JP4998374B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関によって駆動される車両の制御装置に関し、特に、機関パラメータと機関トルクとの関係を表した統計モデルを用いて内燃機関のアクチュエータの制御量を設定する制御装置に関する。
内燃機関が出力する機関トルクは、機関回転数、負荷、点火時期及び空燃比といった複数の機関パラメータによって決定される。これらの機関パラメータは点火装置、燃料噴射装置及びスロットル等のアクチュエータを操作することで調整することができる。このとき、機関パラメータと機関トルクとの関係が予め分かっていれば、その関係に基づいてアクチュエータの制御量を設定することができる。
機関パラメータと機関トルクとの関係は、実際に内燃機関を試験運転してデータを収集し、そのデータを統計的に解析することでモデル化することができる。このような統計モデルを用いる場合には、実際の機関パラメータと機関トルクとの関係をアクチュエータの制御量を設定に正確に反映させることができ、高い精度でのトルク制御が可能になる。
ただし、統計モデルを用いることができるのは、内燃機関が統計モデルの基礎となったデータ範囲の内側となる運転領域で運転されている場合である。統計モデルが運転領域の全域をカバーしていればよいが、実際には運転領域の全てをカバーすることは難しい。例えば、機関パラメータの1つである点火時期の場合、点火時期を遅角すると排気温度が上昇し、また、トルク変動が大きくなる。このため、ベンチでの試験運転では点火時期の遅角量に制限が設けられている。また、統計モデルのデータ範囲を広げると適合に要する工数が増大することになる。さらに、機関パラメータと機関トルクとの関係を関数式で近似する場合、統計モデルのデータ範囲が広がると関数式の次数も大きくなり、結果、制御装置に搭載されるCPUの負担が大きくなってしまう。
そこで用いられるのが統計モデルの外挿である。統計モデルを外挿することで、データ範囲の外側における機関パラメータと機関トルクとの関係を予測することができる。つまり、内燃機関が統計モデルのデータ範囲の外側となる運転領域で運転されている場合であっても、統計モデルを外挿することで機関パラメータと機関トルクとの関係を得ることができ、それに基づいてアクチュエータの制御量を設定することができる。
このような制御データの外挿に関する技術は、例えば、特開平7−71356号公報に記載されている。特開平7−71356号公報に記載された内燃機関の制御装置は、機関回転数と負荷とをパラメータとするマップを参照して点火時期を設定する場合に、所定の領域については外挿によって点火時期を求めるようにしている。
特開平7−71356号公報
しかしながら、統計モデルはその基礎となったデータ範囲の内側については信頼性が高いものの、それを外挿して得られた結果の信頼性は必ずしも高くはない。機関パラメータと機関トルクとの実際の関係と外挿により得られた関係との間に大きなずれが生じる可能性もある。そのような場合にはアクチュエータの制御量を適切に設定することができず、機関トルクの制御精度が低下してしまう。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、車両を駆動する内燃機関の機関トルクを高い精度で制御することのできる車両の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関によって駆動される車両の制御装置において、
前記内燃機関の機関パラメータを変化させるアクチュエータと、
機関パラメータと機関トルクとの関係を表す統計モデルを記憶した記憶手段と、
前記内燃機関が前記統計モデルの基礎となったデータ範囲の内側となる運転領域で運転されるのか、或いは、前記データ範囲の外側となる運転領域で運転されるのかを判定する判定手段と、
前記内燃機関が前記データ範囲の内側となる運転領域で運転される場合に、前記統計モデルに基づいて前記アクチュエータの制御量を設定する第1の制御量設定手段と、
前記内燃機関が前記データ範囲の外側となる運転領域で運転される場合に、前記統計モデルを外挿して得られた機関パラメータと機関トルクとの関係を表す一次関数式に基づいて前記アクチュエータの制御量を設定する第2の制御量設定手段と、
前記車両の制御状態に関する物理量であって、前記内燃機関から実際に出力される機関トルクが影響する物理量を計測する計測手段と、
