効性又は放出性の殺生物剤と共に塗布される。前記殺生物剤は、不織布繊維のポリマー溶融作成の一部としての溶融押出中に組み込まれる、又は、繊維の表面に埋め込まれる。上述したように、表2に示す実施例27〜31は、即効性の局所的な抗微生物性組成物と、遅効性の殺生組成物(内部溶解、同時押し出し及び埋め込み)とを組み合わせた組成物である。組み込まれた殺生物剤の濃度の調節は、繊維の表面における殺生物剤の分布及び全体数を調整することにより行うことができる。
[第3部:抗微生物物質の試験方法]
[第A節:サンプルの準備]
供試生物を、リストアクションシェーカ(wrist action shaker)内の25mLの適切な培養培地において、37±2℃で約24±2時間培養する。続いて、細菌培養物を、約100μLのアリコートを入れて、再び、37±2℃で約24±2時間培養する。次に、前記供試生物を、遠心分離機にかけた後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で3回洗浄する。そして、約1×10CFU/mLの接種材料を得るために、前記供試生物をPBSの中で懸濁させる。
細菌の接種前に披験材料及び対照材料を殺菌するため、試験を実施する前に、両スワッチを紫外光源に曝す(片面あたり約5〜10分間)。披験材料を、所定の期間、接種材料由来の細菌数が既知の供試細菌と接触させる。次に、生存細菌を数えるため、露光時間が終わった時点でサンプルをプレーティングする。Log10減少は、次の数式を用いて対照材料及び元の細菌数を計算することにより得られる。
Log10対照−Log10CFU/スワッチ 披験材料=Log10減少
*対照スワッチからのCFU/スワッチ又は理論上のCFU/スワッチ。
細菌を、処理した製品の表面に所定の時間曝す(10〜30分)。その後、どれくらいの細菌が生存しているのかを見るために、細菌をプレーティングする前に、基材を入れたフラスコに緩衝液を加えて基材から微生物を溶出させる。前記緩衝液は、(a)活性物質が所定の期間後に生物の殺滅を終了する、及び(b)微生物が基材上の抗微生物物質だけではなく溶液中の抗微生物物質に曝されることにより生じ得る人為的な影響を防止するために、抗微生物物質を非活性化させる又は「中和させる」化学物質を含有している。抗微生物物質として使用される各化学物質は、多少異なるもの(すなわち、陽イオン、非イオン、金属など)であるため、それぞれの場合において、実験の終了を所望する時点で、抗微生物物質を遮断するために、異なる中和剤が追加され得る。前記中和剤は、当該中和剤が微生物に影響を与えないことを確認するために、事前に検査される。使用される中和剤は、当該分野で通常用いられる中和剤から選択することができる。そのようなものには、非イオン系洗剤、重硫酸塩、レシチン、リーゼン培養液(leethen broth)、チオ硫酸塩、チオグリコレート、及びpH緩衝液が挙げられる。また、「American Society for Testing and Materials, Standard Practices for Evaluating Inactivators of Antimicrobial Agents Used in Disinfectant, Sanitizer, Antiseptic, or Preserved Products(Amer. Soc. Testing Mat. E 1054-91, 1991)」に記載された方法と同様の方法を用いることができる。
[第B節:フラスコ攪拌法プロトコル]
この試験は、相乗効果を調べるため、異なる抗微生物物質の組み合わせを迅速に検査するのに使用される。実験手順は、ASTM E2149−01に基づいている。簡単に説明すると、まず、処理された材料の2’’×2’’のサンプルを、緩衝生理食塩溶液50mLを含むフラスコに入れる。続いて、フラスコ内のサンプルに、チャレンジ生物(合計6.5〜7Log10)を接種した。その後、フラスコを、機械的な手段を用いて所定の期間攪拌した。次に、特定の時点で、溶液中のサンプルを取り出してプレーティングしたる。最後に、プレートを培養し、微生物の増殖を検査し、コロニー形成単位の数を計測した。生物の対数減少は、実験プレートでの増殖を、抗微生物処理していない対照プレートでの増殖と比較することにより算出される。
[第C節:浸出を測定するための抑制領域プロトコル]
