JP4992641B2 - 回転角検出装置および回転角検出方法 - Google Patents

回転角検出装置および回転角検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転角検出装置および回転角検出方法に関するものである。
回転軸の回転角を磁気により測定するための従来の技術としては、回転軸を挟んで対向した一対の静止した磁石と、この一対の磁石の間に配置され回転軸上に設けられた1つの磁気センサとを備え、回転する磁気センサが磁石間の磁界を検出するものがある。このような装置では、一対の磁石の間に配置された磁気センサが回転軸と共に回転し、回転に応じて磁気センサからの出力信号が変化するので、出力信号の大きさに基づいて回転軸の回転角を知ることができる。回転角を磁気により測定する装置の例としては、例えば特許文献1に開示されたものある。
特許第3264151号公報
しかしながら、上述した構成の回転角検出装置においては、磁界を検出する磁気センサが1つであるために、±45°の角度範囲でしか高い計測精度を得ることができない。そのため、回転軸の一周をつうじて回転角を精度良く検出することが困難となる。
本発明は、上記した問題点を鑑みてなされたものであり、回転軸の一周をつうじて回転角を精度良く検出できる回転角検出装置および回転角検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による回転角検出装置は、回転軸の回転角を検出する回転角検出装置であって、回転軸の径方向に並置されて互いに対向する一対の磁石によって第1、第2および第3の磁界をそれぞれ発生し、回転軸の周方向に並んで配置された第1、第2および第3の磁界発生部と、第1、第2および第3の磁界発生部における一方の磁石の回転軌跡と他方の磁石の回転軌跡との間に位置し、回転軸の周方向に並置された複数の磁気センサと、を備え、回転軸の回転に応じて、第1、第2および第3の磁界発生部と複数の磁気センサとが相対的に回転し、第1および第2の磁界の方向が回転軸に対して外向き且つ第3の磁界の方向が回転軸に対して内向き、或いは、第1および第2の磁界の方向が回転軸に対して内向き且つ第3の磁界の方向が回転軸に対して外向きであり、複数の磁気センサは、第1および第2の磁気抵抗効果素子をそれぞれ有しており、第1の磁気抵抗効果素子のピン層の磁化方向は回転軸の径方向と交差しており、第2の磁気抵抗効果素子のピン層の磁化方向は回転軸の径方向に沿っていることを特徴とする。
また、本発明による回転角検出方法は、回転軸の回転角を検出する方法であって、回転軸の径方向に並置されて互いに対向する一対の磁石によって第1、第2および第3の磁界をそれぞれ発生する第1、第2および第3の磁界発生部を、回転軸の周方向に並んで配置し、第1および第2の磁気抵抗効果素子を各々有する複数の磁気センサを、第1、第2および第3の磁界発生部における一方の磁石の回転軌跡と他方の磁石の回転軌跡との間に位置するように回転軸の周方向に並置し、回転軸の回転に応じて第1、第2および第3の磁界発生部と複数の磁気センサとを相対的に回転させ、第1および第2の磁界の方向が回転軸に対して外向き且つ第3の磁界の方向が回転軸に対して内向き、或いは、第1および第2の磁界の方向が回転軸に対して内向き且つ第3の磁界の方向が回転軸に対して外向きとなるように一対の磁石を配置し、第1の磁気抵抗効果素子のピン層の磁化方向を回転軸の径方向と交差させるとともに第2の磁気抵抗効果素子のピン層の磁化方向を回転軸の径方向に沿わせ、第1の磁気抵抗効果素子によって第1および第2の磁界を検出し、第2の磁気抵抗効果素子によって第3の磁界を検出することにより回転軸の回転角を検出することを特徴とする。
