JP4999438B2 - ロックアップ装置およびそれを備えた流体式トルク伝達装置 - Google Patents
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Description
図1を用いてトルクコンバータ1の基本構成について説明する。図1にトルクコンバータ1の縦断面概略図、図2にダンパー機構9の部分平面図を示す。トルクコンバータ1は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)からトランスミッションの入力シャフト(図示せず)にトルクを伝達するための装置である。図1の左側に図示しないエンジンが配置され、図1の右側に図示しないトランスミッションが配置されている。図1に示す線O−Oは、トルクコンバータ1の回転軸である。図9において左半分の図は第2ドライブプレート59を省略した図である。
図1に示すように、ロックアップ装置7は、タービン22とフロントカバー11との間の空間8に配置されており、必要に応じて両者を機械的に連結するための機構である。ロックアップ装置7は、クラッチ機能およびダンパー機能を有しており、主に、第1摩擦プレートとしての第1クラッチプレート70と、第2摩擦プレートとしての第2クラッチプレート71と、ピストン75と、ダンパー機構9と、から構成されている。
ここで、図1〜図6を用いてダンパー機構9のトルク入力部分の構成について詳細に説明する。図3に図2のA−A断面図、図4に図2のB−B断面図、図5に図2のC−C断面図、図6に第1クラッチプレート70およびピストン75の外周側から見た図を示す。
第1クラッチプレート70は、フロントカバー11からダンパー機構9へトルクを伝達する機能を有している。具体的には図3に示すように、第1クラッチプレート70の第1プレート51は、摩擦部材52が固定される第1本体部53と、第1本体部53の外周部から軸方向に延びる外周筒状部54と、を有している。
ピストン75は、第1クラッチプレート70とともに、フロントカバー11からダンパー機構9にトルクを伝達する機能を有している。具体的には図3に示すように、ピストン75は主に、ピストン本体61と、ピストン本体61の外周部から軸方向に延びる内周筒状部64と、ピストン本体61に固定された摩擦部材63と、を有している。
図2に示すように、ドライブプレート72の第1ドライブプレート58および第2ドライブプレート59は、第1クラッチプレート70およびピストン75に回転方向に係合している。
以上の構成をまとめると、第1クラッチプレート70の外周突出部56は第1外周係合部58cおよび第2外周係合部59cと噛み合っている。ピストン75の内周突出部66は第1内周係合部58bおよび第2内周係合部59bと噛み合っている。第1クラッチプレート70からのトルクは第1外周係合部58cおよび第2外周係合部59cを介してドライブプレート72に入力され、ピストン75からのトルクは第1内周係合部58bおよび第2内周係合部59bを介してドライブプレート72に入力される。すなわち、このロックアップ装置7では、第1クラッチプレート70からトルクが入力される部分と、ピストン75からトルクが入力される部分と、がダンパー機構9において異なる。
図1を用いて、トルクコンバータ1の動作について説明する。
ロックアップ装置7の連結解除時においては、フロントカバー11とピストン75との軸方向間に形成される環状の空間S3(図1)に内周側から作動油が供給され、空間S3の圧力が高くなる。この結果、ピストン75がタービン22側へ移動し、第1クラッチプレート70および第2クラッチプレート71の狭持が解除される。このとき、摩擦部材52,63の温度は摩擦熱により高くなっている。このため、摩擦部材52,63周辺に作動油を流して、摩擦部材52,63の冷却を図ることが好ましい。
ロックアップ装置7の作用効果について以下にまとめる。
このロックアップ装置7では、第1クラッチプレート70とドライブプレート72との係合部分(外周突出部56、第1外周係合部58c、第2外周係合部59c)と、ピストン75とドライブプレート72との係合部分(内周突出部66、第1内周係合部58b、第2内周係合部59b)と、がダンパー機構9において異なる。このため、ダンパー機構9のトルク入力部分の負荷が従来に比べて分散される。これにより、ロックアップ装置7の破損を防止できる。
このロックアップ装置7では、第1クラッチプレート70に第1孔57が形成されており、ドライブプレート72に第1切欠部58dおよび第2切欠部59dが形成されている。この結果、摩擦部材52,63周辺の作動油が円滑にタービン22側へ排出される。これより、このロックアップ装置7では、作動油の流れが阻害されず、摩擦部材52,63の冷却効果の低下を防止できる。
