JP3850779B2 - ロードセル式はかり - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は載台の四隅部をロードセルで支持するロードセル式はかりに関するものであり、更に詳しくは、負荷が載台の中央部に存在する場合や、長手方向に異なった状態で荷重分布して存在する場合などにおいて、負荷荷重の大きさと分布状態を読み取り、その状態に応じた補正を施して、載台上の負荷の位置に関係なく同等の重量に表示するロードセル式はかりに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図24は、長方形状の載台1が四隅部に配置された4個のデジタル式ロードセルDLC1 、DLC2 、DLC3 、DLC4 、すなわち、マイクロコンピュータを備え、作動時には負荷荷重のデジタル値を刻々に出力するロードセルによって支持されたロードセル式はかりの平面図であり、図24のAは、載台1の中央部および四隅部の一隅部毎に同一の負荷荷重(10トン)を載置した時の各ロードセルDLC1 〜DLC4 の出力(載台1が無負荷の時の出力値を差し引いた出力値)の和算値を負荷の載置場所毎に示した平面図であり、負荷を載台1の中央部に載置した時の和算値は「10000」、各四隅部(以降、四隅と称することがある)に載置した時の和算値はそれぞれ「10004」を示すように製造されている。すなわち、各ロードセルDLC1 〜DLC4 は、予め四隅部毎に分銅を載置するなどして得られた四隅補正係数を掛けて、負荷が何れの四隅に載置されても同一の和算値(図24のAで示せば「10004」)を出力するように四隅補正されている。
【0003】
また、図24のBは、載台1の中央部および長手方向の両端側(以降、二隅と称することがある)の何れかに同一の負荷(重量20トン)を載置した時の各ロードセルDLC1 〜DLC4 の出力の和算値を載置位置毎に示した平面図である。すなわち、載台1の中央部に負荷を載置した時の和算値は「20000」、二隅の何れかに載置した時の和算値はそれぞれ「20008」となる。これらの和算値も同様に載台1が無負荷の時の出力値を差し引いた出力値である。上記のように、同一の負荷が中央部に載置された時と二隅の何れかに載置された時とで異なった和算値を示すのは、例えば20トンの負荷を載台の中央部に載置した時に20トンと表示させるためであり、これは次に示すような理由による。
【0004】
すなわち、図25は図24に示したロードセル式はかりの概念的な側面図であり、図25のAは無負荷の状態を示しており、この状態で各ロードセルは鉛直に設置されている。図25のBは載台1の中央部に負荷Mが載置されて載台1の中央部が窪むように撓んだ状態を誇張してを示す図である。載台1が撓むと荷重を受ける面が球面状となっているロードセルDLC1 〜DLC4 は図25のBに示すように支持点を滑らせ上部を載台1の外側へ傾けるので、中心軸方向の力を検出する各ロードセルDLC1 〜DLC4 の出力は若干小さくなる。そのために、負荷Mの本来の重量が表示されるように、各ロードセルDLC1 〜DLC4 の各出力は(+)側に補正されている。また、その故に、負荷Mが二隅の何れかに載置される場合には、中央部に載置される場合と比較して、各ロ−ドセルDLC1 〜DLC4 の出力の和算値は本来の重量よりも(+)側に表示されるのである。元来、‘はかり’は負荷全体が載台の中央部に載置されることを期待するものであるが、常に中央部に載置されることは必ずしも期待できないことも事実である。従って、負荷が二隅の何れかに載置される場合にも本来の重量を表示させるには、負荷の載置位置を検出し、それに応じて各ロードセルDLC1 〜DLC4 の出力の和算値を二隅補正することを要する。
【0005】
載台の撓みの問題は、載台を剛直に製作し実質的に撓みを生じないものとすることによって回避し得るし、またロードセルDLCを長尺化し、載台が撓みを生じても中心軸の傾斜角度が小さいものとすることによっても対処し得るが、載台の剛直化、ロードセルDLCの長尺化は何れもロードセル式はかりのコストを著しく増大させる方向である。従って、載台の撓みが許容し得る範囲内である限りにおいて、その撓みによって生ずる誤差はロードセルDLC側で補正して重量表示するロードセル式はかりの方が低コストであり実用性に富んだものとなる。
【0006】
上記のような補正に関し、本出願人は、先に特願2001−077168号において、二隅への負荷の偏置による誤差を自動的に補正するロ−ドセル式はかり、偏置誤差補正方法、および偏置誤差補正プログラムを提案した。その内容は、四隅の各デジタル式ロードセルによって‘はかり’の載台に載置された負荷の荷重分布係数φを求め、荷重分布係数φの関数としての偏置誤差補正係数kを算出し、各デジタル式ロードセルの出力の和算値に1前後の値(通常的には1より僅かに小さい値)である偏置誤差補正係数kを乗じることを含むものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特願2001−077168号による偏置誤差の補正方法は、複数個の負荷が二隅の何れか一方に偏置された状態においては効果的に二隅補正を行い得るが、載台上で複数個の分銅を移動させる時に問題を生ずる。例えば‘はかり’の二隅検査時には、載台の二隅の一方に載置された複数個の分銅を他方へ移動させて、分銅が二隅の一方に載置された場合、他方に載置された場合においても中央部に載置された場合と同等の重量が表示されることの確認が行われる。これを例示すれば、長手方向の一端側に載置した4個の負荷を他端側へ1個ずつ移動させることが行われ、その移動の途中において、2個の分銅が他端側へ移動され2個の分銅は未だ一端側に残っている状態では、載台の撓みが最小になるので実態より大きい分銅重量が表示されることになる。
【0008】
図14〜図19および図20〜23は、ロードセル式はかりの一例であるトラックスケールの検査時の載台上における分銅の載置および移動の手順についての(イ)、(ロ)の2方式を示す図である。平成5年制定の計量法に基づく検定検査規則では、‘はかり’の‘ひょう量’(‘はかり’が正しく測定できる最大許容質量であり、以降、本文においてはフルスケールと称し、FSと表記することがある)の(1/2) の分銅を使用して二隅検査することが定められているが、図14〜図19、図20〜図23は何れも、フルスケール40トンのトラックスケールに付いて、二隅検査は1個5トンの分銅を4個、計20トンの分銅が使用される場合を示している。勿論、図には分銅を8個とする場面も示しているが、二隅検査とは離れるので、それらについての説明は省略する。
【0009】
図14〜図19に示す(イ)方式においては、四隅部がデジタル式ロードセルDLC1 〜DLC4 で支持された長さLの載台に対し、図14のAからEまでは長さが(1/2) Lの中央部に分銅が中心振り分けで▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼の順に載置されている状態を示し、4個の分銅が載置された図14のEの時点で重量表示を確認する二隅検査が行われる。なお、この状態で載台1の撓みは最大となる。
【0010】
図15のAからEまでは、図において左側である一端側での二隅検査のために、図14のEの状態から分銅が▲4▼、▲2▼、▲1▼、▲3▼の順に左側へ移動される状態を示す図であり、図15のEの状態で重量表示を確認する二隅検査が行われる。この場合、載台1の撓みが減少するので、ロードセルDLC1 〜DLC4 の出力の和算値は(+)側になり易い。
【0011】
図16のAからEまでは、図において右側である他端側での二隅検査のために、図15のEの状態から分銅が▲3▼、▲1▼、▲2▼、▲4▼の順に右側へ移動される状態を示す図であり、図16のEの状態で重量表示が確認される。そして、移動途中の通過点である図16のCの状態では、分銅▲1▼、▲3▼と分銅▲2▼、▲4▼が両端側にあって載台の撓みは最小となるので、やや大きい(+)誤差を伴って重量表示される。
【0012】
図17のAからDまでは、図16のEの状態から分銅が▲4▼、▲2▼、▲1▼、▲3▼の順に中央部へ移動される状態を示す図である。更に、図18のAからDまでは、載台上にフルスケールである8個の分銅を載置するべく、図17のDの状態の分銅▲4▼、▲2▼、▲1▼、▲3▼の両側に振り分けて分銅が▲5▼、▲6▼、▲7▼、▲8▼の順に載置される状態を示す図である。そして、図19のAからEまでは図18のDの状態の分銅▲8▼、▲6▼、▲4▼、▲2▼、▲1▼、▲3▼、▲5▼、▲7▼について、左右から交互に分銅を取り除く状態を示す図である。
【0013】
他方、図20〜図23に示す(ロ)方式においては、同じく四隅部がデジタル式ロードセルDLC1 〜DLC4 で支持された長さLの載台に対し、図20のAからEまでは、フルスケールである8個の分銅が中心振り分けで▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼、▲7▼、▲8▼の順に載台の全体に載置される状態を示す図である。
