JP4998279B2 - 放射線撮像装置 - Google Patents

放射線撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4998279B2
JP4998279B2 JP2008006941A JP2008006941A JP4998279B2 JP 4998279 B2 JP4998279 B2 JP 4998279B2 JP 2008006941 A JP2008006941 A JP 2008006941A JP 2008006941 A JP2008006941 A JP 2008006941A JP 4998279 B2 JP4998279 B2 JP 4998279B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
image
long
low
subtraction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008006941A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009165629A (ja
Inventor
幸一 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2008006941A priority Critical patent/JP4998279B2/ja
Publication of JP2009165629A publication Critical patent/JP2009165629A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4998279B2 publication Critical patent/JP4998279B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Description

この発明は、検出された放射線に基づいて放射線画像を得ることで放射線撮像を行う放射線撮像装置に係り、特に、照視野よりも狭く絞った状態で所定距離(スロット幅)毎に動かしながら撮像(スロット撮像)を行い、それによって得られた長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理を行うスロットラジオグラフィーのサブトラクション処理の技術に関する。
スロットラジオグラフィーでは、X線管(放射線照射手段)から照射される照視野を制御するコリメータ(照視野制御手段)をX線管の照射側に配設し、そのコリメータによって、X線検出器(放射線検出手段)に投影される照視野よりも狭く絞った状態で、X線管およびX線検出器を被検体の長手方向に沿って天板に対して所定距離(すなわちスロット幅)毎に平行移動させながらX線管から狭く絞られたスロット状のX線を間欠的に照射して撮像を行う。このような撮像を、本明細書では「スロット撮像」と定義づける。
コリメータによって照視野を狭く絞った状態で検出されたスロット幅毎の複数の短冊状のX線画像を1つの長尺状のX線画像に合成することで、従来よりも撮影範囲の長い、いわゆる長尺撮像を行う。かかるスロットラジオグラフィーと、軟部の画像や骨部の画像を抽出するためのエネルギーサブトラクションとを組み合わせることで、長尺状のサブトラクション画像を取得することができる(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平2−275582号公報(第1−7頁、第1〜3図) 特開2007−160077号公報(第1−13頁、図1,2,4〜12)
しかしながら、スロット撮像(すなわちスロットラジオグラフィー)で得られた長尺状の高圧画像と長尺状の低圧画像とをそのまま用いてサブトラクション処理を行うと、サブトラクション画像を適切に得ることができないという問題がある。
例えば、撮像系(X線管・X線検出器対)は、被検体をできる限り短時間で走査(移動)するのが好ましい。したがって、ステップ状(撮像のときのみ走査して、それ以外のときには停止)ではなく、連続的に撮像系を移動させることが必須である。しかし、連続的に移動させながらX線の照射を行うと、動きによるボケが生じるので照射時間が限られてしまう。このような限られた照射時間で低電圧値に応じた放射線を照射して長尺状の低圧画像を得ても、照射時間の制限からX線量不足になることがあり得る。その結果、サブトラクション処理を行っても、軟部の画像や骨部の画像を適切に抽出することができない。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、サブトラクション画像を適切に得ることができる放射線撮像装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、前記被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線照射手段に配設され、かつその放射線照射手段から照射される照視野を、前記放射線検出手段に投影される照視野よりも狭く絞って制御する照視野制御手段とを備え、検出された放射線に基づいて放射線画像を得ることで放射線撮像を行う放射線撮像装置であって、(A)前記放射線照射手段が高電圧値に応じた放射線およびそれよりも低い低電圧値に応じた放射線をそれぞれ照射するように構成するとともに、前記放射線検出手段が前記高電圧値に応じた放射線および前記低電圧値に応じた放射線をそれぞれ検出して、高電圧値に応じた放射線検出信号および低電圧値に応じた放射線検出信号をそれぞれ出力するように構成し、さらに、(B)前記照視野制御手段によって前記照視野を狭く絞った状態で、前記放射線照射手段および放射線検出手段が被検体の長手方向に沿って互いに同方向に相対的に平行移動するように構成するとともに、放射線照射手段および放射線検出手段が被検体に対して所定距離毎に相対移動する度に放射線照射手段から放射線を間欠的に照射して、間欠的に照射された被検体を透過した放射線を前記放射線検出手段が検出するように構成し、前記装置は、前記照視野制御手段によって前記照視野を狭く絞った状態で検出された前記所定距離毎の前記高電圧値に応じた放射線検出信号に基づく複数の短冊状の高圧画像を1つの長尺状の高圧画像に合成する高圧画像合成手段と、前記照視野制御手段によって前記照視野を狭く絞った状態で検出された前記所定距離毎の前記低電圧値に応じた放射線検出信号に基づく複数の短冊状の低圧画像を1つの長尺状の低圧画像に合成する低圧画像合成手段と、各々の前記長尺状の高圧画像と前記長尺状の低圧画像との位置合わせを行う位置合わせ手段と、その位置合わせが行われた状態で同じ高電圧同士の複数の前記長尺状の高圧画像あるいは同じ低電圧同士の複数の前記長尺状の低圧画像に基づいて所定の演算処理を行う演算処理手段と、その演算処理に基づいて長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理を行って長尺状のサブトラクション画像を取得するサブトラクション処理手段とを備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、放射線照射手段は、高電圧値に応じた放射線およびそれよりも低い低電圧値に応じた放射線をそれぞれ照射し、放射線検出手段は、上述した高電圧値に応じた放射線および低電圧値に応じた放射線をそれぞれ検出して、エネルギーサブトラクション前の高電圧値に応じた放射線検出信号に基づく高圧画像および低電圧値に応じた放射線検出信号に基づく低圧画像を取得する(A)の撮像を行う。