JP4995004B2 - 複数槽式計量装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数槽式計量装置に関し、特に、複数の計量槽を備えており、これら複数の計量槽のそれぞれに供給された被計量物の重量値を当該複数の計量槽に共通して設けられた複数の荷重検出手段を用いて測定する、複数槽式計量装置に関する。
この種の複数槽式計量装置として、従来、例えば特許文献1に開示されたものがある。この従来技術によれば、内部の貯留領域が仕切壁によって二槽に仕切られたホッパと、当該仕切壁を隔てた対称の位置において各槽に設けられた荷重検出手段としてのロードセルと、各ロードセルの出力に基づいて被計量物としての貯留物の重量を算出する演算装置と、が備えられている。そして、演算装置は、一方の槽に設けられたロードセルによる検出荷重をR1、他方の槽に設けられたロードセルによる検出荷重をR2、各ロードセル間の距離をL、仕切壁から一方の槽内における貯留物の重心までの距離をa1、仕切壁から他方の槽内における貯留物の重心までの距離をa2として、次の式1により、一方の槽内における貯留物の推定重量W1を求め、式2により、他方の槽内における貯留物の推定重量W2を求める。
《式1》
W1=1/(a1+a2)×{R1×(a2+L/2)+R2×(a2−L/2)}
《式2》
W2=1/(a1+a2)×{R1×(a1−L/2)+R2×(a1+L/2)}
このように、従来技術によれば、各ロードセルが各槽に共通して設けられた構成であっても、式1および式2に基づくことで、当該各槽内における貯留物の推定重量W1およびW2を個別に求めることができる。
特開2000−258235号公報
ところで、上述の式1および式2には、いずれも、各ロードセル間の距離L、仕切壁から一方の槽内における貯留物の重心までの距離a1、および仕切壁から他方の槽内における貯留物の重心までの距離a2、という寸法値が含まれている。従って、このような寸法値L,a1およびa2を含む式1および式2に基づいて各貯留物の推定重量W1およびW2を正確に求めるには、実際の装置(いわゆる実機)における当該寸法値L,a1およびa2がそれ相応に正確であること、つまり設計値通りであること、が必要とされる。
しかしながら、これらの寸法値L,a1およびa2が全く設計値通りであることはなく、当然に誤差を有する。例えば、各ロードセル間の距離Lについては、厳密には各ロードセルに対する荷重の着力点間の距離を指すが、この距離Lは元より、当該着力点そのものの位置を設計値通りとすることは、極めて困難である。また、仕切壁から各槽内における貯留物の重心までの距離a1およびa2についても、この距離a1およびa2はおろか、各槽内における貯留物の重心位置を設計値通りとすることは、非常に難しい。一方、外観から各貯留物の重心位置を特定した上で、当該距離a1およびa2を測定することも考えられるが、やはり正確さに欠ける。このことは、各ロードセル間の距離Lについても同様である。
さらに、各槽の形状によっては、それぞれに供給された貯留物の量に応じて当該貯留物の重心位置が変わり、これに伴い距離a1およびa2が変わることがある。また、貯留物の量が増大すると、その荷重によって各槽を含む構造上に歪みが生じることがあり、この場合も、当該距離a1およびa2が変わり、各ロードセル間の距離Lまでもが変わることがある。ゆえに、これらの寸法値L,a1およびa2を含む上述の式1および式2に基づいて各槽内における貯留物の推定重量W1およびW2を求める従来技術では、当該推定重量W1およびW2を正確に求めることができない、つまり計量精度が低い、という問題がある。
そこで、本発明は、従来よりも計量精度の高い複数槽式計量装置を提供することを、目的とする。また、このように計量精度の高い複数槽式計量装置を従来よりも安価な製造コストで提供することも、本発明の目的とするところである。
この目的を達成するために、本発明のうちの第1発明は、互いに結合されており互いに別々に被計量物が供給されるM(M;2以上の整数)個の計量槽と、これらM個の計量槽を互いに異なる条件で支持すると共に当該M個の計量槽のそれぞれに被計量物が供給されることによって印加される荷重を検出するN(N;2以上の整数)個の荷重検出手段と、これらN個の荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値を含む第1演算式に基づいてM個の計量槽のそれぞれに供給された被計量物の重量値を求める重量演算手段と、を具備する。ここで、第1演算式は、M個の計量槽のそれぞれに供給された被計量物の重量値が、N個の荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値と、当該N個の荷重検出手段のそれぞれに対応する第1係数と、の積の総和に等しい、という関係を表す。そして、それぞれの第1係数は、M個の計量槽の一部または全部のそれぞれに供給された被計量物の量に関する情報を変数とする関数であって、当該一部または全部の計量槽のそれぞれに互いに異なる既知重量値を持つ複数のテスト用物品が順次供給されたときに、その都度得られるN個の荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値と、当該複数のテスト用物品のそれぞれの重量値と、に基づいて求められる、というものである。なお、計量槽の個数Nと、荷重検出手段の個数Mとは、互いに同じであっても、異なってもよい。
即ち、本第1発明では、M個の計量槽が互いに結合されており、例えば互いに共通の支持台に設置されている。そして、これらM個の計量槽のそれぞれに、被計量物が供給される。すると、これらM個の計量槽を互いに異なる条件(例えば位置や姿勢等)で支持しているN個の荷重検出手段のそれぞれに、各被計量物の重量に応じた荷重が分散して印加される。それぞれの荷重検出手段は、自身に印加された荷重を検出する。そして、それぞれの荷重検出手段による荷重検出値を含む第1演算式に基づいて、重量演算手段が、それぞれの計量槽に供給された被計量物の重量値を求める。
ここで、第1演算式は、それぞれの計量槽に供給された被計量物の重量値が、それぞれの荷重検出手段による荷重検出値に第1係数という重み係数を乗じた値の総和に等しい、という関係を表す。これは、それぞれの計量槽に供給された被計量物による荷重が、当該第1係数に応じた比率で各荷重検出手段に分散して印加される、という思想による。この第1演算式に含まれる第1係数は、各計量槽の形状や寸法、各荷重検出手段の位置や姿勢等を含む本第1発明の複数槽式計量装置(いわゆる実機)全体の構造特性によって決まる。併せて、この第1係数は、一部または全部の計量槽のそれぞれに供給された被計量物の量に関する情報を係数とする関数でもある。これは、例えば、各計量槽の形状によっては、それぞれに供給された被計量物の量に応じて当該被計量物の重心位置が変わることがあり、この場合、各荷重検出手段に対する荷重の分散比率が変わるからである。また、被計量物の量が増大すると、その荷重によって各計量槽を含む構造上に歪みが生じることがあり、この場合も、各荷重検出手段に対する荷重の分散比率が変わるからである。本第1発明では、この第1係数を正確に求めるべく、互いに異なる既知重量値を持つ複数のテスト用物品を用いての事前のテストが行われる。
具体的には、まず、それぞれの計量槽にテスト用物品が供給される。この状態で、それぞれの荷重検出手段による荷重検出値と、それぞれのテスト用物品の重量値とが、取得され、例えば記録される。続いて、一部または全部の計量槽のそれぞれに別のテスト用物品が供給される。つまり、計量槽とテスト用物品との組合せが変更される。そして、この変更された組合せにおいて、改めて、それぞれの荷重検出手段による荷重検出値と、それぞれのテスト用物品の重量値とが、取得される。そして、この作業が繰り返されることによって、複数の組合せについてのそれぞれの荷重検出手段による荷重検出値と、それぞれのテスト用物品の重量値とが、取得され、これらの取得データに基づいて、第1係数が求められ、言わば実測される。
なお、ここで言う被計量物の量に関する情報としては、例えば当該被計量物の重量値がある。即ち、それぞれの計量槽に供給された被計量物の量は、その重量値に比例する、という前提の下、それぞれの第1係数は、当該重量値の関数として取り扱われる。
また、この重量値以外にも、被計量物の量に関する情報として、例えば当該被計量物の体積値がある。この場合、当該体積値を検出する手段を設け、その検出結果を第1係数に反映させることになる。
さらに、被計量物の量に関する情報としては、例えば当該被計量物の高さ寸法(嵩)がある。この場合も、当該高さ寸法を検出するための手段を設け、その検出結果を第1係数に反映させればよい。
このような第1発明に対して、第2発明は、当該第1発明における第1演算式に代えて、第2演算式に基づいて、重量演算手段が、それぞれの計量槽に供給された被計量物の重量値を求める、というものである。ここで、第2演算式は、それぞれの荷重検出手段による荷重検出値が、それぞれの計量槽に供給された被計量物の重量値と、当該それぞれの計量槽に対応する第2係数と、の積の総和に等しい、という関係を表す。そして、この第2演算式に含まれる第2係数は、第1演算式に含まれる第1係数と同様、一部または全部の計量槽のそれぞれに供給された被計量物の量に関する情報を変数とする関数であり、事前のテストにおいて、当該一部または全部の計量槽のそれぞれに互いに異なる既知重量値を持つ複数のテスト用物品が順次供給されたときに、その都度得られるそれぞれの荷重検出手段による荷重検出値と、それぞれのテスト用物品の重量値と、に基づいて求められる。
