JP4997703B2 - 固体撮像素子 - Google Patents
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Description
遮光膜は、受光センサ部の直上部分が開口されており、この開口を通じて受光センサ部に光が入射する。
しかしながら、このような構造では、斜めに入射した光が、遮光膜と半導体基体との隙間(ゲート絶縁膜及び層間絶縁膜)から入り込んで、転送電極の下の半導体基体内にある電荷転送領域に達することにより、スミアと呼ばれる縦筋状のノイズを発生させるという問題がある。
このように、受光センサ部上にシリコン窒化膜を形成することにより、受光センサ部のシリコンとの屈折率の差が、シリコン酸化膜だけの場合よりも小さくなるため、界面における反射率を低減することができる。
この水素アニールの工程は、通常、半導体基体上にパターン形成される回路部品や各層を形成した後に行われる。
この構成の固体撮像素子を製造する場合には、受光センサ部上のシリコン窒化膜を一部除去する工程、又は受光センサ部のうち一部上にシリコン窒化膜を成膜する工程が、必要になる。
また、受光センサ部上の低反射膜のない部分では、半導体基体表面での反射率が大きくなることから、低反射膜を設けた効果が小さくなってしまう。
また、遮光膜が、低反射膜及びその上のシリコン酸化膜と転送電極との間にも埋め込まれて形成され、この遮光膜の埋め込まれた部分がゲート絶縁膜に接して形成されていることにより、半導体基体と遮光膜との間から光が入射して、転送チャネル等に入ってスミアを発生させることを抑制することができる。
さらに、遮光膜の埋め込まれた部分と低反射膜との間に水素を透過するシリコン酸化膜が形成されていることにより、この膜を通して、製造の際に水素を半導体基体の界面に供給することができる。これにより、界面準位を低減して、暗電流の発生を抑制することが可能になる。
特に、画素の微細化が進むに従い、本発明による長所も大きくなる。
この固体撮像素子1は、シリコン基板等の半導体基体2に、受光センサ部を構成し光電変換が行われるフォトダイオード3が形成され、半導体基体2の上方に信号電荷の転送を行うための転送電極7が設けられて構成されている。
また、フォトダイオード3から成る受光センサ部は、図示しないが、マトリクス状に配置され、受光センサ部の各列の一側に垂直転送レジスタが設けられる。垂直転送レジスタの一端には水平転送レジスタが接続される。
そして、それぞれの受光センサ部が画素を構成する。
即ち、転送電極7、シリコン酸化膜6、シリコン窒化膜5、シリコン酸化膜4、並びに半導体基体(シリコン基板等)2によって、いわゆるMONOS(メタル・オキサイド・ナイトライド・オキサイド・セミコンダクタ)構造が構成されている。
このMONOS構造により、垂直転送レジスタ等における転送電極7下のゲート絶縁膜4,5,6の膜厚をほぼ一定にして、転送電極7の下面を平らにすることができる。これにより、低電圧で効率良く電荷転送を行うことが可能になる、という利点を有する。
遮光膜11の上には、全体を覆って絶縁層20が形成されている。
そして、絶縁層20の上には、必要に応じて、画素毎に、図示しないカラーフィルタやオンチップレンズが形成される。
この低反射膜5Aを設けたことにより、半導体基体2の界面で入射光が反射することを抑制して、フォトダイオードの感度を向上することができる。
好ましくは、例えば、シリコン酸化膜4の膜厚を20〜50nm、シリコン窒化膜5の膜厚を10〜40nmとして、それぞれの範囲内で良好な反射特性が得られる膜厚に選定すればよい。
そして、このサイドウォールが形成されている分、遮光膜11と低反射膜5Aとなるシリコン窒化膜5との間にサイドウォールによって隙間が形成される。
この遮光膜11と低反射膜5Aとの間のサイドウォール(シリコン酸化膜)13により、製造時に水素アニールを行う際の水素の導入経路が構成される。