上記した回転角度検出装置および回転各検出方法においては、複数の磁気センサが、第1、第2および第3の磁界発生部における一方の磁石の回転軌跡と他方の磁石の回転軌跡との間に位置し、回転軸の周方向に並置される。また、各磁気センサが有する第1の磁気抵抗効果素子のピン層の磁化方向が回転軸の径方向と交差している。これにより、磁界発生部が各磁気センサを通過する際に回転角に比例した出力信号を各磁気センサから得ることができるので、各磁気センサからの出力信号を合成することによって、回転軸の一周をつうじて回転角を精度良く得ることができる。更に、第3の磁界発生部における第3の磁界の向き(回転軸に対して内向き/外向き)が第1、第2の磁界発生部における第1、第2の磁界の向きと異なっており、第2の磁気抵抗効果素子のピン層の磁化方向が回転軸の径方向に沿っている。これにより、第2の磁気抵抗効果素子は、第3の磁界を第1、第2の磁界とは区別して検出することができる。したがって、例えば第1および第2の磁気抵抗効果素子を含む信号処理回路への電源供給が停止し、その後再起動が行われたときに、停止時の状態が起動時まで維持されていない場合でも、第3の磁界を検出している磁気センサを容易に特定できるので、別の磁気センサにおいて検出された磁界が第1、第2の磁界の何れであるかを容易に判断できる。従って、上記した回転角検出装置および回転角検出方法によれば、回転軸の一周をつうじて回転角を精度よく検出できる。
また、回転角検出装置は、第1および第2の磁界発生部が、第1および第2の磁界発生部の間に回転軸が位置するように配置されていることを特徴としてもよい。これにより、磁気センサは、第1の磁界発生部において半周分の角度を検出し、第2の磁界発生部において残りの半周分の角度を検出できる。
また、回転角検出装置は、第1、第2および第3の磁界発生部における一対の磁石が、回転軸の周方向に沿って円弧状に湾曲する形状を有することを特徴としてもよい。これにより、磁気センサと一対の磁石との距離が該磁石の一端から他端に亘ってほぼ等しくなり、磁気センサ周辺の磁場の大きさを一定にできる。或いは、第1、第2および第3の磁界発生部における一対の磁石が、回転軸の径方向と交差する方向に沿って延伸する形状を有してもよい。
また、回転角検出装置は、第3の磁界発生部の周方向位置と、第1もしくは第2の磁界発生部の周方向位置とが成す回転軸周りの角度は、隣り合う磁気センサ同士が成す回転軸周りの角度の3/2倍±5°以内であることを特徴としてもよい。これにより、第1又は第2の磁界発生部の一対の磁石間に存在する磁気センサと隣り合う磁気センサが、第3の磁界発生部の一対の磁石間に好適に存在することができる。
なお、本願で言う一対の磁石とは概ね平行な磁場を発生するものであれば良く、一対の永久磁石を径方向に並置する、或いは、永久磁石とヨークを径方向に並置するものであっても良い。
本発明による回転角検出装置および回転角検出方法によれば、回転軸の一周をつうじて回転角を精度良く検出できる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による回転角検出装置および回転角検出方法の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明による回転角検出装置の一実施形態を示す図である。図1(a)は回転角検出装置1の平面図を示しており、図1(b)は図1(a)に示すI−I線に沿った側面断面図を示している。なお、図1(a)において回転軸Rの軸方向は紙面に垂直な方向であり、図1(a)は回転軸Rの軸方向から回転角検出装置1を見た図となっている。また、図1(b)において回転軸Rの軸方向は紙面の上下に延びており、図1(b)は回転軸Rの中心軸線を含む断面を示している。
