JP4990680B2 - 連続鋳造機の湯面レベル制御装置及び制御方法 - Google Patents
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通常の連続鋳造においては、鋳型上のタンディッシュから溶融金属を鋳型に連続的に注いで、鋳型の下から表面が凝固した鋳片を連続して徐々に引き抜いて、スラブやビレット等の鋳片を製造する。鋳型内で湯面レベルが変動すると、溶融パウダーを溶融金属中に巻き込んで介在物が生成され鋳片品質不良の原因となり、あるいは不均一な抜熱により鋳片に割れが生じることもある。さらに鋳型内で湯面が過剰に上昇すると鋳型壁上端から溶融パウダーや溶融金属がオーバーフローする事故につながり、逆に湯面が過剰に降下すると凝固した鋳片表面が破れるブレークアウトの原因となることがある。
(1)本発明の連続鋳造機の湯面レベル制御装置は、溶融金属の連続鋳造機において、鋳型内の湯面レベルを湯面レベル計で測定し、該湯面レベルの実績値を基にしてタンディッシュのスライディングノズルの開度を調節して鋳型内への溶融金属の注入量を制御する連続鋳造機の湯面レベル制御装置において、前記湯面レベル計の実績値と予め設定した湯面レベル目標値とに基づいてスライディングノズル開度指令値を導出し、スライディングノズルアクチュエータを制御して前記スライディングノズルの開度を調節するフィードバックループ、並びに、前記スライディングノズルの開度の実績値と前記湯面レベルの実績値とに基づき、溶融金属の鋳型内への注入時の外乱推定量を導出する外乱推定部、及び該外乱推定量について鋳造長に関するフーリエ成分振幅を導出する、鋳造長に基づくFFT演算部を有し、該フーリエ成分振幅に基づき鋳型下方の鋳造材の非定常バルジング発生による鋳型内の湯面レベルの周期的変動の有・無を判定し、周期的変動の有・無それぞれの場合に、予め設定した制御方式を選択して、前記フィードバックループによるスライディングノズル開度指令値を補正する開度補正量を演算して出力する、スライディングノズルの開度補正量を導出するループ、で構成されることを特徴とする。
(2)本発明の連続鋳造機の湯面レベル制御装置は、(1)に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置において、前記スライディングノズルの開度補正量を導出するループは、前記外乱推定部が、前記スライディングノズルの開度の実績値と前記湯面レベルの実績値とに基づき所定のオブザーバを用いて溶融金属の鋳型内への注入時の外乱推定量を導出するもので、前記鋳造長に基づくFFT演算部が、該外乱推定量について鋳造長に関するフーリエ振幅を導出するものであり、さらに、該外乱推定量のフーリエ成分振幅のピークの空間周波数を検出して非定常バルジング発生ロールピッチを求めて出力するピーク検出部と、該非定常バルジング発生ロールピッチと鋳造速度とにより非定常バルジング発生角周波数をリアルタイムで求める演算部と、前記外乱推定量から該非定常バルジング発生角周波数の周期性外乱量を抽出する演算部と、該周期性外乱量の強度及び前記非定常バルジング発生角周波数に応じて最適な開度補正量のための制御手段及び制御パラメータを決定する制御方式判定・制御ゲイン演算部と、該決定に基づき前記フィードバックループのスライディングノズル開度指令値を補正する開度補正量を導出する開度補正量演算部とからなることを特徴とする。
(3)本発明の連続鋳造機の湯面レベル制御装置は、溶融金属の連続鋳造機において、鋳型内の湯面レベルを湯面レベル計で測定し、該湯面レベルの実績値を基にしてタンディッシュのスライディングノズルの開度を調節して鋳型内への溶融金属の注入量を制御する連続鋳造機の湯面レベル制御方法において、前記湯面レベル計の実績値と予め設定した湯面レベル目標値とに基づきスライディングノズル開度指令値を導出し、スライディングノズルアクチュエータを制御して前記スライディングノズルの開度を調節するフィードバック工程、並びに、前記スライディングノズルの開度の実績値と前記湯面レベルの実績値とに基づき溶融金属の鋳型内への注入時の外乱推定量を導出する外乱推定工程、及び該外乱推定量について鋳造長に関するフーリエ成分振幅を導出する、鋳造長に基づくFFT演算工程を有し、該フーリエ成分振幅に基づき鋳型下方の鋳造材の非定常バルジング発生による鋳型内の湯面レベルの周期的変動の有・無を判定し、周期的変動の有・無それぞれの場合に、予め設定した制御方式を選択して前記フィードバックループによるスライディングノズル開度指令値を補正する開度補正量を演算して出力する、スライディングノズルの開度補正量を導出する工程で構成されることを特徴とする。