即ち、本第2発明では、第1発明とは逆の発想から、それぞれの荷重検出手段による荷重検出値は、それぞれの計量槽に供給された被計量物の重量値に第2係数という重み係数を乗じた値の総和に等しい、という関係を表す第2演算式に基づいて、当該被計量物の重量値が求められる。ただし、この第2演算式に含まれる第2係数もまた、上述の第1演算式に含まれる第1係数と同様、実機全体の構造特性によって決まり、併せて、一部または全部の計量槽のそれぞれに供給された被計量物の量に関する情報を変数とする関数でもあり、互いに異なる既知重量値を持つ複数のテスト用物品を用いての事前のテストによって正確に実測される。
上述したように、本発明のうちの第1発明によれば、それぞれの計量槽に供給された被計量物の重量値は、それぞれの荷重検出手段による荷重検出値に第1係数という重み係数を乗じた値の総和に等しい、という関係を表す第1演算式に基づいて、当該被計量物の重量値が求められる。そして、この第1演算式に含まれる第1係数は、実機全体の構造特性によって決まり、併せて、一部または全部の計量槽のそれぞれに供給された被計量物の量に関する情報を変数とする関数でもあり、互いに異なる既知重量値を持つ複数のテスト用物品を用いての事前のテストによって正確に実測される。しかも、この事前のテストによって第1係数を実測すること、詳しくはそれぞれの計量槽にテスト用物品が供給されている状態でそれぞれの荷重検出手段による荷重検出値を読み取ることは、上述の従来技術において各寸法値L,a1およびa2を設計値通りとし、或いは外観から当該各寸法値L,a1およびa2を測定することに比べて、極めて容易である。従って、本第1発明によれば、当該各寸法値L,a1およびa2を含む上述の式1および式2に基づいて各貯留物の推定重量W1およびW2を求めるという従来技術に比べて、第1係数を実測するための事前のテストを含む製造コストを大幅に低減することができると共に、高い計量精度を得ることができる。
一方、第2発明によれば、それぞれの荷重検出手段による荷重検出値は、それぞれの計量槽に供給された被計量物の重量値に第2係数という重み係数を乗じた値の総和に等しい、という関係を表す第2演算式に基づいて、当該被計量物の重量が求められる。そして、この第2演算式に含まれる第2係数もまた、上述の第1演算式に含まれる第1係数と同様、実機全体の構造特性によって決まり、併せて、一部または全部の計量槽のそれぞれに供給された被計量物の量に関する情報を変数とする関数でもあり、事前のテストによって正確かつ容易に実測することができる。従って、本第2発明によっても、第1発明と同様、従来よりも製造コストを大幅に低減することができると共に、高い計量精度を得ることができる。
本発明の第1実施形態について、図1〜図00を参照して説明する。
本第1実施形態に係る複数槽式計量装置は、図1に示す計量部10と、図2に示す信号処理部20と、によって構成されている。
このうち、計量部10は、図1に示すように、概略円筒形状の2つの計量槽(ホッパ)102aおよび102bを備えている。これらの計量槽102aおよび102bは、或る鉛直面に沿う基準面104に関して互いに面対称となるように、概略平板状の支持台106上に配置されている。つまり、各計量槽102aおよび102bは、それぞれに共通の支持台106を介して、互いに結合(一体化)されている。なお、支持台106自体も、基準面104に関して面対称とされている。
各計量槽102aおよび102bは、支持台106と共に、当該各計量槽102aおよび102bと同数、つまり2つ、の荷重検出手段としてのロードセル108aおよび108bによって、互いに異なる条件で支持されている。具体的には、支持台106の底部の互いに異なる位置に、それぞれ概略L字状の連結部材110aおよび110bを介して、各ロードセル(起歪体)108aおよび108bの各自由端が結合されている。そして、各ロードセル108aおよび108bの各固定端は、それぞれ別々の固定基部(シャーシ)112aおよび112bに結合されている。なお、これら各ロードセル108aおよび108b,各連結部材110aおよび110b,各固定基部112aおよび112bもまた、それぞれ基準面104に関して面対称とされている。さらに、図には示さないが、支持台106と各連結部材110aおよび110bとの結合部分には、各ロードセル108aおよび108b間の力学的な相互干渉を回避するためのゴム板等の干渉防止手段が、挿入されている。
ここで、各計量槽102aおよび102bにそれぞれ被計量物114aおよび114bが供給されると、これら各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2に応じた荷重が各ロードセル108aおよび108bに分散して印加される。すると、各ロードセル(図示しない歪ゲージを含む出力回路)108aおよび108bは、それぞれ自身に印加された荷重の大きさを表すアナログ荷重検出信号R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]を出力する。そして、これらのアナログ荷重検出信号R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]は、信号処理部20に入力される。
なお、厳密に言うと、各アナログ荷重検出信号R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]には、それぞれ各被計量物114aおよび114bによる荷重W1およびW2の他に、各計量槽102aおよび102b,支持台104,各連結部材110aおよび110b等による初期荷重成分も含まれている。ただし、本第1実施形態では、説明の便宜上、この初期荷重成分については、予め各アナログ荷重検出信号R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]から除去されているものとする。また、本第1実施形態における各被計量物114aおよび114bとしては、例えば粉状体または粒状体のものが適当である。勿論、これに限定されない。これらの被計量物114aおよび114bは、それぞれ各計量槽102aおよび102bに対してその上方から供給されるが、排出の際には、当該各計量槽102aおよび102bの底部に設けられている図示しない排出扉を介して排出される。そして、これら各被計量物114aおよび114bの排出をスムーズ化するべく、各計量槽102aおよび102bの下側部分はテーパ状に形成されている。
図2を参照して、信号処理部20は、各ロードセル108aおよび108bからの各アナログ荷重検出信号R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]の入力をそれぞれ受け付ける2つの増幅回路202aおよび202bを備えている。これらの増幅回路202aおよび202bによってそれぞれ増幅された各アナログ荷重検出信号R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]は、それぞれ個別のA/D変換回路204aおよび204bに入力される。そして、これら各A/D変換回路204aおよび204bに入力された各アナログ荷重検出信号R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]は、それぞれディジタル荷重検出信号(以下、これについてもR1[W1,W2]およびR2[W1,W2]という符号で表す。)に変換され、変換された各ディジタル荷重検出信号R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]は、それぞれインタフェース回路206を介して、重量演算手段としてのCPU(Central
Processing Unit)208に入力される。
CPU208は、インタフェース回路206を介して入力された各ディジタル荷重検出信号R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]に従う荷重検出値(以下、これについてもR1[W1,W2]およびR2[W1,W2]という符号で表す。)に基づいて、後述する演算を行うことによって、各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2の測定値W1’(≒W1)およびW2’(≒W2)をそれぞれ求める。そして、求めた各重量測定値W1’およびW2’を、表示手段としてのディスプレイ210に表示する。
なお、ディスプレイ210は、インタフェース回路206を介して、CPU208に接続されている。また、CPU208には、これに各種命令を入力するための命令入力手段としての操作キー212も、当該インタフェース回路206を介して、接続されている。さらに、CPU208には、記憶手段としてのメモリ回路214も接続されており、このメモリ回路214には、CPU208の動作を制御するための制御プログラムが記憶されている。