本実施形態に係る回転角検出装置1は、回転軸Rに取り付けられており、該回転軸Rの回転角を検出する装置である。図1(a)、図1(b)に示すように、回転角検出装置1は、第1の磁界発生部2と、第2の磁界発生部3と、第3の磁界発生部4と、磁気センサ5a〜5dと、支持材15とを備えている。支持材15は、樹脂製の円形(或いは略正方形)平板状の部材である。支持材15の中央部分には、回転軸Rが、その軸方向と支持材15の厚さ方向とが一致するように挿通されており、支持材15と回転軸Rとが互いに固定されている。第1、第2および第3の磁界発生部2,3,4は、支持材15に固定され、回転軸Rと共に回転する。なお、第1、第2および第3の磁界発生部2,3,4の相対位置は、回転軸Rの回転によらず一定である。
第1の磁界発生部2は、回転軸Rの径方向に並置された一対の磁石6,7によって構成されている。第2の磁界発生部3は、回転軸Rの径方向に並置された一対の磁石8,9によって構成されている。第3の磁界発生部4は、回転軸Rの径方向に並置された一対の磁石10,11によって構成されている。第1、第2および第3の磁界発生部2,3,4は、回転軸Rの周方向に並置されている。第1および第2の磁界発生部2,3は、回転軸Rが第1および第2の磁界発生部2,3の間に位置するように回転軸R周りに180°の間隔で配置されている。第3の磁界発生部4は、第1の磁界発生部2又は第2の磁界発生部3の周方向位置を基準とした回転軸R周りの角度が磁気センサ5a〜5dの並置される角度の3/2倍±5°以内であり、例えば磁気センサ同士の成す角度が45°である場合、67.5°の角度を成すように配置されている。磁石6〜11は、回転軸Rの径方向と交差する方向に沿って延伸する棒状のフェライト磁石又はネオジム磁石である。磁石6〜11の長手方向の幅は、磁気センサ5a〜5dが検出する角度(すなわち磁気センサ同士の成す角度)よりも10°以上大きい角度をカバーする幅であり、磁気センサ5a〜5dの検出角度を例えば45°とすると、磁石6〜11は55°以上カバーできる幅を有する。第1および第2の磁界発生部2,3の磁石6〜9は、回転軸Rの径方向と交差する長手方向の一方の側面にN極6a,7a,8a,9aを有し、他方の側面にS極6b,7b,8b,9bを有する。また、第3の磁界発生部4は、回転軸Rの径方向と交差する長手方向の一方の側面にS極10b,11bを有し、他方の側面にN極10a,11aを有する。
第1の磁界発生部2は、磁石6,7のN極6aとS極7bとが互いに対向するように支持材15に固定されて第1の磁界を発生しており、磁界の方向は回転軸Rに対して外向きである。第2の磁界発生部3は、磁石8,9のN極8aとS極9bとが互いに対向するように支持材15に固定されて第2の磁界を発生しており、第1の磁界と同様に磁界の方向は回転軸Rに対して外向きである。また、第3の磁界発生部4は、磁石10,11のS極10bとN極11aとが互いに対向するように支持材15に固定されて第3の磁界を発生しており、磁界の方向は、回転軸Rに対して内向きである。
磁気センサ5a〜5dは、磁石6〜11の間の磁界を検出するためのセンサである。磁気センサ5a〜5dは、磁石6,8,10の回転軌跡と磁石7,9,11の回転軌跡との間に位置し、回転軸Rの周方向に並置されており、図示しない支持構造によって定位置に支持・固定され、回転軸Rの回転とは関係なく静止している。なお本実施形態では、磁気センサ5a〜5dは、隣り合う磁気センサの周方向位置同士が回転軸周りに45°の角度を成すように配置されている。図2に、本実施形態において用いられる磁気センサ5a〜5dの構成を示す。図2に示すように、磁気センサ5a〜5dは、巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto Resistive)素子20,21を少なくとも有している。GMR素子20,21は、同一のパッケージ内に隣り合わせで配置されている。これら一対のGMR素子20,21は、本実施形態における第1および第2の磁気抵抗効果素子に相当し、GMR素子20のピン層20aの磁化方向B1は回転軸Rの径方向と交差する(好ましくは直交する)方向に固定されており、GMR素子21のピン層21aの磁化方向B1は回転軸Rの径方向に沿うように(好ましくは径方向と平行に)固定されている。