前記内燃機関が前記データ範囲の外側となる運転領域で運転されている場合に、前記物理量の計測値と適正な機関トルクが出力された場合に相当する基準値とを比較し、前記計測値が前記基準値から乖離しているときには、その乖離が縮小する方向に前記一次関数式を補正する補正手段と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記補正手段は、前記計測値と前記基準値との乖離の程度に基づいて前記一次関数式を補正することを特徴としている。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記内燃機関が前記データ範囲の内側となる運転領域で運転されている場合に、前記物理量の計測値と適正な機関トルクが出力された場合に相当する基準値とを比較し、前記計測値が前記基準値から乖離しているときには、その乖離の程度に基づいて前記統計モデルを学習補正する統計モデル学習補正手段、
をさらに備えることを特徴としている。
第4の発明は、第3の発明において、
前記統計モデル学習補正手段は、前記計測値と前記基準値との乖離が生じた頻度、或いは、前記計測値と前記基準値との乖離が生じている時間に基づいて前記統計モデルを学習補正することを特徴としている。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、
前記計測手段は、車両に作用する加速度を計測することを特徴としている。
第6の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、
前記計測手段は、機関回転数の変化量を計測することを特徴としている。
第1の発明では、内燃機関が統計モデルの基礎となったデータ範囲の外側となる運転領域で運転されている場合には、内燃機関から実際に出力された機関トルクが影響する物理量が計測され、その計測値と適正な機関トルクが出力された場合に相当する基準値とが比較される。そして、計測値が基準値から乖離しているときには、その乖離が縮小する方向に外挿による機関パラメータと機関トルクとの関係を表す一次関数式が補正される。つまり、第1の発明によれば、統計モデルのデータ範囲の外側となる運転領域では、統計モデルを外挿して得られた結果がアクチュエータの制御量の設定にフィードバックされる。これによれば、実際の機関パラメータと機関トルクとの関係に沿ってアクチュエータの制御量を適切に設定することが可能となるので、機関トルクの制御精度を向上させることができる。
第2の発明によれば、計測値と基準値との乖離の程度に基づいて外挿による機関パラメータとトルクとの関係を表す一次関数式が補正されるので、統計モデルを外挿して得られた結果をアクチュエータの制御量の設定により正確にフィードバックすることができる。つまり、機関トルクの制御精度をより向上させることができる。

第3の発明では、内燃機関が統計モデルの基礎となったデータ範囲の内側となる運転領域で運転されている場合にも、実際に出力された機関トルクが影響する物理量の計測値と適正な機関トルクが出力された場合に相当する基準値とが比較される。そして、計測値が基準値から乖離しているときには、その乖離の程度に基づいて統計モデルが学習補正される。つまり、第2の発明によれば、統計モデルのデータ範囲の内側となる運転領域では、統計モデルで得られた結果が統計モデルにフィードバックされる。これによれば、実際の機関パラメータと機関トルクとの関係に対する統計モデルの精度を高めることができ、機関トルクの制御精度をさらに向上させることができる。
第4の発明によれば、実際に出力された機関トルクが影響する物理量の計測値と基準値との乖離が生じた頻度や、計測値と基準値との乖離が生じている時間を条件として統計モデルの学習補正が行われるので、統計モデルが頻繁に学習補正される事態を防止することができる。
第5の発明によれば、車両に作用する加速度から適正な機関トルクが出力されたかどうかを判断することができる。実際に出力された機関トルクと適正な機関トルクとの乖離が大きいほど、基準となる加速度に対する計測値の偏差も大きくなる。
第6の発明によれば、機関回転数の変化量から適正な機関トルクが出力されたかどうかを判断することができる。実際に出力された機関トルクと適正な機関トルクとの乖離が大きいほど、基準となる機関回転数に対する計測値の偏差も大きくなる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本実施の形態の制御装置は、内燃機関によって駆動される車両の制御装置であって、アクチュエータの操作を介して内燃機関の機関トルクを制御する。本実施の形態の制御装置は、機関トルクの増減に寄与する機関パラメータを変化させる全てのアクチュエータを制御対象としている。具体的には、点火装置、スロットル、燃料噴射装置及びバルブタイミング可変装置等のアクチュエータが制御対象とされている。
