JP2009293387A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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宏幸 田中
Shinichi Soejima
慎一 副島
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圭助 河井
Naoto Kato
直人 加藤
Isato Nakada
勇人 仲田
Iku Otsuka
郁 大塚
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Abstract

【課題】内燃機関の制御装置に関し、内燃機関が統計モデルの基礎となったデータ範囲の外側で運転される場合であっても適切な点火時期制御を行えるようにする。
【解決手段】内燃機関が統計モデルの基礎となったデータ範囲の外側となる運転領域で運転される場合には、統計モデルを外挿して得られた機関パラメータと機関トルクとの関係に基づいて点火時期を設定する。その際、内燃機関の運転条件を取得し、取得された運転条件に応じて統計モデルの外挿による機関パラメータと機関トルクとの関係を補正する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、点火時期を含む複数のパラメータによってその動作を制御される内燃機関の制御装置に関する。
火花点火式の内燃機関においては点火時期を操作することによって機関トルクを調整することができる。ただし、機関トルクを左右するのは点火時期だけでなく、機関回転数、負荷及び空燃比によっても決定される。このとき、内燃機関の動作に関わるこれらパラメータ間の関係が予め分かっていれば、その関係に基づくことで適切な点火時期の設定が可能になる。
内燃機関の動作に関わる複数のパラメータ間の関係は、実際に内燃機関を試験運転してデータを収集し、そのデータを統計的に解析することでモデル化することができる。このような統計モデルを用いることで、点火時期や機関トルクを含むパラメータ間の実際の関係を推定することができる。そして、その推定結果を点火時期の設定に反映させることで、高い精度での点火時期制御が可能になる。統計モデルの形態としてはマップや関数式があり、これらは内燃機関の制御装置に記憶させておくことができる。
ただし、統計モデルを用いることができるのは、内燃機関が統計モデルの基礎となったデータ範囲の内側となる運転領域で運転されている場合である。統計モデルが運転領域の全域をカバーしていればよいが、実際には運転領域の全てをカバーすることは難しい。例えば点火時期を遅角していくと排気温度が上昇し、また、トルク変動が大きくなっていく。このため、点火時期を大きく遅角した状態での長時間の試験運転は困難であり、ベンチでの試験運転では点火時期の遅角量に制限が設けられている。また、統計モデルのデータ範囲を広げると適合に要する工数が増大することになる。さらに、複数のパラメータ間の関係を関数式で近似する場合、統計モデルのデータ範囲が広がると関数式の次数も大きくなり、結果、制御装置に搭載されるCPUの負担が大きくなってしまう。
そこで用いられるのが統計モデルの外挿である。統計モデルを外挿することで、データ範囲の外側におけるパラメータ間の関係を予測することができる。つまり、内燃機関が統計モデルのデータ範囲の外側となる運転領域で運転されている場合であっても、統計モデルを外挿することでパラメータ間の関係を得ることができ、それに基づいて点火時期を設定することができる。
このような制御データの外挿に関する技術は、例えば、特開平7−71356号公報に記載されている。特開平7−71356号公報に記載された内燃機関の制御装置は、機関回転数と負荷とをパラメータとするマップを参照して点火時期を設定する場合に、所定の領域については外挿によって点火時期を求めるようにしている。
特開平7−71356号公報
しかしながら、統計モデルはその基礎となったデータ範囲の内側については信頼性が高いものの、それを外挿して得られた結果の信頼性は必ずしも高くはない。パラメータ間の実際の関係と外挿により得られた関係との間に大きなずれが生じる可能性もある。そのような場合には点火時期を適切に設定することができず、所望の運転状態を実現できなくなってしまう。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関が統計モデルの基礎となったデータ範囲の外側で運転される場合であっても適切な点火時期制御を行えるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、点火時期を含む複数の機関パラメータによってその動作を制御される内燃機関の制御装置において、