一方で、放射線照射手段から照射される照視野を、放射線検出手段に投影される照視野よりも狭く絞って照視野制御手段は制御し、照視野制御手段によって照視野を狭く絞った状態で、放射線照射手段および放射線検出手段が被検体の長手方向に沿って互いに同方向に相対的に平行移動しながら、放射線照射手段から放射線を間欠的に照射して、間欠的に照射された被検体を透過した放射線を放射線検出手段が検出して、(B)の放射線撮像(すなわちスロット撮像)を行う。このようなスロット撮像を行うことで、照視野制御手段によって照視野を狭く絞った状態で検出された所定距離(すなわちスロット幅)毎の複数の短冊状の放射線画像が得られる。このような(A)および(B)の撮像を組み合わせることで、照視野制御手段によって照視野を狭く絞った状態で検出された所定距離(スロット幅)毎の複数の短冊状の高圧画像が得られ、同じく照視野を狭く絞った状態で検出された所定距離(スロット幅)毎の複数の短冊状の低圧画像が得られる。高圧画像合成手段は、これらの短冊状の高圧画像を1つの長尺状の高圧画像に合成することで、長尺状の高圧画像が得られる。また、低圧画像合成手段は、これらの短冊状の低圧画像を1つの長尺状の低圧画像に合成することで長尺状の低圧画像が得られる。放射線照射手段および放射線検出手段が被検体の長手方向に沿って相対的に平行移動しているので、各画像間ではズレが生じており、そのズレをなくすべく各々の長尺状の高圧画像と長尺状の低圧画像との位置合わせを位置合わせ手段が行う。その位置合わせが行われた状態で同じ高電圧同士の複数の長尺状の高圧画像あるいは同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像に基づいて演算処理手段は所定の演算処理を行う。その演算処理に基づいて長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理をサブトラクション処理手段が行って長尺状のサブトラクション画像を取得する。従来のような長尺状の高圧画像と長尺状の低圧画像とをそのまま用いてサブトラクション処理を行わずに、所定の演算処理に基づいて長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理を行っているので、サブトラクション画像を適切に得ることができる。
上述した発明において、放射線照射手段および放射線検出手段は被検体に対して互いに同速度で相対的に平行移動するのが好ましい(請求項2に記載の発明)。放射線照射手段および放射線検出手段が被検体に対して互いに同速度で相対的に平行移動することで、放射線照射手段および放射線検出手段をより長く相対移動させることができる。その結果、より長い視野の長尺状の高圧画像および低圧画像、さらにはより長い視野の長尺状のサブトラクション画像を得ることができる。
上述した演算処理手段は、サブトラクション画像の目的に応じて所定の演算処理を行う。例えば、低圧画像における放射線照射量不足を補う、あるいは高圧画像において粒状性の良い画像を得る目的であれば、演算処理手段は複数の画像の加算値を求めるのが好ましい(請求項3に記載の発明)。
加算値を求める一例としては、演算処理手段は、位置合わせが行われた状態で同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像の加算値を求め、サブトラクション処理手段は、長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行って長尺状のサブトラクション画像を取得することが挙げられる(請求項4に記載の発明)。同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像の加算値を求めることで、低圧画像における放射線照射量不足を補って、長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行うことで、サブトラクション画像を適切に得ることができる。
また、加算値を求める他の一例としては、演算処理手段は、位置合わせが行われた状態で同じ高電圧同士の複数の長尺状の高圧画像の加算値を求め、サブトラクション処理手段は、長尺状の高圧画像の加算値および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理を行って長尺状のサブトラクション画像を取得することが挙げられる(請求項5に記載の発明)。同じ高電圧同士の複数の長尺状の高圧画像の加算値を求めることで、高圧画像において粒状性の良い画像を得て、長尺状の高圧画像の加算値および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理を行うことで、サブトラクション画像を適切に得ることができる。
さらに、加算値を求めるさらなる他の一例としては、演算処理手段は、位置合わせが行われた状態で同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像の加算値を求めるとともに、位置合わせが行われた状態で同じ高電圧同士の複数の長尺状の高圧画像の加算値を求め、サブトラクション処理手段は、長尺状の高圧画像の加算値および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行って長尺状のサブトラクション画像を取得することが挙げられる(請求項6に記載の発明)。同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像の加算値を求めることで、低圧画像における放射線照射量不足を補って、同じ高電圧同士の複数の長尺状の高圧画像の加算値を求めることで、高圧画像において粒状性の良い画像を得て、長尺状の高圧画像の加算値および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行うことで、サブトラクション画像を適切に得ることができる。すなわち、この一例(請求項6に記載の発明)は、上述した請求項4に記載の発明と請求項5に記載の発明とを組み合わせた例である。
なお、所定の演算処理は、通常用いられる演算処理であれば、上述した加算値を求めるのに限定されずに、加算平均(相加平均)や加乗平均(相乗平均)や中央値(Median)や最頻値や加重平均値であってもよい。
