JP4998932B2 - メタノール改質装置 - Google Patents

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Description

本発明は、メタノールと水蒸気の混合ガスを水素リッチガスに改質するメタノール改質装置、詳しくは従来装置に比較して、装置の簡略化、コンパクト化、熱効率の向上、熱損失の低減および低コスト化が図れるメタノール改質装置に関する。
水素リッチな改質ガスを得る水蒸気改質システムとして、天然ガスを原料としたものが開発されている。しかしながら、天然ガスを原料としているため、改質温度を800〜850℃にする必要がある。そのため、システム設備の起動時間が長くなり、迅速なスタートができないという問題があった。
そこで、メタノールを原料ガスの主成分に採用した水蒸気改質装置(メタノール改質装置)が開発されている。メタノール改質装置によれば、改質温度が200〜300℃と比較的低温である。そのため、天然ガスの場合に比べて、設備の起動を迅速に行うことができる。
従来のメタノール改質装置として、例えば特許文献1「メタノール改質器」および特許文献2「メタノール改質方法およびその装置」が知られている。
特許文献1は、反応管を外筒と内筒とからなる直立した二重筒構造とし、加熱した原料ガスを下端から上端に向かって外筒に流入させた後、内筒を上端から下端に向かって流通させるとともに、熱媒体は加熱室内を反応管に沿ってその原料ガス流入側から上方に向かって流れるように構成されている。これにより、高温の熱媒体が接触する外筒下端の原料ガスの流入部から、比較的低温の内筒下端の反応ガスの流出部に熱伝達が行われる。その結果、原料ガスの流入部の過度の温度上昇が避けられる。しかも、改質ガス成分の多い反応ガス流出部は外筒で囲まれているので、熱媒体と直接接触せずに比較的低温に保たれ、この部分での一酸化炭素の発生を抑えることができる。
また、特許文献2は、メタノールを含む原料ガスを、電磁誘導により加熱される発熱体を収納した加熱器と改質反応触媒を充填した反応器とからなる改質器を複数台直列に接続して構成したメタノール改質装置に順次通過させ、原料ガスが各改質器の加熱器と反応器を交互に通過する間に、発熱体および反応触媒により通過ガスの加熱と改質とを交互に行わせるとともに、各加熱器の出口部において通過ガスの温度制御を行いながら水素リッチなメタノール改質ガスを得るようにした構成を有している。これにより、反応温度を適正温度範囲内に保つことができ、反応効率を大幅に高めることができる。また、原料ガスの加熱と改質とを交互に行うようにしているため、所望の組成の改質ガスを得ることができる。
しかしながら、特許文献1のメタノール改質器によれば、原料ガスおよび反応管の加熱にバーナ燃焼ガスによる加熱方式が採用されていた。そのため、燃焼制御が難しく、火炎により局部加熱が発生する頻度が高かった。これにより、反応管および原料気化器(コイル)の熱損傷や原料のカーボン析出、あるいは改質触媒の劣化などが発生するおそれがあった。
また、特許文献2のメタノール改質方法およびその装置によれば、電磁誘導により加熱される発熱体を熱源としているため、常時、交流電源による電力の供給が必要であった。そのため、装置内における熱の有効利用がなされておらず、メタノール改質ガスを得るための熱効率が悪く運転経費が嵩むという問題があった。さらに、多段に設置した発熱体(加熱器)毎に温度検出器を設けて個別に温度制御を行っているため、メタノール改質システムが複雑となり、設備コストが高価となっていた。
特公平6−11641号公報 特開2000−103601号公報
そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、円筒状ケーシング内に、この円筒状ケーシングの軸線を中心として同心円状に、(1)空気と混合された燃料ガスを触媒燃焼する触媒燃焼部と、(2)触媒燃焼部を上下に貫通し、原料を触媒燃焼部の熱で所定の温度に加熱する原料加熱部と、(3)触媒燃焼部を上下に貫通し、加熱された原料ガスを改質触媒の作用で改質する原料改質部と、(4)触媒燃焼用の空気を予熱するとともに、設備の起動時に触媒燃焼部を加熱する空気予熱部とを隣接してそれぞれ配置した。これにより、従来装置に比較して、装置の簡略化、コンパクト化、熱効率(熱バランス)の向上、熱損失の低減および低コスト化が図れることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、装置の簡略化、コンパクト化、熱効率(熱バランス)の向上、熱損失の低減および低コスト化が図れるメタノール改質装置を提供することを目的としている。
本発明は、原料ガスの加熱や原料改質部の加熱における熱交換率を高めることができるメタノール改質装置を提供することを目的としている。