図2に本実施の形態の連続鋳造機の湯面レベル制御装置を適用する連続鋳造機の側方断面を模式図で示す。タンディッシュ16から鋳型25内に注入する溶融金属(溶鋼)15の流量制御にはスライディングノズル17を用いており、スライディングノズル17を駆動するアクチュエータ19には油圧シリンダを用いている。湯面レベル計18としては、渦流式レベル計を備えている。
図1及び図3に示す、本発明の制御方式のブロック線図はフィードバックループ、及び最適なスライディングノズル17の開度補正量を演算するループにより構成される。
1は、予め設定された鋳型内湯面レベルの目標値と、湯面レベル計18によって測定した鋳型内湯面レベル実績値とを比較して、湯面レベルの偏差を出力する比較器である。2は、比較器1から入力された湯面レベルの偏差に基づき、スライディングノズル17の開度を指令するスライディングノズル位置指令を演算して第1の加算器3に出力するフィードバック制御演算部である。
本実施の形態の湯面レベル制御装置は、上記フィードバックループに加え、鋳型内の湯面レベルの変動状況に応じて最適なスライディングノズルの開度補正量を演算するループを有する。以下に示す当該ループにおける信号処理の概略手順で、最適なスライディングノズルの開度補正量を演算する。
(ステップ1)図1に示す外乱推定部8にて上記の湯面レベル実測値及び上記のスライディングノズル開度実測値に基づき、湯面レベル変動の原因となる外乱推定量d1を演算する。
(ステップ2)当該外乱推定量d1と、凝固しつつある鋳片が移動する速度である鋳造速度VCとから、湯面レベルの周期性変動の原因となる非定常バルジングの発生の原因となったロールピッチRPを同定する。
(ステップ3)上記で同定したロールピッチRPからリアルタイムに非定常バルジングの発生角周波数ωを演算する。
(ステップ4)(ステップ1)で演算した外乱推定量から、(ステップ3)で演算した非定常バルジングの発生角周波数ωの成分(周期性外乱とする)を抽出する。
(ステップ5)当該周期性外乱の大きさに応じて、最適な開度補正量演算方式を選択し、開度補正量を演算する。周期性外乱が大きい場合は周期的な湯面レベル変動を抑制する開度補正量演算を実行する。又、周期性外乱が小さい場合は流量特性の変化に起因する湯面レベル変動を抑制する開度補正量演算を用いる。
そして、行列Pと行列Qはそれぞれ<4>式と<5>式で与えられる。
本発明では、非定常バルジングの発生に起因しているロールピッチそのものを周波数解析により、一定時間間隔で求める一方、求めたロールピッチと鋳造速度VCから、リアルタイムで非定常バルジングが発生する角周波数の演算を行うことにより、鋳造速度及び、非定常バルジングの発生ロールピッチの両者の変化に対して、正確な角周波数ωの同定を実現する。
鋳造長計算部34では、鋳造速度から鋳造長の計算を行う。鋳造長は、鋳造開始時点を0mとして鋳造速度を時間について積分することで計算される。
(図4参照)上記で計算される鋳造長は、制御に用いるコンピュータ等の制御装置の制御周期間隔でサンプリングされたデータから演算されるため、一定の鋳造長間隔データとはなっておらず、このままではFFTを実施することはできない。そこで、データリサンプリング処理25では、鋳造長計算部34にて計算された鋳造長、外乱推定部8にて計算された外乱推定量d1を入力とし、一定鋳造長間隔でのリサンプリングを実施する。図6には、外乱推定量について、リサンプリングの前後のサンプリング点(○、●)の位置を模式的に示す。
