JP4990981B2 - マイクロホンを用いた雑音抽出装置 - Google Patents

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    • H04R3/005Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for combining the signals of two or more microphones

Description

本発明は、雑音抽出装置に関し、特に、2つ以上のマイクロホンユニットからの信号を信号処理して出力を得るマイクロホン装置の振動雑音を抽出する、マイクロホンを用いた雑音抽出装置に関するものである。
2つ以上のマイクロホンユニットからの信号を信号処理して出力を得るマイクロホン装置があり、そのマイクロホン装置における信号処理として、例えば音圧傾度型の指向性合成方法がある。指向性合成方法は、小型で指向性が形成できるメリットを持つ一方、指向性合成時に音圧感度が低下してしまうデメリットをもつ。すなわち、指向性合成方法では、指向性が形成できるが、音圧に対する感度は、マイクロホンユニットで発生する振動雑音の雑音レベルに比較して低下してしまう。そのため、指向性合成方法では、相対的に振動雑音の問題が大きくなる。
また、従来のマイクロホンの振動雑音の対策として、1)フローティング、2)振動センサを使ったキャンセリング、3)マイクロホンユニットからの信号間のキャンセリング、などが存在する。以下、振動雑音の問題に対する対策方法として、本発明に関連が深い2)振動センサを使ったキャンセリングについて説明する。
図10は、振動雑音に対する従来の対策方法を説明するための図である。図10に示すマイクロホン装置800は、マイクロホンユニット1、音孔が密閉されているマイクロホンユニット2、マイクロホンユニット1とマイクロホンユニット2とを保持する筐体3、マイクロホンユニット1からの出力信号とマイクロホンユニット2からの出力信号が入力され、入力されたそれら信号の減算を行う信号減算部4とを備える。
以上のように構成されたマイクロホン装置800が行う振動雑音に対する対策処理についての動作を次に説明する。
マイクロホンユニット1は、主として目的の音波を収音するために設けられ、収音した目的の音波の信号を出力する。しかし、実用上は、目的の音波以外の要因による振動によってもマイクロホンユニット1の振動板が振動され、その振動により発生する振動雑音が収音する目的の音波の信号に重畳されてマイクロホンユニット1から出力される。
この振動雑音を除去するために、図10に示すようにマイクロホンユニット2が設けられている。マイクロホンユニット2は、音波に対する感度が十分に低下するように音孔を塞がれて、振動センサとして動作するようになっている。また、マイクロホンユニット2は、マイクロホンユニット1と同一の筐体3に固定されている。これは、できるだけ目的の音波以外の要因による振動がマイクロホンユニット1およびマイクロホンユニット2に対して同一に発生するようにするためである。
このようにして、マイクロホンユニット2は、マイクロホンユニット1にも発生し、目的の音波以外の要因による振動により発生する振動雑音を収音する。
従って、マイクロホンユニット2からの出力信号は、マイクロホンユニット1からの出力信号の振動雑音成分と等しいとし、信号減算部4で減算処理を行うことで、マイクロホンユニット1の出力信号に重畳されている振動成分がキャンセルできる。
それにより、マイクロホン装置800は、信号減算部4から、マイクロホン装置800が収音したい音波の信号の出力が得られることになる。
特開昭56−25892号公報
しかしながら、上記従来の構成では、マイクロホンユニット1とマイクロホンユニット2とが同一筐体3に固定されているものの、2つのマイクロホンユニットから出力される振動雑音は同一の信号にならない。すなわち、上記従来の構成では、2つのマイクロホンユニットに実質的には同一の振動が伝わらないだけでなく、マイクロホンユニット1とマイクロホンユニット2との振動感度に関する個体差などがあるため、2つのマイクロホンユニットから出力される振動雑音は同一の信号にならない。従って、信号減算部4において、マイクロホンユニット1の出力信号に重畳されている振動成分をキャンセルすることが難しく、十分な効果が得られない。すなわち、マイクロホン装置800は、信号減算部4から、マイクロホン装置800が収音したい音波以外に振動雑音が含まれる信号の出力を得てしまう。
さらに、上記従来の構成では、目的の音波を収音するマイクロホンユニット1とは別に振動成分をキャンセルするのに用いる振動センサ(ここではマイクロホンユニット2)を設ける必要があり、実装上の制約となる。
そこで、本発明は、上述の事情を鑑みてなされたもので、音波を収音するマイクロホン装置に、新たに振動センサを追加することなく雑音を抽出する雑音抽出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る雑音抽出装置は、音を収音するための第1および第2のマイクロホンユニットと、前記第1および第2のマイクロホンユニットからの出力信号を指向性合成して、雑音感度が異なるが、音圧に対する指向特性が一致し、かつ、音響的中心位置が一致する、2つの指向性合成信号を生成する指向性合成部と、前記2つの指向性合成信号の一方から他方を減算することで、前記一方の指向性合成信号から、音響成分を打ち消すことにより、雑音成分を抽出する音響相殺部とを備えることを特徴とする。
ここで、前記指向性合成部は、前記第1と第2のマイクロホンユニットからの出力信号を指向性合成する第1、第2および第3の指向性合成部と、前記第1、第2および第3の指向性合成部それぞれからの出力信号を絶対値演算して絶対値信号を出力する第1、第2および第3の信号絶対値部とを備え、音響相殺部は、前記第1の信号絶対値部から出力された絶対値信号を前記一方の指向性合成信号として取得し、前記第2および第3の信号絶対値部から出力された絶対値信号から前記他方の指向性合成信号を生成し、前記一方の指向性合成信号から前記他方の指向性合成信号を減算することによって、前記音響成分を打ち消す相殺演算部とを備えてもよい。
また、前記第2および第3の指向性合成部は、前記第1の指向性合成部に比較して、前記雑音成分に対する感度が高い、または、前記音響成分に対する感度が低くてもよい。
また、前記第2および第3の指向性合成部は、音圧傾度型の指向性合成方法に従い、それぞれの出力信号が持つ指向性パタンが相反する方向になるよう指向性合成し、前記第2および第3の指向性合成部それぞれからの出力信号が持つ指向性パタンの和と前記第1の指向性合成部からの出力信号が持つ指向性パタンとは等しくてもよい。
また、前記第1の指向性合成部は、前記第1および第2のマイクロホンユニットからの出力信号を信号加算することにより加算型の指向性合成を行い、前記第2の指向性合成部は、前記第2のマイクロホンユニットからの出力信号に所定の遅延を与え、第1のマイクロホンユニットの出力信号から減算することにより音圧傾度型の指向性合成を行い、前記第3の指向性合成部は、前記第1のマイクロホンユニットからの出力信号に所定の遅延を与え、第2のマイクロホンユニットの出力信号から減算することにより音圧傾度型の指向性合成を行ってもよい。
また、前記雑音抽出装置は、さらに、前記第1、第2および第3の指向性合成部それぞれからの出力信号の信号帯域を制限して第1、第2および第3の信号絶対値演算部にそれぞれに出力する第1、第2および第3の信号帯域制限部を備えてもよい。
また、前記音響相殺部は、抽出された前記雑音成分を示す出力信号を出力し、前記雑音抽出装置は、さらに、前記音響相殺部からの出力信号と、前記第1、第2および第3の指向性合成部の何れかからの出力信号とから、雑音波形信号を復元して出力する信号復元部を備えてもよい。
また、前記信号復元部は、前記第1、第2および第3の指向性合成部の何れかからの出力信号の符号と、前記信号相殺演算部からの出力信号との乗算によって雑音波形信号を復元してもよい。
また、前記雑音抽出装置は、さらに、前記第1、第2および第3の指向性合成部の前段または後段部分に、時間領域から周波数領域への変換を行う時間周波数変換部を備え、前記信号相殺演算部は、周波数毎に、前記雑音信号を抽出してもよい。
また、前記雑音抽出装置は、さらに、前記信号相殺演算部からの出力信号と、前記第1、第2および第3の指向性合成部の何れかからの出力信号とから、雑音波形信号を復元して出力する信号復元部を備え、前記信号復元部は、前記第1、第2および第3の指向性合成部の何れかからの出力信号の周波数毎の位相情報と、前記信号相殺演算部からの出力信号の周波数毎の振幅情報とを用いて、雑音波形信号を復元してもよい。
また、前記雑音抽出装置は、振動センサとして構成されてもよい。