ところで、各計量槽102aおよび102bの一方、例えば第1計量槽102a、に供給された被計量物114aの重量値W1は、第1演算式としての次の式3によって表すことができる。なお、この式3において、a1およびa2は、第1係数としての重み係数であり、各計量槽102aおよび102bの形状や寸法、各ロードセル108aおよび108bの位置や姿勢等、を含む計量部10全体の構造特性によって決まる。言い換えれば、これらの重み係数a1およびa2は、計量部10全体の構造特性を反映したパラメータである。
《式3》
W1=a1・R1[W1,W2]+a2・R2[W1,W2]
この式3によれば、第1計量槽102aに供給された被計量物114aの重量値W1は、一方のロードセル108a、言わば第1ロードセル108a、による荷重検出値R1[W1,W2]に、a1という重み係数を乗じた値と、他方のロードセル108b、言わば第2ロードセル108b、による荷重検出値R2[W1,W2]に、a2という重み係数を乗じた値と、の総和に等しい、と定義される。これは、第1計量槽102aに供給された被計量物114aによる荷重W1が、各重み係数a1およびa2に応じた比率で各ロードセル108aおよび108bに分散して印加される、という技術的思想による。
これと同様の思想から、他方の第2計量槽102bに供給された被計量物114aの重量値W2は、次の式4によって表される。なお、この式4におけるb1およびb2もまた、第1係数としての重み係数である。
《式4》
W2=b1・R1[W1,W2]+b2・R2[W1,W2]
さらに、これとは逆の思想から、次の式5および式6が成立する。
《式5》
R1[W1,W2]=A1・W1+B1・W2
《式6》
R2[W1,W2]=A2・W1+B2・W2
つまり、式5によれば、第1ロードセル108aによる荷重検出値R1[W1,W2]は、第1計量槽102aに供給された被計量物114aの重量値W1に、A1という重み係数を乗じた値と、第2計量槽102aに供給された被計量物114bの重量値W2に、B1という重み係数を乗じた値と、の総和に等しい、と定義される。これは、第1ロードセル108aに対して、各被計量物114aおよび114bによる荷重W1およびW2が各重み係数A1およびB1に応じた比率で分散して印加される、という思想による。式6についても、同様である。
ここで、例えば、各計量槽102aおよび102bの形状によっては、それぞれに供給される被計量物114aおよび114bの量(収容量)が変わると、当該各計量槽102aおよび102b内における各被計量物114aおよび114bの重心位置が変わることがある、と推察される。そうすると、各被計量物114aおよび114bによる荷重W1およびW2の各ロードセル108aおよび108bに対する分散比率が変わり、つまり、式5および式6における各重み係数A1,B1,A2およびB2が変わることになる。その一方で、各計量槽102aおよび102b内における各被計量物114aおよび114bの量は、当該各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2に比例する、と考えられる。これらを総合すると、式5および式6において、第1計量槽102a内の被計量物114aの重量値W1に乗ぜられる重み係数A1およびA2については、重量値W1の関数として表すことができ、第2計量槽102b内の被計量物114bの重量値W2に乗ぜられる重み係数B1およびB2については、重量値W2の関数として表すことができる。つまり、式5および式6は、それぞれ次の式7および式8のように表される。
《式7》
R1[W1,W2]=A1[W1]・W1+B1[W2]・W2
《式8》
R2[W1,W2]=A2[W1]・W1+B2[W2]・W2
本第1実施形態では、これらの式7および式8の連立方程式に基づいて、各被計量物114aおよび114bの重量測定値W1’およびW2’が求められる。その前提として、各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]を求めるべく、次の要領で、事前の調整作業が行われる。
即ち、まず、複数、例えば4つ、のテスト用物品としてのサンプル品が、用意される。具体的には、各被計量物114aおよび114bと同じ材料によって、w1,w2,w3およびw4という互いに異なる既知重量値を持つ4つのサンプル品が、用意される。なお、各サンプル品の重量値w1,w2,w3およびw4の大小関係は、w1<w2<w3<w4とされている。そして、このうちの最小の重量値w1は、ゼロよりも少し大きく(w1>0)、最大の重量値w4は、各計量槽114aおよび114bの秤量(最大収容重量値)Wmaxよりも少し小さい(w4<Wmax)。残りの重量値w2およびw3は、これら最小の重量値w1と最大の重量値w4との間を略等分する値とされている。
このように4つのサンプル品が用意された上で、第1計量槽102aに、最小の重量値w1を持つサンプル品が供給される。一方、第2計量槽102bについては、空とされる。この状態で、第1ロードセル108aによる荷重検出値R1[W1,W2]が読み取られる。このときの第1ロードセル108aによる荷重検出値R1[W1,W2]は、上述の式7に基づいて、次の式9のように表される。
《式9》
R1[w1,0]=A1[w1]・w1+B1[0]・0=A1[w1]・w1
そして、この式9を、重み係数A1[w1]についての式に変形すると、式10のようになる。
《式10》
A1[w1]=R1[w1,0]/w1
これと同様に、第2ロードセル108bによる荷重検出値R2[W1,W2]も読み取られる。この第2ロードセル108bによる荷重検出値R2[W1,W2]は、上述の式8に基づいて、次の式11のように表される。
《式11》
R2[w1,0]=A2[w1]・w1+B2[0]・0=A2[w1]・w1
さらに、この式11を、重み係数A2[w1]についての式に変形すると、式12のようになる。
《式12》
A2[w1]=R2[w1,0]/w1
このようにして特定の重量値w1についての重み係数A1[w1]およびA2[w1]が求められた後、続いて、第1計量槽102aに供給されている重量値w1のサンプル品に代えて、重量値w2のサンプル品が当該第1計量槽102aに供給される。一方、第2計量槽102bについては、空のままとされる。この状態で、第1ロードセル108aによる荷重検出値R1[W1,W2]が読み取られることによって、重み係数A1[w2]についての次の式13が得られる。併せて、第2ロードセル108bによる荷重検出値R2[W1,W2]が読み取られることによって、重み係数A2[w2]についての式14が得られる。
《式13》
A1[w2]=R1[w2,0]/w2
《式14》
A2[w2]=R2[w2,0]/w2
このようにして上述とは異なる重量値w2についての重み係数A1[w2]およびA2[w2]が求められた後、同様に、第1計量槽102aに対して、重量値w3およびw4の各サンプル品が順次供給され、第2計量槽102bについては、空のままとされる。そして、それぞれの状態での各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]が読み取られることによって、次の式15〜式18が得られる。
《式15》
A1[w3]=R1[w3,0]/w3
《式16》
A2[w3]=R2[w3,0]/w3
《式17》
A1[w4]=R1[w4,0]/w4
《式18》
A2[w4]=R2[w4,0]/w4
次に、第1計量槽102aが、空とされる。そして、第2計量槽102bに、重量値w1のサンプル品が供給される。この状態で、各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]がそれぞれ読み取られる。これらの荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]は、それぞれ上述の式7および式8に基づいて、次の式19および式20のように表される。
《式19》
R1[0,w1]=A1[0]・0+B1[w1]・w1=B1[w1]・w1
《式20》
R2[0,w1]=A2[0]・0+B2[w1]・w1=B2[w1]・w1
そして、このうちの式19を、重み係数B1[w1]についての式に変形することによって、次の式21が得られ、式20を、重み係数B2[w1]についての式に変形することによって、式22が得られる。
《式21》
B1[w1]=R1[0、w1]/w1
《式22》
B2[w1]=R2[0、w1]/w1
このようにして特定の重量値w1についての重み係数B1[w1]およびB2[w1]が得られた後、続いて、第1計量槽102aは、空のままとされ、第2計量槽102bに供給されている重量値w1のサンプル品に代えて、重量値w2のサンプル品が当該第2計量槽102bに供給される。この状態で、各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]がそれぞれ読み取られることによって、重み係数B1[w2]およびB2[w2]についての次の式23および式24がそれぞれ得られる。
《式23》
B1[w2]=R1[0、w2]/w2
《式24》
B2[w2]=R2[0、w2]/w2
さらに、第1計量槽102aについては、空のままとされ、第2計量槽102bに、重量値w3およびw4の各サンプル品が順次供給される。そして、それぞれの状態での各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]が読み取られることによって、次の式25〜式28が得られる。
《式25》
B1[w3]=R1[0,w3]/w3
《式26》
