JP4998139B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両用シートの座部内に配置されたエアバッグを膨張用ガス等の膨張流体により膨張させて座面を隆起させ、座部に着座している乗員等の被拘束対象物が前方へ移動するのを拘束するようにした乗員保護装置に関するものである。
車両では、前突等により同車両に前方から衝撃が加わった場合、シートベルト装置によって車両用シートに拘束された乗員の腰部が、ラップベルト部から外れて前方へ移動してしまう現象(サブマリン現象)が問題となる。そこで、このサブマリン現象を抑制するために種々の対策が考えられている。
例えば、特許文献1には、車両用シートの座部内にエアバッグを配置するとともに、エアバッグ内の前部にインフレータ(膨張流体発生源)を配置し、インフレータから噴出された膨張用ガス(膨張流体)によりエアバッグを膨張させて座面を隆起させるようにした乗員保護装置が記載されている。この乗員保護装置は、上記座面の隆起により、乗員の大腿部において膝部の後ろ側近傍部分を上方へ押圧してラップベルト部に押し付け、同ラップベルト部の拘束力を高め、腰部の前方への動き(前滑り)を規制しようとするものである。
また、上記エアバッグの内部空間は、シームにより、車両前後方向に複数の膨張部に仕切られている。これらの膨張部のうち、最も前側に位置するものの内部にインフレータが配置されている。さらに、隣り合う膨張部は互いに連通されていて、インフレータから噴出されたガスが、上記連通部分を通じて全ての膨張部に供給される。このような構成を採用したのは、膨張したエアバッグが、前滑りしようとする乗員によって前方へ押圧されても、シームにより膨張部の移動を抑制してエアバッグ自体の形状の大きな変化を抑制し、もって乗員の前方への移動を抑制するためである。
特開2007−168599号公報
ところが、上記特許文献1に記載された乗員保護装置では、インフレータから噴出されたガスは、まず同インフレータの配置された膨張部、すなわち、シームにより前後方向に仕切られた複数の膨張部のうち、前方側に位置する膨張部に供給される。その膨張部がある程度膨張してから他の膨張部に膨張用ガスが供給される。そのため、インフレータからの膨張用ガスの噴出初期には、前方側の膨張部においてインフレータの上方近傍部分に対し、高圧の膨張用ガスにより瞬間的に過大な負荷が加わる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エアバッグにおいて膨張流体発生源の上方近傍部分に膨張流体による過大な負荷が加わる現象を抑制することのできる乗員保護装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両用シートの座部内にエアバッグを配置し、膨張流体発生源から噴出された高圧の膨張流体により前記エアバッグを膨張させて前記座部の座面を隆起させ、前記座部上の被拘束対象物の前方への移動を拘束するようにした乗員保護装置において、前記エアバッグは、膨張により前記座面を隆起させるエアバッグ本体と、前記膨張流体発生源を包み込んだ状態で前記エアバッグ本体内に配置され、かつ膨張時の上下寸法が膨張時の前記エアバッグ本体の上下寸法より小さなインナバッグとを備え、前記エアバッグと前記インナバッグとがともに縫合される位置は、車両幅方向に離間した端部のみであり、前記インナバッグには、前記膨張流体発生源からの膨張流体を前記エアバッグ本体の後部及び前部の少なくとも一方へ向けて放出する放出孔を設けることを要旨とする。
上記の構成によれば、膨張流体発生源から高圧の膨張流体が噴出されると、その膨張流体は膨張流体発生源を包み込んでいるインナバッグにまず供給される。膨張流体は、放出孔を通過する際の速度よりも速い速度でインナバッグ内に充填される。この膨張流体の充填によりインナバッグが膨張を開始し、それに伴いインナバッグの外側のエアバッグ本体が間接的に膨張させられる。
膨張流体は、インナバッグがある程度膨張した後、放出孔からエアバッグ本体の後部及び前部の少なくとも一方へ向けて放出される。このとき、エアバッグ本体では、膨張流体発生源の上方近傍部分が膨張するが、未だ膨張の途中段階であり、膨張する余地を残している。これは、インナバッグの膨張時における上下寸法がエアバッグ本体の膨張時における上下寸法よりも小さく設定されているからである。また、上記放出孔から放出された膨張流体は、エアバッグ本体において膨張流体発生源の上方部分に直接吹き付けられることはない。これらのことから、エアバッグ本体における膨張流体発生源の上方近傍部分に対し、膨張流体による大きな負荷が加わることはない。
なお、放出孔から放出された膨張流体は、上述したようにエアバッグ本体の後部及び前部の少なくとも一方へ向けて供給される。しかし、膨張流体発生源から噴出される膨張流体のエネルギーの一部はインナバッグの膨張に消費される。この消費により、放出孔から後部及び前部の少なくとも一方へ向けて放出される膨張流体のエネルギーが小さくなる。そのため、エアバッグ本体において、膨張流体発生源の上方近傍とは異なる箇所についても、膨張流体による大きな負荷が加わりにくい。
