図1は、本発明の実施例に係る画像読取装置の構成を示す斜視図、図2は、本発明の実施例に係る画像読取装置の構成を示す側面図、図3は、本発明の実施例に係る画像読取装置が備える原稿カバーの構成を示す排紙方向断面図、図4は、本発明の実施例に係る画像読取装置が備える原稿カバーの構成を示す部分斜視図である。
また、図5−1は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備えるカバー本体の平面図、図5−2は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備えるカバー本体の図5−1に示すA−A断面図、図5−3は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備えるカバー本体の斜視図、図5−4は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備えるカバー本体の図5−3に示すB部の部分斜視図である。
また、図6−1は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備える大ストッパの平面図、図6−2は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備える大ストッパの図6−1に示すC−C断面図、図6−3は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備える大ストッパの図6−1に示すD部の部分側面図、図6−4は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備える大ストッパの図6−1に示すE−E部分断面図、図6−5は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備える大ストッパの斜視図である。
また、図7−1は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備える小ストッパの平面図、図7−2は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備える小ストッパの側面図、図7−3は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備える小ストッパの図7−2に示すF部の部分側面図、図7−4は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備える小ストッパの図7−1に示すG−G部分断面図、図7−5は、本発明の実施例に係る画像読取装置の原稿カバーが備える小ストッパの斜視図である。
さらに、図8は、本発明の実施例に係る画像読取装置の小ストッパ展開時の斜視図、図9は、本発明の実施例に係る画像読取装置の小ストッパ展開時の側面図、図10は、本発明の実施例に係る画像読取装置が備える原稿カバーの小ストッパ展開時の排紙方向断面図、図11は、本発明の実施例に係る画像読取装置が備える原稿カバーの小ストッパ展開時の部分斜視図、図12は、本発明の実施例に係る画像読取装置の大ストッパ展開時の斜視図、図13は、本発明の実施例に係る画像読取装置の大ストッパ展開時の側面図、図14は、本発明の実施例に係る画像読取装置が備える原稿カバーの大ストッパ展開時の排紙方向断面図、図15は、本発明の実施例に係る画像読取装置が備える原稿カバーの大ストッパ展開時の部分斜視図である。
以下、本発明の実施例に係る媒体揃え装置としての原稿カバー100は、図1、図2に示すように、いわゆる、フラットベッド型画像読取機構2(以下、単に「フラットベッド機構2」と略記する。)と、自動給紙型読取機構3(ADF:Auto Document Feeder、以下、単に「ADF機構3」と略記する。)とが一体的に組み付けることで構成され、例えば、イメージスキャナ、複写機、ファクシミリ、文字認識装置などに用いられる画像読取装置1に適用した場合で説明するが、これに限らず、排紙される複数サイズの媒体を載置面上の所定位置に揃える種々の装置に適用可能である。
フラットベッド機構2は、例えば、本や雑誌など媒体としての原稿を原稿台の上に配置して、原稿に対して光学読取ユニットをなすラインイメージセンサを移動させることで当該原稿の画像情報を読み取るものである。フラットベッド機構2は、原稿台上に媒体を配置し、原稿台に対して開閉自在に設けられる原稿カバー100により配置された原稿を覆って、この原稿の画像を読み取る。したがって、本や雑誌などのように比較的厚みのある媒体を読み取ることができる。
具体的には、フラットベッド機構2は、内部に光学読取ユニット(不図示)が設けられる装置筐体21と、原稿カバー100とを備える。このフラットベッド機構2の装置筐体21は、上面の中央開口部にガラス板などからなる透明原稿台が設けられ、この透明原稿台上に載置された原稿を透明原稿台の下方を走行する光学読取ユニットにより読み取る。
この光学読取ユニットは、原稿の画像を読み取るものであり、光源、イメージセンサ、レンズなどを備える。光学読取ユニットは、透明原稿台に配置される原稿に向けて光源から光を照射し、原稿で反射されレンズで集束された反射光をイメージセンサにより電気信号に変換することで、原稿の画像を読み取ることができる。原稿カバー100は、装置筐体21の上面の透明原稿台に対向して設けられ、図2に一点鎖線で示すように、支点部112を回動中心として装置筐体21に対して開閉自在にこの装置筐体21に取り付けられている。フラットベッド機構2は、光学読取ユニットを副走査方向に一定速度で移動させながら順次画像を読み取る。なお、光学読取ユニットは、装置筐体21に配置するキャリア軸上を移動して副走査方向に移動させる。また、光学読取ユニットは従動ローラを設けており、装置筐体21に配置する従動レールに当接している。