B2[w3]=R2[0,w3]/w3
《式27》
B1[w4]=R1[0,w4]/w4
《式28》
B2[w4]=R2[0,w4]/w4
このようにして求められた各重量値w1,w2,w3およびw4に関する各重み係数A1[w1]〜A1[w4],B1[w1]〜B1[w4],A2[w1]〜A2[w4]およびB2[w1]〜B2[w4]は、上述したメモリ回路214に記憶される。これをもって、事前の調整作業が完了し、実際の計量作業(稼働運転)が可能となる。
実際の計量作業においては、上述したように、CPU208が、式7および式8に基づいて、各計量槽102aおよび102bに供給された各被計量物114aおよび114bの重量測定値W1’およびW2’をそれぞれ求める。その際、CPU208は、これらの式7および式8に適用される各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]を、メモリ回路214に記憶されている言わば代表的な各重み係数A1[w1]〜A1[w4],B1[w1]〜B1[w4],A2[w1]〜A2[w4]およびB2[w1]〜B2[w4]に基づいて決定する。
例えば、図3を参照して、重み係数A1[W1]については、その変数である重量値W1が代表重量値w2よりも小さい(W1<w2)場合、CPU208は、この代表重量値w2に関する重み係数A1[w2]の座標点と最小の代表重量値w3に関する重み係数A1[w3]の座標点とを結ぶ直線αまたはその延長線α’によって示される関係に基づいて、当該重み係数A1[W1]を決定する。そして、被計量物114aの重量値W1が代表重量値w2以上かつ代表重量値w3未満(w2≦W1<w3)である場合は、これらの代表重量値w2およびw3に関する各重み係数A1[w2]およびA[w3]の座標点同士を結ぶ直線βよって示される関係に基づいて、重み係数A1[W1]を決定する。さらに、被計量物114aの重量値W1が代表重量値w3以上(W1≧w3)である場合には、この代表重量値w3に関する重み係数A1[w3]の座標点と最大の代表重量値w4に関する重み係数A1[w4]の座標点とを結ぶ直線γまたはその延長線γ’によって示される関係に基づいて、重み係数A1[W1]を決定する。他の各重み係数B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]についても、同様である。
ただし、各計量槽102aおよび102bに各被計量物114aおよび114bが供給された当初は、当該各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2は未知であるので、上述の如く最初から直接的に各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]を決定することはできない。そこで、CPU208は、各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]の初期値として、各代表重量値w1〜w4のうち中間的な代表重量値w2に関する各重み係数A1[w2],B1[w2],A2[w2]およびB2[w2]を、上述の式7および式8に適用する。つまり、次の式29および式30を組み立てる。そして、これらの式29および式30に基づいて、仮の重量測定値W1’[1]およびW2’[1]を求める。
《式29》
R1[W1,W2]=A1[w2]・W1’[1]+B1[w2]・W2’[1]
《式30》
R2[W1,W2]=A2[w2]・W1’[1]+B2[w2]・W2’[1]
なお、これらの式29および式30に基づいて求められた仮の重量測定値W1’[1]およびW2’[1]は、W1=w2およびW2=w2であることを前提とするので、この前提を満たさない場合、つまり多くの場合、当然に誤差を含む。そこで、CPU208は、これらの仮の重量測定値W1’[1]およびW2’[1]を、改めて式7および式8に適用する。つまり、次の式31および式32を組み立てる。そして、これらの式31および式32に基づくことで、より正確な仮の重量測定値W1’[2]およびW2’[2]を求める。
《式31》
R1[W1,W2]=A1[W1’[1]]・W1’[2]+B1[W2’[1]]・W2’[2]
《式32》
R2[W1,W2]=A2[W1’[1]]・W1’[2]+B2[W2’[1]]・W2’[2]
CPU208は、この演算を所定回数Qにわたって繰り返すことで、より一層正確な仮の重量測定値W1’[Q]およびW2’[Q]を求める。そして、この繰り返し演算によって求められた仮の重量測定値W1’[Q]およびW2’[Q]を、最終的な重量測定値W1’およびW2’とする。
このように、本第1実施形態によれば、計量部10全体の構造特性が総合的に反映された重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]を含む式7および式8に基づいて、各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2がそれぞれ求められる。また、各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]は、各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2を変数とする関数であるが、w1,w2,w3およびw4という互いに異なる既知重量値を持つ4つのサンプル品を用いての事前の調整作業によって正確に求められる。しかも、この事前の調整作業によって各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]を求めること、詳しくは各計量槽102aおよび102bに各サンプル品を順次供給すると共に、各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]を読み取ることは、上述の従来技術において各寸法値L,a1およびa2を設計値通りとし、或いは外観から当該各寸法値L,a1およびa2を測定することに比べて、極めて容易であり、また正確さを得られる。
ゆえに、本第1実施形態によれば、上述の各寸法値L,a1およびa2を含む式1および式2に基づいて各貯留物の推定重量W1およびW2を求めるという従来技術に比べて、高い精度で各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2を求めることができる。そして、この高精度計量を実現するべく、各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]を決定するための事前の調整作業を含む製造コストを、従来技術に比べて大幅に低減することができる。
なお、本第1実施形態においては、図1に示したように、各計量槽102aおよび102b,支持台106自体,各ロードセル108aおよび108b,各連結部材110aおよび110b,各固定基部112aおよび112bを、それぞれ基準面104に関して面対称としたが、これらの一部または全部を非対称としてもよい。ただし、全てを対称とした方が、機械的なバランスを含め、種々好都合なことは、言うまでもない。
また、荷重検出手段としてロードセル108aおよび108bを採用したが、これ以外の荷重センサ、例えば電磁力平衡方式センサや音叉振動式センサ等、を採用してもよい。
さらに、事前の調整作業において、例えば重み係数A[W1]を、次の式33のような3次関数で表してもよい。
《式33》
A1[W1]=K1・W1+K2・W1+K3・W1+K4
なお、この式33において、K1,K2,K3およびK4は、重み係数A1[W1]が上述した図3における各代表重量値w1、w2,w3およびw4に関する各重み係数A1[w1]〜A1[w4]の座標点を通るための係数である。
また、これとは別に、最小2乗法等の回帰分析法によって、重み係数A1[W1]を定義してもよい。このことは、他の各重み係数B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]についても、同様である。
そして、事前の調整作業において、4つのサンプル品を用いたが、これ以外の数のサンプル品を用いてもよい。例えば、調整作業をより容易化したい場合には、サンプル品の数を減らせばよい。一方、計量精度をより向上させたい場合には、サンプル品の数を増やせばよい。
さらに、各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]を、各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2の関数としたが、これに限らない。例えば、各被計量物114aおよび114bの体積値の関数としてもよい。この場合、当該体積値を計測するための手段、例えば流量計、を設け、その計測結果を各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]に反映させればよい(厳密には、各被計量物114aおよび114bの体積値をそれぞれV1およびV2とすると、これらの体積値V1およびV2が反映された各重み係数A1[V1],B1[V2],A2[V1]およびB2[V2]を求めてもよい)。また、各被計量物114aおよび114bの高さ寸法(嵩)の関数として、各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]を規定してもよい。この場合、当該高さ寸法を計測するための手段、例えばレベル計、を設け、その計測結果を各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]に反映させればよい(厳密には、各被計量物114aおよび114bの高さ寸法をそれぞれH1およびH2とすると、これらの高さ寸法H1およびH2が反映された各重み係数A1[H1],B1[H2],A2[H1]およびB2[H2]を求めてもよい)。勿論、これ以外の量の関数として、各重み係数A1[W1],B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]を規定してもよい。