本発明は、触媒燃焼加熱方式を用いた加圧改質反応が可能で、これにより水素製造システムにおいて、従来の常圧改質反応によるシステムと比較して、改質反応速度が大きくなるため触媒使用量を低減することができる。また、改質装置の後流にPSAや分離膜等を用いた水素精製ユニットを配置したシステムの場合、改質ガスの加圧が必要となり、従来の常圧改質反応によるシステムでは改質ガス昇圧用の圧縮機が必要であった。本発明では加圧された改質ガスが生成するため、メタノール改質装置の下流に配置される改質ガス昇圧用の圧縮機を不要とすることができ、その結果、水素製造システムの小型化および低コスト化を図ることができるメタノール改質装置を提供することを目的としている。
本発明は、空気予熱により、設備の起動を迅速に行うことができるとともに熱損失の低減を図ることができるメタノール改質装置を提供することを目的としている。
本発明は、予熱された空気と燃料ガスとを十分に攪拌混合させて触媒燃焼させることで、燃料ガスの燃焼効率を高めることができるメタノール改質装置を提供することを目的としている。
本発明は、改質部の上流部を改質ガス中に未反応メタノールが残らず、かつ改質触媒が熱による劣化を起こさない程度の高温領域とし、改質部の下流部をシフト反応が良好に進行する程度の低温領域とすることで、改質効率が高く、かつ一酸化炭素(CO)の副生率が低い良好な改質ガスを生成することができるメタノール改質装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、直立した円筒状ケーシングと、円筒状ケーシング内に、該円筒状ケーシングの軸線を中心として同心円状に配置され、空気と混合された燃料ガスを燃焼させる燃焼触媒が充填された燃焼触媒層を有する触媒燃焼部と、前記円筒状ケーシングの中心側に触媒燃焼部を上下に貫通し、前記円筒状ケーシングの軸線を中心として同心円状に配置され、原料であるメタノールと水を所定の温度に加熱する原料加熱部と、前記触媒燃焼部を上下に貫通して、前記原料加熱部より円筒状ケーシングの軸線を中心として同心円状の外側に配置され、前記原料加熱部によって加熱された原料ガスを改質させる改質触媒が充填された改質触媒層を有する原料改質部と、前記触媒燃焼部の少なくとも一部の外周に配置され、前記触媒燃焼用空気を予熱するとともに前記触媒燃焼部を加熱する空気予熱部とを備えたメタノール改質装置である。
請求項1に記載の発明によれば、円筒状ケーシング内に、この円筒状ケーシングの軸線を中心として同心円状に、空気と混合された燃料ガスを触媒燃焼する触媒燃焼部と、触媒燃焼部を上下に貫通し、原料であるメタノールと水を所定の温度に加熱する原料加熱部と、触媒燃焼部を上下に貫通し、加熱された原料ガスを改質させる改質触媒が充填された改質触媒層を有する原料改質部と、触媒燃焼用の空気を予熱するとともに触媒燃焼部を加熱する空気予熱部とを隣接してそれぞれ配置したので、従来装置に比較して、装置の簡略化、コンパクト化、熱効率の向上、熱損失の低減および低コスト化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記円筒状ケーシングは断熱部により外周を被われた請求項1に記載のメタノール改質装置である。
請求項2に記載の発明によれば、円筒状ケーシングを断熱部により外周から被ったので、断熱効果による熱損失の低減を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記原料加熱部は螺旋状中空管からなる請求項1または請求項2に記載のメタノール改質装置である。
請求項3に記載の発明によれば、原料加熱部は螺旋状中空管としたので、円筒ケーシング内での原料加熱部の表面積が大きくなる。その結果、原料ガスと燃焼ガスとの熱交換率を高めることができる。
請求項4に記載の発明は、前記原料改質部は、改質触媒がそれぞれ充填された複数の直管形状の改質管からなる請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載のメタノール改質装置である。
請求項4に記載の発明によれば、原料改質部として、改質触媒がそれぞれ充填された複数の直管形状の改質管を採用したので、触媒燃焼加熱による均一な加熱と高い耐圧性により加圧改質反応が可能となる。その結果、水素製造システムにおいて、常圧改質反応と比較して改質反応速度が大きくなるため改質触媒使用量を低減することができる。また、改質装置の後流にPSAや分離膜等を用いた水素精製ユニットを配置したシステムの場合、改質ガスの加圧が必要となり、従来の常圧改質反応によるシステムでは改質ガス昇圧用の圧縮機が必要であった。本発明では、加圧された改質ガスが生成するため、メタノール改質装置の下流に配置される改質ガスの圧縮機を不要とすることができる。よって、水素製造システムの小型化および低コスト化を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、前記空気予熱部は、前記触媒燃焼部の外周に設けられた電気ヒータを有する請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載のメタノール改質装置である。
