以下、本発明の実施の形態における機器の配置決定方法について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における機器の配置決定方法により、複数の機器の配置を決定する部品実装システムの外観図である。
本実施の形態における部品実装システム1000は、現場に配設された複数の部品実装機100からなる2つの生産ラインと、各部品実装機100を管理する管理装置200とを備えている。
管理装置200は、例えばパーソナルコンピュータなどによって構成され、現場とは異なる管理室に配設されている。管理装置200は、最適化ソフトウェアを起動し、例えば部品実装機100ごとに、1枚の実装基板を部品実装機100が生産するのに要する時間であるタクトが最短となるように、その部品実装機100における実装条件の最適化を行う。そして、管理装置200は、その実装条件に従った部品の実装を部品実装機100に実行させる。なお、実装基板とは、部品実装機100が予め定められた複数の部品を回路基板(以下、単に基板という)20に実装することにより生産されるものである。
また、本実施の形態における管理装置200は、部品実装機100に取り付けられる複数の機器、例えば後述する複数のフィーダの配置を、上記実装条件のうちの1つとして最適化により決定し、その部品実装機100に通知する。
部品実装機100は、上流から基板20を受け取り、その基板20に対して部品を実装し、その部品が実装された基板20、すなわち実装基板を下流側に送り出す。
具体的には、部品実装機100は、複数種の部品を供給する2つの部品供給部115a,115bを備え、上流側の搬送口130から挿入される基板20を部品実装機100の内部に搬送して停止させる。そして、部品実装機100は、部品供給部115a,115bから供給される部品を順次取り出し、その停止している基板20に対して、取り出した部品を実装する。また、部品実装機100は、部品供給部115a,115bから供給された部品を基板20に装着する前に、その部品を撮像してその部品の形状などを認識する。
各生産ラインは、基板20が上流側の部品実装機100から下流側の部品実装機100に順次搬送されるように、複数の部品実装機100を一列に配列して構成されている。搬送された基板20に対して各部品実装機100が予め定められている複数の部品を実装することにより、生産ラインの最下流の部品実装機100からは、複数の部品実装機100によって複数の部品が実装された基板20が製品として搬出される。
図2は、部品実装機100の外観図である。
本実施の形態における部品実装機100は、図2に示すように、上述の部品供給部115a,115bと、操作部151と、実装機側表示部152と、コミットボタン164とを備えている。
部品供給部115a,115bは、部品テープを送り出す複数のフィーダ(部品カセット)114が着脱自在に取り付けられるように構成されている。部品供給部115a,115bに取り付けられた各フィーダ114は、基板20の搬送方向(X軸方向)に沿って配列する。なお、部品テープとは、例えば、同一部品種の複数の部品がテープ(キャリアテープ)上に並べられたものであり、リール等に巻かれた状態で供給される。また、部品テープに並べられる部品は、例えばチップ部品であって、具体的には0402チップ部品や1005チップ部品などである。フィーダ114は、部品テープをリールから引き出すように送り出し、その部品テープに並べられた部品を1つずつ供給する。
また、部品供給部115a,115bのそれぞれには、フィーダ114の着脱可能な各位置(以下、フィーダ取付位置という)にLED(Light Emitting Diode)168aが配設されている。各LED168aは、点灯または点滅することにより、所定の部品を供給するフィーダ114が、そのLED168aのあるフィーダ取付位置に取り付けられるべきことをオペレータに対して明示する。
操作部151は、オペレータによる操作を受け付けて、その操作に応じた処理を部品実装機100に実行させる。
実装機側表示部152は、管理装置200から通知されたフィーダ114の配置などを表示する。
コミットボタン164は、オペレータによって押下されると、部品供給部115a,115bに取り付けられている複数のフィーダ114を用いた最適化を管理装置200に実行させるためのボタンである。
図3は、部品実装機100の内部の主要な機械的構成を示す構成図である。
部品実装機100は、基板20に対して部品を実装する2つの実装ユニット110a,110bと、基板20を搬送するための一対の基板搬送レール122a,122bと、一対のビーム駆動ロボット140とを備えている。
基板搬送レール122a,122bは、それぞれX軸方向に対して平行となるように配置されている。ここで、基板搬送レール122aは、部品供給部115a側に寄せて固定され、基板搬送レール122bは、搬送される基板20のサイズ(幅)に応じてY軸方向(X軸方向に対して垂直な方向)に移動する。部品実装機100の搬送口130から挿入された基板20は、一対の基板搬送レール122a,122b上に沿って搬送されてストッパーなどにより停止される。
2つの実装ユニット110a,110bは、協調して、基板搬送レール122a,122b上にある基板20に対して交互に部品を実装する。
実装ユニット110aと実装ユニット110bはそれぞれ同様の構成を有している。つまり、実装ユニット110aは、部品供給部115a、部品認識カメラ116a、ヘッド112a、ビーム121a、およびノズルステーション119aを備えている。同様に、実装ユニット110bは、部品供給部115b、部品認識カメラ116b、ヘッド112b、ビーム121b、およびノズルステーション119bを備えている。
ここで、実装ユニット110aの詳細な構成について説明する。なお、実装ユニット110bの詳細な構成については、実装ユニット110aと同様であるため省略する。