水素アニールは、遮光膜11を溝内に埋め込んだ後にも行う必要があることから、このサイドウォール(シリコン酸化膜)13を設けたことにより、水素アニールを行って、半導体基体2の界面の状態を改善することができる。
このように、間にシリコン窒化膜9を挟んだ構造となっていることにより、シリコン窒化膜9がシリコン酸化膜8,12に対してエッチングの選択性を有することから、シリコン窒化膜9を、遮光膜11を埋め込む溝を形成するエッチングのハードマスクとして用いることが可能になる。
まず、図2Aに示すように、転送電極7、シリコン酸化膜8、シリコン窒化膜9を形成する。シリコン窒化膜9は、転送電極7の上側では、転送電極7の横側よりも厚く形成されているが、これは後の平坦化工程でシリコン窒化膜9をストッパとして用いるためである。
次に、図2Cに示すように、表面を覆って、多結晶シリコン層15を形成する。
このとき、SiN及び多結晶シリコンとSiO2とがエッチング選択比を有する条件とすることにより、転送電極7の横のシリコン窒化膜9がハードマスクとして作用すると共に、多結晶シリコン層15がハードマスクとなって、多結晶シリコン層15及びその下のシリコン酸化膜14等が残る。これにより、転送電極7の横のシリコン窒化膜9と、多結晶シリコン層15との間に、シリコン窒化膜5に達する溝が形成される。
さらに、多結晶シリコンとSiNとがエッチング選択比を有し、かつSiO2とSiNとがエッチング選択比を有する条件で、エッチングを行うことにより、溝の底部のシリコン窒化膜5を除去する。これにより、シリコン酸化膜4に達する溝17が形成されると共に、中央部に残ったシリコン窒化膜5により低反射膜5Aが形成される。
例えば、TEOS膜を膜厚30nmで成膜した場合には、溝17の側壁に厚さ25nm程度のサイドウォール18が形成される。
このときのエッチング条件としては、例えば、塩素(Cl2)を主体としてSF6を混合した混合ガスをエッチングガスとして用いることができる。これにより、遮光膜11のW膜と多結晶シリコン層15とを同時にエッチングすることができ、かつSF6の作用によってシリコン酸化膜14のオーバーエッチングを防ぐことができる。
このようにして、図1に示した固体撮像素子1を製造することができる。
そして、フォトレジスト34をマスクとして用いて、多結晶シリコン膜31、絶縁膜32、シリコン窒化膜33をパターニングした後、フォトレジスト34を除去することにより、図5Bに示す状態になる。これにより、多結晶シリコン膜31から転送電極7が形成される。
さらに、図5Cに示すように、表面を覆ってシリコン窒化膜35を成膜する。
これにより、転送電極7上では下層のシリコン窒化膜33と上層のシリコン窒化膜35とからシリコン窒化膜9が厚く形成され、転送電極7の横では上層のシリコン窒化膜35のみによりシリコン窒化膜9が薄く形成される。
このようにして、図2Aに示したように、転送電極7の上側と横側とで厚さの異なるシリコン窒化膜9を形成することができる。
図1に示した本実施の形態の固体撮像素子1は、必ずしも、表面の平坦化工程をシリコン窒化膜9に達するまで行わなくてもよく、平坦化を途中で停止しても製造することが可能である。このように平坦化を途中で停止する場合の製造方法を以下に示す。
ただし、この製造方法では表面の平坦化をシリコン窒化膜9に達するまで行わず途中で停止させるため、シリコン窒化膜9を平坦化のストッパとして使用しない。そのため、図6Aにおいて、シリコン窒化膜9は、転送電極7の上側と横側とでほぼ同様の膜厚となっている。このようなシリコン窒化膜9は、一度の成膜で形成することができる。
続いて、表面の平坦化工程を行う。ただし、図6Cに示すように、シリコン窒化膜9に達する前で停止する。ちなみに、図6Cではシリコン酸化膜14の厚さが半分になった所で停止しているが、停止する際のシリコン酸化膜14の厚さは任意に設定可能である。例えば、シリコン酸化膜14の表面が少し削られて、シリコン酸化膜14上の多結晶シリコン層15が完全に除去された時点で、平坦化を停止しても構わない。この製造方法の場合、平坦化工程の後に、転送電極7の上方にもシリコン酸化膜14が残る。
