JP4999151B2 - アスベスト含有建材の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スレートやケイ酸カルシウム板等のアスベストを含有した建材を処理する方法に関する。
従来、配管等の保温材や建築物の屋根材、内装・外装等の建材として、例えば、ケイ酸カルシウムに適宜量のアスベストを混合成形して製造されるケイ酸カルシウム板や、同様にセメントにアスベストを混合成形して製造されるスレート等が知られている。これらのアスベスト含有建材は、強度や、耐熱性、断熱性、遮音性等、様々な面で優位性を発揮するため広く一般的に使用されていたが、近年アスベストが原因とされる健康被害が社会問題化しており、その製造や使用等が規制されつつある。
このようなアスベスト含有建材を使用した建築物が今後老朽化を迎えるにつれ、改修工事や解体工事等が次第に増えてくると予想されるが、それら工事に伴い大量のアスベスト含有建材の廃材が発生すると考えられる。これら廃材であるアスベスト含有建材の処理方法としては、先ず、現場にて回収したアスベスト含有建材をプラスチック製の袋体にて厳重に二重梱包して防塵を図りつつ、この状態でトラックにて処理施設等へと搬送した後、例えば、この袋体ごと埋め立て処分するといった方法があるが、今後増え続ける廃材量に対して近い将来埋め立て処分場が不足することは明らかである。これに対して、処理施設等へ搬送した袋体からアスベスト含有建材を取り出し、所定粒度に破砕処理後、この破砕片をキルン等で高温で加熱して溶融処理するといった方法があり、この処理方法によれば有害なアスベストを完全に無害化できるため、埋め立て処分以外にも路盤材や骨材等として再生利用することが可能となる上、特に処理に十分な配慮を要する飛散性のアスベスト廃棄物に区分されるケイ酸カルシウム板等に対してより好ましい処理方法と考えられる。
ところで、本発明者らは、これら廃材であるアスベスト含有建材を防塵用の液中において破砕して減容処理する方法及び装置を提案している(特許文献1)。この発明によれば、スレート等のアスベスト含有建材を防塵用の液体である、例えば水中に浸漬させた状態で破砕するようにしているので、破砕する際にアスベストが周囲に飛散するおそれが無く、安全に減容処理することを可能としている。そして、例えば、ケイ酸カルシウム板やスレート等のアスベスト含有建材をこの装置にて細かく破砕処理した後、前記のようにキルン等に投入して加熱溶融処理するようにすれば、アスベストの飛散のおそれもなく、より一層良好に処理できると考えられる。
特願2006−172271号
しかしながら、上記特許文献1記載の発明のように、アスベスト含有建材を水中に浸漬させた状態で破砕処理を行うと、アスベストの飛散は確実に防ぐことができる反面、破砕片内部にまで多量の水分が浸み込んでしまうため、その後の溶融処理における加熱効率は大幅に低下して燃費が嵩んでしまうだけでなく、処理に要する時間も長く掛かってしまうことが予想される。
本発明は上記の点に鑑み、アスベストの飛散を確実に防止しつつ良好に処理可能なアスベスト含有建材の処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、例えば、最近注目を集めつつあるリサイクル燃料の一つに、廃食油をメチルエステル化させることにより軽油の代替燃料とされるBDF(バイオディーゼル燃料)を製造する方法があるが、その製造過程において副産物として多量に生じるグリセリンに着目し、この非常に安価にかつ手軽に手に入り易いグリセリン、或いはその水溶液を、現場にて回収したアスベスト含有建材を処理施設まで搬送する際に梱包させる袋体内に注入した上で所定時間放置し、アスベスト含有建材の表面や内部にグリセリンを付着、或いは浸透させるようにすれば良好に処理できるようになるのではないかと考えた。つまり、グリセリンが有している、可燃性、保湿性、水溶性等の性質を上手く利用することにより、アスベスト含有建材を破砕処理する際にはアスベストの飛散を確実に防止しつつ、次工程で破砕片を加熱して溶融処理する際には、破砕片に多量に付着、或いは浸み込んだグリセリンが助燃効果を発揮し、その結果、アスベスト含有建材を効率よく良好に加熱溶融処理することができると考えたのである。