また、前記雑音抽出装置は、前記一方の指向性合成信号から音響成分を抽出してもよい。
なお、本発明は、装置として実現するだけでなく、このような装置が備える処理手段を備える集積回路として実現したり、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。
本発明によれば、音波を収音するマイクロホン装置に、新たに振動センサを追加することなく雑音を抽出する雑音抽出装置を実現することができる。
それにより2つ以上のマイクロホンユニットから信号合成によって出力信号を得るマイクロホン装置に混入する振動雑音を正確に抽出する装置を実現することができる。
具体的には、本発明では、マイクロホン装置が収音したい音波の出力信号を得るためのマイクロホンユニット自体から、振動ノイズを抽出する構成を用いる。また、抽出した振動ノイズは、マイクロホン装置に混入する振動ノイズと相関が高い。この抽出した振動ノイズを用いることでマイクロホンユニットに関する位置でのノイズ(マイクロホン装置に混入する振動ノイズ)を正確に抑圧または制御することができる。
また、本発明では、マイクロホンユニットに含まれる振動ノイズを抽出する抽出方法としては、振動感度が異なる指向性合成出力を使って、全方向からの音波を常時打消しながら、振動ノイズのみを抽出する。それにより音波の強さに影響を受けることなく、正確な振動ノイズレベルを検出でき、振動ノイズ波形を推定することができる。
なお、本発明は、収音した際の音波による信号を相殺して、ノイズのみを抽出する方法である。従って、音波とは信号の振る舞いが異なり、かつ、振動ノイズと性質が類似している、例えば風雑音に対しても同様の効果が得られる。ここで、風雑音とは、マイクロホンに風が当たって発生するノイズである。
また、本発明によれば、新たに振動センサを追加する必要がない。目的の音波を収音する目的で設けられた複数のマイクロホンユニットを用いて、音波に対する収音信号の影響を受けることなく、振動ノイズ成分のみを抽出することができる。それにより、複数のマイクロホンユニットを用いて、それを備えるマイクロホン装置に混入する振動ノイズを打消すことが高精度に行えるので、複数のマイクロホンユニットを備え、耐振動性に優れたマイクロホン装置を実現できるようになる。
なお、本発明は、装置として実現するだけでなく、このような装置が備える処理手段を備える集積回路として実現したり、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるマイクロホンを用いた雑音抽出装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態1における出力信号の信号波形例と指向特性と音波に対する感度の関係を示す表である。 図3は、本発明の実施の形態1におけるマイクロホンユニット単体の振動ノイズレベルを基準にした振動抽出感度を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態2におけるマイクロホンを用いた雑音抽出装置の構成を示すブロック図である。 図5は、本発明の実施の形態3におけるマイクロホンを用いた雑音抽出装置の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の実施の形態4におけるマイクロホンを用いた雑音抽出装置の構成を示すブロック図である。 図7は、本発明の実施の形態5における雑音抽出装置を用いたマイクロホン装置の構成を示すブロック図である。 図8は、本発明の実施の形態5におけるマイクロホン装置の機能構成を示すブロック図である。 図9は、本発明のマイクロホン装置が利用可能なアプリケーションの例を示す図である。 図10は、従来の振動雑音に対する従来の対策方法を説明するための図である。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるマイクロホンを用いた雑音抽出装置の構成を示すブロック図である。なお、以降の説明においては、時間領域の信号については信号名の頭文字を小文字とし、周波数領域の信号については信号名の頭文字を大文字として説明を行う。また、xm0(n)をxm0と表記し、Xm0(ω)をXm0と表記して説明を行う。
図1に示す雑音抽出装置100は、第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12を備え、第1の指向性合成部20、第2の指向性合成部30、第3の指向性合成部40、第1の信号絶対値演算部71、第2の信号絶対値演算部72、第3の信号絶対値演算部73および信号相殺演算部80を備える。
また、第1の指向性合成部20は、信号加算部22および信号増幅部23を備える。第2の指向性合成部30は、信号遅延部31、信号減算部32および周波数特性補正部33を備える。第3の指向性合成部40は、信号遅延部41、信号減算部42および周波数特性補正部43を備える。
第1の指向性合成部20は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とが入力される。入力された信号um0とum1とに対して加算型の指向性合成を行い、出力信号xm0を出力する。
第2の指向性合成部30は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とが入力される。入力された信号um0とum1とに対して音圧傾度型の指向性合成を行い、出力信号xm1を出力する。
第3の指向性合成部40は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とが入力される。入力された信号um0とum1とに対して音圧傾度型の指向性合成を行い、出力信号xm2を出力する。
第1の信号絶対値演算部71は、第1の指向性合成部20からの出力信号xm0の絶対値(以下、第1出力信号と記載。)を演算して出力する。
第2の信号絶対値演算部72は、同様に、第2の指向性合成部30からの出力信号xm1の絶対値(以下、第2出力信号と記載。)を演算して出力する。
第3の信号絶対値演算部73は、同様に、第3の指向性合成部40からの出力信号xm2の絶対値(以下、第3出力信号と記載。)を演算して出力する。
信号相殺演算部80は、第1の信号絶対値演算部71からの第1出力信号、第2の信号絶対値演算部72からの第2出力信号、および、第3の信号絶対値演算部73からの第3出力信号が入力される。信号相殺演算部80は、第1出力信号と第2出力信号と第3出力信号とから、音波に対する音響信号成分を相殺する演算を行い、例えば振動雑音の雑音信号成分の出力信号nv1を出力する。
なお、上述した各構成部は、物理的には第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12の出力を受けたプロセッサ上で実行される機能として実装されてもよい。
以上のように、雑音抽出装置100は構成される。
次に、雑音抽出装置100の動作の説明をする。以下の説明では、振動ノイズに関して述べる。
まず、動作の概要を説明する。雑音抽出装置100では、本来は音を収音するためのマイクロホンを使って、そのマイクロホンに加わる振動ノイズ成分を抽出する。具体的には、雑音抽出装置100は、振動感度が異なり、かつ、音圧に対する指向特性と音響的中心位置とが一致している出力信号であって、指向性合成された出力信号同士を減算することで、全ての方向から到来する音波に対する信号を相殺して(音波を打ち消して)、振動ノイズ成分のみを抽出する。
ここで、振動感度が低い(音圧感度が高い)すなわち振動に強いマイクロホンの出力信号として、第1の指向性合成部20からの出力信号(第1出力信号)を用いる。また、振動感度が高い(音圧感度が低い)すなわち振動に弱いマイクロホンの出力信号として第2の指向性合成部30と第3の指向性合成部40とからの複数の出力信号(第2出力信号と第3出力信号)を演算合成した出力信号(合成出力信号)を用いる。
以下、音波の打ち消しが行われ振動ノイズの抽出が行われる雑音抽出装置100の処理について詳細に説明する。
第1の指向性合成部20では、まず、信号加算部22は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とを加算した指向性合成信号を信号増幅部23に出力する。次に、信号増幅部23は、入力されたその指向性合成信号のゲインを調整し、指向性合成出力信号xm0を出力する。
なお、信号増幅部23のゲインを1として以降の説明を行う。
従って、第1の指向性合成部20からの出力信号は(数1)のように示せる。ここで、Xm0(ω)、Um0(ω)、Um1(ω)は、時間領域で表現される信号xm0(n)、um0(n)、um1(n)を周波数領域で表現されたものである。
(数1)Xm0(ω)=Um0(ω)+Um1(ω)