請求項5に記載の発明によれば、触媒燃焼部の外周に電気ヒータを設けたので、触媒燃焼部の加熱と同時に、空気予熱を容易に行うことができるため、設備の起動を迅速に行うことができる。
請求項6に記載の発明は、前記空気予熱部の下流部は、予熱された空気と燃料ガスとを混合するガス混合拡散部を介して、前記触媒燃焼部と連通され、前記ガス混合拡散部の予熱された空気の流入部には、多数の空気流通孔が分散配置された空気分散板が設けられた請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載のメタノール改質装置である。
請求項6に記載の発明によれば、予熱された空気と燃料ガスとは、ガス混合拡散部の内部で混合拡散されて触媒燃焼部に供給される。このとき、ガス混合拡散部の予熱された空気の流入部に設けられた空気分散板により、予熱された空気が効率よく分散して燃料ガスと十分に攪拌混合されるため、燃料ガスの燃焼効率を高めることができる。
請求項7に記載の発明は、前記円筒ケーシング内の上部には、各改質管の原料ガスの入口側と連通された中空環状体の上部ヘッダが設けられ、前記円筒ケーシング内の下部には、各改質管の改質ガスの出口側と連通された中空円盤体の下部ヘッダが設けられ、前記円筒ケーシング内の下部には、前記原料加熱部の原料ガス供給側の端部が配置された請求項1〜請求項6のうち、何れか1項に記載のメタノール改質装置である。
請求項7に記載の発明によれば、円筒ケーシングの上部に、各改質管の原料ガスの入口側と連通された上部ヘッダを設けるとともに、円筒ケーシングの下部に、原料加熱部の原料ガス供給側の端部を配置したので、効率的に原料を加熱することができるとともに、改質部の上流部を高温領域とし、改質部の下流部を低温領域とすることで、改質効率が高く、かつCOの副生率が低い良好な改質ガスを提供することができる。
請求項8に記載の発明は、前記上部ヘッダは、前記ケーシングの上端板と所定の間隙を有して配置され、該ケーシングの上端板との間隙は、前記空気予熱部から排出された空気の出口流路を構成し、前記下部ヘッダは、前記ケーシングの下端板と所定の間隙を有して配置され、該ケーシングの下端板との間隙は、前記触媒燃焼部から排出された燃焼ガスの出口流路を構成している請求項7に記載のメタノール改質装置である。
請求項9に記載の発明は、前記触媒燃焼部に充填される燃焼触媒は、前記下部ヘッダ上部に充填された触媒支持用充填材の上方に直接充填されるとともに、前記上部ヘッダより下方でかつ前記予熱された空気と燃料ガスとを拡散可能な間隙を形成する高さまで充填されている請求項7または請求項8に記載のメタノール改質装置である。
請求項1に記載の発明によれば、円筒状ケーシング内に、この円筒状ケーシングの軸線を中心とした同心円状に、空気と混合された燃料ガスを触媒燃焼する触媒燃焼部と、触媒燃焼部を上下に貫通し、原料ガスを所定の温度に加熱する原料加熱部と、触媒燃焼部を上下に貫通し、加熱された原料ガスを改質させる改質触媒が充填された改質触媒層を有する原料改質部と、触媒燃焼用の空気を予熱するとともに触媒燃焼部を加熱する空気予熱部とを隣接してそれぞれ配置したので、従来装置に比較して、装置の簡略化、コンパクト化、熱効率の向上、熱損失の低減および低コスト化を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、円筒状ケーシングを断熱部により外周から被うように構成したので、断熱効果による熱損失の低減を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、原料加熱部は螺旋状中空管としたので、円筒ケーシング内での原料加熱部の表面積が大きくなり、原料ガスと燃焼ガスとの熱交換率を高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、原料改質部として、改質触媒がそれぞれ充填された複数の直管形状の改質管を採用したので、触媒燃焼加熱による均一な加熱と高い耐圧性により加圧改質反応が可能となる。その結果、水素製造システムにおいて、常圧改質反応と比較して改質反応速度が大きくなるため改質触媒使用量を低減することができる。また、改質装置の後流にPSAや分離膜などを用いた水素精製ユニットを配置したシステムの場合、改質ガスの加圧が必要となり、従来の常圧改質反応によるシステムでは改質ガス昇圧用の圧縮機が必要であった。本発明では、加圧された改質ガスが生成するため、メタノール改質装置の下流に配置される改質ガスの昇圧用圧縮機を不要とすることができ、水素製造システムの小型化および低コスト化を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、触媒燃焼部の外周に電気ヒータを設けるように構成したので、触媒燃焼部の加熱と同時に、空気予熱を容易に行うことができるため、設備の起動を迅速に行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、空気予熱部の下流部と触媒燃焼部とをガス混合拡散部を介して連通し、ガス混合拡散部の予熱された空気の流入部に、多数の空気流通孔が穿設された空気分散板を設けるように構成したので、予熱された空気が効率よく分散して燃料ガスと十分に攪拌混合されるため、燃料ガスの燃焼効率を高めることができる。
