JP7257238B2 - 樹脂フィルムの切断方法 - Google Patents
樹脂フィルムの切断方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7257238B2 JP7257238B2 JP2019082296A JP2019082296A JP7257238B2 JP 7257238 B2 JP7257238 B2 JP 7257238B2 JP 2019082296 A JP2019082296 A JP 2019082296A JP 2019082296 A JP2019082296 A JP 2019082296A JP 7257238 B2 JP7257238 B2 JP 7257238B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin film
- temperature
- resin
- cutting
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Details Of Cutting Devices (AREA)
Description
切粉の発生を低減する樹脂フィルムの切断方法として、例えば特許文献1には、裁断時のフィルムの温度を60℃~Tg℃(ガラス転移温度)とする樹脂フィルムの裁断方法が提案されている。また、特許文献2には、切断時のポリマーフィルムの温度を(Tg-90)℃~(Tg-30)℃とするポリマーフィルムの切断方法が提案されている。
[1]ガラス転移温度(Tg)が90℃以上である樹脂フィルムの切断方法であって、
下記式(1)の関係を満たす温度(Th)の高温体により前記樹脂フィルムを加熱する樹脂フィルム加熱工程と、
前記樹脂フィルム加熱工程後、前記樹脂フィルムの切断前に、前記高温体よりも低い温度であるロール状の冷却体と前記樹脂フィルムとを接触させる樹脂フィルム冷却工程と、
前記樹脂フィルムが前記高温体と接触する位置と、前記樹脂フィルムの切断位置との、フィルムの流れ方向に沿った距離(L)[m]、及び前記樹脂フィルムの搬送速度(V)[m/分]が下記式(2)の関係を満たす条件で樹脂フィルムを切断する切断工程とを有する、樹脂フィルムの切断方法。
(Tg-80)[℃]≦Th[℃]≦(Tg+150)[℃] (1)
0.05≦L/V≦2 (2)
[2]前記高温体が、金属ロール、ゴムロール及び気体から選ばれる1種以上である、前記[1]に記載の樹脂フィルムの切断方法。
[3]前記冷却体が、金属ロール、ゴムロール、及びカーボンロールから選ばれる1種以上である、[1]又は[2]に記載の樹脂フィルムの製造方法。
[4]前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ガラス転移温度が90℃以上である樹脂(I)を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂フィルムの切断方法。
[5]前記樹脂(I)が熱可塑性樹脂である、[4]に記載の樹脂フィルムの切断方法。
[6]前記熱可塑性樹脂が(メタ)アクリル系樹脂(A)である、[5]に記載の樹脂フィルムの切断方法。
(Tg-80)[℃]≦Th[℃]≦(Tg+150)[℃] (1)
0.05≦L/V≦2 (2)
本発明では、切断位置よりも手前にフィルムを冷却する工程を有するため、単に高温体を用いて加温するだけの方法と比較して、フィルムを高温に加温することができると共に、冷却ロールによって均一且つ切断に適した温度に調節しやすくなる。また、フィルムが軟化した場合でも冷却ロールでフィルム表面を整えることが可能である。
高温体の温度をフィルムの切断に適した温度付近に設定し、高温体の位置と切断位置とを近くした場合、高温体の温度ムラによってフィルムに温度ムラができる可能性がある。また、高温体の温度ムラの影響を少なくするためにフィルムを十分に加温し、高温体の位置と切断位置との間で放冷することにより切断位置での温度を調整しようとする場合、高温体の位置と切断位置との距離を長くすることが必要となるばかりでなく、高温体の位置と切断位置との間での放冷ムラにより温度ムラが生じる可能性がある。これに対して、本発明の切断方法によれば、前記樹脂フィルムが前記高温体と接触する位置と、前記樹脂フィルムの切断位置との、フィルムの流れ方向に沿った距離(L)が比較的小さい場合や前記樹脂フィルムの搬送速度(V)が大きい場合であっても、切粉や糸引きを軽減することができる。
本発明における樹脂フィルム加熱工程は、下記式(1)の関係を満たす温度(Th)の高温体により前記樹脂フィルムを加熱する工程である。
(Tg-80)[℃]≦Th[℃]≦(Tg+150)[℃] (1)
より具体的に高温体の温度は、好ましくは40[℃]≦Th[℃]であり、より好ましくは100[℃]≦Th[℃]であり、更に好ましくは140[℃]≦Th[℃]であり、より更に好ましくは170[℃]≦Th[℃]であり、そして、好ましくはTh[℃]≦260[℃]であり、より好ましくはTh[℃]≦250[℃]であり、更に好ましくはTh[℃]≦240[℃]である。