続いて、磁気センサ5a〜5dの構成について更に詳細に説明する。図3は、GMR素子の概念的な構成および作用を示す図である。図3に示すGMR素子22は、強磁性層および反強磁性層の交換結合により磁化方向が固定されたピン層22aと、強磁性層からなり周囲の磁界によって磁化方向が変化するフリー層22bと、ピン層22aおよびフリー層22bに挟まれた電子誘導層22cとによって構成されている。そして、ピン層22aの磁化方向B1とフリー層22bの磁化方向B2とが互いに平行である場合に素子の電気抵抗が最小となり、ピン層22aの磁化方向B1とフリー層22bの磁化方向B2が互いに反平行である場合に素子の電気抵抗値が最大となる。従って、GMR素子22の電気抵抗値を検出することにより、磁界の向きを知ることができる。例えば、図3(a)および(b)に示すようにピン層22aの磁化方向B1が磁石16のN極16aから磁石17のS極17bへの向きに固定されている場合を考える。図3(a)のようにGMR素子22が磁石16,17のN極16aとS極17bとの間に挟まれると、フリー層22bの磁化方向B2は周囲の磁界に従って磁石16のN極16aから磁石17のS極17bへの向きとなり、磁化方向B1と平行となって電気抵抗値が最小となる。逆に、図3(b)のようにGMR素子22が磁石16のS極16bと磁石17のN極17aとの間に挟まれると、フリー層22bの磁化方向B2は周囲の磁界に従って磁石17のN極17aから磁石16のS極16bへの向きとなり、磁化方向B1と反平行となって電気抵抗値が最大となる。
図4(a)および(b)は、図2に示したGMR素子20,21におけるピン層20a,21aの磁化方向の設定を示す図である。また、図5は、GMR素子20,21のピン層20a,21aの磁化方向B1に対する磁化方向B2の角度に応じた出力信号値を概念的に示すグラフである。図5においては、図4(a)に示す状態を回転角0°としている。いま、図4(a)に示すように回転軸Rの径方向と直交する方向に沿ってピン層20aの磁化方向B1を設定した場合、回転角0°ではピン層20aの磁化方向B1が磁界の向き(N極6aからS極7bへ)と直交しており、図5に示すようにGMR素子20からの出力信号は中間値となる。このような場合、GMR素子20は、図5の中間値からグラフの四角で囲った部分、すなわち±22.5°の範囲では、回転角度にほぼ比例する信号を出力する。
なお、図4(b)に示すように回転軸Rの径方向と平行にピン層21aの磁化方向B1を設定した場合、回転角0°ではフリー層21bの磁化方向B1が磁界の向き(N極6aからS極7bへ)と逆となる。このような場合、GMR素子21は、図5に示すグラフの最小値を出力するが、この信号は無視される。
磁気センサ5a〜5dのGMR素子20は、図5に示すグラフにおいて、337.5〜22.5°(第1の磁界発生部2)もしくは157.5〜202.5°(第2の磁界発生部3)といった角度幅45°の範囲において角度にほぼ比例した信号を出力する。図6に、各磁気センサ5a〜5dのから出力された信号(電圧)のグラフを示す。図6の縦軸は、出力信号の電圧[V]であり、横軸は回転角[度]である。また、縦軸のAの範囲は第1の磁界発生部2において磁気センサ5a〜5dのGMR素子20が検出した出力信号の範囲であり、各磁気センサ5a〜5dからの出力信号と回転角との相関を直線状に合成する為に、必要に応じて出力信号にバイアスを付加している。また、Bの範囲は第2の磁界発生部3において磁気センサ5a〜5dのGMR素子20が検出した出力信号の範囲であり、各磁気センサ5a〜5dからの出力信号と回転角との相関を直線状に合成する為に、必要に応じて出力信号にバイアスを付加している。図6に示すように、例えばA1は第1の磁界発生部2において磁気センサ5aから出力される信号(電圧)が適用される角度範囲であり、A2は第1の磁界発生部2において磁気センサ5bから出力される信号が適用される角度範囲である。また、B1は第2の磁界発生部3において磁気センサ5aから出力される信号が適用される角度範囲であり、B2は第2の磁界発生部3において磁気センサ5bから出力される信号が適用される角度範囲である。このように、検出された出力信号を差動増幅回路において増幅し、45°の間隔でバイアスを印加することで、図6に示すように360°にわたって回転角に比例する信号を得ることができる。