請求項7に記載の発明によれば、円筒ケーシングの上部に、各改質管の原料ガスの入口側と連通された上部ヘッダを設けるとともに、円筒ケーシングの下部に、原料加熱部の原料ガス供給側の端部を配置するように構成したので、効率的に原料ガスを加熱することができるとともに、改質部の上流部を高温領域とし、改質部の下流部を低温領域とすることで、改質効率が高く、かつCOの副生率が低い良好な改質ガスを提供することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1において、10は本発明の実施例1に係るメタノール改質装置で、このメタノール改質装置10は、直立した円筒状ケーシング11と、円筒状ケーシング11内に、円筒状ケーシング11の軸線を中心とした同心円状に配置され、空気と混合された燃料ガスの酸化を促進させる燃焼触媒(例えば、白金系触媒、あるいはパラジウム系触媒など)が充填された燃焼触媒層を有する触媒燃焼部6と、円筒状ケーシング11の中心側に触媒燃焼部6を上下に貫通し、円筒状ケーシング11の軸線を中心とした同心円状に配置され、原料であるメタノールと水を所定の温度に加熱する原料加熱器(原料加熱部)1と、触媒燃焼部6を上下に貫通して、原料加熱器1より円筒状ケーシング11の軸線を中心とした同心円状の外側に配置され、原料加熱器1によって加熱された原料ガスを改質させる改質触媒が充填された改質触媒層を有する原料改質部3と、触媒燃焼部6の少なくとも一部の外周に配置され、触媒燃焼用の前記空気を予熱するとともに設備の起動時に触媒燃焼部6を加熱する空気予熱部8とを備えている。
メタノール改質装置10のさらに具体的な構造を説明する。メタノール改質装置10は、内筒Cと円筒状ケーシング11の外壁Dとを有し、内筒Cの軸線部分には、コイル状の原料加熱器1が収納されている。この原料加熱器1を中心にして、周方向に互いに所定の間隔で離間して内筒C内に配置され、改質触媒層を有する合計8本の改質管Bと、内筒Cと外壁Dとの間に配置された空気予熱部8と、外壁Dの外周面に巻回された断熱部9とが、同心円筒状に配列されている。断熱部9の素材は、セラミックファイバーなどである。
これらの改質管Bは、原料改質部3を構成している。各改質管Bの上端部(上流部)は、内筒Cの上端部内に配置された中空環状体の上部ヘッダ2にそれぞれ連通されている。上部ヘッダ2の外周板は、内筒Cの外周板により構成されている。上部ヘッダ2の内部空間には、上部ヘッダ2の内周板Aに形成された貫通孔を介して、前記原料加熱部の上端部(下流部)が連通されている。また、各改質管Bの下端部(下流部)は、内筒Cの下端部内に配置された中空円盤体の下部ヘッダ4に連通されている。また、内筒Cの内部には、下部ヘッダ4の上部に触媒支持材が充填された触媒支持用充填部7と、触媒支持用充填部7の上部に、燃焼触媒層を有する触媒燃焼部6とを配置している。これらが一体的に構成されている(図1,2参照)
以下、各構成体を詳細に説明する。
原料加熱部1は、内筒Cに囲まれた円筒状のケーシング11の中心部に配置され、触媒燃焼部6の燃焼触媒層に埋設されている。原料加熱器1はステンレス製のパイプをコイル状に付形したもので、原料加熱器1の入口側のパイプは、原料入口となる直管のノズルN1として、下部ヘッダ4および円筒状ケーシング11の下端板Fの中央付近を貫通し、メタノール改質装置10の外部に取り出されている。円筒状ケーシング11の下端板Fの中央部には、触媒支持用充填部7と連通する燃焼ガスの排出用のノズルN5が設けられている。また、円筒状ケーシング11の下端板Fの中央部付近には、下部ヘッダ4と連通する改質ガスの排出用のノズルN2が設けられている。
原料加熱器1の出口側のパイプは、前述したように上部ヘッダ2の内部空間に連通されており、原料加熱器1の出口部には、メッシュ部材Hが設けられている。これにより、上部ヘッダ2内の充填物の原料加熱器1への侵入を防止することができるとともに、原料ガスに含まれた微粒子などの固形物を除去することができる。原料加熱器1は、触媒燃焼部6の燃焼熱により加熱され、ノズルN1より供給される原料(メタノールおよび純水)を気化、加熱する。
上部ヘッダ2は、原料加熱器1の下流側および各改質管Bの原料ガスの入口側と接続し、触媒燃焼部6の燃焼触媒層と所定の間隙を持って円筒ケーシング11内の上部に配置された中空環状体として形成されている。また、上部ヘッダ2には、熱伝導性の高いアルミナボールなどが充填されている。このように構成したのは、水蒸気と原料ガスの分散および高効率伝熱を目的としている。
原料改質部3は、上部ヘッダ2の下流側および下部ヘッダ4の上流側と連通され、内筒Cと原料加熱器1との間に、円周状(図2参照)に配置された前記8本の改質管Bから構成されている。このように原料改質部3を複数の改質管Bから構成することにより、触媒燃焼加熱による均一な加熱と高い耐圧性が得られ、加圧改質反応を行うことができる。各改質管Bはステンレス製パイプである。各改質管Bの管内には、改質触媒(例えば、銅−亜鉛系など)が充填され、触媒燃焼部6の燃焼熱で原料改質部3が加熱される構成となっている。