次に、第2の指向性合成部30では、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1を、信号遅延部31において時間τ遅延させて、信号減算部32において第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0から減算することで、指向性を形成する。ここで、第2の指向性合成部30で形成される指向特性は、指向軸正面が2つのマイクロホンユニット(第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12)を結ぶ線上において第1のマイクロホンユニット11の方向に向いたものとなる。
第2の指向性合成部30では、遅延時間τを(数2)とすることで、カーディオイド型の単一指向特性を持つように指向性を形成することができる。
(数2)τ=d/c(ただし、dはマイクロホンユニット間隔、cは音速)
また、第2の指向性合成部30では、周波数特性補正部33は、信号減算部32から入力された出力信号の周波数特性を補正し、出力信号xm1を出力する。ここで、補正特性として、例えば(数3)で示す特性を用いる。それにより、信号減算部32から入力された出力信号の周波数特性、すなわち低音域にかけて6dB/octで減衰する音圧感度を、平坦な特性に補正することができる。
Figure 0004990981
ただし、Aは、実際にデジタルフィルタなどを用いて補正部を実現する際に発振防止のために設ける定数である。ここではAは1に近く、かつ、1より小さな値であるとする。以降の説明では、理論上A≒1と考えて、A=1として説明する。なお、実用上は、必要周波数帯域の低域限界によって設定値を決める。
以上から、第2の指向性合成部30からの出力信号xm1を式で示すと(数4)になる。
Figure 0004990981
なお、(数4)は、一般的な単一指向性合成を式で表したものになっている。
次に、第3の指向性合成部40では、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0を、信号遅延部41において時間τ遅延させて、信号減算部42において第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1から減算することで、指向性を形成する。
ここで、第3の指向性合成部40で形成される指向特性は、指向軸正面が2つのマイクロホンユニット(第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12)を結ぶ線上において第2のマイクロホンユニット12の方向に向いたものとなる。第3の指向性合成部40では、第2の指向性合成部30の場合と同様にして、遅延時間τを(数2)とすることで、カーディオイド型の単一指向性を持つように指向性を形成することができる。
また、第3の指向性合成部40では、周波数特性補正部43は、信号減算部42から入力された出力信号の周波数特性を補正し、出力信号xm2を出力する。ここで、第2の指向性合成部30の場合と同様にして、補正特性には(数3)を用いる。以上から、第3の指向性合成部40からの出力信号xm2を式で示すと(数5)になる。
Figure 0004990981
図2は、実施の形態1における出力信号の信号波形例と指向特性と音波に対する感度との関係を示す表である。
図2では、第1の指向性合成部20からの出力信号xm0と、第2の指向性合成部30からの出力信号xm1と、第3の指向性合成部40からの出力信号xm2との関係とを示している。
ここでは、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とが配置されるマイクユニット間隔(ユニット間距離)dを10mmとしている。このとき、加算型の指向性合成である第1の指向性合成部20からの出力信号xm0は、ユニット間距離dに比較して、波長の長い周波数帯域(例えば1kHz)ではほぼ無指向性になる。また、その出力信号xm0の音圧感度は、加算型であるのでその絶対値は高くなる。そのため、音圧感度に対する振動感度は相対的に低くなる。図2の表の(i)の信号波形の項に、第1の指向性合成部20からの出力信号xm0の信号波形例を示す。図中、音波を示す部分と振動ノイズが発生している部分とに矢印を付けている。
一方、音圧傾度型の指向性合成である第2の指向性合成部30からの出力信号xm1は、指向性として、単一指向性を示す。また、出力信号xm1の音圧感度は、音圧傾度型(減算型)であるため絶対値は加算型に比して低くなる。そのため、音圧感度に対する振動感度は相対的に高くなる。図2の表の(ii)の信号波形の項に第2の指向性合成部30からの出力信号xm1の信号波形例を示す。
出力信号xm1は、振動感度が高いため、(i)に示す出力信号xm0に比較して振動ノイズ区間の信号レベルが高くなる。
第3の指向性合成部40からの出力信号xm2は、指向性として、xm1とは逆向きの単一指向性を示す。また、出力信号xm2の音圧感度は、同様に、音圧傾度型であるため低くなる。そのため、音圧感度に対する振動感度は相対的に高くなる。図2の表の(iii)の信号波形の項に第3の指向性合成部40からの出力信号xm2の信号波形例を示す。
出力信号xm2は、振動感度が高いため、第2の指向性合成部30からの出力信号xm1と同様に第3の指向性合成部40からの出力信号xm2も、(i)に示す出力信号xm0に比較して振動ノイズ区間の信号レベルが高くなる。
以上の説明に基づいて、信号相殺演算部80からの出力信号nv1を(数6)で示す。
なお、出力信号nv1は、出力信号xm0と、出力信号xm1と、出力信号xm2とがそれぞれ入力され、第1の信号絶対値演算部71との第2の信号絶対値演算部72と第3の信号絶対値演算部73とからそれぞれ第1出力信号と第2出力信号と第3出力信号とが出力される。出力された第1出力信号と第2出力信号と第3出力信号とを信号相殺演算部80内部の信号加算部81および信号減算部82により演算されて出力された信号である。
(数6)nv1=|xm1|+|xm2|−|xm0|
なお、図1に示す信号相殺演算部80では、合成出力信号(|xm1|+|xm2|)を得て、その後第1出力信号(|xm0|)を減算している。しかし、(数6)と等価な出力を得られるものであれば(数6)に示すとおり、演算の順序は問わない。
この演算を周波数領域で示し、上記の(数1)、(数4)および(数5)を代入すると、(数7)のようになる。
Figure 0004990981
次に、この(数7)を使って、この出力信号nv1における音波に対する感度と振動に対する感度とがどのようになるかを説明する。
まず、音波に対する感度は、音波に対する出力信号Nv1(ω)で表せる。上述したように、第1の指向性合成部20と第2の指向性合成部30と第3の指向性合成部40とによる指向性合成の方法は、指向性主ローブの極性が等しく、どれもがサイドローブを持たない合成方法である。また、音響的中心位置が2つのマイクユニットの中点で共通であることから、(数7)の絶対値内の符号(位相回転)は等しくなっている。従って、音波に対する出力信号Nv1(ω)は、絶対値を外した(数8)に等しくなる。
Figure 0004990981
(数8)より、音波に対する感度が、第1の指向性合成部20と第2の指向性合成部30と第3の指向性合成部40からの出力信号が相殺しあう。それにより、実施の形態1の出力信号nv1は0となることが分かる。
ただし、(数8)において、マイクユニット間隔dに対して1/2波長以下になる高域(ここでは、17kHz以上(c/(2×d)=17kHz))では空間エリアジングが起き、この空間エリアジングが起きる周波数帯域では、極性の反転したサイドローブが発生するため、成り立たなくなる。ここで、空間エリアジングとは、正面方向以外の方向で音の行路差が波長の整数倍となり音が強めあい、不要な指向性が生じる現象である。従って、マイクユニット間隔dなどは、必要帯域によって適切な距離に設定したり、使用する周波数帯域を制限したりする必要がある。
次に、振動ノイズについて説明する。第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とに混入する振動ノイズには、それら2つのマイクロホンユニットの出力信号間で相関があるものと相関がないものが存在する。しかし、相関があるものについては音圧傾度型の指向性合成時に、音波同様に振動成分も減衰するため大きな問題にはならない。特に問題になるのは、相関がないものである。
そのため、(数7)において、Um0(ω)またはUm1(ω)のどちらか一方を消去したものは、もう一方のマイクロホンユニットに起因する振動ノイズ出力であると考えることができる。
従って、Um1(ω)を消去して整理すると、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0に関する振動ノイズの出力信号は(数9)のようになる。