次に、GMR素子21による第1、第2および第3の磁界の検出について説明する。GMR素子21は、第1の磁界発生部2の一対の磁石6,7間および第2の磁界発生部3の一対の磁石8,9間を通過する場合と、第3の磁界発生部4の一対の磁石10,11間を通過する場合とでは出力信号が異なる。これは、第1および第2の磁界発生部2,3の磁界の方向は回転軸Rに対して外向きであり、第3の磁界発生部4の磁界の方向は回転軸Rに対して内向きであるためである。すなわち、図4(b)の説明において述べたように、GMR素子21が第1、第2の磁界発生部2,3を通過する際には、磁界とピン層21aの磁化方向B1とが反平行状態となるのでGMR素子21からの出力信号は最小値となる。一方、GMR素子21が第3の磁界発生部4を通過する際には、磁界とピン層21aの磁化方向B1とが平行状態となるのでGMR素子21からの出力信号は最大値となる。これにより、磁気センサ5a〜5dのGMR素子21は、第3の磁界発生部4を選択的に検知することができる。
以下、回転角の検出について更に具体的に説明する。図7は、回転角度が0°の位置関係を示す図である。この場合、第1の磁界発生部2の一対の磁石6,7間に磁気センサ5aがあり、第2の磁界発生部3の一対の磁石8,9間に磁気センサ5dがある。このとき、磁気センサ5aは回転角0°を検出し、磁気センサ5dは回転角135°を検出している。この場合、第3の磁界発生部4の一対の磁石10,11間に磁気センサ5bがあるので、隣り合う磁気センサ5aが出力する信号を採用する(図6のα点)。
また、図8は、回転角度が45°の位置関係を示す図である。図8に示すように、第1の磁界発生部2の一対の磁石6,7間に磁気センサ5a,5bがあり、このとき磁気センサ5a,5bが回転角45°を検出している(図6のβ点)。この場合、第3の磁界発生部4の一対の磁石10,11間に磁気センサ5cがあるので、隣り合う磁気センサ5bが出力する信号を採用する。すなわち、2つの磁気センサ5a,5bが第1の磁界発生部2の一対の磁石6,7間に存在する場合には、磁気センサ5a,5bの切り替え時であり、回転角検出装置1の信号処理回路側において判定することもできる。
図9は、回転角度が202.5°の位置関係を示す図である。図9に示すように、第2の磁界発生部3の一対の磁石8,9間に磁気センサ5aがある。このとき、磁気センサ5aは回転角22.5°を検出している。この場合、第1の磁界発生部2の一対の磁石6,7および第3の磁界発生部4の一対の磁石10,11間に磁気センサ5b,5c,5dが存在しないので、磁気センサ5aが正しい角度を検出していると判断する。そして、第3の磁界発生部4の磁界が何れの磁気センサにおいても検出されないので、第2の磁界発生部3の磁界が磁気センサ5aにより検出されていると判別でき、180°が加算されて202.5°であると信号回路側によって判断される。
また、図10は、回転角度が225°の位置関係を示す図である。図10に示すように、第2の磁界発生部2の一対の磁石6,7間に磁気センサ5a,5bがある。このとき、磁気センサ5a,5bが回転角45°を検出している。そして、第3の磁界発生部4の磁界が何れの磁気センサにおいても検出されないので、第2の磁界発生部3の磁界が磁気センサ5a,5bにより検出されていると判別でき、180°が加算されて225°であると信号回路側によって判断される。
