JP2022061879A - 磁気センサ及び磁気センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁石の回転角を1周に渡って検知する。
【解決手段】磁気センサ装置10では、磁石16の磁場内に配置される磁気センサ10Aの基板12にAMRセンサ部20及びホールセンサ部22が形成されている。AMRセンサ部20は、磁石16の回転により向きの変化する磁束に応じ、磁石16の1回転において2周期となる信号を出力し、ホールセンサ部22が、AMRセンサ部20の出力の1周期となる磁石16の半回転内でN極又はS極の近接を検知できる。これにより、AMRセンサ部20の出力とホールセンサ部22の出力とから磁石16の回転角θが、磁石16の1回転内の何れかの角度であるかを検知できて、磁石16の回転角θを磁石16の1周に渡って検知できる。
【選択図】図1
【解決手段】磁気センサ装置10では、磁石16の磁場内に配置される磁気センサ10Aの基板12にAMRセンサ部20及びホールセンサ部22が形成されている。AMRセンサ部20は、磁石16の回転により向きの変化する磁束に応じ、磁石16の1回転において2周期となる信号を出力し、ホールセンサ部22が、AMRセンサ部20の出力の1周期となる磁石16の半回転内でN極又はS極の近接を検知できる。これにより、AMRセンサ部20の出力とホールセンサ部22の出力とから磁石16の回転角θが、磁石16の1回転内の何れかの角度であるかを検知できて、磁石16の回転角θを磁石16の1周に渡って検知できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気センサ及び磁気センサ装置に関する。
磁石等から発せられる磁気を検知する磁気センサには、ホール素子や磁気抵抗素子などが用いられている。ホール素子は、半導体薄膜等において磁束密度に応じて電圧が生じるホール効果を用いた素子であり、磁束密度に変化が生じない静磁場であっても磁場の有無を検知可能になっている。また、磁気抵抗素子は、磁気が印加されることで磁気抵抗効果が生じて抵抗値が変化する材料が用いられた素子であり、抵抗値又は抵抗値の変化から磁場の検知や磁束の向きなどを検知でき、磁石の回転角の連続的な検知に用いられる。
特許文献1の磁気センサは、第1センシング部及び第1センシング部の外側の第2センシング部の各々を360°を8等分し、8等分した領域の各々に第1磁気抵抗素子又は第2磁気抵抗素子を配置している。また、特許文献1では、第1センシング部及び第2センシング部の各々において、磁気抵抗素子を接続して2組ずつブリッジ回路を形成し、ブリッジ回路の各々の出力から対象物の回転角度を検出している。
ところで、異方性磁気抵抗素子などの磁気抵抗素子を用いて磁石の回転角を検知する磁気センサは、磁石による磁場(磁束の方向)が半回転されるごとに同様の信号が出力される。このため、磁石の回転角が180°(半回転)を越えているか否かを検知できず、磁気抵抗素子を用いて磁石の回転角を検知する磁気センサについて、回転角の検知範囲において改善の余地がある。
本発明は、上記事実を鑑みて成されたものであり、磁石の1回転に渡って回転角を検知できる磁気センサ及び磁気センサ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1の態様の磁気センサは、磁石を備え、該磁石が磁場内に設けられた基板に対して着磁方向の中間位置を軸に相対回転可能とされ、相対回転されることで所定方向に対する回転角が変化すると共に、前記基板に対して変化する磁場を形成する磁場形成部と、前記基板において前記磁石による磁束が該基板表面に沿う領域に設けられ、磁気抵抗効果によって電気抵抗率が変化する磁気抵抗素子が用いられ、前記磁石の回転角に応じると共に、該磁石の1相対回転に対して2周期で変化する信号を出力するための磁気抵抗部と、前記基板において前記磁石の磁極が近接することで磁束が交差する領域内の所定位置に設けられ、相対回転された前記磁石の磁極を検知するための磁極検知部と、を含む。
第2の態様の磁気センサは、第1の態様において、前記磁極検知部は、前記磁石の相対回転周方向に複数設けられている。
第3の態様の磁気センサは、第2の態様において、前記磁石の相対回転周方向に隣接する2つの前記磁極検知部の間の相対回転中心を中心とした角度が0°より大きく180°より小さい角度とされている。
第4の態様の磁気センサは、第1から第3の何れか1の態様において、前記磁極検知部は、ホール素子を備える。
第5の態様の磁気センサ装置は、請求項1から請求項4の何れか1の磁気センサと、前記磁気センサの前記磁気抵抗部及び前記磁極検知部の各々の出力信号に基づき、前記磁石の回転角に応じた出力信号として、前記磁石の1相対回転に対して1周期で変化する出力信号を出力する回転角変換部と、を含む。
第1の態様の磁気センサでは、磁場形成部が磁石を備えており、磁石は、磁場内に設けられた基板に対して着磁方向の中間位置を軸に相対回転可能とされ、相対回転されることで所定方向に対する回転角が変化すると共に、基板に対して変化する磁場を形成する。また、基板には、前記磁石による磁束が該基板表面に沿う領域に磁気抵抗部が設けられている。
磁気抵抗部には、磁気抵抗効果によって電気抵抗率が変化する磁気抵抗素子が用いられており、磁気抵抗部は、磁石の回転角に応じると共に、磁石の1相対回転に対して2周期で変化する信号を出力する。これにより、磁石が相対的に半回転することで、1周期となる回転角に応じた信号を磁気抵抗部が出力し、磁石の半回転ごとの回転角が得られる。