ASTMのフラスコ攪拌法試験は、披験材料の浸出性を分析するため、ASTM E2149−01及びAATCC 147−1988の抑制領域プロトコルの使用を必要とする。材料に塗布された抗微生物コーティングが、実際に安定的であり、基材表面から浸出しないことを評価するために、2つの試験を実施した。第1の実験は、米国不織布工業会(AATCC)−147試験プロトコルに従った、乾燥浸出試験である。まず、抗微生物処理された材料を、寒天プレートに載せた。寒天プレートの表面には、生物数が既知の生物が接種されている。次に、前記プレートを、約35℃±2℃又は約37℃±2℃で、約18〜24時間培養した。その後、寒天プレートを評価した。処理された材料から抗微生物物質が浸出すると、微生物増殖が抑制される領域が生じる。後述の実施例のデータでは、抑制領域は見られなかった。このことは、試験したいずれのサンプルからも抗微生物物質が浸出しなかったことを示している。
第2の実験は、フラスコ攪拌法を含む米国材料試験協会(ASTM)−E2149−01試験プロトコルに従った、抑制領域湿り浸出試験である。抗微生物物質で被覆された基材のいくつかの試験片を、0.3mMのリン酸塩(KHPO)の溶液を含むpH〜6.8の緩衝液に入れた。材料の試験片を、溶液中に24時間入れたままにした後、溶液の上澄みを抽出した。抽出条件は、250mlの三角フラスコが50mlの緩衝液を含んでいる場合、室温(〜23℃)、約30分である。フラスコを、リストシェーカで、1時間±5分攪拌した。約10マイクロリットル(μL)の上澄みを、8mmのサイズに切り分けた播種済みの寒天プレートに加え、乾燥させた。35℃±2℃で約24時間おいた後、寒天プレートにおける、微生物の活動又は増殖の抑制の徴候を検査した。抑制領域の非存在は、抗微生物物質が手袋の表面から上澄みに浸出していないことを示唆する。
要約すれば、これらプロトコルは、実際に処理された材料、又は前記処理された材料に曝された溶液のいずれかを含む接種されたプレートを培養することによって実施される。その後、このプレートは、抗微生物物質の材料からの浸出又は溶液中への浸出を検出するために、微生物増殖の抑制領域について分析される。
[第D節:クイックキル(Quick kill)プロトコル]
他の態様では、塗布した抗微生物物質のクイックキル性について評価するために、我々はKimberly-Clark Corporationが開発した直接接触式の急速殺菌試験を実施した。この試験は、微生物が短期間の直接接触である基材から別の基材に伝播する実際の作用状況をより良くシミュレートすることができる。また、この試験は、処理された材料の表面のある位置での接触により微生物を迅速に殺滅できるかどうか評価することもできる。これに対して、ASTM E2149−01プロトコルの溶液ベース試験は、微生物と接触して殺滅するの機会が複数もたらされるため、実際には現実的ではない。
簡単に説明すると、緩衝生理食塩溶液中に懸濁された微生物(合計6.5〜7Log10)を、抗微生物物質で被覆された基材又は被覆されていない基材の上に配置する。微生物性懸濁液(細菌の場合は250μl、ウイルスの場合は200μl)を、テフロン(登録商標)拡散装置を使用して、32cmの範囲に1分間拡散させる。拡散させた後、前記基材は、所定の接触時間そのままにしておく。前記接触時間が経過したら、前記基材を適切な中和剤の中に入れて攪拌し、完全にボルテックスさせる。回収された生存微生物の数を求めるために、サンプルを中和剤の中から取り出し、適切な媒体の上に配置する。抗微生物コーティングの有効性を調べるために、未処理の基材から回収された微生物の数を、処理された基材から回収された微生物の数と比較する。表6〜10のデータは、未処理のスパンボンド又はSMS基材よりも、処理されたスパンボンド又はSMS基材の方が、回収された生存微生物が少ないことを示している。
[第D.1節:マスク及びガウン用のクイックキルプロトコル]
被覆された物質及び被覆されない物質の両方のチャレンジに使用する保存培養物を、次のように準備する。評価される生物は、黄色ブドウ球菌(MRSA)ATCC33591、黄色ブドウ球菌ATCC27660、大便連鎖球菌(VRE)ATCC51299、及び/又は肺炎桿菌ATCC4352を含む。キャップをゆるく被せた50ml円錐管内のTSB媒体25ml内で保存及び培養された適切な生物を冷蔵庫から取り出し、35±2℃で、200rpmで24±6時間攪拌する。24時間の培養後、50mlの円錐管内で第2のTSB媒体25mlを接種するために、100μlの培養物を使用する。これは、24±6時間、35±2℃で、200rpmで攪拌して培養する。次の24時間が経った後、懸濁液を9000rpm(4±2℃)で10分間、遠心分離機にかける。その結果得られた上澄みを、殺菌したPBS25mlと置き換えて、細胞を再び懸濁させるために1分間ボルテックスする。目的の接種材料が約10CFU/mlの濃度となるように、結果として得られた細胞の懸濁液をPBSで希釈する。この最終的な作用接種材料溶液は、5%のソイルロード(ウシ血清アルブミン)を含む又は含まない。
