JP4998315B2 - 電磁弁 - Google Patents

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本発明は、コイルに供給される電流に応じたプランジャの移動によりスプールを作動させる電磁弁に関するものである。
従来より、コイルに供給される電流に応じたプランジャの移動によりスプールを作動させる電磁弁として、下記特許文献1に示す電磁弁が知られている。この電磁弁は、コイルに電流を流すことでコアに生じる電磁力により可動鉄心(プランジャ)をコア方向に移動させ、この可動鉄心の移動に応じて移動するスプールが入力ポートを塞ぐ割合を変化させることにより出力圧を調整している。
そして、この電磁弁には、ハウジング(スリーブ)のスプールと協働して入力ポートからフィードバック室への漏れをシールする部分、およびフィードバック室からコア側への漏れをシールする部分に調心溝がそれぞれ設けられている。これにより、スプールが偏心し、傾き、更にはスプールに働く円周方向の圧力のバランスが崩れることで、流体固着現象によるスプールをスリーブ内周に押し付ける力(以下、流体固着力ともいう)が生じる場合であっても、調心溝によりバランスを回復させるように流体固着力を低減している。
特開2001−263529号公報
しかしながら、上述のように調心溝を設けるだけではスプールに作用する流体固着力を低減させるだけであり、流体固着力そのものをなくすことはできなかった。
特に、高容量化(高圧制御化)の要求に応えるためにはスプールに作用する流体固着力をなくすことが必要であり、流体固着力の低減が不十分である場合にはスプールに対する摺動抵抗が大きくなる。このとき、図5に示すように、電流が低い場合にはスプールが移動できずに制御圧が出力されない現象であるスティック等の異常が発生してしまう。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、スプールに作用する摺動抵抗を低減し得る電磁弁を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の電磁弁では、コイル(22)に供給される電流に応じてプランジャ(24)が磁気吸引されるソレノイド部(20)と、前記ソレノイド部に取り付けられ前記プランジャと同軸的に弁孔(72,73)が形成されるとともにこの弁孔に作動油を供給するための供給ポート(76)と前記弁孔から前記作動油を排出するための排出ポート(77)と前記供給ポートおよび前記排出ポート間に設けられて前記弁孔から制御圧としての前記作動油を出力するための出力ポート(75)とが形成される弁スリーブ(70)と、前記弁孔に摺動自在に案内支持されて前記プランジャの移動に応じて前記供給ポートと前記出力ポートとの間の連通及び前記出力ポートと前記排出ポートとの間の連通を制御するスプール(80)と、を備える電磁弁であって、前記供給ポート、前記排出ポートおよび前記出力ポートを含めた前記弁孔に連通される各ポートのうち少なくとも1組の隣接するポート間における前記弁孔の内周面(72b,72c,72d,73a)は、高圧側のポートから低圧側のポートに向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成され、このテーパ角度は、前記内周面の大径と小径との差(t)を前記内周面の平均内径と前記スプールの外径との差(C)で除算した値(t/C)が0(ゼロ)より大きく0.4以下になるように設定されることを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、供給ポート、排出ポートおよび出力ポートを含めた弁孔に連通される各ポートのうち少なくとも1組の隣接するポート間における弁孔の内周面は、高圧側のポート(例えば、供給ポート)から低圧側のポート(例えば、出力ポート)に向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成されている。
このようにテーパ状に形成される内周面を有する弁孔内をスプールが摺動する場合、このスプールには、図3(B)に示すように、全外周面に均一化された圧力に基づく力である調心力が作用する。このため、弁孔の内周面に適度な角度のテーパを設けることにより、スプールに作用する摺動抵抗を低減させることができる。
そして、テーパ角度は、弁孔の内周面の大径と小径との差を弁孔の内周面の平均内径とスプールの外径との差で除算した値(以下、t/Cともいう)が0(ゼロ)より大きく0.4以下になるように設定されている。これは、図4に示すように、t/Cとスプールに作用する径方向の力および高圧側の作動油がスプールに有効に作用せずに低圧側へ漏れてしまう量(以下、漏れ量ともいう)との関係を解析したところ、0<t/C≦0.4である場合に、スプールに作用する調心力が増加するとともに漏れ量が十分に抑制されるからである。
したがって、スプールに作用する摺動抵抗を低減することができる。
