JP4687627B2 - 内燃機関のノック発生点火時期推定装置及び方法 - Google Patents

内燃機関のノック発生点火時期推定装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は内燃機関のノック発生点火時期推定装置及び方法に関し、詳しくは、ノックモデルを利用してノック発生点火時期を推定する装置及び方法に関する。
内燃機関の点火時期制御においては、ノックが発生しないようにしながら点火時期を限界まで進角させてMBTに近付けることが行われている。ノックが発生する点火時期(以下、ノック発生点火時期)は、吸入空気温度、機関温度、機関回転数、負荷等の内燃機関の運転条件に依存する。このため、従来、様々な運転条件の下で実機による適合が行われ、運転条件毎にノック発生点火時期が求められていた。実機による適合では、ノックが発生しないことが確実な点火時期を初期値として、ノックが発生するまで点火時期を徐々に進角していく方法が採られていた。
また、従来、ノック発生点火時期を机上での計算により推定する方法も知られている。ノック発生点火時期の推定には、いわゆるノックモデルが用いられる。ノックモデルには、自着火が発生するタイミングを予測するモデルと、自着火発生タイミングでの未燃燃料の量を計算するモデルとが含まれる。前者のモデルとしては、Livengood-Wuモデルが一般に用いられている。後者のモデルとしては、例えばWiebeモデルを用いることができる。ノックモデルを用いてノック発生点火時期を予測する場合、まず、実機を模したエンジンモデルによって筒内圧の履歴がシミュレートされる。シミュレーションで得られた筒内圧データをノックモデルに入力することで自着火発生タイミングが計算される。自着火発生タイミングにおいてノックの発生に必要な量の未燃燃料が残っていると判定されたならば、そのときの点火時期の設定値がノック発生点火時期であると推定することができる。
特開2004−245173号公報 特開2004−332584号公報
しかしながら、従来の実機適合による方法では、適合作業に要する工数や時間は膨大なものとなっていた。これは、予めノック発生点火時期の目安をつけることなく、十分に余裕のある点火時期を初期値としてノック発生点火時期の探索を開始していたことによる。ノック発生点火時期の探索範囲が広くなるほど、適合作業に要する工数や時間は増大してしまう。
一方、従来のノックモデルを用いた方法では、ノック発生点火時期を高い精度で推定することは難しかった。これは、現状のエンジンモデルでは十分に高い精度で筒内圧を計算できないことによる。ノック発生点火時期は筒内圧データを用いて予測されるため、筒内圧データの精度が低いとノック発生点火時期の推定精度も悪化してしまう。なお、エンジンモデルではなく実機を用いて筒内圧を測定することも可能であるが、点火時期を含む全ての運転条件について実機測定を行うとなると、膨大な工数や時間が必要となってノックモデルを用いるメリットが減少してしまう。
ところで、本発明にかかる発明者らは、本発明の創案過程において、自着火条件の成立が予測されるクランク角(自着火クランク角)と点火時期との間には、一定の線形関係が存在することを発見した。また、ノックの発生に必要な量の未燃燃料が存在する限界クランク角と点火時期との間にも、一定の線形関係が存在することを発見した。これらの発見を利用すれば、グラフの横軸に点火時期、縦軸にクランク角をとったとき、自着火クランク角と点火時期との関係を示す直線と、限界クランク角と点火時期との関係を示す直線との交点を計算することで、ノック発生点火時期を求めることができる。各直線は、それぞれ少なくとも2点のデータがあれば近似することができる。
本発明は、上記のような発見に基づいてなされたものであり、その目的は、膨大な工数や時間をかけることなく高い精度でノック発生点火時期を推定できるようにすることにある。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関のノック発生点火時期推定装置において、
点火時期を含む内燃機関の運転条件を設定する運転条件設定手段と、
前記運転条件設定手段において設定された運転条件下で実際に内燃機関を運転し、内燃機関の自着火に係る状態量を測定する状態量測定手段と、