下部ヘッダ4は、原料改質部3の下流側に接続し、円筒状ケーシング11の下端板Fと所定の間隙を持って円筒ケーシング11内の下部に配置された中空円盤体として形成されている。また、前記間隙部は触媒燃焼部6から排出された燃焼ガスの出口流路を構成している。下部ヘッダ4の内部空間には、上端板を介して、各改質管Bが連通されている。下部ヘッダ4の内部空間には、高効率伝熱を目的として、熱伝導性の高いアルミナボールなどが充填されている。また、下部ヘッダ4の下端板の中央部付近には改質ガス出口部が配置され、た改質ガス出口部には、下部ヘッダ4内の充填物の落下を防止するメッシュ部材Hが設けられている。
ガス混合拡散部5は、空気予熱部8の下流側に接続し、上部ヘッダ2の内壁Aに囲まれた内側環部と触媒燃焼部6の上方空間部とで形成されている。
ガス混合拡散部5では、円筒状ケーシング11の上端板Eの中央部に立設された燃料ガス供給用のノズルN3(またはノズルN3およびPSAや水素分離膜などの水素精製装置からのオフガスの供給用のノズルN6)からの燃料と、空気分散板Gからの予熱空気が混合され、触媒燃焼部6に均一拡散されて供給される。ノズルN6は、ノズルN3を被うように同心2重管として立設されている。
触媒燃焼部6は、ガス混合拡散部5の下流側に位置し、触媒支持用充填部7の上部に、原料加熱器1および改質管Bを囲むように配置されている。触媒燃焼部6は、白金系触媒、あるいはパラジウム系触媒といった燃焼触媒が充填され、燃焼触媒層を形成している。ここでは、ガス混合拡散部5からの燃料ガスと予熱空気との酸化反応により、原料加熱および改質反応に必要な熱を供給している。触媒燃焼部6に充填される燃焼触媒は、触媒支持用充填部7の上方に直接充填されている。
触媒支持用充填部7は、触媒燃焼部6の下流側に位置し、各改質管Bの下部および下部ヘッダ4を囲むように配置されている。触媒支持用充填部7には、熱伝導性の高いアルミナボールなどが充填されており、触媒燃焼部6の燃焼触媒層の高さ調整用、および高効率伝熱を目的としている。
空気予熱部8は、内筒Cと外壁Dとで形成された間隙部と、上部ヘッダ2と上端板Eとで形成された間隙部により形成されている。空気予熱部8内には、内筒Cの外周に沿って電気ヒータが伝熱セメントJにより固定され、コイル状に敷設されている。空気予熱部8は空気の予熱を目的とし、空気予熱部8における電気ヒータは、起動時の触媒燃焼部6の加熱を目的としている。外壁Dの下端部には、空気を空気予熱部8に導入するノズルN4が設けられている。
また、通常運転時には、触媒燃焼部6における燃焼熱を利用して空気を予熱するとともに、外部への熱損失抑制を図っている。空気予熱部8の出口部には、リング状に空気分散板Gが設けられている。空気分散板Gには、周方向に多数の空気流通孔gが形成されている。各空気流通孔gは、空気分散板Gの中央の任意の接線方向に向かって開口されている。これらの空気流通孔gを空気が通過することにより、ノズルN3(またはノズルN3およびノズルN6)からの燃料と混合し、螺旋状のガス流となって拡散して行く。この空気流通孔gにより燃料ガスの混合拡散効果が高められ、燃焼効率が向上される。
断熱部9は、外壁Dの外周に、装置全体を囲むように配置されている。
反応に使用される触媒あるいは構成機器には、各々最適な反応温度、動作温度が存在する。これらの温度が得られるように、メタノール改質装置10では、触媒、構成機器および断熱部9の配列を上述した構成にすることにより、吸熱または発熱反応に伴う熱収支を最適にバランスさせている。
例えば、改質ガス中に未反応メタノールが残らない改質反応のための約250〜350℃および改質部出口における生成する改質ガス中のCO濃度を低減させる約180〜250℃の温度を得るため、触媒燃焼部6の外側より高温となる中央部には、最も熱量を要する原料加熱器1を設けるとともに、原料加熱器1の周囲に原料改質部3を設けて、改質触媒が耐熱温度以上となるのを防止し、さらに、高温となる触媒燃焼部6の上流側に、最も吸熱が大きくなる原料改質部3の入口部を配置し、かつ低温となる触媒燃焼部6の下流側に原料改質部3の出口部を配置し、熱収支のバランスをとっている。
なお、図3のグラフおよび図4のグラフに各反応部における温度分布の一例を示す。
図3〜4のグラフから、原料供給量を変化させ、生成する改質ガス量を変えた場合(運転負荷を変えた場合)においても、メタノール改質装置10では適切な温度分布となり、CO発生量の少ない改質ガスを生成させることができることが分かる。