この発明に係る放射線撮像装置によれば、位置合わせが行われた状態で同じ高電圧同士の複数の長尺状の高圧画像あるいは同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像に基づいて演算処理手段は所定の演算処理を行い、その演算処理に基づいて長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理をサブトラクション処理手段が行って長尺状のサブトラクション画像を取得することで、サブトラクション画像を適切に得ることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るX線撮像装置のブロック図であり、図2は、フラットパネル型X線検出器の駆動に関するFPD駆動機構の概略構成を示す模式図であり、図3は、X線管の駆動に関するX線管駆動部の概略構成を示す模式図である。本実施例では放射線検出手段としてフラットパネル型X線検出器(以下、「FPD」と略記する)を例に採るとともに、放射線撮像装置としてX線撮像装置を例に採って説明する。
X線撮像装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1と、その被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、被検体Mを透過したX線を検出するFPD3とを備えている。X線管2の照射側にはX線管2から照射される照視野を制御するコリメータ2aを配設している。X線管2は、この発明における放射線照射手段に相当し、コリメータ2aは、この発明における照視野制御手段に相当し、FPD3は、この発明における放射線検出手段に相当する。
X線撮像装置は、他に、天板1の昇降および水平移動を制御する天板制御部4や、FPD3の走査を制御するFPD制御部5や、X線管2の管電圧や管電流を発生させる高電圧発生部6を有するX線管制御部7や、FPD3から電荷信号であるX線検出信号をディジタル化して取り出すA/D変換器8や、A/D変換器8から出力されたX線検出信号に基づいて種々の処理を行う画像処理部9や、これらの各構成部を統括するコントローラ10や、処理された画像などを記憶するメモリ部11や、オペレータが入力設定を行う入力部12や、処理された画像などを表示するモニタ13などを備えている。
天板制御部4は、天板1を水平移動させて被検体Mを撮像位置にまで収容したり、昇降、回転および水平移動させて被検体Mを所望の位置に設定したり、水平移動させながら撮像を行ったり、撮像終了後に水平移動させて撮像位置から退避させる制御などを行う。これらの制御は、モータやエンコーダ(図示省略)などからなる天板駆動機構(図示省略)を制御することで行う。
FPD制御部5は、FPD3を被検体Mの長手方向である体軸z方向に沿って平行移動させる制御を行う。この制御は、図2に示すように、ラック14aやピニオン14bやモータ14cやエンコーダ14dなどからなるFPD駆動機構14を制御することで行う。具体的には、ラック14aは被検体Mの体軸z方向に沿って延在している。ピニオン14bはFPD3を支持し、その一部はラック14aに嵌合しており、モータ14cの回転によって回転する。例えば、モータ14cを正転させると、図2中の一点鎖線に示すようにラック14aに沿ってFPD3が被検体Mの足元側に平行移動し、モータ14cを逆転させると、図2中の二点鎖線に示すようにラック14aに沿ってFPD3が被検体Mの頭側に平行移動する。エンコーダ14dはFPD3の移動方向と移動量(移動距離)に対応したモータ14cの回転方向および回転量を検出する。エンコーダ14dによる検出結果をFPD制御部5に送る。
高電圧発生部6は、X線を照射させるための管電圧や管電流を発生してX線管2に与える。X線管制御部7は、X線管2を被検体Mの体軸z方向に沿って平行移動させる制御を行う。この制御は、図3に示すように、支柱15aやネジ棒15bやモータ15cやエンコーダ15dなどからなるX線管駆動部15を制御することで行う。具体的には、支柱15aはX線管2を上端側に装着支持し、下端側にネジ棒15bにネジ結合している。ネジ棒15bは被検体Mの体軸z方向に沿って延在しており、モータ15cの回転によって回転する。例えば、モータ15cを正転させると、図3中の一点鎖線に示すように支柱15aとともにX線管2が被検体Mの足元側に平行移動し、モータ15cを逆転させると、図3中の二点鎖線に示すように支柱15aとともにX線管2が被検体Mの頭側に平行移動する。エンコーダ15dはX線管2の移動方向と移動量(移動距離)に対応したモータ15cの回転方向および回転量を検出する。エンコーダ15dによる検出結果をX線管制御部7に送る。
なお、図1に示すように、X線管2およびFPD3が被検体Mの体軸z方向に沿って互いに同方向に平行移動するように構成するために、図2のモータ14cの回転方向、および図3のモータ15cの回転方向が同じになるように、FPD制御部5およびX線管制御部7は制御する。また、本実施例では、X線管2およびFPD3は互いに同速度で平行移動するのが好ましい。すなわち、X線管2の移動量とFPD3の移動量とが同じになるように、FPD制御部5はモータ14cの回転量を制御するとともに、X線管制御部7はモータ15cの回転量を制御する。
また、X線管制御部7は、X線管2側のコリメータ2aの照視野の設定の制御を行う。本実施例では、被検体Mの長手方向(体軸z方向)に、FPD3に投影される照視野よりも狭く絞った状態でスロット状のX線を照射するとともに、短手方向(体軸zに水平面内に直交する方向)に広がりを有するファンビーム状のX線を照射するようにコリメータ2aを制御して照視野を設定する。また、X線管2およびFPD3が後述するスロット幅(所定距離)毎に移動する度にX線管2から(長手方向ではスロット状で、短手方向ではファンビーム状の)X線を間欠的に照射するようにX線管制御部7は制御する。また、FPD制御部5は、間欠的に照射された被検体Mを透過したX線をFPD3が検出するように制御する。
コントローラ10は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されており、メモリ部11は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されている。また、入力部12は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。
画像処理部9は、後述する短冊状の高圧画像や短冊状の低圧画像を取得する高低圧画像取得部9aと、短冊状の高圧画像を1つの長尺状の高圧画像に合成し、短冊状の低圧画像を1つの長尺状の低圧画像に合成する高低圧画像合成部9bと、長尺状の高圧画像と長尺状の低圧画像との位置合わせを行う位置合わせ部9cと、同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像を加算して、長尺状の低圧画像の加算値を求める加算器9dと、長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行って長尺状のサブトラクション画像を取得するサブトラクション処理部9eとを備えている。高低圧画像合成部9bは、この発明における高圧画像合成手段および低圧画像合成手段に相当し、位置合わせ部9cは、この発明における位置合わせ手段に相当し、加算器9dは、この発明における演算処理手段に相当し、サブトラクション処理部9eは、サブトラクション処理手段に相当する。なお、高低圧画像合成部9bは、この発明における高圧画像合成手段および低圧画像合成手段を兼用している。高低圧画像合成部9bや位置合わせ部9cや加算器9dやサブトラクション処理部9eの具体的な機能については、図6〜図10で後述する。
