JP4991077B2 - ミネラルウールの製造方法、その方法及び他の用途のためのコバルト合金 - Google Patents

ミネラルウールの製造方法、その方法及び他の用途のためのコバルト合金 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、溶融ガラスなどの溶融鉱物組成物を、酸化媒質中で高温機械的強度を有するコバルト合金で作られる工具を用いて繊維化することによって、ミネラルウールを製造する方法、並びに高温において使用できるコバルト合金、特にガラスその他の鉱物物質の製造及び/又は高温変換をする物品、例えばミネラルウールを製造する機械部品の生産のためのコバルト合金に関する。
【0002】
内部遠心法と呼ばれる繊維化の一方法は、垂直軸のまわりに高速で回転するパーツアセンブリにガラス滴を連続的に投入するものである。「スピナーディッシュ」と呼ばれるマスターパーツが、「バンド」と呼ばれるその壁のうちの1つでガラスを受け止める。バンドには多数の孔が開けられており、ガラスが遠心力によってこの孔を通って、溶融したフィラメントの形であらゆる側に飛び出してゆく。スピナーディッシュの外側上方には環状のバーナーが配置され、これが、バンドの外壁を抱くように下向きのガスの流れを生じ、飛び出したフィラメントを下向きに偏向させて細くする。その後フィラメントはガラスウールの形で「固化」する。
【0003】
スピナーディッシュは、繊維化させる工具であり、熱的に(停止及び立ち上げの時の熱衝撃、及び定常使用時のパーツに沿った温度勾配の発生)、機械的に(遠心力、ガラスの通過による侵食)、そして化学的に(溶融ガラスによる、及びスピナーディッシュのまわりのバーナーから吹き出す高温ガスによる酸化と腐食)強いストレスを受ける。その劣化の主な様態は:高温クリープによる垂直な壁の変形、水平又は垂直なクラック、あるいは侵食による繊維化するオリフィスの摩耗、などであり、その場合部品を交換するしかない。したがって、その構成材料は、生産時に工程の技術的及び経済的な制約と両立するように十分長く上記のストレスに耐えなければならない。このために、ある程度の延性、クリープ強度、及び耐腐食性及び/又は耐酸化性を示す材料が求められる。
【0004】
この工具を製造する材料として従来は、ニッケルとクロムに基づき、クロム及びタングステンカーバイドによって強化された超合金が用いられている。これは、最高で約1000〜1050℃という温度まで使用できる。
【0005】
比較的高い温度でガラスを繊維化するため、特に玄武岩などのきわめて粘性の大きなガラスからミネラルウールを製造するためには、コバルトに基づく超合金を用いることが提案されている。これは耐火元素であり(融点は1495℃)、ニッケルに基づくマトリックスに比べて高温での機械的強度が大きい合金のマトリックスを提供する。
【0006】
これらの合金は、常に耐酸化性のためにクロムを含み、一般に炭化物の析出による強化効果を得るために炭素とタングステンを含む。またこれらは、固溶体としてニッケルを含み、ニッケルは全ての温度でコバルトの面心立方結晶格子を安定させる。
【0007】
したがって、国際公開WO99/16919号明細書では、高温での機械的性質が改良されたコバルトに基づく合金が開示されている。これは本質的に次の元素を含む(合金の重量パーセントで):
Cr 26〜34%
Ni 6〜12%
W 4〜8%
Ta 2〜4%
C 0.2〜0.5%
Fe 3%未満
Si 1%未満
Mn 0.5%未満
Zr 0.1%未満
残りはコバルトと不可避的な不純物であり、炭素に対するタンタルのモル比は0.4〜1程度である。
【0008】
炭素とタンタルの比率の選択は、合金内に粒間炭化物の密であるが不連続な網状組織(ネットワーク)を形成することを意図しており、この炭化物は本質的にCr73及び(Cr、W)236の形のクロム炭化物とタンタル炭化物TaCから成る。この選択は合金の高温における機械的性質と耐酸化性を改良して、溶融ガラスを1080℃という温度で繊維化することを可能にする。
【0009】
本発明の目的は、もっと様々な組成範囲の鉱物材料でも作業するために、ガラスや同様の物質を比較的高い温度で繊維化できるようにすることであった。
【0010】
この点で、本発明の対象は、周辺バンドに多数のオリフィスが開けられている繊維化スピナーディッシュに溶融鉱物物質の流れを導入し、溶融鉱物物質のフィラメントがそれらのオリフィスを通って飛び出すようにし、そのフィラメントがガスの作用で細くされてウールになるようにする内部遠心法によって、ミネラルウールを製造する方法であって、前記スピナーディッシュ内での鉱物物質の温度が少なくとも1100℃であること、及び繊維化スピナーディッシュが(合金の重量パーセントで表して)以下の元素を含むコバルト合金から作られていることを特徴とする方法である:
Cr 23〜34%
Ni 6〜12%
Ta 3〜4%
C 0.2〜1.5%
W 0〜8%
Fe 3%未満
Si 1%未満
Mn 0.5%未満
Zr 0.1%未満
残りはコバルトと不可避不純物からなり、炭素に対するタンタルのモル比は少なくとも0.3である。
【0011】
この方法は特に、既知の合金に比べて非常にタンタルに富む合金を使用することを特徴とする。このような合金組成では、粒子内及び粒間の強化は本質的にタンタルを利用しており、タンタルは特に粒界に炭化物TaCの形で存在する。
【0012】
きわめて驚いたことに、これらの合金は約1200〜1300℃という高温で優れた機械的性質を示し、それによって合金は、遠心法による繊維化において、きわめて劇しい酸化媒質(ガラス、熱い空気)の存在にもかかわらず、非常に高いストレスに耐えることができる。
【0013】
これは本発明者らが、1150〜1200℃又はそれよりも高温という高い繊維化温度では、機械的強度がスピナーディッシュの寿命を決定する主要な因子であるということを観測できたためである。他の合金、特に国際公開WO99/16919号明細書に係わる合金は、優れた耐酸化性とガラスによる腐食に対する耐食性を有するが、その機械的性質は1100℃より高い温度、特に1150℃より高い温度で不十分であり、スピナーディッシュが急速に破壊されるということが判明している。
【0014】
本発明に係わる方法は、1100℃より高い温度、有利には1150℃より高い温度で、機械的強度と耐酸化性との間の優れた妥協を示す合金を使用することを特徴とする。この妥協は、粒間領域が、高い融点を有し且つ非常に高い温度での粒間クリープを防止して機械的な強化機能を果たす析出したタンタル炭化物に富んでいる合金を用いることによって得られる。さらに合金の高いタンタル含有量は、酸化挙動にも下記の顕著な影響を及ぼす:
−マトリックス内においては、固溶体又は細かい粒間炭化物(TaC)の形で存在するタンタルは酸化物(Ta25)を形成し、それが酸化クロム(Cr23)の自己不動態化表面層と混合して、合金に対する更なる付着と結合を提供する;