前記複数の機関パラメータ間の関係を表す統計モデルを記憶した記憶手段と、
前記内燃機関が前記統計モデルの基礎となったデータ範囲の内側となる運転領域で運転されるのか、或いは、前記データ範囲の外側となる運転領域で運転されるのかを判定する判定手段と、
前記内燃機関が前記データ範囲の内側となる運転領域で運転される場合に、前記統計モデルに基づいて点火時期を設定する第1の点火時期設定手段と、
前記内燃機関が前記データ範囲の外側となる運転領域で運転される場合に、前記統計モデルを外挿して得られた点火時期と他の機関パラメータとの関係に基づいて点火時期を設定する第2の点火時期設定手段と、
前記内燃機関の運転条件を取得する運転条件取得手段と、
取得された運転条件に応じて前記統計モデルの外挿による点火時期と前記他の機関パラメータとの関係を補正する補正手段と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記補正手段は、取得された運転条件に応じて前記統計モデルの外挿に用いられる関数の係数値を変更することを特徴としている。
第3の発明は、第2の発明において、
前記補正手段は、外挿が行われる距離に応じて前記係数値を変更することを特徴としている。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、
前記他の機関パラメータには前記内燃機関への要求トルクが含まれ、
前記補正手段は、取得された運転条件に応じて点火時期と要求トルクとの関係を補正することを特徴としている。
第5の発明は、第4の発明において、
前記運転条件取得手段により取得される運転条件は、トルク精度が優先される運転条件とトルク変化量が優先される運転条件のいずれか一方に分類され、
前記補正手段は、取得された運転条件がトルク精度が優先される運転条件である場合には、要求トルクの変化に対する点火時期の変化を小さくするように点火時期と要求トルクとの関係を補正することを特徴としている。
第6の発明は、第5の発明において、
前記運転条件取得手段は、燃料カットの開始時、或いは、燃料カットからの復帰時を前記のトルクダウン量が優先される運転条件として取得することを特徴としている。
第1の発明では、内燃機関が統計モデルの基礎となったデータ範囲の外側となる運転領域で運転される場合、統計モデルを外挿することで得られる点火時期と他の機関パラメータとの関係は内燃機関の運転条件に応じて補正される。そして、その補正された点火時期と他の機関パラメータとの関係に基づいて点火時期が設定される。第1の発明によれば、内挿領域に比較して機関パラメータ間の関係の信頼性が劣る外挿領域であっても、内燃機関の運転条件に応じた適切な点火時期制御を行うことが可能になる。
第2の発明によれば、外挿に用いる関数自体は運転条件にかかわらず同一の関数を用いながら、その係数値を運転条件に応じて変更することによって点火時期と他の機関パラメータとの関係を運転条件に応じて補正することができる。
第3の発明によれば、外挿領域での点火時期と他の機関パラメータとの関係を外挿が行われる距離に応じて変更することができる。これにより、外挿領域での他の機関パラメータに対する点火時期の設定をより適切なものにすることができる。
第4の発明によれば、内燃機関が統計モデルの基礎となったデータ範囲の外側となる運転領域で運転される場合であっても、要求トルクを実現するための適切な点火時期制御を行うことが可能になる。
第5の発明によれば、トルク精度が優先される運転条件では、外挿で得られた要求トルクと点火時期との関係は要求トルクの変化に対する点火時期の変化が小さくなるように補正される。これにより、外挿領域での点火時期の操作量は抑えられるので、実際の機関トルクが予想以上に急激に変化してしまったり、過剰な遅角によって失火が発生してしまったりするのを防止することが可能になる。
