JP4996137B2 - アクリル系樹脂押出フィルムの製造方法 - Google Patents
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(i)T型ダイを用い、溶融状態で押し出される樹脂フィルムの片面をロールや金属ベルト等に接触させ、冷却固化する(例えば特許文献1の図2(B))。
(ii)T型ダイを用い、溶融状態で押し出される樹脂フィルムの両面をロールや金属ベルト等に接触させ、冷却固化する(例えば特許文献1の図2(A))。
しかしながら、前記(i),(ii)の従来の押出成形法では、これらの要望に対応することは困難であった。すなわち、前記(i)については、樹脂フィルムに外部から圧力が加わらないため、ロールへの密着性が低いので、得られるフィルムは平滑性が低く、また厚さ精度も低い。さらに、成膜中にロール汚れが発生するなど品質上、生産上の不具合を有する。
しかしながら、この文献に記載されているエアーチャンバーでは、前記(i)と同様に、得られるフィルムの平滑性が低いという問題があり、厚み精度も充分でなかった。
本発明のアクリル系樹脂押出フィルムは、厚さが10〜500μmである。特に、160℃で10分間加熱したときに、フィルムの押出方向の熱収縮率の平均値が20%以下、好ましくは15%以下である。これにより、フィルムの配向性が小さく、収縮率が低いアクリル系樹脂押出フィルムとなるので、印刷適性に優れる。これに対し、前記押出方向の熱収縮率の平均値が20%を超えると、例えばフィルムに規則的な柄模様を印刷した場合には、柄に大きな歪みが発生する。
なお、幅方向の熱収縮率は、160℃で10分間の加熱で−1〜5%程度であり、幅方向における前記幅方向の熱収縮率のバラツキ幅は0〜2%程度である。前記熱収縮率の値が「−」の場合は、フィルムが幅方向に伸びることを意味する。
本発明のアクリル系樹脂押出フィルムを構成するアクリル系樹脂としては、特に限定されるものではないが、光学用途で主に用いられるアクリル系樹脂が好ましい。該樹脂としては、例えばメタクリル樹脂等が挙げられる。
上記のようなアクリル系樹脂は、一般に硬く、薄いフィルムでは取り扱いが困難なため、アクリル系ゴム粒子を含有させるのが好ましい。該アクリル系ゴム粒子の平均粒子径は0.05〜0.40μm、好ましくは0.06〜0.3μm、より好ましくは 0.1〜0.25μmであるのがよい。平均粒子径が0.40μmよりも大きいと、得られるフィルムの透明性が悪化し、また0.05μm未満であると、得られるフィルムの耐衝撃性が小さく、フィルムが脆くなる。また、0.05μm未満のゴム粒子は、生産し難いことからも好ましくない。
次に、上記で説明したアクリル系樹脂押出フィルムの製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明のアクリル系樹脂押出フィルムの製造方法に用いる製造装置を示す概略説明図である。
キャストロール2の周速度は、アクリル系樹脂の吐出量、吐出速度、所望するフィルム厚み等に応じて調整され、通常、3〜100m/分程度、好ましくは15〜50m/分程度である。
アクリル系ゴム粒子をメタクリル樹脂と混合してフィルム化し、得られたフィルムを適当な大きさに切り出し、切片を0.5%四酸化ルテニウム水溶液に室温で15時間浸漬してゴム粒子部分を染色した。ついで、ミクロトームを用いて約80nmの厚さにサンプルを切断した後、透過型電子顕微鏡で写真撮影を行った。この写真から無作為に100個の染色されたゴム粒子部を選択し、その各々の粒子径を算出した後、その平均値を平均粒子径とした。
メタクリル樹脂として、メタクリル酸メチル97.8%及びアクリル酸メチル2.2% のモノマー組成からバルク重合法により得られた樹脂のペレット(ガラス転移温度104℃)を用いた。また、アクリル系ゴム粒子としては、特公昭55−27576号公報(米国特許第3,793,402号明細書)の実施例3に準じて製造された最内層がメタクリル酸メチルに少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された架橋重合体、中間層がアクリル酸ブチルを主成分としてさらにスチレン及び少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された軟質の弾性共重合体、最外層がメタクリル酸メチルに少量のアクリル酸エチルを用いて重合された硬質重合体からなる球形3層構造であり、平均粒子径が0.22nm のものを用いた。このゴム粒子における中間層の弾性共重合体は、このゴム粒子全体のうち66.6%であった。また、メタクリル樹脂のガラス転移温度は102℃であった。
エアーナイフからの送風を行わなかった以外は、上記実施例1と同様にして、厚さ0.060mmのアクリル系樹脂押出フィルムを作製した。
エアーナイフからの送風および吸引チャンバーからの吸引を行わず、樹脂の両面を2本の金属ロールで挟みこんだ以外は、上記実施例1と同様にして、厚さ0.060mmのアクリル系樹脂押出フィルムを作製した。
上記実施例1〜5および比較例1,2で作製した各フィルムについて、熱収縮率、バラツキ幅および算術平均粗さ(Ra)を評価した。各評価方法を以下に示すと共に、その結果を表2に示す。
幅方向に10点のサンプルを採取し、160℃で10分間加熱して徐冷した後のフィルムの押出方向の寸法変化率(熱収縮率)を上記式(I)に従い求めた。また、10点の収縮率測定値の最大値−最小値からバラツキ幅を計算した。
算術平均粗さ(Ra)は、ISO468−1982に準拠し、東京精密(株)社製の表面粗さ計「surfcom」で測定して得た。
2 キャストロール
3,3a,3b,3c エアーナイフ
4 吸引チャンバー
5 冷却ロール
10 アクリル系樹脂押出フィルム
Claims (3)
- 溶融したアクリル系樹脂をダイからフィルム状に押出して、キャストロールに接触させ、キャストロールの回転によりアクリル系樹脂押出フィルムを搬送する過程でエアーナイフからエアーを吹き出させて前記アクリル系樹脂押出フィルムをキャストロールに密着させ、160℃で10分間加熱したときに、フィルムの押出方向の熱収縮率の平均値が20%以下であり、かつ幅方向における前記押出方向の熱収縮率のバラツキ幅が10%以内であると共に、算術平均粗さ(Ra)が0.05μm以下であり、厚さ10〜500μmのアクリル系樹脂押出フィルムを製造する方法であって、
前記エアーナイフは、押出されるアクリル系樹脂押出フィルムの幅方向に複数配設されており、押出されるアクリル系樹脂押出フィルムの幅方向における吐出速度差に応じて、各エアーナイフの取付け位置および/またはエアー吹き付け角度を調節することを特徴とするアクリル系樹脂押出フィルムの製造方法。 - 前記エアーナイフから吹き付けられる空気温度が20〜200℃である請求項1記載のアクリル系樹脂押出フィルムの製造方法。
- 前記ダイ近傍に、吸気口がキャストロールに臨む吸気手段を設けた請求項1または2記載のアクリル系樹脂押出フィルムの製造方法。
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