−粒界においては、スピナーディッシュの表面に近い粒間タンタル炭化物が酸化してTa25を生じ、Ta25のクラスターが「栓」となって、これが粒間スペースへの腐食性の媒質(液体ガラス、高温ガス)の侵入を阻止する。
【0015】
こうして得られる合金は、1200〜1300℃でTaCの固体溶解度が限られているので高温で安定している。
【0016】
したがって、本発明による方法は、液体化温度Tliqが約1100℃又はそれよりも高温、より特に1140℃又はそれよりも高温のガラス又は同様な鉱物組成物を繊維化することを可能にする。
【0017】
一般に、これらの溶融鉱物組成物は(スピナーディッシュに入る溶融組成物に関して)Tliq〜Tlog2.5までの温度範囲内で繊維化され得る。ここでTlog2.5とは、溶融組成物が102.5ポイズ(dPa・s)という粘度を有する温度である。1150℃より高い温度で繊維化するためには、該当する組成物は、本発明によれば、そのTliqが少なくとも1140℃であることが好ましい。
【0018】
これらの鉱物組成物のうちで好ましいものは、相当な量の鉄を含む組成物である。これらは、繊維化部品の構成金属に対して腐食性が比較的小さいからである。
【0019】
したがって、本発明による方法では、酸化性の鉱物組成物、特にクロムに対して酸化性であり、表面に形成されるCr23保護酸化物層を修復又は再構成できるものが有利に用いられる。このために、鉄を本質的に第二鉄(酸化物Fe23)の形で含む組成物、特にIIとIII の酸化状態のモル比が、比FeO/(FeO+Fe23)で表したときに約0.1〜0.3であるもの、特にこの比が0.15〜0.20であるものが好ましい。
【0020】
有利には、鉱物組成物は、クロム酸化物の迅速な再構成を可能にする高い含有量の鉄を含み、酸化鉄含有量(「全鉄」含有量と呼ばれ、通常等価なFe23の形で表される全鉄含有量に該当する)が少なくとも3%、好ましくは少なくとも4%、そして特に約4〜12%、特に少なくとも5%である。上記レドックス範囲内では、これは第二鉄(Fe23)だけの含有量で少なくとも2.7%、好ましくは少なくとも3.6%に該当する。
【0021】
このような組成物は知られており、特に国際公開WO99/56525号明細書から知られ、有利には次の成分を含む:
SiO2 38〜52%、好ましくは40〜48%
Al23 17〜23%
SiO2 +Al23 56〜75%、好ましくは62〜72%
RO(CaO+MgO) 9〜26% 、好ましくは12〜25%
MgO 4〜20%、好ましくは7〜16%
MgO/CaO ≧0.8、好ましくは≧1.0又は≧1.15
2O(Na2O+K2O)≧2%
25 0〜5%
全鉄(Fe23) ≧1.7%、好ましくは≧2%
23 0〜5%
MnO 0〜4%
TiO2 0〜3%
【0022】
他の組成物が本発明による方法に特に適当であることが判明している。
【0023】
それらは次の重量分率によって特徴付けられる:
SiO2 39〜55%、好ましくは40〜52%
Al23 16〜27%、好ましくは16〜25%
CaO 3〜35%、好ましくは10〜25%
MgO 0〜15%、好ましくは0〜10%
Na2O 0〜15%、好ましくは6〜12%
2O 0〜15%、好ましくは3〜12%
2O(Na2O+K2O) 10〜17%、好ましくは12〜17%
25 0〜3%、好ましくは0〜2%
全鉄(Fe23) 0〜15%、好ましくは4〜12%
23 0〜8%、好ましくは0〜4%
TiO2 0〜3%、
2O≦13.0%のとき、MgOは0〜5%、特に0〜2%である。
【0024】
有利には、ミネラルウール組成物は下記の成分を続く重量分率で含む:
SiO2 39〜55%、好ましくは40〜52%
Al23 16〜25%、好ましくは17〜22%
CaO 3〜35%、好ましくは10〜25%
MgO 0〜15%、好ましくは0〜10%
Na2O 0〜15%、好ましくは6〜12%
2O 0〜15%、好ましくは6〜12%
2O(Na2O+K2O) 13.0〜17%、
25 0〜3%、好ましくは0〜2%
全鉄(Fe23) 0〜15%、好ましくは2〜3%
23 0〜8%、好ましくは0〜4%
TiO2 0〜3%。
【0025】
この組成物は、この種の組成物で公知のように、分析されない不純物と見なされる化合物を2又は3%まで含むことができる。
【0026】
16〜27%、好ましくは17%超及び/又は好ましくは25%未満、特に22%未満という高いアルミナ含有量、シリカとアルミナという網状構造形成物質の合計で57〜75%、好ましくは60%超及び/又は好ましくは72%未満、特に70%未満となる高い含有量と、10〜17%の高いアルカリ含有量(R2O;ナトリウムとカリウム)、及びR2O≦13.0%のときに0〜5%、特に0〜2%というMgO含有量との組み合わせによって、この組成物は非常に広い温度範囲にわたって繊維化可能であるという顕著な特性を有し、さらに得られる繊維に酸性pHでの生物可溶性を付与する。個々の実施の形態により、アルカリ含有量は好ましくは12%より大きく、特に13.0%より大きく、より特に13.3%より大きく、及び/又は好ましくは15%未満、特に14.5%未満である。
【0027】
この組成範囲は、受け入れられている見方と異なり、溶融ガラスの粘度がアルカリ含有量の増加によって著しく低下しないことが観測されたので特に有益であると判明した。この顕著な効果によって、繊維化の粘度に対応する温度と結晶する相の液体化温度との差を大きくすることが可能になり、したがって繊維化の条件をかなり改良することが可能になり、特に新しい系統の生物可溶性ガラスを内部遠心法で繊維化することが可能になる。
【0028】
ある実施の形態によると、組成物は鉄酸化物の含有量は5〜12%、特に5〜8%であり、それによってミネラルウールのブランケットが耐火性を発揮することが可能になる。
【0029】
有利には、この組成物は比が:
(Na2O+K2O)/Al23≧0.5、好ましくは(Na2O+K2O)/Al23≧0.6、特に(Na2O+K2O)/Al23≧0.7を満たし、これは液体化温度よりも高い繊維化のための粘度に対応する温度を得るのに有利であるように思われる。
【0030】
ある変形例によると、本発明による組成物は好ましくは石灰含有量が10〜25%、特に12%より大きく、好ましくは15%より大きく、及び/又は好ましくは23%未満、特に20%未満、さらに17%未満であり、それが0〜5%のマグネシア含有量、好ましくは2%未満のマグネシア、特に1%未満のマグネシア含有率、及び/又は0.3%より大きいマグネシア含有量、特に0.5%より大きなマグネシア含有量と組み合わせられる。
【0031】
別の変形例によると、5〜15%の石灰含有量、好ましくは5〜10%の石灰含有量に対して、マグネシア含有量は5〜10%である。
【0032】
