JP5219328B2 - 重量測定装置 - Google Patents
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Description
(a)各荷重センサが正常であって特定荷重の印加状態にあるときのそれぞれの出力を基準値として記憶させ、荷重センサ使用状態で前記特定荷重の印加状態にあるときの各荷重センサの出力と、それぞれに対応する各荷重センサの基準値とを比較し、その差が一定値以上である場合にその荷重センサが不良であると判定する。
(b)各荷重センサにはその使用中にほぼ均等に荷重が加えられているものとして、荷重センサの使用中に各荷重センサの出力を相互に比較し、他の多くの荷重センサの出力に比べ大きく値の異なっている荷重センサを不良であると判定する。
1)特定荷重に対する荷重センサの出力を基準値として記憶させているので、荷重センサ使用中に不良検出のために特定荷重を印加する作業が余分に生じる。
2)トラックスケールのような台秤の場合には計量台面積が広いので、特定荷重であっても、計量台上で特定荷重物を置く位置によって荷重センサの出力が異なる。
3)予め定めた計量台上の位置に分銅などの特定荷重を置いてそのときの各荷重センサの出力を記憶させる作業を時々実施することにより、荷重センサのスパン変化を検出することができるが、通常の計量作業に対して、不良検出のための特別な作業が必要になり、また特定荷重物(トラックスケールのように大容量の計量器のスパンチェックでは、少なくとも数トンの分銅)を用意しなければならず、これを所定位置に置くための重機が必要になり、実際には定期点検日でも設けない限り困難である。したがって、一般の計量装置の使用者では異常の点検が困難であり、荷重センサに異常が生じても早期に発見・修復できないという問題がある。
4)計量台が無負荷の時に各荷重センサに印加される計量台の自重分の出力は一定であるので、特定重量物を用意しなくても、計量台上に被計量物がなければほぼ一定の条件で各荷重センサの出力の良否判定ができる。しかし、計量台上に被計量物がなくても荷重センサの出力には零点変化分も含まれる。ここで、零点出力は、荷重センサが正常であっても特に周囲気温の変化が大きい場合などに大きく変動し、また計量台上の付着物などによっても変動する。
5)計量台上に被計量物がないときの荷重出力変化量をもって荷重センサの異常検出手段に使用したものも知られているが、これは主として荷重センサの零点異常検出手段であって、異常判定に際しては大きな許容値が設定されているのが普通である。このように計量器の零点変化はある程度の大きさ以内であれば零調整しながら使用することができるが、スパンは小さい変化量でも直ちに計量精度に影響するため、スパンが不良でないと判定するための出力変化量の許容値は小さく取る必要があり、従来の計量台の無負荷時の荷重の変化量を判定する方法では高精度のスパン変化判定は困難である。
計量部がホッパのような容器で、被計量物が粉粒体や液体のように計量器に対してほぼ均等な分布状態で収容される性質を持ったものである場合には、常に全ての荷重センサにほぼ等しい荷重が加わる。この場合には、荷重センサが良好であれば、通常の計量作業中に全ての荷重センサはいつでもほぼ等しい出力となる。したがって、スパン異常になった荷重センサがあれば、他の荷重センサと出力の大きさが異なるので通常の計量中に常に荷重センサの信号を相互に比較していれば不良荷重センサを検出することが可能である。しかし、台秤のように計量台が広く、通常の計量時に被計量物が積載される位置が特定できない計量器の場合には、被計量物を積載する度に被計量物の各荷重センサに配分される荷重が異なるので、荷重センサのスパンが正常であっても出力が大きく変化し、スパン異常の判定ができない。
トラックスケールにおいて通常の計量動作は、計量台上に乗り込んだ車両が計量台上でほぼ停止、もしくは完全に停止してから計量動作に入って重量値が求められる。車両が移動中の重量測定値は振動などの大きいノイズが混入して高い精度が得られないからである。この場合、スパンのわずかなドリフト分は、車両が計量台上で移動する時の荷重パターンを検出しても、ノイズによる振動信号のため重量信号の傾斜を高い精度で検出することができない。また、この検出動作は、通常の静止計量という高精度計量動作の妨げになる。
