JP4479499B2 - 連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置および方法 - Google Patents

連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置および方法 Download PDF

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本発明は、連続鋳造機におけるモールド内の溶融金属の湯面レベルを制御する制御装置および方法に関するもので、特に定常鋳込み中のバルジング性湯面変動を低減できるようにした連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置および方法に関するものである。
一般に、連続鋳造機におけるモールド内の溶融金属(以下、溶鋼と称する)の湯面レベルの制御を行なうことは、安定操業上のみならず、鋳片の品質確保上も重要なことである。
従来から、この種の連続鋳造機のモールド内湯面レベル制御としては、一般にPI制御が多く用いられている。この場合、制御系は、凝固しつつ鋳型から引き抜かれて行く溶鋼と、スライディングノズルの開度に依存して鋳型に供給される溶鋼のマスバランスを平衡させることを目的として構成される。
しかし、鋳型内の湯面変動は、PI制御でもこのマスバランスの乱れを十分に補償できない時に発生し、主たる原因は引き抜き流量変動にあると考えられている。そして、この引き抜き流量変動の最も大きなものが、非定常バルジング性湯面変動と称されるものである。引き抜きピンチロールの間の鋳片の凝固シェルに、何らかの原因で鋳片長手方向でのシェル厚さや温度のむらが生じた場合に、バルジングし凝固した部分がそのままの形状を保ちながら、2次冷却帯のピンチロールで断続的に圧縮されることによって引き抜き流量変動が発生すると言われている。
非定常バルジング部が発生すると、2次冷却帯を通過する際に鋳片引抜用のピンチロールにて圧縮されるため、引抜抵抗が変化することが知られており、例えば、特開平5−277688号公報(特許文献1)および特開平6−611号公報(特許文献2)といった技術の開示がある。これらは、鋳片の引抜抵抗と湯面レベル変動に相関があることを利用して、引抜抵抗の変化をスライディングノズル操作にフィードフォワードする方法である。
特開平5−277688号公報 特開平6−611号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2で示された方法は、いずれも引抜抵抗の変動を単純にスライディングノズル開度指令値にフィードフォワードする方法であるため、引抜抵抗変動に非定常バルジングに依存しない変動分が含まれていると、湯面レベル変動とは無関係なスライディングノズルの動きを発生させてしまい、かえって湯面レベル変動を発生させてしまうことになる。この湯面レベル変動の発生により、パウダー巻き込みによるスラブ品質低下および生産性の低下という問題が生じている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、引抜抵抗変動に非定常バルジングに依存しない変動分が含まれていても、湯面レベル変動を生じさせないような連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置および方法を提供することにある。
上記課題は次の発明により解決される。
[1] 連続鋳造機のモールド内溶融金属の湯面レベルを検出する湯面レベル計と、検出された湯面レベル信号に基づいて、タンディッシュに設けられたスライディングノズルの開度指令を出力するPI制御器と、その開度指令によりスライディングノズルの開度を調整するスライディングノズル制御器とを有する溶融金属の湯面レベルを制御するための連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置において、複数のピンチロールのトルク信号を検出するトルク検出器と、前記湯面レベル信号から特定周期の非定常バルジング性湯面変動周波数を検出する湯面変動周波数検出手段と、複数のピンチロールトルク信号から前記検出された湯面変動周波数成分を取り出すフィルタ手段と、該取り出されたピンチロールトルク信号と前記湯面レベル信号の相関関数が最大となるピンチロールトルク信号を選択するピンチロールトルク信号選択手段とを有し、選択されたピンチロールトルク信号に基づき、前記開度指令に加算するための開度補正信号を演算・出力する信号処理装置と、
を有することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置。
[2] [1]に記載の連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置において、前記信号処理装置は、前記選択されたピンチロールトルク信号に、位相調整およびゲイン乗算を行い、前記開度指令に加算するための開度補正信号を演算・出力する開度補正信号演算手段を有することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置。