したがって、フラットベッド機構2にて原稿の画像を読み取る際には、原稿を透明原稿台に配置した上で、この原稿カバー100を透明原稿台に近接するように閉鎖状態として原稿を透明原稿台に密着させることで、原稿の折れや撓み等に起因して、読取時に原稿が透明原稿台から浮き上がるのを防止することができる。特に近年の画像読取装置では、装置の小型化のため光学読取ユニットの光学系に焦点距離の短いレンズが用いられており、原稿のわずかな浮き上がりによっても読取画像の鮮明度が大きく低下するため、上記のように原稿を確実に透明原稿台上に密着させることは、精度の高い読取画像を得るためには重要である。
一方、ADF機構3は、積層されたシート状の原稿を連続的に給紙し、光学読取ユニットをなす固定されたラインイメージセンサに対して原稿を移動させることで当該原稿の画像を読み取るものである。ADF機構3は、積層された原稿を1枚ずつ分離して連続的に自動給紙して、画像の読み取り処理を行う。したがって、大量の媒体を自動的に搬送して読取ることができる。また、このようなADF機構3は、複数サイズの媒体に対応できるものもある。
具体的には、ADF機構3は、内部に光学読取ユニット(不図示)が設けられる装置筐体31と、給紙部32と、排出部としての排紙部33とを備える。給紙部32は、シート状の原稿を装置筐体31内に設けられた搬送部(不図示)に給紙するものであり、シュータ32a、ピックローラ(不図示)、分離パッド(不図示)などを備える。給紙部32は、回転駆動するピックローラによりシュータ32a上積層された所定のサイズのシート状の原稿を給送すると共に、分離パッドにより1枚ずつ分離して搬送部に自動で給紙することができる。この給紙部32は、複数種類のサイズの原稿に対応しており、すなわち、複数種類のサイズの原稿を搬送部に給紙することができる。
搬送部は、一端部から給紙された原稿を他端部に設けられた排紙部33まで搬送するものであり、回転駆動可能な駆動ローラ、駆動ローラ側に付圧されこの駆動ローラに従動して回転可能な付圧ローラ、搬送経路に沿って設けられるガイド(不図示)などを備える。搬送部は、駆動ローラの外周面と付圧ローラの外周面との間に原稿を挟持すると共に、駆動ローラが回転駆動することで、給紙部32から1枚ずつ給紙される複数種類のサイズの原稿を排紙部33までガイドにより案内しながら搬送することができる。光学読取ユニットは、この搬送部の搬送経路中に固定的に設けられており、搬送部によって搬送される原稿の画像を読み取るものであり、上述したフラットベッド機構2の光学読取ユニットと同様に、搬送部により搬送される原稿に向けて光源から光を照射し、原稿で反射されレンズで集束された反射光をイメージセンサにより電気信号に変換することで、原稿の画像を読み取ることができる。
排紙部33は、原稿を装置筐体31の外部に排紙(排出)するものであり、装置筐体31に形成された排紙開口33aを備える。排紙部33は、搬送部により搬送され、光学読取ユニットにて画像が読み取られた原稿をこの排紙開口33aを介して装置筐体31の内側から外側に排紙することができる。
さらに、このADF機構3は、上述したフラットベッド機構2の原稿カバー100を、いわゆるスタッカとして兼用している。すなわち、排紙部33は、原稿を原稿カバー100の上面に形成される載置面111(透明原稿台と対向する面の背面)に排紙し積層する。したがって、フラットベッド機構2の原稿カバー100の上面をADF機構3の排紙部33から排紙された原稿の載置面111とすることで、この原稿カバー100をADF機構3のスタッカとして兼用することができる。
上記のように構成される画像読取装置1は、フラットベッド機構2とADF機構3とを両方備えることから、本や雑誌などのように比較的厚みのある原稿を読み取ることができる共に、大量のシート状の原稿を自動的に搬送して読み取ることができる。すなわち、フラットベッド機構2にて、透明原稿台上に原稿を配置し、透明原稿台に対して開閉自在に設けられる原稿カバー100により原稿を覆って画像を読み取ることから、本や雑誌などのように比較的厚みのある媒体を読み取ることができる。一方、ADF機構3にて、積層されたシート状の原稿を給紙部32により1枚ずつ分離して連続的に自動給紙して、画像を読み取ることができることから、大量の媒体を自動的に搬送して読み取ることができる。そして、フラットベッド機構2の原稿カバー100の上面をADF機構3の排紙部33から排紙された原稿の載置面111とすることで、画像が読み取られた原稿は、排紙部33から載置面111に排紙され、そこで積層される。この結果、この原稿カバー100をADF機構3のスタッカとして兼用することができ、よって、画像読取装置1の小型化を実現するができる。
ここで、本実施例の画像読取装置1が備える原稿カバー100は、図3、図4に示すように、カバー本体110に対して第1回動規制手段としての大ストッパ150を回転自在に設けると共に、大ストッパ150に対して第2回動規制手段としての小ストッパ170を回転自在に設けることで、排紙部33から排紙される原稿を原稿サイズに応じて適正に揃えると共に、不使用時には揃え部材としての大ストッパ150、小ストッパ170を適正に格納している。
原稿カバー100は、載置手段としてのカバー本体110と、第1回動規制手段としての大ストッパ150と、第2回動規制手段としての小ストッパ170と備える。カバー本体110は、上述したように、その上面が排紙部33から排紙された原稿が積層される載置面111として形成されると共に、支点部112を介してADF機構3側で装置筐体21に回動自在に支持されている。