随意のP25を0〜3%、特に0.5%超及び/又は2%未満の含有量で加えると、自然のpHでの生物可溶性を増加させることができる。随意に、組成物は酸化ホウ素を含むことができ、特に放射成分での熱伝導係数を減少させ、また自然のpHでの生物可溶性を増加させることによってミネラルウールの熱的性質を改良することができる。随意に、TiO2も、例えば3%まで、組成物に含有させることができる。他の酸化物、例えばBaO、SrO、MnO、Cr23、及びZrO2なども、それぞれ約2%までの含有量で組成物に存在してもよい。
【0033】
log2.5で表される102.5ポイズ(デシパスカル・秒)の粘度に対応する温度と、Tliqで表される結晶相の液体化温度との差は、これらの組成物では好ましくは少なくとも10℃である。この差Tlog2.5−Tliqは、その範囲内で繊維化が可能な、特に内部遠心法による繊維化が可能である本発明の組成物の「作業範囲」を定める。この差は、好ましくは少なくとも20又は30℃であり、より好ましくは50℃よりも大きく、特に好ましくは100℃よりも大きい。
【0034】
本発明は、合金の組成の選択によっていろいろな有利な仕方で実行することができる。
【0035】
コバルトの結晶構造を安定させる元素として固溶体の形で合金中に存在するニッケルは、合金の重量の約6〜12%という通常の範囲の比率、有利には8〜10%という比率で用いられる。
【0036】
クロムはマトリックスの固有の機械的強度に寄与する。マトリックス中においてその一部は固溶体で存在するが、本質的にCr236という炭化物の形でも存在し、粒子内に細かく分散して、粒内クリープに対する抵抗を与える。また、Cr73又はCr236タイプの炭化物の形で粒界に存在して、粒と粒との間のスリップを阻止して合金の粒間強化にも寄与する。以下で詳しく説明する熱処理によって、Cr73炭化物を、高温で比較的安定なCr236炭化物に転換することができる。クロムは、酸化媒質にさらされる表面に保護層を形成する酸化クロムの前駆物質として耐腐食性に寄与する。この保護層を形成し維持するための最小限の量のクロムが必要である。しかし、多すぎるクロム含有量は、高温応力と両立しないほど硬さを高め延性を低下させるので、高温での機械的強度及び靱性に有害である。
【0037】
一般に、本発明に従って使用できるクロム含有量は23〜34重量%、好ましくは約26〜32重量%、有利には約28〜30重量%になる。
【0038】
タンタルはコバルトマトリックス内に固溶体で存在する。タンタルは重い原子なので結晶格子を局所的に歪ませ、機械的な負荷がかかったときに転位の移動を妨げ又は防いで、マトリックスの固有の強度に寄与する。さらにタンタルは炭素と共に炭化物TaCを形成することができる。これは第一に粒内に細かい分散物として存在して粒内クリープを阻止し、また第二に粒界に存在し、おそらくクロム炭化物に補われるようにして粒間強化に寄与する。
【0039】
本発明による非常に高温での機械的強度を実現することを可能にする最小限のタンタル含有量は約3%であり、上限は多分約10%に選ばれる。タンタル含有率は、好ましくは約4〜10%、特に4.2〜10%、非常に有利には4.5〜10%であり、さらに特に5〜10%である。タンタルの量は、より有利には約5.5〜9重量%、特に約6〜8.5重量%である。
【0040】
炭素は、金属炭化物の析出を形成するために必要な、合金の不可欠な構成成分である。
【0041】
炭素含有量は、合金中に存在する炭化物の量を直接に決定する。所望の最小限の強化を達成するためには炭素含有量は少なくとも0.2%であるが、強化されたものの密度が高くなりすぎて合金が硬くなり機械加工しにくくなるのを避けるには、炭素含有量は最高で1.2%に制限される。含有量が高くなって合金の延性が失われると、合金は加えられた歪み(例えば、熱的な原因によるもの)に対して破断せずに耐えることができなくなり、またクラック伝播に十分抵抗することができなくなる。
【0042】
有利には、炭素含有量は約0.3〜1.1重量%、好ましくは約0.35〜1.05重量%である。
【0043】
本発明では、合金の組成は、顕著な量のタンタル炭化物が粒界に存在するように調整される。
【0044】
ある好ましい実施の形態では、合金の組成は、全ての粒間炭化物がタンタル炭化物であるようなものである。これは、炭化物形成反応をTaC形成に有利なようにシフトさせるのに十分な高いタンタル含有量を選ぶことによって達成される。
【0045】
このためには、タンタルと炭素の含有率を、Ta/Cモル比が0.9又はそれよりも大きく、好ましくは約1〜1.2であるように選ぶことが有利である。
【0046】
本発明者らは、タンタル炭化物TaCの構造は約1300℃の高温にさらされてもほとんど影響されないことを治金学的に観測しており、タンタル炭化物TaCは高温で著しく安定である。おそらくマトリックス内のTaとCに起因するTaC炭化物のわずかな「分解」のみが観測され、機械的な性質には何も影響はない。したがって、粒間強化がTaCタンタル炭化物だけから成る合金では、非常な高温の極端な使用条件においても、強化の永続性が保証される。
【0047】
タンタル炭化物はまた、部分的にTa25粒子に酸化されることによって粒界で栓として作用するクラスターを形成する条件では、酸化媒質が物質内部に侵入するのを阻止して合金の耐酸化性にも寄与する。酸化媒質は工具表面に保持され、ここではスピナーディッシュの表面領域にTa25が形成され、それがCr23と合金の結合に有利に働くために、クロム酸化物の保護層が基底合金と良く付着していると考えられる。
【0048】
したがって、効果的かつ永続的な強化が得られ、それによって比較的低い含有量の炭素を用いることが可能になるので、材料の機械加工性も損なわれない。
【0049】
この実施の形態では、炭素含有率は、合金の重量に対して、有利には約0.3〜0.55重量%であり、好ましくは約0.35〜0.5重量%である。
【0050】
このようにきわめて低い炭素含有率は、十分に密ではあるが連続ではなく、したがって粒界におけるクラック伝播をもたらさない粒間析出強化相を得ることを可能にする。
【0051】
それほど好ましくない実施の形態では、合金組成は、粒間炭化物がタンタル炭化物を含むだけでなく、これらがきわめて大量に存在する。これは、全ての粒間炭化物に対するTaCの比率が所望の量のタンタル炭化物を与えるように、比較的高い炭素含有率を選ぶことによって達成され得る。
【0052】
このために、炭素含有量が約0.8〜1.2%、好ましくは約0.9〜1.1%、特に約0.95〜1%になるようにすることが有利である。
【0053】
このような炭素含有率では、粒間炭化物の網状組織が非常に密であるが、1150℃より高い高温で使用するのに害になるとは言えない。これは、これより高い温度では、M236炭化物の一部が固溶体に溶解し、それによって粒間析出相が次第に不連続になり、クラック伝播を妨げるようになるからである。
【0054】
0.9未満というタンタル対炭素Ta/Cモル比は、その場合0.3という低い値、好ましくは0.35でよく、全ての粒間炭化物のうちのTaCの比率は約50体積%であり、残りはM236タイプの炭化物からなっている。ここでMは本質的にクロムである。
【0055】