[3] [1]または[2]のいずれか1項に記載の連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置において、前記信号処理装置は、前記開度指令に加算するための開度補正信号の要否を判断し、出力することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置。
[4] 連続鋳造機のモールド内溶融金属の湯面レベルを検出し、検出された湯面レベル信号に基づいて、PI制御によりタンディッシュに設けられたスライディングノズル開度指令を出力し、溶融金属の流入量の調整することによって溶融金属の湯面レベルを制御する連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法において、複数のピンチロールのトルク信号を検出するトルク検出工程と、前記湯面レベル信号から特定周期の非定常バルジング性湯面変動周波数を検出する湯面変動周波数検出工程と、複数のピンチロールトルク信号から前記検出された湯面変動周波数成分を取り出すフィルタ工程と、該取り出されたピンチロールトルク信号と前記湯面レベル信号の相関関数が最大となるピンチロールトルク信号を選択するピンチロールトルク信号選択工程とを有し、選択されたピンチロールトルク信号に基づき、前記開度指令に加算するための開度補正信号を演算・出力する信号処理工程と、を有することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法。
[5] [4]に記載の連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法において、前記信号処理工程は、前記選択されたピンチロールトルク信号に、位相調整およびゲイン乗算を行い前記開度指令に加算するための開度補正信号を演算・出力する開度補正信号演算工程を有することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法。
[6] [4]または[5]のいずれか1項に記載の連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法において、前記信号処理工程は、前記開度指令に加算するための開度補正信号の要否を判断し、出力することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法。
本発明は、非定常バルジングに起因する湯面変動を抑制することができるため、パウダー巻き込みによるスラブ品質低下を防止することができ、高品質のスラブ製造が可能である。また、湯面変動発生による鋳込み速度減速等の操業アクションが不要になることで、生産性向上にも寄与することができる。さらに、制御中にプロセスの状態変化により、選択したピンチロールトルク信号と湯面レベル信号に相関がなくなった場合にでも、最適なピンチロールトルク信号を再度選択することにより、定常鋳込み中のバルジング性湯面変動を効率的に大幅に低減することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明を実施するための装置構成の一例を示す図である。図中、1は溶鋼、2はタンディッシュ、3は浸漬ノズル、4はモールド、5はシェル、6はスライディングノズル(以下、一部SNと略記)、7は湯面、8は湯面レベル計、9はピンチロール(以下、一部P/Rと略記)、10はピンチロール制御装置、11はPI制御器、12はスライディングノズル制御装置、13は信号処理装置、14はトルク検出器、15はアクチュエータをそれぞれ示している。
モールド4の上部にタンディッシュ2が配置され、そして、そのタンディッシュ底部にはスライディングノズル6が配置され、更に、スライディングノズル6の下面側には浸漬ノズル3が配置されている。タンディッシュ2内に満たされた溶鋼1は、スライディングノズル6、浸漬ノズル3を経てモールド4内へ注入される。
モールド4内へ注入された溶鋼1は、モールド側面より冷却されて、表面から凝固してシェル5を形成しつつ、ピンチロール9によって下方に引き抜かれ鋳片となる。この時、引抜速度は、ピンチロール制御装置10によりほぼ一定に制御される。
モールド4内に注入される溶鋼量は、スライディングノズル6の開度により決まり、このスライディングノズル開度の調整は、スライディングノズル制御装置12を介して油圧シリンダなどのアクチュエータ15を駆動することにより行う。スライディングノズル開度制御は、モールド湯面レベルを検知する湯面レベル計から得られる信号と湯面レベル設定値の偏差信号に基づいて湯面レベルが一定になるように働くPI制御器11の出力と、後述する信号処理装置13からの出力とが加算され、スライディングノズル制御装置12に入力されスライディングノズル開度設定値を変更することで実現される。