本発明における樹脂フィルム冷却工程は、前記樹脂フィルム加熱工程後、前記樹脂フィルムの切断前に、前記高温体よりも低い温度であるロール状の冷却体と前記樹脂フィルムとを接触させる工程である。
冷却工程においては、前記高温体よりも低い温度であるロール状の冷却体と前記樹脂フィルムとを、前記樹脂フィルムの切断前に接触させるため、樹脂フィルムを切断に適した温度で切断することができ、糸引き等の問題を抑制することができる。
なお、樹脂フィルムを前記冷却体で冷却する際に、更に樹脂フィルムを気体と接触させてもよく、その場合は、ファン式送付機やファン式除電機等を使用できる。
本発明における切断工程は、前記樹脂フィルムが前記高温体と接触する位置と、前記樹脂フィルムの切断位置との、フィルムの流れ方向に沿った距離(L)[m]、及び前記樹脂フィルムの搬送速度(V)[m/分]が下記式(2)の関係を満たす条件で樹脂フィルムを切断する工程である。
0.05≦L/V≦2 (2)
なお、樹脂フィルムが高温体と接触する位置とは、高温体が金属ロール等の固体である場合は、樹脂フィルムと金属ロール等とが接する位置を指し、距離(L)は樹脂フィルムが高温体と接触する位置のうち、最も樹脂フィルムの切断位置に近い点と、前記切断位置との間の距離とする。一方、高温体が温風等の気体である場合は、温風等の気体を接触させた樹脂フィルムの温度を測定し、最も高温になっている部分のうち最下流側(フィルムの流れ方向に沿って、最も下流側)を、樹脂フィルムが高温体と接触する位置とする。
なお、本明細書において、ガラス転移温度はJIS K 7121:2012に準拠して求めることができ、具体的には実施例に記載の方法により求めることができる。なお、樹脂フィルムが複数のガラス転移温度を有する場合、最も高いガラス転移温度の値を採用する。
前記樹脂フィルムの原料、すなわち、樹脂フィルムを構成する樹脂組成物としては、樹脂フィルムのガラス転移温度が90℃以上になる原料であれば特に制限はないが、ガラス転移温度が90℃以上である樹脂(以下、樹脂(I)ともいう。)を含むものが好ましい。ガラス転移温度が90℃以上の樹脂(I)を用いることにより、樹脂フィルムは耐熱性を備えることができ、また糸引きの発生を抑制することができる。これらの観点、及び加工性の観点から、樹脂(I)のガラス転移温度は、好ましくは100~180℃であり、より好ましくは105~170℃であり、更に好ましくは110~150℃である。樹脂(I)のガラス転移温度が180℃より高いと加工が困難になり、切粉が発生しやすくなる。樹脂(I)としては、例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等を挙げることができ、熱可塑性樹脂がより好ましく用いられる。
なお、本明細書において(メタ)アクリル系樹脂とはメタクリル系樹脂及びアクリル系樹脂を指す。
本発明において用いられる(メタ)アクリル系樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を有する樹脂であれば特に制限はないが、耐熱性を向上させる観点から、例えば、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を主体とするものが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂(A)がメタクリル酸メチルに由来する構造単位を主体とする場合、その含有量は、耐熱性を向上させる観点から、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、95質量%以上であることがより更に好ましく、98質量%以上であることが特に好ましく、全ての構造単位がメタクリル酸メチル単位であってもよい。
これらの中でも、アクリル酸エステルが好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸iso-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸iso-ブチル、及びアクリル酸sec-ブチルがより好ましい。
本発明で用いる(メタ)アクリル系樹脂(A)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併せて使用してもよい。
(メタ)アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は実施例に記載の方法で測定することができる。
アクリル系ゴム粒子(B)は、分散性の観点及び得られるフィルムの透明性と力学物性の観点から、少なくとも弾性体層と当該弾性体層を覆う外層とを有する多層構造であることが好ましい。更に、フィルムの硬度を高く保ちつつ、耐衝撃性を向上させる観点から、内層と、当該内層を覆う弾性体層と、当該弾性体層を覆う外層とを有する多層構造であることがより好ましい。
本発明の切断方法が適用される樹脂フィルムを構成する樹脂組成物は、(メタ)アクリル系樹脂(A)とアクリル系ゴム粒子(B)を含むもの((メタ)アクリル系樹脂組成物)が好ましい。アクリル系ゴム粒子(B)に対する(メタ)アクリル系樹脂(A)の割合(質量比)〔(A)/(B)〕は、成形性、フィルムの力学物性、及び耐熱性の観点から、5/95~95/5であることが好ましく、30/70~90/10であることがより好ましく、50/50~85/15であることが更に好ましく、60/40~84/16であることがより更に好ましく、77/23~83/17であることが特に好ましい。