鋳造長FFT解析部36では、前記でリサンプリングされた鋳造長及び外乱推定量データに対し、一定時間間隔で空間周波数に基づくFFTを実施する。非定常バルジングの発生角周波数ωは、<1>式から分かるように鋳造速度により変わる。しかし、本発明では上記のように鋳造長ベースで空間周波数を解析することにより、従来の時間周波数に基づくFFTを用いた変動周波数の検出方法が弱点とする鋳造速度変化を含む場合においても、正確に周波数を検出することができる。そして、FFTで得られたフーリエ成分の振幅がピークを迎える空間周波数の逆数は、非定常バルジングの発生するロールピッチに対応する。鋳造長FFT解析部36の結果、図7の鋳造長ベースのFFT解析部の結果に示すように、ロールピッチとフーリエ成分の振幅の関係が得られる。
鋳造長に基づくFFT演算部9の鋳造長FFT解析部36の解析結果(フーリエ成分)に対してピーク検出部10にてピーク位置の検出を行い、非定常バルジングが発生しているロールピッチPRPの値を抽出する。ピーク検出部には、検出範囲限定部39、第1の重み付け部38、第1の重み付けテーブル37、ピーク検出ロジック部40により構成される。(ステップ2の処理)
ピーク検出部では、まず、検出範囲限定部39にて、鋳造長FFT解析部36の解析結果に対して、予め設定した連続鋳造機のロールピッチが存在する範囲に検出範囲を限定する(図8参照のこと)。連続鋳造機のロールピッチが存在する範囲は、連続鋳造機のマシンプロフィルから設定しておく。このように、検出範囲を限定することで、非定常バルジングに起因の周期的な外乱のピークの検出に原因を限定することができ、その結果、他の種類の外乱の影響により、ピークを誤検出することを防ぐことができる。
正確なピーク検出を実現するため、上記の検出範囲限定に加え、角周波数による第1の重み付け部38を行う。上記の鋳造長FFT解析36の結果は、横軸のロールピッチに応じてフーリエ成分の振幅特性が異なっている。これは、外乱推定量の検出感度が、外乱入力の角周波数に対して異なるためである(図13参照)。角周波数よる重み付けを行い、上記の影響を取り除く。重み付け後のフーリエ成分の振幅特性PW’(RP)は、<8>式に示すように各ロールピッチRPごとのフーリエ成分の振幅PW(RP)に重み係数W (ω)を掛け合わせることにより演算する。
重み付け部38において重み付けにより補正されたフーリエ成分の振幅特性PW’(RP)は、ピーク検出ロジック部40に入力され、非定常バルジングが発生するロールピッチPRPが特定される。この時、十分高く、明確に認識可能なピークが検出されない場合には、非定常バルジングが発生していないと考えられる。このようなときは、ピークのロールピッチを求めても誤検出をまねくため、前回明確に認識可能なピークが確認された時点での検出結果のピークのロールピッチをメモリに保持しておく。明確に認識可能なピークかどうかの判定を行う方法の例としては、ピークの大きさが閾値PRPTH以上か、どうかにより判断を行う方法を用いても良い。
(S101)・・・FFT解析を行うための時系列データを一定期間バッファする。
(S102)・・・鋳造速度を時間方向に積分して鋳造長の時系列データを生成する。
(S103)・・・一定間隔の鋳造長における外乱推定量をリサンプリングにより得る。
(S104)・・・鋳造長ベースのFFTを計算する。
(S105)・・・ロールピッチが存在する空間周波数帯域にピーク検出範囲を限定する。
(S106)・・・重み係数をフーリエ成分の振幅PW (RP)に乗算し、外乱流量の検出感度を補正する。
(S107)・・・補正後のフーリエ成分の振幅PW’(RP)のピークを閾値と比較する。
(S108)・・・PW’(RP)のピークが閾値PRPTHより大きいならばロールピッチを更新する。
(S109)・・・PW’(RP)のピークが閾値PRPTH以下ならばロールピッチの前回値を保持する。
非定常バルジング角周波数リアルタイム演算部11は、ピーク検出部42により特定したロールピッチPRP及び、鋳造長VCを入力とし、非定常バルジングの発生角周波数ωPRPを<10>式を用いてリアルタイムに演算する。(ステップ3の処理)
周期性外乱抽出部12は、外乱推定部8で演算された外乱推定量d1から、非定常バルジング角周波数リアルタイム演算11で演算される非定常バルジング発生周期の外乱量の大きさを抽出する。周期性外乱抽出部12は、バンドパスフィルタ部と、ピークツーピーク検出部により構成される。(ステップ4の処理)