有利には、Ta/Cモル比は約0.35〜0.45である。
【0056】
高温でそれほど安定でないM236炭化物の存在にも関わらず、影響を受けにくい又は酸化されてT25になる十分な量のTaCが存在するので、粒間強化は1200〜1300℃でも有効である。さらに、粒界におけるクロムの存在は、耐腐食性に有効なクロムの拡散源になる。
【0057】
スピナーディッシュの合金には随意にタングステンが存在することがある。その場合、タングステンはマトリックス内に固溶体で存在し、ここでコバルト結晶格子を歪ませる効果によって、固有の機械的強度を改善する。また、Ta/Cモル比が0.9よりも小さい場合、それはクロムと一緒に、粒間M236炭化物を形成するのを助ける(これは(Cr,W)236と呼ばれる)。
【0058】
しかし、上記のどちらの実施の形態でも、タングステンの存在は合金の機械的強度に有害な影響を及ぼす可能性があることが明らかである。
【0059】
これは、タングステンを含む合金は、合金を脆くするTCP(Topologically Close Compact)相の一つであるσ−CoCr相から成る新しい粒間相を形成する微細構造を有することが明らかにされたからである。この相は、結晶化されたコバルトの固溶体に入り込もうとする過剰に高濃度の元素のために形成される。本発明による合金はすでに比較的高い比率のタンタルによって特徴づけられているので、さらにタングステンが、クロム、ニッケル及び炭素と共に存在すると、マトリックスの元素の一部が粒界で又はマトリックス内でも結合するにいたる。さらに、タングステンを含む合金を約1300℃という非常に高い温度にさらすと、局所的な化学的な組成が共晶のようにして粒界を溶かすに至るということが示されている。タングステンが存在しない場合、粒界における融点はもっと高く、この局所的な溶融は1300℃では見られない;したがって、このような溶融は観測されず、粒界は1300℃でも無傷にとどまる。
【0060】
したがって、本発明の1つの好ましい方法では、タングステンを含まない合金、又は実質的にタングステンを含まない合金が用いられるが、一般に治金学的な意味で認められている微量の金属不純物程度の少量のタングステンは許容されることは言うまでもない。この合金は非常に高い作業温度のために特に好ましく、特に鉱物組成物がスピナーディッシュに少なくとも1150℃という温度で入る場合、より特に鉱物組成物の液体化温度が1140℃又はそれよりも高い場合に好ましい。しかし、この合金はスピナーディッシュで1000℃程度の比較的低い温度で興味ある機械的性質を示し、特に耐クリープ性が改善される。これは、スピナーディッシュの寸法又はディッシュの回転速度に関して新しい繊維化条件を可能にする。ある非常に好ましい方法では、タングステンを含まない合金がタンタル炭化物だけで強化され、粒間強化物の密度がほんのわずかしか変化しない。
【0061】
この合金は、他の標準的な構成成分や不可避的な不純物を含んでいてよい。一般に、これは次のものを含む:
−シリコン、合金の精錬及び鋳造のときの溶融金属の脱酸素剤として、1重量%未満の量;
−マンガン、やはり脱酸素剤、0.5重量%未満の量;
−ジルコニウム、イオウや鉛など望ましくない元素をトラップするため、0.1重量%未満の量;
−鉄、材料の性質を損なうことなく3重量%までの量;
−合金の不可欠な構成要素と共に不純物として導入される累積的な量の他の元素(「不可避不純物」)、有利には合金組成の1重量%未満。
【0062】
本発明による合金は、B、Hf、Y、Dy、Reその他の希土類を含まないことが好ましい。
【0063】
上述の合金のうちのいくつかも本発明の対象となる。
【0064】
特に、本発明の対象となるのは、酸化媒質中において高温で機械的強度を発揮するコバルト合金であって、クロム、ニッケル、タンタル及び炭素を含み、タングステンを含まないこと、及び本質的に次の元素から構成されることを特徴とする(比率は合金に対する重量パーセントで表される):
Cr 23〜34%
Ni 6〜12%
Ta 3〜10%
C 0.2〜1.2%
Fe 3%未満
Si 1%未満
Mn 0.5%未満
Zr 0.1%未満
残りはコバルトと不可避不純物であり、Ta/Cモル比は少なくとも0.3、好ましくは少なくとも0.35である。
【0065】
本発明によるこの合金は本質的に、高いタンタル含有量及びタングステンを含まないことで特徴づけられる。これによって、主にタンタルに基づいていて高温で高い強度を保証する、析出した又は固溶体の強化相を形成することが可能になる。
【0066】
クロム、ニッケル、及び炭素の含有率は、上述した有利な範囲内で選ぶことができる。
【0067】
タンタル含有率は、好ましくは約4〜10%、特に4.2〜10%、そして非常に有利には4.5〜10%である。
【0068】
好ましくは、Ta/Cモル比は0.9又はそれよりも大きく、有利には約1〜1.2である。したがって、炭素含有量は重量で、有利には0.3〜0.55%であり、好ましくは約0.35〜0.5%である。
【0069】
ある変形例では、炭素含有量は約0.8〜1.2%であり、好ましくは0.9〜1%、特に約0.95〜1%である。その場合Ta/Cモル比は、有利には0.3〜0.5であり、有利には0.35〜0.45である。
【0070】
これらのタングステンを含まない合金は、少なくとも1150〜1200℃という高温でのプロセスを実行するのに特に有利であるが、もちろんスピナーディッシュが約900〜1100℃という温度に加熱されるミネラルウール製造のより標準的なプロセスでも用いることができる。
【0071】
次の元素を含む別のコバルト合金も本発明の対象になっている:
Cr 23〜34%
Ni 6〜12%
Ta 4.2〜10%
W 4〜8%
C 0.8〜1.2%
Fe 3%未満
Si 1%未満
Mn 0.5%未満
Zr 0.1%未満
残りはコバルトと不可避不純物からなり、Ta/Cモル比は少なくとも0.3、好ましくは約0.3〜0.5、有利には少なくとも0.35、特に0.35〜0.45である。
【0072】
クロム、ニッケル、タンタル及び炭素含有率は、上述した有利な範囲内で選ぶことができる。
【0073】
本発明に従って用いることができる合金は、B、Hf、及びY、Dy、Reのような希土類などのきわめて反応性の高い元素を含まない場合、標準的な手段を用いた従来の溶融と鋳造、特に少なくとも部分的に不活性の雰囲気における誘導加熱による溶融と砂鋳型での鋳造によって、非常に容易に形成することができる。
【0074】
ある一定の比率のタングステンを含むこれらの合金は、約1100〜1150℃で作業することを可能にするものであるので、前述の合金ほどは好ましいものではない。上述のように、これらの合金は、工具が900〜1100℃の温度に熱せられるプロセスでも使用できる。
【0075】
鋳造後、特にM73タイプの炭化物をM236タイプの炭化物に変換することを可能にする次のような二段階熱処理によって、特別な微細構造を有利に達成することができる:
