JP4992880B2 - 転写ツール保管装置および電子部品実装装置 - Google Patents

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Description

本発明は、転写ヘッドから取り外された転写ツールを保管する装置およびこの転写ツール保管装置を備えた電子部品実装装置に関する。
電子部品実装分野において、転写ヘッドで基板にフラックスや接着剤等のペーストを転写し、これに実装ヘッドで電子部品を搭載する実装装置がある(特許文献1参照)。転写ヘッドは、貯留されたペーストと基板の間を移動し、転写ピン(転写ツール)に付着させたペーストを基板に転写する。転写ツールは基板に搭載する電子部品の種類に応じた大きさや形状のものが用意され、必要に応じて専用のものに交換して使用される。
特開2002−28568号公報
近年、1つの基板に多品種の電子部品を搭載することができるマルチボンダが要請されている。マルチボンダは複数の転写ツールを交換して使用するため、使用後の転写ツールに付着したままとなっている残留ペーストが時間の経過とともに垂れ落ちて周囲の機器等を汚してしまうことがある。マルチボンダは極めて複雑で稠密な構造であるため、機器等の隅間に侵入したペーストの除去や汚れた箇所の清掃は容易なことではない。
本発明は、転写ツールから垂れ落ちたペーストの除去が容易な転写ツール保管装置および電子部品実装装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の転写ツール保管装置は、転写ヘッドから取り外した転写ツールをペーストが付着する部位を下向きにして保管する転写ツール保管部と、前記転写ツール保管部に着脱自在のペースト受け部を備え、前記転写ツールから垂れ落ちたペーストが前記ペースト受け部によって捕捉される。
請求項2に記載の転写ツール保管装置は請求項1に記載の転写ツール保管装置であって、前記ペースト受け部は、一方の端部が閉じられた筒状の部材であり、閉じられた側を下向きにして前記転写ツール保管部に装着する。
請求項3に記載の電子部品実装装置は、請求項1または2に記載の転写ツール保管装置と、電子部品の供給部と、基板の保持部と、ペーストの供給部と、転写ツールを着脱自在に装着する転写ヘッドと、ピックアップした電子部品を基板に搭載する搭載ヘッドを備えた。
使用後の転写ツールから垂れ落ちたペーストは転写ツール保管部に着脱自在のペースト受け部によって捕捉されるので、垂れ落ちたペーストによって機器等が汚れることはなく、ペースト受け部に捕捉されたペーストは、転写ツール保管部からペースト受け部を取り外して容易に除去することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は電子部品実装装置の斜視図、図2は転写ヘッドの側面図(一部断面図)、図3はダイアフラムに供給する圧縮空気
の調圧システムのブロック図、図4は転写ツール保管装置の斜視図、図5は転写ツールの装着方法の説明図である。
最初に電子部品実装装置について図1を参照して説明する。電子部品実装装置1は、ウェハシートホルダ2と、ウェハシートホルダ2に保持されたウェハシート3からチップ4(電子部品)を取り出すピックアップヘッド5と、ウェハシート3から取り出したチップ4を仮置きするチップ中継テーブル6と、ウェハシート3から取り出したチップ4をピックアップヘッド5もしくはチップ中継テーブル6から受け取る実装ヘッド7と、基板8を支持する基板支持テーブル9と、ペースト貯留部10と、ペースト貯留部10に貯留されたペースト接着剤を基板8に転写して供給する転写ヘッド11と、転写ツール12を保管する転写ツール保管装置13と、ウェハシート3に貼着されたチップ4の位置や向きを確認するための第1カメラ14と、チップ中継テーブル6に仮置きされたチップ4の位置や向きを確認するための第2カメラ15と、基板8に設定されたペースト接着剤の塗布位置を確認するための第3カメラ16と、実装ヘッド7が受け取ったチップ4の位置や向きを確認するための第4カメラ17を備えている。
ピックアップヘッド5および実装ヘッド7、転写ヘッド11は、それぞれ独立して鉛直方向および水平方向(第1方向)に移動することができる。これに対しウェハシートホルダ2および基板支持テーブル9は、それぞれ独立して第1方向と、第1方向と水平面内で直交する第2方向に移動することができる。また、チップ中継テーブル6とツール保管部13は第2方向に移動することができる。さらにピックアップヘッド5は水平軸周りに反転し、チップ4を吸着したツール18の姿勢を下向きまたは上向きに変更することができる。