次に、非定常バルジングについて説明をする。図2は、非定常バルジングの発生イメージを示す図である。鋳片引抜中、図2(a)のように凝固シェルが薄い場合には、溶鋼静圧に負けてピンチロールの間で凝固途中の鋳片が膨れるバルジングという現象が発生する。しかし、凝固シェルが何らかの原因で鋳片長手方向でのシェル厚さや温度のむらがあって、バルジングし凝固した部分がそのままの形状を保った場合、図2(b)のようにバルジング部分がピンチロールに乗り上げるようになり、それにより凝固シェルが内側に押されマスバランスが変化した分湯面レベルの上昇へと繋がる。鋳片引抜に従ってバルジング部分が再びピンチロール間に来れば、凝固シェルが内側に押されていた分が元にもどり、湯面レベルが下降する。これが非定常バルジングと呼ばれる現象である。この時、バルジング部がピンチロールに乗り上げたり元に戻ったりを繰り返すため、ピンチロールに引抜抵抗の変化が生じる。
非定常バルジングによる鋳片の引抜抵抗の変化は、ピンチロールトルク信号の変化として検出できる。そして、ピンチロールトルク信号は、ピンチロール駆動が直流機であれば電機子電流として、交流機であれば電機子電流または交流機の駆動装置内で演算されたトルクとして検出する。
ピンチロールトルクと湯面レベル変動には相関があるため、ピンチロールトルクの変化により湯面レベルの上昇・下降を予測できれば、事前に湯面レベル変動を抑制するようにSN開度指令を補正することにより、湯面レベル変動を抑制することができる。これが、ピンチロールトルクによるフィードフォワード制御(以下、FF制御と呼ぶ)の考え方である。FF制御を実現するためには、先に述べたピンチロールトルク変動が湯面レベル変動と相関が高いことが必要であるとともに、ピンチロールトルク変動と湯面レベル変動の位相が適切であることも必要となる。
以下に、複数のピンチロールトルク信号からFF制御に適したものを選択し、位相を調整した上でFF制御を実施する方法について述べる。図3は、信号処理装置13での処理フローの一例を示す図である。
まず、処理開始(S100)ステップにて、処理を開始する。そして、次のデータ蓄積(S101)ステップにて、図1の湯面レベル計8および複数のトルク検出器14から、湯面レベル計信号および複数のピンチロールトルク信号を一定周期でサンプリングして、データとして蓄積する。
そして、FFT処理(S102)ステップでは、蓄積したデータに対して高速フーリエ変換(以下、FFTと呼ぶ)を行い、時系列データを周波数成分に変換する。ピーク周波数検出(S103)ステップでは、前ステップで処理したデータの内、湯面レベルのスペクトルが最大となる周波数を検出する。この周波数が非定常バルジング周波数である。
フィルタ設計(S104)ステップでは、非定常バルジング周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタを形成する数値フィルタの設計を行う。複数のピンチロールトルク信号にフィルタをかけるためである。同一ピークを持つP/R選択(S105)ステップでは、複数のピンチロールトルク信号に対するFFT結果において、先に求めた非定常バルジング周波数でスペクトルが極大となっているかどうかの判定を行い、同一ピークを持つピンチロールトルク信号を選択する。同一ピークを持つピンチロールトルク信号は湯面変動と同じ変動成分を持っていると判定でき、以下の処理で利用する。
フィルタ処理(S106)ステップでは、前ステップで選択したピンチロールトルク信号に、フィルタ設計(S104)ステップで求めたフィルタを掛けて、ピンチロールトルク信号の非定常バルジング周波数成分を取り出す。相互相関関数の計算(S107)ステップでは、前ステップで取り出した信号と湯面レベル信号の時間軸をずらしながら相関係数を計算することで、相互相関関数を計算する。そして、相互相関関数の最大値と、その最大値を取る時間差から位相差θ2を求める。
相互相関関数>閾値(S108)ステップでは、相互相関関数の最大値が予め決めておいた閾値より大きいピンチロールトルク信号があるかどうか判断をする。閾値より大きいものを、ピンチロールトルクFF制御の候補とするためであり、対象となる信号がなければ、処理終了(S109)ステップで信号処理装置13からの出力を0として処理を終了する。
閾値より大きいピンチロールトルク信号があれば、位相差計算(S110)ステップに進む。このステップでは、ピンチロールトルク信号と湯面レベルの位相差θ2と、SN開度補正信号uc〜湯面レベルの位相差θ1を求める。位相差θ2は、先の相互相関関数の計算(S107)ステップで求めた位相差を用いるが、位相差θ1について以下説明する。
図4は、本発明の制御系ブロック図の一例を示す図である。本発明は、湯面レベルのPI制御器の出力に、SN開度補正信号ucとして加算するものである。湯面レベル変動を抑制するためには、湯面レベル信号と相関のある信号を適切な位相でSN開度補正信号ucを加える必要がある。SN開度補正信号uc〜湯面レベルの位相差θ1は、図4で示すように途中のSN動特性、SN流量特性、モールド特性、および湯面レベルセンサ特性を同定して、ボード線図から求めることが出来る。そして、位相調整のために、θ2>θ1の時はθ2−θ1だけ、位相調整器により位相を遅らせればよい。
図3の説明に戻り、P/Rトルク信号選択(位相)(S111)ステップでは、これまでにピンチロールトルクFF制御の候補となったピンチロールトルク信号の中で、θ2>θ1となるものを選択し、更なるピンチロールトルクFF制御の候補とする。