また、表1に改質ガスの組成を示す。表1中の100%負荷とは、例えば最大水素製造量が毎時1mのメタノール改質装置10において、水素を毎時1m製造するためにメタノール改質装置10を最大(100%)で運転することをいう。表1中の30%負荷とは、例えば最大水素製造量が毎時1mのメタノール改質装置10において、水素を毎時0.3m製造するためにメタノール改質装置を最大値の30%で運転することをいう。また、比較データは、従来のメタノール改質装置において原料改質部を300℃で均一加熱したときのデータである。表1から明らかなように、本発明のメタノール改質装置10は、従来のように均一加熱ではなく、原料改質部の上流側を高温領域とし、下流側を低温領域として温度勾配を設けたため、下流側でのシフト反応が起こり易くなり、COの副生率が従来の2.57vol%から100%負荷時で0.50vol%、30%負荷時で0.90vol%まで、それぞれ低減できた。
次に、本発明の実施例1に係るメタノール改質装置10の動作を説明する。
まず、空気予熱部8に設けられた電気ヒータIを起動し、触媒燃焼部6を燃焼開始温度の約80℃以上(好ましくは100℃以上、80℃以下では燃焼開始時におけるCOおよび未燃炭化水素、あるいはアルデヒドなどの発生の恐れがある)まで加熱する。同時にノズルN4より常温の空気を流し、加熱された空気を触媒燃焼部6に供給して流通させることにより触媒燃焼部6の全体の温度を短時間で均一に上昇させる。
触媒燃焼部6の昇温後、メタノールを燃料ガスとして使用し、燃料ガスは、ノズルN3よりガス混合拡散部5に供給される(PSAおよび水素分離膜などの水素精製装置からのオフガスも燃料ガスとして使用する場合は、ノズルN3よりメタノール、ノズルN6よりオフガスが供給される)。燃料ガスは、予熱された空気と混合、拡散して触媒燃焼部6の酸化燃焼触媒の作用により燃焼する。燃焼開始後、空気は、電気ヒータIによる加熱を中止しても触媒燃焼部6からの熱により予熱され、また断熱部9により外部への熱損失が抑制されているため、電気ヒータIへの通電を中止し、自立燃焼させることができる。燃焼温度は、空気量の調整により最高温度部分で約400〜600℃、好ましくは約500℃とする。約400℃未満では改質温度が低くなって改質効率が低下する。一方、約600℃を超えると、改質触媒の耐熱温度を超えて活性劣化する。燃焼ガスは、原料加熱器1および原料改質部3に熱を与えながら、約120℃でノズルN5から排出される。
原料であるメタノールおよび純水は、常温で入口のノズルN1より原料加熱器1に導入され、触媒燃焼部6からの燃焼熱によって、コイル状の原料加熱器1を通過中に約250〜300℃、好ましくは280℃以上に加熱され、メタノールと水蒸気の混合ガスとなって上部ヘッダ2に入る。
上部ヘッダ2に供給された原料ガスは、充填された伝熱充填物(アルミナボールなど)により拡散されるともに温度保持され原料改質部3に供給される。
ところで、原料改質部3水蒸気改質反応は、一般的に水蒸気とメタノールのモル比(S/C)が1.0〜2.0の条件で行われており(本発明においては、S/C=1.5)、以下の反応式の反応が生じるといわれている。
CHOH+HO→CO+3H……(1)
CO+H⇔CO+HO………………(2)
上記反応のうち、(1)は吸熱反応、(2)は右辺への反応は吸熱反応(逆シフト反応)、左辺への反応は発熱反応(シフト反応)で、全体としては吸熱反応である。(1)の反応は吸熱反応であるため、メタノールの水素への改質効率を上げるためには高温(約300℃前後)ほど有利であるが、COの濃度を下げるためにはシフト反応の起こり易い低温(約200℃前後)にする必要がある。COは燃料電池などの白金触媒を被毒することから、後流にCO低減プロセスを設けたとしてもできるだけその発生量を低く抑えることが望ましい。そのためには、改質触媒層の上流側(入口側)を高温にし、かつ下流側(出口側)を低温にすることが有効である。なぜなら、メタノールの水蒸気改質反応の大部分が上流側で進行し、下流側をあまり高温にすると、上記(2)の逆シフト反応が進み、COが増えることになるからである。
原料改質部3では、触媒燃焼部6からの燃焼熱によって改質触媒温度が、入口部250〜350℃、好ましくは280〜320℃、出口部180〜250℃、好ましくは200〜250℃となる。入口部温度が約250℃未満では改質ガス中に未反応メタノールが残るおそれがある。一方、350℃以上では改質触媒が耐熱温度を超え劣化する恐れがある。また、出口部温度が180℃未満ではCOを低減するシフト反応(CO+HO→CO+H:発熱反応)が起こりにくいためCOが低減されにくく、250℃を超えるとCOが生成する逆シフト反応(CO+H→CO+HO:吸熱反応)が起こり易くなり、水素生成量がわずかではあるが減少する。
原料ガスは改質触媒の作用によりCO濃度の低い(1vol%以下)水素リッチなガスに改質される。改質ガスは、約180〜250℃で下部ヘッダ4に流入し、ノズルN2を通して外部に排出される。
メタノール改質装置10では、燃焼温度の高い触媒燃焼部6の上部に改質部上流側を配置し、燃焼温度の低い触媒燃焼部6の下部を改質部下流側に配置している。また、触媒燃焼部6は上部、かつ中心部ほど燃焼温度が高い。また、下部は原料加熱器1および原料改質部3への熱供給により低温となる。