続く、図21のAからDまでは、図において右側から分銅が▲7▼、▲5▼、▲3▼、▲1▼の順に取り除かれ、左側である載台の一端側に4個の分銅▲8▼、▲6▼、▲4▼、▲2▼が二隅検査のために残された状態を示す図である。
【0014】
図22のAからEまでは、他端側の二隅検査のために、図21のDの状態から分銅が▲2▼、▲4▼、▲6▼、▲8▼の順に他端側へ移動される状態を示す図であり、図22のEの状態において重量表示が確認される。そして、この移動途中の通過点である図22のCの状態では分銅▲6▼、▲8▼と分銅▲2▼、▲4▼とが両端側にあって載台の撓みは最小となるので、大きい(+)誤差を伴って重量表示される。このことは、(イ)の方式で図16のCに示した場合と同様である。
【0015】
上記のロードセル式はかりの検査時において、本来の二隅検査時に重量表示が(+)側とならないように二隅補正が必要であるほか、二隅検査の途中である上述した(イ)方式の図16のC、および(ロ)方式の図22のCにおいても、重量が(+)誤差を伴って表示されないようにすることが望まれる。すなわち、上記の(+)誤差は40トンのフルスケールにおいて許容される10kg(=1/4000)以下の値ではあり、かつその誤差は分銅の移動の途中で出現する事象であるが、商取引のベースになる‘はかり’に関することであるから、このような分銅の二隅分布の状態に起因する誤差表示は可及的に解消しておくことが望まれる。
【0016】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、‘はかり’の二隅検査時のほか、分銅が載台の中央部および長手方向の両端側の間を移動されている途中において、分銅を同一の重量に表示すること、更には、実使用時においても、載台上の位置に関係なく被計量物を同等の重量に表示することが可能なロードセル式はかりを提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は請求項1の構成によって解決されるが、その解決手段を説明すれば、次の如くである。
【0018】
請求項1のロードセル式はかりは、四隅部がそれぞれロードセルによって支持された載台を有するロードセル式はかりにおいて、負荷が均等な重量の複数個の分銅からなる場合に、ロードセル式はかりのひょう量に対する載台上の分銅の個数によって異なる分銅荷重の比である荷重フルスケール比率と、載台の長手方向への分銅荷重の分布比である二隅分布比とによって、載台上における分銅の二隅分布の状態を判定する二隅分布状態判定手段と、ロードセルの総出力値に付いて、上記二隅分布の状態に応じて設定、算出される二隅補正値を加減、または上記二隅分布の状態に応じて設定、算出される二隅補正係数を乗除して補正する二隅誤差補正手段と、を備えている‘はかり’である。
このようなロードセル式はかりは、載台上の分銅の二隅分布の状態に応じて、適切な二隅補正値または二隅補正係数を設定、算出してロードセルの総出力値を補正することにより、載台上における分銅の位置に関係なく、分銅の重量を同一に表示することができる。
【0019】
請求項1に従属する請求項2のロードセル式はかりは、分銅の二隅分布の状態として、分銅が載台の中央部、一端側、または他端側に載置されているケース、および分銅が中央部から一端側または他端側へ移動されているケース、一端側または他端側から中央部へ移動されているケース、一端側から他端側、または他端側から一端側へ移動されているケースの何れであるかに応じて二隅補正値または二隅補正係数が設定、算出される‘はかり’である。
このようなロードセル式はかりは、分銅が載置されている載台上の位置や分銅の個数、および分銅が移動されている方向や移動されている位置に応じて、分銅の重量を同等に表示することを可能にする。
【0020】
請求項1に従属する請求項3のロードセル式はかりは、二隅分布比が載台の長手方向の一端側の2個のロードセルの出力値の和RA と他端側の2個のロードセルの出力値の和RB との差を、RA とRB との和で除した二隅分布比α=(RA−RB)/(RA+RB)として算出される‘はかり’である。
このようなロードセル式はかりは、上記の荷重フルスケール比率と二隅分布比とによって、分銅が載台へ載置されている時の載置位置や分銅の個数、および分銅の移動されている時の移動方向や移動位置を常に的確に把握することができ、分銅の二隅分布の状態に応じた二隅補正を可能ならしめる。
【0021】
請求項1に従属する請求項4のロードセル式はかりは、分銅の載置によって載台が実質的に撓まない場合には和算値(RA+RB)をそのままロードセルの総出力値WN とし、載台が許容し得る範囲内で撓む場合には和算値(RA+RB)を撓み誤差補正して総出力値WN とし、上記分銅の二隅分布の状態に応じて設定、算出される二隅補正値WE によって次式(1)で示すように総出力値WN を二隅補正して分銅の重量Wが表示される‘はかり’である。
W = WN − WE 式(1)
このようなロードセル式はかりは、載台が分銅荷重によって実質的に撓みを生じない場合は勿論、撓みを生ずる場合にも、分銅の重量を正確に表示することができる。
【0022】
請求項1に従属する請求項5のロードセル式はかりは、分銅が載台の中央部に載置されているケースでは二隅補正値WE は、式(2)に示すように、0と設定され、
WE =0 式(2)
分銅が中央部以外で載置または移動されているケースでは、二隅補正値WE は式(3)によって算出され、
WE =WN CE θ 式(3)
ここにおいて、CE は0.0001から0.001までの数値であり、
θは、分銅が一端側または他端側に載置されているケースでは式(4)によって算出され、
θ=[(RA −RB )/n1 WN ]2 式(4)
ここにおいて、n1 =0.1〜0.9
ただし、θ≧1の場合はθ=1、θ≦−1の場合はθ=−1
そして、分銅が中央部から一端側または他端側へ移動されているケース、または分銅が一端側または他端側から中央部へ移動されているケースでは式(5)によって算出され、
θ=[|RA −RB|/n2 WN ]1/2 式(5)
ここにおいてて、n2 =0.1〜0.9
ただし、θ≧1の場合はθ=1
分銅が一端側から他端側へ、または他端側から一端側へ移動されているケースでは、移動が完了した時点で二隅補正値WE が算出され、それまでの間は移動開始前の二隅補正値WE が採用される‘はかり’である。
このようなロードセル式はかりは、載台上の分銅の二隅分布の状態に応じて適切な二隅補正値WE を算出し、載台上の位置に関係なく分銅の重量Wを同等に表示することができる。
【0023】
請求項1に従属する請求項6のロードセル式はかりは、負荷がロードセル式はかりの被計量物である場合に、被計量物と分銅との判別が、総出力値の上昇速度に基いて行われる‘はかり’である。
このようなロードセル式はかりは、他動的に個々に載置され移動される分銅と、主として単体であり1個の分銅より重量が大きく、更には自走して載台に乗り上げることの多い被計量物とを簡易かつ正確に判別することができる。
【0024】
請求項1に従属する請求項7のロードセル式はかりは、被計量物が載置されている時点では二隅補正値WE は0とされ、被計量物の位置が定まり、載台の中央部にあるケースでは二隅補正値WE は式(6)によって算出され、
WE =n3 WN CE 式(6)
ここにおいて、n3 =0.1〜0.9
載台の一端側または他端側にあるケ−スでは、二隅補正値WE は式(7)によって算出される。
WE =n3 WN CE θ 式(7)
ここにおいて、θは式(4)による
このようなロードセル式はかりは、被計量物が載台上に載置される場合、中央部に載置されても被計量物の重心が載台の中心に一致しないのが普通であるから二隅補正値WE は分銅の場合のように0とはせずにn3 を乗じた式(6)によって算出され、また、一端側または他端側へ載置されても分銅のよう極端に偏置されることはないので、二隅補正値WE も分銅の場合と比較して小さくても可であることからn3 を乗じた式(7)によって算出される、被計量物の位置に応じた的確な二隅補正値WE によって、載台上における被計量物の位置に関係なく被計量物の重量を正確に表示することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明のロードセル式はかりは、上述したように、四隅部がそれぞれロードセルによって支持された載台を有するロードセル式はかりにおいて、負荷が均等な重量の複数個の分銅からなる場合に、ロードセル式はかりのひょう量に対する載台上の分銅の個数によって異なる分銅荷重の比である荷重フルスケール比率と、載台の長手方向への分銅荷重の分布比である二隅分布比とによって、載台上における分銅の二隅分布の状態を判定する二隅分布状態判定手段と、ロードセルの総出力値に付いて、二隅分布の状態に応じて設定、算出される二隅補正値を加減、または二隅分布の状態に応じて設定、算出される二隅補正係数を乗除して補正する二隅誤差補正手段と、を備えている‘はかり’である。