そして、座部においてエアバッグ本体よりも上側の部分が、上記のように膨張したエアバッグ本体により押し上げられて座面が隆起させられ、座部上の被拘束対象物の前方への移動が抑制される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記エアバッグ本体は、上下方向に積層されるように中央部分で折り返された布帛又は上下方向に重ねられた複数枚の布帛を、縫合線に沿って縫合することにより形成されており、前記縫合線について前記放出孔に対向する箇所は、同放出孔からの前記膨張流体の放出方向に対し傾斜していることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグ本体において布帛が縫合された箇所の強度は、縫合されていない箇所の強度よりも低い。従って、上記インナバッグから放出された膨張流体がこの箇所に直接吹き付けられた場合、強度の点で問題がある。
この点、請求項2に記載の発明では、縫合線について放出孔に対応する箇所が、膨張流体の放出方向に対し傾斜していることから、同箇所には、縫合線に沿う方向に向かう分力が生じ、その分、縫合線に直交する方向に向かう力が小さくなる。従って、非縫合箇所よりも強度の低い縫合部分についても、膨張流体による過大な負荷が加わる現象を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記エアバッグ本体は織布を縫合することにより形成されており、前記縫合線について前記放出孔に対向する箇所は、前記織布における経糸及び緯糸に対し傾斜していることを要旨とする。
ここで、エアバッグ本体が織布によって形成されている場合、織布の縫合部分における強度は、織布を構成する経糸及び緯糸と縫合線との交点の数に左右される。一般には、交点の数が多くなるほど縫合部分の強度が高くなる。
また、縫合線が経糸及び緯糸のいずれに対しても傾斜している場合には、同縫合線が経糸及び緯糸に対し平行である又は直交する場合よりも、交点の数が多くなる。
この点、請求項3に記載の発明では、縫合線において放出孔に対向する箇所については、経糸及び緯糸に対し傾斜させられている。この構成により、縫合線の上記箇所では、経糸及び緯糸と縫合線との交点について単位面積当たりの数が多くなって、強度が高められる。従って、非縫合箇所よりも強度の低い縫合部分に、膨張流体による負荷が加わっても同縫合部分は損傷しにくい。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記縫合線について前記放出孔に対向する箇所は曲線状をなしていることを要旨とする。
上記請求項2又は3に記載の発明の実施に際しては、例えば、請求項4に記載の発明によるように、縫合線について放出孔に対向する箇所を曲線状とすることで、上記箇所を膨張流体の放出方向に対し傾斜させることができる。
また、布帛を縫合線に沿って縫合することによってエアバッグ本体を形成する場合には、上記のように縫合線について放出孔に対向する箇所を曲線状とすることで、屈曲する等して角度が急激に変化する場合に比べ縫合が容易になる。また、膨張流体は、縫合線において曲線状をなす部分に沿って徐々に向きを変えながらスムーズに流れる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記エアバッグ本体は、前記膨張流体を充填されることなく展開させられた状態で前記座部内に配置されていることを要旨とする。
一般にエアバッグ本体が折り畳まれていると、その折り畳み部分は展開膨張の抵抗となり、その折りの解消に膨張流体のエネルギーが消費される。この点、請求項5に記載の発明ではエアバッグ本体が折り畳まれておらず、予め展開させられた状態で配置されている。このため、折り畳まれている場合よりも展開膨張の抵抗となる要素が少なく、エアバッグ本体に膨張流体が吹き付けられる。従って、縫合線について放出孔に対向する箇所を膨張流体の放出方向に対し傾斜させる請求項2〜4のいずれか1つに記載の発明の構成を、エアバッグ本体が展開状態で配置される請求項5に記載の発明に適用すると、エアバッグ本体が折り畳まれる場合に比べ膨張流体による過大な負荷をより効果的に抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記インナバッグは、車幅方向に延び、かつ自身の両端部近傍に前記放出孔を有する一方、前記縫合線は、互いに車幅方向に離間した状態で前後方向に延びる一対の第1縫合部と、車幅方向に延び、かつ前記両放出孔に対向する自身の両端部において前記両第1縫合部に接続された第2縫合部とを有し、前記各第1縫合部及び前記第2縫合部の境界部分は曲線状をなしていることを要旨とする。
上記の構成によれば、各第1縫合部と第2縫合部との境界部分を、インナバッグの各放出孔に対向させることができる。そして、各境界部分を曲線状とすることで、各放出孔からの膨張流体の放出方向に対し傾斜させることができる。また、上記のように境界部分を曲線状とすることで、屈曲する等して角度が急激に変化する場合に比べ縫合が容易になるほか、膨張流体を曲線状の各境界部分に沿ってスムーズに流れさせることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記縫合線における前記境界部分は円弧状をなしていることを要旨とする。