このとき、SiN及び多結晶シリコンとSiO2とがエッチング選択比を有する条件とすることにより、転送電極7の横のシリコン窒化膜9がハードマスクとして作用すると共に、多結晶シリコン層15もハードマスクとして作用して、多結晶シリコン層15及びその下のシリコン酸化膜14等が残る。これにより、転送電極7の横のシリコン窒化膜9と、多結晶シリコン層15との間に、シリコン窒化膜5に達する溝が形成される。
さらに、多結晶シリコンとSiNとがエッチング選択比を有する条件で、エッチングを行うことにより、溝の底部のシリコン窒化膜5を除去する。これにより、シリコン酸化膜4に達する溝17が形成されると共に、中央部に残ったシリコン窒化膜5により低反射膜5Aが形成される。
その後は、図3G〜図4Iに示した工程と同様にして、図1に示した固体撮像素子1を製造することができる。この場合、図1の絶縁膜10がシリコン酸化膜14に変わるだけで、あとは同じである。
図2Dに示したように、表面の平坦化をシリコン窒化膜9に達するまで行って、図3Eに示したように、改めて絶縁膜10を成膜しているため、絶縁膜10を成膜する際の下地が平坦面であり、絶縁膜10を良好にかつ膜厚を制御して成膜することができる。これにより、シリコン窒化膜9と遮光膜11との間の層間絶縁膜を、絶縁膜10により厚さの制御性良く形成することができる。
従って、遮光膜11の高さを均一に制御することが可能になり、光の入射範囲を各画素で均一にして感度のばらつきを非常に小さくすることができる。
そして、低反射膜5Aが、ゲート絶縁膜を構成するシリコン窒化膜5と同じシリコン窒化膜5から成るので、低反射膜を成膜する工程を別に設ける必要がなく、製造工程数を増大させることなく低反射膜5Aを形成することができる。
このように水素アニールを行うことにより、半導体基体2の界面の状態を改善して、暗電流の原因となる界面準位を低減することができる。
これにより、溝17の位置が、転送電極7の横のシリコン窒化膜9により規制されることから、遮光膜11の溝17内に埋め込まれる部分11Aが、この転送電極7の横のシリコン窒化膜9に対して自己整合して形成される。
これにより、例えば低反射膜5Aと遮光膜11とを別々のマスクを用いてパターン形成した場合に生じるような、マスクの合わせズレにより一部が低反射構造にならない問題を回避することが可能になる。
また、シリコン酸化膜14のあった位置に溝17が形成されるため、シリコン酸化膜14の膜厚により溝の幅が決まり、低反射膜5Aの両側の溝17の幅が均等になる。これにより、低反射膜5Aの両側の遮光膜11Aの幅が均等になる。
この固体撮像素子21は、特に、ゲート絶縁膜がシリコン酸化膜4により構成され、また受光センサ部のフォトダイオード3の上に、シリコン窒化膜9から成る低反射膜9Aが形成されている。
その他の構成は、図1に示した先の実施の形態の固体撮像素子1と同様であるので同一符号を付して重複説明を省略する。
まず、シリコン酸化膜4上に、図5A〜図5Cに示した工程と同様にして、転送電極7、シリコン酸化膜8、シリコン窒化膜9を形成する。そして、図5Dに示した工程は行わず、受光センサ部上のシリコン窒化膜9はそのまま残す。
次に、図8Aに示すように、シリコン窒化膜9の上にシリコン酸化膜14を形成する。この場合も、図2Bに示した工程と同様に、シリコン酸化膜14は、後に形成する遮光膜11の転送電極7の横側の厚さとほぼ同等の膜厚で形成する。実際には、サイドウォールを形成する分だけ厚くする。
このとき、SiN及び多結晶シリコンとSiO2とがエッチング選択比を有する条件とすることにより、転送電極7の横のシリコン窒化膜9がハードマスクとして作用すると共に、多結晶シリコン層15もハードマスクとして作用して、多結晶シリコン層15及びその下のシリコン酸化膜14等が残る。これにより、転送電極7の横のシリコン窒化膜9と、多結晶シリコン層15との間に、シリコン酸化膜4に達する溝が形成されると共に、溝の中央部に残ったシリコン窒化膜9により低反射膜9Aが形成される。