前記樹脂組成物の調製方法に特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂(A)等の樹脂(I)、アクリル系ゴム粒子(B)等のゴム粒子、必要に応じて添加される任意成分を溶融混練する方法が挙げられる。
混練を行うための装置としては、例えばニーダールーダー、二軸押出機、一軸押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等を挙げることができる。これらのうち二軸押出機が混練性の観点から好ましく、ベント付二軸押出機が着色抑制の観点からより好ましい。ベント付二軸押出機では減圧にして又は窒素を流通させて運転することが好ましい。溶融混練する際のせん断速度は10~1000/secであることが好ましい。混練時の温度は好ましくは110~300℃、より好ましくは180~300℃、更に好ましくは230~270℃である。押出機で溶融混練された樹脂組成物はストランド状に押し出され、ペレタイザ等でカットしてペレットにすることができる。
成形方法は特に限定されないが、例えば、押出成形(Tダイ法等)、インフレーション成形、カレンダー成形、キャスト成形等の公知の成形方法を採用することができ、中でも押出成形法が好ましい。押出成形法、特にTダイ法によれば、靭性と表面硬度及び剛性とのバランスに優れた樹脂フィルムを得ることができる。
押出成形法、特にTダイ法に用いられる押出機は、1軸スクリュー又は2軸スクリューを有することが好ましい。また、樹脂フィルムの着色を抑制する観点から、ベントを使用して減圧下で溶融押出しすることが好ましい。更に、均一な厚さの樹脂フィルムを得る観点から、押出機にギアポンプを接続し、更にフィッシュアイ欠点を低減させるためにポリマーフィルターを通して溶融押出することが好ましい。更に、酸化劣化を抑制する観点から、窒素気流下での溶融押出を行うことが好ましい。押出機から吐出される材料の温度は好ましくは230~290℃であり、より好ましくは240~280℃である。
鏡面ロール又は鏡面ベルト間の線圧は、表面平滑性を向上させる観点から、好ましくは10N/mm以上であり、より好ましく30N/mm以上である。鏡面ロール又は鏡面ベルトの表面温度は、表面平滑性、ヘーズ、外観等を向上させる観点から、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは70℃以上である。また、好ましくは130℃以下であり、より好ましくは100℃以下である。
膜厚計(株式会社ミツトヨ製、高精度デジマチックマイクロメータ MDH-25M)を用いて、フィルム幅方向に均等に5点測定し、その平均値をフィルムの厚さとした。
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下のとおりである。
・装置 :東ソー株式会社製GPC装置「HLC-8320」
・分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgel SuperMultipore HZM-M」と「SuperHZ4000」を直結
・検出器 :東ソー株式会社製「RI-8020」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :0.35mL/分
・サンプル濃度:8mg/10mL
・カラム温度 :40℃
JIS K 7121:2012に準拠して示差走査熱量計を用いて230℃まで昇温し、次いで室温まで冷却し、その後、室温から230℃まで10℃/分で昇温させたときの、2回目の昇温時の示差走査熱量測定で得られる中間点ガラス転移温度を採用した。樹脂フィルム、及び(メタ)アクリル系樹脂(A)がそれぞれ複数のガラス転移温度を有する場合、最も高いガラス転移温度の値を採用した。
ロール状に巻き取った樹脂フィルムの巻き外5mを捨て、巻き取り方向に沿って更に内側1.5mを切り出した。この切り出した樹脂フィルムの厚さ方向から電灯(LED LENDSER M-17R)を照射して、樹脂フィルムを観察し、樹脂フィルムの流れ方向において、切粉が纏まって観察される位置の間隔を以下の通り評価した。下記評価基準でA又はBであれば実用に供することができる。
〔評価基準〕
A:纏まった切粉がないか、1箇所のみである。
B:纏まった切粉が2箇所以上あり、纏まった切粉同士の間隔のうち最小のものが10cm超である。
C:纏まった切粉が2箇所以上あり、纏まった切粉同士の間隔のうちの最小のものが10cm以下である。
ロール状に巻き取った樹脂フィルムの巻き外5mを捨て、巻き取り方向に沿って更に内側1.5mを切り出した。次いで、樹脂フィルムの厚さ方向から電灯(LED LENDSER M-17R)を照射して、樹脂フィルムの幅方向両端部付近を樹脂フィルムの流れ方向に沿って観察した。樹脂フィルムの流れ方向において、長さ5mm以上ある糸状の切断不良部が観察される位置の間隔を以下の通り評価した。下記評価基準でA又はBであれば実用に供することができる。