メモリ部11は、画像処理部9で処理された各々の画像を書き込んで記憶するように構成されている。FPD制御部5やX線管制御部7も、コントローラ10と同様にCPUなどで構成されている。
次に、フラットパネル型X線検出器(FPD)3の構造について、図4および図5を参照して説明する。図4は、側面視したフラットパネル型X線検出器(FPD)の等価回路であり、図5は、平面視したフラットパネル型X線検出器(FPD)の等価回路である。
FPD3は、図4に示すように、ガラス基板31と、ガラス基板31上に形成された薄膜トランジスタTFTとから構成されている。薄膜トランジスタTFTについては、図4、図5に示すように、縦・横式2次元マトリクス状配列でスイッチング素子32が多数個(例えば、1024個×1024個)形成されており、キャリア収集電極33ごとにスイッチング素子32が互いに分離形成されている。すなわち、FPD3は、2次元アレイ放射線検出器でもある。
図4に示すようにキャリア収集電極33の上にはX線感応型半導体34が積層形成されており、図4、図5に示すようにキャリア収集電極33は、スイッチング素子32のソースSに接続されている。ゲートドライバ35からは複数本のゲートバスライン36が接続されているとともに、各ゲートバスライン36はスイッチング素子32のゲートGに接続されている。一方、図5に示すように、電荷信号を収集して1つに出力するマルチプレクサ37には増幅器38を介して複数本のデータバスライン39が接続されているとともに、図4、図5に示すように各データバスライン39はスイッチング素子32のドレインDに接続されている。
図示を省略する共通電極にバイアス電圧を印加した状態で、ゲートバスライン36の電圧を印加(または0Vに)することでスイッチング素子32のゲートがONされて、キャリア収集電極33は、検出面側で入射したX線からX線感応型半導体34を介して変換された電荷信号(キャリア)を、スイッチング素子32のソースSとドレインDとを介してデータバスライン39に読み出す。なお、スイッチング素子がONされるまでは、電荷信号はキャパシタ(図示省略)で暫定的に蓄積されて記憶される。各データバスライン39に読み出された電荷信号を増幅器38で増幅して、マルチプレクサ37で1つの電荷信号にまとめて出力する。出力された電荷信号をA/D変換器8でディジタル化してX線検出信号として出力する。
次に、高低圧画像合成部9bや位置合わせ部9cや加算器9dやサブトラクション処理部9eの具体的な機能について、図6〜図10を参照して説明する。図6は、スロット幅と移動速度と照射間隔(曝射間隔)との関係を示す説明に供する照射のタイミングチャートであり、図7は、一連のX線撮像のタイミングチャートおよび各画像データの流れを示した模式図であり、図8は、短冊状のX線画像(高圧画像、低圧画像)の合成の概略図であり、図9は、位置合わせが行われる前の各長尺状の画像の模式図であり、図10は、位置合わせが行われた後の各長尺状の画像の模式図である。
高電圧発生部6(図1を参照)は管電圧のうち高電圧(例えば120kV)およびそれよりも低い低電圧(例えば60kV)をX線管2(図1を参照)に付与する。X線管2は上述した高電圧値に応じたX線と低電圧値に応じたX線とをそれぞれ照射する。例えば、図7に示すように、1フレームの収集時間を33msとすると、1周期33msの同期信号に同期して、最初の1フレームで高電圧値に応じたX線を照射した場合には、次の3フレーム目で低電圧値に応じたX線を照射するとともに、さらなる次の5フレーム目で低電圧値に応じたX線を照射する。以下、同様に照射すると、mを自然数としたときに、(6m−5)フレームで高電圧値に応じたX線を照射し、(6m−3)フレームで低電圧値に応じたX線を照射するとともに、(6m−1)フレームで低電圧値に応じたX線を照射する。FPD3(図1、図4、図5を参照)は、高電圧値に応じたX線と低電圧値に応じたX線とをそれぞれ検出して、高電圧値に応じたX線検出信号および低電圧値に応じたX線検出信号をそれぞれ出力する。各X線検出信号をA/D変換器8(図1、図5を参照)でそれぞれディジタル化する。
高低圧画像取得部9a(図1を参照)は、A/D変換器8でそれぞれディジタル化されたX線検出信号のうち、高電圧値に応じたX線検出信号に基づいて高圧画像を取得するとともに、低電圧値に応じたX線検出信号に基づいて低圧画像を取得する。具体的には、X線検出信号の信号値に応じて画素値を求める。したがって、高電圧値に応じたX線検出信号では低電圧に応じたX線検出信号よりも信号値が高くなるので、高電圧値に応じたX線検出信号に基づいて取得された高圧画像の画素値は、低電圧値に応じたX線検出信号に基づいて取得された低圧画像の画素値よりも高くなる。
なお、図6(a)に示すように、エネルギーサブトラクションを行わない通常のスロット撮像におけるスロット幅をdとして、被検体Mに対する撮像系(X線管2・FPD3対)の移動速度をVとして、間欠照射から次の間欠照射までの時間間隔である照射間隔(すなわち曝射間隔)をtとすると、d=V×tで表される。また、エネルギーサブトラクションを行うスロット撮像におけるスロット幅をd´とする。図6(b)に示すように、1つのサブトラクション画像を得るために、高電圧に応じたX線を照射した後に低電圧に応じたX線を照射する場合には、d´=V×t×2で表される。図6(c)に示すように、1つのサブトラクション画像を得るために、高電圧に応じたX線を照射した後に低電圧に応じたX線を2回ずつ照射した場合(すなわち、図7のタイミングチャート場合)には、d´=V×t×3で表される。このように、図6(d)に示すように、1つのサブトラクション画像を得るために必要なX線の照射回数(曝射回数)をYとした場合には、一般的に、d´=V×t×Yで表される。
もし、被検体Mの体厚によって移動速度Vを設定変更する(例えば体厚が厚い場合には移動速度Vを遅くして、体厚が薄い場合には移動速度Vを速くして一定のX線量を確保する)場合には、上述したスロット幅dは通常では固定であるので、スロット幅d´を基準としてYにしたがって移動速度Vを設定変更するのが好ましい。もちろん、スロット幅dが固定でない場合には、スロット幅dを基準にしてYにしたがってスロット幅d´を変更して、さらに移動速度を設定変更してもよい。
FPD制御部5で設定されたスロット幅d、そのスロット幅dに応じた照視野d´で、撮像系(X線管2・FPD3対)は被検体Mの各部位を走査して、短冊状のX線画像(「スロット画像」とも呼ぶ)を取得する。具体的には、コリメータ2aによって照視野を狭く絞った状態で、撮像系(X線管2・FPD3対)が被検体Mの長手方向である体軸zに沿って互いに同方向に平行移動しながら、X線管2からX線を間欠的に照射して、間欠的に照射された被検体Mを透過したX線をFPD3が検出することで、X線検出信号が得られる。このX線検出信号をA/D変換器8(図1、図5を参照)でそれぞれディジタル化することで、FPD3に投影される図8に示すような照視野P,P,…,Pにおいて、有効スロット幅dの短冊状のX線画像(スロット画像)がPS1,PS2,…,PSNと得られる。