Figure 0004990981
(数9)は第1のマイクロホンユニット11に振動ノイズが発生した場合に、第1の指向性合成部20から出力される振動ノイズの出力信号の量を|Um0(ω)|としたときの出力信号Nv1(ω)のレベルを表している。
図3は、本発明の実施の形態1におけるマイクロホンユニット単体の振動ノイズレベルを基準にした振動抽出感度を示す図である。
図3は、(数9)の{・}の部分をグラフ化したものであり、低域ほど検出レベルが高まっている。
図3のように低域ほど検出レベルが上昇しているのは、振動感度が高く振動を拾いやすい出力信号xm1および出力信号xm2に対して、周波数特性補正部33および43により(数3)で示される補正特性が加わっているためである。そのため、出力信号Nv1の特性は、出力信号xm1または出力信号xm2に含まれる振動ノイズの周波数特性に近くなる。
以上のようにして、雑音抽出装置100における音波に対する感度は、(数8)に示すように相殺される(音波が打ち消される)。雑音抽出装置100に混入する振動ノイズに関しては、第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12で個別に発生する成分として(数9)に示すように、出力信号Nv1が振動ノイズの振幅値として得られる。
図2の表の(iv)の信号波形の項には、信号相殺演算部80からの出力信号nv1の信号波形例を示されている。図2に示すように、信号相殺演算部80からの出力信号nv1は、音波に対する感度を持つことなく(音波を打ち消して)、振動ノイズ(振動ノイズの波形振幅情報)を抽出することができる。
以上、本発明の実施の形態1における雑音抽出装置100では、複数のマイクロホンユニット(第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12)を用いて、音波に対する収音信号の影響を受けることなく、振動ノイズ成分のみを抽出することができる。従って、複数のマイクロホンユニット(第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12)を用いて、それを備えるマイクロホン装置に混入する振動ノイズを打ち消す制御が高精度に行える。それにより、複数のマイクロホンユニットを備え、耐振動性に優れたマイクロホン装置が実現できる。
また、雑音抽出装置100では、複数の指向性合成部(第1の指向性合成部20と第2の指向性合成部30と第3の指向性合成部40)の出力値を用いて振動成分の抽出ができる。つまり、信号相殺演算部80での合成出力信号(信号加算部出力)が、第1の指向性合成部20の出力信号である第1出力信号に比して、音響信号に対する振動成分を、相対的に多く含むことを利用して、雑音抽出装置100では、振動成分の抽出を行う。それにより、本来は音波を捕らえる用途であるマイクロホンデバイスを、マイクロホンの機能だけでなく振動センサとして用いることができる。
また、信号加算部81からの出力信号が振動成分を抽出する属性を有する、すなわち第1出力信号と信号加算部81からの出力信号とを減算することにより、振動成分を抽出できる。それにより、新たに専用のセンサを用いることなく本来は音波を捕らえる用途であるマイクロホンデバイスを、マイクロホンの機能だけでなく振動センサとして用いることができる。
なお、信号相殺演算部80は、(数6)に示す加算結果と等価な出力を得られるものであれば、演算の順序は問わない。
また、本発明の実施の形態1では、説明を簡単にするため、第1の指向性合成部20の出力は無指向性を示し、第2の指向性合成部30および第3の指向性合成部40の出力は単一指向性を示すと言う表現で説明をした。しかし、指向性パタンが一致していれば、上述した無指向性と単一指向性との組み合わせでなくても良い。例えば、本実施の形態1においても、高域限界の17kHz付近の周波数帯では、第1の指向性合成部20と、第2の指向性合成部30および第3の指向性合成部40とからの出力信号の絶対値加算の指向性形状は無指向性ではなく双指向性形状となっているが、指向性パタンが一致していればよい。
また、上述ではマイクロホン装置に混入するノイズとして、振動ノイズに着目して説明を行った。しかし、本発明の実施の形態1で説明した抽出方法は、収音した際の音波による信号を相殺してノイズのみを抽出する方法である。従って、音波とは信号の振る舞いが異なり、かつ、振動ノイズと性質が類似している、例えば風雑音に対しても同様の効果が得られる。つまり、マイクロホン装置で課題となる風雑音についても、複数のマイクロホンユニットに対して無相関に風雑音が発生することから、動作は振動雑音と共通でよく、同様に適用できる。ここで、風雑音とは、マイクロホンに風が当たって発生するノイズである。従って、新たに専用のセンサを用いることなく本来は音波を捕らえる用途であるマイクロホンデバイスを、マイクロホンの機能だけでなく風雑音センサとして用いることができる。
また、本発明の実施の形態1では、マイクロホンユニットの数が2個の場合で構成される場合を説明したが、それに限定されない。3個以上となる複数マイクロホンユニットを用いて、音圧感度が異なり、かつ、指向特性パタン上で互いに信号を相殺するように(音波を打ち消して)、雑音成分のみを抽出するように、指向性合成出力を構成してもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について、以下説明する。
図4は、実施の形態2におけるマイクロホンを用いた雑音抽出装置の構成を示すブロック図である。図1と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図4に示す雑音抽出装置200は、第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12を備え、第1の指向性合成部20、第2の指向性合成部30、第3の指向性合成部40、第1の信号帯域制限部61、第2の信号帯域制限部62、第3の信号帯域制限部63、第1の信号絶対値演算部71、第2の信号絶対値演算部72、第3の信号絶対値演算部73および信号相殺演算部80を備える。
また、第1の指向性合成部20は、信号加算部22および信号増幅部23を備える。第2の指向性合成部30は、信号遅延部31、信号減算部32および周波数特性補正部33を備える。第3の指向性合成部40は、信号遅延部41、信号減算部42および周波数特性補正部43を備える。
図4に示す雑音抽出装置200が、実施の形態1に係る雑音抽出装置100と異なるところは、第1、第2および第3の指向性合成部20、30および40と、第1、第2および第3の信号絶対値演算部71、72および73とのそれぞれの間に、第1の信号帯域制限部61、第2の信号帯域制限部62および第3の信号帯域制限部63を設けたところである。
図4において、第1の信号帯域制限部61は、第1の指向性合成部20から入力された出力信号xm0に対して信号帯域を制限して出力する。
同様に、第2の信号帯域制限部62は、第2の指向性合成部30から入力された出力信号xm1に対して信号帯域を制限して出力する。
また、第3の信号帯域制限部63は、第3の指向性合成部40から入力された出力信号xm2に対して信号帯域を制限して出力する。
他の構成要素は第1の実施の形態と同様である。第1の指向性合成部20は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とに対して加算型の指向性合成を行って出力信号xm0を出力する。第2の指向性合成部30は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とに対して音圧傾度型の指向性合成を行って出力信号xm1を出力する。第3の指向性合成部40は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とに対して音圧傾度型の指向性合成を行って出力信号xm2を出力する。
また、第1の信号絶対値演算部71は、第1の信号帯域制限部61から入力された出力信号に対する絶対値を演算して出力する。第2の信号絶対値演算部72は、第2の信号帯域制限部62から入力された出力信号に対する絶対値を演算して出力する。第3の信号絶対値演算部73は、第3の信号帯域制限部63から入力された出力信号に対する信号の絶対値を演算して出力する。
信号相殺演算部80は、第1の信号絶対値演算部71からの第1出力信号、第2の信号絶対値演算部72からの第2出力信号、および第3の信号絶対値演算部73からの第3出力信号が入力される。信号相殺演算部80は、第1出力信号と第2出力信号と第3出力信号とを加減算処理することで、音波に対する音響信号成分の相殺を行い、振動雑音の雑音信号成分の出力信号nv1を出力する。
以上のように、雑音抽出装置200は構成される。
