JP4996881B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、トレッド部に、略タイヤ周方向に延びる複数本の周方向溝と、隣接する2本の周方向溝を連通する複数本の横溝を配設することによって、多数個のブロック陸部からなる少なくとも1列のブロック陸部列を区画形成するとともに、そのブロック陸部に、タイヤ周方向と交差して延びる複数本のサイプを配設してなる空気入りタイヤ、特には冬用空気入りタイヤに関するものであり、かかるタイヤの氷雪路面での走行性能の向上を図る。
トレッド部の表面に突出したスパイク、またはスタッドによる粉塵公害をなくすため、スパイクタイヤの使用が禁止されて以来、スパイクを備えない、氷雪路面での走行性能に優れたスタッドレスタイヤが開発されてきた。
スタッドレスタイヤにほぼ共通する特徴として、そのトレッド部が多数個のブロック陸部に区画され、更に多数のサイプが配設されていることが挙げられる。かかるサイプの配設本数を増やすとブロック陸部のエッジが路面を引掻くことによる効果である、いわゆるエッジ効果と、サイプが氷路面に存在する水膜を吸い上げる効果である、いわゆる排水効果が増加するため、氷上性能が向上する。この氷上性能を向上させる観点からは、サイプの配設本数を増やすことが好ましいが、これは同時にブロック陸部の偏摩耗を招く場合がある。かかる偏摩耗を防止するため、例えば特許文献1には、サイプの底部に拡大部を形成し、この拡大部を横溝の底部よりも低い所に位置させたタイヤが記載されている。また、特許文献2には、サイプに代えてブロック陸部に複数の竪穴を設けることにより、不規則摩耗を減少しつつ、排水性を向上したタイヤが記載されている。
特開平7−172111号公報 特開2002−248906号公報
氷上性能を向上するためには、タイヤ負荷転動時の接地面積を増やして、ネガティブ率を下げることが有効である一方、雪上性能を向上するためには、溝面積を増やしてネガティブ率を上げることが有効であり、これらの両性能は相互に二律背反の関係にあるため、雪上性能をほとんど低下させることなしに、氷上性能を向上させることは甚だ困難であった。また、氷上性能の向上のためには、サイプ本数を増やしサイプのエッジ成分を増加させることが有効であるが、サイプ本数を増やしすぎるとブロック剛性が低下しブロックの曲げ変形により接地面積が減少し、むしろ氷上性能が低下する場合がある。
したがって、この発明の目的は、横溝形状の適正化を図ることにより、タイヤのブロック剛性の維持を前提とし、氷上性能と雪上性能を高いレベルで両立させた空気入りタイヤを提供することにある。
上記の目的を達成するため、この発明は、トレッド部に、略タイヤ周方向に延びる複数本の周方向溝と、隣接する2本の周方向溝を連通する複数本の横溝を配設することによって、多数個のブロック陸部からなる少なくとも1列のブロック陸部列を区画形成するとともに、該ブロック陸部に、タイヤ周方向と交差して延びる複数本のサイプを配設してなる空気入りタイヤにおいて、前記横溝は、広幅域と、該広幅域の両側に位置する狭幅域とからなり、前記広幅域は、一つのブロック陸部のタイヤ周方向端部のタイヤ幅方向片側端部から前記横溝内に突出する第1の突出部分と、前記一つのブロック陸部にタイヤ周方向に隣接するブロック陸部の、前記一つのブロック陸部に隣接する側のタイヤ周方向端部の、前記第1の突出部分とはタイヤ幅方向反対側のタイヤ幅方向端部から前記横溝内に突出する第2の突出部分と、により区画され、該狭幅域の溝底側に、該狭幅域の開口幅よりも溝幅の大きな拡大部を具える空気入りタイヤであって、前記第1及び第2の突出端部と、同一ブロック陸部内でこれらに隣接するサイプとの間に小穴を設けることを特徴とする空気入りタイヤである。かかる構成により、横溝の狭幅域がブロック陸部の倒れ込み変形を抑制するとともに接地面積を増大させる。一方、拡大部を設けたことで、横溝が連通して排水性が確保されるとともに、接地域外で横溝が大きく開いて横溝で掴んだ雪を放出し易くなる。ここで、「略タイヤ周方向」とは溝幅の中心位置を結んだ仮想線とタイヤ周方向とのなす角が±5°となる方向をいうものとし、「開口幅」とは、トレッド部踏面においてタイヤ周方向に沿って測定した溝幅のことをいうものとする。