上記の構成によれば、各第1縫合部と第2縫合部とは直交するが、それらの境界部分は円弧状をなしていることから角度が緩やかに変化する。そのため、縫合線に沿った縫合が特に容易に行える。また、膨張流体は、円弧状をなす境界部分に沿って徐々に向きを変えながら流れるため、同膨張流体の流れが特にスムーズになる。
本発明によれば、膨張時の上下寸法がエアバッグ本体よりも小さなインナバッグをエアバッグ本体内に配置するとともに、膨張流体発生源からの膨張流体を後部及び前部の少なくとも一方に向けて放出する放出孔をインナバッグに設けたため、エアバッグにおいて膨張流体発生源の上方近傍部分に過大な負荷が加わる現象を抑制することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、車両の前進方向を前方と記載し、それを基準に前、後、上、下、左、右を規定している。また、各図において、「前」は車両前側を、「後」は車両後側を、「内」は車両内側を、「外」は車両外側をそれぞれ示している。
まず、本実施形態の乗員保護装置が適用される車両用シートの概略構成について説明する。
図1及び図3の少なくとも一方に示すように、車両用シートSは、座部(シートクッション)10と、座部10の後端側に傾き調整可能に配置された背もたれ部(シートバック)21と、背もたれ部21の上側に配置されたヘッドレスト22とを備えて構成されている。
座部10は、被拘束対象物である乗員Pが着座する箇所である。座部10は、座クッション11と、その座クッション11を下側から支える鋼板製のシートパン13とを備えている。座クッション11は、布帛製又は皮革製のカバー12によって被覆されている。シートパン13の前部には、後述するエアバッグモジュールAMの一部を収容するための収容凹部14が形成されている。収容凹部14は、上面が開放された状態で車幅方向に延びている。
車両には、車両用シートSに着座した乗員Pを拘束するためのシートベルト装置30が装備されている。
シートベルト装置30は、乗員Pを拘束する帯状のウェビング31と、ウェビング31に対しその長手方向への移動可能に取り付けられたタング32と、座部10の一方の側方に配置されてタング32が係脱可能に装着されるバックル33とを備えている。ウェビング31は、その一端部が、座部10においてバックル33の配設されていない側に固定され、他端部がベルト巻取り装置(図示略)により巻き取られる構成とされている。シートベルト装置30では、ウェビング31に対してタング32を摺動させることで、ラップベルト部34及びショルダベルト部35の各長さを変更可能である。
ラップベルト部34は、ウェビング31において、タング32からウェビング31の端部までの部分であり、上述したように、着座した乗員Pの腰部Ppの一側方から水平方向に腰部Ppの前を経由して他側方に架け渡され、主として腰部Ppを拘束する部分である。ショルダベルト部35は、ウェビング31において、タング32からベルト巻取り装置までの部分であり、上述したように、着座した乗員Pの肩部Psから斜めに胸部Ptの前を経由して腰部Ppの側方に架け渡され、主として乗員Pの肩部Psを拘束する部分である。
上記車両には、サブマリン現象を抑制するための乗員保護装置が装備されている。サブマリン現象は、前突等により、車両に対し前方から衝撃が加わった場合に、シートベルト装置30によって車両用シートSに拘束されている乗員Pの腰部Ppが、ラップベルト部34から外れて前方へ移動してしまう現象である。
図2に示すように、乗員保護装置は、エアバッグモジュールAM、衝撃センサ81及び制御装置82を備えている。
エアバッグモジュールAMは、エアバッグ40及びインフレータアセンブリ60を備えている。次に、これらの各構成部材について図5〜図8を参照して説明する。
<エアバッグ40の構成>
エアバッグ40は、膨張により座面を隆起させるためのエアバッグ本体41を備えている。エアバッグ本体41は、図7及び図8の少なくとも一方に示すように、前後方向に細長い平面長方形状をなす1枚の布帛(以下「基布42」という)を、その中央部分に設定した折り線43に沿って折り返して上下方向に積層し、縫合線50に沿って縫合糸で縫合することによって形成されている。
基布42は、ポリエステル糸、ポリアミド糸等を経糸44及び緯糸45とした織布によって形成されており、高い強度と可撓性とを有している(図12(A)参照)。展開した状態の基布42の前端部には、後述するリテーナ63のボルト65を挿通するためのボルト挿通孔46が一対あけられている。また、上記基布42の前端部において、各ボルト挿通孔46の前方近傍には、上記ボルト65に係止するための係止孔47があけられている。さらに、上記基布42の後端部において、同基布42が折り返されたときに上記係止孔47に重なる箇所にも係止孔48があけられている。