そしてさらに、上述した式3において、それぞれの重み係数a1およびa2を、第1計量槽102aに供給された被計量物114aの重量値W1の関数とし、つまり次の式34のように表してもよい。そして、この式34に基づいて、被計量物114aの重量値W1を求めてもよい。これと同様に、式4において、それぞれの重み係数b1およびb2を、第2計量槽102bに供給された被計量物114bの重量値W2の関数として、式35のように表し、この式35に基づいて、被計量物114bの重量値W2を求めてもよい。
《式34》
W1=a1[W1]・R1[W1,W2]+a2[W1]・R2[W1,W2]
《式35》
W2=b1[W2]・R1[W1,W2]+b2[W2]・R2[W1,W2]
また、図4に示すように、図1における第1ロードセル108aに代えて、2個1組のロードセル120aおよび130aを設けると共に、第2ロードセル108bに代えて、別の2個1組のロードセル120bおよび130bを設けてもよい。この場合、一方の組のロードセル120aおよび130aによる各荷重検出値R1’[W1,W2]およびR1”[W1,W2]の合計が、当該一方の組全体の荷重検出値R1[W1,W2](=R1’[W1,W2]+R1”[W1,W2])として取り扱われる。そして、他方の組のロードセル120bおよび130bによる各荷重検出値R2’[W1,W2]およびR2”[W1,W2]の合計が、当該他方の組全体の荷重検出値R2[W1,W2](=R2’[W1,W2]+R2”
[W1,W2])として取り扱われる。このことは、3個以上のロードセルによって1組の荷重検出手段が構成される場合も、同様である。なお、図4において、一方の組のロードセル120aおよび130aの各自由端は、それぞれ図1に示したのと同様の連結部材140aおよび150aを介して、支持台106の底部に結合され、各固定端は、それぞれ固定基部112aに結合される。そして、他方の組のロードセル120bおよび130bの各自由端もまた、それぞれ図1に示したのと同様の連結部材140bおよび150bを介して、支持台106の底部に結合され、各固定端は、それぞれ固定基部112bに結合される。
さらに、極端には図5に示すように、第1ロードセル108aについては、図1に示した構成のままとし、第2ロードセル108bについてのみ、これに代えて、図4に示したのと同様の2個1組のロードセル120bおよび130bを設けてもよい。この場合、2個1組のロードセル120bおよび130bによる各荷重検出値R2’[W1,W2]およびR2”[W1,W2]の合計が、当該組全体の荷重検出値R2[W1,W2](=R2’[W1,W2]+R2”[W1,W2])として取り扱われることは、言うまでもない。
そして、図には示さないが、支持台106の上方に各ロードセル108aおよび108bを設け、各ロードセル108aおよび108bによって支持台106を吊り下げる構成としてもよい。また、支持台106に代えて、各計量器102aおよび102bの側面や上部端縁等にフランジ(ホッパフランジ)を設け、このフランジを各ロードセル108aおよび108bで吊り下げる構成としてもよい。このような吊り下げ構成としてもよいことは、2個1組のロードセル120aおよび130a,または120bおよび130bを設ける場合も、同様である。
さらに、本第1実施形態においては、互いに独立した2つの計量槽102aおよび102bを備える場合について説明したが、1つの計量槽を2つに仕切ることによって当該2つの計量槽102aおよび102bを備えるのと同様の態様としてもよい。
また、2つの計量槽102aおよび102bに限らず、これ以上の数の計量槽を備える場合にも、本発明を適用することができる。一例として、図6を参照して、3つの計量槽302a,302bおよび302cを備える場合について、説明する。
同図に示す計量部30は、概略正三角形の支持台304を備えている。そして、この支持台304上に、図1に示したのと同様(概略円筒形状)の3つの計量槽302a,302bおよび302cが配置されている。具体的には、各計量槽302a,302bおよび302cは、それぞれ支持台304の中心点Oと当該支持台304の各頂点部分とを結ぶ直線上に位置し、かつ当該支持台304の中心点Oを通る鉛直線に関して互いに点対称となるように、配置されている。
そして、各計量槽302a,302bおよび302cは、支持台304と共に、当該各計量槽302a,302bおよび302cと同数、つまり3つ、のロードセル306a,306bおよび306cによって支持されている。具体的には、各ロードセル306a,306bおよび306cは、支持台304の中心点Oを通る上述の鉛直線に関して互いに点対称となるように、かつ当該支持台304の各頂点部分の近傍を支持するように、設けられている。なお、各ロードセル306a,306bおよび306cによる詳しい支持構造(連結部材や固定基部等)については、図示および説明を省略する。
この構成によれば、各ロードセル306a,306bおよび306cによる荷重検出値R1[W1,W2,W3],R2[W1,W2,W3]およびR3[W1,W2,W3]のそれぞれについて、上述の式5(式7)および式4(式8)と同様の思想から、次の式36〜式38が成立する。
《式36》
R1[W1,W2,W3]=A1[W1]・W1+B1[W2]・W2+C1[W3]・W3
《式37》
R2[W1,W2,W3]=A2[W1]・W1+B2[W2]・W2+C2[W3]・W3
《式38》
R3[W1,W2,W3]=A3[W1]・W1+B3[W2]・W2+C3[W3]・W3
そして、これらの式36〜式38から成る連立方程式に基づいて、各計量槽302a,302bおよび302cに供給された各被計量物308a,308bおよび308cの重量測定値W1’,W2’およびW3’が求められる。その前提として、各重み係数A1[W1],B1[W2],C1[W3],A2[W1],B2[W2],C2[W3],A3[W1],B3[W2]およびC3[W3]を求めるべく、上述と同じ要領で、事前の調整作業が行われる。
このように3つの計量槽302a,302bおよび302cを備える場合にも、本発明を適用することができる。このことは、4つ以上の計量槽を備える場合にも、同様である。これに対して、上述の従来技術では、二層式ホッパへの適用に制限される。つまり、本発明によれば、従来よりも数多くの計量槽を備えた複数槽式計量装置への適用を展開することができる。
なお、この場合も、図4および図5に示したのと同様に、1つの荷重検出手段を複数個のロードセルによって構成してもよい。例えば、図7に示すように、図6における第1ロードセル306aに代えて、2個1組のロードセル310aおよび320aを設け、第2ロードセル306bに代えて、別の2個1組のロードセル310bおよび320bを設け、第3ロードセル306cに代えて、さらに別の2個1組のロードセル310cおよび320cを設ける。そして、第1ロードセル306aに代えて設けられた1組のロードセル310aおよび320aによる各荷重検出値R1’
[W1,W2,W3]およびR1” [W1,W2,W3]の合計を、その組全体の荷重検出値R1[W1,W2,W3]として取り扱う。同様に、別の1組のロードセル310bおよび320aによる各荷重検出値R2’[W1,W2,W3]およびR2”
[W1,W2,W3]の合計を、その組全体の荷重検出値R2[W1,W2,W3]として取り扱う。さらに、残り1組のロードセル310cおよび320cによる各荷重検出値R3’[W1,W2,W3]およびR3”
[W1,W2,W3]の合計を、その組全体の荷重検出値R3[W1,W2,W3]として取り扱ってもよい。
また、計量槽の数と荷重検出手段の数とが異なる場合、例えば図8に示すように、2つの計量槽308aおよび308bに対して3つのロードセル306a,306bおよび306cが設けられている場合にも、本発明を適用することができる。この場合、上述した式36〜式38のそれぞれにおいて、W3=0として取り扱えばよい。
次に、本発明の第2実施形態について、図9および図10を加えて説明する。
本第2実施形態は、図1に示した構成において、各被計量物114aおよび114bによる荷重W1およびW2によって、特に支持台106が歪む等して、当該荷重W1およびW2の各ロードセル108aおよび108bに対する分散比率が変わる場合に、適用される。即ち、本第2実施形態では、上述した式5および式6における各重み係数A1,B1,A2およびB2が、各被計量物114aおよび114bの両方の重量値W1およびW2を変数とする関数として取り扱われる。つまり、式5および式6の変形式である次の式39および式40に基づいて、各被計量物114aおよび114bの重量測定値W1’およびW2’が求められる。
《式39》