また、タイヤ負荷転動時の接地域において、前記横溝の狭幅域が閉塞することが好ましい。ここで、「タイヤ負荷転同時」とはJATMAに規定されているタイヤの最大負荷荷重の80%の荷重をタイヤに適用した状態で走行したときをいうものとし、「接地域」とはトレッド部踏面の内、路面と接触している領域をいうものとする。
更に、タイヤ負荷転動時の接地域外において、前記横溝の狭幅域の開口幅が
0.5〜4.0mmであることが好ましい。ここで、「接地域外」とはトレッド部踏面のうち、前記した「接地域」以外の領域、すなわち路面と接触していない領域を言うものとする。
更にまた、タイヤ負荷転動時の接地域において、前記横溝の広幅域が開口することが好ましい。
加えて、タイヤ負荷転動時の接地域において、前記横溝の広幅域の開口幅が
1〜10mmであることが好ましい。
加えてまた、タイヤ負荷転動時の接地域外において、前記横溝の広幅域の開口幅が2〜10mmであることが好ましい。
また、トレッド部踏面から、前記横溝の拡大部に到達するまでの深さは周方向溝の溝深さの10〜90%であることが好ましい。ここで「深さ」とは、タイヤ径方向距離をいうものとする。
更に、前記両側の狭幅域のタイヤ幅方向の長さの和に対する、前記広幅域のタイヤ幅方向の長さの比が1:4〜1:4であることが好ましい。
また、前記小穴の深さは周方向溝の溝深さの10〜90%であることが更に好ましい。ここで「深さ」とは、路面から小穴の底部へのタイヤ径方向距離をいうものとする。
この発明によれば、横溝形状の適正化を図ることにより、ブロック陸部の倒れ込み変形を抑制し、接地面積を増大させ、横溝が開きやすくなる結果、タイヤのブロック剛性の維持を前提とし、氷上性能と雪上性能を高いレベルで両立させた空気入りタイヤを提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつこの発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明に従う代表的な空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という。)のトレッド部のブロック陸部列の展開図であり、図2は図1に示すトレッド部のブロック陸部の斜視図であり、図3は図1に示すタイヤのIII−III線上の断面図である。
図1に示すタイヤは、トレッド部1に、略タイヤ周方向に延びる複数本の周方向溝、図1では2本の周方向溝2a、2bと、隣接する2本の周方向溝2a、2bを連通する複数本の横溝3を配設することによって、多数個のブロック陸部4からなる少なくとも1列のブロック陸部列5を区画形成する。このように、一列以上のブロック陸部列を配設することで、溝面積が増加し、ネガティブ率が上がるので、基本的な雪上性能を確保することができる。
また、ブロック陸部4には、タイヤ周方向と交差して延びる複数本のサイプ6を配設する。このように、ブロック陸部4に、タイヤ周方向と交差して延びる複数本のサイプ6を配設すると、ブロック陸部4のエッジ成分が増加するので、基本的な氷上性能についても確保することができる。
一般に、横溝は一様の太さで配設されるが、その開口幅を広くすると、タイヤ負荷転動時の接地面積が減少して氷上性能は低下するものの、ネガティブ率が上がることで、雪をかき出す雪上性能は向上する。一方、横溝の開口幅を一様に狭くすると、タイヤ負荷転動時の接地面積が増加して氷上性能が向上し、また、更に横溝を狭くすると、横溝がサイプとしての機能を果たし、エッジ効果が向上するものの、ネガティブ率が下がることで雪上性能は低下する。これに対し、この発明のタイヤでは、一つの横溝3に広幅域7と、これよりも開口幅の狭い狭幅域8を設けている。かかる狭幅域8を設けたことで、狭幅域8を挟んで対向するブロック陸部4同士が互いに接触して支え合い、倒れ込み変形を発生しにくくするので、ブロック陸部4の剛性の低下が抑制される。また、このことは同時に、タイヤ負荷転動時の接地面積を増大させるので、その結果、氷上性能を向上させる。一方、広幅域7を設けることにより、タイヤ負荷転動時に、広幅域7をはさんで対向するブロック陸部4が路面接地時に掴む雪の量を増大させ、雪上性能を向上させる。