また、本発明は、スパン異常という不良が生じているのがどの荷重センサであるかを判定することのできる重量測定装置を提供することを目的とするものである。
四隅が各々荷重センサにより支持される計量台上に被計量物を載置してその被計量物の重量を測定する重量測定装置において、
前記計量台上の任意の位置に被計量物を静止状態で置いたときの前記四隅の荷重センサの各出力信号の合計値である第1の合計出力信号値と、被計量物を前記計量台上において前記任意の位置から別の位置に所定距離だけ移動させる際にその移動方向に直交する方向に配置された2個ずつの荷重センサの中心点間を結ぶ直線付近を移動させてその移動後の位置に被計量物を静止状態で置いたときの前記四隅の荷重センサの各出力信号の合計値である第2の合計出力信号値との差の値を求め、この差の値と、前記第1の合計出力信号値または前記第2の合計出力信号値との比の値によっていずれかの荷重センサの異常状態を検出する異常検出手段を備えることを特徴とするものである。
四隅が各々荷重センサにより支持される計量台上に被計量物を載置してその被計量物の重量を測定する重量測定装置において、
前記計量台上の任意の位置に被計量物を静止状態で置いたときの各荷重センサの出力信号を個別に求め、前記各荷重センサのうちの隣り合う2個の荷重センサの出力信号の比の値である第1の比と、残りの2個の荷重センサの出力信号の比の値である第2の比とを求め、前記荷重センサのスパンが正常である時点において、前記第1の比と前記第2の比との比である第3の比を求めて正常時の第3の比の値とするとともに、前記荷重センサの任意の調整時点で求めた前記第3の比を任意時点の第3の比の値とし、これら正常時の第3の比の値と任意時点の第3の比の値との比較結果に基づいて前記任意時点におけるいずれかの荷重センサが異常であることを判定する異常荷重センサ判定手段を備えることを特徴とするものである。
図1には、本発明の第1の実施形態に係る重量測定装置の平面図(a)および断面図(b)がそれぞれ示されている。また、図2には、本実施形態の重量測定装置の回路構成図が示されている。
W1=(x・y/A・B)・Wx ・・・・・(1)
W2={x・(B−y)/A・B}・Wx ・・・・・(2)
W3={(A−x)・y/A・B}・Wx ・・・・・(3)
W4={(A−x)・(B−y)/A・B}・Wx ・・・・(4)
V1/k1=(x・y/A・B)・Wx ・・・・・(5)
V2/k2={x・(B−y)/A・B}・Wx ・・・・・(6)
V3/k3={(A−x)・y/A・B}・Wx ・・・・・(7)
V4/k4={(A−x)・(B−y)/A・B}・Wx・・・・(8)
ここで、変換係数k1〜k4の値はロードセル4〜7の調整時にメモリー18に記憶されている。
V1/k1+V2/k2+V3/k3+V4/k4=Wx・・・・(9)
なお、トラック2がx軸またはy軸方向に任意の距離だけ移動して(x,y)座標が変化しても負荷荷重換算値の合計値は変化しない。
Wad=e・(x1−x0)・y・Wx/AB ・・・・(10)
Wad=(e/4)・Wx ・・・・(11)
ロードセルの不良もしくは異常を判定するには、ロードセルが許容値以上にスパン変化しているので、Wadの値に対してある許容限界値を設ける必要があるが、式(11)には被計量物の荷重Wxが残っており、スパン変化率eの大小を独立して評価することができず、厳密な良否判定が困難である。
{AB+e・x0・y}・Wx/AB={1+e・x0・y/AB}・Wx
・・・・(12)
すなわち、式(10)/式(12)を演算して、比Rは次式で与えられる。
R={e・(x1−x0)・y/AB}/{1+e・x0・y/AB}
R=e・(x1−x0)・y/AB ・・・・(13)
R=e/4 ・・・・(14)
こうして、ほぼeの値のみの変化の大きさを判定できるようになる。