本実施の形態の制御装置は、上記の各アクチュエータの制御量を機関トルクと機関パラメータとの関係に基づいて決定する。機関トルクと機関パラメータとの関係に関するデータを内燃機関の試験運転によって収集し、それらデータを統計的に解析したものが統計モデルである。図1には統計モデルの視覚的イメージを示している。データ収集のために試験運転が行われた運転領域が統計モデルのデータ範囲となる。なお、図1では統計モデルを3次元で示しているが、実際には機関パラメータの数に応じた多次元モデルとなる。
統計モデルは関数式で表すことができる。内燃機関の機関トルクと機関パラメータとの関係を表す統計モデルの場合、図2に示すように、機関トルク(TRQ)を機関回転数(Ne)、吸入空気量(KL)、点火時期(SA)、空燃比(A/F)、バルブタイミング(VVT)といった機関パラメータの多項式で表すことができる。この関数式の変数TRQに機関トルクの目標値(以下、目標トルク)を代入すれば、目標トルクを実現するための各機関パラメータの関係を求めることができる。なお、図2に示す関数式は一次の項のみが記載されているが、関数式には二次の項やより高次の項が含まれていてもよい。関数式内のa1,b1,c1,d1,e1は係数である。これらの係数の値は実測データに対するフィッティングによって決定される。本実施の形態の制御装置は、このような統計モデルを使用して各アクチュエータの制御量を決定する。
図3は本実施の形態の制御装置の構成を示すブロック図である。前述のように、本実施の形態の制御装置は機関パラメータを変化させる全てのアクチュエータを制御対象としているが、図3ではそれらアクチュエータを代表して点火装置6の制御に関連する部分についてのみ示している。
本実施の形態の制御装置は点火時期制御に係る計算要素として点火時期設定部2を備えている。点火時期設定部2には内燃機関の目標トルクが入力される。また、点火時期設定部2には機関パラメータであるNe、KL、A/F及びVVTの各値が入力される。点火時期設定部2はこれら入力情報に基づいて目標トルクを実現するための点火時期を設定する。ここで設定される点火時期はアクチュエータである点火装置6の制御量に相当する。点火時期設定部2は設定した点火時期を点火装置6にセットする。
点火時期設定部2は点火時期の設定に統計モデルを使用する。統計モデルは実測データのマップの形式で、或いは、実測データから得られた関数の形で制御装置の統計モデル記憶部4に記憶されている。点火時期設定部2は入力された目標トルクとNe、KL、A/F及びVVTの各値を統計モデルに当てはめて点火時期を算出する。
統計モデルを用いて点火時期を算出する方法について図4を用いて説明する。図4にはNe、KL、SA、A/F及びVVTの各値が固定されたときの機関トルクと点火時期との関係を示している。図4中の黒丸印は試験運転で得られた実測データである。ここで、ある目標トルクtrq1が設定されたとする。図4に示す統計モデルではこの目標トルクtrq1に直接対応する実測データはないが、この目標トルクtrq1は統計モデルのデータ範囲の内側に入っている。統計モデルのデータ範囲内であれば、実測データに基づく内挿によって機関トルクと点火時期との関係を得ることができる。具体的には、実測データから得られる関数式に目標トルクを代入することで、それを実現するための点火時期を算出することができる。図4中の実線は実測データから得られた関係式を示している。この関数式において目標トルクtrq1に対応する点火時期はsa1となる。
一方、設定された目標トルクがtrq2の場合は、この目標トルクtrq2は統計モデルのデータ範囲の外側となる。統計モデルのデータ範囲の外側であっても、実測データに基づく外挿によって機関トルクと点火時期との関係を得ることができる。具体的には、統計モデルの境界点を通り、且つその境界点における関数式の傾きをその傾きとする一次関数式に目標トルクを代入することで、それを実現するための点火時期を算出することができる。図4中に破線で示す一次関数式において目標トルクtrq2に対応する点火時期はsa2となる。
ところが、統計モデルはそのデータ範囲の内側については信頼性が高いものの、それを外挿して得られた結果の信頼性は必ずしも高くはない。統計モデルのデータ範囲外、すなわち、外挿領域での機関トルクと点火時期との関係は、実際には図4中に一点鎖線で示すような関係になっていることも考えられる。この場合、点火時期をsa2に設定することで実現される実際の機関トルクはtrq3であり、目標トルクであるtrq2との間には大きなずれが生じてしまう。