前記材料スワッチを、被験材料チャレンジ機器(50mlの円錐管)に入れられた材料の中央に加えた250μlの接種材料にチャレンジさせる。接種材料のチャレンジは、殺菌したテフロン(登録商標)ポリスマン(policeman)を使用して、材料の上で1分間拡散させる。その後、10分又は30分の所望の接触時間に達するまで、懸濁液をそのままにしておく。所望の接触時間が完了したら、材料を、LEB抽出剤25mlを含む別個のサンプル容器に無菌で移動させ、完全にボルテックスする。容器をオービタルシェーカ(200rpm)に10分間取り付けることにより、サンプルを抽出する。その後、プレート上の生存微生物を数える。
[第E節:接触伝播プロトコル]
緩衝生理食塩溶液中に懸濁された微生物(合計6.5〜7Log10)を、抗微生物物質で被覆された基材又は被覆されていない基材の上に配置する。微生物性懸濁液(細菌の場合は250μl、ウイルスの場合は200μl)を、テフロン(登録商標)拡散装置を使用して、32cmの範囲に1分間拡散させる。拡散させた後、前記基材は、所定の接触時間そのままにしておく。前記接触時間の経過後、前記基材を裏返して、ブタの皮膚の上に1分間置。前記皮膚の上にある間は、75gの重りを、皮膚の上の基材に均等に当たるように持続的に載せる。皮膚の上に載せて1分間が経過した後、前記基材を除去する。そして、除去した基材を、適切な中和剤の中に入れて攪拌し、完全にボルテックスさせる。回収された生存微生物の数を求めるために、サンプルを中和剤の中から取り出して、適切な媒体の上に配置する。抗微生物コーティングの有効性を調べるために、未処理の基材から回収された微生物の数を、処理された基材から回収された微生物の数と比較する。未処理の基材から前記ブタの皮膚に伝播した微生物と、処理された基材から前記ブタの皮膚に伝播した微生物との相違を検査するために、2mlのアリコートの緩衝抽出剤溶液を、皮膚における基材と接触した位置に加える。前記皮膚表面をテフロン(登録商標)拡散装置を使用して削って、それぞれ2mlのアリコートを収集する。皮膚から収集した抽出剤について、基材の場合と同様な方法で、生存微生物の数を分析する。未処理の基材と接触した皮膚から抽出された微生物と、処理された基材と接触した皮膚から抽出された微生物の数とを比較して、接触伝播の効果的な減少を調べた。表11A及び表11Bは、スパンボンド及びSMS基材についての接触伝播の減少を示す。これらの表のデータは、処理されたスパンボンド基材が、未処理のスパンボンドと比較して、細菌のブタの皮膚への伝播を、4Logより多く(>99.99%)減少させることができることを示す。同様の結果が、処理されたSMS基材でも見られ、伝播を、5Logより多く(>99.99%)減少させたことが観測された。この試験は、物理的な接触を介しての微生物の拡散を減少させることについての、処理された材料の有効性を示した。
[第F節:ブロースルー試験プロトコル]
Kimberly-Clark社が独自に開発した試験方法を実施することにより、フェイス・マスク用の不織基材の受容性を分析することができる。ブロースルー(blow-through)試験では、約60mlの脱イオン水を含む125mlのインピンジャー(ACE Glass Inc.製)を、チューブ(例えば、ナルゲンチューブ)を使用して空気源に接続する。前記インピンジャーの出口は、第2及び第3のインピンジャーに並列に接続される。空気を加湿するために、第2及び第3のインピンジャーのそれぞれは、脱イオン水約40mlを含んでいる。第2及び第3のインピンジャーの出口は、流量調節器に連通的に接続される。被験サンプルを、直径10cmの試験片に分け、上面の内径が102mmの2つのファンネル(前側ファンネル及び後側ファンネル)の間に配置する。第1のインピンジャーは、約60mlの脱イオン水(例えば、Milli−Q水)を含み、ナルゲンチューブ(5/16”)のフードのエアバーブ(air barb)に接続される。第1のインピンジャーからの出力ライン(1/4”)には、約40mlの脱イオン水を含む第2及び第3のインピンジャーに並列に接続するために、ティー(tee)が取り付けられる。第2のティーが、2つのインピンジャーから流量調節器の入り口までの出力ラインを接続する。流量調節器の出口(5/16”)は、サンプルが配置されたファンネル(funnel)の細長い部分に接続され、後側ファンネルからのチューブは、約12mlの脱イオン水を含む500mlの容積のフラスコに導かれる。