次に転写ヘッド11について図2を参照して説明する。転写ヘッド11は本体部20と転写ツール12を着脱可能に保持する転写ツール保持部21とで構成されている。転写ツール保持部21は本体部20の下方に配置されている。転写ツール保持部21の下端部近くには転写ツール12の上端部近くに形成されている溝22と係合する爪23が軸24によって枢支されている。爪23は転写ツール12を両側から挟んだ位置に対配置されており、弾性部材25によって互いに接近する方向に付勢されている。
本体部20の下端部には軸受け26が装着されている。軸受け26は回転部材27を中心軸28回りに回転自在に軸受けしている。回転部材27には直動部材29が鉛直方向に移動自在に装着されている。転写ツール保持部21は直動部材29の下端に連結されている。従って転写ツール保持部21に装着されている転写ツール12は中心軸28回りに回転自在である。
本体部20の内部にはダイアフラム30が装着されている。ダイアフラム30は外部の圧縮気体発生装置31から供給される圧縮気体によって内圧が上昇し、これにより直動部材29を押し下げる役割を担っている。直動部材29が押し下げられることで転写ツール保持部21には鉛直下方に向けて作用する荷重が付与される。
図3に示すように、圧縮気体発生装置で発生した圧縮気体は2つのレギュレータ32、33によって減圧されてダイアフラム30に送られる。このうち転写用レギュレータ32は比較的低圧に調圧し、転写ツール装着用レギュレータ33はこれより高い圧力に調圧する。転写ヘッド11の本体部20には圧力切替バルブ34と大気開放バルブ35が内蔵されており、転写時には転写用レギュレータ32で調圧された低圧の圧縮気体をダイアフラム30に供給し、転写ツール装着時には転写ツール装着用レギュレータで調圧され高圧の圧縮気体をダイアフラム30に供給する。転写ヘッド11はダイアフラム30に供給する圧縮気体の圧力を低圧または高圧に切り替えることで転写ツール保持部21に付与する荷
重を強弱の2通りに調整することができる。
ペースト接着剤の転写時には転写ヘッド11を鉛直下方に移動させ、最下端に装着されている転写ツール12の先端部(下端部)を基板8に当接させることで転写ツール12の先端部に付着しているペースト接着剤を基板8に転写する。このときダイアフラム30には低圧の圧縮空気が供給されており、転写ツール保持部21には弱い荷重しか付与されていないので、転写ツール12が基板8に接触したときに生じる衝撃荷重は大幅に緩和される。これにより転写ツール12や基板8の変形や破損等の発生を防止することができ、転写ツール12の寿命が延びるとともに転写の品質も向上する。
次に転写ツール保管装置13について図4を参照して説明する。転写ツール保管装置13は、転写ツール保管部40と、ペースト受け部41と、ストッパ42とで構成されている。転写ツール保管部40の上面にはペースト受け部41を挿入する縦穴43が設けられている。縦穴43は第1方向に2列、第2方向に等間隔で複数配列されている。ペースト受け部41は一方の端部が閉じられた筒状の部材であり、閉じられた側を下向きにして縦穴43に挿入され、外周に装着されたゴムリング44によって縦穴43の内側に固定される。
転写ツール12はペースト接着剤が付着した先端部45をペースト受け部41に挿入し、鍔部46を転写ツール保管部40の上面に載せた状態で保管するため、ペースト受け部41は縦穴43に挿入された状態で転写ツール保管部40の上面より上方に突出せず、またペースト受け部41に挿入された先端部45が底付きしないような長さに形成されている。転写ツール12はペースト受け部41によって先端部45の側方と下方が覆われた状態で保管されるので、先端部45に付着したペースト接着剤はペースト受け部41によって転写ツール保管部40と遮断され、垂れ落ちてしまった場合であってもペースト受け部41によって捕捉され、転写ツール保管装置13を汚すことはない。縦穴43に挿入されたペースト受け部41は、上端に形成されている切り欠き溝47に取り出し治具48のピン49を係合させて縦穴43から取り出し、内部に溜まったペースト接着剤を除去したり、洗浄を施すことができる。