本実施形態による回転角検出方法は、以上の構成を備える回転角検出装置1を用いて好適に実施できる。すなわち、本実施形態による回転角検出方法は、回転軸Rの回転角を検出する方法であって、回転軸Rの径方向に並置されて互いに対向する一対の磁石6〜11によって第1、第2および第3の磁界をそれぞれ発生する第1、第2および第3の磁界発生部2,3,4を、回転軸Rの周方向に並んで配置された状態で回転軸Rと共に回転させる。そして、GMR素子20,21を各々有する複数の磁気センサ5a〜5dを、第1、第2および第3の磁界発生部2,3,4における一方の磁石6,8,10の回転軌跡と他方の磁石7,9,11の回転軌跡との間に位置するように回転軸Rの周方向に並置し、第1および第2の磁界の方向が回転軸Rに対して外向き且つ第3の磁界の方向が回転軸に対して内向きにし、GMR素子20のピン層20aの磁化方向B1を回転軸の径方向と交差させるとともにGMR素子21のピン層21aの磁化方向B1を回転軸Rの径方向に沿わせ、GMR素子20によって第1および第2の磁界を検出し、GMR素子21によって第3の磁界を検出することにより回転軸Rの回転角を検出する。
本実施形態の回転角検出装置1および回転角検出方法においては、複数の磁気センサ5a〜5dが、第1、第2および第3の磁界発生部2,3,4における一方の磁石6,8,10の回転軌跡と他方の磁石7,8,11の回転軌跡との間に位置し、回転軸Rの周方向に並置される。また、各磁気センサ5a〜5dが有するGMR素子20のピン層20aの磁化方向B1が回転軸Rの径方向と直交している。これにより、各磁界発生部2,3,4が各磁気センサ5a〜5dを通過する際に回転角に比例した出力信号を各磁気センサ5a〜5dから得ることができるので、各磁気センサ5a〜5dからの出力信号を合成することによって、回転軸Rの一周をつうじて回転角を精度良く得ることができる。更に、第3の磁界発生部4における第3の磁界の向き(回転軸に対して内向き/外向き)が第1、第2の磁界発生部2,3における第1、第2の磁界の向きと異なっており、GMR素子21のピン層21aの磁化方向B1が回転軸Rの径方向に沿っている。これにより、GMR素子21は、第3の磁界を第1、第2の磁界とは区別して検出することができる。したがって、例えばGMR素子20,21を含む信号処理回路への電源供給が停止し、その後再起動が行われたときに、停止時の状態が起動時まで維持されていない場合でも、第3の磁界を検出している磁気センサ5a〜5dを容易に特定できるので、別の磁気センサ5a〜5dにおいて検出された磁界が第1、第2の磁界の何れであるかを容易に判断できる。このように、上記した回転角検出装置および回転角検出方法によれば、回転軸Rの一周をつうじて回転角を精度よく検出できる。
次に、本発明者が本実施形態の回転角検出装置1を試作し、回転軸Rの回転角を検出した結果について説明する。
図11(a)は、図1に示した配置における、各磁気センサ5a〜5dのGMR素子20からの337.5°〜22.5°における出力信号(電圧)を示すグラフである。また、図11(a)には理想的な計算値も示されている。また、図11(b)は、図11(a)に示したGMR素子20の出力信号と理想値との角度誤差[度]を示すグラフである。337.5°〜22.5°の範囲においては、実測値と計算値とに格段の差がないことが分かる。そして、角度誤差においても、理想値との差がおよそ±0・30[度]であり、理想的な計算値とほとんど差がない。このことから、図1のように配置し、GMR素子21の飽和領域の磁界を検出する場合には、磁気センサ5a〜5dからの出力信号が理想値に近づくことが見出された。
また、図12(a)は、図1に示した配置における、各磁気センサ5a〜5dのGMR素子20からの157.5°〜202.5°における出力信号(電圧)を示すグラフである。また、図12(a)には理想的な計算値も示されている。また、図12(b)は、図12(a)に示したGMR素子20の出力信号と理想値との角度誤差[度]を示すグラフである。157.5°〜202.5°の範囲においても、実測値と計算値とにほとんど差がないとことが分かる。そして、角度誤差においても、理想値との差がおよそ±0・20[度]であり、検出された回転軸の回転角が理想的な計算値に近いことが分かる。このことから、図1のように配置し、GMR素子20の飽和領域の磁界を検出することにより、磁気センサ5a〜5dからの出力信号が理想値に近づくことが見出された。