−溶解段階、これは1100〜1250℃という温度、特に約1200〜1250℃という温度での、特に1〜4時間、有利には約2時間にわたるものでよいアニール(焼き鈍し)処理から成る;及び
−炭化物析出段階、これは850〜1050℃という温度、特に約1000℃という温度での、特に5〜20時間、有利には約10時間にわたるものでよいアニール(焼き鈍し)処理から成る。
【0076】
また、本発明の目的は、場合によっては上記の熱処理段階も含めて、鋳造工場において、上述の本発明の目的である合金から物品を製造する方法である。
【0077】
この方法は、少なくとも一つの冷却工程を、鋳造作業の後及び/又は最初の熱処理段階の後、及び熱処理段階の後に含む。
【0078】
中間及び/又は最終の冷却工程は、例えば空冷によって、特に温度を周囲温度に戻して行うことができる。
【0079】
この方法はさらに、鋳造作業の後に鍛造工程を含むことができる。
【0080】
本発明の対象である合金を用いて、高温で機械的応力を受ける及び/又は酸化性若しくは腐食性の環境で使用されるあらゆる種類の部品を製造することができる。本発明による合金から、特に鋳造作業によって製造されるこれらの物品も本発明の対象になる。
【0081】
このような用途のうちで、ガラスの生産又は高温変換に用いられる物品、例えばミネラルウールの製造のための繊維化スピナーディッシュの製造が特にあげられる。
【0082】
本発明を主としてミネラルウールの製造に関して記述してきたが、本発明はガラス産業一般に適用でき、それによって特に繊維ガラス糸及びガラス器の生産のための炉、紡糸口金(スピナレット)、又はフィーダー部品又は付属品を生産することができる。
【0083】
ガラス産業とは別に本発明は、非常に広範囲の物品が、酸化性及び/又は腐食性環境において、特に高温で、高い機械的強度を発揮しなければならないときに、これらを製造するために応用できる。
【0084】
一般に、これらの合金は、化学産業のための高温熱処理炉(1100℃を超える温度で運転)、熱交換器又は反応器の作業又は運転で用いられる耐火合金で作られる任意のタイプの固定又は可動部品を製造するために、用いることができる。例えばこれらは、高温ファンの羽根、焼成支持体、炉装填設備等でよい。また、これらの合金は、高温酸化性雰囲気で使用することを意図した任意のタイプの抵抗加熱要素を製造するために、及び陸上車両、海上船舶、又は航空機のエンジン、又は車両以外の他の用途、例えば発電所におけるエンジンで用いられるタービン部品を製造するのにも用いることができる。
【0085】
このように、上で定義されたコバルト合金で作られた物品の、少なくとも1100℃の温度の酸化性雰囲気における使用も本発明の対象である。
【0086】
以下では、実施例及び添付された図面の図1〜7までを参照して本発明を説明する。
【0087】
実施例1
不活性雰囲気(特にアルゴン)中での誘導加熱溶融法を用いて、次の組成の溶融装填物を生成し、単純に砂型で鋳造して成形した:
Cr 28.3%
Ni 8.68%
C 0.37%
Ta 5.7%
W 0%
残留成分:Fe <3%
Si <1%
Mn <0.5%
Zr <0.1%
その他(全体)<1%
残りはコバルトからなる。
【0088】
鋳造工程のあとには、1200℃で2時間の溶解処理段階と1000℃で10時間の二次炭化物析出段階から成る熱処理を行った。これらの各温度保持の最後には、周囲温度までの空冷を行った。
【0089】
得られた合金の微細構造は、通常の治金学的方法とX線顕微分析を用いて光学顕微鏡写真と電子顕微鏡写真によって明らかにされたが、それは面心立方構造のコバルトマトリックスで構成され、クロムとタンタルを固溶体で含み、ニッケルの存在で安定化され、粒内及び粒界に炭化物の析出が存在している。この構造は、250倍の倍率での走査電子顕微鏡(SEM)による合金の写真を示す図1に見られる:用いられた倍率の顕微鏡写真では見られない粒界が、細い線1によって描かれている。境界1によって画定される粒の内部で、粒内の相は、マトリックスに一様に析出して小さな点の形で見られるCr236及びTaCタイプの細かい二次炭化物2から成る。粒界には、もっぱらタンタル炭化物(TaC)3で構成される濃い不連続な粒間相があり、これは一般に細長い形をした良く分離した島として現れる。
【0090】
この微細構造は、合金の組成における1.07という値のタンタル対炭素のモル比による。
【0091】
この微細構造の熱的安定性は次の処理によって示された:
−前記焼き鈍しによる溶解及び析出熱処理を受けた合金試験片が、1300℃の温度で5時間加熱され、その後で微細構造を固定するために水中で急冷させた。
【0092】
この試験片の構造を倍率250倍のSEMで検査した。この検査によって、粒界の構造が熱処理でほんのわずかしか影響されなかったこと、すなわち合金の溶融及び依然として多数あるTaC炭化物の溶融の開始が認められないことが示された。
【0093】
合金の高温での機械的強度に関する性質は、いろいろな温度(1200、1250、1300℃)において、いろいろな負荷(21MPa、31MPa、45MPa)を用いて、三点曲げクリープ抵抗試験で評価された。試験は、幅が30mm、厚さが3mmの直方体の試験片について行われ、負荷は37mm離れた支持点の間の中央に加えられ、上記の温度のそれぞれで順次、三つの負荷が増加する順に加えられた。別の一連の測定は、一定の負荷で温度を変化させて行った。結果は図2に示されており、同図は同じグラフで、各テストについて試験片の変形(μm)を時間(時間)の関数として示している。表1は、三点クリープ曲線の傾斜を、温度、及び加えられた応力及び負荷を与えられている時間に対して示している。
【0094】
合金は、加えられた負荷の下で、1200℃及び1250℃で優れたクリープ性質を示し、1300℃でも適当な耐クリープ性を示した。
【0095】
耐酸化性は、1200℃における熱重量計測試験(thermogravimetric test)で評価された。ここでは放物型(parabolic)酸化定数Kpとして96.5×10-122・cm-4・s-1という値、放物型蒸発定数Kvとして3.96×10-19g・cm-2・s-1という値が得られた。
【0096】
大きな負荷の下で比較的低い温度における合金の機械的強度に関する性質は、1000℃で103MPaという負荷の下での三点曲げクリープ抵抗試験で評価された。その結果は、以下で比較例と照らし合わせて報告する。
【0097】
溶融ガラスを形成する工具を建造するために使用されるこの合金の能力を、ミネラルウール製造の用途で評価した。直径200mmの、通常の形の繊維化スピナーディッシュを鋳造によって製造し、上記のように熱処理し、そして以下の組成のガラスを繊維化するために産業的な条件で使用した。スピナーディッシュの温度は1150〜1210℃であった。
【0098】
【表1】
Figure 0004991077
【0099】
これは、高い鉄含有量と0.15というレドックスのために通常のガラスに比べて比較的酸化性の強いガラスである。その液体化温度は1140℃である。