第6の発明によれば、トルク変化量が優先される運転条件では、外挿で得られた要求トルクと点火時期との関係は要求トルクの変化に対する点火時期の変化を大きくした設定となる。これにより、外挿領域での点火時期の操作量は大きく採られることになるので、燃料カットの開始時、或いは、燃料カットからの復帰時におけるトルクダウンを確実に実現することができる。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について図を参照して説明する。
本実施の形態の制御装置は火花点火式の内燃機関(以下、単に内燃機関という)の制御装置である。内燃機関の動作は点火時期を含む複数の機関パラメータによって決定される。本実施の形態の制御装置はそれら機関パラメータ間の関係に基づいて点火時期を決定する。
点火時期を含む複数の機関パラメータ間の関係に関するデータを内燃機関の試験運転によって収集し、それらデータを統計的に解析したものが統計モデルである。統計モデルは実測データのマップの形式で、或いは、実測データから得られた関数の形で表すことができる。統計モデルを関数式で表す場合、その関数式は、式(1)に示すように、機関トルクTq、空燃比A/F、吸気バルブタイミングVT、排気バルブタイミングEXVT、吸入空気量KL及び機関回転数NEといった機関パラメータと点火時期SAとの関係を示す式として表現することもできる。
SA=f(Tq,A/F,VT,EXVT,KL,NE) ・・・(1)
上記の式(1)において、関数fはTq,A/F,VT,EXVT,KL,NEを変数とする多項式である。関数fには一次の項の他、二次の項やより高次の項が含まれている。関数f内の各係数の値は実測データに対するフィッティングによって決定される。この関数fの変数Tqに機関トルクの目標値(以下、要求トルク)を代入すれば、要求トルクを実現するための点火時期を算出することができる。本実施の形態の制御装置は、このような統計モデルを使用して点火時期を決定する。
図1は本実施の形態の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は点火時期制御に係る計算要素として点火時期設定部2を備えている。点火時期設定部2には機関パラメータである内燃機関への要求トルクTqrqが入力される。また、点火時期設定部2には機関パラメータであるA/F,VT,EXVT,KL,NEの計測値若しくは目標値も入力される。点火時期設定部2はこれら入力情報に基づいて要求トルクを実現するための点火時期を設定する。点火時期設定部2は設定した点火時期を点火装置6にセットする。
点火時期設定部2は点火時期の設定に統計モデルを使用する。統計モデルは実測データのマップの形式で、或いは、実測データから得られた関数の形で制御装置の統計モデル記憶部4に記憶されている。点火時期設定部2は入力された要求トルクTqrqとA/F,VT,EXVT,KL,NEの各値を統計モデルに当てはめて点火時期を算出する。
統計モデルを用いて点火時期を算出する方法について図2を用いて説明する。図2にはA/F,VT,EXVT,KL,NEの各値が固定されたときの機関トルクTqと点火時期SAとの関係を示している。図2中の黒丸印は試験運転で得られた実測データであり、実線はそれら実測データから得られた統計モデルの関数式を示している。図2中には統計モデルのデータ範囲の遅角側限界点をTqlimit,SAlimitで表している。
統計モデルの関数式は実測データに対してフィッティングされているので、実測データが得られたデータ範囲内では信頼性が高い。そこで、点火時期設定部2は、入力された要求トルクTqrqが限界トルクTqlimitを下回っていない場合、すなわち、統計モデルのデータ範囲内では、統計モデルの関数式に従って要求トルクTqrqを実現するための点火時期SArqを算出する。
一方、入力された要求トルクTqrqが限界トルクTqlimitを下回っている場合、すなわち、統計モデルのデータ範囲外では前記の関数式は使用できない。この場合、点火時期設定部2は統計モデルの外挿で得られた点火時期と機関トルクとの関係に基づいて点火時期を設定する。
統計モデルの外挿は外挿計算部8で行われる。外挿計算部8は遅角側限界点での点火時期−トルク特性が限界トルクTqlimiよりも下の領域でも続いていると仮定し、統計モデルの外挿によって点火時期SAと機関トルクTqとの関係を推定する。具体的には、図2中に二点鎖線で示すように、遅角側限界点を通り、且つ遅角側限界点における関数式の傾きをその傾きとする直線によって点火時期SAと機関トルクTqとの関係を近似する。この直線を式で表したのが次の式(2)に示す一次関数式である。式(2)においてαはTqlimitにおける関数fの傾きである。