前記状態量測定手段によって測定された状態量に基づいて自着火の条件が成立するクランク角を予測し、そのクランク角を第1判定値として算出する第1判定値算出手段と、
前記状態量測定手段によって測定された状態量に基づいて筒内の未燃燃料量を求め、ノックの発生に必要な量の未燃燃料が存在する限界クランク角を第2判定値として算出する第2判定値算出手段と、
異なる複数の点火時期の設定において前記の第1判定値及び第2判定値を取得し、点火時期の設定値と第1判定値との線形関係、及び、点火時期の設定値と第2判定値との線形関係をそれぞれ求め、2つの線形関係に基づいて第1判定値と第2判定値とが一致する点火時期をノック発生点火時期として算出するノック発生点火時期算出手段と、
を備えることを特徴としている。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記ノック発生点火時期算出手段により算出されたノック発生点火時期を所定量だけ遅角し、内燃機関の点火時期の初期値として設定する点火時期初期設定手段と、
実際に内燃機関を運転してノックが発生するか否か検証し、ノックの発生が検知されるまで点火時期の設定値を所定量ずつ進角させていくノック検証手段と、
前記ノック検証手段によってノックの発生が検知された場合、そのときの点火時期の設定値をノック発生点火時期として確定するノック発生点火時期確定手段と、
をさらに備えることを特徴としている。
第3の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関のノック発生点火時期推定方法において、
点火時期を含む内燃機関の運転条件を設定する第1のステップと、
前記第1のステップにおいて設定された運転条件下で実際に内燃機関を運転し、内燃機関の自着火に係る状態量を測定する第2のステップと、
前記第2のステップで測定された状態量に基づいて自着火の条件の成否を予測し、自着火条件の成立が予測されるクランク角を第1判定値として算出する第3のステップと、
前記第2のステップで測定された状態量に基づいて筒内の未燃燃料量を求め、ノックの発生に必要な量の未燃燃料が存在する限界クランク角を第2判定値として算出する第4のステップと、
異なる複数の点火時期の設定において前記の第1判定値及び第2判定値を取得し、点火時期の設定値と第1判定値との線形関係、及び、点火時期の設定値と第2判定値との線形関係をそれぞれ求め、2つの線形関係に基づいて第1判定値と第2判定値とが一致する点火時期をノック発生点火時期として算出する第5のステップと、
を含むことを特徴としている。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記第5のステップで算出されたノック発生点火時期を所定量だけ遅角し、内燃機関の点火時期の初期値として設定する第6のステップと、
実際に内燃機関を運転してノックが発生するか否か検証し、ノックの発生が検知されるまで点火時期の設定値を所定量ずつ進角させていく第7のステップと、
前記第7のステップでノックの発生が検知された場合、そのときの点火時期の設定値をノック発生点火時期として確定する第8のステップと、
をさらに含むことを特徴としている。
第1の発明及び第3の発明によれば、実際に内燃機関を運転して得られた状態量の測定値(実機データ)に基づいてノック発生点火時期を推定することができる。しかも、点火時期の設定値と各判定値との線形関係を把握することで、ノックが発生しない運転条件での実機データからでも、ノック発生点火時期を精度よく推定することができる。また、点火時期の設定値と各判定値との線形関係は、少なくとも2つの点火時期での実機データがあれば求めることができるので、実機データの取得に多くの工数や時間をかける必要もない。
第2の発明及び第4の発明によれば、設定した点火時期でノックが発生するか否か実際に内燃機関を運転して検証することで、ノック発生点火時期をより精度よく推定することができる。その際、ノック発生点火時期の探索範囲は、ノックモデルを用いて推定したノック発生点火時期を基準として決定されるので、従来の実機適合による方法に比較して、ノック発生点火時期の探索に要する工数や時間を大幅に抑えることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態としてのノック発生点火時期推定装置の構成を示すブロック図である。ノック発生点火時期推定装置10は、内燃機関(以下、エンジン)2を運転して種々のデータを取得し、取得したデータを用いて当該エンジン2のノック発生点火時期を推定する装置である。ノック発生点火時期推定装置10は、エンジン2を制御するドライバ14と、エンジン2からのデータの取得に用いる各種センサ16と、種々の計算を行うコンピュータ12とを含んでいる。