原料供給量を変化させ、運転負荷を変えた場合においても、メタノール改質装置10では各部が相互に適切な温度分布となり、CO発生量の少ない改質ガスを生成させることができる。(図3(100%負荷) 、図4(30%負荷)を参照)。原料供給量が少ない場合は、原料加熱器1での必要熱量および原料改質部3での吸熱量が小さく、触媒燃焼部6での燃焼量を抑えるために、ガス混合拡散部5からの燃料ガスの供給量を低下させる。これにより、ガス混合拡散部5からの燃料ガスの大部分は、円筒状ケーシング11の中心側、すなわち螺旋状原料加熱器1の内側に流れ、原料改質部3が高温になり過ぎないようにしている。
逆に、原料供給量が多い場合は、原料加熱器1での必要熱量および原料改質部3での吸熱量が大きいため、触媒燃焼部6での燃焼量を大きくする。それは、燃料供給量および空気量を増加させることになるため、燃料ガスの空間速度(GHSV)は大きくなり、ガス混合拡散部5からの燃料ガスは原料加熱器1側への供給量が増加するとともに、触媒燃焼部6での圧力損失により触媒燃焼部6の外側、すなわち原料改質部3側への燃料ガス供給量も増加する。よって、原料供給量が多い高負荷の場合でも、各反応部などが触媒劣化したり、あるいは材料の熱損傷を起こしたりすることなく、改質に適した温度バランスに制御することができる。
本発明のメタノール改質装置10は、燃料電池用などの小型のメタノール改質装置として常圧改質はもちろん、加圧改質(1MPa)が可能となる。そのため、本発明装置は改質ガス昇圧用の圧縮機を不要とし、改質装置10の後段に設けられるPSAおよび水素分離膜などの水素精製装置に直接接続することができる。これにより、水素製造システムの小型化および低コスト化を図ることができる。
加圧された改質ガスを水素精製装置へ供給する方法としては、主として常圧改質ガスを圧縮機により昇圧する方法と、原料(メタノールおよび純水)をポンプにより昇圧し加圧改質ガスを供給する方法がある。このうち、後者の方が、以下の理由により小型化および低コスト化の効果は大きい。
1)加圧改質の方が、原料ガスと改質触媒の接触が良く、反応速度が大きくなるため触媒量を低減することができる。
2)原料の方が改質ガスより容積が小さいため改質ガスを昇圧するより、原料を昇圧する方が圧縮機(加圧ポンプ)の能力を小さくできる。
また、メタノール改質装置10では、原料加熱部1および原料改質部3の加熱方法として触媒燃焼方式を採用し、原料加熱部1、原料改質部3、触媒燃焼部6および空気予熱部8を一体化した構造となっている。
さらに、反応に要求される温度範囲になるように、各反応部を隣接して熱交換させるように配置することにより、吸熱または発熱反応に伴う熱収支を最適にバランスさせている。
原料改質部3において、上流側を高温領域、下流側を低温領域となるような配置および燃焼制御を行うことにより、改質効率が高く、かつCOの副生率の低い良好な改質ガスを生成することができる。
運転負荷の変動(例えば30%〜100%)においても、各反応部は適切な温度分布となり、未反応メタノールの検出がなく、COの副生率の低い安定した改質ガスを生成することができる。
また、空気流通路を触媒燃焼部6の外側に設けることで、空気予熱および断熱効果による熱損失の低減を図っている。
空気予熱部8の出口に設けられたリング状の空気分散板Gは、円周上に多数の空気流通孔gが設けられ、各空気流通孔gは空気分散板Gの接線方向に向かって開口されている。そのため、予熱された空気と燃料は、空気分散板Gを通過後に螺旋状の混合ガス流を形成し十分攪拌混合され、燃焼効率を向上させることができる。
なお、触媒燃焼部6の起動方法は、次の2つのどちらの方法でも可能である。
1.電気ヒータによる起動方法
起動時、空気予熱部8内に設けられた電気ヒータIを起動し、同時に常温の空気を流して加熱し、予熱空気を触媒燃焼部6に供給して触媒燃焼部6を予熱する。触媒燃焼部6が燃料ガスであるメタノール(都市ガス、LPG、灯油などでもよい)の燃焼開始温度に達した後、燃料ガスを投入して燃料ガスの燃焼を開始する。燃料ガスの燃焼開始後は電気ヒータIを停止することが可能である。
2.水素ガスによる起動方法
水素ガスは常温から触媒燃焼が可能であるため、触媒燃焼部6に水素ガスおよび空気を常温で供給し、水素ガスの燃焼により触媒燃焼部6を予熱する。触媒燃焼部6が燃料ガスであるメタノール(都市ガス、LPG、灯油などでもよい)の燃焼開始温度に達した後、水素ガスを止め、燃料ガスおよび空気を導入して燃料ガスの燃焼を開始する。
本発明のメタノール改質装置は、従来装置に比較して、装置の簡略化、コンパクト化、熱効率の向上、熱損失の低減および低コスト化を図ることができるため、水素精製装置および燃料電池と組み合わせることにより、コンビニエンスストアやファミリーレストランの自家発電装置などの用途に用いられる。
本発明の実施例1に係るメタノール改質装置の縦断面図である。 図1のX−X断面図である。 本発明の実施例1に係るメタノール改質装置の100%負荷時の各反応部における温度分布を示すグラフである。 本発明の実施例1に係るメタノール改質装置の30%負荷時の各反応部における温度分布を示すグラフである。