そこで、本実施の形態の制御装置は、内燃機関が外挿領域で運転されているときに目標トルクと実際の機関トルクとが乖離していることが判明した場合には、外挿で得られた機関トルクと点火時期との関係を補正するようにした。本実施の形態ではそのような補正の方法として、前記の一次関数式における機関トルクの値に補正係数を掛ける方法を採った。図5は補正係数と点火時期との関係について示す図である。図5に示すように補正係数は内挿領域では1とされ、内挿領域での機関トルクと点火時期との関係に影響を与えないように設定されている。補正係数が1以外の値に設定されるのは外挿領域であり、その値は点火時期毎に設定できるようになっている。なお、点火時期に関しては外挿領域は遅角側と進角側とがあるが、進角側の外挿領域では補正係数は1に固定される。現実には点火時期がMBTよりも進角されることはないためである。
外挿領域で設定される補正係数の値は、目標トルクと実際の機関トルクとの乖離の程度に応じて決定される。実際の機関トルクはトルクセンサによって直接的に計測することも可能であるが、車両の制御状態に関する物理量のうち実際の機関トルクが影響する何らかの物理量を指標として用いることもできる。例えば、車両に作用する加速度には実際の機関トルクが影響している。目標トルクと実際の機関トルクとの乖離が大きいほど、車両に作用するトルクショックは大きくなりその程度は車両に作用する加速度に現われる。このような物理量をセンサによって計測し、その計測値と目標トルクが実現されている場合に相当する基準値との偏差を計算することで、目標トルクと実際の機関トルクとの乖離の程度を数値で把握することができる。本実施の形態では前記の偏差がゼロのときの補正係数を1とし、偏差の大きさに応じて補正係数を1よりも大きい値、或いは、1よりも小さい値に設定する。
また、信頼性が高いとされる統計モデルのデータ範囲の内側に関しても、内燃機関の個体差や経時変化によっては、その信頼性が低下する場合がある。このような場合には、統計モデルで得られた機関トルクと点火時期との関係に基づいて点火時期を制御しているにも関わらず目標トルクを実現できなくなってしまう。
そこで、本実施の形態の制御装置は、統計モデル自体に精度の低下があることが判明した場合には、統計モデル全体を学習補正するようにした。本実施の形態では統計モデル全体を学習補正する方法として、統計モデルの関数式の右辺若しくは左辺に補正係数を掛ける方法を採った。或いは、関数式の機関トルク(TRQ)の項、若しくは、点火時期(SA)の項といった特定項にのみ補正係数を掛けるのでもよい。この補正係数は点火時期によらず一定値に設定される。以下、外挿領域での機関トルクと点火時期との関係を補正するための補正係数を第1補正係数と表記し、統計モデル全体を学習補正するための補正係数を第2補正係数と表記して両者を区別する。
統計モデル全体を学習補正するための第2補正係数の値は、目標トルクと実際の機関トルクとの乖離の程度に応じて決定される。ただし、統計モデル全体の学習補正が頻繁に行われると制御装置のCPUに負荷を与えるので、学習補正は目標トルクと実際の機関トルクとの乖離が所定回数を超えて継続することを条件として実行される。或いは、所定時間を越えて継続することを条件としてもよい。目標トルクと実際の機関トルクとの乖離の程度は、車両に作用する加速度や機関回転数の変化量を計測し、その計測値と目標トルクが実現されている場合に相当する基準値との偏差によって数値化することができる。本実施の形態では前記の偏差がゼロのときの第2補正係数を1とし、偏差の大きさに応じて第2補正係数を1よりも大きい値、或いは1よりも小さい値に設定する。
以下、第1補正係数及び第2補正係数の各設定手順についてより具体的に説明する。本実施の形態の制御装置は、第1補正係数及び第2補正係数の算出と、算出した各補正係数を統計モデルに反映させるための計算要素として補正係数設定部8を備えている。補正係数設定部8にはGセンサ10から信号が入力されている。Gセンサ10は車両に作用する加速度を検出し、その大きさに応じた信号を出力している。Gセンサ10によれば、目標トルクと実際の機関トルクとのずれに起因して生じる車両ショックを検知することができる。
補正係数設定部8はGセンサ10によって計測された車両加速度に基づいて前記の第1補正係数及び第2補正係数を算出し、それらを統計モデルに反映させる。補正係数設定部8で実行される具体的なルーチンをフローチャートで示したのが図6である。
図6に示すルーチンの最初のステップS2では、目標トルク通りの機関トルクが実現できたかがセンシングされる。具体的には、Gセンサ10の信号が取り込まれて基準信号と比較される。
