JP4997017B2 - 車両用センサ組立体 - Google Patents
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バンパーカバーに荷重が作用した場合に、荷重がバンパーカバーを経て光ファイバに伝わり、伝わった荷重で光ファイバを変形させる。
光ファイバが変形することにより、光ファイバ内を通過する光量が変化し、変化した光量に基づいて衝突を検出する(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、衝突時の荷重が光ファイバから外れた部位に作用した場合に、作用した荷重でバンパーカバーのうち、光ファイバから外れた部位が変形することが考えられる。
このため、衝突時の荷重に対応させて光ファイバ(すなわち、センサ素子)を好適に変形させることは難しい。
よって、例えば、衝突時の荷重が作用した場合に、第1部材のうち、センサ素子から外れた部位が変形しても、作用した荷重を荷重伝達部からセンサ素子に効率よく伝えることができる。
これにより、衝突時の荷重に対応させてセンサ素子を好適に変形させて衝突を正確に検出することができる。
また、請求項1に係る発明では、挿通部を位置決孔に貫通することにより、第1部材および第2部材を上下方向に対して相対的に位置決めした。よって、第2部材のセンサ素子を荷重伝達部に対向させることができる。
このように、挿通部を位置決孔に貫通するだけの簡単な工程で、第2部材のセンサ素子を荷重伝達部に対向させることができる。
さらに、請求項1に係る発明では、挿通部の上下の部位のうち、少なくとも一方に荷重伝達部を設けた。よって、荷重伝達部を挿通部の近傍に設けることが可能になり、荷重伝達部をセンサ素子に対して一層正確な位置に設けることができる。
これにより、荷重伝達部をセンサ素子に一層確実に対向させることができる。
よって、第1部材が車体から外れることを取付部で防止することができる。
一方、第1部材に衝突時の荷重が作用した場合には、作用した荷重で第1部材を車体に向けて円滑に移動させることができる。
これにより、衝突時の荷重を第1部材の荷重伝達部でセンサ素子に確実に伝えることができる。
これにより、荷重伝達部をセンサ素子に対向させた状態に保ち、衝突時の荷重を荷重伝達部からセンサ素子に一層効率よく伝えることができる。
上下の荷重伝達部をそれぞれ同様に案内することで、上下の荷重伝達部で各センサ素子を同様に変形させることができる。
これにより、荷重の作用箇所(入力箇所)に影響されることなく、衝突による荷重をさらに正確に検出することができる。
よって、車体に取り付ける際に、車体と第1部材14との位置ずれ、詳しくは第2部材に対する第1部材との位置ずれを効果的に抑制することができる。
図1は本発明に係る車両用センサ組立体(第1実施の形態)を示す斜視図、図2は第1実施の形態に係る車両用センサ組立体を示す分解斜視図である。
車両用センサ組立体10は、左右のフロントサイドフレーム11,12に取り付けられたフロントバンパービーム(車体)13と、フロントバンパービーム13に取り付けられた第1部材14と、第1部材14およびフロントバンパービーム13間に配置された第2部材15と、第2部材15に支持されたセンサ素子ユニット16とを備える。
フロントバンパービーム13は、断面略日字状に形成され、車体幅方向に延出された中央部21と、中央部21の左端に設けられた左傾斜部22と、中央部21の右端に設けられた右傾斜部23とを備える。
また、フロントバンパービーム13の前壁25のうち、上辺近傍に、複数の上係止孔28が所定間隔をおいて形成されている。
さらに、フロントバンパービーム13の前壁25のうち、下辺近傍に、複数の下係止孔29が所定間隔をおいて形成されている。
なお、挿通部33、上下の取付部34…,35…および上下の荷重伝達部36,37については図3〜図4で詳しく説明する。
この第2部材15は、例えば、両面接着テープ(図示せず)でフロントバンパービーム13の前壁25に接着(支持)されている。
第2部材15は、上辺に上張出片42と、下辺に下張出片43と、上下の張出片42,43間にセンサ支持面44とを備える。
センサ支持面44は、センサ素子ユニット16を支持する面である。
なお、位置決孔41については図3〜図4で詳しく説明する。