【0026】
各ロードセルDLC1 〜DLC4 は作動時には分銅荷重を例えば100ミリ秒の周期で3秒間測定して計量するので、ロードセル式はかりのフルスケールに対する分銅荷重の比である上記の荷重フルスケール比率Pfsと、載台の長手方向への分銅荷重の分布比である二隅分布比とによって、載台上において載置され移動される分銅の二隅分布の状態が二隅分布状態判定手段であるコンピュータによって常時モニタリングされる。
【0027】
二隅分布比は載台の一端側の2個のロードセルの出力の和(RA =R1 +R2 )と他端側の2個のロードセルの出力の和(RB =R3 +R4 )から、次式に示す二隅分布比αによって簡易かつ正確に把握される。
α = ( RA −RB )/( RA +RB )
勿論、二隅分布比αは上記以外の方法によって求めてもよく、例えば4個のロードセルDLC1 〜DLC4 の各出力値Riと、それらRiの平均値Rnとから次式によって荷重分布係数φを求めて分銅の二隅分布の状態を判定するようにしてもよい。
【0028】
ロードセルの総出力値を分銅荷重の二隅分布のケースに応じて二隅補正するには、二隅誤差補正手段であるコンピュータによって二隅補正値を算出してロードセルの総出力値を加減してもよく、また二隅補正係数を求めてロードセルの総出力値に乗除するようにしてもよい。何れにしても、載台上における位置に関係なく分銅が同等の重量に表示されるように、分銅荷重の二隅分布のケースに応じて適切な算式を設定し、その算式にのっとって求められる二隅補正値または二隅補正係数によってロードセルの総出力値が補正される。
【0029】
一例として、ロードセルの総出力値を二隅補正値によって補正する場合を説明すれば、載台上における分銅の二隅分布の状態、すなわち分銅が載台の中央部、一端側、または他端側に載置されているケース、および分銅が中央部から一端側または他端側へ移動されているケース、一端側または他端側から中央部へ移動されているケース、一端側から他端側へ、または他端側から一端側へ移動されているケースの何れであるかを判定し、判定されたケースに応じて設定、算出される二隅補正値WE によって式(1)に示すようにロードセルの総出力値WN を補正して分銅の重量Wが表示される。
W = WN − WE 式(1)
【0030】
上記の各ケースにおける二隅補正値WE は以下のように設定、算出される。
すなわち、分銅が載台の中央部に載置されているケースでは二隅補正は行われない。従って二隅補正値WE は、式(2)に示すように、0と設定される。
WE =0 式(2)
分銅が中央部以外で載置または移動されいるケースでは、二隅補正値WE は式(3)によって算出される。
WE =WN CE θ 式(3)
式(3)において、CE は‘はかり’の計量誤差比に相当する0.0001(すなわち、1トンの計量における誤差が0.1kg)から0.001(すなわち、1トンの計量における誤差が1kg)までの数値であり、例えば0.0003とされる。
【0031】
そして、θは、載台上における分銅荷重の二隅分布比による載台の撓みに関する項であり、最大で1または−1となる数値であるが、分銅が載台の一端側または他端側に載置されているケースでは、前述したように、式(4)によって算出される。
θ =[(RA −RB )/n1 WN ]2 式(4)
これらのケースでは載台の撓みが小さく比較的大きい二隅補正値WE を要するために、比較的1に近いθが得られるように2乗式で算出される値としている。
また、分銅が中央部から一端側または他端側へ移動されているケース、および一端側または他端側から中央部へ移動されているケースでは、前述したように、式(5)によって算出される。
θ =[|RA −RB|/n2 WN ]1/2 式(5)
これらのケースでは載台が撓むので、必要な二隅補正値WE は小であるから、θは(1/2) 乗式で算出される値としている。なお、分銅荷重の二隅分布の状態によって異なる載台の撓みは載台の剛性やDLCの設置状態によっても異なるので、これらを調整するために係数n1 、n2 が導入されており、実態に即して0.1から0.9までの範囲内で選択され、例えば0.45とされる。
【0032】
負荷には上記の分銅のほか、ロードセル式はかりによって重量が計測される被計量物があるが、被計量物は一般には単体であり、分銅1個より重量は大きい。更には、被計量物はタンクローリー等の車両類であり自走して載台に乗り上がるものであることが多い。従って、負荷が被計量物であるか、他動的に個々に載台へ載置される分銅であるかは、ロードセルの総出力値が所定時間内に所定の値に達するまでの総出力値の上昇速度によって判別することができる。具体的には、分銅1個の重量が5トン(0.125FS)である場合、総出力値WN が例えば3秒以内に分銅2個より大の0.27FSに達する時には、負荷は被計量体であると判別することができる。同様に、分銅1個の重量が2トン(0.05FS)である場合には、総出力値WN が例えば3秒以内に分銅2個より大の0.125FSに達する時に、負荷は被計量体であると判別することができる。
【0033】
また、被計量物が載置されている時点では、ロードセルの総出力値の変化が大であるために、この時点では二隅補正値WE は算出することなく開始時の二隅補正値WE =0 が採用される。そして、被計量物の載置位置が定まると二隅補正値WE が算出されるが、被計量物の場合には、載台の中央部に載置されるケースであっても、例えばタンクローリーのように、その重心が載台の中心に一致することはなく、載台の長さ方向の何れか一端側が大となる荷重分布を持つので二隅補正値WE は分銅の場合のように0とはならない。また、上述したように、被計量物が一端側または他端側に載置される場合にも、検査時の分銅のように載台の一端側または他端側に極端に偏置されることはないので、二隅補正値WE の算出式は、分銅に付いて設定された算出式に0.1〜0.9の範囲内のn3 を乗じた式(7)とされる。
WE = n3 WN CE θ 式(7)
なお、n3 は通常的には0.7とされることが多い。
【0034】
上記以外の、分銅が一端側から他端側、または他端側から一端側へ移動されているケースでは、移動が完了した時点で二隅補正値WE が設定、算出され、それまでの間は移動開始前の二隅補正値WE が採用される。 このように分銅が一端側から他端側へ移動されるようなケースでは、従来の技術の項で説明したように分銅が載台の両端側に分配される通過点があり、この通過点においては載台の撓みは最も小さくなりロードセルの総出力値は最大になる。このような通過点を含むケースに付いても総出力値を補正するような二隅補正値WE の算出式を設定すると、その算出式は大きい二隅補正値WE を与えるものとなるが、その算出式が例えばプログラム・エラー等によって他のケースにおける二隅補正値WE の算出に使用されることは好ましくなく、また、上述したように、分銅が載台の両端側に分配されるのは分銅の移動途中の通過点であることから、二隅補正値WE の算出式を設定することを敢えて避けたことによる。しかし、上記のように分銅が載台の両端側に分配されるような通過点に適切な二隅補正値WE を算出するこを排除するものではない。
【0035】
上記において、ロードセルの総出力値WN から二隅補正値WE を減じて補正した分銅の重量Wを表示する場合を示したが、総出力値WN に二隅補正係数を乗じ補正して分銅の重量を表示することも可能である。例えば、二隅分布比αに代わる上述の荷重分布係数φを求め、その荷重分布係数φを変数として、載置台における分銅の二隅分布の状態の各ケースに応じた二隅補正係数ωを求める関数ω=f(φ)(例えば2次関数ないしは3次関数)を実態に即して設定し、得られる二隅補正係数ωを、式(10)に示すように、各ロードセルDLCの総出力値WN に乗じて補正される値を分銅の重量Wとして表示するようにしてもよい。
W = WN ω 式(10)
【0036】
4個のロードセルDLC1 、DLC2 、DLC3 、DLC4 の出力値をR1 、R2 、 R3 、R4 とすると、これらのロードセルの出力の和算値Σは次式で示される。
Σ = R1 +R2 +R3 +R4