【0100】
スピナーディッシュは、目に見える損傷又は生産される繊維の質が十分に高くないということから見てスピナーディッシュが損復したと見なされて運転の停止が決定されるまで、日産2.3トン(メートル法)で使用された。スピナーディッシュに入る鉱物組成物の温度は約1200〜1240℃であった。スピナーディッシュの輪郭に沿った金属の温度は1160〜1210℃であった。こうして測定されたスピナーディッシュの寿命(時間)は390時間であった。
【0101】
繊維化の試験の間、スピナーディッシュは約15回も停止及び再始動したことによって多くの熱衝撃を受けたが、クラックは現れなかった。これは1100〜1200℃におけるこの合金の良い延性を証している。
【0102】
スピナーディッシュの耐久時間が長いことは、1200℃における中程度の応力(スピナーディッシュの幾何形状に起因する機械的条件)で、この合金が良い耐クリープ性を有することによる。
【0103】
実施例1の合金と鉄の存在によって腐食性が弱められたガラスとの組み合わせが、非常に高い温度でミネラルウールを製造するのに好適な条件を作り出した。
【0104】
比較例1
比較のために、国際公開WO99/16919号明細書による合金を調製し、同じ条件の下で試験した。この合金は次の組成を有する:
Cr 29%
Ni 8.53%
C 0.38%
Ta 2.95%
W 5.77%
残留成分:Fe <3%
Si <1%
Mn <0.5%
Zr <0.1%
その他(全体) <1%
残りはコバルトからなる。
【0105】
Ta/C比が0.51では、図3に示されたこの合金の微細構造は、粒界において、約50%の(Cr、W)236炭化物(細い共晶区域の形で4で示されている)と、50%のTaC炭化物(3で示されている)の存在を示している。
【0106】
非常に高い温度でのこの合金の微細構造の安定性は、図4に示されているように実施例1より劣る。図4は、5時間にわたって1200℃にし、そして水で急冷した後の比較例1の合金試験片のSEM顕微鏡写真である。
【0107】
タンタル炭化物を含む粒間炭化物が消失し、液体(溶融)領域5が1300℃で現れて急冷によって固化したことが認められる。
【0108】
クリープ強度試験によって、高温における比較例の合金の機械的強度は、実施例1の合金の強度よりも小さいことが検証された。これらの結果は、31MPaの下で1200℃におけるクリープ抵抗の比較結果を示す図5のグラフ、103MPaの下で1000℃におけるクリープ抵抗の比較結果を示す図6のグラフ、及び表1にまとめられている。
【0109】
熱重量測定分析によって評価された1200℃における耐酸化性質は次の通りである:Kp=92.4×10-122・cm-4・s-1及びKv=4.86×10-9g・cm-2・s-1
【0110】
比較例2
図5と6及び表1はまた、異なるタイプの別の比較例合金の高温における機械的性質も示している:これはODSタイプの超合金であって、ニッケル−クロムのマトリックスを有し、酸化イットリウムなどの酸化物相によって強化されている。
【0111】
このような非常に高性能の合金は鋳造によっては得られず、粉末冶金による巧妙な方法によって、例えば、金属とセラミック粉末を機械的に合成して機械的合金を作り、圧力下で焼結し、複雑な熱−機械的加工と非常に高い温度での熱処理を行って作るので、結果的に製造コストが非常に高くなる。
【0112】
比較例2において試験された等級の合金は、Special MetalからのMA758である。
【0113】
比較例2のODS合金は比較例1のコバルト合金よりもずっと良い耐クリープ性を有するということに注意すべきである:1200℃におけるクリープ曲線の傾斜は、コバルト合金の場合の15倍も大きい。
【0114】
実施例1の合金もこのODS合金に劣り、1200℃でのクリープ曲線の傾斜は2〜3倍大きいが、比較例1の合金に比べればかなりの改良になる。
【0115】
1000℃における挙動にも同様な差が認められる。
【0116】
実施例2
本発明による別の合金を、実施例1の合金と同様に調製し、その性質を同様な仕方で評価した。この合金は次の組成を有する:
Cr 28.5%
Ni 8.9%
C 0.5%
Ta 8.5%
W 0%
残留成分:Fe <3%
Si <1%
Mn <0.5%
Zr <0.1%
その他(全体) <1%
残りはコバルトからなる。
【0117】
その微細構造は実施例1の合金と同様であり、粒間相はもっぱらタンタル炭化物TaCから成る(Ta/Cモル比=1.13)。
【0118】
機械的強度試験の結果は図5及び表1に示されている。
【0119】
実施例3
本発明による別の合金を、実施例1の合金と同様に調製し、その性質を同様な仕方で評価した。この合金は次の組成を有する:
Cr 29%
Ni 8.86%
C 0.98%
Ta 6%
W 0%
残留成分:Fe <3%
Si <1%
Mn <0.5%
Zr <0.1%
その他(全体) <1%
残りはコバルトからなる。
【0120】
その微細構造は実施例1及び2の合金とは異なり、粒界に、同量のタンタル炭化物の他にクロム炭化物Cr236が存在する。高い炭素含有量は高濃度の炭化物を生じ、Ta/Cモル比が0.39なので、ほぼ50%Cr236に対し50%TaCとなる。
【0121】
機械的強度試験の結果は図5及び表1に示されている。
【0122】
【表2】
Figure 0004991077
【0123】
実施例4
タングステンを含む別の合金が用いられた。この合金は次のような組成を有する:
Cr 28.2%
Ni 8.74%
C 0.37%
Ta 5.84%
W 5.6%
残留成分:Fe <3%
Si <1%
Mn <0.5%
Zr <0.1%
その他(全体) <1%
残りはコバルトからなる。
【0124】
図7に示されている走査型電子顕微鏡で得られた図を示すその微細構造は、コバルト固溶体とタンタル炭化物(TaC)6との共晶のきわめて密な粒間網状構造を示している。この微細構造を、適当な金属学的なエッチングを行ってから光学顕微鏡で観測すると、いろいろなタイプのMC炭化物が存在しているように見える。これは多分、タングステンがこれらの炭化物の形成に寄与したためであろう。
【0125】
微細構造は、ほぼ等量のコバルトとクロムに富む分散した小さい区域の形の相7をはっきりと示しているが、これはTCP(Topologically Close Compact)相の一つ(合金を脆くすることが知られているσ−CoCr相)から成る。
【0126】
これらの相は、タングステンが存在しなければ組成が非常に良く似ているが、実施例1の合金の微細構造には見られない。この実施例4では、28%のクロム、8%のニッケル、及び6%のタンタルに加えられる5.6%のタングステンの存在によって、固溶体に移行する元素の全体的な含有量が、ある種の可溶性限界を超えると考えられる。
【0127】
この合金の1200℃における耐酸化性を熱重量測定分析によって評価した。得られた値は次の通りである:Kp=190×10-122・cm-4・s-1及びKv=4.17×10-9g・cm-2・s-1