次に、雑音抽出装置200の動作について説明する。図4において、実施の形態1と異なるところである第1の信号帯域制限部61、第2の信号帯域制限部62および第3の信号帯域制限部63について説明する。その他の構成要素については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
第1の信号帯域制限部61、第2の信号帯域制限部62および第3の信号帯域制限部63は、振動ノイズを抽出すべき周波数帯域が限られている場合、出力する出力信号の周波数帯域に制限を行うことで、振動ノイズを抽出すべき周波数帯域から振動ノイズを抽出することができる。従って、雑音抽出装置200は、振動ノイズが発生しない周波数帯域における、検出に妨害となる成分を除去した上で、振動ノイズを抽出することができる。それにより、雑音抽出装置200の振動ノイズ検出感度すなわち検出精度を高めることができる。
また、第1の指向性合成部20と第2の指向性合成部30と第3の指向性合成部40とにおいて、例えば雑音抽出装置200の筐体への実装上、反射や回折などの影響を受けて、指向特性が理想状態から外れる部分が存在する場合がある。その場合、第1の信号帯域制限部61、第2の信号帯域制限部62および第3の信号帯域制限部63により、不具合が発生する周波数帯域を除去してから後に続く処理を行うことができる。従って、雑音抽出装置200は、振動ノイズを抽出する際の抽出誤差を小さくすることができる。
また、第1の指向性合成部20と第2の指向性合成部30と第3の指向性合成部40とにおいて、特定の周波数帯域のみ音波に対する音響信号の相殺ができる指向性パタンが形成可能な状況がある。その場合、第1の信号帯域制限部61、第2の信号帯域制限部62および第3の信号帯域制限部63により、特定の周波数帯域に処理を制限することができる。従って、雑音抽出装置200は、振動ノイズを抽出する際の振動検出感度を高めることができる。
以上のように、実施の形態2における雑音抽出装置200では、実施の形態1における雑音抽出装置100の構成では正しく動作しない要因のある周波数帯域が存在する場合でも、その周波数帯域を除去することで、振動ノイズの有無判断などをより正確に行うことができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について、以下説明する。
図5は、本発明による実施の形態3のマイクロホンを用いた雑音抽出装置の構成を示すブロック図である。図1および図4と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図5に示す雑音抽出装置300が、実施の形態2における雑音抽出装置100と異なる部分は、信号復元部90が設けられている部分である。
信号復元部90は、信号符号抽出部91と信号乗算部92とから構成される。信号復元部90は、信号相殺演算部80から出力された、振動ノイズ振幅情報を示す出力信号nv1と、第3の指向性合成部40からの出力信号xm2とが入力され、出力信号nv2を出力する。
具体的には、信号符号抽出部91は、第3の指向性合成部40からの出力信号xm2の信号符号を抽出する。
信号乗算部92は、信号相殺演算部80から出力された振動ノイズ振幅情報を示す出力信号nv1と、出力信号xm2の信号符号とを乗算して、出力信号nv2を出力する。
他の構成要素は第1実施の形態と同様である。第1の指向性合成部20は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とに対して加算型の指向性合成を行って出力信号xm0を出力する。第2の指向性合成部30は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とに対して音圧傾度型の指向性合成を行い、出力信号xm1を出力する。第3の指向性合成部40は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号とに対して音圧傾度型の指向性合成を行い、出力信号xm2を出力する。
また、第1の信号絶対値演算部71は、第1の指向性合成部20から入力された出力信号xm0の絶対値を演算して出力する。第2の信号絶対値演算部72は、第2の指向性合成部30から入力された出力信号xm1の絶対値を演算して出力する。第3の信号絶対値演算部73は、第3の指向性合成部40から入力された出力信号xm2の絶対値を演算して出力する。
信号相殺演算部80は、第1の信号絶対値演算部71からの第1出力信号、第2の信号絶対値演算部72からの第2出力信号、および第3の信号絶対値演算部73からの第3出力信号が入力される。信号相殺演算部80は、第1出力信号と第2出力信号と第3出力信号とを加減算処理することで、音波に対する音響信号成分の相殺を行い、例えば振動雑音の雑音信号成分の出力信号nv1を出力する。
以上のように、雑音抽出装置300は構成される。
次に、雑音抽出装置300の動作について説明する。図5において、実施の形態1と異なるところである信号復元部90について説明する。その他の構成要素については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
信号復元部90は、信号符号抽出部91と信号乗算部92とから構成される。信号相殺演算部80からの出力信号nv1は、振動感度が高い第2の指向性合成部30と第3の指向性合成部40とからの、出力信号xm1と出力信号xm2との振動ノイズ成分が抽出されていると考えることができる。これは、信号相殺演算部80が、(数6)に示す演算を行った結果、図2の表の(iv)に示す信号波形が得られ、値が正の方向のみに振れていることからも分かる。
また、出力信号xm1および出力信号xm2に含まれる振動ノイズとして、例えば、um0に加わった振動ノイズの信号を図5に示すブロック構成上で追ってゆく場合、xm1には遅延なしで振動ノイズの信号が現れ、xm2には時間τの遅延を持って、かつ、逆位相で振動ノイズの信号が現れる。
出力信号xm1および出力信号xm2は、第2の信号絶対値演算部72および第3の信号絶対値演算部73で絶対値がとられ、信号加算部81で加算される。そのため、信号加算部81が出力する信号(|xm1|+|xm2|)に含まれる振動ノイズは、各信号に含まれる振動ノイズのほぼ2倍の値になる。
一方、第1の指向性合成部20からの出力信号mx0は、振動感度が低い。そのため、信号相殺演算部80からの出力には、出力信号xm1または出力信号xm2に混入する振動ノイズの2倍の振幅情報が得られており、正負の符号を加えることで、振動ノイズの波形を復元することができる。
ここで、信号相殺演算部80では、信号減算部82によって、信号加算部81で加算された信号(|xm1|+|xm2|)から、信号|xm0|を減算される。信号|xm0|に含まれる振動ノイズの値は小さいため、減算結果得られる出力信号nv1に含まれる振動ノイズは、信号(|xm1|+|xm2|)に含まれる振動ノイズとほぼ同じになる。
また、出力信号xm2は振動感度の高い指向性合成出力信号であるため、振動ノイズ発生区間では、振動ノイズ波形の正負符号を強く反映している。
従って、信号復元部90では、振動ノイズの振幅情報であるnv1にxm2から抽出した正負の符号を乗じることで、振動ノイズの波形を擬似的に復元することができる。
以上のようにして、実施の形態3における雑音抽出装置300では、複数のマイクロホンユニット(第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12)から音波に対する収音信号の影響を受けることなく、振動ノイズ波形を抽出することができる。従って、複数のマイクロホンユニット(第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12)を用いて、それを備えるマイクロホンに混入する振動ノイズをキャンセル(振動ノイズを打ち消す制御)または振動ノイズ成分を抑圧する処理が高精度に行える。それにより、複数のマイクロホンユニットを備え、耐振動性に優れたマイクロホン装置が実現できるようになる。また、新たに専用のセンサを用いることなく、本来は音波を捕らえる用途であるマイクロホンデバイスをマイクロホンの機能だけでなく振動センサとして用いることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4について、以下説明する。