このようなエネルギーサブトラクションとスロット撮像とを組み合わせた撮像をまとめると以下のようになる。すなわち、1周期33msの同期信号に同期して、スロット幅dおよび照視野d´で、撮像系(X線管2・FPD3対)は被検体Mの長手方向である体軸zに沿って互いに同方向に平行移動しながら、(6m−5)フレームでX線管2から高電圧に応じたX線を間欠的に照射して、(6m−3)フレームでX線管2から低電圧値に応じたX線を間欠的に照射するとともに、(6m−1)フレームでX線管2から低電圧値に応じたX線を間欠的に照射する。間欠的に照射された被検体Mを透過した高電圧値に応じたX線をFPD3が検出することで、高電圧値に応じたX線検出信号を得て、間欠的に照射された被検体Mを透過した低電圧値に応じたX線をFPD3が検出することで、低電圧値に応じたX線検出信号を得て、高低圧画像取得部9a(図1を参照)は、短冊状の高圧画像PS1,PS2,…,PSNや短冊状の低圧画像PS1,PS2,…,PSNをそれぞれ取得する。
このように得られた複数(N)個の高圧画像PS1,PS2,…,PSNを高低圧画像合成部9bが1つの長尺状の高圧画像Q(図7では「長尺状の画像」で表記、図7、図9、図10では「H」で表記)に合成するとともに、複数(N)個の低圧画像PS1,PS2,…,PSNを高低圧画像合成部9bが1つの長尺状の低圧画像Q(図7では「長尺状の画像」で表記、図7、図9、図10では(6m−3)フレームにおいて「L」、(6m−1)フレームにおいて「L」でそれぞれ表記)に合成する。この合成の際には、被検体Mの部位に応じたX線の透過率や吸収率を考慮して、各々のスロット画像PS1,PS2,…,PSNに対して重み付けを行って合成するのが好ましい。
このように合成された長尺状の高圧画像および低圧画像は、図9に示す通りである。図9や図10では、胃(stomach)を符号sで付するとともに、心臓(heart)を符号hで付し、背骨(backbone)を符号bで付し、肋骨(rib)を符号rで付する。(6m−5)フレームで得られた短冊状の高圧画像から合成された長尺状の高圧画像Q(H)は、図9(a)に示す通りであり、(6m−3)フレームで得られた短冊状の低圧画像から合成された長尺状の低圧画像Q(L)は、図9(b)に示す通りであり、(6m−1)フレームで得られた短冊状の低圧画像から合成された長尺状の低圧画像Q(L)は、図9(c)に示す通りである。
(6m−5)フレームでの高圧画像から次の(6m+1)フレームでの高圧画像までに撮像系が移動した距離はスロット幅dであり、(6m−3)フレームでの低圧画像から次の(6m+3)フレームでの低圧画像までに撮像系が移動した距離はスロット幅dであり、(6m−1)フレームでの低圧画像から次の(6m+5)フレームでの低圧画像までに撮像系が移動した距離はスロット幅dである。したがって、図9(a)に示す長尺状の高圧画像Q(H)を基準とすると、図9(b)に示す長尺状の低圧画像Q(L)ではd/3のズレが生じ、図9(c)に示す長尺状の低圧画像Q(L)では2d/3のズレが生じる。
そこで、位置合わせ部9cは、各々の長尺状の高圧画像Q(H)と長尺状の低圧画像Q(L),Q(L)との位置合わせを、図10に示すように行う。すなわち、図9(a)に示す長尺状の高圧画像Q(H)を基準とすると、図9(a)に示す長尺状の高圧画像Q(H)では図10(a)に示すようにズレ分のシフトはないが、図9(b)に示す長尺状の低圧画像Q(L)では図10(b)に示すようにd/3分のシフトを行うとともに、図9(c)に示す長尺状の低圧画像Q(L)では図10(c)に示すように2d/3分のシフトを行って、それぞれの位置合わせを行う。
その位置合わせが行われた状態で加算器9dは同じ低電圧同士の複数(ここではL,Lの2つ)の長尺状の低圧画像を加算して、長尺状の低圧画像の加算値(図7では「加算画像」、「Ladd」で表記)を求める。長尺状の高圧画像Hおよび長尺状の低圧画像の加算値Laddに関するサブトラクション処理をサブトラクション処理部9eが行って長尺状のサブトラクション画像(図7では「B」で表記)を取得する。具体的には、長尺状の高圧画像Hの対数値および長尺状の低圧画像の加算値Laddの対数値にそれぞれ重み係数を乗じて減算を行うことで、重み付けログ減算が行われる。軟部(図9、図10では胃sや心臓hに相当)または骨部(図9、図10では背骨bや肋骨rに相当)のいずれかが抽出できるように各々の重み係数を適宜変更して重み付けログ減算を行う。サブトラクション処理は、上述した重み付けログ減算に限定されず、通常において行われる手法であればよい。また、サブトラクション処理後にダイナミックレンジ(スケールおよびオフセット)を用いて調整してもよい。
本実施例に係るX線撮像装置によれば、X線管2は、高電圧値に応じたX射線およびそれよりも低い低電圧値に応じたX線をそれぞれ照射し、フラットパネル型X線検出器(FPD)3は、上述した高電圧値に応じたX線および低電圧値に応じたX線をそれぞれ検出して、エネルギーサブトラクション前の高電圧値に応じたX線検出信号に基づく高圧画像および低電圧値に応じたX線検出信号に基づく低圧画像を取得する(A)の撮像を行う。
一方で、X線管2から照射される照視野を、フラットパネル型X線検出器(FPD)3に投影される照視野よりも狭く絞ってコリメータ2aは制御し、コリメータ2aによって照視野を狭く絞った状態で、X線管2およびFPD3が被検体Mの長手方向である体軸zに沿って互いに同方向に平行移動しながら、X線管2からX線を間欠的に照射して、間欠的に照射された被検体Mを透過したX線をFPD3が検出して、(B)のX線撮像(すなわちスロット撮像)を行う。
このようなスロット撮像を行うことで、コリメータ2aによって照視野を狭く絞った状態で検出された所定距離(すなわちスロット幅d)毎の複数の短冊状のX線画像(スロット画像、ここでは高圧画像および低圧画像)が得られる。このような(A)および(B)の撮像を組み合わせることで、コリメータ2aによって照視野を狭く絞った状態で検出された所定距離(スロット幅d)毎の複数の短冊状の高圧画像が得られ、同じく照視野を狭く絞った状態で検出された所定距離(スロット幅d)毎の複数の短冊状の低圧画像が得られる。
高低圧画像合成部9bは、これらの短冊状の高圧画像を1つの長尺状の高圧画像に合成することで、長尺状の高圧画像が得られ、これらの短冊状の低圧画像を1つの長尺状の低圧画像に合成することで長尺状の低圧画像が得られる。X線管2およびFPD3が被検体Mの長手方向である体軸zに沿って平行移動しているので、各画像間ではズレが生じており、そのズレをなくすべく各々の長尺状の高圧画像と長尺状の低圧画像との位置合わせを位置合わせ部9cが行う。その位置合わせが行われた状態で同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像に基づいて加算器9dは所定の演算処理(本実施例では加算処理)を行う。その演算処理(加算処理)に基づいて長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理をサブトラクション処理部9eが行って長尺状のサブトラクション画像を取得する。