バンドパスフィルタ部45は、非定常バルジング角周波数リアルタイム演算部11で同定される非定常バルジングが発生する角周波数ωPRPを中心角周波数とし、入力される外乱推定量d1から、周期性外乱d1PRPを抽出する。バンドパスフィルタ部45の伝達関数H(s)の一例を<11>式に示す。
ピークツーピーク検出部46:
ピークツーピーク検出部46では、バンドパスフィルタ部45により抽出した非定常バルジング起因の周期性外乱d1PRPを入力とし、d1PRPのピークツーピーク値DPRPを求める。ピークツーピーク値は<12>式の演算式で導出される。
max d1はピークツーピーク検出期間内のd1PRPの最大値
min d1はピークツーピーク検出期間内のd1PRPの最小値
制御方式判定・制御ゲイン演算部13では、上記で求めたピークツーピーク値DPRPに基づき、湯面レベル制御に用いる制御方式の判定、制御ゲインの切換・設定を行う。(ステップ5の前半の処理)
前記で求めた周期性外乱量のピークツーピーク値DPRPはロールピッチPRPで発生している周期性外乱の強度を表す量であるが、狙いとする周期性外乱の角周波数ωPRPに応じて検出感度が異なってくる。これは、前記したように周期性外乱の角周波数ωPRPに応じて外乱推定量が検出される感度が異なるためである。そこで、この検出感度の違いを取り除くため、ピークツーピーク値DPRPに対して重み付けを第2の重み付け部49で行う。重み付けは、第2の重み付け係数Wa(ωPRP)を掛け合わせることにより実現する。第2の重み付け係数Wa(ωPRP)は、予め実験的に外乱を発生させて導出するか、又は推定しておき、バンドパスフィルタの中心角周波数ωPRPに対してテーブル化して、記録装置内に第2重み付けテーブル48として保持しておく。あるいはωPRPに対して関数近似で関数として求めておき、記録装置に保持しておく。
開度補正量演算方式・ゲイン判定部50では、前記で求めた重み付けピークツーピーク値DPRP’に基づき、以下で説明する開度補正量演算部14で用いる開度補正量演算方式、及びゲインを決定する。
<開度補正量演算部14>
開度補正量演算部14は、開度補正量演算方式・ゲイン判定50で決定した開度補正量演算方式、及びゲインに基づき、適切な開度補正量を演算する。流量特性変動補正開度演算部52、周期性変動補正開度演算部51、流量特性変動補正出力部53、周期性変動補正出力部54、及び開度補正量演算方式切換部55により構成される。(ステップ5の後半の処理)
周期性変動補正開度演算部51では、例えば、湯面検出レベル、スライディングノズル開度、鋳造速度、鋳型断面積を入力信号として、正弦波状の外乱を想定し、特定周期の周期的な湯面レベル変動の抑制を狙った外乱推定オブザーバを用いて外乱推定量d1に負のゲインを乗じてフィードバック演算部にフィードフォワード加算する方法がある。
流量特性変動補正開度演算52では、例えば、湯面検出レベル、スライディングノズル開度、鋳造速度、鋳型断面積を入力信号として、ランプ状の外乱を想定し、流量外乱に起因するレベル変動の抑制を狙った外乱推定オブザーバを用いて外乱推定量微分値d2に正のゲインを乗じてフィードバック演算部にフィードフォワード加算する方法がある。
<13>式の関係が成立した場合、非定常バルジングが発生したと判定して非定常バルジング発生信号を後で説明する開度補正量演算部14へ出力する。当該非定常バルジング発生信号に基づいて、開度補正量演算部14にて周期性変動補正開度演算部51を実行し、フィードバック制御演算部27で演算される開度指令値に加算する。周期性変動補正出力部54のゲインは、予め重み付けピークツーピーク値DPRP’の大きさに対してテーブルの形式で表すか、あるいはDPRP’に対して関数近似で表わしておいたものを用いる。この場合、周期性外乱の強度に応じてゲインの大きさを変えることにより、強度の周期性外乱を効果的に抑制する一方で、小さな周期性外乱に対して操作端を過大に動かすことを防いでいる。
(S201)・・・推定外乱量のバンドパスフィルタ出力の時系列データを一定期間バッファして集積する。