図6は、実施の形態4のマイクロホンを用いた雑音抽出装置の構成を示すブロック図である。図5と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図6に示す雑音抽出装置400は、実施の形態3の雑音抽出装置300に対して、次の点が異なる。第1に、第1の指向性合成部20、第2の指向性合成部30および第3の指向性合成部40の後段に、それぞれ第1の時間周波数変換部51、第2の時間周波数変換部52および第3の時間周波数変換部53が設けられている点である。第2に、信号復元部90が信号復元部900の構成になる点が異なる。すなわち、実施の形態3の信号復元部90は、信号符号抽出部91と信号乗算部92とから構成されるのに対し、図6に示す信号復元部900は、信号位相抽出部93と信号振幅位相合成部94と周波数時間変換部95とから構成される。また、信号復元部900は、周波数領域の信号に変換された出力信号において、振幅情報と位相情報とから、周波数ごとにスペクトルを推定した出力信号を、周波数時間変換部95によって時間領域の信号に変換した出力信号nv2を出力する。
他の構成要素は実施の形態3と同様である。第1の指向性合成部20は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とに対して加算型の指向性合成を行い、出力信号xm0を出力する。第2の指向性合成部30は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とに対して音圧傾度型の指向性合成を行い、出力信号xm1を出力する。第3の指向性合成部40は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とに対して音圧傾度型の指向性合成を行い、出力信号xm2を出力する。
また、第1の時間周波数変換部51は、第1の指向性合成部20からの出力信号xm0を時間領域から周波数領域へ変換する。同様に、第2の時間周波数変換部52は、第2の指向性合成部30からの出力信号xm1を時間領域から周波数領域へ変換する。第3の時間周波数変換部53は、第3の指向性合成部40からの出力信号xm2を時間領域から周波数領域へ変換する。なお、図中、第1の時間周波数変換部51、第1の時間周波数変換部51および第1の時間周波数変換部51をFFT(Fast Fourier Transform)として表記している。
また、第1の信号絶対値演算部71は、第1の時間周波数変換部51から入力された出力信号Xm0の周波数成分毎の絶対値を演算して出力する。第2の信号絶対値演算部72は、第2の時間周波数変換部52から入力された出力信号Xm1の周波数成分毎の絶対値を演算して出力する。第3の信号絶対値演算部73は、第3の時間周波数変換部53から入力された出力信号Xm2の周波数成分毎の絶対値を演算して出力する。
信号相殺演算部80は、第1の信号絶対値演算部71からの第1出力信号|Xm0|、第2の信号絶対値演算部72からの第2出力信号|Xm1|、および第3の信号絶対値演算部73からの第3出力信号|Xm2|が入力される。信号相殺演算部80は、第1出力信号|Xm0|と第2出力信号|Xm1|と第3出力信号|Xm2|とを加減算処理することで、音波に対する音響信号成分の相殺を行い、例えば振動雑音の雑音信号成分の出力信号Nv1を出力する。
信号復元部900は、信号位相抽出部93と信号振幅位相合成部94と周波数時間変換部95とから構成される。信号復元部900は、信号相殺演算部80から出力された振動ノイズ振幅情報を示す出力信号Nv1と、第3の指向性合成部40からの出力信号Xm2とが入力され、出力信号nv2を出力する。
具体的には、信号位相抽出部93は、第3の指向性合成部40からの出力信号Xm2の信号位相を抽出する。
信号振幅位相合成部94は、信号相殺演算部80から出力された振動ノイズの振幅スペクトル情報を示す出力信号Nv1と、指向性出力信号xm2のスペクトルを示す出力信号Xm2の信号位相とを乗算合成して、スペクトルを示す出力信号Nv2を出力する。
周波数時間変換部95は、信号振幅位相合成部94から出力されたスペクトルを示す出力信号Nv2を、時間信号に変換して出力信号nv2を出力する。なお、図中、周波数時間変換部95はIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)と表記されている。
以上のように、雑音抽出装置400は構成される。
次に、雑音抽出装置400の動作について説明する。
図6において、実施の形態3と異なるところである第1の時間周波数変換部51、第2の時間周波数変換部52、第3の時間周波数変換部53および信号復元部900について説明する。雑音抽出装置400は、第1の時間周波数変換部51と、第2の時間周波数変換部52と、第3の時間周波数変換部53とおよび信号復元部900とによって、周波数領域で周波数ごとに、振幅情報と位相情報とから出力信号スペクトルを推定することによって、出力信号nv2を得ている。その他の構成要素については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
なお、上述した実施の形態3の雑音抽出装置300においての課題は、信号符号抽出部91において、xm2の信号波形から振動ノイズ波形復元のための信号符号を得ている点にある。すなわち、xm2には音波による音響信号成分と振動ノイズの成分とが混在しているため、音波の影響を受けて振動ノイズ波形復元のために用いる信号符号情報に誤差を生む場合がある。
それに対して、実施の形態4の雑音抽出装置400では、音波の成分を相殺して振動ノイズ振幅成分を推定する処理と、信号位相抽出部93での位相情報を抽出する処理とを、周波数成分毎に行う。それによって、特に位相情報を抽出する部分での信号の重畳(音波と振動)による誤差が軽減されるので、振動ノイズ波形復元の精度が改善できる。
以上のようにして、実施の形態4における雑音抽出装置400では、複数のマイクロホンユニット(第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12)から音波に対する収音信号の影響を受けることなく、振動ノイズ波形の抽出を高精度に行える。それにより、複数のマイクロホンユニット(第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12)を用いて、それを備えるマイクロホン装置に混入する振動ノイズをキャンセル(振動ノイズを打消す制御)または振動ノイズ成分を抑圧する処理を行う精度(性能)が改善される。従って、複数のマイクロホンユニットを備え、耐振動性に優れたマイクロホン装置が実現できるようになる。さらに、振動センサとして用いる場合でも音波の影響を受けにくく振動ノイズを検出する精度が改善できる効果が得られる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5について、以下説明する。
図7は、実施の形態5における雑音抽出装置300を用いたマイクロホン装置の構成を示すブロック図である。図6と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図7に示すマイクロホン装置500は、実施の形態4の雑音抽出装置400と異なる部分は、信号遅延部97と信号増幅部98と信号減算部99とが新たに設けられた点である。他の構成要素は実施の形態4と同様である。
第1の指向性合成部20は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とに対して加算型の指向性合成を行い、出力信号xm0を出力する。第2の指向性合成部30は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とに対して音圧傾度型の指向性合成を行い、出力信号xm1を出力する。第3の指向性合成部40は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号um0と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号um1とに対して音圧傾度型の指向性合成を行い、出力信号xm2を出力する。
また、第1の時間周波数変換部51は、第1の指向性合成部20からの出力信号xm0を時間領域から周波数領域へ変換する。同様に、第2の時間周波数変換部52は、第2の指向性合成部30からの出力信号xm1を時間領域から周波数領域へ変換する。第3の時間周波数変換部53は、第3の指向性合成部40からの出力信号xm2を時間領域から周波数領域へ変換する。
また、第1の信号絶対値演算部71は、第1の時間周波数変換部51から入力された出力信号Xm0の周波数成分毎の絶対値を演算して出力する。第2の信号絶対値演算部72は、第2の時間周波数変換部52から入力された出力信号Xm1の周波数成分毎の絶対値を演算して出力する。第3の信号絶対値演算部73は、第3の時間周波数変換部53から入力された出力信号Xm2の周波数成分毎の絶対値を演算して出力する。
信号相殺演算部80は、第1の信号絶対値演算部71からの第1出力信号|Xm0|、第2の信号絶対値演算部72からの第2出力信号|Xm1|、および第3の信号絶対値演算部73からの第3出力信号|Xm2|が入力される。信号相殺演算部80は、第1出力信号|Xm0|と第2出力信号|Xm1|と第3出力信号|Xm2|とを加減算処理することで、音波に対する音響信号成分の相殺を行い、例えば振動雑音の雑音信号成分の出力信号Nv1を出力する。