R1[W1,W2]=A1[W1,W2]・W1+B1[W1,W2]・W2
《式40》
R2[W1,W2]=A2[W1,W2]・W1+B2[W1,W2]・W2
そして、各重み係数A1[W1,W2],B1[W1,W2],A2[W1,W2]およびB2[W1,W2]を求めるべく、事前の調整作業が行われる。
まず、第1計量槽102a用のサンプル品として、第1実施形態で説明したのと同様のw1,w2,w3およびw4という既知重量値を持つ4つのサンプル品と、ゼロに近いw0(≒0)という既知重量値を持つ1つのサンプル品と、の合計5つのサンプル品が、用意される。そして、第2計量槽102b用のサンプル品として、第1実施形態で説明したのと同様のw1,w2,w3およびw4という既知重量値を持つ4つのサンプル品と、ゼロに近いw0’(≒0)という既知重量値を持つ1つのサンプル品と、さらにw1’,w2’,w3’およびw4’という別の既知重量値を持つ4つのサンプル品と、の合計9つのサンプル品が用意される。なお、ゼロに近い各重量値w0およびw0’は、互いに等価であっても不等価であってもよい。また、重量値w1’は、重量値w1よりも僅かに大きく(w1’≒w1),重量値w2’は、重量値w2よりも僅かに大きい(w2’≒w2)。そして、重量値w3’は、重量値w3よりも僅かに大きく(w3’≒w3)、重量値w4’は、重量値w4よりも僅かに大きい(w4’≒w4)。
このように各サンプル品が用意された上で、第1計量槽102aに、最小の重量値w0を持つサンプル品が供給される。そして、第2計量槽102bについては、空とされる。この状態で、各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]が読み取られる。このときの各荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]は、それぞれ上述の式39および式40に基づいて、次の式41および式42のように表される。
《式41》
R1[w0,0]=A1[w0,0]・w0+B1[w0,0]・0
《式42》
R2[w0,0]=A2[w0,0]・w0+B2[w0,0]・0
ここで、w0≒0であることを鑑みると、A1[w0,0]≒A1[0,0],B1[w0,0]≒B1[0,0],A2[w0,0]≒A2[0,0],およびB2[w0,0]≒B2[0,0]が成立する。そうすると、式41および式42は、それぞれ次の式43および式44のように表される。
《式43》
R1[w0,0]=A1[0,0]・w0+B1[0,0]・0
《式44》
R2[w0,0]=A2[0,0]・w0+B2[0,0]・0
これらの式43および式44が得られた後、続いて、第1計量槽102aに供給されている重量値w0のサンプル品は、そのままで、第2計量槽102bに、最小の重量値w0’を持つサンプル品が供給される。そして、この状態で、各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]が読み取られる。このときの各荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]は、それぞれ次の式45および式46のように表される。
《式45》
R1[w0,w0’]=A1[w0,w0’]・w0+B1[w0,w0’]・w0’
《式46》
R2[w0,w0’]=A2[w0,w0’]・w0+B2[w0,w0’]・w0’
そして、これらの式45および式46においても、w0≒0およびw0’≒0であることを鑑みると、A1[w0,w0’]≒A1[0,0],B1[w0,w0’]≒B1[0,0],A2[w0,w0’]≒A2[0,0],およびB2[w0,w0’]≒B2[0,0]が成立する。そうすると、これらの式45および式46は、それぞれ次の式47および式48のように表される。
《式47》
R1[w0,w0’]=A1[0,0]・w0+B1[0,0]・w0’
《式48》
R2[w0,w0’]=A2[0,0]・w0+B2[0,0]・w0’
ここで、上述の式43および式44と併せて、これらの式47および式48を参照すると、式43と式47との連立方程式から、重み係数A1[0,0]およびB1[0,0]を求めることができる。そして、式44と式48との連立方程式から、重み係数A2[0,0]およびB2[0,0]を求めることができる。このようにして、W1=0およびW2=0という条件下での各重み係数A1[0,0],B1[0,0],A2[0,0]およびB2[0,0]が求められる。そして、求められた各重み係数A1[0,0],B1[0,0],A2[0,0]およびB2[0,0]は、図9の座標における基準点P00の係数として、メモリ回路214に記憶される。
さらに、第1計量槽102aに供給されている重量値w0のサンプル品については、そのままで、第2計量槽102bに、重量値w1のサンプル品が供給される。この状態での各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]は、それぞれ次の式49および式50のように表される。
《式49》
R1[w0,w1]=A1[w0,w1]・w0+B1[w0,w1]・w1
《式50》
R2[w0,w1]=A2[w0,w1]・w0+B2[w0,w1]・w1
ここでも、w0≒0であることを鑑みると、A1[w0,w1]≒A1[0,w1],B1[w0,w1]≒B1[0,w1],A2[w0,w1]≒A2[0,w1],およびB2[w0,w1]≒B2[0,w1]が成立する。そうすると、これらの式49および式50は、それぞれ次の式51および式52のように表される。
《式51》
R1[w0,w1]=A1[0,w1]・w0+B1[0,w1]・w1
《式52》
R2[w0,w1]=A2[0,w1]・w0+B2[0,w1]・w1
これらの式51および式52が得られた後、第1計量槽102aに供給されている重量値w0のサンプル品については、そのままで、第2計量槽102bに、重量値w1’のサンプル品が供給される。この状態での各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]は、それぞれ次の式53および式54のように表される。
《式53》
R1[w0,w1’]=A1[w0,w1’]・w0+B1[w0,w1’]・w1’
《式54》
R2[w0,w1’]=A2[w0,w1’]・w0+B2[w0,w1’]・w1’
ここで、w0≒0およびw1’≒w1であることから、A1[w0,w1’]≒A1[0,w1],B1[w0,w1’]≒B1[0,w1],A2[w0,w1’]≒A2[0,w1],およびB2[w0,w1’]≒B2[0,w1]が成立する。そうすると、これらの式53および式54は、それぞれ次の式55および式56のように表される。
《式55》
R1[w0,w1’]=A1[0,w1]・w0+B1[0,w1]・w1’
《式56》
R2[w0,w1’]=A2[0,w1]・w0+B2[0,w1]・w1’
これらの式55および式56と併せて、上述の式51および式52を参照すると、式51と式55との連立方程式から、重み係数A1[0,w1]およびB1[0,w1]を求めることができる。そして、式52と式56との連立方程式から、重み係数A2[0,w1]およびB2[0,w1]を求めることができる。このようにして、W1=0およびW2=w1という条件下での各重み係数A1[0,w1],B1[0,w1],A2[0,w1]およびB2[0,w1]が求められ、求められた各重み係数A1[0,w1],B1[0,w1],A2[0,w1]およびB2[0,w1]は、図9における基準点P01の係数として、メモリ回路214に記憶される。
これと同様にして、第1計量槽102aに供給されている重量値w0のサンプル品は、そのままで、第2計量槽102bに、重量値w2およびw2’の各サンプル品が順次供給される。そして、それぞれの状態での各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]に基づいて、W1=0およびW2=w2という条件下での各重み係数A1[0,w2],B1[0,w2],A2[0,w2]およびB2[0,w2]が求められる。求められた各重み係数A1[0,w2],B1[0,w2],A2[0,w2]およびB2[0,w2]は、図9における基準点P02の係数として、メモリ回路214に記憶される。
さらに、第1計量槽102aについては、そのままで、第2計量槽102bに、重量値w3およびw3’の各サンプル品が順次供給される。そして、それぞれの状態での各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]に基づいて、W1=0およびW2=w3という条件下での各重み係数A1[0,w3],B1[0,w3],A2[0,w3]およびB2[0,w3]が求められ、これらは、図9における基準点P03の係数として、メモリ回路214に記憶される。
そしてさらに、第1計量槽102aは、そのままで、第2計量槽102bに、重量値w4およびw4’の各サンプル品が順次供給される。そして、それぞれの状態での各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]に基づいて、W1=0およびW2=w4という条件下での重み係数A1[0,w4],B1[0,w4],A2[0,w4]およびB2[0,w4]が求められ、これらは、図9における基準点P04の係数として、メモリ回路214に記憶される。