縫合線50は、互いに車幅方向に離間した状態で前後方向に延びる一対の第1縫合部51,51と、車幅方向に延びて前記両第1縫合部51,51の後端部を繋ぐ第2縫合部52と、各第1縫合部51の前端部から対向する第1縫合部51へ向けて延びる一対の第3縫合部53,53とを有している。縫合線50に沿って縫合された上記エアバッグ本体41では、その縫合線50によって囲まれた箇所が膨張用ガスGにより膨張する箇所となる。また、このエアバッグ本体41の前端部は縫合されておらず、開口54を有している。この開口54は、エアバッグ本体41内の前部に配置されるインフレータアセンブリ60のハーネスをエアバッグ本体41の外部へ引き出す等のために必要なものである。
<インフレータアセンブリ60の構成>
インフレータアセンブリ60は、エアバッグ本体41に膨張流体としての膨張用ガスGを供給するためのものであり、膨張流体発生源としてのインフレータ61と、そのインフレータ61の外側に装着されたリテーナ63とを備えて構成されている。インフレータ61は略円柱状をなしており、その内部には高圧の膨張用ガスGが充填されている。インフレータ61にはガス噴出口62が設けられるとともに、同インフレータ61への制御信号の印加配線となるハーネス(図示略)が接続されている。このタイプ(ハイブリッドタイプ)のインフレータ61では、ハーネスを通じて制御信号が入力されると、火薬に着火されて高圧の膨張用ガスGが加熱膨張される。この膨張用ガスによって、インフレータ61内の隔壁が破断されて、上記ガス噴出口62から膨張用ガスが噴出される。
なお、インフレータとしては、上記ハイブリッドタイプに代えて、インフレータ内部に収容されたガス発生剤を燃焼させて膨張用ガスGを生成し、ガス噴出口から噴出させるようにしたタイプ(パイロタイプ)が用いられてもよい。
一方、リテーナ63は、その大部分が金属板等の板材を曲げ加工等することによって車幅方向に細長い略筒状に形成されている。リテーナ63の一部には、ガス噴出口62の一部を露出させる窓部64が形成されている。また、リテーナ63の下面において、車幅方向に互いに離間した複数箇所(本実施形態では2箇所)には、下方へ延びるボルト65が植設されている。
なお、上記インフレータ61は、リテーナ63と一体に設けられた構成を有するものであってもよい。
<インフレータアセンブリ60の取付け態様>
図5〜図7の少なくとも1つに示すように、インフレータアセンブリ60は、開口54を通じてエアバッグ本体41の内部に挿入され、同エアバッグ本体41の前部に配置されている。そして、図2及び図4の少なくとも一方に示すようにリテーナ63のボルト65が、エアバッグ本体41の対応するボルト挿通孔46に対し上方から下方へ挿通されている。さらに、エアバッグ本体41の前部がインフレータアセンブリ60の外周面に沿って前下方へ巻き付けられ、エアバッグ本体41の係止孔47,48がインフレータアセンブリ60の下方に位置している。そして、係止孔47,48にリテーナ63の対応するボルト65が挿通されることにより、エアバッグ本体41の巻き付け部分がボルト65に係止されている。この係止により、エアバッグ本体41の上記開口54が閉じられている。
各ボルト65は、収容凹部14の底部15に挿通されている。そして、各ボルト65にナット66が螺合されることにより、インフレータアセンブリ60がエアバッグ本体41と一緒に収容凹部14に締結されている。この締結により、エアバッグ本体41の下部が収容凹部14の底部15に押し付けられ、上記開口54が実質的に閉塞された状態となっている。
<エアバッグ本体41の配置態様>
エアバッグ本体41において、収容凹部14内に収容された前部を除く箇所は、膨張用ガスGを充充填されることなく展開させられた状態で、座部10内の座面10Aよりも下方側、より詳しくは座クッション11とシートパン13との間に配置されている。この展開状態のエアバッグ本体41の前端部41Fは、座部10に着座した乗員Pの膝部Pnの下方に位置し、後端部41Rは臀部Pbの下方に位置している。
上述した事項が、エアバッグモジュールAMの基本的な構成である。本実施形態では、この基本構成に加え、以下の工夫がなされている。
<インナバッグ71の追加>
エアバッグ40は、上述したエアバッグ本体41のほかにインナバッグ71を備えている。
インナバッグ71は、エアバッグ本体41内でインフレータアセンブリ60を包み込むためのものである。インナバッグ71は図7及び図8の少なくとも一方に示すように、車幅方向に細長い平面長方形状をなす1枚の布帛(以下「基布72」という)を、その中央部分に設定した折り線73に沿って折り返して上下方向に積層し、一対の縫合線74,74に沿って縫合糸で縫合することによって形成されている。基布72は、上記エアバッグ本体41と同様の素材からなる織布によって形成されており、高い強度と可撓性とを有している。展開した状態の基布72の前端部及び後端部には、上記エアバッグ本体41の基布42と同様に、ボルト挿通孔75及び係止孔76,77がそれぞれ一対ずつあけられている。
両縫合線74,74は、互いに車幅方向に離間した状態で前後方向に延びている。なお、両縫合線74,74の間隔は、上記両第1縫合部51,51の間隔よりも小さく設定されている。縫合線74,74に沿って縫合された上記インナバッグ71では、それらの縫合線74,74によって囲まれた箇所が膨張用ガスGによって膨張する箇所となる。また、このインナバッグ71の前端部は縫合されておらず、開口78を有している。この開口78は、インナバッグ71内に配置されるインフレータアセンブリ60のハーネスをインナバッグ71外部へ引き出す等のために必要なものである。