信号復元部900は、信号位相抽出部93と信号振幅位相合成部94と周波数時間変換部95とから構成される。信号復元部900は、信号相殺演算部80から出力された振動ノイズ振幅情報を示す出力信号Nv1と、第3の指向性合成部40からの出力信号Xm2とが入力され、出力信号nv2を出力する。
具体的には、信号位相抽出部93は、第3の指向性合成部40からの出力信号Xm2の信号位相を抽出する。
信号振幅位相合成部94は、信号相殺演算部80から出力された振動ノイズの振幅スペクトル情報を示す出力信号Nv1と、指向性出力信号xm2のスペクトルを示す出力信号Xm2の信号位相とを乗算合成して、スペクトルを示す出力信号Nv2を出力する。
周波数時間変換部95は、信号振幅位相合成部94から出力されたスペクトルを示す出力信号Nv2を、時間信号に変換して出力信号nv2を出力する。
信号遅延部97は、第3の指向性合成部40からの出力信号xm2が入力され、入力された信号xm2を遅延させて出力する。
信号増幅部98は、周波数時間変換部95からの出力信号nv2が入力され、入力された信号nv2の出力レベルを調整して出力する。
信号減算部99は、信号遅延部97からの信号と、信号増幅部98で出力レベルが調整された出力信号nv2とが入力され、入力されたそれら信号を減算して出力する。
以上のようにマイクロホン装置500は構成される。
次に、マイクロホン装置500の動作について説明する。
図7において、実施の形態4と異なる部分である信号遅延部97と信号増幅部98と信号減算部99とについて説明する。その他の構成要素については、実施の形態4と同様であるので説明を省略する。
信号復元部900から出力される抽出される振動ノイズ波形を示す出力信号nv2は、第3の指向性合成部40からの指向性信号出力xm2に含まれる振動ノイズとなっている。
出力信号nv2は、FFT(第1の時間周波数変換部51、第2の時間周波数変換部52および第3の時間周波数変換部53)とIFFT(周波数時間変換部95)とを使って時間周波数変換および周波数時間変換の処理時間分遅延している。そのため、信号遅延部97では、第3の指向性合成部40からの出力信号xm2を遅延させて、処理時間分の時間補正を行う。
このように位相を合わせた状態で信号減算部99で減算することで、信号減算部99からの出力信号は、振動ノイズが打ち消された指向性マイクロホン出力(目的の音波の収音信号)となる。
なお、推定振動ノイズ信号を示す出力信号nv2は、前述したようにxm2に含まれる振動ノイズ波形の2倍の振幅を示すので、信号増幅部98では、0.5倍の信号増幅を行っている。
以上のように、実施の形態5におけるマイクロホン装置500では、目的の音波をセンシングするための複数のマイクロホンユニット(第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12)を用いて、マイクロホンユニットに混入する振動ノイズと、音波に対する音響信号とを分離して出力できる。それにより、複数のマイクロホンユニットを備え、耐振動に優れたマイクロホン装置が実現できるようになる。さらに、そのマイクロホン装置に振動センサの役割を担う機能を同時に実現することができる。
以上のように、本発明は、複数のマイクロホンユニットの出力を用いて指向性形成を演算する。その演算結果(特には、相反する方向への指向性出合成出力の合成出力信号)がマイクロホン装置に混入する振動成分を相対的に多く含み、振動成分の検出にも利用できるという属性を利用している。それにより、目的の音波を収音する目的で設けられた複数のマイクロホンユニットが、振動センサとしても併用できる。つまり、本発明によれば、新たに専用のセンサを用いることなく、本来は音波を捕えるマイクロホンデバイスを用いてマイクロホン装置に混入する振動ノイズを抽出し、抽出した振動ノイズを除去することで、耐振動に優れたマイクロホン装置が実現できる。
なお、上述したマイクロホン装置500を機能構成で示して説明する。
図8は、本発明の実施の形態5におけるマイクロホン装置の機能構成を示すブロック図である。
図8で示すマイクロホン装置600は、マイクロホン装置500に相当し、音を収音するための第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12を備える。また、マイクロホン装置600は、指向性合成部120および150と、音響相殺部180と信号復元部190と、音響出力部199とを備える。
指向性合成部120および150とは、第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12からの出力信号を指向性合成して、雑音感度が異なるが、音圧に対する指向特性が一致し、かつ、音響的中心位置が一致する2つの指向性合成信号を生成する。指向性合成部120は、振動に強い合成を行い、指向性合成部150は振動に弱い合成を行う。
また、音響相殺部180は、2つの指向性合成信号の一方から他方を減算することで、前記一方の指向性合成信号から、音響成分を打ち消すことにより、雑音成分を抽出する。音響相殺部180は、抽出された前記雑音成分を示す出力信号を出力する。
信号復元部190は、音響相殺部180からの出力信号と、指向性合成部120および150の何れかからの出力信号とから、雑音波形信号を復元して出力する。
音響出力部199は、指向性合成部150からの出力信号から、音響相殺部180により抽出され信号復元部190で復元された雑音波形信号を減算することにより振動抑圧された音響信号を出力する。
以上のように、マイクロホン装置600は、振動抑圧された音響信号すなわち振動ノイズが打ち消された指向性マイクロホン出力(目的の音波の収音信号)を出力することができる。
以上、本発明によれば、音波を収音するマイクロホン装置に、新たに振動センサを追加することなく雑音を抽出する雑音抽出装置を実現することができる。
なお、本発明の実施の形態1〜4では、第3の指向性合成部40からの指向性信号出力xm2に含まれる振動ノイズを打ち消す処理を行う最も単純な構成である減算手段の例を説明した。しかし、例えば主信号にxm2、参照信号にnv2として、パワスペクトルの領域で処理を行う2入力型の雑音抑圧手段を用いてもよく、適応フィルタを有するキャンセラを用いても良い。
また、本発明の実施の形態1〜4で説明した数々の部は、装置が予め保持している種々のコンピュータプログラムがハードウェアとしての1つあるいは複数のプロセッサ上で実行されることによって実現されてもよい。
また、上述の第1の指向性合成部20からの第1出力信号、並びに、第2の指向性合成部30からの第2出力信号および第3の指向性合成部40からの第3出力信号に基づいて導出される合成出力信号の指向性パタンは、特に単一の方向に対する指向性を形成するものに限られず無指向性を形成するものでよい。共に、同一のパタンであって、合成出力信号に含まれる振動レベルの音響信号レベルに対する相対比が、第1出力信号に含まれる振動レベルの音響信号レベルに対する相対比より大きければよい。
(その他変形例)
なお、本発明を上記実施の形態および変形例に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
(1)上記、マイクロホンユニットを除く各処理部(指向性合成部、信号絶対値演算部、信号相殺演算部等)は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、などから構成されるコンピュータシステムとして実装される。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。
マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置および各構成部は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。
システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIである。具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。
マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。
ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。
マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(4)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、コンピュータプログラムを記憶しており、マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