請求項2の発明では、弁スリーブには、上記制御圧をスプールに形成した面積差を有するフィードバック部に導くフィードバックポートが弁孔に連通するように形成されている。そして、このフィードバックポートを含めた各ポートのうち少なくとも1組の隣接するポート間における前記弁孔の内周面は、高圧側のポート(例えば、供給ポート)から低圧側のポート(例えば、フィードバックポート)に向かってその内径が小さくなるように上述したテーパ角度に応じてテーパ状に形成されている。
これにより、制御圧をスプールに形成した面積差を有するフィードバック部に導くフィードバックポートが弁孔に連通するように形成される電磁弁においても、請求項1に記載の発明と同様に、スプールに作用する摺動抵抗を低減することができる。
以下、本発明の一実施形態について図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る電磁弁10の構成概要を示す断面図である。
電磁弁10は、例えば、車両用自動変速機のオイルパン内部において出力する作動油を制御して油圧制御を実現するもので、ソレノイド部20と、そのソレノイド部20の一端に設けられたスプール部60とによって構成されている。ソレノイド部20は、主に、磁性材料により有底円筒状に形成されるカバー21、コイル22、ステータコア23およびプランジャ24等を備えており、スプール部60は弁スリーブ70とスプール80等を備えている。
ステータコア23は、磁性材料よりなるヨーク部30及びコア部40を備えており、ヨーク部30およびコア部40は、磁気抵抗部(エアギャップ)51により磁気的に分離された状態にて、非磁性材料、例えば、ステンレスにより形成されるリング52を介して互いに同軸的に配置されている。なお、リング52は、ステンレスにより形成されることに限らず、アルミや銅等の非磁性材料で形成されてもよい。
ヨーク部30は、環状のフランジ部31とこのフランジ部31の中央から円筒状に突出する円筒部32とを備えている。
コア部40は、環状のフランジ部41の中央から吸引部42が突出するように形成されている。吸引部42は、プランジャ24に対して磁気吸引力を発揮する役割を果たすもので、この吸引部42には、要求される吸引力特性等に応じて所定の勾配を有するようにテーパ部42aが形成されている。コア部40には、同軸であって径の異なる2つの中心穴43,44が形成されている。中心穴43は、その内径がヨーク部30の中心穴の内径に等しくあるいはそれ以上になるように形成されており、その深さがプランジャ24に必要なストロークより僅かに大きくなるように設定されている。
ヨーク部30は、フランジ部31がカバー21の底部に嵌合するようにカバー21に収納されている。また、コア部40は、フランジ部41がカバー21の開口端に嵌合されるようにカバー21に収納されている。フランジ部31とフランジ部41との間であって円筒部32および吸引部42の外周にはボビンに巻回されたコイル22が配置されている。
ヨーク部30の円筒部32とコア部40の吸引部42との内周には、磁性材料からなるプランジャ24が同軸的であって摺動可能に挿入されており、このプランジャ24は、吸引部42との間に生じる磁気吸引力により当該吸引部42に近接する軸方向に移動する。
このようにソレノイド部20が構成されることにより、コイル22への通電に応じて、カバー21、ステータコア23およびプランジャ24とでもって磁気回路が構成されることとなる。
カバー21の開口端側に位置するフランジ部41の外側面には、スプール80を摺動可能に嵌装する弁スリーブ70が配設されている。そして、カバー21の開口側筒状端部21aを、弁スリーブ70に形成されたフランジ部71とフランジ部41とを接合させた状態でかしめることにより、ソレノイド部20とスプール部60とが一体結合されている。
弁スリーブ70には、径の異なる第1弁孔72と第2弁孔73が形成されるとともに、この第2弁孔73に接続するばね収容孔74が形成されている。これら各弁孔72、73およびばね収容孔74は、ステータコア23およびプランジャ24と同軸上に延びるように形成されている。
スプール80には、第1弁孔72に嵌合する第1ランド部81および第2ランド部82と、第2弁孔73に嵌合する第3ランド部83が設けられている。
第1ランド部81および第2ランド部82は軸方向に所定量離間して設けられ、小径部84によって互いに連結されている。第1弁孔72には、小径部84に対応して環状溝72aが形成されており、この環状溝72aには、制御圧としての作動油を出力する出力ポート75が連通されている。
弁スリーブ70には、第1ランド部81および第2ランド部82の互いに対向する端面にそれぞれ対応して第1弁孔72に作動油を供給するための供給ポート76および第1弁孔72から作動油を排出するための排出ポート77が形成されている。