上下のセンサ素子47,48は、横方向に延出された帯状の素子である。
このセンサ素子ユニット16は、例えば、両面接着テープ(図示せず)で第2部材15のセンサ支持面44に接着(支持)されることで、第2部材15を介してフロントバンパービーム13に備えられている。
第2部材15は、表面15bの上下方向中央にボス53…(図2も参照)が所定間隔をおいて形成され、ボス53…にそれぞれ位置決孔41が形成されている。複数の位置決孔41は貫通孔である。
第2部材15の表面15bのうち、上下の張出片42,43間にセンサ支持面44が形成されている。センサ支持面44の高さ寸法はH1である。
ラミネート46の上辺46aの近傍に上センサ素子47が埋設されている。上センサ素子47は、挿通部33の上側に設けられている。
ラミネート46の下辺46bの近傍に下センサ素子48が埋設されている。下センサ素子48は、挿通部33の下側に設けられている。
これにより、入力(作用)した荷重に対応する電気信号を出力することができる。
これにより、センサ素子ユニット16は、複数のボス53によって所定位置に位置決めされている。
さらに、センサ素子ユニット16は、上下の張出片42,43により上下の辺46a,46bが所定位置に位置決めされている。
これにより、センサ素子ユニット16を、第2部材15に対して所定位置により確実に位置決めすることができる。
第1部材14の上取付部34は、ビームカバー31の裏面31aにおいて、上辺31bの近傍から車体後方に向けて延びた弾性変形可能な係止部材である。
上取付部34は、突片55の先端部に係止爪56が上向きに設けられている。
係止爪56は、フロントバンパービーム13の上係止孔28の周縁に係止することで、突片55が上係止孔28から車体前方に向けて抜け出すことを防ぐ部位である。
この上荷重伝達部36は、車体後方に向けて(すなわち、上センサ素子47に向けて)膨出された膨出部で、挿通部33の上方に設けられている。
詳しくは、上荷重伝達部36は、上取付部34および挿通部33の間に配置されている。
詳しくは、下荷重伝達部37は、下取付部35および挿通部33の間に配置されている。
以下、下荷重伝達部37の各構成部位に、上荷重伝達部36の構成部位と同じ符号を付して説明を省略する。
挿通部33は、第2部材15の位置決孔41に貫通可能で、かつ、フロントバンパービーム13の差込孔27に貫通可能な部材である。
これにより、上荷重伝達部36の当接面36aを上センサ素子47に対向させるとともに、下荷重伝達部37の当接面37aを下センサ素子48に対向させることができる。
これにより、上下の荷重伝達部36,37を上下のセンサ素子47,48に一層確実に対向させることができる。
よって、荷重が作用した際に、上荷重伝達部36が上センサ素子47に対してずれることを上取付部34および挿通部33で阻止することができる。
同様に、下荷重伝達部37が下センサ素子48に対してずれることを下取付部35および挿通部33で阻止することができる。
これにより、上下の荷重伝達部36,37をそれぞれ上下のセンサ素子47,48に対向させた状態に保ち、衝突時の荷重を上下の荷重伝達部36,37から上下のセンサ素子47,48に一層効率よく伝えることができる。
まず、第2部材15のセンサ支持面44にセンサ素子ユニット16を両面接着テープ(図示せず)で接着(支持)する。
つぎに、フロントバンパービーム13の前壁25に第2部材15を両面接着テープ(図示せず)で接着する。
挿通部33を位置決孔41に貫通させることで、上センサ素子47に上荷重伝達部36の当接面36aが対向するとともに、下センサ素子48に下荷重伝達部37の当接面37aが対向する。
このように、挿通部33を位置決孔41に貫通するだけの簡単な工程で、第2部材15設けた上下のセンサ素子47,48を上下の荷重伝達部36,37に対向させることができる。
上取付部34の係止爪56が上係止孔28に当接して、上取付部34が弾性変形しながら上係止孔28に差し込まれる。
同様に、下取付部35の係止爪56が下係止孔29に当接して、下取付部35が弾性変形しながら下係止孔29に差し込まれる。
これにより、第1部材14をフロントバンパービーム13の前壁25に取り付ける。
この状態において、上荷重伝達部36の当接面36aおよび下荷重伝達部37の当接面37aは、センサ素子ユニット16に両面接着テープや接着剤(図示せず)で接着されている。
