JP2002025597A - 燃料電池用の改質装置とその運転方法 - Google Patents

燃料電池用の改質装置とその運転方法

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JP2002025597A
JP2002025597A JP2000211884A JP2000211884A JP2002025597A JP 2002025597 A JP2002025597 A JP 2002025597A JP 2000211884 A JP2000211884 A JP 2000211884A JP 2000211884 A JP2000211884 A JP 2000211884A JP 2002025597 A JP2002025597 A JP 2002025597A
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catalyst layer
temperature
reformer
gas
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JP2000211884A
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Noriyuki Imada
典幸 今田
Hiroyuki Kako
宏行 加来
Tetsuro Okano
哲朗 岡野
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速な起動と定常時の安定運転が可能で、か
つ、触媒の温度を耐熱温度である1000℃以下に保
ち、かつ、低圧力損失であり、安価なファンの使用が可
能な改質器構造を実現することにある。 【解決手段】 改質装置の起動時において火炎を形成す
ることが可能な燃料投入器19を設けて起動時において
燃料投入器部分で燃焼反応を継続することが可能とな
り、燃焼反応熱を利用して燃焼触媒層22、改質触媒層
11を所定温度に昇温することが可能となる。特に、燃
料投入器19から投入する燃料と空気噴出孔20から投
入する空気との比を、理論空気量の2倍から2.5倍に
することで、燃焼ガスの温度は950〜1000℃に調
整でき、触媒性能が低下することを防止できる。また、
燃焼触媒層22及び改質触媒層11にハニカム状に成形
した触媒を使用することで、燃焼ガスあるいは改質ガス
は整流されたハニカムの内部を流れることとなり、圧力
損失を小さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素燃料と水蒸気
とから水素を製造する装置に関し、特に炭素系燃料の一
部を酸素と混合して燃焼させ、その反応熱を利用して炭
素系燃料と水蒸気とを反応させる水素製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】炭素系燃料と水蒸気とから水素を製造す
る従来の装置の概観を図3に示す。図3はメタン1を燃
料として水素を製造し、その水素を固体高分子型燃料電
池(PEFC)10に投入して電気を発生するシステム
を示している。
【0003】このシステムは、改質器6とCOコンバー
タ8とCO除去器9と燃料電池10などから構成されて
いる。まず、改質器6ではメタンと空気と水蒸気とを投
入し、以下の反応により、水素を発生させる。 CH+2O → CO+2HO (1) CH+HO ←→ CO+3H (2) CO+HO ←→ CO+H (3) ここで、(2)式と(3)式の反応が水素を発生する反
応であるが、この反応は650℃以上で進行する反応で
あり、また吸熱反応であるために、連続的な熱の供給が
必要となる。そのために、少量の空気2(酸素)を改質
器6に投入し、供給燃料であるメタン1の一部を燃焼さ
せている。この反応が(1)式であり、本手法は部分酸
化法と呼ばれる方法である。
【0004】次に、COコンバータ8では(3)式の反
応を選択的に進める触媒を用いて、COとHOからH
に変換し、CO濃度を1%以下にしている。そして、