SA=f(Tqlimit)+α×(Tq−Tqlimit) ・・・(2)
式(2)のTqに要求トルクTqrqを代入することで、統計モデルのデータ範囲外でも要求トルクTqrqを実現するための点火時期SArqを算出することができる。ただし、実測データに基づく式(1)の関数式に比較して、外挿で得られた式(2)の関数式の信頼性は必ずしも高くはない。実際の外挿領域での点火時期SAと機関トルクTqとの関係は図2中に破線で示すような関係になっていることも考えられる。この場合、式(2)に従って点火時期SArqを決定すると、それにより得られる実際の機関トルクは要求トルクTqrqを下回ってしまう。このような制御結果は内燃機関にトルク精度が要求されている場合には不都合ではあるが、内燃機関にトルクダウンが要求されているのであれば不都合はない。つまり、式(2)による制御結果の可否は内燃機関の運転条件によって異なってくる。
そこで、外挿計算部8は、内燃機関の運転条件によって外挿方法を変更し、それによって外挿領域での点火時期制御の信頼性を担保することにした。次の式(3)に示す一次関数式は、式(2)に基づいて作成された要求トルクTqrqから点火時期SArqを算出するための計算式である。式(3)におけるenは補正係数であって、外挿計算部8はこの補正係数enを内燃機関の運転条件に応じて変更する。
SArq=f(Tqlimit)+α×(Tqrq−Tqlimit)/en ・・・(3)
補正係数enの設定に関わる運転条件は運転条件取得部10で取得される。運転条件取得部10は取得した運転条件をトルク精度が優先される運転条件とトルク変化量が優先される運転条件のいずれか一方に分類する。通常の運転条件はトルク精度が優先される運転条件であり、トルク変化量が優先される運転条件には燃料カットの開始時と燃料カットからの復帰時とが該当する。燃料カットの開始時には、燃料カットの実行に伴うトルク段差を抑えるため、機関トルクを可能な限り低下させたいという要求がある。同じく燃料カットからの復帰時には、燃料カットからの復帰に伴うトルク段差を抑えるため、機関トルクを可能な限り低下させたいという要求がある。このような運転条件のときには、要求トルクの実現精度よりもトルクダウン量の方が優先される。
外挿計算部8は、取得された運転条件がトルクダウン量を優先する運転条件のときには、補正係数enの値を1に設定する。一方、取得された運転条件が通常のトルク精度を優先する運転条件のときには、補正係数enの値を1よりも大きい所定値に設定する。図3は各運転条件において実現される外挿領域での要求トルクと点火時期との関係を示す図である。図3中の二点鎖線はトルクダウン量を優先する運転条件での要求トルクと点火時期との関係を示している。図3中の一点鎖線は通常のトルク精度が優先される運転条件での要求トルクと点火時期との関係を示している。
点火時期設定部2は、外挿計算部8によって外挿された要求トルクと点火時期との関係に基づいて外挿領域での点火時期を設定する。その際の内燃機関の運転条件がトルク精度を優先する運転条件であれば、図3中に一点鎖線で示すように、外挿で得られた要求トルクと点火時期との関係は要求トルクの変化に対する点火時期の変化を小さくした設定とされる。このような設定によれば、外挿領域での点火時期の操作量は抑えられるので、実際の機関トルクが予想以上に急激に低下してしまうのを防止することができる。
一方、内燃機関の運転条件がトルクダウン量を優先する運転条件であれば、図3中に二点鎖線で示すように、外挿で得られた要求トルクと点火時期との関係は要求トルクの変化に対する点火時期の変化を大きくした設定とされる。このような設定によれば、外挿領域での点火時期の操作量は大きく採られることになるので、燃料カットの開始時、或いは、燃料カットからの復帰時におけるトルクダウンを確実に実現することができる。
以上が本実施の形態の制御装置の構成とその点火時期制御に係る機能とに関する説明である。以下では、本実施の形態の特徴である点火時期の算出方法について図4を用いて改めて説明する。なお、図4は本実施の形態で実行される点火時期の算出のための具体的なルーチンをフローチャートで示したものである。
図4に示すルーチンの最初のステップS2では、内燃機関への要求トルクTqrqが取得される。次のステップS4では、要求トルクTqrqが限界トルクTqlimitを下回っているか否か判定される。