ここで、基板には、相対回転される磁石の磁極を検知するための磁極検知部が設けられており、磁極検知部は、基板において磁石の磁極(N極及びS極)が近接することで磁束が交差する領域内の所定位置に設けられている。磁気検知部は、磁石が相対回転した際、磁石のN極が近接しているか、N極とは反対側のS極が近接しているかを検知できる。
これにより、磁気抵抗部と磁極検知部とにより、所定方向に対する磁石の回転角が、0°から180°(π)(0°以上180°未満)の範囲か、又は180°(π)~360°(2π)(180°以上360°未満)の範囲かを判別できて、磁石の回転角を磁石の回転の1周(0°~360°)に渡って検知できる。
第2の態様の磁気センサでは、磁極検知部が磁石の相対回転周方向に複数設けられている。これにより、基板に対して相対回転される磁石の磁極を複数位置で検知できるので、磁石の回転角を磁石の1周(0°~360°)に渡って精度よく検知できる。
第3の態様の磁気センサでは、磁石の相対回転周方向に隣接する2つの磁極検知部の間の相対回転中心を中心とした角度が0°より大きく180°より小さい角度となっている。これにより、2つの磁極検知部を設けた場合に、一方の磁気検知部により磁石のN極が検知されている状態で、他方の磁極検知部により磁石のS極が検知されることがないので、複数の磁極検知部により検知される磁極の位置を補完できて、磁極の位置を効果的に検知できる。
第4の態様の磁気センサでは、磁極検知部がホール素子を備えている。これにより、磁極検知部は、簡単な構成で磁石の磁極を的確に検知できる。
第5の態様の磁気センサ装置では、回転角変換部が、磁気抵抗部及び磁極検知部の各々の出力信号に基づき、磁石の回転角に応じた出力信号として、磁石の1相対回転に対して1周期で変化する出力信号を出力する。これにより、磁石の回転角が磁石の1周(0°~360°)に渡って得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には、本発明の第1実施形態に係る磁気センサ装置10の主要部が斜め上方視の斜視図にて示され、図2には、磁気センサ装置10の概略構成がブロック図にて示されている。
〔第1実施形態〕
図1には、本発明の第1実施形態に係る磁気センサ装置10の主要部が斜め上方視の斜視図にて示され、図2には、磁気センサ装置10の概略構成がブロック図にて示されている。
図1に示すように、第1実施形態に係る磁気センサ装置10は、平板状の基板12、及び磁場形成部としての被検知体14を備えており、基板12には、第1実施形態に係る磁気センサ10Aが形成されている。基板12には、非磁性材料や非磁性絶縁材料等が用いられており、基板12には、磁場を変化させない材料が用いられている。被検知体14は、基板12の一面側に配置されており、被検知体14は、基板12の表面と交差(例えば直交)する軸を回転軸Pとし、回転軸Pを中心に基板12に対して相対回転可能とされている。
被検知体14には、磁場を形成するための磁石(永久磁石)16が設けられている。磁石16は、断面矩形(断面円形でもよい)の棒状(角柱条又は円柱状)とされており、長手方向の一端側がN極とされ、長手方向の他端がS極とされている。磁石16は、着磁方向としての長手方向が回転軸Pと交差(直交)され、長手方向の中間位置が回転軸P上とされており、磁石16は、被検知体14と一体で基板12に対して相対回転され、基準方向Yに対する着磁方向の角度(回転角θ)が変化される。このため、磁石16の回転角θが検知されることで、被検知体14の回転角が検知される。
なお、第1実施形態では、着磁方向を磁石16の内部においてS極からN極に向かう方向とし、回転角θは、予め設定している基準方向Yに対する磁石16の着磁方向の角度としている。また、図1では、一例として磁石16が棒状とされているが、磁石16は、回転軸Pを中心に一側端がN極とされ他側端がS極とされた構成であればよく、円板状(円柱状等でもよい)とされて軸を挟んだ一側端がN極とされ他側端がS極とされてもよい。
また、第1実施形態では、一例として基板12に対して回転軸Pを軸に被検知体14と共に磁石16が回転されるものとし、磁石16は、回転角θが0°~360°(0≦θ<2π。-π≦θ<πでもよい)の範囲で回転されるものとして説明する。
磁石16は、基板12に対して回転された際、回転面が基板12の表面に対して略平行となっており、磁石16は、基板12において点Poを中心とした所定領域が磁石16により形成される磁場内となるように配置される。
基板12表面では、回転される磁石16の投影領域(図1において二点鎖線で示す)18が回転軸P上の点Poを中心とする略円形となっている。基板12では、磁石16の磁極(N極及びS極)が対向される投影領域18の外周部分において、磁石16のN極及びS極が近接することで磁束(磁力線)が交差する。また、基板12では、投影領域18の中心側(点Po側)の部分において、磁束が基板12の表面に沿い、磁石16の回転に応じて磁束の向きが変化(磁束の向きが点Poを中心に回転)する。なお、第1実施形態において、近接とは、所定以上の磁束が交差するように磁石16が接近した状態をいう。
一方、磁気センサ装置10では、磁気センサ10Aを構成する磁気抵抗部としてのAMRセンサ部20及び磁極検知部としてのホールセンサ部22が基板12に設けられている。磁気センサ装置10では、AMRセンサ部20が磁石16の回転角θを検知するために用いられ、ホールセンサ部22が回転される磁石16の磁極(N極及びS極)の位置を検知するために用いられる。
AMRセンサ部20及びホールセンサ部22は、基板12の表面に形成されており、AMRセンサ部20及びホールセンサ部22は、一例として基板12の被検知体14側の表面に配置されている。なお、AMRセンサ部20及びホールセンサ部22は、基板12の被検知体14とは反対側の面に配置されてもよく、AMRセンサ部20及びホールセンサ部22は、一方が基板12の被検知体14側の面に配置され、他方が基板12の被検知体14とは反対側の面に配置されてもよい。
AMRセンサ部20は、基板12上において投影領域18内に配置されており、AMRセンサ部20は、投影領域18内において磁束が基板12の表面に沿い、磁石16の回転に応じて磁束の向きが変化する領域に配置されている。また、AMRセンサ部20は、中心が回転軸P上(点Po)となるように基板12に形成されている。
また、ホールセンサ部22は、磁石16の磁極が対向される投影領域18の外周部分において、磁石16のN極及びS極が近接することで磁束が交差する領域に形成されている。すなわち、基板12には、磁石16の磁束が基板12表面に沿う向きとなる領域にAMRセンサ部20が配置され、磁石16の磁極部分が近接されることで磁束が基板12と交差する向きとなる領域にホールセンサ部22が配置されている。
これにより、AMRセンサ部20では、磁石16が回転することで、表面に沿う磁束密度が変化し、磁束の向きが変化する。また、ホールセンサ部22では、回転する磁石16の磁極が近接することで、磁束が交差(貫通)する。
AMRセンサ部20には、回転軸Pを軸に回転される磁石16の回転角θを検知するための公知の構成を適用でき、AMRセンサ部20には、磁石16の1回転(回転角θが0≦θ<2π)で2周期となる信号を出力する構成が適用されている。
AMRセンサ部20には、磁気抵抗効果によって電気抵抗率が変化する磁気抵抗素子(MR:Magneto Resistive)が用いられており、磁気抵抗素子には異方性磁気抵抗素子(AMR:Anisotropic Magneto Resistive)が適用されている。
異方性磁気抵抗素子は、強磁性体膜(薄膜)により形成され、強磁性体膜の磁化の向き(磁束の向き)が電流の方向に平行な場合と、磁化の向きが電流の方向に対して垂直な場合とで、電子の散乱度合いが変化して電気抵抗率(抵抗値)が変化する。これにより、磁気抵抗素子(異方性磁気抵抗素子)では、電流の方向に対する磁化の向きに応じた抵抗値が得られる。
AMRセンサ部20には、複数の感磁領域(図示省略)が点Poを中心とした周方向に配列されており、AMRセンサ部20には、感磁領域が全周に渡って配列されている。AMRセンサ部20では、各感磁領域の中心角が90°(π/2)未満の略扇形状とされ、AMRセンサ部20では、複数の感磁領域が点Poを対称点とする点対称、かつ点Poを中心にπ/2(90°)回転することで他の感磁領域に重なるように形成されている。
各感磁領域内には、薄膜帯状の複数の磁気抵抗素子(図示省略)が設けられており、磁気抵抗素子には、ニッケル(Ni)や鉄(Fe)などの強磁性材料又はこれらの強磁性材料を主成分とする合金が用いられている。各感磁領域において複数の磁気抵抗素子は、各々長手方向が点Poを中心とした略円弧状又は円弧の法線に沿うように形成されて、径方向に配列されている。
また、各感磁領域において複数の磁気抵抗素子は、長手方向(円弧の法線方向、略周方向)の一端が径方向内側に隣接する磁気抵抗素子に接続され、長手方向の他端が径方向外側に隣接する磁気抵抗素子に接続されている。これにより、各感磁領域には、複数の磁気抵抗素子が直列接続されて一つの抵抗体24(図1参照)が形成されている。なお、各感磁領域において径方向に隣接する磁気抵抗素子の接続には、磁場の変化(磁束密度の変化)によって抵抗値の変化しないアルミニウムなどの金属膜により形成された配線(配線パターン、図示省略)が用いられている。
ここで、AMRセンサ部20では、π/2ずれた位置(例えば、点Poを中心とした周方向の中心位置がπ/2ずれた位置)の4つの感磁領域が一組とされて、一組の感磁領域の抵抗体24がブリッジ接続されており、AMRセンサ部20には、点Poを中心に互いに隣接する間の中心位置がπ/2ずれた4つの抵抗体24によってブリッジ回路26が形成されている。ブリッジ回路26では、磁石16が回転されて各抵抗体24の抵抗値が変化することで、2つのハーフブリッジの各々の抵抗体24の中点の間に生じる信号(出力信号)が変化する。
図2に示すように、第1実施形態では、一例として8つの抵抗体24A~24Hが、点Poを中心とした周方向に配列されており、抵抗体24A~24Hは、点Poを中心に互いに隣接する間の中心位置がπ/4ずれて設けられている(図1では図示省略)。AMRセンサ部20では、抵抗体24A~24Hにより2つのブリッジ回路26A、26Bが形成されている。ブリッジ回路26Aは、抵抗体24A、24C、24E、24Gがブリッジ接続されて形成され、ブリッジ回路26Bは、抵抗体24B、24D、24F、24Hがブリッジ接続されて形成されている。
抵抗体24の抵抗値は、磁気抵抗素子に対する磁束の角度に応じて変化し、磁束の角度は、磁石16の回転角θに対応する。また、ブリッジ回路26(26A、26B)では、対となっている2つの抵抗体24(例えば、抵抗体24A、24E)の磁気抵抗素子が同様の方向に向けられている。このため、ブリッジ回路26では、例えば、磁石16の回転角θがθ=π/2の場合と、回転角θがθ=3π/2の場合とで、同様の信号が生じる。
したがって、ブリッジ回路26では、回転角θが0≦θ<πで変化する場合と、回転角θがπ≦θ<2πで変化する場合とで同様の出力信号が得られ、ブリッジ回路26A、26Bは、各々磁石16の1回転で2周期(半回転で1周期)となって略正弦波状に変化する出力信号を出力する。また、AMRセンサ部20は、2つのブリッジ回路26A、26Bの間において隣接する抵抗体24の間がπ/4ずれていることで、位相がπ/2ずれた2つの出力信号が得られる。なお、第1実施形態では、ブリッジ回路26Aの出力信号がCos波形状に変化し、ブリッジ回路26Bの出力信号がSin波形状に変化するようにAMRセンサ部20(ブリッジ回路26A、26B)に対する基準方向Yが設定されている。
なお、AMRセンサ部20における感磁領域は、扇形状に限らず、点Poを対称点とする点対称、かつ点Poを中心にπ/2回転することで抵抗体24を形成する磁気抵抗素子のパターンが他の感磁領域の磁気抵抗素子のパターンと重なり合う形状であればよく、矩形状などの各種の形状を適用できる。
ホールセンサ部22には、シリコン(Si)などが用いられた半導体薄膜のホール素子28が設けられている。ホール素子28は、磁石16の磁場内においてホール効果が生じることで、貫通する磁束及び磁束の変化に応じた信号が得られる。
図1に示すように、ホールセンサ部22は、基板12上において点Poを中心に基準方向Yに対して所定の角度位置に配置されている。これにより、ホールセンサ部22は、回転角θが0≦θ<2πの範囲の磁石16の回転(1回転)によりN極(又はS極)が近接されたこと判定できる信号、及びS極(又はN極)が近接されたことを判定できる信号(及びN極及びS極の何れも離間した位置かを判定できる信号)を出力できる。また、第1実施形態では、ホールセンサ部22が基準方向Y上に配置されており、ホールセンサ部22には、磁石16の回転角θ=0(θ=0及びθ=2π)の際にN極が最も接近され、磁石16の回転角θ=πの際にS極が最も接近される。
図2に示すように、磁気センサ装置10は、磁界角度検知部としての磁束方向検知部30、磁場(磁界)方向検知部としての磁極位置検知部32及び磁界角度判定部としての回転角判定部34を備えている。第1実施形態において、磁束方向検知部30、磁極位置検知部32及び回転角判定部34は回転角変換部として機能する。磁束方向検知部30は、ブリッジ回路26A、26Bの各々に対して設けられている。ブリッジ回路26Aは磁束方向検知部30Aに電気的に接続されており、ブリッジ回路26Bは磁束方向検知部30Bに電気的に接続されている。また、磁極位置検知部32には、ホールセンサ部22のホール素子28が電気的に接続されている。さらに、回転角判定部34には、磁束方向検知部30及び磁極位置検知部32が電気的に接続されている。
なお、磁束方向検知部30(30A、30B)、磁極位置検知部32及び回転角判定部34は、各々基板12に形成されてもよく、基板12とは別体に配置されて基板12(AMRセンサ部20及びホールセンサ部22)に電気的に接続されてもよい。
磁束方向検知部30(30A、30B)は、AMRセンサ部20のブリッジ回路26(2つのハーフブリッジの各々)に所定電圧の電力を供給する。また、磁束方向検知部30には、ブリッジ回路26の2つのハーフブリッジの各々の抵抗体24の中点が接続されており、磁束方向検知部30には、ブリッジ回路26におけるハーフブリッジの各々から信号が入力される。磁束方向検知部30Aは、ブリッジ回路26Aから入力される信号を回転角θに応じた信号に変換し、変換した信号を回転角判定部34に出力し、磁束方向検知部30Bは、ブリッジ回路26Bから入力される信号を回転角θに応じた信号に変換し、変換した信号を回転角判定部34に出力する。
磁極位置検知部32は、ホールセンサ部22のホール素子28に所定電圧の電力を供給する。また、磁極位置検知部32には、磁石16が回転されて磁石16の磁極がホール素子28に近接し、所定以上の磁束が交差した際、近接した磁極に応じた信号がホールセンサ部22から入力される。磁極位置検知部32は、ホールセンサ部22から入力される信号に基づいて磁石16の磁極位置を判定するための信号を回転角判定部34に出力する。
これにより、回転角判定部34には、磁石16の回転に同期した信号が磁束方向検知部30A、30Bの各々、及び磁極位置検知部32から入力される。また、回転角判定部34は、磁束方向検知部30A、30B及び磁極位置検知部32から入力される信号に基づき、磁石16の1回転が1周期となって変化する回転角θに応じた信号を出力する。
以下に、第1実施形態の作用として、磁気センサ装置10における磁石16(被検知体14)の回転角θの検知を説明する。
磁気センサ装置10には、基板12にAMRセンサ部20及びホールセンサ部22が形成されて磁気センサ10Aが構成されている。また、基板12には、磁石16を備える被検知体14が対向されている。磁気センサ装置10では、磁気センサ10AにおけるAMRセンサ部20の中心の点Poを通る回転軸Pを軸に被検知体14と一体で磁石16が回転される。
磁気センサ装置10には、基板12にAMRセンサ部20及びホールセンサ部22が形成されて磁気センサ10Aが構成されている。また、基板12には、磁石16を備える被検知体14が対向されている。磁気センサ装置10では、磁気センサ10AにおけるAMRセンサ部20の中心の点Poを通る回転軸Pを軸に被検知体14と一体で磁石16が回転される。
磁気センサ装置10では、磁石16が回転されると、磁石16により形成される磁場が変化する。磁気センサ10Aでは、磁石16が回転されることで、AMRセンサ部20の部分において基板12表面に沿う磁束の向きが磁石16の回転角θに応じて変化すると共に、投影領域18の外周部分においてN極及びS極の投影位置が回転角θに応じて変化(周方向に移動)する。
AMRセンサ部20は、磁石16が回転されることで、磁束の向きが変化すると、変化した磁束の向きに応じて各抵抗体24の抵抗値が変化し、ブリッジ回路26(26A、26Bの各々)から出力される信号が変化する。この際、AMRセンサ部20では、磁石16の回転角θが、0°以上180°未満(0≦θ<π)の場合と、180°以上360°未満(π≦θ<2π)の場合とで同様の信号を出力する。
ホールセンサ部22では、磁石16が回転されることで、ホール素子28に磁石16の磁極が近接すると、磁束がホール素子28と交差すると共に、交差する磁束の向きが近接した磁極によって変化する。これにより、ホールセンサ部22は、磁石16の回転角θが、0°以上180°未満の場合と、180°以上360°未満の場合とを判別可能な信号を出力する。
したがって、磁気センサ装置10では、磁気センサ10AにAMRセンサ部20及びホールセンサ部22が設けられることで、磁石16の回転角θが、0°以上180°未満の場合と、180°以上360°未満の場合とで、異なる組み合わせの信号が得られる。
磁束方向検知部30(30A、30B)は、AMRセンサ部20のブリッジ回路26(26A、26B)から入力される磁束の向きに応じた信号を、回転角θに応じた信号に変換して出力する。図3(B)には、磁束方向検知部30A、30Bの出力信号の一例が線図にて示されている。
AMRセンサ部20のブリッジ回路26A、26Bは、各々磁束の向き(磁束密度)に応じた信号を出力し、磁束の向きが変化することで変化した磁束の向きに応じた信号を出力する。また、AMRセンサ部20における磁束の向きは、磁石16の回転角θに応じ、回転角θが変化することで磁束の向きが変化する。
これにより、図3(B)に示すように、磁束方向検知部30では、πを周期として回転角θが大きくなることで増加する出力信号を出力する。すなわち、磁束方向検知部30Aは、ブリッジ回路26Aの出力信号が入力されることで、出力信号としてCos信号(Cos(2θ))を出力する。また、磁束方向検知部30Bは、ブリッジ回路26Bの出力信号が入力されることで、出力信号としてSin信号(Sin(2θ))を出力する。
磁極位置検知部32は、ホールセンサ部22から入力される信号を、回転角θに対する磁極位置応じた信号に変換して出力する。図3(C)には、磁極位置検知部32の出力信号の一例が線図にて示されている。
ホールセンサ部22は、磁極が近接することで、近接した磁極に応じた信号を出力する。これにより、図3(C)に示すように、磁極位置検知部32では、2πを周期として、磁石16のN極が最も近接した位置と、磁石16のS極が最も近接した位置とで出力値がピークとなるように変化する出力信号を出力する。なお、磁極位置検知部32は、ホールセンサ部22の出力信号に対して所定の信号処理を行うことで、回転角θが0≦θ<πの状態と回転角θがπ≦θ<2πの状態(極性)とで異なる信号として出力するなど、磁石の磁極がホール素子28に近接した際、近接した磁極に応じて極性(正又は負)の信号を出力するようにしてもよい。
一方、回転角判定部34には、磁束方向検知部30A、30Bの出力信号の各々と磁極位置検知部32の出力信号とが同期されて入力され、回転角判定部34は、入力された各出力信号を回転角θが2πの周期で変化する回転角信号に変換して出力する。図3(A)には、回転角判定部34の出力信号の一例が線図にて示されている。
AMRセンサ部20を用いた回転角θの検知においては、磁束方向検知部30A、30Bの出力信号を用いることで、図3(B)において破線で示す出力信号が得られ、この出力信号は、2πを1周期とする回転角θに対して、πを1周期とする出力信号となる。
ここで、回転角判定部34では、磁極位置検知部32の出力信号から磁石16の回転角θが0≦θ<πの範囲か、回転角θがπ≦θ<2πの範囲かを判別できる。ここから、図3(B)において実線で示すように、回転角判定部34は、磁極位置検知部32の出力信号を用い、磁束方向検知部30A、30Bの出力信号を、回転角θが2πの周期で変化する回転角信号に変換する。これにより、磁気センサ装置10では、磁石16の1回転を1周期とした回転角θを出力できる。
このように磁気センサ10A(磁気センサ装置10)では、被検知体14に磁石16を設けると共に、磁石16により形成される磁場内に基板12を配置し、基板12に対して回転軸Pを軸に磁石16を相対回転可能にしている。磁気センサ10Aには、磁気抵抗効果によって電気抵抗率が変化する磁気抵抗素子を用い、磁石16の回転角θに応じると共に、該磁石16の1相対回転に対して2周期で変化する信号を出力するためのAMRセンサ部20、及び相対回転された磁石16の磁極を検知するためのホールセンサ部22が配置されている。
これにより、磁気センサ10Aでは、ホールセンサ部22によって磁石16の回転角θが0からπの範囲(0≦θ<π)か、又は回転角θがπから2πの範囲(π≦θ<2π)かを検知でき、AMRセンサ部20によって検知される磁石16の回転角θを0から2π(0≦θ<2π)の範囲の何れかを検知できる。
また、磁気センサ装置10には、磁束方向検知部30(30A、30B)、磁極位置検知部32及び回転角判定部34が設けられている。磁束方向検知部30がAMRセンサ部20の出力を磁石16の1回転で2周期となる回転角θの信号に変化し、磁極位置検知部32がホールセンサ部22の出力を磁石16の磁極位置を判定可能な信号に変換する。
また、回転角判定部34は、磁極位置検知部32の出力信号に基づいて、磁束方向検知部30の出力信号を回転角θについて、磁石16の1回転が1周期となり回転角信号に変換する。これにより、磁気センサ装置10では、磁気センサ10AのAMRセンサ部20を用いて、磁石16の1回転の範囲(0≦θ<2πの範囲)で磁石16の回転角θを出力できる。
さらに、磁気センサ10Aには、ホールセンサ部22にホール素子28を配置している。これにより、磁気センサ10Aでは、簡単な構成で磁石16の磁極の位置を検知できる。
なお、第1実施形態では、ホールセンサ部22をAMRセンサ部20の基準方向Y位置(磁石16の回転角θ=0の位置)に設けたが、ホールセンサ部22の位置は、磁石16の1回転の範囲内で磁束が交差する位置であれば何れの位置であってもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態の基本的構成は、第1実施形態と同様であり、第2実施形態において第1実施形態と同様の機能部品については、同様の符号を付与してその説明を省略している。
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態の基本的構成は、第1実施形態と同様であり、第2実施形態において第1実施形態と同様の機能部品については、同様の符号を付与してその説明を省略している。
図4には、第2実施形態に係る磁気センサ装置50の主要部が斜め上方視の斜視図にて示され、図5には、磁気センサ装置50の概略構成がブロック図にて示されている。
図4及び図5に示すように、第2実施形態に係る磁気センサ装置50には、複数のホールセンサ部22が設けられた磁気センサ50Aを適用している。磁気センサ50Aには、ホールセンサ部22として二つのホールセンサ部22A、22Bが設けられており、磁気センサ50Aを用いる磁気センサ装置50には、磁極位置検知部32としてホールセンサ部22A、22Bの各々に対応して2つの磁極位置検知部32A、32Bが設けられている。また、磁気センサ装置50には、回転角判定部34に変えて回転角判定部52が設けられている。これにより、磁気センサ装置50は、基板12にAMRセンサ部20及びホールセンサ部22A、22Bが設けられた磁気センサ50Aと、磁束方向検知部30(30A、30B)と、磁極位置検知部32A、32Bと、回転角判定部52とを備える。
図4に示すように、磁気センサ50Aには、基板12における投影領域18の外周部の所定位置にホールセンサ部22A、22Bが配置されており、ホールセンサ部22A、22Bは、投影領域18の周方向において異なる位置(角度位置)に配置されている。これにより、磁気センサ50Aでは、磁石16の異なる2つの回転角θの各々において、磁極(N極及びS極)の検知が可能となっている。
また、ホールセンサ部22A、22Bは、点Poを中心としたホールセンサ部22Aの中心とホールセンサ部22Bの中心との間の角度φが0より大きくπ未満の範囲(0<φ<π)とされている。磁気センサ50Aでは、ホールセンサ部22Aを基準方向Y上に設けると共に、ホールセンサ部22Bをホールセンサ部22Aとの間の角度φがφ=3π/4(φ=135°)となる位置に配置している。
これにより、磁石16のN極は、回転角θ=0において、ホールセンサ部22Aに近接され、回転角θ=9π/8(θ=225°)において、ホールセンサ部22Bに近接される。なお、角度φは、ホールセンサ部22A、22Bの中心の間の角度のうちの小さい角度としている。
一方、図5に示すように、ホールセンサ部22Aは、磁極位置検知部32Aに電気的に接続され、ホールセンサ部22Bは、磁極位置検知部32Bに電気的に接続されている。また、磁束方向検知部30A、30B及び磁極位置検知部32A、32Bの各々は、回転角判定部52に電気的に接続されている。
磁極位置検知部32Aは、ホールセンサ部22Aから入力される信号に基づいて磁石16の磁極位置を判定するための信号を回転角判定部52に出力する。また、磁極位置検知部32Bは、ホールセンサ部22Bから入力される信号に基づいて磁石16の磁極位置を判定するための信号を回転角判定部52に出力する。
これにより、回転角判定部52には、磁石16の回転に同期した信号が磁束方向検知部30A、30B及び磁極位置検知部32A、32Bから入力される。回転角判定部52は、磁束方向検知部30A、30Bから入力される磁石16の1回転で2周期となって変化する回転角θに応じた信号(Cos信号及びSin信号)を、磁極位置検知部32A、32Bから入力される信号に基づき、磁石16の1回転が1周期となって変化する回転角θに応じた回転角信号に変換して出力する。