従来のような長尺状の高圧画像と長尺状の低圧画像とをそのまま用いてサブトラクション処理を行わずに、所定の演算処理(ここでは加算処理)に基づいて長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理を行っているので、サブトラクション画像を適切に得ることができる。本実施例において被検体Mを人体に適用した場合には、整形外科などで要求される全脊柱の骨成分のみの抽出など、人体の体軸方向に長い視野において特定組織の抽出が可能になるという効果をも奏する。
本実施例では、X線管2およびFPD3は互いに同速度で平行移動している。X線管2およびFPD3が互いに同速度で平行移動することで、X線管2およびFPD3をより長く移動させることができる。その結果、より長い視野の長尺状の高圧画像および低圧画像、さらにはより長い視野の長尺状のサブトラクション画像を得ることができる。
上述した加算器9dに代表される演算処理手段は、サブトラクション画像の目的に応じて所定の演算処理を行う。本実施例では、低圧画像におけるX線量(X線照射量)不足を補う目的で、加算器9dは複数の低圧画像の加算値を求めている。そして、加算器9dは、位置合わせが行われた状態で同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像の加算値を求め、サブトラクション処理9eは、長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行って長尺状のサブトラクション画像を取得している。同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像の加算値を求めることで、低圧画像におけるX線照射量不足を補って、長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行うことで、軟部の画像や骨部の画像を適切に抽出することができて、サブトラクション画像を適切に得ることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、放射線撮像装置としてX線撮像装置を例に採って説明したが、PET(Positron Emission Tomography)装置やSPECT(Single Photon Emission CT)装置などに代表されるECT(Emission Computed Tomography)装置のように、X線以外の放射線(PET装置の場合にはγ線)を検出して、検出された放射線に基づいて放射線画像を得ることで放射線撮像を行う放射線撮像装置に適用してもよい。
(2)上述した実施例では、図1に示すようなX線撮像装置を例に採って説明したが、この発明は、例えばC型アームに配設されたX線撮像装置にも適用してもよい。また、この発明は、X線CT装置にも適用してもよい。
(3)上述した実施例では、放射線検出手段としてフラットパネル型X線検出器を例に採って説明したが、イメージインテンシファイア(I.I)のように、通常において用いられるX線検出手段であれば特に限定されない。また、上述した変形例(1)のようにECT装置に適用した場合のように、通常において用いられる放射線検出手段であれば特に限定されない。
(4)上述した実施例では、高低圧画像取得部9aは、高圧画像取得の機能および低圧画像取得の機能を兼用していたが、高圧画像取得と低圧画像取得との機能を別々の画像取得部がそれぞれ独立して行ってもよい。同様に、高低圧画像合成部9bは、この発明における高圧画像合成手段および低圧画像合成手段を兼用していたが、高圧画像合成手段と低圧画像合成手段との機能を別々の画像合成部がそれぞれ独立して行ってもよい。
(5)上述した実施例では、X線管2に代表される放射線照射手段およびFPD3に代表される放射線検出手段は互いに同速度で平行移動したが、放射線照射手段および放射線検出手段が被検体の長手方向に沿って互いに同方向に相対的に平行移動するならば、いずれか一方を速く移動させて、他方を遅く移動させてもよい。
(6)上述した実施例では、X線管2に代表される放射線照射手段およびFPD3に代表される放射線検出手段のみを移動させて、被検体Mを載置する天板1を固定することで、放射線照射手段および放射線検出手段が被検体の長手方向に沿って互いに同方向に相対的に平行移動したが、放射線照射手段および放射線検出手段が被検体の長手方向に沿って互いに同方向に相対的に平行移動するのであれば、具体的な移動については限定されない。例えば、X線管2に代表される放射線照射手段およびFPD3に代表される放射線検出手段を固定して、被検体Mを載置する天板1のみを長手方向に移動させることで、放射線照射手段および放射線検出手段が被検体の長手方向に沿って互いに同方向に相対的に平行移動してもよい。また、X線管2に代表される放射線照射手段およびFPD3に代表される放射線検出手段を移動させるとともに、被検体Mを載置する天板1も長手方向に移動させることで、放射線照射手段および放射線検出手段が被検体の長手方向に沿って互いに同方向に相対的に平行移動してもよい。
(7)上述した実施例では、この発明における照視野制御手段として、コリメータ2aを例に採って説明したが、照視野を制御する手段であれば、単なるスリットに例示されるように、特に限定されない。
(8)上述した実施例では、加算器9d(図1を参照)は、2つの長尺状の低圧画像L,L(図7、図9、図10を参照)を加算して、長尺状の低圧画像の加算値を求めたが、3つ以上の長尺状の低圧画像を加算して、長尺状の低圧画像の加算値を求めてもよい。
(9)上述した実施例では、加算器9d(図1を参照)は、同じ低電圧同士の複数(実施例ではL,Lの2つ)の長尺状の低圧画像を加算して、長尺状の低圧画像の加算値を求め、サブトラクション処理9e(図1を参照)は、長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行って長尺状のサブトラクション画像を取得したが、以下のように加算して、サブトラクション処理を行ってもよい。すなわち、加算器9dは、位置合わせが行われた状態で同じ高電圧同士の複数の長尺状の高圧画像の加算値を求め、サブトラクション処理部9eは、長尺状の高圧画像の加算値および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理を行って長尺状のサブトラクション画像を取得してもよい。同じ高電圧同士の複数の長尺状の高圧画像の加算値を求めることで、高圧画像において粒状性の良い画像を得て、長尺状の高圧画像の加算値および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理を行うことで、サブトラクション画像を適切に得ることができる。