これに加えて、この発明のタイヤでは、図2及び図3に示すように、狭幅域8の溝底側に、開口幅w1よりも溝幅の大きな拡大部9を具える。狭幅域8の溝幅が開口部から溝底に至るまで一様のときには、横溝が雪を掴んでかき出す、いわゆるワイピングアクションが小さくなり、新雪等の柔らかい雪質時に雪上性能が低下する場合があるが、この発明のように狭幅域8の溝底側に拡大部9を設けると、横溝3の深さ方向の横溝幅が広くなっているため、横溝3が開き易くなり、ワイピングアクションが大きくなり、特に新雪等の柔らかい雪質時に雪上性能が向上する。更に、トレッド部踏面の摩耗が進行し、ワイピングアクションが減少しても、拡大部9がトレッド部踏面に表れるので、雪上性能は高いレベルで維持される。
このように、この発明のタイヤでは、従来、二律背反と考えられていた氷上性能と雪上性能を高いレベルで両立することができる。更に、ブロック陸部4の剛性を維持しつつ、排水性能を向上できるので、ウェット性能、ドライハンドリング性能も併せて向上する。
また、前記横溝3の狭幅域8は、タイヤ負荷転動時の接地域において、閉塞することが好ましい。このことにより、接地域でのブロック陸部4の倒れ込み変形が抑制され、ブロック陸部4の剛性を一層確実に維持できる。
更に、タイヤ負荷転動時の接地域外においては、前記横溝の狭幅域8の開口幅w1が0.5〜4.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0mmである。開口幅w1が4.0mmを超える場合には、トレッド部踏面のネガティブ率が増加し、排水性能は向上するが、狭幅域8を挟んで対向するブロック陸部4同士が互いに接触して支え合えなくなり、倒れ込み変形が起こり、その結果、ブロック陸部4の剛性の低下が抑制できずに、氷上性能が向上されなくなる場合がある。また、開口幅w1が0.5mm未満の場合には、トレッド部踏面のネガティブ率が減少することで排水性能が低下し、かつ、タイヤ負荷転動時にブロック陸部4の横溝3の広幅域7が路面に接地したときに雪が掴みにくくなるので雪上性能が低下する場合がある。
更にまた、前記横溝3の広幅域7は、タイヤ負荷転動時の接地域において、開口することが好ましい。このことにより、タイヤ負荷転動時に横溝広幅域7をはさんで対向するブロック陸部4が接地時に掴んだ雪を、接地域外において横溝3から放出し易くなり、雪上性能をさらに向上させる。また、トレッド部踏面のネガティブ率が増大することから、排水性もさらに向上する。
加えて、タイヤ負荷転動時の接地域では、前記横溝3の広幅域7の開口幅w2が1.0〜10.0mmであることが好ましく、より好ましくは2.0〜9.0mmである。このことにより、タイヤ負荷転動時に横溝広幅域7をはさんで対向するブロック陸部4が接地時に掴む雪の適量に調整し、雪上性能がさらに向上する。タイヤ負荷転動時の接地域において前記横溝3の広幅域7の開口幅w2が10.0mmを超える場合には、開口幅w2が広くなることからトレッド部踏面のネガティブ率が増加し、排水性能が向上するとともに、タイヤ負荷転動時に横溝広幅域7をはさんで対向するブロック陸部4が接地時に掴む雪の量が増大し、雪上性能を向上させるが、そのことは同時に、ブロック陸部4の剛性と氷上性能の低下を伴うおそれがある。一方、タイヤ負荷転動時の接地域において前記横溝3の広幅域7の開口幅w2が1.0mm未満の場合には、開口幅w2が狭くなり、トレッド部踏面のネガティブ率が減少し、ブロック陸部4の剛性が向上する。しかし、広幅域7をはさんで対向するブロック陸部4の掴む雪の量を減らすので、雪上性能と排水性能の低下を伴うおそれがある。これらのことから、氷上性能と雪上性能をバランス良く両立する観点からはタイヤ負荷転動時の接地域における前記横溝3の広幅域7の開口幅w2を前記の範囲とすることが好ましいのである。
一方、タイヤ負荷転動時の接地域外において前記横溝3の広幅域7の開口幅w2が2.0〜10.0mmであることが好ましく、より好ましくは3.0〜10.0mmである。これによれば、タイヤ負荷転動時に横溝広幅域7をはさんで対向するブロック陸部4が接地域において掴んだ雪を、接地域外において外部に更に放出し易くし、雪上性能がより向上する。タイヤ負荷転動時の接地域外において前記横溝3の広幅域7の開口幅w2が10.0mmを超える場合には、開口幅w2が広がることからタイヤ負荷転動時に横溝広幅域7をはさんで対向するブロック陸部4が接地域において掴んだ雪を、接地域外において外部に放出し易くし、雪上性能は向上する。しかし、トレッド部踏面のネガティブ率が増加するので、ブロック陸部4の剛性の低下を伴うおそれがある。一方、タイヤ負荷転動時の接地域外において前記横溝3の広幅域7の開口幅w2が2.0mm未満の場合には、トレッド部踏面のネガティブ率が減少することでブロック陸部4の剛性は向上する。しかし、広幅域7をはさんで対向するブロック陸部4で掴んだ雪を放出しにくくするので、雪上性能の低下を伴うおそれがある。これらのことから、氷上性能と雪上性能をバランス良く両立する観点からは、タイヤ負荷転動時の接地域外における前記横溝3の広幅域7の開口幅w2を前記の範囲とすることが好ましい。