そして、負荷の重量表示に使用されるロードセルの総出力値WN は、載台が剛直であり分銅を載置しても実質的に撓みを生じない場合には、ロードセルの出力の和算値Σをそのまま総出力値WN として使用することができるが、載置された分銅荷重によって載台が撓みを生じるような場合には、通常、分銅を載台の中央部から等分布に端部に向かって広げるような形で積載するから、載台が撓まない場合に比し、分銅を積載するに従ってロードセルの出力が僅か減じることとなる。一般的に‘はかり’の校正は、‘はかり’の‘ひょう量’(例えば40t)の出力と分銅を載せる前の零点出力を直線で結ぶようにスパン調整(40tの分銅値に合わせて、はかり表示値を40,000kgに合わせる)するから、載台が撓む場合の誤差曲線は図3または図4のように、凸型の曲線を示し、載せた分銅値よりプラス(誤差)の表示値となっている。従って、この載台の撓みによる誤差を補正する撓み誤差補正値WB を和算値Σから差し引いて補正したロードセルの総出力値WN が使用される。
【0037】
すなわち、載台の撓みには、上述した分銅荷重の二隅分布比による撓みのほかに、分銅を載台に載置したことによる撓みがある。この分銅を載置したことによる載台の撓み誤差は、ロードセル式はかりのフルスケール(FS)に対する分銅荷重の比率、すなわち、荷重FS比率Pfsによって定まるものであり、具体的には撓み誤差を補正する撓み誤差補正値WB と荷重FS比率Pfsとの間に、例えば図3のAに示すような折れ線による直線関係を設定して求められる。すなわち、図3のAは横軸にPfs、縦軸にWB を取った図であり、WB がPfs=0〜1の間で変化する場合である。図3のAにおいて、eは載台の二隅部に分銅が載置された時の4個のロードセルDCL1 〜DCL4 の出力の和算値Σに対して、分銅が中央部に載置されて載台が撓む時に和算値Σがどれだけ小さいかを示す比率であり、載台の剛性やデジタルロードセルの設置状態によって変わるが、載台毎に予め実測して設定され、フルスケールの0.007%から0.03%までの値とされる。
【0038】
そのほか、WB がPfs= 0.0〜0.8の間で変動する場合があり、その場合の直線関係を図3のBに示した。図3のAの場合との違いは、Pfs=0.4〜0.8の間が「WB =(−e/0.4)Pfs+2e」の直線とされ、Pfs=0.8〜1.0の間はWB =0である。勿論、撓み誤差補正値は上記以外の方法によって求められるものであってもよい。
【0039】
【実施例】
次に、本発明のロードセル式はかりを実施例により、図表を参照して具体的に説明する。
【0040】
(実施例)
図1は、長方形の平面形状を有する載台に負荷を載置した時の、負荷の位置によって生ずる重量差を補正し、載置位置に係わらず重量を同等に表示するロードセル式はかり(例えばトラックスケール)の二隅補正プログラムの一例の構成を簡略化して示す図である。図1を説明すれば、負荷が均等な重量の複数個の分銅からなる場合に、載置される載台の四隅部を支持する4個のデジタル式ロードセル(DLC)の出力をそれぞれR1 、R2 、R3 、R4 として、載台の一端側の出力RA (=R1 +R2)と、他端側の出力RB (=R3 +R4 )との和であり、載台上の分銅の個数によって異なる和算値Σ(=RA +RB )が算出される。そして、載台が分銅の載置によって実質的に撓まない場合には和算値Σをそのまま総出力値WN とし、載台が許容し得る範囲内で撓む場合には和算値Σを撓み補正して総出力値WN とし、その総出力値WN のフルスケール(FS)に対する比である荷重FS比率Pfsを求める。
【0041】
そして、DLCは、上述したように、作動時には100ミリ秒程度の周期で計測するので、二隅分布の判定手段において、入力される荷重FS比率Pfsと、同じく入力されるDLCの出力RA 、RB によって求められる載台の長手方向への分銅荷重の分布比である二隅分布比αとから、分銅の二隅分布の状態、すなわち分銅が載置されている時の載台上の載置位置や分銅の個数、また分銅が載台上で移動されている時の移動方向や移動位置がリアルに把握、判定され、それぞれの状態に応じてケース番号が割り当てられる。
【0042】
次いで、二隅誤差補正手段によって、上記のケース番号に応じて設定、算出される二隅補正値WE を、次式(1)で示すように、上記の総出力値WN から減じ補正して、負荷の重量Wを載台上の位置に関係なく同等に表示させるようになっている。
W = WN − WE 式(1)
なお、実際には、二隅補正値WE を減じた後に、はかりの固有誤差の補正、感度調整、ロードセル式はかりの設置地域によって異なる重力加速度の補正等の一般的に行われている操作を行い、重量値の移動平均を取り、重量値の振れが安定しバランスしたことを確認した後に重量表示される。また、図1においては図示を省略したが、各DLCは四隅補正されており、かつ各DLCの出力の和算値Σは無負荷時における載台の出力値を差し引いた出力値とされている。
【0043】
図2は図1における「二隅分布の判定」、すなわち、載台の長手方向への分銅の二隅分布の状態の判定フローの全体を示す図である。すなわち、二隅分布の状態は、判定プロセスが開始されると各DLCの出力から上記の荷重FS比率Pfsが算出され、分銅の載置によって生ずる載台の撓み誤差を補正する撓み誤差補正値WB が算出され、その撓み誤差補正値WB によって各DLCの出力の和算値Σを補正して総出力値WN が求められる。そして、総出力値WN が安定しバランスが得られたこと(Yes)を確認した後、Pfsが±20d(デジット、最小目盛)の範囲にあって0目盛に近く無負荷である場合には二隅分布の状態を後述の「ケース10」、すなわち載台の中央部に負荷があるとする開始の状態であるとして後述のケースタイマーを起動させ、Pfs> 20dである場合には直ちにそのまま、次式によって二隅分布比αが求められる。
α =(RA −RB )/(RA +RB )
なお、上記のバランスが不十分で(No)の場合には、図の右側に示されている二隅補正値WE の算出では、直前のケースについて算出が継続される。
【0044】
二隅分布比αの算出の後、二隅分布判定手段であるコンピュータによって算出される上記の荷重FS比率Pfsと二隅分布比αとから、載台上における分銅の二隅分布の状態が、Rmd(ケース番号の決定)において「ケース10」から「ケース72」のまでの24のケースの何れに属するかが決定される。それぞれのケースの詳細は表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
そして、それぞれのケースにおいて後述する判定プログラムに従った判定が実行され、ケース番号が確定すると、図2の左側のRmdにおいて示すよう、また詳しくは拡大して表2に示すように、「ケース10」から「ケース72」までの何れのケースに属するかの判定結果に応じて設定されている計算式に基づいて二隅補正値WE が算出される。そして、処理が完了しないものがある場合には開始へ戻る。
【0047】
【表2】
【0048】
上述した「ケース10」から「ケース72」までの各ケースでの判定プログラムは、以下に示す判定フローに従って行われる。なお、以下の判定フローは‘はかり' の二隅検査時において、フルスケール(FS)40トンのロードセル式はかりに対して1個の重量が5トンの分銅を (1/2)FSに相当する20トン、すなわち、4個の分銅が使用される場合を例示するものである。
なお、以降に説明する判定フローの途中で「ケース10」と判定される場合があるが、その場合において既に「ケース50、51、55、56(これらをまとめてケース5Xと略す)」の判定を経験している場合には、ケース5Xを経験済みとして、繰り返し判定することが回避される。そして、分銅が載台の中央部へ載置され始める「ケース10」においては、分銅の載置の前に、ロードセルの総出力値を0とする操作が行われる。なお、分銅が一端側、または他端側に載置される「ケース20」、「ケース30」においても、分銅の載置が開始される場合を想定して、同様にロードセルの総出力値を0とする操作が行われるようになっている。
【0049】
『ケース10での判定』
分銅が載台の中央部に載置され始め、(1/2) FSに未到達の場合である「ケース10」について、二隅分布の判定は図4に示すフローに従って行われる。
【0050】
すなわち、総出力値WN を読み込み、フルスケールに対する総出力値WN の比である荷重FS比率のPfsが(−)20d〜20dの範囲内にあって0目盛に近い場合には、負荷が存在しないのであるから、『ケ−ス10での判定』に戻される。他方、Pfs>20dであり負荷が存在する場合には、負荷が分銅の2個(=0. 25FS)より小であるか大であるか、すなわち、Pfs≦0.27FSであるか、Pfs>0.27FSであるかが判断される。
【0051】
Pfs≦ 0.27FSである場合には、負荷が分銅2個以下の重量であるから、載置位置が若干変わっても二隅分布比αは変動し易いことを考慮して次のように判定される。
α > 0.3 である場合には、分銅がRA 側へ載置されているとして「ケ−ス20」と判定され、
α <−0.3 である場合には、分銅がRB 側へ載置されているとして「ケ−ス30」と判定され、
|α|≦ 0.3 である場合には、『ケ−ス10での判定』へ戻される。