COコンバータ8ではCOだけを選択的に酸化する触媒
を用いて、CO濃度を数十ppmまでに低減し、燃料電
池10に送り発電を行う。
【0005】このような燃料電池用水素製造装置に用い
られる改質器6の構造として、WO98/08771号
公報や特表平10−502047号公報記載の発明が提
案されている。これらの発明に記載された装置の構造を
図7、図8に示す。
【0006】図7に示す改質器6は、その下部領域に燃
料と空気と水蒸気をあらかじめ混合して投入する投入口
があり、その上部には気相反応を行う空間部6a(部分
酸化領域)と改質触媒層11からなる改質触媒部6bで
構成されている。あらかじめ混合した水蒸気と空気と燃
料を空間部6aに投入し、空間部6aで(1)式と
(2)式の反応が同時に進行する部分酸化反応を発生さ
せ、その熱を使って、上部の改質触媒部6bで改質反応
を促進する方式である。
【0007】図8に示す改質器6は、その中央部に燃料
であるメタン、空気及び蒸気を導入して混合した混合ガ
スを噴出する噴出口6cを設け、その噴出口6cの周囲
に多孔質体に燃焼触媒を担持させた多孔式燃焼触媒層1
8を設け、さらに、改質器6の内部に設置した粒子状の
改質触媒層11から構成されている。噴出口6cから噴
出した混合ガスは、多孔式燃焼触媒層18の表面で部分
燃焼((1)式と(2)式の同時反応)して高温ガスと
なり、この高温ガスの熱を利用して、改質触媒が充填さ
れている触媒層11からなる改質反応部で(1)式の水
蒸気改質反応を促進して水素ガスを発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、改質
器6の起動時に関する考慮がされておらず、改質器6が
所定量と所定濃度の水素を発生できるようになるまでの
時間が長いという問題、また、起動時において改質器6
の内部が高温となり、改質触媒の性能を劣化させるとい
う問題があった。
【0009】例えば、図7に示す方式の場合、燃料と空
気とを部分酸化領域6aで予め混合し、改質反応部であ
る改質触媒部6bに投入して、部分酸化反応を促進する
ためには、燃料と空気との混合比を量論比で0.7〜
1.3程度にする必要がある。その際、反応ガス温度は
1100〜1300℃と非常に高温となる。一般に改質
触媒に用いられるNi系あるいはRu系触媒の耐熱温度
は1000℃程度であり、これ以上の温度にさらされる
とシンタリングと呼ばれる触媒金属の部分溶融により、
性能が劣化してしまう。
【0010】また、改質反応部を形成する構造材料を高
温に耐え得る材質を用いる必要があり、装置が高価にな
ってしまうといった問題がある。
【0011】また、起動時には部分酸化領域または部分
燃焼が行われる領域で生成した高温ガスにより、改質触
媒の温度を所定値まで昇温するが、改質触媒層11を形
成している触媒粒子の熱容量が大きいために、改質触媒
層11の温度を上げるのに時間がかかってしまうという
問題もある。
【0012】また、改質器6の定常時には、空気量が燃
料に対して、非常に少なく(空気比で0.3)、かつ水
蒸気を多量(燃料の3倍)に投入する。そのため、従来
のバーナでは、保炎することができない。そこで、燃焼
触媒を使用するが、この触媒は400℃ 以上にならな
いと機能しないので、起動時は何らかの手段で昇温する
必要があり、そのために起動時には保炎できるバーナが
必要となる。ただし、触媒の耐熱性の問題で、1000
℃ 以下にする必要がある。
【0013】さらに、従来技術において、触媒粒子中を
反応ガスが通過する際に、多大な圧力損失が生じるため
に、高性能なブロアが必要となる。例えば、従来構造に
おいて、改質器6内で発生する圧力損失は約400mm
Aqであり、そのために必要な電力消費量は30Wであ
る。
【0014】本発明の課題は、高速な起動と定常時の安
定運転が可能で、かつ、触媒の温度を耐熱温度以下に保
ち、かつ、低圧力損失であり、安価なファンの使用が可
能な改質器構造を実現することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、炭
化水素系燃料と酸化剤と水蒸気とを原料として、炭化水