また、トレッド部踏面から、前記横溝3の拡大部9に到達するまでの深さdは周方向溝の溝深さの10〜90%であることが好ましく、より好ましくは周方向溝の溝深さの20〜80%である。このことにより、横溝3が開き易くなってワイピングアクションが大きくなり、特に新雪等の柔らかい雪質時に雪上性能がより一層向上する。更に、トレッド部踏面の摩耗が進行し、ワイピングアクションが小さくなっても、拡大部9がトレッド部踏面に表れるので、排水性能と雪上性能は高いレベルで維持される。しかし、前記深さdが周方向溝の溝深さの10%未満の場合には、突出端部10のタイヤ径方向長さが小さく、ワイピングアクションが大きくなるので、雪上性能と排水性能は向上するものの、狭幅域8を挟んで互いに接触して支え合い対向するブロック陸部4の剛性が低下するので、タイヤ負荷転動に起因した摩耗により消滅するまでの期間が短くなる場合がある。また、前記深さdが周方向溝の溝深さの90%を超える場合には、突出端部10のタイヤ径方向長さが大きくなり、そのことは狭幅域8を挟んで互いに接触して支え合い対向するブロック陸部4の剛性を向上させるとともに、タイヤ負荷転動に起因した摩耗により消滅するまでの期間を長くするものの、拡大部が小さくなることを意味するので、ワイピングアクションが小さくなり、排水性能と雪上性能が低下する場合がある。
更に、前記狭幅域8のタイヤ幅方向の長さに対する、前記広幅域7のタイヤ幅方向の長さの比が1:4〜4:1であることが好ましく、より好ましくは、1:3.5〜3.5:1である。このことにより、前記広溝域8及び狭溝域7をはさんで対向するブロック陸部4の雪上性能と氷上性能をバランス良くで実現することができるようになる。なぜなら、前記した長さの比が4:1より大きい、すなわち前記狭幅域8のタイヤ幅方向の長さが、前記広幅域7のタイヤ幅方向の長さの4倍よりも大きい場合には、狭幅域が増大することで氷上性能は向上するものの、同時に広幅域を減少しすぎることになるので雪上性能は著しく低下する場合がある。また、前記した長さの比が1:4より小さい、すなわち、前記広幅域7のタイヤ幅方向の長さが、前記狭幅域8のタイヤ幅方向の長さの4倍よりも大きい場合には、広幅域が増大することで雪上性能は向上するが、同時に狭幅域を減少しすぎることになるので氷上性能が著しく低下する場合がある。
更にまた、ブロック陸部4のタイヤ周方向端部のうち、横溝3内に突出する部分である突出端部10と、同一ブロック陸部4内でこれに隣接するサイプ6との間に小穴11を設けることが好ましい。小穴11を設けることで、新たにサイプ6を配設するよりも、ブロック陸部4の剛性を低下させずに、かつ、突出端部を設けない場合よりも、排水性能が高まることから、氷上性能、ウェット性能、ドライハンドリング性能がさらに向上する。
この場合、前記小穴11の深さは周方向溝の溝深さの10〜90%であることが好ましく、より好ましくは周方向溝の溝深さの20〜80%である。なぜなら、前記小穴11の深さが周方向溝の溝深さの10%未満の場合には、小穴11の容積が小さくなりすぎて充分な吸水効果が得られないため、氷上性能が充分に得られず、更にトレッド部踏面の摩耗が進行すると、早期に小穴11が消滅し、所期した性能の持続が困難となることがあり、一方、前記小穴11の深さが周方向溝の溝深さの90%を超える場合には、吸水効果は充分確保される反面、ブロック陸部4の剛性の低下によりドライ路面及びウェット路面でのハンドリング性能が低下したり、トレッド部踏面が路面に接地した際に小穴11内に取り込まれた水分が、タイヤ回転時に遠心力により小穴11から完全に排出されず、回転していく過程で吸水効果が低下したりすることがあるからである。