即ち、上記課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載のアスベスト含有建材の処理方法では、現場にて回収したアスベスト含有建材を袋体で梱包して溶融処理施設まで搬送し、この袋体内に助燃性の液体または所定濃度に調整した助燃性の液体の水溶液を注入すると共に、所定時間放置して袋体内のアスベスト含有建材内部に前記助燃性の液体を浸透させた後、袋体を破袋処理して取り出したアスベスト含有建材を所定粒度に破砕処理し、このアスベスト含有建材の破砕片を所定温度で加熱して溶融処理するようにしたことを特徴としている。
また、請求項2記載のアスベスト含有建材の処理方法では、前記助燃性の液体は、アルコール系化合物であることを特徴としている。
また、請求項3記載のアスベスト含有建材の処理方法では、前記助燃性の液体は、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールから選択される1種または2種以上の混合物であることを特徴としている。
本発明に係る請求項1記載のアスベスト含有建材の処理方法によれば、現場にて回収したアスベスト含有建材を袋体で梱包して溶融処理施設まで搬送し、この袋体内に助燃性の液体または所定濃度に調整した助燃性の液体の水溶液を注入すると共に、所定時間放置して袋体内のアスベスト含有建材内部に前記助燃性の液体を浸透させた後、袋体を破袋処理して取り出したアスベスト含有建材を所定粒度に破砕処理し、このアスベスト含有建材の破砕片を所定温度で加熱して溶融処理するようにしたので、アスベスト含有建材からアスベストが飛散するのを確実に防止しながら破砕可能とすると共に、この破砕片表面に多量に付着、或いはその内部まで浸透している助燃性の液体により、燃焼が促進されて効率よく加熱溶融することが可能となって良好に処理することができる。
また、本発明に係る請求項2記載のアスベスト含有建材の処理方法によれば、前記助燃性の液体は、アルコール系化合物であるので、アルコール系化合物が有している、可燃性、保湿性、水溶性等の性質を利用して、破砕処理時においてはアスベストの飛散を確実に防止しつつ、溶融処理時においては燃焼を促進して効率よく加熱溶融することができる。
また、本発明に係る請求項3記載のアスベスト含有建材の処理方法によれば、前記助燃性の液体は、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールから選択される1種または2種以上の混合物であるので、これら液体が有している、可燃性、保湿性、水溶性等の性質を利用して、破砕処理時においてはアスベストの飛散を確実に防止しつつ、溶融処理時においては燃焼を促進して効率よく加熱溶融することができる。
本発明のアスベスト含有建材の処理方法にあっては、アスベスト含有建材を溶融処理する施設内に、現場にて回収され袋体にて二重梱包された状態で搬送されてくるアスベスト含有建材を一時的に貯蔵しておくための貯蔵ブース、この貯蔵ブースより搬出した前記袋体からアスベスト含有建材を取り出して適宜粒度に破砕処理する破砕機、及びこの破砕機から排出されるアスベスト含有建材の破砕片を高温で加熱して溶融処理するキルンを備えている。
前記貯蔵ブースでは、搬送されてくるアスベスト含有建材を梱包した袋体内に、助燃性を有する液体である、例えばグリセリンを、注入用ノズル等を介して注入可能としている。なお、この助燃性を有する液体としては、前記グリセリン以外に、例えばアルコール系化合物であるエチレングリコールや、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等を単独で、或いはグリセリンを含めたこれら2種以上の混合物等も好適に採用することができる。また、これら助燃性を有する液体を原液の状態で使用するようにしてもよいが、原液の状態では取り扱いにくいようであれば適量の水に溶かして適宜濃度の水溶液として使用するようにしてもよい。
また、前記破砕機では、略密閉構造のケーシングを備え、該ケーシング内部にはアスベスト含有建材であるケイ酸カルシウム板やスレート等を細かく破砕処理する、例えば破砕ローラ等の破砕手段を備えている。また、前記キルンでは、破砕機にて破砕処理したアスベスト含有建材の破砕片を所定温度、例えば1000〜1500℃程度の高温で加熱してアスベストを溶融処理可能としている。