空気を第1のインピンジャーに供給し、インラインの流量調節器で30SLPMに調節する。フードに設けられた空気バルブを開放し、空気量を30SLPMに調節する。加湿された空気を、一定流速で約8時間、試験材料を吹き抜けさせる。約8時間後、空気バルブを閉鎖して、チューブを後側ファンネルから取り外す。前記ラインを受容側フラスコ内の水の上に引き上げ、受容フラスコ内で、少量の脱イオン又は純水(例えば、Milli−Q水)によってその内側及び外側を洗浄する。抽出された水を、3個の60mlのI−CHEMバイアルに注ぎ、乾燥するまで真空蒸着装置(Labconco RapidVap(登録商標)型番7900002、速度100%、85℃、90分、吸引圧180mbar)に入れておく。前記抽出物を、約1.0mlの脱イオン水の中でもどす。そして、前記抽出物を、ろ過して、高圧液体クロマトグラフ(HPLC)に注入する。HPLCシステムは、Agilent 1100 Quaternary HPLCであり、SynChropak Catsec 100A(4.6×250mm)のカラム(0.1%のトリフルオロ酢酸/アセトニトリル(95/5)溶離液、流速0.5ml/分、注入量25マイクロリットル)、Sedex Upgraded 55 detector(43℃、3.4barでN2、及びCosmocilで5.7分の溶出、Crodacelで6.3分の溶出)を備える。抗微生物物質は、液体クロマトグラフィーを使用して検出され、定量化される。
[第G節:静電気除去試験]
以下、本発明で使用した帯電又は静電気除去試験の方法について説明する。この方法は、米国特許第6,562,777号のcol. 10の1行目〜16行目に記載されている(その開示内容は、この言及によって本願に包含される)。この試験は、材料の表面から電荷が消滅するのに必要な時間を測定することによって、その材料の静電的特性を判断する。特に言及がある場合を除いて、この試験は、INDAの標準試験方法:IST40.2(95)に従って実施される。簡単に説明すると、サンプルは2.5インチ×6.5インチにされており、すべての電荷が除去されている。サンプルを静電気減衰試験装置に配置し、5000ボルトまで荷電する。サンプルを荷電させた後、荷電電圧を除去し、電極を接地する。サンプルが所定の量の電荷を失う(例えば、50%又は90%)のに要する時間を記録する。サンプルの静電気除去時間は、Electro-Tech Systems, Inc.社(Glenside、PA)製の目盛り付きの静電減衰メータ(型番SDM406C及び406D)を使用して測定する。
[第4部:実験的な実施例]
[第A節]
以下の表は、現在入手可能ないくつかの一般的な抗微生物物質と比較した場合の、本発明の例示的な実施例の相乗的な有益な効果を示す。
表12〜表15は、様々な不織布サンプルに局所的に塗布された1.0%の濃度の抗微生物化合物における、広範囲の微生物に対しての有効性を示す基本データである(接触時間は、1分、5分又は15分)。前記不織布サンプルは、スパンボンド、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)、メルトブローンであり、前記広範囲の微生物は、グラム陽性細菌及びグラム陰性細菌、並びに菌類(かび及び酵母)である。前記基本データは、1重量%のPHMBを含有する組成が、15分以内に、コロニー形成単位(CFU)で、3Log以上の減少をもたらすことを示す。
表12 フラスコ攪拌法を用いた場合の、黄色ブドウ球菌に対するLog10減少結果(ATCC6538)
Figure 0004999847
表13 フラスコ攪拌法を用いた場合の、緑膿菌に対するLog10減少結果(ATCC9027)
Figure 0004999847
表14 フラスコ攪拌法を用いた場合の、黒色麹菌に対するLog10減少結果(ATCC16404)
Figure 0004999847
表15 フラスコ攪拌法を用いた場合の、真菌に対するLog10減少結果(ATCC10231)
Figure 0004999847
我々は、PHMBを別の作用物質と組み合わせることにより、以前と同じ又はより良いレベルの抗微生物作用を達成したままで、PHMBの使用量を少なくすることができることを発見した。このことにより、コスト削減を実現することができる。表10〜表14は、不織布上のグラム陽性細菌及びグラム陰性細菌に対しての、本発明に係る組成物の相乗効果を示す。表16〜表20のデータは、より少ない量のPHMBと選択された協働剤とを組み合わせた本発明に係る組成物が、PHMBを単独で使用する場合よりも急速な殺滅作用を示すことを裏付ける。抗微生物作用は、有意な微生物の減少を数分以内に達成することができる。
表16 フラスコ攪拌法を用いた場合の、黄色ブドウ球菌に対するフラスコ攪拌法によるLog10減少結果(ATCC6538)