さらに、P/Rトルク信号選択(相関関数)(S112)ステップでは、絞った候補の中から相関関数の最大値が最大となるピンチロールトルク信号を湯面レベル制御にフィードフォワードするピンチロールトルク信号として最終的に選択する。
そして、ゲイン乗算(S113)ステップで、最終選択されたピンチロールトルク信号に前述の位相調整およびゲイン乗算を行い、SN開度補正信号ucとして出力する。なお、ゲインとしては、相関関数が大きい場合は問題ないが、相関関数が小さい場合はFF制御により逆に外乱を発生させることになるため、ゲインを小さくした方がよい。上述の信号を出力して、信号処理装置の処理フローとしては、処理終了(S113)ステップで、すべての処理を終了する。
鋳造速度1.8〜2.5m/minの低炭素鋼用連続鋳造機において、本発明を適用した実施例の一例を以下に示す。製造している鋳片の寸法は、幅700〜1600mm、厚み235mmである。
図5は、左側に上から順に、湯面レベル(a)、P/Rトルク1(b)、P/Rトルク2(c)、P/Rトルク3(d)、P/Rトルク4(e)の時系列信号を、さらに右側に、それぞれのFFT処理後のパワースペクトルを示している。P/Rトルク信号(b)〜(e)は、モールドに近い順に4つのP/Rのトルク信号を選択している。図5(a)の湯面レベルを見れば、0.117Hzにスペクトルのピーク周波数(非定常バルジング周波数)があり、同一のピーク周波数を有するP/Rトルク信号は、(b)〜(d)の3信号であり、(e)については同一のピーク周波数を確認できない。したがって、以後の処理から(e)のP/Rトルク信号をはずし、(b)〜(d)の3つのP/Rトルク信号を用いる。
図6は、上から湯面レベル(a)および図5のP/Rトルク信号(b)〜(d)に対して、非定常バルジング周波数成分のみを取り出すフィルタをかけた信号をそれぞれ(b)〜(d)に示す。
図7は、図6(a)湯面レベルとフィルタ後のP/Rトルク信号である図6(b)〜(d)との相関関数および位相差を計算した結果である。図7(b)〜(d)は、相関関数の最大値が、それぞれ0.88、0.92、および0.78であり、さらに最大値をとる点の湯面レベル信号との位相差θ2が、それぞれ160度、120度、および190度であることを示している。この実施例では、相関関数の最大値の閾値として、0.5を採ったため、図7(b)〜(d)の3つのP/Rトルク信号すべてが選択されている。そして、前述したSN開度補正信号uc〜湯面レベルの位相差θ1が、この実施例では40度と計算されるため、
θ2−θ1> 0という位相差判定条件でのP/Rトルク選択の結果を、図7の中ほどに示している。この例では、3つのP/Rトルク信号すべてが条件を満足していることを示している。さらに最終的に、相関関数の最大値が一番大きい(0.92)P/Rトルク信号(c)を選んでいる。
そして、図8は、選択したP/Rトルク信号(c)を用いた制御結果を表わす図である。モールドレベル信号とSN開度補正信号を時系列で表わしており、810秒以降に、本発明による制御を実施した様子を示している。本発明の適用により、モールド湯面レベルの変動を、20mmから10mm程度に抑えることができていることが分かる。
上述のように、一度最適なピンチロールを選択してFF制御を実施した場合には、FF制御した結果が湯面レベル信号に現れるため湯面レベル信号と選択されているピンチロールトルク信号との相関は小さくなってしまう。そのため、プロセスの状態が変化して選択したピンチロールトルク信号によるFF制御の効果が小さくなり、他のピンチロールトルク信号を選択した方がいい場合でも、その判断ができなくなってしまう。
そのピンチロールトルク信号をSN開度指令にフィードフォワードしたSN開度補正信号とし、その信号により湯面レベルがどのように動くか、実際の湯面レベル信号を求め(あるいは、測定値でも良い)、その実際の湯面レベル信号からSN開度補正信号を引くことにより、フィードフォワードしていない時の湯面レベル信号を演算する。図9は、上述のフィードフォワードしていない時の湯面レベル信号を求める演算ブロックの一例を示す図である。SN開度補正信号ucに、同定したSN動特性、SN流量特性、モールド特性、および湯面レベルセンサ特性を演算させたものを、実際の湯面レベル信号から引くことにより、フィードフォワードしていない時の湯面レベル信号、すなわちSN開度補正なし時の湯面レベルが演算される。この演算した湯面レベル信号と選択しているピンチロール信号の相関を取り、選択しているピンチロールを継続して使用するかどうかの判断をすることにより、最適なピンチロール信号を選択することができ、選択したピンチロール信号によるフィードフォワード制御が実現できる。
本発明を実施するための装置構成の一例を示す図である。 非定常バルジングの発生イメージを示す図である。 処理フローの一例を示す図である。 本発明の制御系ブロック図の一例を示す図である。 実施例の一例(時系列信号とFFT結果)を示す図である。 図5のP/Rトルク信号に対してフィルタをかけた信号を示す図である。 相関関数および位相差を計算した結果および選択を示す図である。 本発明による制御結果を示す図である。 フィードフォワードしていない時の湯面レベル信号を求める演算ブロックの一例を示す図である。