そして、現場にて回収されるアスベスト含有建材である、例えば、ケイ酸カルシウム板やスレート等を処理するときには、先ず、その回収現場においてアスベスト含有建材をプラスチック製の袋体にて厳重に二重梱包して防塵措置を図った後、この袋体ごとトラックに積み込んで溶融処理施設へと搬送し、貯蔵ブースへと順次搬入していく。また、この搬入の際、或いは搬入後、各袋体に注入用ノズルを挿し込んで袋体内にグリセリンを注入して袋体内をグリセリンでほぼ満たした状態としておくと共に、この状態で各袋体を所定時間、例えば、アスベスト含有建材の材質やサイズ等に応じて数時間から数日程度放置しておき、袋体内のアスベスト含有建材内部までグリセリンを完全に浸透させる。
そして、所定時間経過後この袋体を貯蔵ブースより搬出し、袋体を破袋処理して内部のアスベスト含有建材を取り出し、破砕機のケーシング内に投入して破砕ローラにて細かく破砕処理していく。このとき、アスベスト含有建材は、高い保湿性を有するグリセリンが内部まで完全に浸透した状態であるため、破砕処理時における衝撃等によってアスベスト含有建材からアスベストが大気中に飛散してしまうようなおそれはない上、破砕処理を終えたアスベスト含有建材の微細な破砕片等も短時間で乾燥してアスベストが大気中に飛散してしまうようなおそれはない。
そして、このアスベスト含有建材の破砕片は、スクリューコンベヤ等によってケーシングより排出してキルンへと順次供給し、1000〜1500℃程度の高温で加熱して溶融処理を行ってアスベストを完全に無害化させる。このとき、アスベスト含有建材の破砕片の表面及び内部には、助燃性を有するグリセリンが多量に付着、或いは浸透しているため、キルンでの燃焼が促進され、効率よく短時間にて加熱溶融処理することができる。
このように、現場にて回収したアスベスト含有建材を梱包する袋体内にグリセリン等の助燃性の液体を注入して所定時間放置し、アスベスト含有建材の内部までグリセリン等の助燃性の液体を浸透させた上で破砕処理を行うため、破砕時におけるアスベストの大気中への飛散を確実に防止することができると共に、加熱による溶融処理時にはアスベスト含有建材の破砕片に付着、或いは浸透している多量のグリセリン等の助燃性の液体が助燃効果を発揮するため、燃焼効率が大幅に向上して短時間で良好に溶融処理することが可能となる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図中の1は現場にて回収されるケイ酸カルシウム板やスレート等のアスベスト含有建材を高温で加熱することにより溶融処理する溶融処理施設であって、該溶融処理施設1には、現場からプラスチック製の袋体Fにて二重梱包された状態で搬送されてくるアスベスト含有建材Aを搬入して一時的に貯蔵しておくための貯蔵ブース2と、この貯蔵ブース2より搬出した袋体Fからアスベスト含有建材Aを取り出して適宜粒度に破砕処理する破砕機3と、この破砕機3から排出するアスベスト含有建材Aの破砕片を高温で加熱して溶融処理するキルン4とを備えている。
貯蔵ブース2には、アスベスト含有建材Aを梱包した多数の袋体Fを並べ置いておけるだけのスペースと、必要に応じて袋体Fの搬入・搬出用のコンベヤ(図示せず)や重機(図示せず)等を備えていると共に、搬入した袋体F内に助燃性を有する液体である、例えば、アルコール系化合物のグリセリンGを注入するための注入用ノズル5を備えている。
前記注入用ノズル5は、その先端部を略針状に形成していてプラスチック製の袋体Fを貫通可能としている一方、その後端部は供給管6を介してグリセリン貯蔵用の貯蔵タンク7と連結しており、作業員がこの注入用ノズル5の先端部を袋体F内に挿し込んだ状態で貯蔵タンク7よりグリセリンGを送り出すことにより、袋体F内に適宜量のグリセリンGを注入可能としている。そして、グリセリンGを注入した状態で袋体Fを所定時間放置し、袋体F内のアスベスト含有建材Aの内部までグリセリンGを浸透させることにより、次工程のアスベスト含有建材Aの破砕処理時においてアスベストが大気中へ飛散するのを防止可能としている。
なお、助燃性の液体として、本実施例においては、先に詳述したように、BDF製造過程において副産物として多量に生じ、非常に安価にかつ手軽に手に入り易いグリセリンを採用するようにしたが、特にこれに限定するものではなく、例えば、グリセリンと同様に、可燃性、保湿性、水溶性等の性質を有するアルコール系化合物のエチレングリコールや、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等を単独で、或いはグリセリンを含めたこれらアルコール系化合物を2種以上混合したものも好適に採用することができる。