ノック発生点火時期の推定のために必要なデータは、主としてエンジン2の自着火に係る状態量であり、データには実測値(筒内圧、当量比、オクタン価、H2O濃度など)と、実測値から算出される予測値(未燃ガス温度、燃焼割合、残留ガス割合など)とが含まれる。これらのデータは、ある時点での瞬間値ではなく、複数サイクルにわたる履歴データである。データのうち実測値はセンサ16によってエンジン2から取得され、予測値はコンピュータ12によって算出される。また、データ取得のための実機試験は様々な運転条件下で行われ、コンピュータ12は取得データに基づいて運転条件毎にノック発生点火時期を計算する。コンピュータ12は、実機試験の運転条件を設定してドライバ14に指示する機能を有している。なお、ここで言う運転条件には、エンジン2の点火時期も含まれている。この場合、コンピュータ12は第1の発明にかかる「運転条件設定手段」に相当する。また、コンピュータ12、ドライバ14及びセンサ16によって第1の発明にかかる「状態量測定手段」が実現される。
図2は、本実施の形態にかかるノック発生点火時期の推定方法を説明するためのフローチャートである。ノック発生点火時期推定装置10が図2のフローチャートに示すルーチンに従って動作することで、エンジン2のノック発生点火時期が推定されるようになっている。
図2に示すルーチンの最初のステップS001では、運転条件のうち点火時期のみを異ならせた複数点において実機試験が行われ、各点火時期のもとで必要なデータが取得される。取得したデータは、次のステップS002においてノック発生を判定するための判定値Cl、Cbの算出に用いられる。
判定値Cl、Cbの算出には公知のノックモデルが用いられる。ノックモデルはコンピュータ12にプログラムとして記憶されている。ノックモデルには、自着火予測モデルと、ノック判定値算出モデルとが含まれる。
自着火予測モデルは、自着火の条件が成立するクランク角を予測するモデルである。本実施の形態では、自着火予測モデルとしてLivengood-Wuモデルを使用する。Livengood-Wuモデルは、圧力と温度の関数として表される自着火遅れ時間の逆数の積分式である。Livengood-Wuモデルによれば、筒内圧及び未燃ガス温度を入力値として式の積分を実行し、その積分値が1になるときのクランク角を求めることで、自着火が起きるクランク角を予測することができる。筒内圧及び未燃ガス温度以外のデータは、Livengood-Wuモデルの各種パラメータの値を決定するのに用いられる。
ステップS002では、ステップS001で取得したデータを用いてLivengood-Wuモデルによる計算を実行し、自着火が起きるクランク角(自着火クランク角)を予測する。この自着火クランク角が第1判定値Clとなる。第1判定値Clは、実機試験が行われた複数の点火時期のそれぞれについて算出される。
ノック判定値算出モデルは、ノックの発生に必要な量の未燃燃料が存在する限界クランク角を算出するモデルである。本実施の形態では、ノック判定値算出モデルとしてWiebeモデルを使用する。Wiebeモデルによれば、クランク角と燃焼割合(供給燃料の総発熱量に対するそのクランク角までの総発熱量)との関係を算出することができる。燃焼割合が高くなるほど筒内の未燃燃料は減少していくため、燃焼割合があまりに高い状態では、もはや燃えるべき燃料が無いために急激な燃焼は起こらずノックは発生しない。つまり、燃焼割合にはノックが発生しうる上限値が存在する。Wiebeモデルを用いることで、燃焼割合が上限値に達するクランク角、すなわち、ノックの発生に必要な量の未燃燃料が存在する限界クランク角を算出することができる。
ステップS002では、Wiebeモデルの各パラメータの値をステップS001で取得したデータに基づいてマップから決定し、Wiebeモデルによる計算によって限界クランク角を算出する。この限界クランク角が第2判定値Cbとなる。第2判定値Cbは、実機試験が行われた複数の点火時期のそれぞれについて算出される。