具体的には、カバー本体110は、図5−1、図5−2、図5−3、図5−4に示すように、装置筐体21に取り付けられた状態で排出方向としての排紙方向が長手方向となるような略長方形の板状に形成される。カバー本体110は、長方形の一辺の両端部に左右一対の支点部112が設けられている。カバー本体110は、この支点部112が設けられている側(図5−1中向かって上側)が排紙方向上流側となる。各支点部112は、カバー本体110を装置筐体21に係合するための係合軸部113が設けられている。各係合軸部113は、その中心軸線が排紙方向に水平に直交する方向(以下、「幅方向」という。)に沿って設定され、カバー本体110は、この係合軸部113が装置筐体21側に設けられた係合穴(不図示)に係合されることで、上述のように装置筐体21に対して回動自在に取り付けられる。したがって、このカバー本体110は、係合軸部113の中心軸線が回動軸線をなし、すなわち、その回動軸線が排紙方向に直交する幅方向に沿って設定される。なお、カバー本体110は、長方形において支点部112が設けられる辺と対向する辺、すなわち、排紙方向下流側の辺に利用者のハンドリング箇所となるハンドリング部114が設けられている。さらに、カバー本体110は、載置面111に有底の凹部状の収容部130が形成されている。
収容部130は、載置面111のほぼ中央に形成されている。この収容部130は、本体部としての収容部本体部131と、押陥部としてのストッパ起こし用指窪み132を有する。収容部本体部131は、後述する大ストッパ150及び小ストッパ170を収容する部分であり、カバー本体110が装置筐体21に取り付けられた状態で、排紙方向が長手方向となるような略長方形の溝部として形成される。また、収容部本体部131は、その深さが後述する大ストッパ150及び小ストッパ170の厚みの和と同等に設定される。ストッパ起こし用指窪み132は、収容部本体部131の幅方向両端部壁面に左右一対の凹部状に形成される。ストッパ起こし用指窪み132は、それぞれ収容部本体部131における排紙方向上流側の端部に設けられる。
さらに、収容部130は、収容部本体部131における排紙方向下流側の端部に、収容部凹部133、収容部傾斜壁部134、収容部突起部135、収容部係合穴136、収容部突条部137が設けられる。収容部凹部133は、後述する大ストッパ150の回動を阻害しないように、収容部本体部131の排紙方向下流側の端部底部に幅方向に沿って凹部状に設けられる。収容部傾斜壁部134は、収容部凹部133の排紙方向下流側の壁面であり、この収容部凹部133の底部から排紙方向下流側に傾斜して設けられる。収容部突起部135は、収容部凹部133の排紙方向上流側の壁面から収容部傾斜壁部134側に突出するように設けられる。この収容部突起部135は、収容部凹部133の壁面の幅方向一端部に1つ設けられている。収容部係合穴136は、収容部凹部133の幅方向両壁面に左右一対で設けられる。各収容部係合穴136は、収容部本体部131の深さ方向に沿った長穴として形成され、後述する大ストッパ150の大ストッパ係合軸突起部155(図6−1参照)がそれぞれ係合される。収容部突条部137は、収容部本体部131の底部において、長方形の排紙方向下流側の壁面から上流側に向かって延設された直線状の突出部として形成される。収容部突条部137は、幅方向に対して収容部本体部131のほぼ中央に設けられる。
大ストッパ150は、図6−1、図6−2、図6−3、図6−4、図6−5に示すように、カバー本体110に取り付けられた状態で排紙方向が長手方向となるような略長方形の板状に形成される。大ストッパ150は、収容部130の収容部本体部131より少しだけ小さい大きさに形成される。大ストッパ150は、一方の面が排紙された原稿と当接可能な当接面としての大ストッパ当接面151をなすと共に、他方の面が大ストッパ150及び小ストッパ170を収容部130に収容した状態で当該小ストッパ170と当接可能な背面152をなす。また、大ストッパ150は、大ストッパ当接面151側が若干窪むように湾曲して形成される。そして、この大ストッパ150は、基端部153がカバー本体110に支持され、この基端部153を回動中心として原稿の排紙方向に沿って回動自在に設けられる。また、大ストッパ150は、基端部153と対向する先端部154に後述する小ストッパ170が回動自在に設けられる。
具体的には、大ストッパ150は、基端部153側の端部に、大ストッパ係合軸突起部155、スリット156が設けられる。大ストッパ係合軸突起部155は、基端部153側の一辺の両端部に左右一対で設けられる。各大ストッパ係合軸突起部155は、その中心軸線が幅方向に沿って設定される。そして、大ストッパ150は、この大ストッパ係合軸突起部155がカバー本体110側に設けられた収容部130の収容部係合穴136(図5−4参照)にそれぞれ係合されることで、上述のようにカバー本体110に対して回動自在に取り付けられる。言い換えれば、収容部係合穴136と大ストッパ係合軸突起部155とは、大ストッパ150をカバー本体110に対して相対的に回動自在に係合する大ストッパ係合部157(図3、図4等参照)をなす。したがって、この大ストッパ150は、大ストッパ係合軸突起部155の中心軸線が回動軸線をなし、すなわち、その回動軸線が排紙方向に直交する幅方向に沿って設定される。スリット156は、大ストッパ150において、基端部153側の一辺から先端部154側に向かって、上述の収容部突条部137よりも少しだけ短い長さで延設して形成される。スリット156は、幅方向に対して大ストッパ150のほぼ中央に設けられる。
なお、この大ストッパ係合軸突起部155には、図6−3に示すように、それぞれ軸線方向端面にテーパ155aが形成されている。これにより、この大ストッパ係合軸突起部155をテーパ155aによりガイドするように収容部係合穴136に挿入、係合することで、大ストッパ150をカバー本体110に容易に取り付けることができる。