素系燃料から改質反応により水素ガスを生成する燃料電
池用改質装置において、起動時に火炎を形成することが
可能な燃料投入器と、該燃料投入器の後流側に設けたハ
ニカム状に成形した燃焼触媒層と、該燃焼触媒層の後流
側に設けたハニカム状に成形した改質触媒層と、燃料投
入器と燃焼触媒層の間に設けた第一ガス混合器(混合促
進材)と、燃焼触媒層と改質触媒層との間に設けた第二
ガス混合器(混合促進材)とを設けた燃料電池用の改質
装置により解決される。
【0016】また、上記構成において、起動時に改質触
媒層に、燃料投入器から投入する燃料と空気噴出孔から
投入する空気との割合を、理論空気量の2.0〜2.5
倍とすることで、触媒温度を耐熱温度(1000℃)以
下に保ち、かつ、高速に燃焼触媒及び改質触媒を所定温
度に迅速に昇温することが可能となる。
【0017】さらに、改質触媒層出口ガス温度を測定す
る測定器と、測定器の温度に基づいて空気、燃料量を調
整する制御器を設けることによって、さらに安定した高
速起動が可能となる。
【0018】本発明には前記改質装置と該改質装置で得
られた水素含有ガスを燃料として発電する燃料電池を備
えた燃料電池システムも含まれる。
【0019】
【作用】本発明の改質装置の起動時において火炎を形成
することが可能な燃料投入器を設けることで、起動時に
おいて燃料投入器部分で燃焼反応を継続することが可能
となり、燃焼反応熱を利用して燃焼触媒、改質触媒を所
定温度に昇温することができる。特に、燃料投入器から
投入する燃料と空気噴出孔から投入する空気との比を、
理論空気量の2倍から2.5倍にすることで、燃焼ガス
の温度は950〜1000℃となる。そのために、燃焼
触媒入口部のガス温度は、950〜1000℃以上にな
ることはなく、触媒性能が低下することを防止できる。
【0020】また、燃焼触媒及び改質触媒としてハニカ
ム状に成形した触媒を使用することで、燃焼ガスあるい
は改質ガスは整流されたハニカムの内部を流れることと
なり、粒子状の触媒の場合のように触媒粒子がガスの流
れを妨げることがなく、圧力損失を小さくすることがで
きる。また、球状に比べて、ハニカム形状は幾何学的な
表面積が広く、同一体積に充填した場合の触媒性能も向
上するという利点も有している。
【0021】さらに、球に比べて、ハニカムは同一体積
当たりの熱容量が小さくなるので、同じ熱量を加えて
も、短時間で燃焼触媒層及び改質触媒層を所定温度に昇
温することが可能となる。
【0022】また、改質触媒層出口にガス温度測定手段
を設け、この温度が所定温度になるまで、起動操作(燃
料投入器から燃料を、空気噴出孔から空気を量論空気量
の2〜2.5倍の比となるように投入し、約950〜1
000℃の燃焼ガスを発生させ、燃焼触媒層及び改質触
媒層を昇温させる操作)を継続し、この温度測定値が所
定温度になると、直ちに定常運転操作(空気噴出孔から
投入する空気量の約3倍の燃料を燃料投入器から投入
し、かつ、燃料量の約3倍の水蒸気を投入する操作)に
移行することで、改質反応装置の起動から、所定量の水
素を発生できるようになるまでの操作時間を短くするこ
とが可能となる。
【0023】ハニカム状に成形した燃焼触媒層あるいは
改質触媒層を用いることで、各触媒層入口で流入ガスの
混合不足や偏流が生じた場合に、触媒層の内部はその偏
りがそのまま残ってしまい、燃焼触媒層では部分酸化反
応の偏り、あるいは改質触媒層での改質反応の偏りが発
生し、触媒層の内部で温度やガス濃度が不均一になる原
因となる。そのために、燃焼触媒層の入口部あるいは改
質触媒層の入口部に混合板あるいは混合器を設ける構成
としている。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面と共に
説明する。図1に示す本発明の実施の形態の改質器6は
図3に示す燃料電池システムの改質器6として用いられ
る。図1に示す改質器6は、図3の出力3kWの固体高
分子型燃料電池10の燃料供給用水素製造装置の一部に
設けられている。本実施の形態では燃料電池10で電気
を発生するための燃料として都市ガス(主成分メタン)