続いて、第1計量槽102aに供給されている重量値w0のサンプル品に代えて、重量値w1のサンプル品が当該第1計量槽102aに供給される。そして、第2計量槽102bについては、上述と同様に、空とされた後、重量値w0’,w1,w1’,w2,w2’,w3,w3’,w4およびw4’の各サンプル品が順次供給され、それぞれの状態での各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]が読み取られる。これにより、図9における各基準点P10〜P14についての各重み係数A1[w1,0]〜A1[w1,w4],B1[w1,0]〜B1[w1,w4],A2[w1,0]〜A2[w1,w4]およびB2[w1,0]〜B2[w1,w4]が求められ、メモリ回路214に記憶される。
これと同様にして、第1計量槽102aに重量値w2のサンプル品が供給されている状態で、第2計量槽102bについては、空とされた後、重量値w0’,w1,w1’,w2,w2’,w3,w3’,w4およびw4’の各サンプル品が順次供給される。そして、各ロードセル108aおよび108bによる荷重検出値R1[W1,W2]およびR2[W1,W2]が順次読み取られる。これにより、図9における各基準点P20〜P24についての各重み係数A1[w2,0]〜A1[w2,w4],B1[w2,0]〜B1[w2,w4],A2[w2,0]〜A2[w2,w4]およびB2[w2,0]〜B2[w2,w4]が求められ、メモリ回路214に記憶される。
そして、計量器102aに重量値w3のサンプル品が供給されている状態で、同様の作業が繰り返されることによって、図9における各基準点P30〜P34についての各重み係数A1[w3,0]〜A1[w3,w4],B1[w3,0]〜B1[w3,w4],A2[w3,0]〜A2[w3,w4]およびB2[w3,0]〜B2[w3,w4]が求められ、メモリ回路214に記憶される。
さらに、計量器102aに重量値w4のサンプル品が供給されている状態で、同じように、図9における各基準点P40〜P44についての各重み係数A1[w4,0]〜A1[w4,w4],B1[w4,0]〜B1[w4,w4],A2[w4,0]〜A2[w4,w4]およびB2[w4,0]〜B2[w4,w4]が求められ、メモリ回路214に記憶される。
なお、図9においては、重量値W1用の横軸と、重量値W2用の縦軸と、のそれぞれが、各代表重量値w1,w2,w3およびw4で区切られることによって、C00〜C03,C10〜C13,C20〜C23およびC30〜C33という計16個のセルが形成される。また、横軸において、重量値W1が最大の代表重量値w4を超える領域には、縦軸の重量値W2に応じて、C40〜C44というセルが形成される。そして、縦軸において、重量値W2が最大の代表重量値w4を超える領域には、横軸の重量値W2に応じて、C04,C14、C24,C34およびC44というセルが形成される。このうち、セルC44については、両方の重量値W1およびW2が最大の代表重量値w4を超える領域に形成される。これをもって、事前の調整作業が完了し、実際の計量作業(稼働運転)が可能となる。
実際の計量作業においては、上述したように、式39および式40に基づいて、各被計量物114aおよび114bの重量測定値W1’およびW2’がそれぞれ求められる。その際、CPU208は、これらの式39および式40に適用される各重み係数A1[W1,W2],B1[W1,W2],A2[W1,W2]およびB2[W1,W2]を、メモリ回路214に記憶されている各基準点P40〜P44についての各重み係数A1[w4,0]〜A1[w4,w4],B1[w4,0]〜B1[w4,w4],A2[w4,0]〜A2[w4,w4]およびB2[w4,0]〜B2[w4,w4]に基づいて決定する。
具体的には、まず、各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2が、図9におけるいずれのセルに属するのかを、判定する。そして、例えば、図10に符号Pxで示されるように、当該各重量値W1およびW2がC13というセルに属する、と判定すると、この符号Pxで示される点を通り、かつ図9における横軸に垂直な直線と、基準点P13およびP23を互いに結ぶ直線と、の交点p1を特定する。そして、この交点p1における各重み係数A1[W1,w3],B1[W1,w3],A2[W1,w3]およびB2[W1,w3]を求める。例えば、重み係数A1[W1,w3]については、基準点P13における重み係数A1[w1,w3]と基準点P23における重み係数A1[w2,w3]との間で、被計量物114aの重量値W1に応じて按分されるものと仮定し、次の式57に基づいて求める。他の各重み係数B1[W1,w3],A2[W1,w3]およびB2[W1,w3]についても、同様である。
《式57》
A1[W1,w3]=A1[w1,w3]+(A1[w2,w3]−A1[w1,w3])・{(W1−w1)/(w2−w1)}
併せて、図10において、点Pxを通り、かつ図9における横軸に垂直な直線と、基準点P14およびP24を互いに結ぶ直線と、の交点p2を特定する。そして、この交点p2における各重み係数A1[W1,w4],B1[W1,w4],A2[W1,w4]およびB2[W1,w4]を求める。例えば、重み係数A1[W1,w4]については、基準点P14における重み係数A1[w1,w4]と基準点P24における重み係数A1[w2,w4]との間で、被計量物114aの重量値W1に応じて按分されるものと仮定し、次の式58に基づいて求める。他の各重み係数B1[W1,w4],A2[W1,w4]およびB2[W1,w4]についても、同様である。
《式58》
A1[W1,w4]=A1[w1,w4]+(A1[w2,w4]−A1[w1,w4])・{(W1−w1)/(w2−w1)}
そして、このようにして求められた交点p1における各重み係数A1[W1,w3],B1[W1,w3],A2[W1,w3]およびB2[W1,w3]と、交点p2における各重み係数A1[W1,w4],B1[W1,w4],A2[W1,w4]およびB2[W1,w4]と、に基づいて、点Pxにおける各重み係数A1[W1,W2],B1[W1,W2],A2[W1,W2]およびB2[W1,W2]を求める。例えば、重み係数A1[W1,W2]については、交点p1における重み係数A1[W1,w3]と交点p2における重み係数A1[W1,w4]との間で、被計量物114bの重量値W2に応じて按分されるものと仮定し、次の式59に基づいて求める。他の各重み係数B1[W1,w4],A2[W1,w4]およびB2[W1,w4]についても、同様である。
《式59》
A1[W1,W2]=A1[W1,w3]+(A1[W1,w4]−A1[W1,w3])・{(W2−w3)/(w4−w3)}
なお、各セルC00〜C44のうち、重量値W1のみが最大の代表重量値w4を超える領域に形成されたセルC40〜C43においては、これらのセルC40〜C43に属する各基準点P40〜P44のうち、重量値W2に最も近い2つと、当該重量値W2と、の位置関係に基づいて、各重み係数A1[W1,W2],B1[W1,W2],A2[W1,W2]およびB2[W1,W2]が求められる。そして、重量値W2のみが最大の代表重量値w4を超える領域に形成されたセルC04、C14,C24およびC34においては、これらのセルC04、C14,C24およびC34に属する各基準点P04,P14,P24,P34およびP44のうち、重量値W1に最も近い2つと、当該重量値W1と、の位置関係に基づいて、各重み係数A1[W1,W2],B1[W1,W2],A2[W1,W2]およびB2[W1,W2]が求められる。なお、両方の重量値W1およびW2が最大の代表重量値w4を超える領域に形成されたセルC44においては、そのセルC44に属する基準点P44における各重み係数A1[w4,w4],B1[w4,w4],A2[w4,w4]およびB2[w4,w4]が、適用される。
ただし、各計量槽102aおよび102bに各被計量物114aおよび114bが供給された当初は、当該各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2は未知であるので、上述の如く最初から直接的に各重み係数A1[W1,W2],B1[W1,W2],A2[W1,W2]およびB2[W1,W2]を決定することはできない。そこで、CPU208は、各重み係数A1[W1,W2],B1[W1,W2],A2[W1,W2]およびB2[W1,W2]の初期値として、図9における各基準点P00〜P44のうち、中央に位置する基準点P22における各重み係数A1[w2,w2],B1[w2,w2],A2[w2,w2]およびB2[w2,w2]を、上述の式39および40に適用する。つまり、次の式60および式61を組み立てる。そして、これらの式60および式61に基づいて、仮の重量測定値W1’[1]およびW2’[1]を求める。
《式60》
R1[W1,W2]=A1[w2,w2]・W1’[1]+B1[w2,w2]・W2’[1]
《式61》
R2[W1,W2]=A2[w2,w2]・W1’[1]+B2[w2,w2]・W2’[1]