また、プログラムまたはデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、または、プログラムまたはデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(5)上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ、組み合わせる構成としてもよい。
本発明は、振動ノイズ抽出装置または風雑音抽出装置等の雑音抽出装置に利用できるだけでなく、耐振動性や耐風雑音性能に優れたマイクロホン装置としても利用できる。
特に、指向性マイクロホンを用いるマイクロホン装置に振動ノイズ抽出装置および風雑音抽出装置を兼用させることで、図9に示すようなビデオムービー700において、耐振動性や耐風雑音性能に優れたマイクロホン装置として利用できる。さらに、複数マイクロホンからの信号を使って信号合成で出力を得る収音方法において、振動ノイズや風雑音の上昇を抑え、耐振動性や耐風雑音性能に優れたマイクロホン装置として利用できるので、一般のマイクロホンの他に、ウェアラブル機器における収音、拡声システム一体型収音システム、カムコーダ、可動部を有する機器に内蔵のマイクなどの振動ノイズや風雑音が課題になる機器に利用できる。
また、マイクロホンの信号から振動のみを精度良く検知できるので、振動センサや複合センサとして利用できる。
4、32、42、82、99 信号減算部
11 第1のマイクロホンユニット
12 第2のマイクロホンユニット
20 第1の指向性合成部
22、81 信号加算部
23、98 信号増幅部
30 第2の指向性合成部
31、41、97 信号遅延部
33、43 周波数特性補正部
40 第3の指向性合成部
51 第1の時間周波数変換部
52 第2の時間周波数変換部
53 第3の時間周波数変換部
61 第1の信号帯域制限部
62 第2の信号帯域制限部
63 第3の信号帯域制限部
71 第1の信号絶対値演算部
72 第2の信号絶対値演算部
73 第3の信号絶対値演算部
80 信号相殺演算部
90、900 信号復元部
91 信号符号抽出部
92 信号乗算部
93 信号位相抽出部
94 信号振幅位相合成部
95 周波数時間変換部
100、200、300、400 雑音抽出装置
500、600、800 マイクロホン装置

Claims (16)

  1. 空間的に異なる位置に設けられ、音を収音するための第1および第2のマイクロホンユニットと、
    前記第1および第2のマイクロホンユニットからの出力信号を指向性合成して、雑音感度が異なるが、音圧に対する指向特性が一致し、かつ、音響的中心位置が一致する、2つの指向性合成信号を生成する指向性合成部と、
    前記2つの指向性合成信号の一方から他方を減算することで、前記一方の指向性合成信号から、音響成分を打ち消すことにより、雑音成分を抽出する音響相殺部とを備える
    雑音抽出装置。
  2. 前記指向性合成部は、前記第1と第2のマイクロホンユニットからの出力信号を指向性合成する第1、第2および第3の指向性合成部と、前記第1、第2および第3の指向性合成部それぞれからの出力信号を絶対値演算して絶対値信号を出力する第1、第2および第3の信号絶対値部とを備え、
    音響相殺部は、前記第1の信号絶対値部から出力された絶対値信号を前記方の指向性合成信号として取得し、前記第2および第3の信号絶対値部から出力された絶対値信号から前記方の指向性合成信号を生成し、前記一方の指向性合成信号から前記他方の指向性合成信号を減算することによって、前記音響成分を打ち消す相殺演算部とを備え
    求項1記載の雑音抽出装置。
  3. 前記第2および第3の指向性合成部は、前記第1の指向性合成部に比較して、前記雑音成分に対する感度が高い、または、前記音響成分に対する感度が低い
    請求項2記載の雑音抽出装置。
  4. 前記第2および第3の指向性合成部は、音圧傾度型の指向性合成方法に従い、それぞれの出力信号が持つ指向性パタンが相反する方向になるよう指向性合成し、
    前記第2および第3の指向性合成部それぞれからの出力信号が持つ指向性パタンの和と前記第1の指向性合成部からの出力信号が持つ指向性パタンとは等しい
    請求項2記載の雑音抽出装置。
  5. 前記第1の指向性合成部は、前記第1および第2のマイクロホンユニットからの出力信号を信号加算することにより加算型の指向性合成を行い、
    前記第2の指向性合成部は、前記第2のマイクロホンユニットからの出力信号に所定の遅延を与え、第1のマイクロホンユニットの出力信号から減算することにより音圧傾度型の指向性合成を行い、
    前記第3の指向性合成部は、前記第1のマイクロホンユニットからの出力信号に所定の遅延を与え、第2のマイクロホンユニットの出力信号から減算することにより音圧傾度型の指向性合成を行う
    請求項2記載の雑音抽出装置。
  6. 前記雑音抽出装置は、さらに、
    前記第1、第2および第3の指向性合成部それぞれからの出力信号の信号帯域を制限して第1、第2および第3の信号絶対値演算部にそれぞれに出力する第1、第2および第3の信号帯域制限部を備える
    請求項2記載の雑音抽出装置。
  7. 前記音響相殺部は、抽出された前記雑音成分を示す出力信号を出力し、
    前記雑音抽出装置は、さらに、
    前記音響相殺部からの出力信号と、前記第1、第2および第3の指向性合成部の何れかからの出力信号とから、雑音波形信号を復元して出力する信号復元部を備える
    請求項2記載の雑音抽出装置。
  8. 前記信号復元部は、前記第1、第2および第3の指向性合成部の何れかからの出力信号の符号と、前記信号相殺演算部からの出力信号との乗算によって雑音波形信号を復元する
    請求項7記載の雑音抽出装置。
  9. 前記雑音抽出装置は、さらに、
    前記第1、第2および第3の指向性合成部の前段または後段部分に、時間領域から周波数領域への変換を行う時間周波数変換部を備え、
    前記信号相殺演算部は、周波数毎に、前記雑音信号を抽出する
    請求項2記載の雑音抽出装置。
  10. 前記雑音抽出装置は、さらに、前記信号相殺演算部からの出力信号と、前記第1、第2および第3の指向性合成部の何れかからの出力信号とから、雑音波形信号を復元して出力する信号復元部を備え、
    前記信号復元部は、前記第1、第2および第3の指向性合成部の何れかからの出力信号の周波数毎の位相情報と、前記信号相殺演算部からの出力信号の周波数毎の振幅情報とを用いて、雑音波形信号を復元する
    請求項9記載の雑音抽出装置。
  11. 前記雑音抽出装置は、振動センサとして構成される
    請求項1記載の雑音抽出装置。
  12. 前記雑音抽出装置は、前記一方の指向性合成信号から音響成分を抽出する
    請求項11記載の雑音抽出装置。
  13. 請求項1に記載の雑音抽出装置と、
    前記第1および第2のマイクロホンユニットからの出力信号から、前記雑音抽出装置により抽出された前記雑音信号の成分を減算することにより雑音抑圧された音響信号を出力する音響出力部とを備える
    マイクロホン装置。
  14. 空間的に異なる位置に設けられ、音を収音するための第1および第2のマイクロホンユニットを備える雑音抽出装置の雑音抽出方法であって、
    前記第1および第2のマイクロホンユニットからの出力信号を指向性合成して、雑音感度が異なるが、音圧に対する指向特性が一致し、かつ、音響的中心位置が一致する、2つの指向性合成信号を生成する指向性合成ステップと、
    前記2つの指向性合成信号の一方から他方を減算することで、前記一方の指向性合成信号から、音響成分を打ち消すことにより、雑音成分を抽出する音響相殺ステップとを含む
    雑音抽出方法。
  15. 空間的に異なる位置に設けられ、音を収音するための第1および第2のマイクロホンユニットを備え、雑音成分を抽出する集積回路であって、
    前記第1および第2のマイクロホンユニットからの出力信号を指向性合成して、雑音感度が異なるが、音圧に対する指向特性が一致し、かつ、音響的中心位置が一致する、2つの指向性合成信号を生成する指向性合成部と、
    前記2つの指向性合成信号の一方から他方を減算することで、前記一方の指向性合成信号から、音響成分を打ち消すことにより、雑音成分を抽出する音響相殺部とを備える
    集積回路。
  16. 請求項13に記載のマイクロホン装置と、
    対象物を撮像するカメラ部と
    を備える
    ビデオカメラ。
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