Figure 0004999847
表17 フラスコ攪拌法を用いた場合の、黄色ブドウ球菌に対するLog10減少結果(ATCC6538)
Figure 0004999847
表18 フラスコ攪拌法を用いた場合の、緑膿菌に対するLog10減少結果(ATCC9027)
Figure 0004999847
表19 フラスコ攪拌法を用いた場合の、黄色ブドウ球菌に対するLog10減少結果(ATCC6538)
Figure 0004999847
表20 フラスコ攪拌法を用いた場合の、緑膿菌に対するダLog10減少結果(ATCC9027)
Figure 0004999847
前記表に示した特定の組成物は、その非加算的効果を説明することを目的とした本発明の実施例であり、本発明を制限するものではない。
さらに、有機酸及びアルコールを含有することで、非常に有益な抗ウイルス効果が得られる。表21に示すように、PHMBを有機酸(例えば、クエン酸、安息香酸、プロピオン酸、サリチル酸、グルタル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、又は酢酸)、及びその他の協働剤と組み合わせることで、PHMBの抗ウイルス効果及び抗微生物効果が強化された。このデータは、一般的な病原体と比較して、3Log10CFU以上のオーダの抗ウイルス/抗微生物減少効果を示している。
表21 フラスコ攪拌法を用いた場合の、グラム陽性細菌及びグラム陰性細菌に対する(0.5%のPHMB、7.5%のクエン酸、2%のN−アルキルポリグリコシド)のLog10減少結果
Figure 0004999847
[第B節]
別の実施形態によれば、織布若しくは不織布、革、又は弾性材料(例えば、天然ゴムラテックス若しくは合成ポリマー)から作成した手袋に本発明に係る抗微生物性組成物及び消泡剤を含有する加熱された溶液を吹き付ける、又は、前記溶液を含む加熱された浴槽に前記手袋を浸漬させることができる。前記溶液は、スプレー式噴霧器で加熱する、又は、前記噴霧器に入れる前に強制空気乾燥機で回転させながら加熱キャニスタ内で加熱する。この方法は、少ない溶液で、手袋の外側だけをより効率的に処理するだけでなく、望ましい抗微生物効果や、手袋の表面からの薬剤の浸出を軽減するための抗微生物物質のより良い接着性を提供する。また、この方法は、殺生物剤と着用者の皮膚との継続的な接触に起因して、着用者の皮膚に刺激を与えるという可能性を排除する。
抑制領域試験及び接触伝播試験プロトコルについてさらに詳しく説明すると、まず、目的とする接種材料を、表面に無菌で配置する。様々な量の所定の接種材料を使用することができる。ある実施形態では、約1mlの量の接種材料を、前記表面に塗布する。さらに、接種材料を、前記表面の所定の範囲だけに塗布することもできる。ある例では、接種材料を約7インチ(178mm)×7インチ(178mm)の範囲に塗布する。前記表面は、殺菌可能な様々な物質から作成される。ある実施形態では、前記表面は、ステンレススチール、ガラス、磁器、セラミック、人工合成皮膚或いはブタの皮膚のような天然の皮膚、又はその類似物から作成される。
次に、評価する物品、すなわち伝播基材(transfer substrate)を、前記表面に接触させる前に、接種材料を比較的短い時間(例えば、約2分又は3分)、前記表面に置いたままにしておく。伝播基材は、様々な種類の物品であり得る。特に、例えば、実験用又は手術用手袋であり得る。伝播基材(例えば、手袋)は、無菌で取り扱わなくてはならない。伝播基材が手袋である場合、手袋は実験者の左右の手にはめられる。一方の手袋を、その後、接種済みの表面と接触させる。前記接触は、エラーが最小限になるように、しっかりと行う。続いて、試験手袋を、反対側の手を使ってすぐに取り外す。そして、伝播した微生物を抽出するために、取り外した手袋を、所定の量の殺菌した緩衝用水を含むフラスコ(上述の説明中で準備したもの)に入れる。例えば、手袋を、約100mlの殺菌した緩衝用水が入ったフラスコに入れ、特定の期間内に試験する。あるいは、後ほど行う評価のために、手袋を、適切な量のレシーン寒天基礎培地(Letheen Agar Base)(Alpha Biosciences, Inc.社(Baltimore, Md.)から市販されている)が入ったフラスコに入れて、抗微生物処理を中和させる。次に、手袋を入れたフラスコを、往復動シェーカに取り付け、約190〜200回転/分の速度で攪拌する。そして、フラスコを、所定の時間(例えば、約2分間)攪拌する。