そして、Pfs> 0.27FSであり、負荷が3個以上の分銅である場合には、「ケース70」であるか否かを判断する「ケースタイマー」を起動させ、負荷の載置に要する時間tが「t≦3秒」である場合には、負荷は‘はかり’の実使用時における被計量体であるとし、「ケース70」と決定される。これは、例えば、タンクローリー等が自走して載台上に乗り上げて計量する場合を想定するものである。
【0052】
他方、負荷載置の所要時間が「t>3秒」である場合には、他動的に個別に載置される検査用の分銅が載置されていると判断され、二隅分布比αによって次のように判定される。
α > 0.2 である場合には、分銅がRA 側へ載置されている「ケ−ス20」と判定され、
α <−0.2 である場合には、分銅がRB 側へ載置されている「 ケ−ス30」 と判定され、
|α|≦ 0.2 である場合には、出力値が分銅によるものであることの確認が行われる。
【0053】
すなわち、|α|≦0.2であって、負荷が分銅4個の重量より小さいPfs≦0.495FSの場合には『ケ−ス10での判定』へに戻され、負荷が分銅4個分に近いPfs> 0.495FSの場合には、更に、分銅4個より大であるPfs≧ 0.505FSであるか、分銅4個に近いPfs< 0.505であるかによって仕分けされて、
Pfs ≧0.505FS である場合には、 『ケ−ス10での判定』に戻され、
Pfs <0.505FS である場合には、「ケース11」と判定される。
【0054】
『ケース11での判定』
分銅が載台の中央部に載置され、(1/2) FSである分銅4個に到達した「ケ−ス11」について、二隅分布の判定は図5に示すフローに従って行われる。
【0055】
すなわち、Pfs≧ 0.505FSであるか、Pfs< 0.505FSであるかによって仕分けして、負荷が分銅4個より大であり、Pfs≧ 0.505FSである場合には、二隅分布比αによって次のように判定される。
α > 0.2 である場合には、「ケ−ス20」と判定され、
α <−0.2 である場合には、「ケ−ス30」 と判定され、
|α|≦ 0.2 である場合には、『ケ−ス11での判定』ヘ戻される。
【0056】
また、Pfs< 0.505FSであり、負荷が分銅4個に近い場合には、分銅の移動が行われているか否かが判断される。すなわち、Pfs≦ 0.495FSとなる場合には分銅が取り除かれたと判断され、続いてPfs≦ 0.27FSであるか、Pfs> 0.27FSであるかによって仕分けして、
Pfs ≦ 0.27FS である場合には、分銅が2個以上除かれたとして「ケース10」と判定される。
Pfs > 0.27FS である場合には分銅1個が除かれたと判断し二隅分布比αによって次のように判定される。
α > 0.2 となる場合には、「ケ−ス20」と判定され、
α <−0.2 となる場合には、「ケ−ス30」 と判定され、
|α|≦ 0.2 となる場合には、その時のW(1/2) FSと総出力値WN との差をWd1 とメモリーして、分銅が中央部から移動されている「ケ−ス12」と判定される。
【0057】
他方、Pfs > 0.495FSである場合には、二隅分布比αによって次のように判定される。
α > 0.2 である場合は、「ケ−ス21」と判定され、
α <−0.2 である場合は、「ケ−ス31」 と判定され、
|α|≦ 0.2 である場合は、『ケース11での判定』へ戻される。
【0058】
『ケース12での判定』
分銅が載台の中央部に載置されて(1/2) FSに到達した後、移動されている場合である「ケース12」についての二隅分布の判定は、図6に示すフローに従って行われる。
【0059】
すなわち、Pfs≧ 0.505FSである場合には「ケース11」と判定され、Pfs< 0.505FSである場合には、更に、Pfs≦ 0.495FSであり分銅が取り除かれたか、または、Pfs> 0.495FSであって移動のために持ち上げられ分銅が再び載台へ載置されたかの判断が行われる。
【0060】
Pfs≦ 0.495FSであり分銅が取り除かれている場合には、更にPfs≦ 0.27FSであるか、Pfs> 0. 27FSであるかによって仕分けして、
Pfs ≦ 0.27FS である場合には、「ケース10」と判定される。
他方、Pfs > 0. 27FS である場合には、 分銅1個が移動中であると判断され、二隅分布比αによって次のように判定される。
α > 0.2 である場合には、「ケ−ス20」と判定され、
α <−0.2 である場合には、「ケ−ス30」 と判定され、
|α|≦ 0.2 である場合は、『ケース11での判定』へ戻される。
【0061】
他方、Pfs > 0.495FSであり、移動のために1個の分銅が持ち上げられ、続いて載台に載置されたと判断される場合には、載置された位置が、その時のRA とRA 側に(1/2) FSを載置した時のRA との差である[RA−RA(1/2)FS]の大きさによって判断される。すなわち、0.18Wd1 をδ、[RA −RA(1/2)FS]をλ1 として、λ1 とδとの大小を比較し、
λ1 > δ である場合には、分銅が中央部からRA 側へ移動されたとして、「ケース40」と判定され、
λ1 ≦ δ である場合には、RB とRB(1/2)FSとの差である[RB −RB(1/2)FS]をλ2 として、λ2 とδとの大小を比較し、
λ2 > δ である場合には、分銅が中央部からRB 側へ移動されたとして、「ケース45」と判定され、
λ2 ≦ δ である場合には、「ケース11」と判定される。
【0062】
『ケース20での判定』
分銅が載台のRA 側に載置されており、(1/2) FSには未到達である「ケース20」について、二隅分布の判定は図7に示したフローに従って行われる。
【0063】
すなわち、Pfs≦ |20d| であって0目盛に近い場合には、負荷が存在しないのであるから、「ケース10」と判定される。他方、Pfs> 20dである場合には、Pfs≦ 0.27FSであるか、Pfs> 0.27FSであるかが判断される。
【0064】
Pfs≦ 0.27FSであり、分銅2個以下であると判断される場合には、二隅分布比αによって次のように判定される。
|α| ≦ 0.3 である場合には「ケ−ス10」と判定され
α <−0.3 である場合には「ケ−ス30」と判定され、
α > 0.3 である場合には『ケース20での判定』へ戻される。
他方、Pfs>0.27FSである場合は、負荷が分銅2個より大であるので「ケース70」であるか否かを判断する「ケースタイマー」によって、分銅2個より大の負荷の載置の所要時間tがt≦3秒である場合には、負荷として‘はかり' の実使用時における被計量体(例えばタンクローリー)の計量が行われている「ケース70」と判定される。
【0065】
また分銅2個より大の以上の負荷の載置時間がt>3秒で、3秒を越える時間を要する場合には、検査用の分銅が載置されているとし、その時の二隅分布比αによって次のように判定される。
|α| ≦ 0.2 である場合には、RA 側にある分銅が中央部へ移動されていると判断して、「ケース10」と判定され、
α <−0.2 である場合には、分銅がRB 側へ移動されているとして、「 ケ−ス30」 と判定され、
α > 0.2 である場合には、『ケース20での判定』に戻すか否かの判断が行われる。
【0066】
すなわち、Pfs≦ 0.495FSであるか、Pfs> 0.495FSであるか、すなわち、分銅4個を基準に仕分けして、
Pfs ≦ 0.495FS である場合には、『ケ−ス20での判定』へに戻され、
Pfs > 0.495FS である場合には、更にPfs ≧0.505FSであるか、Pfs< 0.505FSであるかによって判断される。
すなわち、分銅4個より大であるPfs≧0.505FSである場合には、二隅分布比αによって次のように判定される。
| α| ≦ 0.2 である場合には、分銅が中央部へ移動されていると判断して「ケース10」と判定され、
α <−0.2 である場合には、分銅がRB 側へ移動されているとして「 ケ−ス30」 と判定され、
α > 0.2 である場合には、『ケ−ス20での判定』に戻される。
他方、分銅4個に近いPfs<0.505FSの場合には4個の分銅がRA 側に載置された「ケ−ス21」と判定される。
【0067】
『ケース21での判定』
分銅が載台のRA 側に載置されており、(1/2)FS に到達した場合である「ケース21」について、二隅分布の判定は図8に示すフローに従って行われる。
【0068】
すなわち、先ず、二隅分布比αによって次のように判定される。
|α| ≦ 0.2 である場合には、分銅が中央部へ移動されているとして「ケース10」と判定され、
α <−0.2 である場合には、分銅がRB 側へ移動されているとして「 ケ−ス30」 と判定され、
α > 0.2 である場合には、更にPfs≧0.505FSであるか、Pfs<0.505FSであるかによって判断される。
【0069】