したがって、大ストッパ150は、大ストッパ係合部157により、図3、図4に示す第1待機位置と、図14、図15に示す第1揃え位置との間で回動可能にカバー本体110に支持される。大ストッパ150の第1待機位置とは、この大ストッパ150が収容部130の収容部本体部131に収容される位置である(図3、図4参照)。このとき、大ストッパ150は、この収容部本体部131より少しだけ小さい大きさに形成されることから、収容部本体部131にほぼ隙間なく収容される。大ストッパ150は、この第1待機位置にて収容部130の収容部本体部131に収容された状態で、基端部153が排紙方向下流側に位置する一方、先端部154が排紙方向上流側に位置する。またこのとき、スリット156に収容部130の収容部突条部137(図5−1参照)が挿入、係合されることで、大ストッパ150が収容部本体部131に収容された状態で、この大ストッパ150のスリット156を成形する後部と収容部本体部131との隙間に原稿が入ることを防止することができる。
一方、大ストッパ150の第1揃え位置とは、この大ストッパ150がカバー本体110の載置面111から突出して排紙部33から排紙される原稿に大ストッパ当接面151が当接する位置である(図14、図15参照)。そして、大ストッパ150が図3、図4で示す第1待機位置から120度程度回動し第1揃え位置に展開される際には、背面152が収容部傾斜壁部134(図5−4参照)に当接するとともに、基端部153の縁が収容部突起部135(図5−4参照)に当接することで、この大ストッパ150は所定の揃え位置に停止、位置決めされる。
さらに、この大ストッパ150は、先端部154側の端部に、大ストッパ凹部158、大ストッパ係合穴159、大ストッパ突起部160、大ストッパ嵌合穴161、後述する係合解除部としての小ストッパ係合解除部180をなす第1当接部としての係合解除突起部162が設けられる。大ストッパ凹部158は、後述する小ストッパ170の回動を阻害しないように、大ストッパ150の先端部154側の端部に幅方向に沿って凹部状に設けられる。大ストッパ係合穴159は、大ストッパ凹部158の幅方向両壁面に左右一対で設けられる。各大ストッパ係合穴159は、ほぼ真円の穴として形成され、後述する小ストッパ170の小ストッパ係合軸突起部175(図7−1参照)がそれぞれ係合される。大ストッパ突起部160は、大ストッパ凹部158の基端部153側の縁部にて大ストッパ当接面151から突出するように設けられる。大ストッパ突起部160は、幅方向に沿って直線状に設けられると共に、幅方向に対して大ストッパ150のほぼ中央に設けられる。大ストッパ嵌合穴161は、図6−1、図6−2、図6−5に示すように、大ストッパ凹部158の底部において、基端部153側の壁面に沿って凹部状に形成される。大ストッパ嵌合穴161は、排紙方向に対して大ストッパ突起部160と隣接するように設けられており、幅方向に沿って直線状に設けられると共に、幅方向に対して大ストッパ150のほぼ中央に設けられる。係合解除突起部162は、図6−4、図6−5に示すように、大ストッパ凹部158の基端部153とは反対側の縁部に、幅方向に沿って直線状に設けられる。係合解除突起部162は、幅方向両端部に左右一対で設けられ、共に大ストッパ当接面151に向かって突出するように設けられる。
小ストッパ170は、図7−1、図7−2、図7−3、図7−4、図7−5に示すように、大ストッパ150に取り付けられた状態で幅方向が長手方向となるような略長方形の板状に形成される。小ストッパ170は、幅方向の長さが大ストッパ150の幅方向の長さとほぼ等しい長さに設定される。小ストッパ170は、一方の面が排紙された原稿と当接可能な当接面としての小ストッパ当接面171をなすと共に、他方の面が大ストッパ150及び小ストッパ170を収容部130に収容した状態で当該大ストッパ150の背面152と当接可能な背面172をなす。そして、この小ストッパ170は、基端部173が大ストッパ150の先端部154支持され、この基端部173を回動中心として原稿の排紙方向に沿って回動自在に設けられる。また、小ストッパ170は、基端部153と対向する先端部174が自由端として設けられる。
具体的には、小ストッパ170は、基端部173側の端部に、小ストッパ係合軸突起部175が設けられる。小ストッパ係合軸突起部175は、大ストッパ係合穴159と共に係合部としての小ストッパ係合部176をなす。さらに、小ストッパ170は、小ストッパ嵌合穴177(図7−4参照)、小ストッパ突起部178、第2当接部としての小ストッパ解除当接部179(図7−3、図7−4参照)が設けられる。小ストッパ解除当接部179は、係合解除突起部162と共に小ストッパ係合解除部180をなす。
小ストッパ係合軸突起部175は、基端部173側の一辺の両端部に左右一対で設けられる。各小ストッパ係合軸突起部175は、その中心軸線が幅方向に沿って設定される。そして、小ストッパ170は、この小ストッパ係合軸突起部175が大ストッパ150側に設けられた大ストッパ係合穴159(図6−4、図6−5参照)にそれぞれ係合されることで、上述のように大ストッパ150の先端部154に対して回動自在に取り付けられる。言い換えれば、大ストッパ係合穴159と小ストッパ係合軸突起部175とは、小ストッパ170を大ストッパ150に対して相対的に回動自在に係合する小ストッパ係合部176(図3、図4等参照)をなす。したがって、この小ストッパ170は、小ストッパ係合軸突起部175の中心軸線が回動軸線をなし、すなわち、その回動軸線が排紙方向に直交する幅方向に沿って設定される。
なお、ここでも、この小ストッパ係合軸突起部175には、図7−3に示すように、それぞれ軸線方向端面にテーパ175aが形成されている。これにより、この小ストッパ係合軸突起部175をテーパ175aによりガイドするように大ストッパ係合穴159に挿入、係合することで、小ストッパ170を大ストッパ150に容易に取り付けることができる。