(10)上述した変形例(9)の他に、加算器9dは、位置合わせが行われた状態で同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像の加算値を求めるとともに、位置合わせが行われた状態で同じ高電圧同士の複数の長尺状の高圧画像の加算値を求め、サブトラクション処理部9eは、長尺状の高圧画像の加算値および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行って長尺状のサブトラクション画像を取得してもよい。同じ低電圧同士の複数の長尺状の低圧画像の加算値を求めることで、低圧画像における放射線照射量不足(実施例ではX線線量不足)を補って、同じ高電圧同士の複数の長尺状の高圧画像の加算値を求めることで、高圧画像において粒状性の良い画像を得て、長尺状の高圧画像の加算値および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行うことで、サブトラクション画像を適切に得ることができる。すなわち、この変形例(10)は、上述した実施例と変形例(9)とを組み合わせた例である。
(11)上述した実施例では、長尺状のX線画像(上述した実施例では低圧画像)の加算値であったが、通常用いられる演算処理であれば、加算値に限定されず、例えばX線画像の加算平均(すなわち相加平均)値、X線画像の加乗平均(すなわち相乗平均)値、X線画像の中央値(Median)、X線画像の最頻値、X線画像の加重平均値であってもよい。中間値は、X線画像の値(すなわち画素値)の集団のうち、中間に位置する値であって、最頻値は、ヒストグラムを取って、最もカウント数の多い値であって、加重平均値は、重みを変えた平均値(すなわち重み付け平均値)である。演算処理は、高圧画像および低圧画像の少なくともいずれか一方に対して行えばよい。したがって、高圧画像のみに対して所定の演算処理を行った後に、その演算処理に基づいてサブトラクション処理を行ってもよいし、低圧画像のみに対して所定の演算処理を行った後に、その演算処理に基づいてサブトラクション処理を行ってもよいし、高圧画像および低圧画像の両画像に対して所定の演算処理を行った後に、その演算処理に基づいてサブトラクション処理を行ってもよい。
(12)上述した実施例では、奇数フレームでX線を照射して、偶数フレームで各々のX線画像(高圧画像、低圧画像)を取得する撮像態様であったが、各フレームでX線照射およびX線画像を取得する撮像態様や、あるフレームでのX線照射を当該フレームよりも前のフレームでのX線画像の取得と並行して行う撮像態様に適用してもよい。
実施例に係るX線撮像装置のブロック図である。 フラットパネル型X線検出器(FPD)の駆動に関するFPD駆動機構の概略構成を示す模式図である。 X線管の駆動に関するX線管駆動部の概略構成を示す模式図である。 側面視したフラットパネル型X線検出器(FPD)の等価回路である。 平面視したフラットパネル型X線検出器(FPD)の等価回路である。 スロット幅と移動速度と照射間隔(曝射間隔)との関係を示す説明に供する照射のタイミングチャートである。 一連のX線撮像のタイミングチャートおよび各画像データの流れを示した模式図である。 短冊状のX線画像(高圧画像、低圧画像)の合成の概略図である。 (a)〜(c)は、位置合わせが行われる前の各長尺状の画像の模式図である。 (a)〜(c)は、位置合わせが行われた後の各長尺状の画像の模式図である。
符号の説明
2 … X線管
2a … コリメータ
3 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
9b … 高低圧画像合成部
9c … 位置合わせ部
9d … 加算器
9e … サブトラクション処理部
S1,PS2,…,PSN … 短冊状のX線画像(スロット画像)
Q … 長尺状のX線画像(高圧画像、低圧画像)
H … 長尺状の高圧画像
,L … 長尺状の低圧画像
z … 体軸
M … 被検体

Claims (6)

  1. 被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、前記被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線照射手段に配設され、かつその放射線照射手段から照射される照視野を、前記放射線検出手段に投影される照視野よりも狭く絞って制御する照視野制御手段とを備え、検出された放射線に基づいて放射線画像を得ることで放射線撮像を行う放射線撮像装置であって、(A)前記放射線照射手段が高電圧値に応じた放射線およびそれよりも低い低電圧値に応じた放射線をそれぞれ照射するように構成するとともに、前記放射線検出手段が前記高電圧値に応じた放射線および前記低電圧値に応じた放射線をそれぞれ検出して、高電圧値に応じた放射線検出信号および低電圧値に応じた放射線検出信号をそれぞれ出力するように構成し、さらに、(B)前記照視野制御手段によって前記照視野を狭く絞った状態で、前記放射線照射手段および放射線検出手段が被検体の長手方向に沿って互いに同方向に相対的に平行移動するように構成するとともに、放射線照射手段および放射線検出手段が被検体に対して所定距離毎に相対移動する度に放射線照射手段から放射線を間欠的に照射して、間欠的に照射された被検体を透過した放射線を前記放射線検出手段が検出するように構成し、前記装置は、前記照視野制御手段によって前記照視野を狭く絞った状態で検出された前記所定距離毎の前記高電圧値に応じた放射線検出信号に基づく複数の短冊状の高圧画像を1つの長尺状の高圧画像に合成する高圧画像合成手段と、前記照視野制御手段によって前記照視野を狭く絞った状態で検出された前記所定距離毎の前記低電圧値に応じた放射線検出信号に基づく複数の短冊状の低圧画像を1つの長尺状の低圧画像に合成する低圧画像合成手段と、各々の前記長尺状の高圧画像と前記長尺状の低圧画像との位置合わせを行う位置合わせ手段と、その位置合わせが行われた状態で同じ高電圧同士の複数の前記長尺状の高圧画像あるいは同じ低電圧同士の複数の前記長尺状の低圧画像に基づいて所定の演算処理を行う演算処理手段と、その演算処理に基づいて長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理を行って長尺状のサブトラクション画像を取得するサブトラクション処理手段とを備えていることを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮像装置において、前記放射線照射手段および放射線検出手段は前記被検体に対して互いに同速度で相対的に平行移動することを特徴とする放射線撮像装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の放射線撮像装置において、前記演算処理手段は複数の画像の加算値を求めることを特徴とする放射線撮像装置。