を使用した例を示しているが、他の炭化水素系燃料の場
合も同様の効果がある。
【0025】3kWの電気を発電するために、燃料とし
ての1.2mN/hのメタン、酸化剤としての4.0
N/hの空気をそれぞれファン1、2で改質器6の
反応管26に投入し、また、6.0mN/hの水蒸気
を改質器6に投入し、約3.0mN/hの水素を発生
する仕様となっている。
【0026】改質器6で改質された改質ガスは熱交換器
7で200℃程度に温度が下げられ、COコンバータ8
に送られる。COコンバータ8では(3)式の反応によ
り、COとHOから、HとCOが生成する。そし
て、COコンバータ8の後流に設置したCO除去器9で
微量のCOをほぼ除去した後、燃料電池10に送られ
る。
【0027】ここで、改質器6は、その反応管26で起
動時において火炎を形成できる燃料投入器19と、空気
と蒸気を改質器6に投入する空気噴出孔20と、燃料投
入器19から投入された燃料と空気噴出孔20から投入
された空気と蒸気との混合を促進するための第一ガス混
合器21とハニカム状に成形した燃焼触媒層22と燃焼
ガスを混合するための第二ガス混合器23とハニカム状
に成形した改質触媒層11と改質触媒層11の後流に設
置した温度計24と温度計24で測定したガス温度に基
づき燃料投入量、空気投入量及び蒸気投入量を調整する
制御器25などから構成されている。
【0028】改質器6の反応管26の内径は80mm、
長さは200mmである。燃料投入器19は図2に示す
ような環状構造を有しており、空気比が2.0〜2.5
の状態において火炎が形成できるように、燃料噴出孔1
9aから燃料吹き出し速度が約0.5m/sになるよう
に孔径及び孔の数を決めている。また、下方から投入さ
れる空気によって、火炎が吹き消されることが無いよう
に、噴出孔19aの周囲に流れの停滞部が形成されるよ
うに保炎器を設けている。
【0029】空気噴出孔20は、空気が反応管26の内
部を均一に流れるように、多孔板構造としている。第一
ガス混合器21は、直径3mmのセラミック製ボールを
10mmの厚さとなるように設置し、下方から投入した
空気(定常時は空気と蒸気)と燃料が十分に混合できる
構造としている。
【0030】燃焼触媒層22は、セラミック製のハニカ
ム(1インチ平方あたりに400個のセルがあるもの)
にパラジウム(Pd)触媒を担持した長さ40mmの触
媒体を設置している。第二ガス混合器23は、第一ガス
混合器21と同様の構造である。
【0031】改質触媒層11は、燃焼触媒層22と同様
の400セルのハニカムにニッケル(Ni)触媒を担持
したものを100mmの長さに加工し、設置している。
【0032】温度計24は、熱電対を磁製管で覆ったも
のを反応管26の中心部に設置している。制御器25
は、上記温度計24の信号を取り込み、その計測値が6
50℃以下の場合は、空気投入量を4.0mN/h、
メタン投入量を0.2mN/h、蒸気量0.0m
/hとなるように制御し、計測値が650℃以上の場合
は、空気投入量を4.0mN/h、メタン投入量を
1.2mN/h、水蒸気量を6.0mN/hとなる
ように制御している。
【0033】以下に改質器6の起動手順を示す。まず、
起動開始時には、空気噴出孔20から4.0mN/h
の空気が投入され、同時に燃料投入器19から0.2m
N/hのメタンが改質器6の反応管26に投入され、
図示しない点火器によって着火する。このとき、燃料投
入孔19aから投入されたメタンは、燃料投入器19の
上流から投入された空気と混合され、いわゆる拡散混合
火炎を形成する。燃焼ガスと余剰の空気は、さらに、第
一ガス混合器21で混合が促進され、約950℃の燃焼
ガスとなる。
【0034】ここで、燃料投入器19における空気比と
ガス温度との関係を表1に示す。
【0035】
【表1】 表1は各空気比において、燃焼反応によって発生した熱
量がすべて混合ガスの昇温に使用されるとして計算した
ガス温度(断熱火炎温度)を示している。実際には、発
生した熱が反応管や触媒の昇温に使用されるため、これ
より低い温度となる。この結果より、空気比を2〜2.