なお、これらの式60および式61に基づいて求められた仮の重量測定値W1’[1]およびW2’[1]は、W1=w2およびW2=w2であることを前提とするので、この前提を満たさない場合、つまり多くの場合、当然に誤差を含む。そこで、CPU208は、これらの仮の重量測定値W1’[1]およびW2’[1]が、図9におけるいずれのセルに属するのかを、判定する。そして、上述した要領で、当該仮の重量測定値W1’[1]およびW2’[1]に応じた各重み係数A1[W1’[1],W2’[1]],B1[W1’[1],W2’[1]],A2[W1’[1],W2’[1]]およびB2[W1’[1],W2’[1]]を求める。さらに、これらの重み係数A1[W1’[1],W2’[1]],B1[W1’[1],W2’[1]],A2[W1’[1],W2’[1]]およびB2[W1’[1],W2’[1]]を、改めて式60および式61に適用する。つまり、次の式62および式63を組み立てる。そして、これらの式62および式63に基づくことで、より正確な仮の重量測定値W1’[2]およびW2’[2]を求める。
《式62》
R1[W1,W2]=A1[W1’[1],W2’[1]]・W1’[2]+B1[W1’[1],W2’[1]]・W2’[2]
《式63》
R2[W1,W2]=A2[W1’[1],W2’[1]]・W1’[2]+B2[W1’[1],W2’[1]]・W2’[2]
CPU208は、この演算を所定回数Q’にわたって繰り返すことで、より一層正確な仮の重量測定値W1’[Q’]およびW2’[Q’]を求める。そして、この繰り返し演算によって求められた仮の重量測定値W1’[Q’]およびW2’[Q’]を、最終的な重量測定値W1’およびW2’とする。
このように、本第2実施形態によれば、各重み係数A1[W1,W2],B1[W1,W2],A2[W1,W2]およびB2[W1,W2]が、各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2の両方を変数とする関数として取り扱われることによって、特に支持台106を含む計量部10の歪みに対しても、その影響を受けない、高精度な計量が実現される。また、別の観点から言うと、計量部10の歪みを抑えるために当該計量部10に極端に大きな剛性(強度)を持たせる必要がないので、その分、計量部10を含む計量装置全体の製造コストを低減することができる。
なお、本第2実施形態においては、事前の調整作業で、第1計量槽102a用として合計5つのサンプル品を用い、第2計量槽102b用として合計9つのサンプル品を用いたが、これに限らない。例えば、第1計量槽102a用として合計9つのサンプル品を用い、第2計量槽102b用として合計5つのサンプル品を用いてもよいし、これらのサンプル品の数を増減させてもよい。
また、図10を参照しながら各重み係数A1[W1,W2],B1[W1,W2],A2[W1,W2]およびB2[W1,W2]の導出法について説明したが、これ以外の導出法を採用してもよい。例えば、それぞれのセルごとに、各重み係数A1[W1,W2],B1[W1,W2],A2[W1,W2]およびB2[W1,W2]を、各被計量物114aおよび114bの重量値W1およびW2の回帰式で表してもよい。具体的には、それぞれ4つの基準点で囲まれたセルC00〜C03,C10〜C13,C20〜C23およびC30〜C33については、例えば重み係数A1[W1,W2]を、次の式64のような重回帰式で表してもよい。なお、この式64において、k1,k2およびk3は、任意に決まる係数である。
《式64》
A1[W1,W2]=k1・W1+k2・W2+k3
このことは、他の各重み係数B1[W2],A2[W1]およびB2[W2]についても、同様である。ただし、2つの基準点しか含まないセルC04,C14、C24,C34,C40〜C43については、単回帰式で表すのが、好ましい。また、1つの基準点(P44)しか含まないセルC44については、上述の如く当該基準点P44における各重み係数A1[w4,w4],B1[w4,w4],A2[w4,w4]およびB2[w4,w4]が、適用されることとする。
本第2実施形態もまた、第1実施形態と同様に、図4〜図8に示した構成に適用することができる。特に、図6に示した構成においては、各ロードセル306a,306bおよび306cによる荷重検出値R1[W1,W2,W3],R2[W1,W2,W3]およびR3[W1,W2,W3]は、それぞれ次の式65〜式67のように表される。
《式65》
R1[W1,W2,W3]=A1[W1,W2,W3]・W1+B1[W1,W2,W3]・W2+C1[W1,W2,W3]・W3
《式66》
R2[W1,W2,W3]=A2[W1,W2,W3]・W1+B2[W1,W2,W3]・W2+C2[W1,W2,W3]・W3
《式67》
R3[W1,W2,W3]=A3[W1,W2,W3]・W1+B3[W1,W2,W3]・W2+C3[W1,W2,W3]・W3
さらに、この場合は、各ロードセル306a,306bおよび306cの位置が非対称である等によって、当該各ロードセル306a,306bおよび306cへの各荷重W1,W2およびW3の分散比率がアンバランスであるときには、一部または全部の重み係数について、例えばA1[W1,W3]やB3[W2,W3]というように、影響の大きい重量値のみの関数としてもよい。
本発明の第1実施形態における計量部の機械的な概略構成を示す図である。 同第1実施形態における信号処理部の電気的な概略構成を示すブロック図である。 同第1実施形態における被計量物の重量値と重み係数との関係を示す図解図である。 同第1実施形態における計量部の別の例を上方から見た図である。 図4とはさらに別の例を示す図である。 図5とはさらに別の例を示す図である。 図6とはさらに別の例を示す図である。 図7とはさらに別の例を示す図である。 本発明の第2実施形態における被計量物の重量値と重み係数との関係を示す図解図である。 同第2実施形態において具体的な重み係数の導出法を説明するための図解図である。
符号の説明
10 計量部
20 信号処理部
102a,102b 計量槽
108a,108b ロードセル
114a,114b 被計量物
208 CPU

Claims (5)

  1. 互いに結合されており互いに別々に被計量物が供給されるM(M;2以上の整数)個の計量槽と、
    上記M個の計量槽を互いに異なる条件で支持すると共に該M個の計量槽のそれぞれに上記被計量物が供給されることによって印加される荷重を検出するN(N;2以上の整数)個の荷重検出手段と、
    上記N個の荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値を含む第1演算式に基づいて上記M個の計量槽のそれぞれに供給された上記被計量物の重量値を求める重量演算手段と、
    を具備し、
    上記第1演算式は、上記M個の計量槽のそれぞれに供給された被計量物の重量値が上記N個の荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値と該N個の荷重検出手段のそれぞれに対応する第1係数との積の総和に等しいことを表し、
    それぞれの上記第1係数は、上記M個の計量槽の一部または全部のそれぞれに供給された上記被計量物の量に関する情報を変数とする関数であって、該一部または全部の計量槽のそれぞれに互いに異なる既知重量値を持つ複数のテスト用物品が順次供給されたときにその都度得られる上記N個の荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値と該複数のテスト用物品のそれぞれの重量値とに基づいて求められる、
    複数槽式計量装置。
  2. 互いに結合されており互いに別々に被計量物が供給されるM(M;2以上の整数)個の計量槽と、
    上記M個の計量槽を互いに異なる条件で支持すると共に該M個の計量槽のそれぞれに上記被計量物が供給されることによって印加される荷重を検出するN(N;2以上の整数)個の荷重検出手段と、
    上記N個の荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値を含む第2演算式に基づいて上記M個の計量槽のそれぞれに供給された上記被計量物の重量値を求める重量演算手段と、
    を具備し、
    上記第2演算式は、上記N個の荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値が上記M個の計量槽のそれぞれに供給された被計量物の重量値と該M個の計量槽のそれぞれに対応する第2係数との積の総和に等しいことを表し、
    それぞれの上記第2係数は、上記M個の計量槽の一部または全部のそれぞれに供給された上記被計量物の量に関する情報を変数とする関数であって、該一部または全部の計量槽のそれぞれに互いに異なる既知重量値を持つ複数のテスト用物品が順次供給されたときにその都度得られる上記N個の荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値と該複数のテスト用物品のそれぞれの重量値とに基づいて求められる、
    複数槽式計量装置。
  3. 上記被計量物の量に関する情報は、該被計量物の重量値を含む、請求項1または2に記載の複数槽式計量装置。
  4. 上記被計量物の量に関する情報は、該被計量物の体積値を含む、請求項1または2に記載の複数槽式計量装置。
  5. 上記被計量物の量に関する情報は、該被計量物の高さ寸法を含む、請求項1または2に記載の複数槽式計量装置。
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