また、前記小穴11の開口部の直径は0.5〜4.0mmであり、好適には0.5〜3.0mmである。なぜなら、開口直径が0.5mm未満の場合には、ブロック陸部の剛性が低下するのみで吸水効果及びエッジ効果がともに発揮されずに充分な氷上性能の向上が得られない場合があり、一方、開口直径が4.0mmを超える場合には、吸水効果は向上するがエッジ効果を付与する際に接地面積が減少して、氷上性能が低下する可能性があるからである。なお、図1及び2には小穴11のタイヤ幅方向の断面が円形の実施態様を示したが、断面形状はこれに限定されず、楕円形断面、非円形断面とすることもできる。
図1に示したブロック陸部列5では、均一な溝幅の横溝3と、この発明の特徴を備えた横溝3とが交互に設けられているが、要求される氷上及び雪上性能に応じて、この発明の特徴を備えた横溝3を複数個おきに配設しても良く、図4に示されるこの発明の実施例のタイヤのトレッドパターンのように、一列中のブロック陸部列5の横溝3全てがこの発明の特徴を備えた横溝3としても良い。また、図1に示されるようにブロック陸部4及び突出端部10を平面視したときの形状は夫々長方形となっているが、夫々従来のタイヤに用いられている種々の形状に適宜変更しても良い。
なお、上述したところはこの発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を交互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。
次に、図4に示すトレッドパターンを有するこの発明のタイヤ(実施例)、及び、図5に示す従来技術のタイヤのトレッドパターンを有するタイヤ(従来例)を、夫々試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
図5に示す従来例のタイヤは、トレッド部1が、5本の周方向溝2c、2d、2eによって区画され、タイヤ赤道面E上の両側に一対の周方向リブ12を具える中央陸部13、タイヤ幅方向外側に配設される一対のショルダー陸部14、及び、それらの陸部間に配設される中間陸部15を夫々有し、中間陸部15に隣接する2本の周方向溝2d、2eを連通する複数本の横溝3を配設することによって、多数個のブロック陸部4からなるブロック陸部列5を区画形成し、トレッド部踏面の全体にタイヤ周方向と交差して延びる複数本のサイプ6を配設している。
また、図4に示す実施例のタイヤは、前記した図5の形状に加え、横溝3が開口幅の比較的大きい広幅域7と、その広幅域7の両端に位置し、開口幅の比較的小さい狭幅域8とからなり、その狭幅域8の溝底側に、図3に示すものと同様の、狭幅域8の開口幅よりも溝幅が大きな拡大部9を具えている。
これら試作されたタイヤは、いずれも205/65R15の乗用車用ラジアルタイヤであり、下記の諸元を有する。

ネガティブ率:29%(実施例)、31%(従来例)
サイプのタイヤ周方向幅:0.4mm
2本の周方向リブの間にある、タイヤ周方向溝の溝幅:10.0mm
ショルダー陸部と中間陸部に挟まれたタイヤ周方向溝の溝幅:7.0mm
中央陸部と中間陸部に挟まれたタイヤ周方向溝の溝幅:4.0mm
ショルダー陸部のタイヤ周方向幅:28.0mm
中間陸部のタイヤ周方向幅:26.0mm
周方向リブのタイヤ幅方向幅:10.5mm
横溝のタイヤ周方向溝幅:6.0mm
また、実施例のタイヤの横溝及び小穴は下記の仕様となる。

広幅域のタイヤ周方向の開口幅:4.0mm
狭幅域のタイヤ周方向の開口幅:1.5mm
狭幅部の溝底側の拡大部におけるタイヤ周方向の開口幅:4.0mm
狭幅部の溝底側の拡大部に到達するまでのタイヤ径方向の深さ:4.5mm
小穴:ブロック陸部の突出端部に各3個、直径1.2mm、深さ4.5mm
これら各供試タイヤを実車に装着して、次の各評価を行った。
雪上フィーリング:圧雪路面のテストコースを走行したときの制動性、発進性、直進性、コーナリング性をプロのドライバーによって総合的にフィーリング評価した。
雪上制動性:圧雪路面において速度40km/hからフル制動したときの制動距離を計測し、この計測結果により評価した。
雪上トラクション性:圧雪路面のテストコースにおける停止状態からアクセルを全開にし、距離50メートルを走行するのに要した時間を計測し、この計測結果により評価した。
氷上フィーリング:氷路面のテストコースにおける制動性、発進性、直進性、コーナリング性をプロのドライバーによって総合的にフィーリング評価した。
氷上制動性:氷路面において速度20km/hからフル制動したときの制動距離の計測し、この計測結果により評価した。