手袋を、フラスコから取り出し、溶液で所定の濃度に希釈する。続いて、所定の量の溶液を、少なくとも1つの寒天サンプルプレートに配置する。例えば、0.1mlの溶液を各サンプルプレートに配置する。次に、微生物を増殖させるために、サンプルプレート上の溶液を、所定の時間(少なくとも約48時間)培養する。前記培養は、微生物を増殖させるのに最適な温度(例えば、約33〜37℃)で実施される。例温度で実施される。ある例では、前記培養は、約35℃で実施される。
培養の終了後、生存する微生物の数を計測し、その結果をCFU/mlの単位で報告する。次に、抽出された微生物の数(CFU/ml)を、接種材料中の生存数(CFU/ml)で割り、その値を100倍することによって、回収率を計算する。
別の態様では、塗布した抗微生物物質のクイックキル性について評価するために、我々はKimberly-Clark Corporationが開発した直接接触式の急速殺菌試験を実施した。この試験は、微生物が短期間の直接接触である基材から別の基材に伝播する実際の作用状況をより良くシミュレートすることができる。また、この試験は、処理された材料の表面のある位置での接触により微生物を迅速に殺滅できるかどうか評価することもできる。これに対して、ASTM E2149−01プロトコルの溶液ベース試験は、微生物と接触して殺滅するの機会が複数もたらされるため、実際には現実的ではない。
数が既知の微生物の接種材料を、手袋の抗微生物処理された表面に塗布した。約3〜6分後、手袋の処理された表面に残存している微生物の数を評価した。いずれのサンプルも、約0.8より多くの対数(log10)減少を示すという効果があり、満足のいくレベルの性能を示した。現在のASTMプロトコルに従って実施される接触伝播試験と同様に、約log101の桁での微生物の濃度の減少は、有効なものである。微生物の濃度レベルは、約3log10の桁にまで減少させることが望ましい。また、微生物の濃度レベルは、約4log10の桁にまで減少させることがより望ましい。表2は、コーティングした手袋と接触した後の殺滅の相対的な有効性を報告するものである。表面の生物の濃度は、最初のゼロ時点、及び3分、5分、及び30分の時点で求められた。表2から分かるように、ゼロ時点、3分、5分、及び30分後における、結果として得られた生物の数の減少割合は劇的なものである。特に、抗微生物物質が接触した最初の数分以内に、存在する微生物のほとんどすべて(96〜99%より多く)が殺滅される。
ポリヘキサメチレン・ビグアニドの抗微生物効果を検査するため、ASTMプロトコル04−123409−106「高速殺菌(時間殺菌)」に従って、ニトリル実験手袋を処理した。簡単に説明すると、約50μLの一晩培養の黄色ブドウ球菌(ATCC#27660、5×10CFU/mL)を、手袋の材料に塗布した。約6分間の接触させた後、手袋繊維を中和緩衝液に入れた。生存生物を抽出し、レシーン培養液で希釈した。アリコートをトリプシン大豆寒天プレート上で拡散プレーティングした。プレートを35℃で48時間培養した。培養の後、生存生物を計測し、コロニー形成単位(CFU)を記録した。披験材料からの生存生物の減少(log10)と対照繊維からの生存生物の減少との関係を計算した。
Log10CFU/スワッチ対照−Log10CFU/スワッチ披験材料=Log10減少。
機械的に0.03g/手袋となるように塗布した場合、ポリヘキサメチレン・ビグアニドで処理された微細構造のニトリル手袋のサンプルは、黄色ブドウ球菌ATCC27660の4ログ以上の対数減少を示す。その結果を、次の表23に示す。
Figure 0004999847
ニトリル手袋に対するポリヘキサメチレン・ビグアニド処理を加熱せずに手動の噴霧で行った場合、生物の1ログ以上の減少を示し、前記処理を加熱した状況下で機械の噴霧で行った場合、生物の5ログ以上の減少を示す。ニトリル対照物質は、3ログ及び4ログの固有の抗微生物効果を示している。これらの結果は、適用生物における減少を比較したものである(表24のラテックス対照材料から推測したもの)。
表24 ラテックス手袋サンプルの評価
Figure 0004999847
表25 ニトリル手袋サンプルの評価
Figure 0004999847
+減少なし=対照手袋に比較して試験手袋の対数減少が0.5未満
接種材料:8.08
抗微生物物質の接着性を評価するために、抑制領域試験を行った。その結果を、次の表26及び表27に示す
表26
Figure 0004999847
表27
Figure 0004999847