小ストッパ嵌合穴177は、図7−4に示すように、小ストッパ170における背面172の基端部173側の縁部にて、背面172に対して凹部状に設けられている。小ストッパ嵌合穴177は、幅方向に沿って上述の大ストッパ突起部160よりも少しだけ太い直線状に設けられる。小ストッパ嵌合穴177は、大ストッパ150及び小ストッパ170を収容部130に収容した状態で、この大ストッパ突起部160に嵌合するように、幅方向に対して小ストッパ170のほぼ中央に設けられる(図3参照)。小ストッパ突起部178は、図7−1、図7−3、図7−4、図7−5に示すように、小ストッパ170の基端部173側の端面において、背面172がさらに外側に突出するように形成される。小ストッパ突起部178は、幅方向に沿って上述の大ストッパ嵌合穴161よりも少しだけ細い直線状に設けられる。さらに、小ストッパ突起部178は、小ストッパ170が大ストッパ150に対して90度程度回動した状態において、この大ストッパ嵌合穴161に嵌合するように、幅方向に対して小ストッパ170のほぼ中央に設けられる(図10参照)。
小ストッパ解除当接部179は、図7−3に示すように、小ストッパ170の基端部173側の端面において、小ストッパ突起部178の小ストッパ当接面171側が段落ちしたような曲面部として形成される。小ストッパ解除当接部179は、一対の小ストッパ係合軸突起部175の間に幅方向に沿って延設されている。この小ストッパ解除当接部179は、大ストッパ150の係合解除突起部162(図6−4、図6−5)と共に小ストッパ係合解除部180をなす。この小ストッパ係合解除部180は、小ストッパ170が大ストッパ150に対して相対的に所定角度以上前記排紙部33側に回動した際に、大ストッパ150の先端部154に設けられる係合解除突起部162と小ストッパ170の基端部173に設けられる小ストッパ解除当接部179とが当接することで、小ストッパ係合部176による係合を解除するものである。
したがって、小ストッパ170は、小ストッパ係合部176により、図3、図4に示す第2待機位置と、図10、図11に示す第2揃え位置との間で回動可能に大ストッパ150に支持される。小ストッパ170の第2待機位置とは、小ストッパ170の背面172と大ストッパ150の背面152とが互いに当接する位置であり、さらに言えば、大ストッパ150が上述した第1待機位置にある際に、大ストッパ150と共にこの小ストッパ170が収容部130の収容部本体部131に収納されうる位置である(図3、図4参照)。このとき、大ストッパ150は、大ストッパ当接面151側が若干窪むように湾曲して形成されていることから、小ストッパ170が第2待機位置にある際には、小ストッパ170は、この湾曲に沿うように位置する。そして、上述したように、収容部本体部131の深さが大ストッパ150及び小ストッパ170の厚みの和と同等に設定されていることから、この大ストッパ150及び小ストッパ170は、収容部本体部131の中にちょうど収まるように格納される。すなわち、小ストッパ170の小ストッパ当接面171とカバー本体110の載置面111とがほぼ同一平面となり、原稿カバー100全体として、フラットな平板状となる。また、カバー本体110は、大ストッパ150及び小ストッパ170を収容部本体部131に収容可能な厚み、すなわち、大ストッパ150、小ストッパ170及び収容部本体部131の底部の厚みの和に相当する厚みで済むことから、その厚みを比較的薄くすることができる。
さらに、大ストッパ150が第1待機位置にて収容部130の収容部本体部131に収容されると共に、小ストッパ170の第2待機位置にて背面172と背面152とが互いに当接する状態で、小ストッパ170は、基端部173が排紙方向上流側に位置する一方、先端部174が排紙方向下流側に位置する。またこのとき、小ストッパ170は、第2待機位置にて背面172と背面152とが互いに当接する状態で、排紙方向に対して大ストッパ係合部157より上流側に位置すると共に、大ストッパ150の大ストッパ突起部160(図6−1参照)が小ストッパ嵌合穴177に嵌合し係合されることで、この小ストッパ170の幅方向のぐらつきを防止することができる。
一方、小ストッパ170の第2揃え位置とは、大ストッパ150が第1待機位置にある際に、排紙方向に対して大ストッパ150の回動中心、すなわち、大ストッパ係合部157より上流側で載置面111から突出して排紙部33から排紙される原稿に小ストッパ当接面171が当接する位置である(図10、図11参照)。そして、この小ストッパ170が図3、図4に示す第2待機位置から大ストッパ150に対して90度程度回動し第2揃え位置に展開される際には、小ストッパ突起部178が大ストッパ150の大ストッパ嵌合穴161(図6−1参照)に嵌合し係合することで、この小ストッパ170は所定の揃え位置に停止、位置決めされる。
なお、この小ストッパ170が図10、図11に示す第2揃え位置から、大ストッパ150に対してさらに排紙方向上流側に回動した際に、大ストッパ150の先端部154に設けられる係合解除突起部162(図6−1参照)と小ストッパ170の基端部173に設けられる小ストッパ解除当接部179とが当接しさらに回動を続けることで、小ストッパ解除当接部179と係合解除突起部162とがテコのように作用することで、小ストッパ係合軸突起部175が大ストッパ係合穴159から引きはずされ、小ストッパ係合部176による小ストッパ170と大ストッパ150との係合が解除される。すなわち、小ストッパ170が大ストッパ150からはずれる。これにより、この小ストッパ170に対して排紙方向上流側に向かって過度な力が作用した場合に、この小ストッパ170が大ストッパ150から容易にはずれることから、小ストッパ170や大ストッパ150の損傷を未然に防止することができる。なお、小ストッパ170が大ストッパ150からはずれてしまっても、上述したように、この小ストッパ係合軸突起部175をテーパ175aによりガイドするように大ストッパ係合穴159に挿入、係合することで、小ストッパ170を大ストッパ150に容易に取り付けることができる。