一方、上下の取付部34,35(すなわち、第1部材14)は、車体後方側への移動が係止爪56で規制されていない。
よって、第1部材14が車体18から外れることを上下の取付部34,35で防止することができる。
一方、第1部材14に衝突時の荷重が作用した場合には、作用した荷重で第1部材14を車体18に向けて円滑に移動させることができる。
これにより、第1部材14に設けた上下の荷重伝達部36,37で、衝突時の荷重を上下のセンサ素子47,48に確実に伝えることができる。
図5は第1実施の形態に係る車両用センサ組立体の第1部材に荷重が作用した例を説明する図である。
第1部材14に車体前方側から荷重F1が矢印の如く作用する。荷重F1は、上下のセンサ素子47,48の面方向に対して直交する方向への荷重である。
ここで、上荷重伝達部36の当接面36aおよび下荷重伝達部37の当接面37aは、センサ素子ユニット16にそれぞれ当接している。
荷重F1の一部が、荷重F2として矢印Aの如く上荷重伝達部36に伝わる。一方、荷重F1の残りが、荷重F3として矢印Bの如く下荷重伝達部37に伝わる。
よって、上荷重伝達部36に伝わった荷重F2で上センサ素子47を良好に押圧することができる。
同様に、下荷重伝達部37に伝わった荷重F3で下センサ素子48を良好に押圧することができる。
これにより、荷重F1を上下のセンサ素子47,48に効率よく作用させることができる。
これにより、衝突時の荷重F1に対応させて上下のセンサ素子47,48を好適に変形させて衝突を正確に検出することができる。
これにより、荷重F1の作用箇所(入力箇所)に影響されることなく、衝突による荷重をさらに正確に検出することができる。
一方、上下の荷重伝達部36,37や上下のセンサ素子47,48を上下方向に狭幅にすると、上下の荷重伝達部36,37を上下のセンサ素子47,48に位置決めすることが難しくなる。
そこで、位置決め部30を設けることで、上下の荷重伝達部36,37や上下のセンサ素子47,48を上下方向に狭幅とするとともに、上下の荷重伝達部36,37を上下のセンサ素子47,48に対して確実に位置決めすることができるようにした。
図6は本発明に係る車両用センサ組立体(第2実施の形態)を示す断面図、図7は図6の分解図である。
車両用センサ組立体70は、位置決め部30および上下の取付部34,35に代えて位置決め部71および取付部72を備えたもので、その他の構成は第1実施の形態の車両用センサ組立体10と同様である。
ボス74に位置決孔75が同軸上に形成されている。
挿通部76は、第2部材15の位置決孔75に貫通可能で、かつ、フロントバンパービーム13の差込孔77に貫通可能な部材である。
これにより、上荷重伝達部36の当接面36aを上センサ素子47に対向させるとともに、下荷重伝達部37の当接面37aを下センサ素子48に対向させることができる。
ボルト82は、円筒頭82aに六角穴(図示せず)が形成された六角穴付きボルトが用いられている。
ナット83は、フロントバンパービーム13の前壁25の裏面25aに、差込孔77と同軸上に配置された状態で溶接されている。
まず、第2部材15のセンサ支持面44にセンサ素子ユニット16を両面接着テープ(図示せず)で接着(支持)する。
つぎに、フロントバンパービーム13の前壁25に第2部材15を両面接着テープ(図示せず)で接着する。
挿通部76を位置決孔75に貫通させることで、上センサ素子47に上荷重伝達部36の当接面36aが対向するとともに、下センサ素子48に下荷重伝達部37の当接面37aが対向する。
取付孔81から突出したボルト82のねじ部82bをナット83にねじ結合する。ボルト82の円筒頭82aが取付孔81の段部81aに当接することで、第1部材14をフロントバンパービーム13の前壁25に取り付ける。
この状態において、上荷重伝達部36の当接面36aおよび下荷重伝達部37の当接面37aは、センサ素子ユニット16に両面接着テープや接着剤(図示せず)で接着されている。
よって、第1部材14が車体前方側に移動することを防止できる。
一方、第1部材14は、車体後方側への移動が規制されていない。
よって、車体への取付時に、車体と第1部材14との位置ずれ、詳しくは第2部材15に対する第1部材14との位置ずれを効果的に抑制することができる。