以上、本発明について、実施例を用いてその全体及び詳細を説明した。使用した用語は、説明をするためのものであり、限定を加えるためのものではない。当業者であれば、本発明が、具体的に開示した実施形態に必ずしも限定されるものではなく、特許請求の範囲又は本発明の範囲内で、特許請求の範囲又は本発明の範囲内で使用することができるその他の公知の或いは今後開発されるであろう同等な要素を含む同等物で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変形及び変更を加えることが可能であることは明らかであろう。したがって、そのような変化が本発明の範囲を逸脱しない限り、それら変化は本明細書に含まれるものであると解釈されるものとし、特許請求の範囲は、本明細書の好適な実施形態の説明だけに制限されるわけではない。
表2 抗微生物性組成物の具体例
Figure 0004999847
表2A 殺生物剤の局所的及び内的溶融付加を含む組成物の具体例
Figure 0004999847
抗微生物性及びバリア性を有する不織布ガウン
表3 フラスコ攪拌法を用いた場合の、様々なPHMB組成物の一般的な病原体に対する対数減少結果
Figure 0004999847
*処理組成物は、5w/v%のウシ血清アルブミン(BSA)を含有する。
**AATCC#147−1998の方法を変更し、湿った寒天の代わりに乾燥した寒天に繊維を置くようにした。
***ASTM E2149−01(100ml)
表4 フラスコ攪拌法を用いた場合の、1.5osySMS繊維のバリア性
Figure 0004999847
注記:
ZOIとは、抑制領域(Zone of inhibition)のことである。
E481とは、Bermocoll EBS 481FQ(エチル・ヒドロキシエチル・セルロース)のことである。
PVPとは、ポリビニル・ピロリドンのことである。
(1)AATCC#147−1998の方法を変更した。
(2)ASTM E2149−01の方法を変更した。
(3)水圧ヘッド−(100cm ヘッド)mbar;STM4507
(4)通気性 STM3801(38cm 2ヘッド)cfm
解説:
E481及びPVPは、水溶性ポリマーであり、表面活性に乏しい。しかし、E481及びPVPは、良好な膜及び良好な粘度を増加させる物質である。膜形成、低い表面張力の減少、及び高い組成粘度の組み合わせにより、処理組成物がSMS基材のバルク中に流れ込むことを制限することができる。その結果、水圧ヘッド試験で測定したときに、SMSのバリア特性にあまり影響を与えることなく処理することができる。
表5 様々なプロセスによって0.6重量%のPHMB及び協働剤を塗布した1osyのSMSのバリア性及び抗静電気性
Figure 0004999847
静電気除去方法
表6 抗微生物処理したスパンボンドの様々な生物に対する効果。数値は、対数減少の平均値(試験を2回以上繰り返したときの平均値)である。全ての材料は、25℃で10分間、微生物に接触させた。抑制領域は、黄色ブドウ球菌ATCC27660を用いて測定した。
Figure 0004999847
表7 抗微生物処理したスパンボンドの様々な生物に対する効果。数値は、対数減少の平均値(試験を2回以上繰り返したときの平均値)である。全ての材料は、5%のウシ血清アルブミンの存在下で、25℃で30分間、微生物に接触させた。
Figure 0004999847
表8 抗微生物処理したスパンボンドのウイルスに対する効果。数値は、対数減少の平均値(試験を3回以上繰り返したときの平均値)である。全ての材料は、5%のウシ血清アルブミンの存在下で、25℃で30分間、微生物に接触させた。
Figure 0004999847
表9 抗微生物処理したSMSの様々な生物に対する効果。数値は、対数減少の平均値(試験を2回以上繰り返したときの平均値)である。全ての材料は、25℃で10分間、微生物に接触させた。
Figure 0004999847
表10 抗微生物処理したSMSの様々な生物に対する効果。数値は、対数減少の平均値(試験を2回以上繰り返したときの平均値)である。全ての材料は、5%のウシ血清アルブミンの存在下で、25℃で30分間、微生物に接触に接触させた。
Figure 0004999847
表11A+B 処理したスパンボンド及びSMSにおける、処理された材料からブタの皮膚への微生物の伝播を減少させる能力。全ての材料は、5%のウシ血清アルブミンの存在下で、25℃で30分間、微生物に接触させた。材料を微生物に接触させた後、その材料を1分間、ブタの皮膚に接触させた。ブタの皮膚に伝播した細菌の数を数え、対数減少を計算した。全ての値は、試験を9回繰り返したときの平均値である。
Figure 0004999847
本発明に係る処理組成物を、進行するウエブの片面又は両面に塗布する例示的なプロセスを示す。 本発明に係る処理組成物を塗布する他の構成及び方法を示す。 (A)〜(C)は、3つ及び4つのロールを使用する、リバースロール・コーティング処理の例を示す。 (A)及び(B)は、グラビア・コーティングの一般的な構成を示す。 巻き線測定ロッド又はバーの構成の概略図である。