分銅4個より大であるPfs≧ 0.505FSの場合には『ケース21での判定』へ戻され、Pfs< 0.505FSである場合には、続いてPfs≦ 0.495FSであるか、Pfs >0.495FSであるかによって判断され、分銅が取り除かれたPfs≦ 0.495FSの場合には、分銅の移動を判断するべく、Pfs≦ 0.27FSであるか、Pfs> 0.27FSであるかによって仕分けして、Pfs≦ 0.27FSの場合には2個以上の分銅が除かれたとして「ケース10」と判定され、Pfs> 0.27FSの場合には1個の分銅が除かれたと判断し、その時のW(1/2)FSとWN との差である[W(1/2)FS−WN ]をWd2 とメモリーして、「ケース22」と判定される。
他方、Pfs> 0.495である場合には、『ケース21での判定』に戻される。
【0070】
『ケース22での判定』
分銅が載台のRA 側に載置されて(1/2)FS に到達した後、移動されている場合である「ケース22」での二隅分布の状態の判定は図9に示すフローに従って行われる。
【0071】
すなわち、Pfs≧ 0.505FSであるか、Pfs< 0.505FSであるかによって判断し、負荷が分銅4個より大であるPfs≧ 0.505FSの場合には「ケース21」と判定され、分銅4個に近いPfs< 0.505FSの場合には、更に、Pfs≦ 0.495FSであるか、Pfs> 0.495FSであるかによって判断し、Pfs≦ 0.495FSである場合には、分銅の移動を判断するべく、Pfs≦ 0.27FSであるか、Pfs> 0.27FSであるかによって仕分けし、
Pfs ≦ 0.27FS である場合には、2個以上の分銅が取り除かれたとして「ケース10」と判定され、
Pfs > 0.27FS である場合には、1個の分銅が移動中であるとして、『ケース21での判定』へ戻される。
【0072】
他方、Pfs> 0.495FSである場合には、移動のために持ち上げられた分銅が再び載台に載置されたと判断し、0.16Wd2 をρ、0.40Wd2 をγとし、RB とRB(1/2)FSとの差である[RB −RB(1/2)FS]をλ2 として、λ2 とρとの大小を比較し、
λ2 < ρ である場合には、「ケース21」と判定され、
λ2 ≧ ρ である場合には、更にλ2 とγとの大小を比較して、
λ2 ≦ γ である場合には、分銅がRA 側から中央部へ移動されているとして「ケース60」と判定され、
λ2 > γ である場合には、分銅がRA 側からRB 側へ移動されたとして、Flg5Xにおいて次のように判断される。
すなわち、
「ケース5Xでの判定」が既に行われている場合には「ケース21」と判定され、
「ケース5Xでの判定」が未経験の場合には分銅がRA 側で4個の(1/2) FSになった後、RB 側への移動が開始された「ケース50」と判定される。
【0073】
載台のRA 側での『ケース20、21、22での判定』の後、載台のRB 側で『ケース30、31、32での判定』が行われるが、これらは分銅がRA 側にあるかRB 側にあるかの違いであり、判定フローの内容は同様であるので、『ケース30、31、32での判定』の説明は省略する。
【0074】
『ケース40での判定』
分銅が載台の中央部で(1/2) FSに到達した後、中央部からRA 側への移動が開始された「ケース40」について、二隅分布の判定は図10のAに示すフローに従って行われる。
【0075】
すなわち、分銅4個より大であるPfs≧ 0.505FSの場合には「ケース10」と判定され、分銅4個に近いPfs< 0.505FSの場合には、続いて、Pfs≦ 0.495FSであるか、Pfs> 0.495FSであるかによって判断される。分銅が除かれて、Pfs≦ 0.495FSである場合には、更に、Pfs≦ 0.27FSであるか、Pfs> 0.27FSであるかによって仕分けして、
Pfs ≦ 0.27FS である場合には、2個以上の分銅が取り除かれたとして「ケース10」と判定され、
Pfs > 0.27FS である場合には、分銅1個が取り除かれRA側へ移動中であるとして「ケ−ス41」と判定される。
他方、Pfs > 0.495FS である場合には『ケ−ス40での判定』へ戻される。
【0076】
『ケース41での判定』
分銅が載台の中央部で(1/2) FSに到達した後に、中央部からRA 側へ移動されている「ケース41」について、二隅分布の判定は図10のBに示すフローに従って行われる。
【0077】
すなわち、分銅4個より大のPfs≧0.505FSの場合には「ケース10」と判定され、分銅4個に近いPfs<0.505FSの場合には、続いて、Pfs≦0.495FSであるか、Pfs>0.495FSであるかによって判断される。そして、Pfs≦0.495FSである場合には、分銅が移動中であるとして、更に、Pfs≦0.27FSであるか、Pfs>0.27FSであるかによって仕分けして、
Pfs ≦ 0.27FS である場合には、2個以上の分銅が除かれたとして「ケース10」と判定され、
Pfs > 0.27FS である場合には、分銅1個が移動されているとして『ケース40での判定』へ戻される。
【0078】
他方、Pfs>0.495FSである場合には、移動のために持ち上げられた分銅が再び載台へ載置されたと判断し、二隅分布比αによって次のように判定される。
α > 0.4 である場合には、分銅がRA 側へ移動されているとして「 ケ−ス20」 と判定され、
α <−0.4 である場合には、分銅がRB 側へ移動されているとして「 ケ−ス30」 と判定され、
|α| ≦ 0.4 である場合には、『ケース40での判定』へ戻される。
【0079】
上記、載台の中央部からRA 側への移動である『ケース40、41での判定』の後、中央部からRB 側への移動である『ケース45、46での判定』が行われるが、これらは中央部から反対方向への分銅の移動であり、判定フローの内容は同様であるので、『ケース45、46での判定』の説明は省略する。
【0080】
『ケース50での判定』
分銅が載台のRA 側で4個の(1/2) FSに到達した後、RA 側からRB 側へ移動が開始された「ケース50」について、二隅分布の判定は図11のAに示すフローに従って行われる。
【0081】
すなわち、Pfs≧ 0.505FSであるか、Pfs< 0.505FSであるかによって判断して、分銅4個より大であるPfs≧ 0.505FSの場合には「ケース10」と判定され、分銅4個に近いPfs< 0.505FSの場合には、更に、Pfs≦ 0.495FSであるか、Pfs> 0.495FSであるかによって判断される。そして、Pfs≦ 0.495FSである場合には分銅が除かれたとして、更に、Pfs≦ 0.27FSであるか、Pfs>0.27FSであるかによって仕分けして、
Pfs ≦ 0.27FS である場合には、2個以上の分銅が取り除かれたとして「ケース10」と判定され、
Pfs > 0.27FS である場合には、分銅1個が持ち上げられて移動中であるとし「ケ−ス51」と判定される。
他方、Pfs> 0.495FSである場合には『ケース50での判定』へ戻される。
【0082】
『ケース51での判定』
分銅が載台のRA 側で(1/2) FSに到達し、RA 側からRB 側へ移動されている「ケース51」について、二隅分布の判定は図11のBに示すフローに従って行われる。
【0083】
すなわち、分銅4個より大であるPfs≧ 0.505FSの場合には「ケース10」と判定され、分銅4個に近いPfs< 0.505FSの場合には、更に、Pfs≦ 0.495FSであるか、Pfs> 0.495FSであるかによって判断される。そして、Pfs≦ 0.495FSである場合には分銅が移動中であるとして、更に、Pfs≦ 0.27FSであるか、Pfs> 0.27FSであるかによって仕分けして、
Pfs ≦ 0.27FS である場合には、2個以上の分銅が取り除かれたとして「ケース10」と判定され、
Pfs > 0.27FS である場合には、分銅1個が移動されているとして『ケ−ス50での判定』に戻される。
【0084】
他方、Pfs> 0.495FSである場合には、移動のために持ち上げられた分銅が載台へ再び載置されたと判断され、二隅分布比αによって次のように判定される。
α > 0.4 である場合には、分銅がRA 側へ移動されているとして「 ケ−ス20」 と判定され、
α <−0.4 である場合には、分銅がRB 側へ移動されているとして「 ケ−ス30」 と判定され、
|α| ≦ 0.4 である場合には、分銅が中央部へ移動されているとし、「ケース5X」を経験済みとして『ケース50での判定』へ戻される。
【0085】
上記、載台のRA 側からRB 側への分銅の移動である『ケース50、51での判定』の後、RB 側からRA 側への分銅の移動である『ケース55、56での判定』が行われるが、これらは分銅の両端側の間の逆方向の移動であり、判定フローの内容は同様であるので、『ケース55、56での判定』の説明は省略する。