なお、式(12)の代わりに、被計量物の重心のx座標がx=x1にあるときの各ロードセル4〜7の出力から求めた負荷荷重換算値の合計値を採用しても同様である。
−0.000125<R<0.000125 ・・・・(15)
を満足すればスパン正常とし、式(15)を満足しなければスパン異常としてロードセル不良と判定するようにする。
本実施形態は、計量台3上の任意の位置に被計量物があるときに、各ロードセル4〜7の出力を個別に測定して各ロードセル4〜7の荷重換算値を求め、これら荷重換算値を組み合わせて構成した比率を評価値として、この評価値の変化量の大きさを判定することにより、ロードセルのスパン異常を検出するようにしたものである。以下、本実施形態の判定法について説明する。
(V1/k1)/(V3/k3)=W1/W3=x/(A−x) (16)
(V2/k2)/(V4/k4)=W2/W4=x/(A−x) (17)
Rt=(1±e)・R0 ・・・・(18)
であるから、
(Rt−R0)/R0=±e ・・・・(19)
となる。
−0.0005<(Rt−R0)/R0<0.0005 ・・・(20)
を満たせばロードセルは正常で、式(20)を満たさなければロードセルが異常であると判定される。
(V1/k1)/(V2/k2)=W1/W2=y/(B−y) (16')
(V3/k3)/(V4/k4)=W3/W4=y/(B−y) (17')
で求め、R'=式(16')/式(17')として、上記と同様にして判定することもできる。
前記第1の実施形態および第2の実施形態においては、通常の計量作業の中でロードセルのいずれかにスパン変動が生じているか否かを検出・監視する方法について述べた。しかし、これら各実施形態に係る方法では、どのロードセルにスパン異常が生じているかを判定することはできない。そこで、本実施形態では、前記各実施形態の方法によりスパン異常のロードセルの存在が検出されたときに、このスパン異常(スパン不良)のロードセルを特定する方法を提供する。
r24=(V2/k2)/(V4/k4)=x/(A−x)
また、被計量物Cの重心位置をx軸方向に所定の距離aだけ移動させたときの比率r24'は次式で表される。
r24'=(V2'/k2)/(V4'/k4)
=(x+a)/{A−(x+a)}
ただし、ロードセル4〜7は図3に示されるように理想的に配置されていないので、実際には係数q24が掛けられ、比率r24、r24'は次式のようになる。
r24=q24・{x/(A−x)} ・・・(21)
r24'=q24・[(x+a)/{A−(x+a)}]・・・(22)
ここで、第2ロードセル5と第4ロードセル7のいずれかのスパンが±eだけ変化すると係数q24が変化するものとみなす。
a・q242+(r24・A+r24・a−r24'・A+r24'・a)
・q24+a・r24・r24'=0 ・・・(23)
(q24t−q240)/q240=±e ・・・(24)
が成り立つから、例えばロードセルのスパン変化率の許容値を±0.0005とすると、次式
−0.0005<(q24t−q240)/q240<0.0005
・・・(25)
を満足すれば第2ロードセル5および第4ロードセル7はいずれも正常、式(25)を満足しなければ第2ロードセル5と第4ロードセル7のいずれか一方が異常であると判定することができる。
r12=(V1/k1)/(V2/k2)=y/(B−y)
また、被計量物Cの重心位置をy軸方向に所定の距離bだけ移動させたときの比率r12'は次式で表される。
r12'=(V1'/k1)/(V2'/k2)
=(y+b)/{B−(y+b)}
ただし、ロードセル4〜7は図3に示されるように理想的に配置されていないので、実際には係数q12が掛けられ、比率r12、r12'は次式のようになる。
r12=q12・{y/(B−y)} ・・・(26)
r12'=q12・[(y+b)/{B−(y+b)}]・・・(27)
式(26)、式(27)より、次式が成立し、q12の値を求めることができる。
b・q122+(r12・B+r12・b−r12'・B+r12'・b)
・q12+b・r12・r12'=0 ・・・(28)
(q12t−q120)/q120=±e ・・・(29)