Claims (14)

  1. 抗微生物性組成物の均一なコーティングで少なくとも部分的に被覆された表面を有する基材を備える保護用物品であって、
    前記抗微生物性組成物は、第1抗微生物性物質と、第2坑微生物性物質とを含有し、
    前記第1抗微生物性物質は、ポリヘキサメチレン・ビグアニド(PHMB)から成り、
    前記第2抗微生物性物質は、PG−ヒドロキシエチルセルロース塩化ココジモニウム、オクタデシルアミノジメチルカリメトキシシリルプロピル塩化アンモニウム、若しくはN−アルキル・プリグリコシド、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする保護用物品。
  2. 請求項1に記載の保護用物品であって、
    前記第1及び第2の抗微生物性物質はそれぞれ、1000:1〜:1000の範囲の比で存在することを特徴とする保護用物品。
  3. 請求項1に記載の保護用物品であって、
    当該保護用物品が、ガウン、ローブ、フェイス・マスク、ヘッドカバー、靴カバー、及び手袋を含む衣類であることを特徴とする保護用物品。
  4. 請求項1に記載の保護用物品であって、
    当該保護用物品が、手術着、手術用開窓若しくはカバー、ドレープ、シーツ、リネン、パッド、又はガーゼ包帯であることを特徴とする保護用物品。
  5. 請求項1に記載の保護用物品であって、
    前記抗微生物性組成物が、坑静電気剤と、フッ素ポリマーとを更に含むことを特徴とする保護用物品。
  6. 請求項5に記載の保護用物品であって、
    前記坑静電気剤が、アクリル系のコポリマー化合物及びイソプロピル・アルコールを、又は塩酸グアニジン及びソルビトールを含むことを特徴とする保護用物品。
  7. 抗微生物性コーティングで少なくとも一部が被覆された基材を有する物品であって、
    前記抗微生物性コーティングは、
    前記基材上に存在する活性物質に対する重量%が、
    0.05〜99.9重量%のポリヘキサメチレン・ビグアニド(PHMB)と、
    0.05〜99.9重量%の少なくても1つのポリヘキサメチレン・ビグアニド(PHMB)以外の抗微生物性物質との混合物を含有し、
    前記少なくても1つのポリヘキサメチレン・ビグアニド(PHMB)以外の抗微生物性物質は、PG−ヒドロキシエチルセルロース塩化ココジモニウム、オクタデシルアミノジメチルカリメトキシシリルプロピル塩化アンモニウム、若しくはN−アルキル・プリグリコシド、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする物品。
  8. 請求項7に記載の物品であって、
    前記混合物は、抗静電気剤とフッ素ポリマーとをさらに含むことを特徴とする物品。
  9. 請求項8に記載の物品であって、
    前記坑静電気剤が、アクリル系のコポリマー化合物及びイソプロピル・アルコールを、又は、塩酸グアニジン及びソルビトールを含むことを特徴とする物品。
  10. 請求項7に記載の物品であって、
    前記PHMBは、前記基材上に、0.05〜5重量%の範囲の最終濃度で存在することを特徴とする物品。
  11. 請求項7に記載の物品であって、
    前記基材の少なくとも一部は、織布材料又は不織布材料で作成されていることを特徴とする物品。
  12. 請求項11に記載の物品であって、
    前記基材の少なくとも一部は、前記織布材料で作成され、
    前記織布材料は、天然繊維、又は、天然繊維と合成繊維との混合物から作成されることを特徴とする物品。
  13. 請求項11に記載の物品であって、
    前記基材の少なくとも一部は、前記不織布材料で作成され、
    前記不織布材料は、弾性又は非弾性の熱可塑性ポリマーを含むことを特徴とする物品。
  14. 請求項7に記載の物品であって、
    前記抗微生物性コーティングは、30分以内に、当該物品と接触した黄色ブドウ球菌(ATCC27660)、黄色ブドウ球菌(MRSA ATCC 33591)、肺炎桿菌(ATCC 4352)、ライノウイルス1A (ATCC VR−1164)、インフエンザA (ATCC VR−1469)又はカンジダ菌(ATCC 10231)のいずれかの微生物の表面から他の面への接触伝播の1.4log10CFUの減少を示すことを特徴とする物品。
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