(S202)・・・判定期間内でのピークツーピーク値を計算する。
(S203)・・・ピークツーピーク値に重み係数を乗算する。
(S204)・・・補正したピークツーピーク値を閾値と比較する。
(S205)・・・閾値よりも大きいならば非定常バルジングが発生したと判定し、周期性変動補正出力を演算
(S206)・・・周期性変動補正演算の出力ゲインを調整
(S207)・・・閾値以下ならば非定常バルジングが発生していないと判定し、流量変動補正演算を選択
(S208)・・・流量変動補正演算の出力ゲインを調整
上記のフィードバックループ及びスライディングノズルの開度補正量を導出するループからなる連続鋳造機の鋳型内湯面レベル制御装置は、キーボード、マウス、I/Oボード、及びネットワークボード等の入出力部と、半導体メモリ、HDD等の記録装置と、制御状態を表示するためのコンピュータディスプレー等の表示装置とを具備し、インストールされたOSの基に稼動するコンピュータを用いて構成することができる。そして、フィードバックループ、及びスライディングノズルの開度補正量を導出するループを構成する各部で実行する上記の各機能又は処理は、それぞれコンピュータプログラムを作成して上記の記録装置に組み込んで、湯面レベル計等のセンサの測定値(実績値)を上記入出力部から入力し、又、スライディングノズルアクチュエータへの制御出力を入出力部経由で出力して、実行させる。
本発明の鋳型内湯面レベル制御方法及び装置と従来技術とを数値計算によるシミュレーションにより比較した。従来技術の一つであるPI制御のみ(第1の比較例)で制御を行った時のシミュレーション結果の例を図10に、又別の例としてPI制御と周期的な湯面レベル変動を抑制する制御(第2の比較例)を組み合わせたときの、湯面レベル偏差のシミュレーション結果の例を図11に、本発明の湯面レベル制御を用いたときのシミュレーション結果の例を図12に示す。図10〜12の結果を導出したシミュレーションでは、0〜300秒の区間では、非定常バルジングを模擬した周期的な外乱を、300〜600秒の区間では、浸漬ノズル内に付着した介在物が剥離することによる突発的な湯面レベル上昇を模擬した外乱を入力している。PI制御と周期的な湯面レベル変動を抑制する制御の組み合わせた場合の結果である図11では、PI制御のみの場合の結果である図10に比べ、周期的な湯面レベル変動が抑制されているが、突発的な湯面レベル変動に対しては、抑制できないばかりか、かえって湯面を荒らしてしまっている。一方、本発明の場合の結果である図12では、周期的な外乱を入力した区間ではDPRP’>DTHとなっており、周期的な湯面レベル変動を抑制する制御が用いられ、突発的な湯面レベル上昇を模擬した外乱を入力した区間ではDPRP’<DTHとなっており、流量特性変化による湯面レベル変動を抑制する制御が用いられている。その結果、PI制御のみの場合の結果である図10に比べ、周期的な湯面レベル変動が抑制されており、さらに突発的な湯面レベル変動に対しても、変動幅が縮小し変動の収束も速くなっていることがわかる。
以上のシミュレーション結果より、本発明の鋳型内湯面レベル制御を適用することにより、従来の制御方法よりもに安定した湯面レベルを実現できることがわかる。
2 フィードバック制御演算部
3 第1の加算器
4 アクチュエータ動特性
5 浸漬ノズル(流量特性)
6 第2の加算器
7 鋳型(内現象)
8 外乱推定部
9 鋳造長に基づくFFT演算部
10 ピーク検出部
11 非定常バルジング角周波数リアルタイム演算部
12 周期性外乱抽出部
13 制御方式判定・制御ゲイン演算部
14 開度補正量演算部
15 溶融金属(溶鋼)
16 タンディッシュ
17 スライディングノズル
18 湯面レベル計
19 アクチュエータ
20 湯面レベル制御装置
21 凝固シェル
22 サポートロール
23 浸漬ノズル
24 鋳型内湯面
25 鋳型
34 鋳造長計算部
35 データリサンプリング部
36 鋳造長FFT解析部
37 第1の重み付けテーブル
38 第1の重み付け部
39 検出範囲限定部
40 ピーク検出ロジック部
45 バンドパスフィルタ部
46 ピークツーピーク検出部
48 第2の重み付けテーブル