【0086】
『ケース60での判定』
分銅が載台のRA 側で(1/2)FSに到達した後、RA 側から中央部への移動が開始された場合である「ケース60」について、二隅分布の判定は図12のAに示すフローに従って行われる。
【0087】
すなわち、分銅4個より大であるPfs≧ 0.505FSの場合には「ケース10」と判定され、分銅4個に近いPfs< 0.505FSの場合には、続いて、Pfs≦ 0.495FSであるか、Pfs> 0.495FSであるかによって判断される。Pfs≦ 0.495FSである場合には分銅が除かれたとして、更に、Pfs≦0.27FSであるか、Pfs >0.27FSであるかによって仕分けされる。
Pfs ≦ 0.27FS である場合には、2個以上の分銅が除かれたとして「ケース10」と判定され、
Pfs > 0.27FS である場合には、分銅1個が除かれたとして「ケ−ス61」と判定される。
他方、Pfs> 0.495FSである場合には、『ケ−ス60での判定』に戻される。
【0088】
『ケース61での判定』
分銅が載台のRA 側で(1/2)FSに到達し、RA 側から中央部へ移動されている「ケース61」について、二隅分布の判定は図12のBに示すフローに従って行われる。
【0089】
すなわち、Pfs≧ 0.505FSであるか、Pfs< 0.505FSであるかによって判断して、分銅4個より大であるPfs≧ 0.505FSの場合には「ケース10」と判定され、分銅4個に近いPfs< 0.505FSの場合には、続いてPfs≦ 0.495FSであるか、Pfs> 0.495FSであるかによって判断される。そして、Pfs≦ 0.495FSである場合には分銅が移動中であるとして、更に、Pfs≦ 0.27FSであるか、Pfs> 0.27FSであるかによって仕分けして、
Pfs ≦ 0.27FS である場合には、2個以上の分銅が除かれたとして、「ケース10」と判定され、
Pfs > 0.27FS である場合には、分銅1個が除かれ移動中であるとして、『ケ−ス60での判定』に戻される。
【0090】
他方、Pfs> 0.495FSである場合には、移動のために持ち上げられた分銅が載台へ再び載置されたと判断され、二隅分布比αによって次のように判定される。
|α| ≦ 0.13 である場合には、分銅が中央部へ移動されているとして、「 ケース10」と判定され、
α <−0.13 である場合には、分銅がRB 側へ移動されているとして、「 ケ−ス30」 と判定され、
α > 0.13 である場合には『ケ−ス60での判定』へ戻される。
【0091】
上記、載台のRA 側から中央部への移動である『ケース60、61での判定』の後、RB 側から中央部への移動である『ケース65、66での判定』が行われるが、これらはRA 側またはRB 側から中央部への分銅の移動であり、判定フローの内容は同様であるのでケース65、66での判定』の説明は省略する。
【0092】
『ケース70での判定』
Pfs ≦ |20d|である無負荷の状態から所定時間内(例えば3秒以内)に、ロードセルの総出力値が分銅2個以上の0.27FS以上となる被計量物が載台に載置される「ケース70」に付いて、二隅分布の判定は図13のAに示すフローに従って行われる。
【0093】
すなわち、Pfs ≦ 0.27FSであるか、Pfs> 0.27FSであるかによって判断して、分銅2個以下のPfs≦ 0.27FSの場合には「ケース10」と判定され、Pfs> 0.27FSの場合には、続いて、Pfs≦ 0.495FSであるか、Pfs> 0.495FSであるかによって仕分けされる。そして、Pfs> 0.495FSである場合には、被計量物が載台の中央部にある「ケース71」と判定され、分銅4個より小さいPfs≦ 0.495FSである場合には、二隅分布比αによって次のように判定される。
α > 0.2 である場合には、「 ケ−ス20」 と判定され、
α <−0.2 である場合には、「 ケ−ス30」 と判定され、
|α| ≦ 0.2 である場合には、「ケース10」と判定される。
【0094】
『ケース71での判定』
被計量物が載台の中央部にある「ケース71」において、二隅分布の判定は図13のBのフローに示すように二隅分布比αによって次のように判定される。
|α| > 0.2 である場合には、被計量物がRA 側またはRB 側にある「ケース72」と判定され、
|α| ≦ 0.2 である場合には、中央部にあるので『ケ−ス70での判定』に戻される。
【0095】
『ケース72での判定』
被計量物がRA 側またはRB 側にある「ケース72」において、二隅分布の判定は、図13のCのフローに示すように、二隅分布比αによって次のように判定される。
|α| ≦ 0.2 である場合には、「ケース71」と判定され、
|α| > 0.2 である場合には、『ケ−ス10での判定』に戻される。
【0096】
以上、本発明のロードセル式はかりについて、その二隅分布の判定フローを実施例によって説明したが、勿論、本発明はこれに限られることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0097】
例えば本実施例においては、4個の分銅の内の1個が持ち上げられて移動中である場合も含めて分銅の二隅分布の状態を図2に示したように「ケース10」から「ケース72」までの24ケースの中の何れであるかを判定し、それぞれのケースに応じて二隅補正値WE を設定、算出する場合を例示したが、載台上に4個の分銅が存在する「ケース11」、「ケース21」、「ケース31」、「ケース41」、「ケース46」、「ケース51」、「ケース56」、「ケース61」、「ケース66」、「ケース70」の10のケースに限って二隅補正値WE を、設定、算出するようにしてもよい。また、「ケース11」、「ケース21」、「ケース31」、「ケース51」、「ケース56」、の5ケース、すなわち、二隅検査に相当するケースと、載台の撓みが小さくなるケースにおいてのみ二隅補正値WE を設定、算出するようにしてもよい。
【0098】
また本実施例においては、フルスケール40トンのロードセル式はかりに付いて、1個5トンの分銅を4個、総計20トン、すなわち、(1/2) FSの分銅を使用して検査する場合を例示したが、総計20トンに対して1個2トン分銅を10個使用するような場合にも本発明は適用される。また、検査に際して、(1/2) FS以外の分銅、例えば (2/3)FSの分銅を使用して検査する場合にも同様にして本発明は適用され得る。すなわち、検査に使用する分銅の総トン数は限定されない。更には、分銅値を(1/2) FSや(2/3)FSと特定しなくとも、ある分銅値に積載されたことを常に記憶しておき、分銅が載台上を移動する為に、その分銅値が一次的に減少した後、再度同一値に戻るような現象を把握し、その際の二隅分布状態を追跡することにより、二隅補正値を算出することができるので、広範囲に渡って本発明は適用される。
【0099】
また本実施例においては、載台が長方形状である場合を説明したが、コーナーを切り落とした長方形状や長楕円形状など、長手方向が特定される形状のものがある限りにおいて、特に制限されない。
また本実施例においては、分銅以外の負荷である被計量物としてタンクローリーを例示したが、被計量物はタンクローリー以外のもの、例えば各種トラック類、輸送用コンテナ、貨車、構造用柱類ないしはフレーム等であってもよい。
また本実施例においては、デジタル式ロードセルを使用したロードセル式はかりに付いて説明したが、アナログ式ロードセルの使用し、その出力を補正する方法を排除するものではない。
【0100】
【発明の効果】
本発明のロードセル式はかりは以上に説明したような形態で実施され、次に述べるような効果を奏する。
【0101】
請求項1のロードセル式はかりによれば、荷重FS比率と二隅分布比とによって載台上に存在する複数の分銅の二隅分布の状態に応じ適切に設定、算出される二隅補正値または二隅補正係数によってロードセルの総出力値を二隅補正するので、載台上の位置に関係なく、分銅の重量を同等に表示することができる。
請求項2のロードセル式はかりによれば、分銅が載置されている時の載台上の位置や分銅の個数、および分銅が移動されている時の移動の方向や移動の位置に応じて二隅補正値または二隅補正係数が算出されるので、分銅の二隅分布の状態の変化に追従して的確に分銅の重量を同等に表示することができる。
【0102】
請求項3のロードセル式はかりによれば、分銅荷重の二隅分布比がロードセルの一端側の出力RA と他端側の出力RB から簡易に算出されるので、荷重FS比率と二隅分布比とによって、載台上における分銅の二隅分布の状態が常に的確に把握され、正確な二隅補正を可能ならしめる。
請求項4のロードセル式はかりによれば、分銅の載置によって載台が撓まない場合にはロードセルの総出力値を撓み誤差補正するので、載台が撓まない場合は勿論、許容し得る範囲内で撓む場合にも、分銅の重量を的確に表示することができる。