ピストン75の外周部に内周筒状部64が形成されている。このため、ピストン75の外周部の剛性が従来に比べて高くなり、摩擦部材63を均一に押圧可能となる。
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
7 ロックアップ装置
9 ダンパー機構
11 フロントカバー
54 外周筒状部
55 第1切欠部
56 外周突出部
57 第1孔(孔)
58 第1ドライブプレート
58a 第1ドライブ本体部
58b 第1内周係合部(第1当接部)
58c 第1外周係合部(第2当接部)
58d 第1切欠部(切欠部)
59 第2ドライブプレート
59a 第2ドライブ本体部
59b 第2内周係合部(第1当接部)
59c 第2外周係合部(第2当接部)
59d 第2切欠部(切欠部)
64 内周筒状部
65 第2切欠部
66 内周突出部
70 第1クラッチプレート(第1摩擦プレート)
71 第2クラッチプレート(第2摩擦プレート)
72 ドライブプレート(ドライブ部材、ダンパー機構側の部材)
73 ドリブンプレート(ドリブン部材)
74a、74b 第1および第2トーションスプリング(弾性部材)
75 ピストン
Claims (9)
- トルクが入力されるフロントカバーと、前記フロントカバーに固定され作動流体が充填された流体室を形成するインペラーと、前記インペラーに対向して配置されたタービンとを含む流体式トルク伝達装置において、前記フロントカバーと前記タービンとの間の空間に配置され、前記フロントカバーと前記タービンとを機械的に接続するためのロックアップ装置であって、
前記フロントカバーと前記タービンとを回転方向に弾性的に連結可能なダンパー機構と、
前記タービンに対して回転可能にかつ軸方向に移動可能に設けられ、前記ダンパー機構側の部材に対してトルクを入力可能なピストンと、
前記ピストンの前記フロントカバー側への移動により前記ピストンおよびフロントカバーの軸方向間に狭持される第1摩擦部を有し、前記ピストンからトルクが入力される部分とは異なる部分を介して前記ダンパー機構側の部材に対してトルクを入力可能な第1摩擦プレートと、
前記フロントカバーに対して一体回転可能にかつ軸方向に移動可能に設けられ、前記ピストンおよび第1摩擦プレートの軸方向間に配置される第2摩擦部を有する第2摩擦プレートと、
を備え、
前記第1摩擦プレートは、前記第1摩擦部の外周部から軸方向に延び、前記ダンパー機構側の部材に一体回転可能にかつ軸方向に移動可能に係合し、前記ピストンの外周側に配置された複数の外周突出部をさらに有しており、
前記ピストンは、環状のピストン本体と、前記ピストン本体の外周部から軸方向に延び前記ダンパー機構側の部材に一体回転可能にかつ軸方向に移動可能に係合する複数の内周突出部と、を有しており、
前記内周突出部は、前記外周突出部の内周側に配置されている、
ロックアップ装置。 - 前記ダンパー機構は、前記外周突出部および内周突出部と係合するドライブ部材と、前記タービンに固定され前記ドライブ部材に対して相対回転可能に配置されたドリブン部材と、前記ドライブ部材およびドリブン部材を回転方向に弾性的に連結する弾性部材と、を有している、
請求項1に記載のロックアップ装置。 - 前記ドライブ部材は、環状の本体部と、前記本体部から半径方向外側へ延び前記内周突出部と回転方向に噛み合う複数の第1当接部と、前記本体部から半径方向外側へ延び前記外周突出部と回転方向に噛み合う複数の第2当接部と、を有している、
請求項2に記載のロックアップ装置。 - 前記外周突出部の回転方向寸法は、前記内周突出部の回転方向寸法よりも大きい、
請求項3に記載のロックアップ装置。 - 前記外周突出部は、前記第1当接部の外周側に配置されており、前記第1当接部により半径方向に位置決めされている、
請求項4に記載のロックアップ装置。 - 前記外周突出部は、半径方向に貫通する孔を有している、
請求項5に記載のロックアップ装置。 - 前記第1当接部は、半径方向外側に形成された切欠部を有しており、
前記外周突出部と前記第1当接部との半径方向間には、前記切欠部により軸方向に連通する油路が形成されている、
請求項3から6のいずれかに記載のロックアップ装置。 - 隣り合う前記第1当接部の回転方向間には、前記内周突出部と前記第2当接部とが交互に配置されている、
請求項3から7のいずれかに記載のロックアップ装置。 - エンジンからのトルクをトランスミッション側へ伝達するための流体式トルク伝達装置であって、
トルクが入力されるフロントカバーと、
前記フロントカバーに固定され作動流体が充填された流体室を形成するインペラーと、
前記インペラーに対向して配置されたタービンと、
請求項1から8のいずれかに記載のロックアップ装置と、
を備えた流体式トルク伝達装置。
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