符号の説明
1 溶鋼
2 タンディッシュ
3 浸漬ノズル
4 モールド
5 シェル
6 スライディングノズル
7 湯面
8 湯面レベル計
9 ピンチロール
10 ピンチロール制御装置
11 PI制御器
12 スライディングノズル制御装置
13 信号処理装置
14 トルク検出器
15 アクチュエータ

Claims (6)

  1. 連続鋳造機のモールド内溶融金属の湯面レベルを検出する湯面レベル計と、
    検出された湯面レベル信号に基づいて、タンディッシュに設けられたスライディングノズルの開度指令を出力するPI制御器と、
    その開度指令によりスライディングノズルの開度を調整するスライディングノズル制御器とを有する溶融金属の湯面レベルを制御するための連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置において、
    複数のピンチロールのトルク信号を検出するトルク検出器と、
    前記湯面レベル信号から特定周期の非定常バルジング性湯面変動周波数を検出する湯面変動周波数検出手段と、複数のピンチロールトルク信号から前記検出された湯面変動周波数成分を取り出すフィルタ手段と、該取り出されたピンチロールトルク信号と前記湯面レベル信号の相関関数が最大となるピンチロールトルク信号を選択するピンチロールトルク信号選択手段とを有し、選択されたピンチロールトルク信号に基づき、前記開度指令に加算するための開度補正信号を演算・出力する信号処理装置と、
    を有することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置。
  2. 請求項に記載の連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置において、
    前記信号処理装置は、
    前記選択されたピンチロールトルク信号に、位相調整およびゲイン乗算を行い、前記開度指令に加算するための開度補正信号を演算・出力する開度補正信号演算手段を有することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置。
  3. 請求項1または請求項のいずれか1項に記載の連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置において、
    前記信号処理装置は、
    前記開度指令に加算するための開度補正信号の要否を判断し、出力することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御装置。
  4. 連続鋳造機のモールド内溶融金属の湯面レベルを検出し、
    検出された湯面レベル信号に基づいて、PI制御によりタンディッシュに設けられたスライディングノズル開度指令を出力し、溶融金属の流入量の調整することによって溶融金属の湯面レベルを制御する連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法において、
    複数のピンチロールのトルク信号を検出するトルク検出工程と、
    前記湯面レベル信号から特定周期の非定常バルジング性湯面変動周波数を検出する湯面変動周波数検出工程と、複数のピンチロールトルク信号から前記検出された湯面変動周波数成分を取り出すフィルタ工程と、該取り出されたピンチロールトルク信号と前記湯面レベル信号の相関関数が最大となるピンチロールトルク信号を選択するピンチロールトルク信号選択工程とを有し、選択されたピンチロールトルク信号に基づき、前記開度指令に加算するための開度補正信号を演算・出力する信号処理工程と、
    を有することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法。
  5. 請求項に記載の連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法において、
    前記信号処理工程は、
    前記選択されたピンチロールトルク信号に、位相調整およびゲイン乗算を行い前記開度指令に加算するための開度補正信号を演算・出力する開度補正信号演算工程を有することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法。
  6. 請求項4または請求項のいずれか1項に記載の連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法において、
    前記信号処理工程は、
    前記開度指令に加算するための開度補正信号の要否を判断し、出力することを特徴とする連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法。
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