【0128】
負荷31MPaの1200℃における三点曲げクリープ抵抗試験で、この合金はクリープ速度が約7〜8μm・h-1であった。これは実施例1〜3までの合金に比べて少し劣るが、比較例1の合金に比べると顕著な改良になっている。
【0129】
これらの性質は、この合金が約1100〜1150℃までの酸化性雰囲気で使用できるということを意味している。
尚、本発明の実施態様としては次の実施態様を挙げることができる:
(1)溶融鉱物物質の流れを、繊維化スピナーディッシュに注ぎ、ここでこのスピナーディッシュの周縁バンドには多数のオリフィスが開けられており、これらのオリフィスを通って溶融鉱物物質のフィラメントが流出し、これらのフィラメントをガスの作用で細くしてウールする、内部遠心法によってミネラルウールを製造する方法であって、前記スピナーディッシュ内の前記鉱物物質の温度が少なくとも1100℃であること、及び前記繊維化スピナーディッシュがコバルトに基づく合金で作られており、この合金が(合金の重量に対する重量分率で)次の元素:
Cr 23〜34%
Ni 6〜12%
Ta 3〜10%
C 0.2〜1.2%
W 0〜8%
Fe 3%未満
Si 1%未満
Mn 0.5%未満
Zr 0.1%未満
を含み、残りはコバルトと不可避不純物からなり、タンタルの炭素に対するモル比が少なくとも0.3であることを特徴とする、ミネラルウールを製造する方法。
(2)前記鉱物組成物が、少なくとも3重量%、特に少なくとも5重量%の、Fe 2 3 として表される第二鉄含有率を有することを特徴とする、(1)に記載の方法。
(3)前記鉱物組成物が以下の重量分率で:
SiO 2 39〜55%、好ましくは40〜52%
Al 2 3 16〜27%、好ましくは16〜25%
CaO 3〜35%、好ましくは10〜25%
MgO 0〜15%、好ましくは0〜10%
Na 2 O 0〜15%、好ましくは6〜12%
2 O 0〜15%、好ましくは3〜12%
2 O(Na 2 O+K 2 O) 10〜17%、好ましくは12〜17%
2 5 0〜3%、好ましくは0〜2%
全鉄(Fe 2 3 で表される) 0〜15%、好ましくは4〜12%
2 3 0〜8%、好ましくは0〜4%
TiO 2 0〜3%
を含み、R 2 O≦13.0%のとき、MgOは0〜5%、特に0〜2%であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記スピナーディッシュの合金の組成が、5.5〜9重量%のタンタルを含むことを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の方法。
(5)前記スピナーディッシュの合金の組成が、0.9又はそれよりも大きいTa/Cモル比を有することを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6)前記スピナーディッシュの合金の組成が、0.3〜0.55重量%の炭素を含むことを特徴とする、(5)に記載の方法。
(7)前記合金の組成が、0.8〜1.2重量%の炭素を含むことを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の方法。
(8)前記スピナーディッシュの合金の組成が、約0.3〜0.5のTa/Cモル比を有することを特徴とする、(7)に記載の方法。
(9)前記スピナーディッシュの合金の組成がタングステンを含まないことを特徴とする、(1)〜(8)のいずれか1つに記載の方法。
(10)前記溶融鉱物物質が約1140℃又はそれよりも高い液体化温度を有することを特徴とする、(9)に記載の方法。
(11)クロム、ニッケル、タンタル及び炭素を含む、酸化性媒質中において高温機械的強度を示すコバルトに基づく合金であって、タングステンを含まないこと、及び本質的に以下の元素(比率は合金の重量分率に関して示される):
Cr 23〜34%
Ni 6〜12%
Ta 3〜10%
C 0.2〜1.2%
Fe 3%未満
Si 1%未満
Mn 0.5%未満
Zr 0.1%未満
から構成されており、残りはコバルトと不可避不純物からなり、Ta/Cモル比が少なくとも0.3であることを特徴とする、コバルトに基づく合金。
(12)前記元素の比率が以下の範囲:
Cr 26〜32%
Ni 8〜10%
Ta 4.5〜9%
C 0.3〜1.1%
にあることを特徴とする、(11)に記載の合金。
(13)タンタル対炭素モル比が少なくとも0.9であることを特徴とする、(11)又は(12)に記載の合金。
(14)炭素含有率が約0.3〜0.55%であることを特徴とする、(13)に記載の合金。
(15)炭素含有率が約0.8〜1.2%であることを特徴とする、(11)又は(12)に記載の合金。
(16)Ta/Cモル比が約0.3〜0.5であることを特徴とする、(11)又は(12)に記載の合金。
(17)クロム、ニッケル、タンタル及び炭素を含む、酸化性媒質中で高温機械的強度を示すコバルトに基づく合金であって、本質的に以下の元素(比率は合金の重量分率に関して示される):
Cr 23〜34%
Ni 6〜12%
Ta 4.2〜10%
W 4〜8%
C 0.8〜1.2%
Fe 3%未満
Si 1%未満
Mn 0.5%未満
Zr 0.1%未満
から構成されており、残りはコバルトと不可避不純物からなり、Ta/Cモル比は少なくとも0.3、好ましくは少なくとも0.35、有利には約0.35〜0.5であることを特徴とする合金。
(18)特にガラスの生産又は高温変換に用いることができる物品であって、(11)〜(17)のいずれか1つに記載の合金から、特に鋳造作業によって作られる物品。
(19)鋳造作業によって得られる(18)に記載の物品。
(20)前記合金が鋳造された後に、熱処理を行なわれている、(19)に記載の物品。
(21)前記合金が鋳造された後に、鍛造工程を行なわれている、(19)に記載の物品。
(22)ミネラルウールを製造するための繊維化スピナーディッシュから成る、(18)〜(21)のいずれか1つに記載の物品。
(23)溶融合金を適当な型で鋳造すること、及び1100〜1250℃の温度での第1のアニール工程と850〜1050℃の温度での第2のアニール工程を含む鋳造された物品の熱処理を行うことを含む、(20)に記載のスピナーディッシュの製造方法。
(24)以下の元素(合金の重量分率に関して):
Cr 23〜34%
Ni 6〜12%
Ta 3〜10%
C 0.2〜1.2%
W 0〜8%
Fe 3%未満
Si 1%未満
Mn 0.5%未満
Zr 0.1%未満
を含み、残りはコバルトと不可避不純物からなり、タンタルの炭素に対するモル比が少なくとも0.3であるコバルトに基づく合金で作られた物品の、少なくとも1100℃の温度の酸化性雰囲気中での使用。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明による合金の構造の顕微鏡写真を示す。