<インナバッグ71の取付け態様>
インナバッグ71は、そのボルト挿通孔75及び係止孔76,77を、上記エアバッグ本体41におけるボルト挿通孔46及び係止孔47,48に合致させた状態で同エアバッグ本体41内の前端部に配置されている。そして、インナバッグ71は、エアバッグ本体41の上記両第3縫合部53,53等において、縫合糸によって同エアバッグ本体41と一緒に縫合されている。
インナバッグ71内には、開口78を通じて上記インフレータアセンブリ60が挿入及び配置されている。そして、図2及び図4の少なくとも一方に示すようにリテーナ63のボルト65が、エアバッグ本体41の対応するボルト挿通孔46とともに、インナバッグ71の対応するボルト挿通孔75に対し上方から下方へ向けて挿通されている。さらに、インナバッグ71の前部が、エアバッグ本体41の前部とともにインフレータアセンブリ60の外周面に沿って前下方へ巻き付けられている。この巻き付けにより、インナバッグ71の係止孔76,77がエアバッグ本体41の係止孔47,48とともにインフレータアセンブリ60の下方に位置している。そして、これらの係止孔76,77にリテーナ63のボルト65が挿通されることにより、インナバッグ71の巻き付け部分がエアバッグ本体41の巻き付け部分とともにボルト65に係止されている。この係止により、インナバッグ71の上記開口78(図7参照)が閉じられている。
そして、収容凹部14の底部15に挿通されたボルト65にナット66が螺合されることにより、インナバッグ71がインフレータアセンブリ60及びエアバッグ本体41と一緒に収容凹部14に締結されている。この締結により、インナバッグ71の下部が収容凹部14の底部15に押し付けられ、上記開口78(図7参照)が実質的に閉塞された状態となっている。
<インナバッグ71の大きさ>
図10に示すように、インナバッグ71は、インフレータ61から噴出される膨張用ガスGにより膨張する。この点において、同膨張用ガスGにより膨張するエアバッグ本体41と同様である。ただし、インナバッグ71は、その膨張時の上下寸法H2が、エアバッグ本体の膨張時の上下寸法H1よりも小さくなるように形成されている。
<インナバッグ71の放出孔79>
図5〜図7の少なくとも1つに示すように、インナバッグ71の両端部近傍には、同インナバッグ71の内外を連通させ、かつ上記インフレータ61のガス噴出口62から噴出された膨張用ガスGをエアバッグ本体41の後部へ向けて放出するための放出孔79が一対あけられている。各放出孔79を通過できる膨張用ガスGの単位時間当たりの流通量は、ガス噴出口62から単位時間当たりに噴出される膨張用ガスGの量よりも少なく設定されている。
<エアバッグ本体41の縫合線50>
エアバッグ本体41の縫合線50について、各第1縫合部51と第2縫合部52との境界部分(2箇所)55は、インナバッグ71の放出孔79の後方に位置していて、同放出孔79に対向している。各第1縫合部51において境界部分55を除く箇所は、基布42の経糸44(又は緯糸45)に対し平行であり、緯糸45(又は経糸44)に対し直交している。また、第2縫合部52において、境界部分55を除く箇所は、基布42の経糸44(又は緯糸45)に対し直交しており、緯糸45(又は経糸44)に対し平行である(図12(B)参照)。これに対し、境界部分55は、曲線状、ここでは円弧状をなしており、図12(A)に示すように、基布42の経糸44及び緯糸45に対し傾斜している。表現を変えると、上記放出孔79に対向する箇所である境界部分55は、同放出孔79からの膨張用ガスGの流通方向に対し傾斜させられている。
上述したように、乗員保護装置は、上記エアバッグ40のほかに図2に示す衝撃センサ81及び制御装置82を備えている。衝撃センサ81は加速度センサ等からなり、車両のフロントバンパ(図示略)等に取付けられており、車両の歩行者との衝突を検出すべく、フロントバンパ等に前方から加わる衝撃を検出する。制御装置82は、衝撃センサ81からの検出信号に基づきインフレータ61の作動を制御する。
上記のようにして、本実施形態の乗員保護装置が構成されている。次に、この乗員保護装置の作用について説明する。
車両が正面前突(前突)する等してフロントバンパに所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ81によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置82からハーネスを通じてインフレータ61に制御信号が出力される。インフレータ61では、この制御信号に応じて火薬に着火されて高圧の膨張用ガスGが加熱膨張される。この膨張用ガスGによって、インフレータ61内の隔壁が破断されて、ガス噴出口62から高圧の膨張用ガスGが噴出される。
上記膨張用ガスGは、図9及び図10に示すように、インフレータアセンブリ60を包み込んでいるインナバッグ71にまず供給される。膨張用ガスGは、放出孔79を通過する際の速度よりも速い速度でインナバッグ71内に充填される。この膨張用ガスGの充填によりインナバッグ71が膨張を開始し、それに伴いインナバッグ71の外側のエアバッグ本体41が間接的に膨張させられる。