図8は本発明に係る車両用センサ組立体(第3実施の形態)を示す断面図、図9は図8の分解図である。
車両用センサ組立体90は、位置決め部30および上下の取付部34,35に代えて位置決め部91および取付部92を備えたもので、その他の構成は第1実施の形態の車両用センサ組立体10と同様である。
この取付孔98は、車体後方に向けて孔径が順次縮径することで、壁面98aがテーパ状に形成されている。
ボス94に位置決孔95が同軸上に形成されている。
ボルト96は、第2部材15の位置決孔95に貫通可能で、かつ、フロントバンパービーム13の差込孔97に貫通可能な部材である。
さらに、ボルト96を位置決孔95に貫通することにより、ボルト96の首下部96bが位置決孔95に差し込まれる。位置決孔95(すなわち、第2部材15)が首下部96bで位置決めされる。
これにより、上荷重伝達部36の当接面36aを上センサ素子47に対向させるとともに、下荷重伝達部37の当接面37aを下センサ素子48に対向させることができる。
すなわち、取付孔98は、取付部92の一部と、位置決め部91の一部とをそれぞれ兼用する。
加えて、ボルト96は、取付部92の一部と、位置決め部91の一部をそれぞれ兼用する部材である。
まず、第2部材15のセンサ支持面44にセンサ素子ユニット16を両面接着テープ(図示せず)で接着(支持)する。
つぎに、フロントバンパービーム13の前壁25に第2部材15を両面接着テープ(図示せず)で接着する。
ボルト96の首下部96bが位置決孔95に差し込まれることで、ボルト96が第2部材15に対して位置決めされる。
上センサ素子47に上荷重伝達部36の当接面36aが対向するとともに、下センサ素子48に下荷重伝達部37の当接面37aが対向する。
なお、この状態において、ボルト96の皿頭96aがボス94に当接することが好ましい。
よって、第1部材14が車体前方側に移動することを防止できる。
一方、第1部材14は、車体後方側への移動が規制されていない。
よって、第1部材14のビームカバー31に、位置決め用の挿通部を形成する必要がないので第1部材14の形状を簡素にできる。
この場合、荷重伝達部に対向する部位にのみセンサ素子を設ければよい。
Claims (5)
- 面方向に対して直交する方向への荷重入力に対応する電気信号を出力するセンサ素子を備えた車両用センサ組立体であって、
前記センサ素子に対して車体の前方に設けられ、前記センサ素子に向けて膨出された荷重伝達部を有する第1部材と、
前記第1部材と前記車体間に配置され、前記センサ素子を支持する第2部材と、
を備え、
前記第1部材および前記第2部材を位置決め部で上下方向に対して相対的に位置決めすることで、前記センサ素子に前記荷重伝達部を対向させ、
前記位置決め部は、
前記第2部材の上下方向の中央部に位置決孔を有し、
前記第1部材の上下方向の中央部に前記位置決孔に貫通可能な挿通部を有し、
前記挿通部が前記位置決孔に貫通することにより、前記第1部材および前記第2部材を上下方向に対して相対的に位置決めし、
前記荷重伝達部は、
前記挿通部の上下の部位のうち少なくとも一方に設けられ、前記荷重入力を集中させるために上下方向に狭幅な膨出部からなり、
前記膨出部に対向させて上下方向に狭幅な前記センサ素子が設けられたことを特徴とする車両用センサ組立体。 - 前記第1部材を前記車体に取り付ける取付部を備え、
前記取付部は、前記第1部材と前記車体とが離間する方向への移動のみを規制するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用センサ組立体。 - 前記荷重伝達部は、前記取付部および前記挿通部の間に配置されていることを特徴とする請求項2記載の車両用センサ組立体。
- 前記荷重伝達部および前記センサ素子は、前記挿通部の上下にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用センサ組立体。
- 前記位置決め部は、前記取付部と前記第2部材との間に設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の車両用センサ組立体。
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