図13は、GMR素子20のH−R(磁界−電気抵抗)曲線を示す図である。この実施形態においては、GMR素子20のH−R曲線における飽和領域側のみの磁界を利用して回転軸Rの回転角を検出した。図13に示すように、飽和領域は、例えばGMR素子20が180°から±22.5度(157.5°、202.5°)の時にH−R曲線を概ね直線で近似した場合の直線Lから外れる点を変曲点と規定し、変曲点よりも外側となる領域である。GMR素子20は、飽和領域側の磁界のみを検出対象として設定する。図14は、GMR素子20の飽和領域および非飽和領域における回転角の検出値と、理想的な計算値との誤差を示すグラフである。図14に示すように、非飽和領域において検出された回転角度の誤差は、計算値に対して±2.50[度]の範囲内であるのに対し、飽和領域において検出された回転角度の誤差は±0.50[度]の範囲内に収まっている。
本発明による回転角検出装置および回転角検出方法は、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、磁石6〜11が回転軸Rの径方向と交差する方向に沿って延伸する棒状のものを用いたが、湾曲した磁石を用いてもよい。これにより、磁気センサと一対の磁石との距離が該磁石の一端から他端に亘ってほぼ等しくなり、磁気センサ周辺の磁場の大きさを一定にできる。
また、上記実施形態では第1および第2の磁界の向きを回転軸Rに対して外向きとし、第3の磁界の向きを回転軸Rに対して内向きとしたが、第1および第2の磁界の向きを回転軸Rに対して内向きとし、第3の磁界の向きを回転軸Rに対して外向きとしてもよい。
また、上記実施形態では第1、第2および第3の磁界発生部を回転させる構造としたが、複数の磁気センサを回転させる構造としてもよい。
本発明による回転角検出装置の一実施形態の構成を示す図である。(a)回転角検出装置の平面図を示している。(b)(a)に示すI−I線に沿った側面断面図を示している。 本実施形態において用いられる磁気センサの構成を示す図である。 GMR素子の概念的な構成および作用を示す図である。 (a)(b)図2に示したGMR素子におけるピン層の磁化方向の設定例を示す図である。 図4(a)の設定に対応するGMR素子からの出力信号値を概念的に示すグラフである。 各磁気センサから出力された信号を合成した結果を示すグラフである。 回転角0°における各磁界発生部と磁気センサとの位置関係を示す図である。 回転角45°における各磁界発生部と磁気センサとの位置関係を示す図である。 回転角202.5°における各磁界発生部と磁気センサとの位置関係を示す図である。 回転角225°における各磁界発生部と磁気センサとの位置関係を示す図である。 (a)図1に示した配置における、GMR素子からの出力信号を示すグラフである。(b)(a)に示したGMR素子の出力信号と理想値との角度誤差を示すグラフである。 (a)図1に示した配置における、GMR素子からの出力信号を示すグラフである。(b)(a)に示したGMR素子の出力信号と理想値との角度誤差を示すグラフである。 GMR素子のH−R(磁界−電気抵抗)曲線を示す図である。 GMR素子の飽和領域および非飽和領域における回転角の検出値と、理想的な計算値との誤差を示すグラフである。
符号の説明
1…回転角検出装置、2…第1の磁界発生部、3…第2の磁界発生部、4…第3の磁界発生部、5a〜5d…磁気センサ、6〜11…磁石、20…GMR素子(第1の磁気抵抗効果素子)、21…GMR素子(第2の磁気抵抗効果素子)、22…GMR素子、20a〜22a…ピン層、R…回転軸、B1…磁化方向。