ドライ路面ハンドリング性:ドライ路面のテストコースを各種走行モードでスポーツ走行したときに、プロのドライバーによりハンドリングを評価した。
これらテストの評価結果を表1に示す。なお、表1の評価結果は、従来例のタイヤ評価結果を100としたときの指数比で示してあり、数値が大きいほど性能が優れている。
Figure 0004996881
表1の結果が示すように、実施例のタイヤは、従来例のタイヤに比べ、雪上性能、氷上性能、及びドライハンドリング性能のいずもが向上していた。
以上の発明から明らかになったように、横溝形状の適正化を図ることにより、タイヤのブロック剛性の維持を前提とし、氷上性能と雪上性能を高いレベルで両立させた空気入りタイヤを提供することが可能となった。
この発明に従う代表的なタイヤのトレッド部のブロック陸部列の一部の展開図である。 図1に示すブロック陸部の斜視図である。 図1に示すブロック陸部のIII〜III線上における断面図である。 実施例のタイヤのトレッド部の一部の展開図である。 従来例のタイヤのトレッド部の展開図である。
符号の説明
1 トレッド部
2a、2b、2c、2d、2e 周方向溝
3 横溝
4 ブロック陸部
5 ブロック陸部列
6 サイプ
7 広幅域
8 狭幅域
9 拡大部
10 突出端部
11 小穴
12 周方向リブ
13 中央陸部
14 ショルダー陸部
15 中間陸部

Claims (9)

  1. トレッド部に、略タイヤ周方向に延びる複数本の周方向溝と、隣接する2本の周方向溝を連通する複数本の横溝を配設することによって、多数個のブロック陸部からなる少なくとも1列のブロック陸部列を区画形成するとともに、該ブロック陸部に、タイヤ周方向と交差して延びる複数本のサイプを配設してなる空気入りタイヤにおいて、
    前記横溝は、広幅域と、該広幅域の両側に位置する狭幅域とからなり、
    前記広幅域は、一つのブロック陸部のタイヤ周方向端部のタイヤ幅方向片側端部から前記横溝内に突出する第1の突出部分と、前記一つのブロック陸部にタイヤ周方向に隣接するブロック陸部の、前記一つのブロック陸部に隣接する側のタイヤ周方向端部の、前記第1の突出部分とはタイヤ幅方向反対側のタイヤ幅方向端部から前記横溝内に突出する第2の突出部分と、により区画され、
    該狭幅域の溝底側に、該狭幅域の開口幅よりも溝幅の大きな拡大部を具える空気入りタイヤであって、
    前記第1及び第2の突出端部と、同一ブロック陸部内でこれらに隣接するサイプとの間に小穴を設けることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤ負荷転動時の接地域において、前記横溝の狭幅域が閉塞する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ負荷転動時の接地域外において、前記横溝の狭幅域の開口幅が0.5 〜4.0mm である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. タイヤ負荷転動時の接地域において、前記横溝の広幅域が開口する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤ負荷転動時の接地域において、前記横溝の広幅域の開口幅が1.0〜10.0mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤ負荷転動時の接地域外において、前記横溝の広幅域の開口幅が2.0〜1 0.0mmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. トレッド部踏面から、前記横溝の拡大部に到達するまでの深さは周方向溝の溝深さの10〜90%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記両側の狭幅域のタイヤ幅方向の長さの和に対する、前記広幅域のタイヤ幅方向の長さの比が1:4〜4:1である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記小穴の深さは周方向溝の溝深さの10〜90%である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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