〔評価基準〕
A:糸状物がないか、1個のみである。
B:糸状物が2個以上あり、その間隔のうち最小のものが10cm超である。
C:糸状物が2個以上あり、その間隔のうちの最小のものが10cm以下である。
<製造例1:(メタ)アクリル系樹脂(A)の製造>
メタクリル酸メチル99.3質量部及びアクリル酸メチル0.7質量部に重合開始剤〔2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、水素引抜能:1%、1時間半減期温度:83℃〕0.008質量部、及び連鎖移動剤(n-オクチルメルカプタン)0.26質量部を加え、溶解させて3000kgの原料液を得た。
イオン交換水100質量部、硫酸ナトリウム0.03質量部、及び懸濁分散剤0.45質量部を混ぜ合わせて6000kgの混合液を得た。耐圧重合槽に、当該混合液と前記原料液(合計9000kg)を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、温度を70℃にして重合反応を開始させた。重合反応開始後、3時間経過時に、温度を90℃に上げ、撹拌を引き続き1時間行うことによりビーズ状共重合体が分散した液を得た。なお、重合槽壁面あるいは撹拌翼にポリマーが若干付着したが、泡立ちもなく、円滑に重合反応が進んだ。
得られた共重合体分散液を適量のイオン交換水で洗浄し、バケット式遠心分離機により、ビーズ状共重合体を取り出し、80℃の熱風乾燥機で12時間乾燥し、ビーズ状の(メタ)アクリル系樹脂(A)を得た。
得られた(メタ)アクリル系樹脂(A)は、メタクリル酸メチル単位の含有量が99.3質量%、アクリル酸メチル単位の含有量が0.7質量%であり、重量平均分子量(Mw)が92,000、ガラス転移温度は120℃であった。
(1)内層の合成
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、単量体導入管及び還流冷却器を備えた反応器内に、イオン交換水1050質量部、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム0.3質量部及び炭酸ナトリウム0.7質量部(合計2100kg)を仕込み、反応器内を窒素ガスで十分に置換した。次いで内温を80℃にした。そこに、過硫酸カリウム0.25質量部を投入し、5分間撹拌した。これに、メタクリル酸メチル95.4質量%、アクリル酸メチル4.4質量%及びメタクリル酸アリル0.2質量%からなる単量体混合物245質量部を60分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、重合転化率が98%以上になるように更に30分間重合反応を行った。
次いで、同反応器内に、過硫酸カリウム0.32質量部を投入して5分間撹拌した。その後、アクリル酸n-ブチル80.5質量%、スチレン17.5質量%及びメタクリル酸アリル2質量%からなる単量体混合物315質量部を60分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、重合転化率が98%以上になるように更に30分間重合反応を行った。
次に、同反応器内に、過硫酸カリウム0.14質量部を投入して5分間撹拌した。その後、メタクリル酸メチル95.2質量%、アクリル酸メチル4.4質量%及びn-オクチルメルカプタン0.4質量%からなる単量体混合物140質量部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、重合転化率が98%以上になるように更に60分間重合反応を行った。
製造例1で得た(メタ)アクリル系樹脂(A)80質量部と、製造例2で得たアクリル系ゴム粒子(B)20質量部をヘンシェルミキサーで混合し、260℃に設定されたスクリュー径41mmのベント付き二軸押出機を用いて熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
前記ペレットをベント付き単軸押出機のホッパーに供給し、260℃で溶融混練してギアポンプ、フィルター装置、スタティックミキサーの順に通過させ、リップ開度1mmのTダイから樹脂フィルム状に吐出した。次いで、鏡面を有し、且つ表面温度が90℃である金属弾性ロール及び金属剛体ロールでバンク無く挟持及び冷却することにより、厚さ80μm、幅1400mmであるアクリル樹脂フィルムを製造した。これをロール状に巻き取って樹脂フィルムロールとした。
得られたアクリル樹脂フィルムのガラス転移温度は120℃であった。
製造例3で得たアクリル樹脂フィルムを樹脂フィルムロールから巻き出し、高温体としての熱風(温度:50℃)、及び冷却体としての金属ロール(表面温度:23℃(室温))を経由した後、フィルムの流れ方向の両端10mmをそれぞれ切断した。実施例1においては、前記高温体の位置と前記樹脂フィルムの切断位置との距離(L)は5m、樹脂フィルム搬送速度(V)は70m/分であった。
なお、樹脂フィルムの切断は、搬送中のアクリル樹脂フィルムを挟み込むように設けた刃で行った。具体的には、アクリル樹脂フィルムの搬送方向と平行に刃を設置し、アクリル樹脂フィルムの上面側と下面側に刃を配置し、シャーカットすることにより行った。結果を表1に示す。