Claims (6)

  1. 回転軸の回転角を検出する回転角検出装置であって、
    前記回転軸の径方向に並置されて互いに対向する一対の磁石によって第1、第2および第3の磁界をそれぞれ発生し、前記回転軸の周方向に並んで配置された第1、第2および第3の磁界発生部と、
    前記第1、第2および第3の磁界発生部における一方の前記磁石の回転軌跡と他方の前記磁石の回転軌跡との間に位置し、前記回転軸の周方向に並置された複数の磁気センサと、
    を備え、
    前記回転軸の回転に応じて、前記第1、第2および第3の磁界発生部と前記複数の磁気センサとが相対的に回転し、
    前記第1および第2の磁界の方向が前記回転軸に対して外向き且つ前記第3の磁界の方向が前記回転軸に対して内向き、或いは、前記第1および第2の磁界の方向が前記回転軸に対して内向き且つ前記第3の磁界の方向が前記回転軸に対して外向きであり、
    前記複数の磁気センサは、第1および第2の磁気抵抗効果素子をそれぞれ有しており、
    前記第1の磁気抵抗効果素子のピン層の磁化方向は前記回転軸の径方向と交差しており、前記第2の磁気抵抗効果素子のピン層の磁化方向は前記回転軸の径方向に沿っていることを特徴とする、回転角検出装置。
  2. 前記第1および第2の磁界発生部は、前記回転軸が前記第1および第2の磁界発生部の間に位置するように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の回転角検出装置。
  3. 第1、第2および第3の磁界発生部における前記一対の磁石が、前記回転軸の周方向に沿って円弧状に湾曲する形状を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の回転角検出装置。
  4. 第1、第2および第3の磁界発生部における前記一対の磁石が、前記回転軸の径方向と交差する方向に沿って延伸する形状を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の回転角検出装置。
  5. 前記第3の磁界発生部の周方向位置と、前記第1もしくは前記第2の磁界発生部の周方向位置とが成す前記回転軸周りの角度は、隣り合う前記磁気センサ同士が成す前記回転軸周りの角度の3/2倍±5°以内であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  6. 回転軸の回転角を検出する方法であって、
    前記回転軸の径方向に並置されて互いに対向する一対の磁石によって第1、第2および第3の磁界をそれぞれ発生する第1、第2および第3の磁界発生部を、前記回転軸の周方向に並んで配置し、第1および第2の磁気抵抗効果素子を各々有する複数の磁気センサを、前記第1、第2および第3の磁界発生部における一方の前記磁石の回転軌跡と他方の前記磁石の回転軌跡との間に位置するように前記回転軸の周方向に並置し、前記回転軸の回転に応じて前記第1、第2および第3の磁界発生部と前記複数の磁気センサとを相対的に回転させ、
    前記第1および第2の磁界の方向が前記回転軸に対して外向き且つ前記第3の磁界の方向が前記回転軸に対して内向き、或いは、前記第1および第2の磁界の方向が前記回転軸に対して内向き且つ前記第3の磁界の方向が前記回転軸に対して外向きとなるように前記一対の磁石を配置し、
    前記第1の磁気抵抗効果素子のピン層の磁化方向を前記回転軸の径方向と交差させるとともに前記第2の磁気抵抗効果素子のピン層の磁化方向を前記回転軸の径方向に沿わせ、前記第1の磁気抵抗効果素子によって前記第1および第2の磁界を検出し、前記第2の磁気抵抗効果素子によって前記第3の磁界を検出することにより前記回転軸の回転角を検出することを特徴とする、回転角検出方法。
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