5に設定することで、ガス温度は950℃になることが
分かる。
【0036】燃焼ガスは、まず、燃焼触媒層22及び改
質触媒層11を通過し、それぞれを加熱する。各触媒層
22、11内での触媒昇温の様子を図4に示す。図4は
改質触媒層11の出口部に設置している温度計24の計
測値を起動開始からプロットしたものである。起動開始
から徐々にガス温度が高くなり、所定時間(15)分後
に650℃に達していることが分かる。比較のために、
従来技術で使用されてきた粒状触媒を同じ体積だけ充填
した場合の、昇温の様子を図4中に破線で示すが、65
0℃になるまでに倍以上の時間がかかっていることが分
かる。これは、粒状触媒は充填率が高く熱容量が0.5
63kJ/℃であるのに対し、ハニカム構造では充填率
が低く熱容量も0.248kJ/℃と小さいためであ
る。
【0037】改質触媒層11の出口温度が650℃とな
ると、燃料投入器19から投入するメタン量を1.2m
N/h、空気噴出孔20から投入する空気量は起動時
と同じ4.0mN/hとし、蒸気量を6.0mN/
hとする。ここで、起動モードから、水素製造モードへ
の変換点を改質触媒出口のガス温度で650℃としてい
るのは以下の理由に基づいている。
【0038】図5に改質触媒層11のガス温度と触媒層
出口部の水素発生量との関係を示す。水素発生量は50
0℃近傍から急激に増加し、650℃以上ではほぼ変化
しなくなることが分かる。これは、(2)式の水蒸気改
質反応がこのような性質を持っているためである。ま
た、本実施の形態で採用したPd系燃焼触媒は触媒温度
を400℃以上に設定すれば、燃料であるメタンの燃焼
反応が進行するので触媒全体の温度が650℃以上にな
っていれば、燃焼反応、改質反応の両方が進行できる。
このような理由により、改質触媒層11出口のガス温度
が650℃になっているかどうかを計測し、起動モード
から水素発生モードへの変換点としている。
【0039】燃料投入器19から投入された1.2m
N/hのメタン1と、空気噴出孔20から投入された空
気2(4.0mN/h)と蒸気3(6.0mN/
h)は、水蒸気濃度が高く、また、空気量が少ないため
に燃料投入器19部分では、安定した燃焼(火炎の形
成)が維持できない。しかし、第一ガス混合器21で混
合した後、燃焼触媒層22は、400℃以上に昇温され
ているので、燃焼反応が促進される。すなわち、空気噴
出孔20から投入した空気中の酸素と燃料投入器19か
ら投入したメタンの一部が燃焼し、熱を発生する。発生
した熱は反応ガス全体を加熱し、約950℃となる。
【0040】つぎに、高温の反応ガスは第二ガス混合器
23で混合された後、改質触媒層11に流入する。改質
触媒層11では(2)式の水蒸気改質反応が進行し、水
素が発生する。このとき、(2)式の反応は吸熱反応で
あるので、ガス温度は反応が進行すると同時に下がって
いき、反応器出口部で約650℃程度となるように設計
している。
【0041】従来の粒状触媒構造では、改質器6内の圧
力損失が400mmAqもあったために、燃料と空気を
供給する各ファン1、2の消費電力はそれぞれ30W必
要であった。これに対し、本実施の形態では、改質器6
内にハニカム状に成形した改質触媒層11、燃焼触媒層
22を設置することで、改質器6内の圧力損失を100
mmAqと大幅に低減することができた。このため、フ
ァン1、2の消費電力はそれぞれ10Wと少なくなり、
ランニングコストを大幅に低減することができた。
【0042】本発明の上記実施の形態では、メタンを燃
料とした場合について記載したが、燃料がプロパン、ブ
タンなどの他の気体燃料、あるいはメタノールなどの液
体燃料の場合であっても、使用する触媒の種類や、設定
温度などが燃料種によって変わってくるが、基本的な効
果は本発明と同等の効果がある。
【0043】また、図6に示すようなフラットフレーム
状のバーナ27などを使用しても本発明と同等の効果が
ある。なお、図6に示す改質器6のその他の構成は図1
に示すものと同一であるので、説明は省略する。
【0044】また、図1に示す実施の形態では、燃焼触
媒層22としてPd系触媒を使用した例を示している
が、Pt、Cu-Zn系など他の貴金属を利用する場合
においても同等の効果がある。さらに、図1に示す実施
の形態では、改質触媒層11としてNi系触媒を使用し
た例を示したが、Rh、Ru、Pt等を使用した触媒に