符号の説明
10 メタノール改質装置
11 円筒状ケーシング
6 触媒燃焼部
1 原料加熱部
3 原料改質部
8 空気予熱部
9 断熱部
B 改質管
I 電気ヒータ
5 ガス混合拡散部
G 空気分散板
g 空気流通孔
2 上部ヘッダ
4 下部ヘッダ
7 触媒支持用充填部(触媒支持用充填材)
H メッシュ部材

Claims (12)

  1. 直立した円筒状ケーシングと、
    円筒状ケーシング内に、該円筒状ケーシングの軸線を中心として同心円状に配置され、空気と混合された燃料ガスを燃焼させる燃焼触媒が充填された燃焼触媒層からなる触媒燃焼部と、
    前記円筒状ケーシングの中心側に触媒燃焼部を上下に貫通し、前記円筒状ケーシングの軸線を中心として同心円状に配置され、原料であるメタノールと水を所定の温度に加熱する原料加熱部と、
    前記触媒燃焼部を上下に貫通して、前記原料加熱部より円筒状ケーシングの軸線を中心として同心円状の外側に配置され、前記原料加熱部によって加熱された原料ガスを改質させる改質触媒が充填された改質触媒層を有する原料改質部と、
    前記触媒燃焼部の少なくとも一部の外周に配置され、前記触媒燃焼用空気を予熱する空気予熱部とを備えたメタノール改質装置であり、
    予熱された空気と燃料ガスとを混合するガス混合拡散部を触媒燃焼部の上方に設けて、燃焼ガスが触媒燃焼部の上方より下方へ向かって供給されるようにして、触媒燃焼部の下部より上部、かつ外側より中央部を高温となるようにすると共に、
    触媒燃焼部の上部に原料改質部の入口部を配置し、かつ触媒燃焼部の下部に原料改質部の出口部を配置して、原料ガスが原料改質部を通過する際に触媒燃焼部の上方より下方へ向かって供給されるようにして、改質触媒層の上流側を高温、かつ下流側を低温となるようにすることを特徴とするメタノール改質装置。
  2. 前記円筒状ケーシングは断熱部により外周を被われた請求項1に記載のメタノール改質装置。
  3. 前記原料加熱部は螺旋状中空管からなる請求項1または請求項2に記載のメタノール改質装置。
  4. 前記原料改質部は、改質触媒がそれぞれ充填された複数の直管形状の改質管からなる請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載のメタノール改質装置。
  5. 前記空気予熱部は、前記触媒燃焼部の外周に設けられた電気ヒータを有する請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載のメタノール改質装置。
  6. 前記空気予熱部は、前記触媒燃焼部を前記電気ヒータにより起動する際、前記電気ヒータにより空気を予熱し、該予熱された空気を前記触媒燃焼部に供給して前記触媒燃焼部を加熱するものである、請求項5に記載のメタノール改質装置。
  7. 前記空気予熱部の下流部は、前記ガス混合拡散部を介して、前記触媒燃焼部と連通され、前記ガス混合拡散部の予熱された空気の流入部には、多数の空気流通孔が分散配置された空気分散板が設けられた請求項1〜請求項6のうち、何れか1項に記載のメタノール改質装置。
  8. 前記ガス混合拡散部の上部に燃料ガス供給口を設け、かつ前記ガス混合拡散部の横方向に予熱された空気の流入部を設けて、前記ガス混合拡散部において予熱された空気と燃料ガスとが混合拡散するようにした、請求項1〜請求項7のうち、何れか1項に記載のメタノール改質装置。
  9. 前記円筒ケーシング内の上部には、各改質管の原料ガスの入口側と連通された中空環状体の上部ヘッダが設けられ、前記円筒ケーシング内の下部には、各改質管の改質ガスの出口側と連通された中空円盤体の下部ヘッダが設けられ、前記円筒ケーシング内の下部には、前記原料加熱部の原料ガス供給側の端部が配置された請求項1〜請求項8のうち、何れか1項に記載のメタノール改質装置。
  10. 前記上部ヘッダは、前記ケーシングの上端板と所定の間隙を有して配置され、該ケーシングの上端板との間隙は、前記空気予熱部から排出された空気の出口流路を構成し、
    前記下部ヘッダは、前記ケーシングの下端板と所定の間隙を有して配置され、該ケーシングの下端板との間隙は、前記触媒燃焼部から排出された燃焼ガスの出口流路を構成している請求項9に記載のメタノール改質装置。
  11. 前記触媒燃焼部に充填される燃焼触媒は、前記下部ヘッダ上部に充填された触媒支持用充填材の上方に直接充填されるとともに、前記上部ヘッダより下方でかつ前記予熱された空気と燃料ガスとを拡散可能な間隙を形成する高さまで充填されている請求項9または請求項10に記載のメタノール改質装置。
  12. 請求項1〜請求項11のうち、何れか1項に記載のメタノール改質装置を用いるメタノール改質ガスの製造方法であって、
    改質触媒温度が、原料改質部の入口部で250〜350℃、原料改質部の出口部で180〜250℃とする、メタノール改質ガスの製造方法。
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