ステップS4の判定の結果、要求トルクTqrqが限界トルクTqlimitを下回っている場合には、ステップS6の処理が行われる。ステップS6では、上記の式(1)の機関トルクTqの項に要求トルクTqrqが入力され、その計算結果が点火時期SArqとして算出される。次のステップS8では、ステップS6で設定された点火時期SArqに従って点火時期制御が行われる。
一方、ステップS4の判定の結果、要求トルクTqrqが限界トルクTqlimitを下回っていない場合には、まず、ステップS10の処理が行われる。ステップS10では内燃機関の運転条件に従って補正係数enの値が設定される。トルク変化量が優先される運転条件では補正係数enの値は1に、一方、トルク精度が優先される運転条件では補正係数enの値は1よりも大きい所定値に設定される。次のステップS12では、ステップS10で設定された補正係数enが上記の式(3)にセットされる。そして、その式(3)に要求トルクTqrqが入力され、その計算結果が点火時期SArqとして算出される。次のステップS8では、ステップS12で設定された点火時期SArqに従って点火時期制御が行われる。
最後に、本実施の形態の制御装置と本発明との対応関係について説明する。まず、本実施の形態では統計モデル記憶部4が第1の発明の「記憶手段」に相当している。また、点火時期設定部2の機能には第1の発明の「判定手段」、「第1の制御量設定手段」及び「第2の制御量設定手段」としての機能が含まれている。運転条件取得部10は第1、第5及び第6の発明の「運転条件取得手段」に相当している。そして、外挿計算部8の機能には第1の発明の「第2の制御量設定手段」と、第1、第2、第4及び第5の発明の「補正手段」としての機能とが含まれている。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2について図を参照して説明する。
内燃機関の機関トルクは点火時期によって調整することができる。点火時期をMBTに対して遅角するほど機関トルクは低下していく。ただし、点火時期を遅角しすぎると失火が発生し、機関トルクの消失によってトルク段差が生じてしまう。したがって、内燃機関にトルク精度が要求されているのであれば、外挿領域であっても失火が生じないように点火時期制御を行う必要がある。一方、トルク精度よりもトルクダウン量が優先されるのであれば、失火が発生する限界まで点火時期を遅角できるようにすることが望まれる。本実施の形態は実施の形態1のさらなる改良であり、失火限界を考慮して点火時期を設定するようにしたことに特徴がある。
本実施の形態の制御装置の構成は、実施の形態1の制御装置と同じく図1によって表される。ただし、本実施の形態の制御装置と実施の形態1の制御装置とでは、外挿計算部8の機能に違いがある。以下に説明するように、本実施の形態では要求トルクTqrqの大きさに応じて3つの外挿領域が設定され、各外挿領域において異なる外挿方法が採られている。
まず、区分されている3つの外挿領域は次の通りである。ここで、Tqlowは失火限界に対応する機関トルクである。EN1及びEN2は固定の係数であって、何れも1より大きい値であり、且つ、EN1はEN2よりも大きい値に設定されている。
第1外挿領域:(Tqlow−Tqlimit)/EN1+Tqlimit≦Tqrq<Tqlimit
第2外挿領域:(Tqlow−Tqlimit)/EN2+Tqlimit≦Tqrq<(Tqlow−Tqlimit)/EN1+Tqlimit
第3外挿領域:Tqrq<(Tqlow−Tqlimit)/EN2+Tqlimit
以下、各外挿領域で採られている外挿方法について説明する。
1.第1外挿領域
1−1.内燃機関の運転条件がトルクダウン量を優先する運転条件の場合
上記式(3)における補正係数enの値が1にセットされる。そして、その式(3)に要求トルクTqrqが入力され、その計算結果が点火時期SArqとして算出される。具体的には式(4)によって点火時期SArqが算出される。
SArq=f(Tqlimit)+α×(Tqrq−Tqlimit) ・・・(4)
1−2.内燃機関の運転条件がトルク精度を優先する運転条件の場合
上記式(3)における補正係数enの値がEN1にセットされる。そして、その式(3)に要求トルクTqrqが入力され、その計算結果が点火時期SArqとして算出される。具体的には式(5)によって点火時期SArqが算出される。