なお、この製造方法では、溝の底部にあるシリコン窒化膜9がエッチングストッパとなるため、図3Fで説明したと同様に、シリコン窒化膜9に達する溝を形成した後に、SiNとSiO2とがエッチング選択比を有する条件でエッチングを行って、溝の底部のシリコン窒化膜9を除去する。
次に、図4Hに示した工程と同様にして、図8Dに示すように、遮光膜11として例えばW膜を成膜する。これにより、サイドウォール18が形成された溝内に埋め込まれて、遮光膜11が形成される。
このようにして、図7に示した固体撮像素子21を製造することができる。
そして、低反射膜9Aが、転送電極7の上及び横を覆うシリコン窒化膜9と同じシリコン窒化膜9から成るので、低反射膜を成膜する工程を別に設ける必要がなく、製造工程数を増大させることなく低反射膜9Aを形成することができる。
このように水素アニールを行うことにより、半導体基体2の界面の状態を改善して、暗電流の原因となる界面準位を低減することができる。
これにより、溝17の位置が、転送電極7の横のシリコン窒化膜9により規制されることから、遮光膜11の溝17内に埋め込まれる部分11Aが、この転送電極7の横のシリコン窒化膜9に対して自己整合して形成される。
これにより、例えば低反射膜9Aと遮光膜11とを別々のマスクを用いてパターン形成した場合に生じるような、マスクの合わせズレにより一部が低反射構造にならない問題を回避することが可能になる。
低反射膜5A,9A上のシリコン酸化膜14は、絶縁層20に通常用いられるBPSGのボロンやリンのような元素を含まないため、組成分布を調べることにより、容易にシリコン酸化膜14の厚さを推定することが可能である。
従って、画素の微細化を図り、多画素化や固体撮像素子を備えた撮像装置の小型化を図ることができる。
そして、特に画素の微細化が進むに従い、各実施の形態の固体撮像素子1,21の長所が大きくなる。
溝の内壁のサイドウォールには、水素を透過して水素アニールの経路となる材料を使用する。
ハードマスクには、フォトダイオード上を埋める絶縁層(上述の実施の形態ではシリコン酸化膜14)に対して、エッチング選択性を有する材料を使用する。
例えば、前記特許文献1や前記特許文献2に記載されている、遮光膜の構成や遮光膜の形成方法を採用して、さらにフォトダイオード上に低反射膜を設け、この低反射膜と遮光膜の埋め込まれた部分との間に、水素アニールの経路となる材料を形成することも可能である。
Claims (1)
- 半導体基体に、フォトダイオードから成る受光センサ部が形成され、
前記半導体基体上に、少なくともゲート絶縁膜を介して、信号電荷を転送するための転送電極が設けられ、
前記ゲート絶縁膜が、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とシリコン酸化膜の3層の積層膜から成り、
前記フォトダイオードが形成された部分の前記半導体基体上に、前記ゲート絶縁膜の前記シリコン窒化膜と同じシリコン窒化膜から成る低反射膜が形成され、
前記転送電極の上方に、前記フォトダイオードの上方に開口部を有する遮光膜が設けられ、
前記遮光膜が、前記低反射膜及びその上のシリコン酸化膜と前記転送電極との間にも埋め込まれて形成され、前記遮光膜の埋め込まれた部分が前記ゲート絶縁膜の最下層のシリコン酸化膜に接して形成され、
前記遮光膜の埋め込まれた部分と前記低反射膜との間及び前記遮光膜の埋め込まれた部分と前記ゲート絶縁膜の前記シリコン窒化膜との間に、水素を透過する、同一構成のシリコン酸化膜が形成されている
固体撮像素子。
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