なお、大ストッパ150の第1揃え位置及び小ストッパ170の第2揃え位置は、上述したように、大ストッパ当接面151、小ストッパ当接面171がともに排紙部33に対向する位置に設定され、小ストッパ170の第2揃え位置(図10、図11参照)における載置面111に対する小ストッパ当接面171の傾斜が大ストッパ150の第1揃え位置(図14、図15参照)における載置面111に対する大ストッパ当接面151の傾斜より小さく設定される。すなわち、ここでは、図10に示すように、小ストッパ170の第2揃え位置における載置面111に対する小ストッパ当接面171の傾斜角θ1(排紙部33側の角度)は、90度程度に設定される一方、図14に示すように、大ストッパ150の第1揃え位置における載置面111に対する大ストッパ当接面151の傾斜角θ2(排紙部33側の角度)は、120度程度に設定される。
上記のように構成される画像読取装置1は、フラットベッド機構2により原稿の画像を読み取る際には、図1乃至図4に示すように、小ストッパ170及び大ストッパ150を共に待機位置に設定し、収容部本体部131に収容し格納する。これにより、小ストッパ170の小ストッパ当接面171とカバー本体110の載置面111とがほぼ同一平面となり、原稿カバー100全体として、載置面111に出っ張りのないフラットな平板状となることから、その外観としてまとまりのある形状となり美的外観をよくすることができる。そして、フラットベッド機構2の透明原稿台上に原稿を配置したり取り除いたりするために原稿カバー100を開閉する際には、揃え部材としての小ストッパ170及び大ストッパ150が収容部130の収容部本体部131に適正に格納されていることから、小ストッパ170及び大ストッパ150が邪魔になることが防止され、利用者による原稿の配置動作を阻害したり、出っ張りに引っ掛かったりすることを防止することができる。また、小ストッパ170及び大ストッパ150を共に待機位置に設定し、収容部本体部131に収容し格納した状態で、ADF機構3により原稿の画像を読みとる場合でも、原稿カバー100の載置面111の溝部(例えば、ストッパ起こし用指窪み132)の面積が最小限に押さえられていることから、例えば、排紙部33からは排紙された原稿が溝部に引っかかって損傷することを抑制することができる。また、このとき、小ストッパ170及び大ストッパ150とは、互いの背面152、172が当接し折り重なるように収容部本体部131に収容されることから、コンパクトな構成とすることができる。
そして、ADF機構3により原稿の画像を読み取る際には、図8乃至図11、又は、図12乃至図15に示すように、給紙部32から自動給紙される原稿のサイズに応じて大ストッパ150又は小ストッパ170を揃え位置に展開することで、原稿カバー100により排紙部33から排紙される原稿をこの原稿のサイズに応じて適正に揃えて積層することができる。
すなわち、給紙部32に配置された原稿が、例えば、A8からA6サイズの用紙や名刺などの比較的に小型な原稿である場合には、図8乃至図11に示すように、小ストッパ170を第2待機位置から第2揃え位置(傾斜角θ1が90度程度になる位置)まで回動し展開する。ここで、例えば、このADF機構3の光学読取ユニットによる画像の読み取り解像度が低い場合には、これに伴ってのADF機構3の搬送部による搬送速度がはやくなり、したがって、排紙部33からの原稿の排紙速度も比較的速くなる。また、比較的に小型な原稿は、原稿自体の自重も小さいため、排紙部33から排紙される際に排紙の勢いでそのまま飛ばされ易い。しかしながら、ここでは、小ストッパ170の第2揃え位置にて、大ストッパ150の第1揃え位置よりも排紙部33側に近接して載置面111から突出する小ストッパ170の小ストッパ当接面171に排紙部33から排紙された小型原稿が当接することで、排紙の勢いでそのまま飛ばされることを防止することができる。そして、この小ストッパ170により排紙部33から排紙される小型原稿をしっかり停止させることで、載置面111上の小ストッパ170より上流側の所定位置にこの小型原稿を揃えて積層させることができる。
一方、給紙部32に配置された原稿が、例えば、A4/Letterサイズの用紙などの比較的に大型な原稿である場合には、図12乃至図15に示すように、大ストッパ150を第1待機位置から第1揃え位置(傾斜角θ2が120度程度になる位置)まで回動し展開する。ここでは、大型原稿は、原稿自体の自重が比較的大きいため、小型原稿のように排紙部33から排紙される際に排紙の勢いでそのまま飛ばされにくいことから、傾斜角θ2を90度程度に設定する必要はなく、原稿の排紙方向下流側端部が大ストッパ150の大ストッパ当接面151に載置される程度であれば十分である。そして、この大ストッパ150により、排紙部33から排紙される大型原稿の下流側端部をガイドし大ストッパ当接面151及び載置面111上の所定位置に載置することで、この大型原稿を順番が逆になったりすることなく揃えて積層させることができる。この結果、原稿カバー100により排紙部33から排紙される原稿をこの原稿のサイズに応じて適正に揃えて積層することができる。
なお、大ストッパ150を第1待機位置から第1揃え位置まで回動し展開する際、小ストッパ170を第2待機位置から第2揃え位置まで回動し展開する際には、利用者は収容部本体部131の幅方向両側方に設けられたストッパ起こし用指窪み132に指を挿入し、この大ストッパ150、小ストッパ170の幅方向両端部をつまんで引き起こすことができるので、大ストッパ150、小ストッパ170を容易に揃え位置に展開することができる。