上刃:丸刃、ゲーベル式、直径98mm、片刃、超硬合金鋼製
下刃:丸刃、ゲーベル式、直径150mm、片刃、超硬合金鋼製
実施例1において、高温体の種類、高温体の温度、高温体位置と切断位置との距離(L)、樹脂フィルム搬送速度(V)を表1に示す通り変更したこと以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂フィルムを切断した。評価結果を表1に示す。
<高温体>
・熱風 :ドライヤー
・ゴムロール:株式会社加貫ローラ製作所製・ECタイタン
・金属ロール:トクデン株式会社・誘電発熱ロール
<冷却体>
・金属ロール:東芝機械株式会社・メッキロール
一方、冷却体を用いなかった比較例1及び2では糸状物が2個以上発生し、その間隔のうち最小のものが10cm以下であった。
高温体の温度が(Tg-80)℃未満での比較例3では切粉が多く見られた。また、高温体の温度が(Tg+150)℃を超えていた比較例4では糸引きが多く見られ、その間隔のうち最小のものが10cm以下であった。
(L/V)が2超であった比較例5では、切粉が多く見られ、(L/V)が0.05未満であった比較例6では、糸引きが多く見られ、その間隔のうち最小のものが10cm以下であった。
Claims (4)
- ガラス転移温度(Tg)が90℃以上である樹脂フィルムの切断方法であって、
樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ガラス転移温度が90℃以上である熱可塑性樹脂樹脂(I)であり、
下記式(1)の関係を満たす温度(Th)の高温体により前記樹脂フィルムを加熱する樹脂フィルム加熱工程と、
前記樹脂フィルム加熱工程後、前記樹脂フィルムの切断前に、前記高温体よりも低い温度であるロール状の冷却体と前記樹脂フィルムとを接触させる樹脂フィルム冷却工程と、
前記樹脂フィルムが前記高温体と接触する位置と、前記樹脂フィルムの切断位置との、フィルムの流れ方向に沿った距離(L)[m]、及び前記樹脂フィルムの搬送速度(V)[m/分]が下記式(2)の関係を満たす条件で樹脂フィルムを切断する切断工程とを有する、樹脂フィルムの切断方法。
(Tg-80)[℃]≦Th[℃]≦(Tg+150)[℃] (1)
0.05≦L/V≦2 (2) - 前記高温体が、金属ロール、ゴムロール及び気体から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の樹脂フィルムの切断方法。
- 前記冷却体が、金属ロール、ゴムロール、及びカーボンロールから選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の樹脂フィルムの製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂が(メタ)アクリル系樹脂(A)である、請求項1~3のいずれかに記載の樹脂フィルムの切断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019082296A JP7257238B2 (ja) | 2019-04-23 | 2019-04-23 | 樹脂フィルムの切断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019082296A JP7257238B2 (ja) | 2019-04-23 | 2019-04-23 | 樹脂フィルムの切断方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020179437A JP2020179437A (ja) | 2020-11-05 |
JP7257238B2 true JP7257238B2 (ja) | 2023-04-13 |
Family
ID=73023067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019082296A Active JP7257238B2 (ja) | 2019-04-23 | 2019-04-23 | 樹脂フィルムの切断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7257238B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005305637A (ja) | 2004-03-23 | 2005-11-04 | Fuji Photo Film Co Ltd | ポリマーフィルムの切断方法 |
JP2010058285A (ja) | 2008-09-01 | 2010-03-18 | Fujifilm Corp | 樹脂シートの製造方法 |
JP2012224057A (ja) | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