膨張用ガスGは、インナバッグ71がある程度膨張した後、放出孔79からエアバッグ本体41の後部へ向けて放出される。このとき、エアバッグ本体41では、インフレータ61を含むインフレータアセンブリ60の上方部分のみが膨張しているが、未だ膨張の途中段階であり、膨張する余地を残している。また、上記放出孔79から放出された膨張用ガスGは、エアバッグ本体41においてインフレータアセンブリ60の上方部分に直接吹き付けられることはない。これらのことから、エアバッグ本体41におけるインフレータアセンブリ60の上方部分に対し、膨張用ガスGによる大きな負荷が加わりにくい。
放出孔79から放出された膨張用ガスGは、上述したようにエアバッグ本体41の後部へ向けて供給される。ここで、仮にエアバッグ本体41が折り畳まれていると、その折り畳み部分は展開膨張の抵抗となり、その折りの解消に膨張流体のエネルギーが消費される。この点、本実施形態ではエアバッグ本体41が折り畳まれておらず、予め展開させられた状態で配置されている。このため、折り畳まれている場合よりも展開膨張の抵抗となる要素が少なく、エアバッグ本体41に膨張用ガスGが吹き付けられる。エアバッグ本体41が折り畳まれている場合よりも、エアバッグ本体41の後部に膨張用ガスGによる過大な負荷が加わる可能性が高い。
しかし、インフレータ61から噴出される膨張用ガスGのエネルギーの一部はインナバッグ71の膨張に消費される。この消費により、放出孔79からエアバッグ本体41の後部へ向けて放出された膨張流体のエネルギーが小さくなる。そのため、エアバッグ本体41において、インフレータ61の上方とは異なる箇所についても、膨張用ガスGによる大きな負荷が加わりにくくなる。エアバッグ本体41が折り畳まれている場合よりも大きな上記効果が得られる。
また、一般に、エアバッグ本体41において布帛が縫合された箇所の強度は、縫合されていない箇所の強度よりも低い。従って、上記インナバッグ71からエアバッグ本体41の後部へ向けて放出された膨張用ガスGがこの箇所に直接吹き付けられた場合、強度の点で問題がある。
この点、本実施形態では、図11に示すように縫合線50について各放出孔79に対応する箇所(境界部分55)が、膨張用ガスGの放出方向に対し傾斜している。このことから、同箇所に、後方へ向かう力Fが加わると、縫合線50に沿う方向に向かう分力Faが生じ、その分、縫合線50(境界部分55)に直交する方向に向かう力Fbが小さくなる。従って、非縫合箇所よりも強度の低い縫合部分についても、膨張用ガスGによる過大な負荷は加わりにくくなる。
さらに、織布を縫合することにより形成されたエアバッグ本体41においては、織布の縫合線50における強度が、織布を構成する経糸44及び緯糸45と縫合糸(縫合線50)との交点Aの数に左右される。一般には、交点Aの数が多くなるほど縫合線50におけるエアバッグ本体41の強度が高くなる。また、縫合線50が経糸44及び緯糸45のいずれに対しても傾斜している場合(図12(A)参照)には、同縫合線50が経糸44及び緯糸45に対し平行である又は直交している場合(図12(B)の比較例参照)よりも、交点Aの数が多くなる。
この点、本実施形態では、縫合線50において放出孔79に対向する箇所(境界部分55)については、経糸44及び緯糸45に対し傾斜させられている。この構成により、縫合線50の上記箇所(境界部分55)では、経糸44及び緯糸45と縫合線50との交点Aについて単位面積当たりの数が多くなって、強度が高められている。従って、非縫合箇所よりも強度の低い縫合部分に、膨張用ガスGによる負荷が加わっても同縫合部分は損傷しにくい。
そして、上記膨張用ガスGの供給に伴いエアバッグ本体41が図9に示すように膨張する。ここで、エアバッグ本体41が座クッション11と鋼板製のシートパン13との間に配置されていることから、エアバッグ本体41は下方へ膨張することなく専ら上方へ、しかもインフレータ61に近い側である前側から後側へ向けて順に膨張する。
この膨張するエアバッグ本体41により座クッション11が押し上げられて、座部10の座面10Aが隆起し、乗員Pの膝部Pnの裏から大腿部Pfの後端(臀部Pbの前)までの領域が押圧される。乗員Pの上記大腿部Pf等が持ち上げられてラップベルト部34に押し付けられ、そのラップベルト部34の拘束力が高まる。座部10上の乗員Pの前方への移動、すなわち、サブマリン現象の発生が抑制される。特に、上述したようにエアバッグ本体41は前側から後側へ向けて順に膨張するため、座面10Aもそれに対応した順に隆起し、着座した乗員Pは膝部Pnから持ち上げられる。そのため、サブマリン現象の発生が確実に抑制される。