また、グリセリン等の原液は粘性が比較的高いため、原液の状態のままではアスベスト含有建材A内部まで容易に浸透せず、完全に浸透させるのに非常に時間を要する場合も考えられるが、水溶性という性質を利用して適宜量の水に溶かして所定濃度の水溶液として使用するようにすれば、アスベスト含有建材A内部まで容易に浸透するようになって取り扱い易くすることができる。このとき、溶かす水の量が多いほど取り扱い易さは向上するが、次工程の溶融処理において助燃効果が極力発揮されるように出来るだけ水の量を抑える方が好ましく、処理対象であるアスベスト含有建材の材種や性状、大きさ等に応じて適宜決定するようにするとよい。
破砕機3は、略密閉構造のケーシング8を備え、該ケーシング8の内部にはアスベスト含有建材Aを破砕処理する破砕ローラ9を備えていると共に、該破砕ローラ9にて破砕処理を終えたアスベスト含有建材Aの破砕片をケーシング8外部へ送り出すスクリューコンベヤ10を備えている。
前記破砕ローラ9は、両端をケーシング8側壁に回転自在に軸支させていると共に、その周囲には多数の破砕歯を周設して成り、この破砕ローラ9を所定間隔を設けて一対並設し、駆動装置(図示せず)にて所定の回転速度でそれぞれ相反方向に回転させるようにしている。また、各破砕ローラ9の間隔は、破砕処理するアスベスト含有建材Aのサイズよりも若干狭く設定しておけば破砕処理が好適に行え、例えば、何れか一方の破砕ローラ9を他方の破砕ローラ9に対して進退自在に調整可能にしておけば、サイズや形状等の異なるケイ酸カルシウム板やスレート等、多種多様なアスベスト含有建材Aにも柔軟に対応することが可能となって好ましい。なお、本実施例においては、破砕ローラ9を一対配設するようにしているが、三基、若しくはそれ以上配設するようにしてもよい。
ケーシング8の上面部には、アスベスト含有建材Aをケーシング8内部に供給するための供給口11を備えていると共に、該供給口11を手動または自動にて開閉させる開閉蓋12を備え、アスベスト含有建材Aをケーシング2内に供給するとき以外は常に閉鎖させるようにしている。
また、ケーシング8内面の天井部には防塵用の液体散布器13を備え、該液体散布器13は供給管14を介してグリセリン貯蔵用の前記貯蔵タンク7と連結しており、破砕処理時及びその前後一定時間、或いは常時、貯蔵タンク7よりグリセリンGを送り出すことにより、ケーシング8内にグリセリンGをシャワー状に散布させ、破砕処理時に万が一にもアスベストが飛散するおそれのないように図っている。
前記スクリューコンベヤ10は、基端部側の投入口15をケーシング8底部に接続していると共に、先端部側の排出口16の方が高位置となるように傾斜配置している。そして、破砕ローラ9にて破砕処理したアスベスト含有建材Aの破砕片をスクリュー羽根17にて送り出していく際に、破砕片に付着する過剰量のグリセリンGをスクリュー羽根17の周縁部より適度に切っていき、取り扱い易い状態にしてから排出口16下位の二次破砕機18に投入させ、該二次破砕機18にて更に細かく破砕処理した後、下流のキルン4内へと定量供給するようにしている。
キルン4は、内周部に多数の掻き上げ羽根を周設した円筒状のドラム19を回転自在に傾斜支持し、駆動装置(図示せず)にて所定の速度で回転させるようにしており、ドラム19の一端側に設置したバーナ20からドラム19内に熱風を供給しつつ、前記二次破砕機18から排出されるアスベスト含有建材Aの破砕片をドラム19内に供給することにより、破砕片を所定温度、例えば1000〜1500℃程度の高温に加熱してアスベスト成分を確実に溶融処理可能としている。
また、図1に示すように、破砕機3、グリセリンGの貯蔵タンク7等を防塵壁21で囲っていると共に、該防塵壁21の近傍には防塵壁21内を負圧状態に保つように集塵機22を配設しており、該集塵機22としてはアスベスト等の微細な粒子をも確実に捕捉可能な程度の高性能なものを採用している。そして、集塵機22は、アスベスト含有建材Aを破砕処理するときには常時駆動させ、防塵壁21内部を常に負圧状態に保ち、袋体F内のアスベスト含有建材Aを破砕機3に投入する際や、破砕機3に投入したアスベスト含有建材Aを破砕処理する際に万が一にもアスベストが防塵壁21外部へと漏出してしまうことのないように図っている。