おいても同等の効果がある。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、起動時において安定し
た燃焼反応を維持することが可能となり、起動に要する
時間を短くすると同時に、燃焼触媒部分を常に耐熱温度
以下に保つことができるので、燃焼触媒の耐久性を向上
することができる。
【0046】また、起動時における反応管内の最高温度
を低く押さえることができるので、反応管の材質を安価
なものにする事が可能となる。
【0047】さらに、反応管内の圧力損失が小さくなる
ことから、安価なファンの使用が可能となり、装置全体
の初期費用、ならびにランニングコストを低減すること
ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態になる改質器の構造を示
す。
【図2】 図1の改質器のバーナ構造を示す。
【図3】 燃料電池全体のシステム構造を示す。
【図4】 本発明の実施の形態になる改質器出口ガス温
度の温度トレンドを従来技術と比較して示す。
【図5】 本発明の実施の形態になる改質器出口ガス温
度と水素発生量との関係を示す。
【図6】 本発明の実施の形態になる改質器の構造を示
す。
【図7】 従来技術の改質器の構造を示す。
【図8】 従来技術の改質器の構造を示す。
【符号の説明】
1、2、3 ファン 6 改質器 6a 空間部 6b 改質触媒部 6c 噴出口 7 熱交換器 8 COコンバータ 9 CO除去器 10 固体高分子型燃料電池 11 改質触媒層 18 多孔質燃焼触媒層 19 燃料投入器 19a 燃料噴出孔 20 空気噴出孔 21 第一ガス混合器 22 燃焼触媒層 23 第二ガス混合器 24 温度計 25 制御器 26 改質器反応管 27 フラットフレーム状バーナ
フロントページの続き (72)発明者 岡野 哲朗 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉事業所内 Fターム(参考) 4G040 EA03 EA06 EB03 EB16 EB18 EB23 EB42 EB43 5H027 AA06 BA01 BA17 KK42 MM13 MM14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系燃料と酸化剤と水蒸気とを原
    料として、炭化水素系燃料から改質反応により水素ガス
    を生成する燃料電池用改質装置において、 起動時に火炎を形成することが可能な燃料投入器と、該
    燃料投入器の後流側に設けたハニカム状に成形した燃焼
    触媒層と、該燃焼触媒層の後流側に設けたハニカム状に
    成形した改質触媒層と、燃料投入器と燃焼触媒層の間に
    設けた第一ガス混合器と、燃焼触媒層と改質触媒層との
    間に設けた第二ガス混合器とを設けたことを特徴とする
    燃料電池用の改質装置。
  2. 【請求項2】 燃料投入器への燃料投入量調整手段と燃
    料投入器近傍への酸化剤投入量調整手段と水蒸気投入量
    調整手段とを設け、さらに改質触媒層出口に生成ガスの
    温度測定用の温度計測手段を設け、該温度計測手段の生
    成ガスの温度測定値に応じて燃料投入量調整手段と酸化
    剤投入量調整手段と水蒸気投入量調整手段を制御する制
    御装置を設けたことを特徴とする燃料電池用の改質装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の改質装置と該改質装置で
    得られた水素含有ガスを燃料として発電する燃料電池を
    備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の燃料電池用の改質装置の
    起動時には、燃料に対する空気の割合を理論空気量の2
    倍から2.5倍とすることを特徴とする燃料電池用の改
    質装置の運転方法。
  5. 【請求項5】 改質触媒層出口の生成ガスの温度測定値
    が所定温度になるまでは、燃料に対する空気の割合を理
    論空気量の2倍から2.5倍とし、上記温度が所定温度
    以上の場合は、燃料と空気の割合を1:3〜1:4、燃
    料と水蒸気との割合を1:2〜1:3とすることを特徴
    とする請求項4記載の燃料電池用の改質装置の運転方
    法。
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