【0103】
請求項5のロードセル式はかりによれば、載台上の分銅の二隅分布の状態に応じて適切な二隅補正値WE を算出し、ロードセルの総出力値WN から二隅補正値WEを減じて補正するので、載台上の位置に関係なく、分銅の重量を同等に表示することができる
請求項6のロードセル式はかりによれば、ロードセルの総出力値の上昇速度によって負荷の種類の判別するで、負荷が検査時の分銅か実使用時の被計量物かを簡易に判別して適切に対応することができ、不要な操作を回避し得る。
請求項7のロードセル式はかりによれば、被計量物の載台上の位置に応じて適切な二隅補正値を算出するので、載台上の位置に関係なく被計量物の重量を的確に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロードセル式はかりにより二隅誤差補正して重量表示するプログラムの構成を概略的に示す図である。
【図2】上記プログラムにおいて、載台上における分銅の二隅分布の状態をケース別けして判定し、その判定に基づいて二隅補正値を算出するフローの全体を示す図である。
【図3】載置された分銅によって載台が撓む時の、荷重FS比率と撓み補正値との関係を示す図であり、Aは撓み補正値が荷重FS比率0〜1の間で変わる場合、Bは荷重FS比率0〜0.8の間で変わる場合を示す。
【図4】ケース10での判定のフローを示す図である。
【図5】ケース11での判定のフローを示す図である。
【図6】ケース12での判定のフローを示す図である。
【図7】ケース20での判定のフローを示す図である。
【図8】ケース21での判定のフローを示す図である。
【図9】ケース22での判定のフローを示す図である。
【図10】Aはケース40での判定のフローを示す図であり、Bはケース41での判定のフローを示す図である。
【図11】 Aはケース50での判定のフローを示す図であり、Bはケース51での判定のフローを示す図である。
【図12】 Aはケース60での判定のフローを示す図であり、Bはケース61での判定のフローを示す図である。
【図13】 Aはケース70、Bはケース71、Cはケース72での判定のフローを示す図である。
【図14】 図14から図19までは‘はかり' の検査時における載台上での分銅の載置および移動の方法の一例を示す図であり、図14は中心振り分けで載台の中央部へ4個の分銅を載置する手順を示す図であって、分銅4個が載置されたEにおいて載台の撓みは最も大きくなる。
【図15】 図14に続いて、中央部の4個の分銅を一端側(図において左側)へ移動させる手順を示す図である。
【図16】 図15に続いて、一端側の4個の分銅を他端側へ移動させる手順を示す図であり、途中のCにおいて載台の撓みは最も小さくなる。
【図17】 図16に続いて、他端側の4個の分銅を中央部へ移動させる手順を示す図である。
【図18】 図17に続いて、中央部の4個の分銅の両側へ交互に分銅を載置して載台の全体で分銅を8個とする手順を示す図である。
【図19】 図18に続いて、8個の分銅を両側から交互に取り除く手順を示す図である。
【図20】 図20から図23までは‘はかり' の検査時における載台上での分銅の載置および移動の方法の他例を示す図であり、図20は中心振り分けで載台の中央部から両端側へ載置し載台全体に8個の分銅を載置する手順を示す図であり、中央部で分銅が4個になる途中のCにおいて載台の撓みは最も大きくなる。
【図21】 図20に続いて、他端(図において右端)から順に分銅を取り除いて、一端側に4個の分銅を残す手順を示す図である。
【図22】 図21に続いて、一端側の4個の分銅を他端側へ移動させる手順を示す図であり、途中のCにおいて載台の撓みは最も小さくなる。
【図23】 図22に続いて、他端側の4個の分銅を取り除く手順を示す図である。
【図24】 四隅部のロードセルによって支持された‘はかり' の長方形の載台の平面図であり、Aは載台の中央部および四隅部の一隅部毎に10トンの荷重を載置した時の4個のロードセルの出力の和算値を載置場所毎に示した図であり、Bは載台の中央部および長手方向の一端部毎に20トンの荷重を載置した時の4個のロードセルの出力の和算値を載置場所毎に示した図である。
【図25】 図24の載台とロードセルを示す側面図であり、Aは無負荷の状態、Bは載置された負荷によって載台が撓むと共に、ロードセルが上部を外側へ傾けられた状態を概念的に示す図である。
【符号の説明】
1 載台
2 分銅
Claims (7)
- 四隅部がそれぞれロードセルによって支持された載台を有するロードセル式はかりにおいて、
負荷が均等な重量の複数個の分銅からなる場合に、前記ロードセル式はかりのひょう量に対する前記載台上の分銅の個数によって異なる分銅荷重の比である荷重フルスケール比率と、前記載台の長手方向への前記分銅荷重の分布比である二隅分布比とによって、前記載台上における前記分銅の二隅分布の状態を判定する二隅分布状態判定手段と、
前記ロードセルの総出力値に付いて、前記二隅分布の状態に応じて設定、算出される二隅補正値を加減、または前記二隅分布の状態に応じて設定、算出される二隅補正係数を乗除して補正する二隅誤差補正手段と、を備えている
ことを特徴とするロードセル式はかり。 - 前記二隅分布の状態として、前記分銅が前記載台の中央部、一端側、または他端側に載置されているケース、および前記分銅が前記中央部から前記一端側または前記他端側へ移動されているケース、前記一端側または前記他端側から前記中央部へ移動されているケース、前記一端側から前記他端側、または前記他端側から前記一端側へ移動されているケースの何れであるかに応じて前記二隅補正値または前記二隅補正係数が設定、算出される
ことを特徴とする請求項1に記載のロードセル式はかり。 - 前記二隅分布比が、前記載台の長手方向の一端側の2個のロードセルの出力の和RA と他端側の2個のロードセルの出力の和RB との差を、RA とRB との和で除した二隅分布比α=(RA−RB)/(RA+RB)として算出される
ことを特徴とする請求項1に記載のロードセル式はかり。 - 前記載台が分銅の載置によって実質的に撓まない場合には前記和算値(RA+RB)をそのまま前記総出力値WN とし、前記載台が許容し得る範囲内で撓む場合には前記和算値(RA+RB)を撓み誤差補正して前記総出力値WN とし、前記総出力値WN を前記二隅分布の状態に応じて設定、算出される二隅補正値WE によって次式(1)で示すように補正して前記分銅の重量Wが表示される
W = WN −WE 式(1)
ことを特徴とする請求項1に記載のロードセル式はかり。 - 前記分銅が前記載台の中央部に載置されているケースでは前記二隅補正値WE は式(2)に示すように0とされ、
WE = 0 式(2)
前記分銅が前記中央部以外で載置または移動されているケースでは、前記二隅補正値WE は式(3)によって求められる値とされ、
WE =WN CE θ 式(3)
ここにおいて、CE は0.0001から0.001までの数値であり、
θは前記分銅が前記一端側または前記他端側に載置されているケースでは、式(4)によって算出され、
θ =[(RA −RB )/n1 WN ]2 式(4)
ここにおいて、n1 =0.1〜0.9
ただし、θ≧1の場合はθ=1、θ≦−1の場合はθ=−1
そして、前記分銅が前記中央部から前記一端側または前記他端側へ移動されているケース、および前記分銅が前記一端側または前記他端側から前記中央部へ移動されているケースでは式(5)によって算出され、
θ =[|RA −RB /n2 WN ]1/2 式(5)
ここにおいて、n2 =0.1〜0.9
ただし、θ≧1の場合はθ=1
前記分銅が前記一端側から前記他端側、または前記他端側から前記一端側へ移動されているケースでは、移動が完了した時点で前記二隅補正値WE が算出され、それまでの間は移動開始前の前記二隅補正値WE が採用される
ことを特徴とする請求項1に記載のロードセル式はかり。 - 前記負荷が前記ロードセル式はかりの被計量物である場合に、前記被計量物と前記分銅との判別が、前記総出力値の上昇速度に基いて行われる
ことを特徴とする請求項1に記載のロードセル式はかり。 - 前記被計量物が載置されている時点では前記二隅補正値WE は0とされ、前記被計量物の位置が定まり、前記中央部にあるケースでは前記二隅補正値WE は式(6)によって算出され、
WE =n3 WN CE 式(6)
ここにおいて、n3 = 0.1〜0.9
前記被計量物が前記一端側または前記他端側にあるケースでは、 前記二隅補正値WE は式(7)によって算出される
WE =n3 WN CE θ 式(7)
ここにおいてθは式(4)による
ことを特徴とする請求項1に記載のロードセル式はかり。
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