また、上記のように膨張するエアバッグ本体41には、乗員Pの荷重によって生じる負荷が作用するところ、その負荷は、乗員Pの膝部Pnから大腿部Pfにかけての広い領域で受け止められる。そのため、エアバッグ本体41の膨張に伴い生じる衝撃は分散されて乗員Pに作用することとなり、特定の部位に偏って作用することはない。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)膨張により座部10の座面10Aを隆起させるためのエアバッグ本体41と、インフレータアセンブリ60を包み込んだ状態でエアバッグ本体41内に配置されたインナバッグ71とにより、エアバッグ40を構成している。そして、インナバッグ71の膨張時の上下寸法H2を、エアバッグ本体41の膨張時の上下寸法H1よりも小さく設定している(図10参照)。この構成により、インナバッグ71をエアバッグ本体41よりも先に膨張させ、エアバッグ本体41におけるインフレータ61の上方近傍部分に対し、膨張用ガスGによる大きな負荷が加わらないようにすることができる。
(2)インフレータ61からの膨張用ガスGをエアバッグ本体41の後部へ向けて放出する放出孔79をインナバッグ71に設けている(図5及び図6参照)。この構成により、インフレータ61から噴出される膨張用ガスGのエネルギーの一部をインナバッグ71の膨張に消費させ、エアバッグ本体41において、インフレータ61の上方近傍とは異なる箇所についても、膨張用ガスGによる大きな負荷が加わらないようにすることができる。
(3)上下方向に積層されるように中央部分で折り返された布帛を縫合線50に沿って縫合することによりエアバッグ本体41を形成している。そして、この縫合線50について、インナバッグ71の放出孔79に対向する箇所(境界部分55)を、膨張用ガスGの放出方向に対し傾斜させている(図5及び図6参照)。そのため、非縫合箇所よりも強度の低い縫合部分についても、膨張用ガスGによる過大な負荷が加わる現象を抑制することができる。
(4)エアバッグ本体41において、インフレータアセンブリ60が配置される箇所である前端部を除く大部分を、膨張用ガスGを充填されることなく展開させられた状態で座部10内に配置している(図2参照)。そのため、得られる上記(3)の効果は、エアバッグ本体41を折り畳んだ状態で配置した場合よりも大きなものとなる。
(5)織布を縫合することによって形成したエアバッグ本体41にあって、縫合線50において放出孔79に対向する箇所(境界部分55)を、経糸44及び緯糸45に対し傾斜させている(図12(A)参照)。この構成により、経糸44及び緯糸45と縫合線50との交点Aの数を多くして、上記箇所の強度を高め、膨張用ガスGによる大きな負荷に耐え得るようにすることができる。
(6)エアバッグ本体41の縫合線50について放出孔79に対向する箇所(境界部分55)を曲線状としている(図5及び図6参照)。そのため、同箇所を膨張用ガスGの放出方向に対し傾斜させることができるほか、縫合線50が屈曲する等して角度が急激に変化する場合に比べ縫合がしやすくなる。また、膨張用ガスGが縫合線50において曲線状をなす部分に沿って徐々に向きを変えながら流れるため、同膨張用ガスGをスムーズに流れさせることができる。
(7)特に、縫合線50の上記箇所(境界部分55)が、第1縫合部51及び第2縫合部52の境界部分となる本実施形態では、各第1縫合部51と第2縫合部52とは直交する。しかし、本実施形態ではそれらの境界部分55が円弧状とされていることから、角度が緩やかに変化する。そのため、縫合線50に沿った縫合が特に容易になるというメリットがある。また、膨張用ガスGが、円弧状をなす境界部分55に沿って徐々に向きを変えながら流れるため、同膨張用ガスGの流れが特にスムーズになるメリットもある。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
(a)エアバッグ本体41を折り畳んだ状態で座部10内(座クッション11及びシートパン13間)に配置してもよい。この場合には、エアバッグ本体41を展開させた状態で配置した上記実施形態ほどではないにせよ、エアバッグ本体41の後部に膨張用ガスGによる過大な負荷が加わる現象を抑制する効果が得られる。
(b)本発明は、シートパン13に代えて、シートフレームの一部を、張設されたワイヤフレーム部によって構成したタイプの車両用シートにも適用可能である。
(c)エアバッグ本体41は、上下方向に重ねられた複数枚の布帛を、それらの中央部分に設定した共通の折り線に沿って折り返して上下方向に積層し、縫合線50に沿って縫合することによって形成されたものであってもよい。用いられる布帛の数が多くなるに従い、エアバッグ本体41の強度が高くなる。
(d)エアバッグ本体41は、上下方向に重ねられた複数枚の布帛を、縫合線50に沿って縫合することによって形成されたものであってもよい。上記実施形態との相違点は、布帛が中央部分で折り返されることがないことである。
(e)インナバッグ71及びインフレータアセンブリ60は、エアバッグ本体41内の上記実施形態とは異なる箇所、例えば車両前後方向についての中間部分や、後端部に配置されてもよい。前者の場合、放出孔79は、膨張用ガスGをエアバッグ本体41の前部及び後部の少なくとも一方へ向けて放出させ得るように設けられる。後者の場合、放出孔79は、膨張用ガスGをエアバッグ本体41の前部へ向けて放出させ得るように設けられる。
(f)縫合線50について放出孔79に対向する箇所を直線状にしてもよい。ただし、この場合にも同箇所を、放出孔79からの膨張用ガスGの放出方向に対し傾斜させることが重要である。
(g)縫合線50について放出孔79に対向する箇所を、円弧状以外の形態で曲線状に形成してもよい。