次のステップS4では、ステップS2でのセンシング結果、すなわち、Gセンサ10の信号と基準信号との比較結果に基づいて、点火時期によって実現された機関トルクが適正かどうか判定される。Gセンサ10の信号と基準信号との差が所定の閾値内であるならば、実現されたトルクは適正であると判定されて本ルーチンは終了される。
一方、Gセンサ10の信号と基準信号との差が所定の閾値を越えている場合は、ステップS4の判定において、実現された機関トルクは適正ではないと判定される。この場合、続いてステップS6の判定が行われる。ステップS6では、内燃機関が統計モデルのデータ範囲の内側となる運転領域、すなわち、内挿領域で運転されているのか否か判定される。内燃機関が内挿領域と外挿領域のどちらで運転されているのかは、統計モデルを用いて点火時期を算出するロジックから判断することができる。
内燃機関の運転領域が内挿領域でないと判定された場合、ステップS8の処理が行われる。ステップS8では、Gセンサ10の信号と基準信号との偏差に応じて第1補正係数の値が設定される。そして、この第1補正係数によって外挿で得た点火時期と機関トルクとの関係が補正される。ただし、ここで設定された第1補正係数によって補正されるのは、現在の点火時期の元での点火時期と機関トルクとの関係である。図5に示したように、第1補正係数の値は点火時期毎に設定される。
一方、内燃機関の運転領域が内挿領域であると判定された場合、ステップS10の判定が行われる。ステップS10では、Gセンサ10の信号と基準信号との差が閾値を越えているとの肯定判定が所定回数以上継続して成立いるかどうか判定される。肯定判定の継続成立回数が所定回数未満であるならば本ルーチンは終了される。
一方、内挿領域において前記の肯定判定が所定回数以上継続して成立しているならば、ステップS12の処理が行われる。ステップS12では、Gセンサ10の信号と基準信号との偏差に応じて第2補正係数の値が設定される。そして、この第2補正係数によって統計モデルの関数式全体を補正することで統計モデルのずれが学習補正される。
以上述べたように本実施の形態の制御装置によれば、統計モデルのデータ範囲の外側となる運転領域では、統計モデルを外挿して得られた結果が第1補正係数を介して目標トルクに基づく点火時期の設定にフィードバックされる。これによれば、実際の点火時期と機関トルクとの関係に沿って点火時期を適切に設定することが可能となるので、目標トルクの実現精度を向上させることができる。
さらに、本実施の形態の制御装置によれば、統計モデルのデータ範囲の内側となる運転領域では、統計モデルで得られた結果が第2補正係数を介して統計モデルにフィードバックされる。このように統計モデルを学習補正していくことで、実際の点火時期と機関トルクとの関係に対する統計モデルの精度を高めることができ、目標トルクの実現精度をさらに向上させることができる。
なお、本実施の形態では統計モデル記憶部4が第1の発明の「記憶手段」に相当している。また、点火時期設定部2の機能には第1の発明の「判定手段」、「第1の制御量設定手段」及び「第2の制御量設定手段」としての機能が含まれている。Gセンサ10は第1及び第5の発明の「計測手段」に相当している。そして、補正係数設定部8の機能に第1及び第2の発明の「補正手段」、並びに第3及び第4の発明の「統計モデル学習補正手段」としての機能が含まれている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
上述の実施の形態では統計モデルの外挿を一次関数によって行っているが、二次関数やより高次の関数によって外挿を行ってもよい。
また、上述の実施の形態ではGセンサの信号と基準信号との偏差に応じて第1補正係数の値を設定しているが、偏差と第1補正係数の値とは必ずしも線形でなくてもよい。例えば、偏差が正であれば第1補正係数の値を所定量だけ増加或いは減少させ、偏差が負であれば第1補正係数の値を所定量だけ減少或いは増加させるのでもよい。つまり、Gセンサの信号と基準信号との偏差が縮小する方向に外挿による機関トルクと点火時期との関係が補正されるようになっていればよい。
また、上述の実施の形態ではGセンサを用いて車両に作用する加速度を計測しているが、内燃機関によって実際に出力された機関トルクの指標としては他の物理量を用いることもできる。例えば、機関回転数の変化量もそのような指標として用いることが可能であり、機関回転数の変化量はクランク角センサによって計測することができる。目標トルクと実際の機関トルクとの乖離が大きいほど、点火時期を操作した後の機関回転数の変化は大きくなる。機関回転数の変化量をクランク角センサを用いて計測し、その計測値と目標トルクが実現されている場合に相当する基準値との偏差を計算することで、目標トルクと実際の機関トルクとの乖離の程度を数値で把握することができる。