第2ランド部82と第3ランド部83との間には段差部85が設けられており、この段差部85に連通するフィードバックポート78が弁スリーブ70に形成されている。このフィードバックポート78は、図略の連通路を介して出力ポート75に連通されている。
また、弁スリーブ70には、ばね収容孔74に連通するドレンポート79が形成されている。なお、スプール80の一端には、コア部40の中心穴43,44を貫通してプランジャ24に当接するシャフト部86が突設されている。
ばね収容孔74の開口端はその内周面に形成されたねじ孔に螺合するプラグ90によって閉塞され、このプラグ90とスプール80の間にばね91が設けられている。スプール80は、ばね91の付勢力によってプランジャ24に向けて押圧され、これにより、スプール80のシャフト部86を介してプランジャ24が、通常カバー21の底面に当接する初期位置に保持されている。かかるプランジャ24の初期位置において、プランジャ24のスプール側端縁は、コア部40の吸引部42の端部に軸方向にてほぼ一致するように配置されている(図1参照)。
ここで、弁スリーブ70の第1弁孔72および第2弁孔73の形状について、図2を用いて詳細に説明する。図2は、第1弁孔72および第2弁孔73を示す拡大断面図である。なお、図2においては、説明のために第1弁孔72および第2弁孔73の各内周面に設けられるテーパの角度を誇張して示している。
図2に示すように、出力ポート75と供給ポート76間における第1弁孔72の内周面72bは、高圧側である供給ポート76から低圧側である出力ポート75に向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成されている。また、出力ポート75と排出ポート77間における第1弁孔72の内周面72cは、高圧側である出力ポート75から低圧側である排出ポート77に向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成されている。
また、供給ポート76とフィードバックポート78間における第1弁孔72の内周面72dは、高圧側である供給ポート76から低圧側であるフィードバックポート78に向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成されている。また、フィードバックポート78とドレンポート79間における第2弁孔73の内周面73aは、高圧側であるフィードバックポート78から低圧側であるドレンポート79に向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成されている。
図3は、弁孔内を摺動するスプールSに作用する力を示す概念図であって、図3(A)は、高圧側から低圧側に向かって内径が大きくなるようにテーパ状に形成される弁孔H内を摺動するスプールSに作用する流体固着力Fを示す概念図であり、図3(B)は、高圧側から低圧側に向かって内径が小さくなるようにテーパ状に形成される弁孔H内を摺動するスプールSに作用する調心力Fを示す概念図である。
上述のように第1弁孔72の内周面72b〜72dおよび第2弁孔73の内周面73aをテーパ状にしているのは、以下の理由による。
図3(A)に示すように、高圧側から低圧側に向かってその内径が大きくなるようテーパ状に形成される弁孔H内を円柱状のスプールSが摺動する場合、このスプールSには、流体固着現象による当該スプールSをスリーブ内周に押し付ける力である流体固着力Fが作用する。この場合、スプールSに対する摺動抵抗が大きくなり、上述したスティック等の異常が発生してしまう。
一方、図3(B)に示すように、高圧側から低圧側に向かってその内径が小さくなるようテーパ状に形成される弁孔H内を上記スプールSが摺動する場合、このスプールSには、全外周面に均一化された圧力に基づく力である調心力Fが作用する。このため、弁孔の内周面に適度な角度のテーパを設けることにより、スプールSに作用する摺動抵抗を低減させることができる。
しかしながら、弁孔の内周面に単純に大きなテーパを設けただけでは、高圧側の作動油がスプールに有効に作用せずに低圧側へ漏れてしまう量(以下、漏れ量Qともいう)が大きくなってしまう。したがって、スプールSに作用する摺動抵抗を低減させるためには、弁孔の内周面に適切なテーパ角度を設ける必要がある。
そこで、弁孔の内周面の大径と小径との差をt、弁孔の内周面の平均内径とスプールSの外径dとの差をCと設定し、これらの比であるt/Cと、スプールに作用する径方向の力Fおよび漏れ量Qとの関係を以下に示す式(1)に基づいて解析したところ、図4に示す結果が得られた。図4は、t/Cとスプールに作用する径方向の力Fおよび漏れ量Qとの関係を示すグラフである。なお、図4において、縦軸に示すスプールに作用する径方向の力Fは、正側が調心力を示し、負側が流体固着力を示している。
F=πLdt(P−P)/4C×
{(2+t/C)/(4t/C+t/C1/2−1} ・・・(1)
ここで、LはスプールSの軸方向長さ、Pは、高圧側(大径側)における圧力、Pは、低圧側(小径側)における圧力を示している。