SArq=f(Tqlimit)+α×(Tqrq−Tqlimit)/EN1 ・・・(5)
2.第2外挿領域
2−1.内燃機関の運転条件がトルクダウン量を優先する運転条件の場合
上記式(3)における補正係数enの値が1にセットされる。そして、その式(3)の要求トルクTqrqの項に失火限界トルクTqlowが代入され、その計算結果が点火時期SArqとして算出される。具体的には式(6)によって点火時期SArqが算出される。
SArq=f(Tqlimit)+α×(Tqlow−Tqlimit) ・・・(6)
2−2.内燃機関の運転条件がトルク精度を優先する運転条件の場合
上記式(3)における補正係数enが次の式(4)の右辺に置き換えられる。
en=(Tqlow−Tqlimit)/(Tqrq−Tqlimit) ・・・(4)
そして、補正係数enを上記式(4)で置き換えられた式(3)に要求トルクTqrqが入力され、その計算結果が点火時期SArqとして算出される。具体的には式(7)によって点火時期SArqが算出される。
SArq=f(Tqlimit)+α×(Tqrq−Tqlimit/(Tqlow−Tqlimit) ・・・(7)
3.第2外挿領域
3−1.内燃機関の運転条件がトルクダウン量を優先する運転条件の場合
上記式(3)における補正係数enの値が1にセットされる。そして、その式(3)の要求トルクTqrqの項に失火限界トルクTqlowが代入され、その計算結果が点火時期SArqとして算出される。この場合の点火時期SArqの算出式は上記の式(6)となる。
3−2.内燃機関の運転条件がトルク精度を優先する運転条件の場合
上記式(3)における補正係数enの値がEN2にセットされる。そして、その式(3)に要求トルクTqrqが入力され、その計算結果が点火時期SArqとして算出される。具体的には式(8)によって点火時期SArqが算出される。
SArq=f(Tqlimit)+α×(Tqrq−Tqlimit)/EN2 ・・・(8)
以上の外挿方法を採ることで実現される点火時期制御の制御結果を図5に示す。図5は各外挿領域での要求トルクと点火時期との関係を示す図である。図5中の二点鎖線はトルクダウン量を優先する運転条件での要求トルクと点火時期との関係を示している。図5中の一点鎖線は通常のトルク精度が優先される運転条件での要求トルクと点火時期との関係を示している。
図5中に二点鎖線で示すように、内燃機関の運転条件がトルクダウン量を優先する運転条件の場合、要求トルクTqrqが統計モデルの限界トルクTqlimitからある程度離れたら、点火時期SArqは失火限界トルクTqlowに対応する点火時期SAlowまで遅角される。そして、要求トルクTqrqの値によらず点火時期SArqは失火限界点火時期SAlowに維持される。このように、要求トルクTqrqがある程度小さくなったら一律に点火時期を失火限界点火時期SAlowまで遅角することで、燃料カットの開始時や燃料カットからの復帰時に求められるトルクダウンを確実に実現することができる。
また、図5中に一点鎖線で示すように、内燃機関の運転条件がトルク精度を優先する運転条件の場合は、外挿が行われる距離に応じて要求トルクTqrqの変化量に対する点火時期SArqの変化量の設定が変更される。このように外挿が行われる距離に応じて要求トルクTqrqと点火時期SArqとの関係を変更することで、実施の形態1に比較して外挿領域での要求トルクTqrqに対する点火時期SArqの設定をより適切なものにすることができる。
最後に、本実施の形態の制御装置と本発明との対応関係について説明する。本実施の形態では外挿計算部8の機能に第3の発明の「補正手段」としての機能が含まれている。その他の対応関係に関しては、実施の形態1の制御装置と本発明との対応関係に共通している。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
上述の実施の形態では、要求トルクから点火時期を決定する処理に本発明が適用されているが、本発明が適用可能な処理はこれに限定されない。例えば、機関パラメータに効率が含まれている場合には、効率から点火時期を決定する処理に本発明を適用することもできる。ここでいう効率とは、空気量から実現可能な最大トルクに対する要求トルクの効率である。
また、上述実施の形態では、機関パラメータと点火時期との関係を表す統計モデルが用意されているが、機関パラメータと最適点火時期との関係を表す統計モデルと、機関パラメータと最適点火時期に対する点火遅角量との関係を表す統計モデルとを別々に用意しておくのでもよい。