  4. 請求項3に記載の放射線撮像装置において、前記演算処理手段は、前記位置合わせが行われた状態で同じ低電圧同士の複数の前記長尺状の低圧画像の加算値を求め、前記サブトラクション処理手段は、前記長尺状の高圧画像および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行って前記長尺状のサブトラクション画像を取得することを特徴とする放射線撮像装置。
  5. 請求項3に記載の放射線撮像装置において、前記演算処理手段は、前記位置合わせが行われた状態で同じ高電圧同士の複数の前記長尺状の高圧画像の加算値を求め、前記サブトラクション処理手段は、長尺状の高圧画像の加算値および前記長尺状の低圧画像に関するサブトラクション処理を行って前記長尺状のサブトラクション画像を取得することを特徴とする放射線撮像装置。
  6. 請求項3に記載の放射線撮像装置において、前記演算処理手段は、前記位置合わせが行われた状態で同じ低電圧同士の複数の前記長尺状の低圧画像の加算値を求めるとともに、前記位置合わせが行われた状態で同じ高電圧同士の複数の前記長尺状の高圧画像の加算値を求め、前記サブトラクション処理手段は、長尺状の高圧画像の加算値および長尺状の低圧画像の加算値に関するサブトラクション処理を行って前記長尺状のサブトラクション画像を取得することを特徴とする放射線撮像装置。
JP2008006941A 2008-01-16 2008-01-16 放射線撮像装置 Active JP4998279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008006941A JP4998279B2 (ja) 2008-01-16 2008-01-16 放射線撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008006941A JP4998279B2 (ja) 2008-01-16 2008-01-16 放射線撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009165629A JP2009165629A (ja) 2009-07-30
JP4998279B2 true JP4998279B2 (ja) 2012-08-15

Family

ID=40967516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008006941A Active JP4998279B2 (ja) 2008-01-16 2008-01-16 放射線撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4998279B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9750465B2 (en) 2009-12-10 2017-09-05 Koninklijke Philips N.V. Scanning system for differential phase contrast imaging
JP2012165983A (ja) * 2011-02-17 2012-09-06 Shimadzu Corp X線撮影装置
JP5880850B2 (ja) * 2012-05-31 2016-03-09 株式会社島津製作所 放射線撮影装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60222034A (ja) * 1984-04-18 1985-11-06 富士写真フイルム株式会社 エネルギ−サブトラクシヨンにおける画像形成方法
JP2627097B2 (ja) * 1990-04-04 1997-07-02 富士写真フイルム株式会社 エネルギーサブトラクション画像生成方法および装置
JP2981693B2 (ja) * 1992-06-30 1999-11-22 富士写真フイルム株式会社 エネルギーサブトラクション画像生成方法
JP4756366B2 (ja) * 2005-11-16 2011-08-24 株式会社島津製作所 放射線撮像装置
CN101686818B (zh) * 2007-09-25 2012-07-25 株式会社岛津制作所 放射线拍摄装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009165629A (ja) 2009-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4788771B2 (ja) 放射線撮像装置
JP4858613B2 (ja) 放射線撮像装置
JP4858616B2 (ja) 放射線撮像装置
US9322931B2 (en) Radiation imaging system
JP4941558B2 (ja) 放射線撮像装置
JP4998279B2 (ja) 放射線撮像装置
JP4756366B2 (ja) 放射線撮像装置
JP2009165705A (ja) 放射線撮像装置
JP2008246022A (ja) 放射線撮影装置
JP5601343B2 (ja) 放射線撮像装置
JP4924717B2 (ja) 放射線撮像装置
JP2008284081A (ja) X線撮影装置
JP2012075798A (ja) 放射線撮影装置、放射線撮影システム、画像処理装置及びプログラム
WO2012023158A1 (ja) 放射線撮像装置
JP5218430B2 (ja) 断層撮影装置
WO2007055024A1 (ja) 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法
JP4613901B2 (ja) 放射線撮像装置
US20100020930A1 (en) Radiographic apparatus and radiation detection signal processing method
JP2009240420A (ja) 放射線画像処理装置
JP2008167854A (ja) 放射線撮像装置
WO2017169312A1 (ja) 放射線画像撮影システム、画像処理装置、放射線画像撮影装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム
JP5007632B2 (ja) 放射線撮像装置
KR20090053796A (ko) 방사선촬상장치 및 방사선 검출신호 처리방법
JP2015100642A (ja) X線撮影装置
JP2006296722A (ja) 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120417

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120430

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4998279

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150525

Year of fee payment: 3