ノックが発生する条件は、自着火発生タイミングにおいてノックの発生に必要な量の未燃燃料が残っていることである。点火時期がMBTよりも大きく遅角されている場合、自着火クランク角は限界クランク角よりも遅角側にあるためノックは発生しない。しかし、点火時期が進角されるに従って自着火クランク角は限界クランク角に近付き、やがて自着火クランク角が限界クランク角に一致してノックが発生する。そのときの点火時期、つまり、第1判定値Clが第2判定値Cbに一致したときの点火時期の設定値が、ノック発生点火時期であると推定することができる。
本実施の形態では、ステップS002で算出した第1判定値Cl及び第2判定値Cbを用い、次のようにしてノック発生点火時期を推定する。図3は、点火時期と第1判定値Clとの関係、及び、点火時期と第2判定値Cbとの関係を示す図である。図の横軸は点火時期であり、縦軸はクランク角である。この図に示すように、第1判定値Clと点火時期との関係は直線L1で表すことができる。また、第2判定値Cbと点火時期との関係も直線L2で表すことができる。図に示すような一定の線形関係が各判定値Cl、Cbと点火時期との間に存在することは、実験によって確認されている。この事実を利用すれば、第1判定値Clと点火時期との関係を示す直線L1と、第2判定値Cbと点火時期との関係を示す直線L2との交点を計算することで、ノック発生点火時期を求めることができる。
各直線L1、L2は、図4に示すように、それぞれ少なくとも2点のデータがあれば近似することができる。ステップS003では、ステップS002で算出した複数点の第1判定値Clから直線L1を近似計算し、また、複数点の第2判定値Cbから直線L2を近似計算する。そして、2つの直線L1、L2が交差する点火時期をノック発生点火時期として算出する。
このように、本実施の形態にかかるノック発生点火時期の推定方法によれば、エンジン2の実機試験で得られたデータ(エンジン2の自着火に係る状態量)に基づいてノック発生点火時期を求めることができる。しかも、各判定値Cl、Cbと点火時期との関係を示す2本の直線L1、L2を計算することで、ノックが発生しない運転条件でのデータからでも、ノック発生点火時期を求めることができる。直線L1、L2は少なくとも2つの点火時期での実機データがあれば近似計算できるので、実機データの取得に多くの工数や時間をかける必要もない。
ただし、直線L1、L2の近似計算に用いるデータの数が少ないと、その分、直線L1、L2の近似精度が低下してノック発生点火時期の予測誤差は大きくなる。そこで、本実施の形態にかかるノック発生点火時期の推定方法では、ノック発生点火時期の確定値は実機による適合試験によって得るものとし、直線L1、L2の交点から算出したノック発生点火時期(以下、予測点火時期という)は、実機試験によってノック発生点火時期を探索するための基準値として用いる。以下に説明するステップS004乃至S011の処理が実機による適合試験に該当する。
ステップS004では、実機試験における点火時期の設定値を予測点火時期に対して遅角するか否か決定する。予測点火時期の精度が高いと推定される場合には、点火時期の遅角は行わない。具体的には、次のような条件を満たしている場合である。
条件1:直線L1、L2の近似に使用したデータの点火時期方向の間隔が大きい。
条件2:直線L1、L2の近似に使用したデータの点数が多い。
条件3:筒内圧などのノックモデル入力値の測定誤差が小さい。
ステップS004で点火時期を遅角すると決定した場合は、ステップS005の処理を行う。ステップS005では、ノックモデルの精度に応じて点火時期の設定値を予測点火時期に対して遅角する。ここでは、直線L1、L2の近似に使用したデータの点火時期方向の間隔が小さいほど、直線L1、L2の近似に使用したデータの点数が少ないほど、また、ノックモデル入力値の測定誤差が大きいほど、ノックモデルの精度は低いと考える。そして、ノックモデルの精度が低いほど、予測点火時期に対する遅角幅を大きく設定する。
ステップS006では、ステップS004及びS005の処理によって決定したとおりに点火時期を設定し、実機試験を実施する。この実機試験は、ステップS001で実施した実機試験と同一の運転条件下で行われる。実機試験ではノックセンサを用いてノックの発生を検出する。実機試験の終了後、ステップS007の判定を行う。