JP2017103724A (ja) | 2015-12-04 | 2017-06-08 | 信越ポリマー株式会社 | スピーカの振動板用フィルムの製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3661174B2 (ja) * | 1995-09-25 | 2005-06-15 | 富士写真フイルム株式会社 | フィルムの裁断方法 |
-
2019
- 2019-04-23 JP JP2019082296A patent/JP7257238B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005305637A (ja) | 2004-03-23 | 2005-11-04 | Fuji Photo Film Co Ltd | ポリマーフィルムの切断方法 |
JP2010058285A (ja) | 2008-09-01 | 2010-03-18 | Fujifilm Corp | 樹脂シートの製造方法 |
JP2012224057A (ja) | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
JP2017103724A (ja) | 2015-12-04 | 2017-06-08 | 信越ポリマー株式会社 | スピーカの振動板用フィルムの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020179437A (ja) | 2020-11-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10392463B2 (en) | Acrylic resin composition, and molded product and film made from same | |
EP3438196B1 (en) | Resin composition, and molded article and film thereof | |
EP2690139A1 (en) | Acrylic resin film | |
JPWO2014002491A1 (ja) | 非複屈折性樹脂材料、およびフィルム | |
TW200817179A (en) | Acrylic resin film | |
JP5317950B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP5260165B2 (ja) | 光学フィルム | |
JP2023009094A (ja) | 延伸フィルムおよび延伸フィルムの製造方法 | |
WO2016157913A1 (ja) | 延伸アクリル系樹脂フィルムの製造方法 | |
JP5403777B2 (ja) | 光学材料用成形体 | |
JPWO2015075941A1 (ja) | 樹脂材料、およびそのフィルム | |
JP7257238B2 (ja) | 樹脂フィルムの切断方法 | |
JP7322002B2 (ja) | (メタ)アクリル樹脂組成物、フィルムおよびその製造方法 | |
JP2006131898A (ja) | 熱可塑性樹脂フィルム | |
JP2009235160A (ja) | アクリル樹脂フィルム | |
JP2018187783A (ja) | 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 | |
JP7217177B2 (ja) | フィルムの製造方法 | |
JP2011027777A (ja) | 光拡散機能を付与した偏光子保護フィルム | |
JP5036122B2 (ja) | 耐熱性スチレン系樹脂延伸シート | |
JP6703411B2 (ja) | アクリル系樹脂フィルム | |
JP2015161807A (ja) | 切り替え工程を含む光学フィルムの製造方法 | |
JP2019005845A (ja) | 樹脂フィルムの切断方法 | |
WO2020110643A1 (ja) | フィルムロール及びその製造方法 | |
JP2018051838A (ja) | アクリル系フィルムの製造方法 | |
JP7138508B2 (ja) | アクリル系樹脂積層フィルム、その製造方法、及びそれを含む積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211206 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220921 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221004 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221125 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230322 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230403 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7257238 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |