JP4992615B2 - 流体噴射ヘッド及び流体噴射装置 - Google Patents
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Description
このようなインクジェット式記録装置を含む流体噴射装置は、流体噴射ヘッドがノズル開口に連通する圧力室を備えており、圧力室を容積変動させることにより圧力室内部の流体をノズル開口から外部に噴射する。
このため、上記ダイアフラムを外力から保護するためのカバー部を流体噴射ヘッドに対して取り付けることが提案されている。
このため、充填部によってノズル基板とカバー部との間の空隙が充填され、流体噴射ヘッド全体の剛性が向上する。
したがって、本発明の流体噴射ヘッドによれば、流体噴射ヘッドの外力に対する耐性を向上し、強い外力がカバー部に作用した場合であってもカバー部及びダイアフラムの損傷を抑止することが可能となる。
このような構成を採用することによって、カバー部と充填部とを一度に一体形成することが可能となる。このため、カバー部と充填部とを一体化することができ、流体噴射ヘッドの外力に対する耐性をより向上させることが可能となる。
このような構成を採用することによって、ノズル基板とカバー部とを接着する際に同時に充填部を形成することが可能となる。このため、簡易な工程にて、流体噴射ヘッドの外力に対する耐性を向上させることが可能となる。
このような構成を採用することによって、充填部を柔軟なものとすることができる。このため、カバー部に作用した外力を効率的に吸収し、流体噴射ヘッドの外力に対する耐性をより向上させることが可能となる。
このような構成を採用することによって、凹部内部にダイアフラムが収納される。このため、ノズル基板に当接する充填部の面を平面にすることによって、充填部がダイアフラムの変位領域を避けて配置されることとなる。
したがって、充填部の形成が容易になると共に、充填部が単純な形状となることによって充填部の剛性が高まる。よって、流体噴射ヘッドの外力に対する耐性をより向上させることが可能となる。
図1及び図2は、本実施形態のインクジェットヘッド1の概略構成を示す図である。なお、図1及び図2において、ノズル列の延在方向をX方向、該X方向と水平に直交する方向をY方向、該X方向及びY方向と直交する方向(高さ方向)をZ方向とする。
そして、図1は、本実施形態のインクジェットヘッド1の一部をY方向に切断すると共に分解した分解斜視図である。また、図2は、本実施形態のインクジェットヘッド1をY方向に切断した断面図である。なお、説明の便宜上、図1における切断面と図2における切断面とは、X方向にずらしてある。
そして、本実施形態のインクジェットヘッド1は、図2に示すように、これらの電極基板10、キャビティ基板20、ノズル基板30、及びカバー部40がZ方向に積層されて接合されることによって構成されている。
このような個別電極13は、図1に示すように、同じく電極基板10上に形成された配線14を介して電極基板10の縁部に形成された端子15と接続されている。そして、個別電極13には、端子15を介して電圧が印加される。
なお、個別電極13、配線14及び端子15は、例えばインジウム酸化スズ(ITO: Indium Tin Oxide)によって形成される。
インク注入口51は、電極基板10と、キャビティ基板20と、ノズル基板30とが接合されることによって形成されるインク流路50の一部であり、同じくインク流路50の一部であると共にキャビティ基板20とノズル基板30とによって形成される共通インク室52に対して外部からインクを供給するための流路である。
キャビティ基板20の上面21には、インク流路50の一部である圧力室53に対応する溝部22と、同じくインク流路50の一部である共通インク室52に対応する溝部23が形成されている。
この圧力室53に対応する溝部22の底部は、可撓性を有する程度に薄く形成されており、振動板24(図2参照)として構成されている。この振動板24は、個別電極13に電圧が印加されることによって静電気力が発生した場合に、当該静電気力によって引き寄せられることによって下方に変位し、静電気力が解放された場合に元の平板形状に復帰する。
なお、共通インク室52は、X方向に配列される圧力室53の一列ごとに一つ形成される。このため、共通インク室52に対応する溝部23は、圧力室53に対応する溝部22の一列に対して一つ形成されており、本実施形態においては二つ形成されている。
また、共通インク室52に対応する溝部23の底部には、電極基板10及びキャビティ基板20が接合された場合に、電極基板10に形成されたインク注入口51と連通される貫通孔54が形成されている。この貫通孔54は、インク注入口51を介して外部から供給されるインクを共通インク室52に導入するためのものであり、インク注入口51等の同様に、インク流路50の一部を構成するものである。
なお、共通電極25は、例えばプラチナ(Pt)によって形成される。
また、振動板変位室70への異物の侵入を防止するため、振動板変位室70は、ギャップ部材60によって外部空間と隔離された密閉状態とされている。
なお、振動板変位室70の高さ(すなわち、個別電極13と振動板24との離間距離)は、例えば180nm程度とされる。
ノズル基板30の下面31には、インク流路50の一部であるインク供給口55に対応する溝部32と、上記共通インク室52に対応する溝部33と、インクを噴射するためのノズル開口34に対応する溝部35とが形成されている。
より詳細には、キャビティ基板20の上面21に形成された溝部23と、ノズル基板30の下面31に形成された溝部33とによって共通インク室52が形成される。また、キャビティ基板20の上面21に形成された溝部22と、ノズル基板30の下面31とによって圧力室53が形成される。また、ノズル基板30の下面31に形成された溝部32と、キャビティ基板20の上面21とによってインク供給口55が形成される。
圧力室53は、振動板24の変位によって容積変動を生じるものであり、各ノズル開口34に対して設けられている。そして、圧力室53は、一端がノズル35と接続されると共に他端がインク供給口55と接続される。
インク供給口55は、共通インク室52から各圧力室53に対してインクを導入するための入口として機能するものであり、一端が圧力室53と接続されると共に他端が共通インク室52と接続される。
カバー部40は、本実施形態のインクジェットヘッド1が印刷用紙に対して流体を噴射する場合に、印刷用紙に対して対向配置されるものである。
このカバー部40の上面41の位置は、印刷用紙のジャムの発生を抑制する観点から、印刷用紙の流体噴射が噴射される面に応じて設定される。すなわち、カバー部40の上面41の位置は、インクジェットヘッド1と印刷用紙とのギャップが所望の距離となるように設定される。
なお、図3に示すように、カバー部40とノズル基板30とは、上述のように接着剤80を介して接合されている。
そして、本実施形態のインクジェットヘッド1は、隙間Sの領域に充填されると共にダイアフラム39の変位領域を避けて配置される充填部42を備えている。
このため、充填部42によってノズル基板30とカバー部40との間の空隙が充填され、インクジェットヘッド1の剛性が向上する。
したがって、本実施形態のインクジェットヘッド1によれば、インクジェットヘッドの外力に対する耐性を向上し、強い外力がカバー部40に作用した場合であってもカバー部40及びダイアフラム39の損傷を抑止することが可能となる。
これによって、カバー部40と充填部42とを一度に一体形成することが可能となる。このため、カバー部40と充填部42とを一体化することができ、外力に対する耐性をより向上させることが可能となる。
これによって、凹部37内部にダイアフラムが収納される。このため、ノズル基板30に当接する充填部42の面(本実施形態においてはカバー部40の下面43)を平面にすることによって、充填部42がダイアフラムの変位領域を避けて配置されることとなる。
したがって、充填部42の形成が容易になると共に、充填部42が単純な形状となることによって充填部42の剛性が高まる。よって、インクジェットヘッド1の外力に対する耐性をより向上させることが可能となる。
そして、このようなインクの振動波は、共通インク室52に到達した後、ダイアフラム39を振動させる。この結果、インクの振動波は減衰される。すなわち、ノズル開口34からインクを噴射する際に生じたインクの振動は、ダイアフラム39によって減衰される。このため、所定のノズル開口34からインクを噴射することによって生じたインク流路50内部のインクの振動波が、他のノズル開口34に対応する圧力室53に伝達されることが抑止され、他のノズル開口34におけるインクの噴射特性に影響を与えることが抑止される。
図6は、インクジェットプリンタ100の内部構造の概略を示す斜視図である。
このキャリッジユニット170は、インクジェットヘッド1と該インクジェットヘッド1に供給するインクを貯留するインクカートリッジ200とが固定されるキャリッジ171等を備える。そして、キャリッジユニット171を移動させることによって、インクジェットヘッド1を移動させる。
なお、インクカートリッジ200は、例えば、4つのカートリッジ(4色のインク(ブラック、イエロー、シアン、マゼンダ)がそれぞれ別個独立に充填された容器)からなり、それぞれが別個独立に交換可能となっている。
このメンテナンスユニット180は、不図示のキャップ機構、ポンプ装置、ワイピング機構等を備えている。
また、このような構成を有するインクジェットプリンタ100においては、不図示の制御部によって、駆動部190、メンテナンスユニット180及びキャリッジユニット170が制御されることでインクジェットヘッド1のメンテナンスが行われる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
これに対して、本実施形態のインクジェットヘッドにおいては、図7に示すように、カバー部40と同一の材料からなる充填部42に換わり、ノズル基板30とカバー部40とを接着するための接着剤80からなる充填部45が形成されている。すなわち、充填部45がノズル基板30とカバー部40とを接着する接着剤80により形成されている。
なお、充填部45の下面46は、カバー部40の下面43と面一とされており、これによってノズル基板30の凹部37内におけるダイアフラム39の変位が可能とされている。
このため、充填部45によってノズル基板30とカバー部40との間の空隙が充填され、インクジェットヘッドの剛性が向上する。
したがって、本実施形態のインクジェットヘッドによれば、インクジェットヘッドの外力に対する耐性を向上し、強い外力がカバー部40に作用した場合であってもカバー部40及びダイアフラム39の損傷を抑止することが可能となる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
これに対して、本実施形態のインクジェットヘッドにおいては、図8に示すように、カバー部40と同一の材料からなる充填部42に換わり、シリコーンを含む材料からなる充填部47が形成されている。
なお、充填部47の下面48は、カバー部40の下面43と面一とされており、これによってノズル基板30の凹部37内におけるダイアフラム39の変位が可能とされている。
このため、充填部47によってノズル基板30とカバー部40との間の空隙が充填され、インクジェットヘッドの剛性が向上する。
したがって、本実施形態のインクジェットヘッドによれば、インクジェットヘッドの外力に対する耐性を向上し、強い外力がカバー部40に作用した場合であってもカバー部40及びダイアフラム39の損傷を抑止することが可能となる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ダイアフラム39の変位領域がノズル基板30の上面36よりも上方に突出する構成であっても構わない。なお、このような場合には、ダイアフラム39の変位領域を避けるように、充填部に凹部を形成する必要がある。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のインクジェットヘッドを備えるインクジェットプリンタに適用することも可能である。
また、本発明は、シリアル方式のインクジェットプリンタに限られるものではなく、ラインヘッド方式のインクジェットプリンタに適用することも可能である。
Claims (3)
- ノズル開口を介して流体を噴射した際に生じる流体流路内の振動波を減衰するためのダイアフラムを備えるノズル基板と、前記ダイアフラムを覆うことによって保護するカバー部とを備える流体噴射ヘッドであって、
前記ノズル基板と前記カバー部との間の隙間に充填されると共に前記ダイアフラムの変位領域を避けて配置される充填部を備え、
前記充填部は、ノズル基板とカバー部とを接着する接着剤により形成されており、前記カバー部が有する前記ダイアフラム変位領域に被る凹みに配置されている
ことを特徴とする流体噴射ヘッド。 - 前記ノズル基板が凹部を備え、該凹部の内部が前記ダイアフラムの変位領域とされていることを特徴とする請求項1記載の流体噴射ヘッド。
- 流体噴射ヘッドから所定の対象物に向けて流体を噴射する流体噴射装置であって、
前記流体噴射ヘッドとして、請求項1または2記載の流体噴射ヘッドを備えることを特徴とする流体噴射装置。
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