ステップS007では、実機試験においてノックが発生したか否か判定する。ノックが発生していなかった場合、ステップS008に進む。ステップS008では、点火時期の設定値が現在値よりも所定幅だけ進角される。このときの進角幅は、ステップS005で設定される遅角幅よりも格段に小さい幅に設定されている。
ステップS007の処理後は、再びステップS006に進んで実機試験を実施する。そして、ステップS007でノックが発生したと判定されるまで、ステップS006乃至S008の処理を繰り返し実施する。ステップS007でノックが発生したと判定されたとき、そのときの点火時期の設定値をノック発生点火時期として確定する。このように、点火時期を設定し直す毎にノックが発生するか否か実機試験によって検証することで、ノック発生点火時期をより精度よく推定することができる。
ステップS004乃至S008の処理では、ノック発生点火時期は図5に示すように探索される。この図に示すように、本実施の形態にかかるノック発生点火時期の推定方法によれば、ノック発生点火時期の探索範囲は、ノックモデルを用いて計算した予測点火時期を基準として決定されるので、従来の実機試験のみに頼った方法に比較して、ノック発生点火時期の探索に要する工数や時間を大幅に抑えることができる。
ステップS009では、全ての試験が完了したか否か判定する。全ての試験が完了している場合には、本ルーチンを終了する。試験項目が残っている場合、つまり、ノック発生点火時期の推定作業が必要な運転条件(試験条件)が残っている場合は、ステップS010に進み、次の試験条件に切り替えてノック発生点火時期の推定作業を続行する。
また、ステップS011では、ステップS006の実機試験で取得したデータをノックモデルの適合点として追加する。ノックモデルで使用するパラメータは、例えば図6に示すように、エンジンの運転状態(図6ではエンジン回転数)に応じて決定される。ノックモデルの計算に使用するパラメータ値を決定する場合、適合点が存在するエンジン回転数については適合点の値がパラメータ値として用いられる。しかし、適合点が存在しないエンジン回転数については、近傍の適合点から補間計算せざるを得ない。実機試験で得られたデータを適合点として追加していくことにすれば、パラメータ値を適合点から補間計算する場合の補間精度を高めることができ、ひいては、ノックモデルを用いたノック発生点火時期の推定精度を高めることができる。ステップS011の処理後は再びステップ001の処理から開始する。
本実施の形態では、ノック発生点火時期推定装置10によってステップS002の処理が実行されることにより、第1の発明の「第1判定値算出手段」及び「第2判定値算出手段」が実現される。また、ノック発生点火時期推定装置10によってステップS003の処理が実行されることにより、第1の発明の「ノック発生点火時期算出手段」が実現される。さらに、ノック発生点火時期推定装置10によってステップS004及びS005の処理が実行されることにより、第2の発明の「点火時期初期設定手段」が実現される。また、ノック発生点火時期推定装置10によってステップS006乃至S008の処理が実行されることにより、第2の発明の「ノック検証手段」が実現され、ステップS007の判定でNOルートが選択されることにより、第2の発明の「ノック発生点火時期決定手段」が実現される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
上記実施の形態では、ノックモデルを用いたノック発生点火時期の推定後、すなわち、ステップS001乃至S003の処理の後、実機による適合試験、すなわち、ステップS004乃至S008の処理によってノック発生点火時期の検証を行っている。しかし、ノックモデルの精度が十分に高い場合には、実機による適合試験は省略し、ノックモデルを用いて計算したノック発生点火時期を確定値としてもよい。
また、図1ではノック発生点火時期推定装置10を1つのユニットとして表しているが、複数の装置からなるシステムとして構成してもよい。また、図2のフローチャートに従って実施するノック発生点火時期の推定作業は、完全に自動化するのではなく、その一部の処理を人間が実施してもよい。