また、上述の実施の形態では点火時期制御に本発明を適用しているが、吸入空気量制御、空燃比制御、バルブタイミング制御等、機関パラメータと機関トルクとの関係に基づいてアクチュエータの制御量を設定する制御であれば、本発明を適用することができる。また、上述の実施の形態では本発明を点火時期制御に適用したために点火装置を制御対象としているが、制御対象となるアクチュエータは本発明が適用される制御の内容によってきまる。例えば、吸入空気量制御であればスロットルが制御対象となり、空燃比制御であれば燃料噴射装置が制御対象となる。
本発明の実施の形態に係る統計モデルの視覚的イメージを示す図である。 本発明の実施の形態に係る統計モデルを関数式で表した図である。 本発明の実施の形態としての車両の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る統計モデルを用いた点火時期の算出方法について説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る補正係数と点火時期との関係について示す図である。 本発明の実施の形態に係る補正係数の設定のためのルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
2 点火時期設定部
4 統計モデル記憶部
6 点火装置
8 補正係数設定部
10 Gセンサ

Claims (6)

  1. 内燃機関によって駆動される車両の制御装置において、
    前記内燃機関の機関パラメータを変化させるアクチュエータと、
    機関パラメータと機関トルクとの関係を表す統計モデルを記憶した記憶手段と、
    前記内燃機関が前記統計モデルの基礎となったデータ範囲の内側となる運転領域で運転されるのか、或いは、前記データ範囲の外側となる運転領域で運転されるのかを判定する判定手段と、
    前記内燃機関が前記データ範囲の内側となる運転領域で運転される場合に、前記統計モデルに基づいて前記アクチュエータの制御量を設定する第1の制御量設定手段と、
    前記内燃機関が前記データ範囲の外側となる運転領域で運転される場合に、前記統計モデルを外挿して得られた機関パラメータと機関トルクとの関係を表す一次関数式に基づいて前記アクチュエータの制御量を設定する第2の制御量設定手段と、
    前記車両の制御状態に関する物理量であって、前記内燃機関から実際に出力される機関トルクが影響する物理量を計測する計測手段と、
    前記内燃機関が前記データ範囲の外側となる運転領域で運転されている場合に、前記物理量の計測値と適正な機関トルクが出力された場合に相当する基準値とを比較し、前記計測値が前記基準値から乖離しているときには、その乖離が縮小する方向に前記一次関数式を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記補正手段は、前記計測値と前記基準値との乖離の程度に基づいて前記一次関数式を補正することを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 前記内燃機関が前記データ範囲の内側となる運転領域で運転されている場合に、前記物理量の計測値と適正な機関トルクが出力された場合に相当する基準値とを比較し、前記計測値が前記基準値から乖離しているときには、その乖離の程度に基づいて前記統計モデルを学習補正する統計モデル学習補正手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の車両の制御装置。
  4. 前記統計モデル学習補正手段は、前記計測値と前記基準値との乖離が生じた頻度、或いは、前記計測値と前記基準値との乖離が生じている時間に基づいて前記統計モデルを学習補正することを特徴とする請求項3記載の車両の制御装置。
  5. 前記計測手段は、車両に作用する加速度を計測することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  6. 前記計測手段は、機関回転数の変化量を計測することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両の制御装置。
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