図4から判るように、t/C=0.85である場合にスプールに作用する調心力F(図4に示す実線)が最大となるが、漏れ量Q(図4に示す破線)もt/C=0(内周面にテーパが形成されない状態)である場合と比較して約6倍に増加してしまう。
そこで、本実施形態においては、t/C=0.25を目標に0<t/C≦0.4を満たすように、具体的には、例えば、t=10μm,C=40μmとなるように、上述した第1弁孔72の内周面72b〜72dおよび第2弁孔73の内周面73aのテーパ角度が設定されている。
このように構成される本実施形態に係る電磁弁10の作用について、以下に説明する。コイル22が非励磁状態の場合には、スプール80は、ばね91の付勢力によりプランジャ24を反スプール方向に押圧し、プランジャ24をカバー21の底面に当接する初期位置に保持している。この非励磁状態においては、出力ポート75は、供給ポート76との連通が遮断されているとともに、排出ポート77に連通され、これによって出力ポート75は低圧に保持されている。
一方、コイル22に通電して励磁すると、カバー21、ステータコア23およびプランジャ24でもって磁気回路が構成されて、コア部40の吸引部42とプランジャ24との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力により、プランジャ24が吸引部42側へ引き寄せられて、スプール80がばね91の付勢力に抗して反プランジャ方向に移動する。この移動により、第2ランド部82が供給ポート76を開口し始めるとともに、第1ランド部81が排出ポート77の開口面積を制限し始めるので、出力ポート75の制御圧は次第に上昇される。
また、出力ポート75から出力される制御圧に応じた作動油は、上記連通路を介してフィードバックポート78に供給される。フィードバックポート78に供給された作動油は、段差部85に作用して、第1ランド部81と段差部85の面積差を乗じたフィードバック力をばね91の付勢力と同方向にプランジャ24に作用させる。
このように本実施形態に係る電磁弁10では、コイル22に通電される電流値に応じてコア部40の吸引部42とプランジャ24との間で発生する磁気吸引力と、ばね91の付勢力と、段差部85に作用するフィードバック力とがバランスする位置にスプール80が保持され、これによって上記制御圧はコイル22に通電された電流値に応じた圧力に制御される。
特に、本実施形態においては、t/C=0.25となるように、第1弁孔72の内周面72b〜72dおよび第2弁孔73の内周面73aのテーパ角度が設定されている。これにより、スプール80が第1弁孔72および第2弁孔73内を摺動する際にこのスプール80に作用する調心力が増加するので、当該スプール80に作用する摺動抵抗を減少させることができる。
以上説明したように、本第1実施形態に係る電磁弁10では、第1弁孔72の内周面72bは、高圧側である供給ポート76から低圧側である出力ポート75に向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成されている。また、第1弁孔72の内周面72cは、高圧側である出力ポート75から低圧側である排出ポート77に向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成されている。また、第1弁孔72の内周面72dは、高圧側である供給ポート76から低圧側であるフィードバックポート78に向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成されている。また、第2弁孔73の内周面73aは、高圧側であるフィードバックポート78から低圧側であるドレンポート79に向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成されている。
このように、隣接する各ポート間における第1弁孔72の内周面72b〜72dおよび第2弁孔73の内周面73aは、高圧側のポートから低圧側のポートに向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成されているので、第1弁孔72および第2弁孔73内をスプール80が摺動する場合、このスプール80には、全外周面に均一化された圧力に基づく力である調心力が作用する。このため、第1弁孔72の内周面72b〜72dおよび第2弁孔73の内周面73aに適度な角度のテーパを設けることにより、スプール80に作用する摺動抵抗を低減させることができる。
特に、各テーパ角度は、弁孔の内周面の大径と小径との差tを弁孔の内周面の平均内径とスプールの外径dとの差Cで除算した値t/Cがt/C=0.25を目標に0<t/C≦0.4を満たすように設定されている。これは、図4に示すように、上記式(1)に基づいて、t/Cとスプールに作用する径方向の力Fおよび漏れ量Qとの関係を解析したところ、0<t/C≦0.4である場合に、スプールに作用する調心力Fが増加するとともに漏れ量Qが十分に抑制されるからである。