以上で説明した本発明の実施例に係る原稿カバー100によれば、排紙部33から排紙される複数サイズの原稿を載置面111上のサイズに応じた所定位置に揃える原稿カバー100において、載置面111が形成されると共にこの載置面111に凹部状の収容部130が形成されたカバー本体110と、カバー本体110に原稿の排紙方向に沿って回動自在に支持されると共に、載置面111から突出して原稿を揃える第1揃え位置と、収容部130に収容される第1待機位置との間を回動可能な大ストッパ150と、大ストッパ150に原稿の排紙方向に沿って回動自在に支持されると共に、大ストッパ150が第1待機位置にある際に、排紙方向に対して第1待機位置より上流側で載置面111から突出して原稿を揃える第2揃え位置と、収容部130に収容される第2待機位置との間を回動可能な小ストッパ170とを備える。
したがって、排紙部33から排紙される原稿が大型原稿である場合には、大ストッパ150を第1待機位置から第1揃え位置まで回動し展開することで、この大ストッパ150により、排紙部33から排紙される大型原稿の下流側端部をガイドし載置面111上の所定位置に載置することができるので、この大型原稿を順番が逆になったりすることなく揃えて積層させることができる。一方、排紙部33から排紙される原稿が小型原稿である場合には、大ストッパ150が第1待機位置にある状態で小ストッパ170を第2待機位置から第2揃え位置まで回動し展開することで、大ストッパ150の第1揃え位置よりも排紙部33側に近接した位置で小ストッパ170に排紙部33から排紙された小型原稿が当接するので、載置面111上の所定位置にこの小型原稿を揃えて積層させることができる。そして、大ストッパ150及び小ストッパ170を使用しない際には、大ストッパ150及び小ストッパ170をそれぞれ待機位置に回動し、収容部130の収容部本体部131に収容し格納することで、原稿カバー100全体として、載置面111に出っ張りがなく、溝部が極めて少ないフラットな平板状となることから、その外観としてまとまりのある形状となり美的外観をよくすることができ、大ストッパ150及び小ストッパ170が邪魔になることを防止することができる。この結果、排紙される原稿を原稿サイズに応じて適正に揃えることができると共に、不使用時には揃え部材としての大ストッパ150及び小ストッパ170を適正に格納することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係る原稿カバー100によれば、大ストッパ150は、カバー本体110に支持にされる基端部153を回動中心として回動する一方、小ストッパ170は、大ストッパ150の先端部154に支持される基端部173を回動中心として回動し、大ストッパ150及び小ストッパ170は、ともに板状に形成され、回動中心が排紙方向に直交する幅方向に沿った水平な回動軸線をなす。したがって、大ストッパ150がカバー本体110に支持にされる基端部153を回動中心として回動する一方、小ストッパ170が大ストッパ150の先端部154に支持される基端部173を回動中心として回動すると共に、大ストッパ150及び小ストッパ170が板状に形成され、回動中心が幅方向に沿って水平な回動軸線をなすことから、大ストッパ150の第1揃え位置及び小ストッパ170の第2揃え位置を適正な位置に設定することができると共に、大ストッパ150及び小ストッパ170にて原稿に当接する大ストッパ当接面151、小ストッパ当接面171を広く確保することができるので、原稿をより揃え易くすることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係る原稿カバー100によれば、大ストッパ150の第1揃え位置及び小ストッパ170の第2揃え位置は、原稿と当接する大ストッパ当接面151、小ストッパ当接面171がともに排紙部33に対向する位置に設定され、小ストッパ170の第2揃え位置における載置面111に対する小ストッパ当接面171の傾斜が大ストッパ150の第1揃え位置における載置面111に対する大ストッパ当接面151の傾斜より小さく設定される。したがって、この大ストッパ150の大ストッパ当接面151により、排紙部33から排紙される大型原稿の下流側端部をガイドし大ストッパ当接面151及び載置面111上の所定位置に載置することができる。一方、大ストッパ当接面151よりも傾斜角度が小さい小ストッパ当接面171に排紙部33から排紙された小型原稿が当接するので、原稿自体の自重が比較的小さく排紙の際に飛ばされ易い小型原稿をこの小ストッパ170によりしっかり停止させることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係る原稿カバー100によれば、大ストッパ150と小ストッパ170とは、小ストッパ170が第2待機位置にある際に互いの大ストッパ当接面151、小ストッパ当接面171の背面152、172が当接し、収容部130は、深さが大ストッパ150及び小ストッパ170の厚みと同等に設定される。したがって、大ストッパ150と小ストッパ170とが収容部130に収容される際には、互いの背面152、172が当接し折り重なるように収容部130に収容されることから、よりコンパクトな構成とすることができる。このとき、収容部130の深さが大ストッパ150及び小ストッパ170の厚みと同等に設定されていることから、小ストッパ170の小ストッパ当接面171とカバー本体110の載置面111とがほぼ同一平面となり、原稿カバー100全体として、フラットな平板状とすることができると共に、原稿カバー100全体の厚みを比較的薄くすることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係る原稿カバー100によれば、収容部130は、大ストッパ150及び小ストッパ170を収容する収容部本体部131と、収容部本体部131の端部壁面に形成されたストッパ起こし用指窪み132を有する。