【図2】 図2は、この合金の機械的性質を示すグラフである。
【図3】 図3は、比較例の合金の顕微鏡写真を示す。
【図4】 図4は、比較例の合金の顕微鏡写真を示す。
【図5】 図5は、様々な合金の機械的性質を比較したグラフである。
【図6】 図6は、様々な合金の機械的性質を比較したグラフである。
【図7】 図7は、本発明に従って用いられる別の合金の構造の顕微鏡写真を示す。

Claims (23)

  1. 溶融鉱物物質の流れを、繊維化スピナーディッシュに注ぎ、ここでこのスピナーディッシュの周縁バンドには多数のオリフィスが開けられており、これらのオリフィスを通って溶融鉱物物質のフィラメントが流出し、これらのフィラメントをガスの作用で細くしてウールする、内部遠心法によってミネラルウールを製造する方法であって、前記スピナーディッシュ内の前記鉱物物質の温度が少なくとも1100℃であること、及び前記繊維化スピナーディッシュがコバルトに基づく合金で作られており、この合金が(合金の重量に対する質量分率で)次の元素:
    Cr 23〜34%
    Ni 6〜12%
    Ta 3〜10%
    C 0.2〜1.2
    e 3%未満
    Si 1%未満
    Mn 0.5%未満
    Zr 0.1%未満
    を含み、タングステンを含まず、残りはコバルトと不可避不純物からなり、タンタルの炭素に対するモル比が少なくとも0.3であることを特徴とする、ミネラルウールを製造する方法。
  2. 前記鉱物物質が、少なくとも3質量%の、Feとして表される第二鉄含有率を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記鉱物物質が以下の質量分率で:
    SiO 39〜55
    Al 16〜27
    CaO 3〜35
    MgO 0〜15
    NaO 0〜15
    O 0〜15
    O(NaO+KO) 10〜17
    0〜3
    全鉄(Feで表される)0〜15
    0〜8
    TiO 0〜3
    を含み、RO≦13.0%のとき、MgOは0〜5であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  4. 前記スピナーディッシュの合金の組成が、5.5〜9質量%のタンタルを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記スピナーディッシュの合金の組成が、0.9又はそれよりも大きいTa/Cモル比を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記スピナーディッシュの合金の組成が、0.3〜0.55質量%の炭素を含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記合金の組成が、0.8〜1.2質量%の炭素を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記スピナーディッシュの合金の組成が、.3〜0.5のTa/Cモル比を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記溶融鉱物物質が140℃又はそれよりも高い液体化温度を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. クロム、ニッケル、タンタル及び炭素を含む、酸化性媒質中において高温機械的強度を示すコバルトに基づく合金であって、タングステンを含まないこと、及び以下の元素(比率は合金の質量分率に関して示される):
    Cr 23〜34%
    Ni 6〜12%
    Ta 3〜10%
    C 0.2〜1.2%
    Fe 3%未満
    Si 1%未満
    Mn 0.5%未満
    Zr 0.1%未満
    から構成されており、残りはコバルトと不可避不純物からなり、Ta/Cモル比が少なくとも0.3であることを特徴とする、コバルトに基づく合金。
  11. 前記元素の比率が以下の範囲:
    Cr 26〜32%
    Ni 8〜10%
    Ta 4.5〜9%
    C 0.3〜1.
    にあることを特徴とする、請求項10に記載の合金。
  12. タンタル対炭素モル比が少なくとも0.9であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の合金。
  13. 炭素含有率が.3〜0.55%であることを特徴とする、請求項12に記載の合金。
  14. 炭素含有率が.8〜1.2%であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の合金。
  15. Ta/Cモル比が.3〜0.5であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の合金。
  16. クロム、ニッケル、タンタル及び炭素を含む、酸化性媒質中で高温機械的強度を示すコバルトに基づく合金であって、以下の元素(比率は合金の質量分率に関して示される):
    Cr 23〜34%
    Ni 6〜12%
    Ta 4.2〜10%
    W 4〜8%
    C 0.8〜1.2%
    Fe 3%未満
    Si 1%未満
    Mn 0.5%未満
    Zr 0.1%未満
    から構成されており、残りはコバルトと不可避不純物からなり、Ta/Cモル比は少なくとも0.3であることを特徴とする合金。
  17. 求項1016のいずれか1項に記載の合金から作られる物品。
  18. 鋳造作業によって得られる請求項17に記載の物品。
  19. 前記合金が鋳造された後に、熱処理を行なわれている、請求項18に記載の物品。
  20. 前記合金が鋳造された後に、鍛造工程を行なわれている、請求項18に記載の物品。
  21. ミネラルウールを製造するための繊維化スピナーディッシュから成る、請求項1720のいずれか1項に記載の物品。
  22. 溶融合金を適当な型で鋳造すること、及び1100〜1250℃の温度での第1のアニール工程と850〜1050℃の温度での第2のアニール工程を含む鋳造された物品の熱処理を行うことを含む、請求項19に記載のスピナーディッシュの製造方法。
  23. 以下の元素(合金の質量分率に関して):
    Cr 23〜34%
    Ni 6〜12%
    Ta 3〜10%
    C 0.2〜1.2
    e 3%未満
    Si 1%未満
    Mn 0.5%未満
    Zr 0.1%未満
    を含み、タングステンを含まず、残りはコバルトと不可避不純物からなり、タンタルの炭素に対するモル比が少なくとも0.3であるコバルトに基づく合金で作られた物品の、少なくとも1100℃の温度の酸化性雰囲気中での使用。
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