(h)インナバッグ71における放出孔79の数を1又は3以上に変更してもよい。また、インナバッグ71における放出孔79の車幅方向についての位置を、両端部以外の箇所に変更してもよい。このように変更すると、それに応じ、縫合線50について放出孔79に対向する箇所の位置も変わる。この場合にも、同箇所を放出孔79からの膨張用ガスGの放出方向に対し傾斜させることが重要である。
(i)本発明では、乗員P以外のもの、例えば荷物等を被拘束対象物としてもよい。この荷物等を被拘束対象物として座部10の上に置いた場合にも上記実施形態と同様の効果が得られる。
(j)本発明は、車両の前席及び後席のいずれもについても適用可能である。
(k)シートパン13における収容凹部14は、前記実施形態(図2等参照)よりも浅いものであってもよい。ただし、収容凹部14は、インフレータアセンブリ60が締結された状態で、同収容凹部14の上端開放部分よりも上方へはみ出ない程度の深さに設定されることが望ましい。
(l)膨張流体として膨張用ガスG以外の流体が用いられてもよい。
本発明を具体化した一実施形態において、乗員保護装置が適用された車両用シートを示す側断面図。 図1におけるX部を拡大して示す部分側断面図。 車両用シート及びシートベルト装置を示す斜視図。 図2において、インナバッグの開口及びエアバッグ本体の開口がともにリテーナのボルトによって閉塞された状態を示す部分拡大側断面図。 エアバッグモジュールの平面図。 エアバッグモジュールの底面図。 エアバッグモジュールの各構成部材(エアバッグ本体、インナバッグ及びインフレータアセンブリ)の底面図。 エアバッグ本体及びインナバッグに用いられる各基布の展開図と、インフレータアセンブリの側面図。 図2の状態からインナバッグ及びエアバッグ本体が膨張して座部の座面が隆起させられた状態を示す乗員保護装置の部分側断面図。 図9におけるインナバッグ及びエアバッグ本体を取り出して示す部分側断面図。 縫合部の境界部分に加えられる膨張用ガスの負荷を示す説明図。 (A)は、縫合線と経糸及び緯糸との交点を示す説明図、(B)は比較例を示す説明図。
符号の説明
10…座部、10A…座面、40…エアバッグ、41…エアバッグ本体、44…経糸、45…緯糸、50…縫合線、51…第1縫合部、52…第2縫合部、55…境界部分(放出孔に対向する箇所)、61…インフレータ(膨張流体発生源)、71…インナバッグ、79…放出孔、G…膨張用ガス(膨張流体)、H1,H2…上下寸法、P…乗員(被拘束対象物)、S…車両用シート。

Claims (7)

  1. 車両用シートの座部内にエアバッグを配置し、膨張流体発生源から噴出された高圧の膨張流体により前記エアバッグを膨張させて前記座部の座面を隆起させ、前記座部上の被拘束対象物の前方への移動を拘束するようにした乗員保護装置において、
    前記エアバッグは、膨張により前記座面を隆起させるエアバッグ本体と、前記膨張流体発生源を包み込んだ状態で前記エアバッグ本体内に配置され、かつ膨張時の上下寸法が膨張時の前記エアバッグ本体の上下寸法より小さなインナバッグとを備え、
    前記エアバッグと前記インナバッグとがともに縫合される位置は、車両幅方向に離間した端部のみであり、
    前記インナバッグには、前記膨張流体発生源からの膨張流体を前記エアバッグ本体の後部及び前部の少なくとも一方へ向けて放出する放出孔を設けることを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記エアバッグ本体は、上下方向に積層されるように中央部分で折り返された布帛又は上下方向に重ねられた複数枚の布帛を、縫合線に沿って縫合することにより形成されており、
    前記縫合線について前記放出孔に対向する箇所は、同放出孔からの前記膨張流体の放出方向に対し傾斜している請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記エアバッグ本体は織布を縫合することにより形成されており、前記縫合線について前記放出孔に対向する箇所は、前記織布における経糸及び緯糸に対し傾斜している請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記縫合線について前記放出孔に対向する箇所は曲線状をなしている請求項2又は3に記載の乗員保護装置。
  5. 前記エアバッグ本体は、前記膨張流体を充填されることなく展開させられた状態で前記座部内に配置されている請求項2〜4のいずれか1つに記載の乗員保護装置。
  6. 前記インナバッグは、車幅方向に延び、かつ自身の両端部近傍に前記放出孔を有する一方、
    前記縫合線は、互いに車幅方向に離間した状態で前後方向に延びる一対の第1縫合部と、車幅方向に延び、かつ前記両放出孔に対向する自身の両端部において前記両第1縫合部に接続された第2縫合部とを有し、
    前記各第1縫合部及び前記第2縫合部の境界部分は曲線状をなしている請求項2〜5のいずれか1つに記載の乗員保護装置。
  7. 前記縫合線における前記境界部分は円弧状をなしている請求項6に記載の乗員保護装置。
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