また、上述実施の形態では、内燃機関の運転条件をトルク精度が要求される運転条件とトルクダウン量が優先される運転条件とに分類しているが、より細かい分類としてもよい。例えば、燃料カットの開始時と燃料カットからの復帰時とで点火時期と要求トルクとの関係を異ならせてもよい。また、内燃機関の運転条件には、上記のような内燃機関の運転モードのほか、水温、油温或いは燃料性状などの燃焼に関わる内的条件や、触媒温度などの外的な条件を含めてもよい。
本発明の実施の形態1としての内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 統計モデルを用いた点火時期の算出方法とその課題について説明するための図である。 本発明の実施の形態1によって実現される外挿領域での要求トルクと点火時期との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る点火時期の算出のためのルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2によって実現される外挿領域での要求トルクと点火時期との関係を示す図である。
符号の説明
2 点火時期設定部
4 統計モデル記憶部
6 点火装置
8 外挿計算部
10 運転条件取得部

Claims (6)

  1. 点火時期を含む複数の機関パラメータによってその動作を制御される内燃機関の制御装置において、
    前記複数の機関パラメータ間の関係を表す統計モデルを記憶した記憶手段と、
    前記内燃機関が前記統計モデルの基礎となったデータ範囲の内側となる運転領域で運転されるのか、或いは、前記データ範囲の外側となる運転領域で運転されるのかを判定する判定手段と、
    前記内燃機関が前記データ範囲の内側となる運転領域で運転される場合に、前記統計モデルに基づいて点火時期を設定する第1の点火時期設定手段と、
    前記内燃機関が前記データ範囲の外側となる運転領域で運転される場合に、前記統計モデルを外挿して得られた点火時期と他の機関パラメータとの関係に基づいて点火時期を設定する第2の点火時期設定手段と、
    前記内燃機関の運転条件を取得する運転条件取得手段と、
    取得された運転条件に応じて前記統計モデルの外挿による点火時期と前記他の機関パラメータとの関係を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記補正手段は、取得された運転条件に応じて前記統計モデルの外挿に用いられる関数の係数値を変更することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記補正手段は、外挿が行われる距離に応じて前記係数値を変更することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記他の機関パラメータには前記内燃機関への要求トルクが含まれ、
    前記補正手段は、取得された運転条件に応じて点火時期と要求トルクとの関係を補正することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記運転条件取得手段により取得される運転条件は、トルク精度が優先される運転条件とトルク変化量が優先される運転条件のいずれか一方に分類され、
    前記補正手段は、取得された運転条件がトルク精度が優先される運転条件である場合には、要求トルクの変化に対する点火時期の変化を小さくするように点火時期と要求トルクとの関係を補正することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記運転条件取得手段は、燃料カットの開始時、或いは、燃料カットからの復帰時を前記のトルクダウン量が優先される運転条件として取得することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。
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JP2016176356A (ja) * 2015-03-18 2016-10-06 富士重工業株式会社 制御装置
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