このように構成された磁気センサ装置50では、磁気センサ50AにAMRセンサ部20(ブリッジ回路26A、26B)及びホールセンサ部22A、22Bが形成されている。ホールセンサ部22A、22Bは、基板12上において磁石16の回転周方向に角度φだけずれた位置に配置されている。ホールセンサ部22A、22Bは、各々磁石16の磁極が近接することで、近接した磁極に応じた信号を出力する。
これにより、磁気センサ装置50では、基板12にAMRセンサ部20及びホールセンサ部22A、22Bが設けられることで、磁石16の回転角θが、0(0°)以上π(180°)未満の場合と、π以上2π(360°)未満の場合とで、異なる組み合わせの信号が得られる。また、磁気センサ装置50では、ホールセンサ部22A、22Bにより異なる回転角θにおいて磁石16の磁極を検知できる。
図6(A)には、磁束方向検知部30A、30Bの出力信号の一例が線図にて示され、図6(B)には、回転角判定部52の出力信号の一例が線図にて示されている。また、図6(C)には、磁極位置検知部32A、32Bの出力信号の一例が線図にて示されている。なお、図6(C)では、上段に磁極位置検知部32Aの出力信号が示され、下段に磁極位置検知部32Bの出力信号が示されている。
図6(A)に示すように、磁束方向検知部30A、30Bは、πを周期として回転角θの変化に応じた出力信号(Cos信号及びSin信号)を出力する。また、ホールセンサ部22A、22Bは、磁石16が回転された際、磁石16のN極が近接した場合と、磁石16のS極が近接した場合とで、異なる極性(+又は-)の出力信号を出力する。ホールセンサ部22A、22Bは、互いの間が角度φだけずらされていることで、ホール素子28が異なるタイミングで磁石16の磁極の近接を検知した信号を出力する。磁極位置検知部32A、32Bは、各々ホールセンサ部22A、22Bから入力された信号に応じた出力信号を出力する。
図6(C)に示すように、磁極位置検知部32A、22Bでは、各々2πを周期として、磁石16のN極がホールセンサ部22A、22Bに最も近接した位置と、磁石16のS極が最も近接した位置とで出力値がピークとなるように変化する出力信号を出力する。また、磁極位置検知部32A、32Bは、各々磁石16の磁極がホールセンサ部22A、22Bから離れるにしたがって減少する(0に近づく)出力信号を出力する。これにより、磁極位置検知部32Aは、回転角θがθ=0及びθ=πにおいてピークとなる出力信号(Cos信号)を出力し、磁極位置検知部32Bは、回転角θがθ=π/4及びθ=5π/4においてピークとなる出力信号(Sin信号)を出力する。
一方、回転角判定部52には、磁束方向検知部30A、30Bの出力信号、及び磁極位置検知部32A、32Bの各々の出力信号が同期されて入力される。回転角判定部52は、磁束方向検知部30A、30Bの出力信号を磁極位置検知部32A、32Bの出力信号を用い、回転角θが2πの周期で変化する回転角信号に変換する。
ここで、回転角判定部52では、磁極位置検知部32A、32Bの出力信号を用いており、回転角判定部52は、異なる回転角θで磁極の近接を検知するホールセンサ部22A、22Bの出力信号を用いている。ホールセンサ部22Aは、磁石16の半回転ごとに磁極を検知しており、ホールセンサ部22Bは、ホールセンサ部22Aが磁極を検知する間において、近接する磁極を検知している。
このため、回転角判定部52では、ホールセンサ部22A、22Bの一方の出力を用いて、ホールセンサ部22A、22Bの他方の出力を補完できる。また、ホールセンサ部22A、22Bの間の角度φを0より大きくπより小さい範囲(0<φ<π)とすることで、回転角判定部52では、ホールセンサ部22A、22Bの一方の出力を用いて、ホールセンサ部22A、22Bの他方の出力を効果的に補完でき、回転角θが0≦θ<π又はπ≦θ<2πの何れであるかを判別できる。これにより、図6(B)において実線で示すように、回転角判定部52は、磁極位置検知部32A、32Bの出力信号を用い、磁束方向検知部30A、30Bの出力信号を、回転角θが2πの周期で変化する回転角信号に変換できる。したがって、磁気センサ装置50は、磁石16の回転角θを0≦θ<2πの範囲せ精度よく検知できる。
このように磁気センサ装置50では、磁石16を備える被検知体14に対し相対回転される磁気センサ50Aに、AMRセンサ部20及びホールセンサ部22A、22Bを設けている。これにより、磁気センサ50Aでは、ホールセンサ部22A、22Bによって磁石16の回転角θが0からπの範囲(0≦θ<π)か、又は回転角θがπから2πの範囲(π≦θ<2π)かを検知でき、磁気センサ装置50は、AMRセンサ部20によって検知される磁石16の回転角θを0から2π(0≦θ<2π)の範囲で検知できる。
また、磁気センサ50Aでは、ホールセンサ部22A、22Bの一方によってホールセンサ部22A、22Bの他方を補完可能になるので、磁石16の回転角θが、0からπ(0≦θ<π)、又はπから2π(π≦θ<2π)の何れの範囲であるかを精度よく判定可能になる。これにより、磁気センサ装置50では、磁石16の回転角θを磁石16の1回転の範囲で検知できると共に、ホールセンサ部22が一つの場合に比して、回転角θの検知精度を向上できる。
また、磁気センサ装置50では、磁束方向検知部30がAMRセンサ部20の出力を磁石16の1回転で2周期となる回転角θの信号に変化し、磁極位置検知部32、32Bが各々ホールセンサ部22A、22Bの出力を磁石16の磁極位置を判定可能な信号に変換する。