そして、上記構成の溶融処理施設1において、現場にて回収されてプラスチック製の袋体Fに梱包された状態で搬送されてくるケイ酸カルシウム板やスレート等のアスベスト含有建材Aを処理するときには、先ず、袋体Fを溶融処理施設1内の貯蔵ブース2へと搬入する際、各袋体Fに注入用ノズル5を挿し込むと共に、貯蔵タンク7よりグリセリンGを送り出して袋体F内にグリセリンGを注入する。そして、グリセリンGでほぼ満たした状態の袋体Fを所定時間、例えば、数時間から数日程度放置しておき、袋体F内のアスベスト含有建材A内部までグリセリンGを完全に浸透させる。このとき、袋体Fを放置させる時間は、アスベスト含有建材Aの材質やサイズ等に応じて適宜決定するとよい。
そして、所定時間経過後、これら各袋体Fを貯蔵ブース2より搬出すると共に、袋体Fを破袋処理して内部のアスベスト含有建材Aを取り出し、破砕機3のケーシング8内に投入して細かく破砕処理していく。このとき、破砕処理されるアスベスト含有建材Aは、高い保湿性を有するグリセリンGが既に内部まで浸透しきった状態にあると共に、ケーシング8上部の液体散布器13からも絶えずグリセリンGがシャワー状に散布され続け、更に破砕機3全体を防塵壁21で完全に囲って集塵機22にて常時負圧状態に保つようにしているため、破砕処理時における衝撃等によってアスベスト含有建材Aからアスベストが大気中に飛散してしまうようなおそれがない上、破砕処理を終えたアスベスト含有建材Aの微細な破砕片等についても短時間で乾燥してしまうことはなく、破砕片からアスベストが飛散してしまうようなおそれもない。
そして、このアスベスト含有建材Aの破砕片は、スクリューコンベヤ10によってケーシング8より排出し、下流の二次破砕機18にて更に細かく破砕処理した後、キルン4のドラム19内へと順次供給していくと共に、バーナ20からの熱風に晒しながらドラム19内を転動流下させ、1000〜1500℃程度の高温で加熱して溶融処理を行ってアスベスト成分を完全に無害化した後、ドラム19後端部より順次排出させる。このとき、アスベスト含有建材Aの破砕片の表面及び内部には、助燃性を有するグリセリンGが多量に付着、或いは浸透しているため、ドラム19内での燃焼が促進され、効率よく短時間にて加熱溶融処理することができる。
このように、現場にて回収したアスベスト含有建材を梱包する袋体内にグリセリン等の助燃性の液体、或いはその水溶液を注入して所定時間放置し、アスベスト含有建材の内部までグリセリン等の助燃性の液体を浸透させた上で破砕処理を行うため、破砕処理時におけるアスベストの大気中への飛散を確実に防止することができると共に、加熱溶融処理時にはアスベスト含有建材の破砕片に付着、或いは浸透している多量のグリセリン等の助燃性の液体が助燃効果を発揮するため、燃焼効率が大幅に向上して短時間で良好に溶融処理することが可能となる。
本発明に係るアスベスト含有建材の処理方法の一実施例を示す説明図である。
符号の説明
1…溶融処理施設 2…貯蔵ブース
3…破砕機 4…キルン
5…注入用ノズル 6…供給管
7…貯蔵タンク 8…ケーシング
9…破砕ローラ 13…液体散布器
14…供給管 18…二次破砕機
19…キルン 20…バーナ
21…防塵壁 22…集塵機
A…アスベスト含有建材 F…袋体
G…グリセリン(助燃性の液体)

Claims (3)

  1. 現場にて回収したアスベスト含有建材を袋体で梱包して溶融処理施設まで搬送し、この袋体内に助燃性の液体または所定濃度に調整した助燃性の液体の水溶液を注入すると共に、所定時間放置して袋体内のアスベスト含有建材内部に前記助燃性の液体を浸透させた後、袋体を破袋処理して取り出したアスベスト含有建材を所定粒度に破砕処理し、このアスベスト含有建材の破砕片を所定温度で加熱して溶融処理するようにしたことを特徴とするアスベスト含有建材の処理方法。
  2. 前記助燃性の液体は、アルコール系化合物であることを特徴とする請求項1記載のアスベスト含有建材の処理方法。
  3. 前記助燃性の液体は、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールから選択される1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1記載のアスベスト含有建材の処理方法。
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