転写ツール保管装置13には実装ヘッド7またはピックアップヘッド5で使用するツールも同様に保管できるようになっており、その配置は自由に設定できる。したがって、ペースト受け部41は転写ツール保管装置のいずれの縦穴43にも挿入可能となっている。
ストッパ42は保管された転写ツール12を取り出し可能または不能に切り替える装置である。ストッパ42には転写ツール12の鍔部46と鉛直方向に干渉し合う爪部50が備わっており、ストッパ42を第2方向において移動させることで爪部50が鍔部46に対して移動し、両者の位置関係が係合関係または非係合関係に切り替わる。爪部50と鍔部46とが干渉し合わない位置関係にあるとき、すなわち非係合関係にあるときに転写ヘッド11に装着した転写ツール12を取り出すことができる。
転写ヘッド11に転写ツール12を装着するには、最初に装着しようとする転写ツール12の鉛直上方に転写ツール保持部21を位置合わせし(図5a)、次に転写ヘッド11を鉛直下方に移動させ、転写ツール保持部21の爪23を転写ツール12の溝22に係合させる(図5b)。そして転写ヘッド11を鉛直上方に移動させ、転写ツール12を転写ツール保管装置13から取り出す。ストッパ42の爪部50と転写ツール12の鍔部46が非係合関係にあれば、転写ツール12は転写ヘッド11の移動に追従し、転写ツール保管装置13から取り出すことができるが、両者が係合関係にあれば転写ツール12は転写ヘッド11の移動に追従できずに転写ツール保管装置13に残る。従って、転写ヘッド11に既に装着されている転写ツール12を別のものに交換する場合には、装着されている
転写ツール12を空いているペースト受け部41に挿入し、係合関係に切り替えて転写ヘッド11から転写ツール12を離脱させた後に新たな転写ツール12を装着することになる。
爪23を溝22に係合させるためには一対の爪23の間を転写ツール12の上端部の径の大きさになるまで広げる必要がある。一対の爪23は転写ツール12の上端部に押し付けられると自ずと間隔が広がるように設計されているが、弾性部材25によって互いに近接する方向に付勢されているので、この付勢力に抗するだけの荷重を転写ツール保持部21に付与しなければならない。この荷重は転写時に必要な荷重より大きいので、転写ツール装着時には転写時の圧力より高圧の圧縮気体をダイアフラム30に供給しなければならない。
通常の転写作業時には転写用レギュレータ32で調圧された圧縮気体がダイアフラム30に供給されているので、転写ツール12を交換する際には転写ツール装着用レギュレータ33で調圧された圧縮気体がダイアフラム30に供給されるように圧力切替バルブ34の切り替えを行う。転写ツール12の交換作業が終了したら、ダイアフラム30内の高圧の圧縮気体を大気開放した後に圧力切替バルブ34の切り替えによって低圧の圧縮気体がダイアフラム30に供給されるようにした後に転写作業を再開する。
本発明は1つの基板に多品種の電子部品を搭載する実装分野において有用である。
電子部品実装装置の斜視図 転写ヘッドの側面図(一部断面図) ダイアフラムに供給する圧縮空気の調圧システムのブロック図 転写ツール保管装置の斜視図 転写ツールの装着方法の説明図
符号の説明
1 電子部品実装装置
2 ウェハシートホルダ
4 チップ
7 実装ヘッド
8 基板
9 基板支持テーブル
10 ペースト貯留部
11 転写ヘッド
12 転写ツール
13 転写ツール保管装置
41 ペースト受け部

Claims (3)

  1. 転写ヘッドから取り外した転写ツールをペーストが付着する部位を下向きにして保管する転写ツール保管部と、前記転写ツール保管部に着脱自在のペースト受け部を備え、
    前記転写ツールから垂れ落ちたペーストが前記ペースト受け部によって捕捉されることを特徴とする転写ツール保管装置。
  2. 前記ペースト受け部は、一方の端部が閉じられた筒状の部材であり、閉じられた側を下向きにして前記転写ツール保管部に装着することを特徴とする請求項1に記載の転写ツール保管装置。
  3. 請求項1または2に記載の転写ツール保管装置と、電子部品の供給部と、基板の保持部と、ペーストの供給部と、転写ツールを着脱自在に装着する転写ヘッドと、ピックアップした電子部品を基板に搭載する搭載ヘッドを備えたことを特徴とする電子部品実装装置。
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