これにより、回転角判定部52は、AMRセンサ部20を用いて、磁石16の1回転の範囲で磁石16の回転角θを精度よく出力できて、磁気センサ装置50では、磁石16の1回転の範囲で高精度の回転角θを出力できる。この際、磁気センサ50Aは、ホールセンサ部22A、22Bにホール素子28を設ける簡単な構成で磁石16の磁極の位置を検知できる。
なお、第2実施形態では、ホールセンサ部22AをAMRセンサ部20の基準方向Y位置(磁石16の回転角θ=0の位置)に配置し、ホールセンサ部22Bをホールセンサ部22Aに対して角度φ=3π/4となる位置に配置した。しかしながら、2つの磁極検知部の間の角度φは、0(0°)より大きくπ(180°)より小さい範囲(0<φ<π)の範囲であれば、いずれの位置であってもよい。すなわち、2つの磁極検知部は、磁石の回転軸を中心とした点対称となる位置でなければ何れの位置であってもよい。
また、第2実施形態では、ホールセンサ部22A、22Bを設けたが、磁極検知部は、3以上であってもよい。3以上の磁極検知部を設ける場合、複数の磁極検知部のうちの一つについて、磁石の回転軸を中心とした点対称となる位置に他の磁極検知部が配置されない構成であればよい。
なお、以上説明した第1及び第2実施形態では、ホール素子28を用いたホールセンサ部22(22A、22B)を設けた。しかしながら、磁極検知部には、ホール素子に限らず、トンネル磁気抵抗素子(TMR:Tunnel Magneto Resistive)が適用されてもよく、磁極検知部は、交差する磁束の向きを検知可能な構成であればよい。
また、第1実施形態では、基板12にホールセンサ部22を設け、第2実施形態では、基板12にホールセンサ部22A、22Bを設けた。しかしながら、磁極検知部は、磁気抵抗部とは異なる基板に配置されてもよい。
また、第1及び第2実施形態では、AMRセンサ部20の抵抗体24(24A~24H)の磁気抵抗素子として、異方性磁気抵抗素子を用いた。しかしながら、磁気抵抗部に設ける磁気抵抗素子は、異方性磁気抵抗素子に限らず、半導体薄膜を用いる半導体磁気抵抗素子(SMR:Semiconductor Magneto Resistive)、又は強磁性体-非磁性体金属-強磁性体の積層膜を用いる巨大磁気抵抗素子(GMR:Giant Magneto Resistive)などが適用されてもよい。
さらに、第1実施形態では、基板12上にAMRセンサ部20、ホールセンサ部22を配置すると共に、磁束方向検知部30(30A、30B)、磁極位置検知部32及び回転角判定部34を配置するように説明した。また、第2実施形態では、基板12上にAMRセンサ部20、ホールセンサ部22A、22Bを配置すると共に、磁束方向検知部30(30A、30B)、磁極位置検知部32A、32B及び回転角判定部52を配置するように説明した。この場合、半導体基板上に磁気抵抗部及び磁極検知部と共に、回転角変換部を構成する集積回路を配置した半導体チップとし形成されてもよい。
10、50・・・磁気センサ装置、10A、50A・・・磁気センサ、12・・・基板、14・・・被検知体(磁場形成部)、16・・・磁石、20・・・AMRセンサ部(磁気抵抗部)、22(22A、22B)・・・ホールセンサ部(磁極検知部)、24・・・抵抗体(磁気抵抗素子)、28・・・ホール素子(磁極検知部)、30・・・磁束方向検知部(回転角変換部)、32(32A、32B)・・・磁極位置検知部(回転角変換部)、34、52・・・回転角判定部(回転角変換部)。
Claims (5)
- 磁石を備え、該磁石が磁場内に設けられた基板に対して着磁方向の中間位置を軸に相対回転可能とされ、相対回転されることで所定方向に対する回転角が変化すると共に、前記基板に対して変化する磁場を形成する磁場形成部と、
前記基板において前記磁石による磁束が該基板表面に沿う領域に設けられ、磁気抵抗効果によって電気抵抗率が変化する磁気抵抗素子が用いられ、前記磁石の回転角に応じると共に、該磁石の1相対回転に対して2周期で変化する信号を出力するための磁気抵抗部と、
前記基板において前記磁石の磁極が近接することで磁束が交差する領域内の所定位置に設けられ、相対回転された前記磁石の磁極を検知するための磁極検知部と、
を含む磁気センサ。 - 前記磁極検知部は、前記磁石の相対回転周方向に複数設けられている請求項1に記載の磁気センサ。
- 前記磁石の相対回転周方向に隣接する2つの前記磁極検知部の間の相対回転中心を中心とした角度が0°より大きく180°より小さい角度とされている請求項2に記載の磁気センサ。
- 前記磁極検知部は、ホール素子を備える請求項1から請求項3の何れか1項に記載の磁気センサ。
- 請求項1から請求項4の何れか1項の磁気センサと、
前記磁気センサの前記磁気抵抗部及び前記磁極検知部の各々の出力信号に基づき、前記磁石の回転角に応じた出力信号として、前記磁石の1相対回転に対して1周期で変化する出力信号を出力する回転角変換部と、
を含む磁気センサ装置。
Priority Applications (1)
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JP2020170116A JP2022061879A (ja) | 2020-10-07 | 2020-10-07 | 磁気センサ及び磁気センサ装置 |
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-
2020
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