49 第2の重み付け部
50 開度補正量演算方式、ゲイン判定部
51 周期性変動補正開度演算部
52 流量変動補正開度演算部
53 周期性変動補正出力部(ゲイン)
54 流量変動補正出力部(ゲイン)
55 開度補正量演算方式切換部
59 ダミーバー
60 ロールピッチ(RP)
Claims (3)
- 溶融金属の連続鋳造機において、鋳型内の湯面レベルを湯面レベル計で測定し、該湯面レベルの実績値を基にしてタンディッシュのスライディングノズルの開度を調節して鋳型内への溶融金属の注入量を制御する連続鋳造機の湯面レベル制御装置において、
前記湯面レベル計の実績値と予め設定した湯面レベル目標値とに基づいてスライディングノズル開度指令値を導出し、スライディングノズルアクチュエータを制御して前記スライディングノズルの開度を調節するフィードバックループ、並びに、前記スライディングノズルの開度の実績値と前記湯面レベルの実績値とに基づき、溶融金属の鋳型内への注入時の外乱推定量を導出する外乱推定部、及び該外乱推定量について鋳造長に関するフーリエ成分振幅を導出する、鋳造長に基づくFFT演算部を有し、該フーリエ成分振幅に基づき鋳型下方の鋳造材の非定常バルジング発生による鋳型内の湯面レベルの周期的変動の有・無を判定し、周期的変動の有・無それぞれの場合に対して予め設定した制御方式を選択して、前記フィードバックループによるスライディングノズル開度指令値を補正する開度補正量を演算して出力する、スライディングノズルの開度補正量を導出するループ、で構成されることを特徴とする連続鋳造機の湯面レベル制御装置。 - 前記スライディングノズルの開度補正量を導出するループは、前記外乱推定部が、前記スライディングノズルの開度の実績値と前記湯面レベルの実績値とに基づき所定のオブザーバを用いて溶融金属の鋳型内への注入時の外乱推定量を導出するもので、
前記鋳造長に基づくFFT演算部が、該外乱推定量について鋳造長に関するフーリエ振幅を導出するものであり、さらに、該外乱推定量のフーリエ成分振幅のピークの空間周波数を検出して非定常バルジング発生ロールピッチを求めて出力するピーク検出部と、該非定常バルジング発生ロールピッチと鋳造速度とにより非定常バルジング発生角周波数をリアルタイムで求める演算部と、前記外乱推定量から該非定常バルジング発生角周波数の周期性外乱量を抽出する演算部と、該周期性外乱量の強度及び前記非定常バルジング発生角周波数に応じて最適な開度補正量のための制御手段及び制御パラメータを決定する制御方式判定・制御ゲイン演算部と、該決定に基づき前記フィードバックループのスライディングノズル開度指令値を補正する開度補正量を導出する開度補正量演算部とからなることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置。 - 溶融金属の連続鋳造機において、鋳型内の湯面レベルを湯面レベル計で測定し、該湯面レベルの実績値を基にしてタンディッシュのスライディングノズルの開度を調節して鋳型内への溶融金属の注入量を制御する連続鋳造機の湯面レベル制御方法において、
前記湯面レベル計の実績値と予め設定した湯面レベル目標値とに基づきスライディングノズル開度指令値を導出し、スライディングノズルアクチュエータを制御して前記スライディングノズルの開度を調節するフィードバック工程、並びに、前記スライディングノズルの開度の実績値と前記湯面レベルの実績値とに基づき溶融金属の鋳型内への注入時の外乱推定量を導出する外乱推定工程、及び該外乱推定量について鋳造長に関するフーリエ成分振幅を導出する、鋳造長に基づくFFT演算工程を有し、該フーリエ成分振幅に基づき鋳型下方の鋳造材の非定常バルジング発生による鋳型内の湯面レベルの周期的変動の有・無を判定し、周期的変動の有・無それぞれの場合に、予め設定した制御方式を選択して前記フィードバックループによるスライディングノズル開度指令値を補正する開度補正量を演算して出力する、スライディングノズルの開度補正量を導出する工程で構成されることを特徴とする連続鋳造機の湯面レベル制御方法。
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