本発明の実施の形態としてのノック発生点火時期推定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態にかかるノック発生点火時期の推定方法を説明するためのフローチャートである。 点火時期と第1判定値Clとの関係、及び、点火時期と第2判定値Cbとの関係を示す図である。 判定値Cl、Cbからノック発生点火時期を推定する方法について説明するための図である。 実機試験によるノック発生点火時期の探索手順について示す図である。 ノックモデルの適合点について説明するための図である。
符号の説明
2 エンジン
10 ノック発生点火時期推定装置
12 コンピュータ
14 ドライバ
16 センサ

Claims (4)

  1. 点火時期を含む内燃機関の運転条件を設定する運転条件設定手段と、
    前記運転条件設定手段において設定された運転条件下で実際に内燃機関を運転し、内燃機関の自着火に係る状態量を測定する状態量測定手段と、
    前記状態量測定手段によって測定された状態量に基づいて自着火の条件が成立するクランク角を予測し、そのクランク角を第1判定値として算出する第1判定値算出手段と、
    前記状態量測定手段によって測定された状態量に基づいて筒内の未燃燃料量を求め、ノックの発生に必要な量の未燃燃料が存在する限界クランク角を第2判定値として算出する第2判定値算出手段と、
    異なる複数の点火時期の設定において前記の第1判定値及び第2判定値を取得し、点火時期の設定値と第1判定値との線形関係、及び、点火時期の設定値と第2判定値との線形関係をそれぞれ求め、2つの線形関係に基づいて第1判定値と第2判定値とが一致する点火時期をノック発生点火時期として算出するノック発生点火時期算出手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関のノック発生点火時期推定装置。
  2. 前記ノック発生点火時期算出手段により算出されたノック発生点火時期を所定量だけ遅角し、内燃機関の点火時期の初期値として設定する点火時期初期設定手段と、
    実際に内燃機関を運転してノックが発生するか否か検証し、ノックの発生が検知されるまで点火時期の設定値を所定量ずつ進角させていくノック検証手段と、
    前記ノック検証手段によってノックの発生が検知された場合、そのときの点火時期の設定値をノック発生点火時期として確定するノック発生点火時期確定手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のノック発生点火時期推定装置。
  3. 点火時期を含む内燃機関の運転条件を設定する第1のステップと、
    前記第1のステップにおいて設定された運転条件下で実際に内燃機関を運転し、内燃機関の自着火に係る状態量を測定する第2のステップと、
    前記第2のステップで測定された状態量に基づいて自着火の条件の成否を予測し、自着火条件の成立が予測されるクランク角を第1判定値として算出する第3のステップと、
    前記第2のステップで測定された状態量に基づいて筒内の未燃燃料量を求め、ノックの発生に必要な量の未燃燃料が存在する限界クランク角を第2判定値として算出する第4のステップと、
    異なる複数の点火時期の設定において前記の第1判定値及び第2判定値を取得し、点火時期の設定値と第1判定値との線形関係、及び、点火時期の設定値と第2判定値との線形関係をそれぞれ求め、2つの線形関係に基づいて第1判定値と第2判定値とが一致する点火時期をノック発生点火時期として算出する第5のステップと、
    を含むことを特徴とする内燃機関のノック発生点火時期推定方法。
  4. 前記第5のステップで算出されたノック発生点火時期を所定量だけ遅角し、内燃機関の点火時期の初期値として設定する第6のステップと、
    実際に内燃機関を運転してノックが発生するか否か検証し、ノックの発生が検知されるまで点火時期の設定値を所定量ずつ進角させていく第7のステップと、
    前記第7のステップでノックの発生が検知された場合、そのときの点火時期の設定値をノック発生点火時期として確定する第8のステップと、
    をさらに含むことを特徴とする請求項3記載の内燃機関のノック発生点火時期推定方法。
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