したがって、大ストッパ150及び小ストッパ170を収容する収容部本体部131に隣接するようにストッパ起こし用指窪み132が設けられることから、大ストッパ150を第1待機位置から第1揃え位置まで回動し展開する際、小ストッパ170を第2待機位置から第2揃え位置まで回動し展開する際には、利用者はこのストッパ起こし用指窪み132に指を挿入し、この小ストッパ170の幅方向両端部をつまんで引き起こすことができるので、大ストッパ150、小ストッパ170を容易に揃え位置に展開することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係る原稿カバー100によれば、大ストッパ150の先端部154と小ストッパ170の基端部173とを相対的に回動自在に係合する小ストッパ係合部176と、小ストッパ170が大ストッパ150に対して相対的に所定角度以上排紙部33側に回動した際に、大ストッパ150の先端部154に設けられる係合解除突起部162と小ストッパ170の基端部173に設けられる小ストッパ解除当接部179とが当接して小ストッパ係合部176による係合を解除する小ストッパ係合解除部180とを備える。したがって、小ストッパ170が大ストッパ150に対して相対的に所定角度以上排紙部33側に回動した際に、係合解除突起部162と小ストッパ解除当接部179とが当接しさらに回動を続けることで、小ストッパ解除当接部179と係合解除突起部162とがテコのように作用することで、小ストッパ係合軸突起部175が大ストッパ係合穴159から引きはずされ、小ストッパ係合部176による小ストッパ170と大ストッパ150との係合が解除され、小ストッパ170が大ストッパ150からはずれるので、小ストッパ170に対して過度な力が作用しても小ストッパ170や大ストッパ150の損傷を防止することができる。
以上で説明した本発明の実施例に係る画像読取装置1によれば、原稿台上に配置された原稿を開閉自在な原稿カバー100により覆って原稿の画像を読み取るフラットベッド機構2と、積層されたシート状の原稿を連続的に自動給紙し画像を読み取り原稿カバー100上の載置面111に排紙するADF機構3とを一体的に組み付けることで構成される画像読取装置1において、原稿カバー100は、載置面111が形成されると共にこの載置面111に凹部状の収容部130が形成されたカバー本体110と、カバー本体110に原稿の排紙方向に沿って回動自在に支持されると共に、載置面111から突出して原稿を揃える第1揃え位置と、収容部130に収容される第1待機位置との間を回動可能な大ストッパ150と、大ストッパ150に原稿の排紙方向に沿って回動自在に支持されると共に、大ストッパ150が第1待機位置にある際に、排紙方向に対して第1待機位置より上流側で載置面111から突出して原稿を揃える第2揃え位置と、収容部130に収容される第2待機位置との間を回動可能な小ストッパ170とを備える。
したがって、フラットベッド機構2とADF機構3とを両方備えることから、本や雑誌などのように比較的厚みのある原稿を読み取ることができる共に、大量のシート状の原稿を自動的に搬送して読み取ることができる。そして、このフラットベッド機構2の原稿カバー100を、ADF機構3のスタッカとして兼用していることから、画像読取装置1をコンパクトな構成とすることができる。このとき、この原稿カバー100がカバー本体110に対して回転自在に設けられる大ストッパ150と、大ストッパ150に対して回転自在に設けられる第2回動規制手段としての小ストッパ170とを備えると共に、不使用時にはこの大ストッパ150及び小ストッパ170を収容し格納する収容部130を備えることから、排紙される原稿を原稿サイズに応じて適正に揃えることができると共に、不使用時には揃え部材としての大ストッパ150及び小ストッパ170を適正に格納することができる。
なお、上述した本発明の実施例に係る媒体揃え装置及び画像読取装置は、上述した実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。以上の説明では、媒体揃え装置は、フラットベット型画像読取機構と自動給紙型読取機構とが一体的に組み付けることで構成され、例えば、イメージスキャナ、複写機、ファクシミリ、文字認識装置などに用いられる画像読取装置に適用した場合で説明したが、これに限らず、排紙される複数サイズの媒体を載置面上の所定位置に揃える種々の装置に適用可能である。以上の説明では、自動給紙型読取機構は、フラットベット型画像読取機構の原稿カバーを媒体揃え装置として兼用するものとして説明したがこれに限らない。
以上の説明では、押陥部としてのストッパ起こし用指窪み132は、収容部本体部131の幅方向両端部壁面に左右一対の凹部状に形成されるものとして説明したが、例えば、大ストッパ150や小ストッパ170自体にくぼみを設けるようにしてもよい。また、以上の説明では、大ストッパ150の先端部154と小ストッパ170の基端部173とを相対的に回動自在に係合する係合部としての小ストッパ係合部176は、大ストッパ150側に設けられる大ストッパ係合穴159と小ストッパ170側に設けられる小ストッパ係合軸突起部175とにより構成されるものとして説明したが、これに限らず、例えば、小ストッパ170側に係合穴を設け、大ストッパ150側に軸突起部を設けるようにしてもよい。また、第2回動規制手段の先端部側にさらに第3回動規制手段を設けるようにしてもよい。また、前記第2回動規制手段は、前記第1回動規制手段の先端部に支持される基端部を回動中心として回動するものとして説明したが、これに限らず、前記第1回動規制手段に排出方向に沿って回動自在に支持されていればよく、媒体のサイズに応じて基端部の位置を変えてもよい。