したがって、スプール80に作用する摺動抵抗を低減することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)第1弁孔72の内周面72b〜72dおよび第2弁孔73の内周面73aを上記テーパ角度にてテーパ状に形成することに限らず、第1弁孔72および第2弁孔73を含めた弁スリーブ70の弁孔に連通される各ポートのうち隣接するポート間における弁孔の内周面を、高圧側のポートから低圧側のポートに向かってその内径が小さくなるように上記テーパ角度にてテーパ状に形成してもよい。
(2)第1弁孔72の内周面72b〜72dおよび第2弁孔73の内周面73aの全ての内周面をテーパ状に形成することに限らず、高圧側と低圧側との圧力差が大きく調心力が効果的に作用する内周面、例えば、出力ポート75および供給ポート76間における第1弁孔72の内周面72bのみテーパ状に形成してもよい。
(3)フィードバックポート78を採用しない電磁弁であっても、上述のように弁孔に連通される各ポートのうち少なくとも1組の隣接するポート間における弁孔の内周面を、高圧側のポートから低圧側のポートに向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成してもよい。
(4)ステータコア23は、ヨーク部30とコア部40とを磁気抵抗部(エアギャップ)51により磁気的に分離して吸引部42とプランジャ24との間の磁気吸引力を増加させることに限らず、ヨーク部30の円筒部32とコア部40の吸引部42とを一体に連結する薄肉部によりヨーク部30とコア部40との間の磁束の漏れを低減して吸引部42とプランジャ24との間の磁気吸引力を増加させてもよい。
本実施形態に係る電磁弁の構成概要を示す断面図である。 第1弁孔および第2弁孔を示す拡大断面図である。 弁孔内を摺動するスプールに作用する力を示す概念図である。 t/Cとスプールに作用する径方向の力および漏れ量との関係を示すグラフである。 従来技術において流体固着力の低減が不十分である場合の電流と制御圧の関係を示すグラフである。
符号の説明
10…電磁弁
20…ソレノイド部
60…スプール部
70…弁スリーブ
72…第1弁孔
72b,72c,72d…内周面
73…第2弁孔
73a…内周面
75…出力ポート
76…供給ポート
77…排出ポート
78…フィードバックポート
79…ドレンポート
80…スプール
81…第1ランド部
82…第2ランド部
83…第3ランド部
84…小径部
85…段差部(フィードバック部)
C…弁孔の平均内径とスプールの外径との差
F,F…流体固着力
F,F…調心力
t…弁孔の大径と小径との差
Q…漏れ量

Claims (2)

  1. コイルに供給される電流に応じてプランジャが磁気吸引されるソレノイド部と、
    前記ソレノイド部に取り付けられ前記プランジャと同軸的に弁孔が形成されるとともにこの弁孔に作動油を供給するための供給ポートと前記弁孔から前記作動油を排出するための排出ポートと前記供給ポートおよび前記排出ポート間に設けられて前記弁孔から制御圧としての前記作動油を出力するための出力ポートとが形成される弁スリーブと、
    前記弁孔に摺動自在に案内支持されて前記プランジャの移動に応じて前記供給ポートと前記出力ポートとの間の連通及び前記出力ポートと前記排出ポートとの間の連通を制御するスプールと、
    を備える電磁弁であって、
    前記供給ポート、前記排出ポートおよび前記出力ポートを含めた前記弁孔に連通される各ポートのうち少なくとも1組の隣接するポート間における前記弁孔の内周面は、高圧側のポートから低圧側のポートに向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成され、
    このテーパ角度は、前記内周面の大径と小径との差を前記内周面の平均内径と前記スプールの外径との差で除算した値が0(ゼロ)より大きく0.4以下になるように設定されることを特徴とする電磁弁。
  2. 前記弁スリーブには、前記制御圧を前記スプールに形成した面積差を有するフィードバック部に導くフィードバックポートが前記弁孔に連通するように形成され、
    前記供給ポート、前記排出ポート、前記出力ポートおよび前記フィードバックポートを含めた前記弁孔に連通される各ポートのうち少なくとも1組の隣接するポート間における前記弁孔の内周面は、高圧側のポートから低圧側のポートに向かってその内径が小さくなるようにテーパ状に形成され、
    このテーパ角度は、前記内周面の大径と小径との差を前記内周面の平均内径と前記スプールの外径との差で除算した値が0(ゼロ)より大きく0.4以下になるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
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