が成り立つから、上記と同様に(q12t−q120)/q120を評価判定して第1ロードセル4および第2ロードセル5がいずれも正常であるか、あるいはいずれか一方が異常であると判定することができる。また、第3ロードセル6と第4ロードセル7との関係についても、同様にして、いずれも正常であるか、あるいはいずれか一方が異常であると判定することができる。
V1/k1+V2/k2+V3/k3+V4/k4=Wx・・・(30)
ここで、もし第1ロードセル4の異常が検出されると、式(30)をこのまま用いるとすると、ロードセルのスパン変化率がeのとき、被計量物Cが計量台3上の各ロードセル4〜7に等しく負荷配分されるような位置にあるときにe/4のスパン誤差が現われる。この場合、被計量物Cが計量台3上での第1ロードセル4に負荷配分が大きい位置にあるほど測定重量への誤差は大きくなる。
W1=(W2・W3)/W4 ・・・・(31)
∴V1/k1={(V2/k2)・(V3/k3)}/(V4/k4)
・・・・(32)
よって、スパン異常になった出力V1を用いず、他の3個のロードセル5〜7の出力を使って、式(30)は次式のように表すことができる。
{(V2/k2)・(V3/k3)}/(V4/k4)
+V2/k2+V3/k3+V4/k4=Wx ・・・・(33)
行って被計量物の正しい重量を求めることができる。
[{(V2/k2)・(V3/k3)}/(V4/k4)
+V2/k2+V3/k3+V4/k4]・G1=M・・・(34)
が成立するように係数G1を求めてメモリー(記憶手段)18に記憶させ、第1ロードセル4が不良判定された場合には、演算処理装置17(演算手段)において、式(33)によってロードセル5〜7の出力を用いて被計量物Cの重量を求めるようにすれば良い。
2 トラック
3 計量台
4,5,6,7 ロードセル(荷重センサ)
8,9,10,11 増幅器
12,13,14,15 アナログ・デジタル変換器
16 I/O回路
17 演算処理装置
18 メモリー
19 キースイッチ
20 表示器
C 被計量物
Claims (3)
- 四隅が各々荷重センサにより支持される計量台上に被計量物を載置してその被計量物の重量を測定する重量測定装置において、
前記計量台上の任意の位置に被計量物を静止状態で置いたときの前記四隅の荷重センサの各出力信号の合計値である第1の合計出力信号値と、被計量物を前記計量台上において前記任意の位置から別の位置に所定距離だけ移動させる際にその移動方向に直交する方向に配置された2個ずつの荷重センサの中心点間を結ぶ直線付近を移動させてその移動後の位置に被計量物を静止状態で置いたときの前記四隅の荷重センサの各出力信号の合計値である第2の合計出力信号値との差の値を求め、この差の値と、前記第1の合計出力信号値または前記第2の合計出力信号値との比の値によっていずれかの荷重センサの異常状態を検出する異常検出手段を備えることを特徴とする重量測定装置。 - 前記比の値の許容値が予め設定され、前記異常検出手段は、前記比の値が前記許容値を越える場合に荷重センサの異常状態を検出し、かつ警報手段に異常警報信号を出力する請求項1に記載の重量測定装置。
- 四隅が各々荷重センサにより支持される計量台上に被計量物を載置してその被計量物の重量を測定する重量測定装置において、
前記計量台上の任意の位置に被計量物を静止状態で置いたときの各荷重センサの出力信号を個別に求め、前記各荷重センサのうちの隣り合う2個の荷重センサの出力信号の比の値である第1の比と、残りの2個の荷重センサの出力信号の比の値である第2の比とを求め、前記荷重センサのスパンが正常である時点において、前記第1の比と前記第2の比との比である第3の比を求めて正常時の第3の比の値とするとともに、前記荷重センサの任意の調整時点で求めた前記第3の比を任意時点の第3の比の値とし、これら正常時の第3の比の値と任意時点の第3の比の値との比較結果に基づいて前記任意時点におけるいずれかの荷重センサが異常であることを判定する異常荷重センサ判定手段を備えることを特徴とする重量測定装置。
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