ヘッド112aは、例えばマルチ装着ヘッドと呼ばれるヘッドであって、最大12個の吸着ノズル(以下、単にノズルという)を備えることができ、部品供給部115aから例えば最大12個の部品を吸着して基板20に装着することができる。このようなヘッド112aは、軸状に構成されたビーム121aに対してスライド自在に取り付けられている。したがって、ヘッド112aは、例えばモータなどの駆動により、ビーム121aに沿って移動する。
ビーム121aは、Y軸方向に沿って互いに平行に配置された一対のビーム駆動ロボット140上に、Y軸方向にスライド自在に取り付けられている。したがって、ビーム121aは、例えばモータなどの駆動により、一対のビーム駆動ロボット140上をY軸方向に沿って移動する。すなわち、ヘッド112aは、ビーム駆動ロボット140およびビーム121aによってX軸方向およびY軸方向に移動する。
部品認識カメラ116aは、ヘッド112aに吸着された部品を撮影し、その部品の吸着状態を2次元又は3次元的に検査するために用いられる。また、部品認識カメラ116aは、部品供給部115aにおけるX軸方向に沿った中央付近に配置されている。
ノズルステーション119aは、各種形状の部品種に対応する交換用のノズルが置かれるテーブルである。
図4は、ヘッド112aとフィーダ114の位置関係を示す模式図である。
上述のように、ヘッド112aには、例えば最大12個のノズルnzを取り付けることが可能である。この場合、6個のノズルnzがX軸方向に沿って2列になって配列する。このような12個のノズルnzが取り付けられたヘッド112aは、最大6個のフィーダ114のそれぞれから部品を同時に(1回の上下動作で)吸着することができ、このような吸着動作を2回繰り返すことができる。このようなヘッド112aと同様に、ヘッド112bも例えば最大12個のノズルnzを取り付けることができる。なお、本発明では、ヘッド112a,112bに取り付けられるノズルnzの数は12個以外でもよく、X軸方向に沿うノズルnzの列を1列または3列以上にしてもよい。
また、本実施の形態におけるフィーダ114のそれぞれには、そのフィーダ114についての情報、つまりそのフィーダ114が供給する部品の種類(部品種)に関する情報(以下、フィーダ情報という)を記憶しているIC(Integrated Circuit)タグtaが付されている。さらに、本実施の形態における部品供給部115a,115bの各フィーダ取付位置には、そのICタグtaからフィーダ情報を読み取るリーダ168bが配設されている。したがって、フィーダ114がフィーダ取付位置に取り付けられると、そのフィーダ取付位置にあるリーダ168bは、そのフィーダ114に付されたICタグtaからフィーダ情報を読み取る。これにより、各フィーダ取付位置に取り付けられたフィーダ114の種類、つまり部品種を特定することができる。
図5は、部品を収めた部品テープ及びリールの例を示す図である。
チップ形電子部品などの部品423dは、図5に示すキャリアテープ424に一定間隔で複数個連続的に形成された収納凹部424aに収納されて、この上面にカバーテープ425を貼付けて包装される。そしてこのようにカバーテープ425が貼り付けられたキャリアテープ424は、リール426に所定の数量分だけ巻回されたテーピング形態でユーザに供給される。また、このようなキャリアテープ424およびカバーテープ425によって部品テープが構成される。なお、部品テープの構成は、図5に示す構成以外の他の構成であってもよい。
このような部品実装機100の実装ユニット110aは、ヘッド112aを部品供給部115aに移動させて、部品供給部115aから供給される部品をそのヘッド112aに吸着させる。そして、実装ユニット110aは、ヘッド112aを部品認識カメラ116a上に一定速度で移動させ、ヘッド112aに吸着された全ての部品の画像を部品認識カメラ116aに取り込ませ、部品の吸着位置を正確に検出させる。さらに、実装ユニット110aは、ヘッド112aを基板20に移動させて、吸着している全ての部品を基板20の実装点に順次装着させる。実装ユニット110aは、このようなヘッド112aによる吸着、移動、および装着という動作を繰り返し実行することにより、予め定められた全ての部品を基板20に実装する。
なお、ヘッドが1つ以上の部品を吸着して移動し、その吸着した1つ以上の部品を基板に装着するという一連の動作、または、その1回あたりの一連の動作でヘッドに吸着される部品群を、タスクという。また、実装点とは、基板20上の部品が実装されるべき位置である。
実装ユニット110bも、実装ユニット110aと同様に、ヘッド112bを部品供給部115bに移動させて、部品供給部115bから供給される部品をそのヘッド112bに吸着させる。そして、実装ユニット110bは、ヘッド112bを部品認識カメラ116b上に一定速度で移動させ、ヘッド112bに吸着された全ての部品の画像を部品認識カメラ116bに取り込ませ、部品の吸着位置を正確に検出させる。さらに、実装ユニット110bは、ヘッド112bを基板20に移動させて、吸着している全ての部品を基板20の実装点に順次装着させる。実装ユニット110bは、このようなヘッド112bによる吸着、移動、および装着という動作を繰り返し実行することにより、予め定められた全ての部品を基板20に実装する。
そして、実装ユニット110aおよび実装ユニット110bはそれぞれ、相手の実装ユニットが部品を装着しているときには、部品供給部から部品を吸着し、逆に、相手の実装ユニットが部品供給部から部品を吸着しているときには、部品を装着するように、基板20に対する部品の装着を交互に行う。すなわち、部品実装機100はいわゆる交互打ちの部品実装機として構成されている。
図6は、部品実装機100および管理装置200の制御系の機能構成を示すブロック図である。
管理装置200は、最適化を実行して、部品実装機100の部品供給部115a,115bに取り付けられるべき複数のフィーダ114の配置を決定し、その配置を示す配置指示データDaを生成して部品実装機100に送信することにより、その配置に従って各フィーダ114を部品供給部115a,115bに取り付けるように、現場のオペレータに指示する。ここで、配置指示データDaは、部品供給部115a,115bごとに、その部品供給部の各フィーダ取付位置と、その各フィーダ取付位置に取り付けられるべきフィーダ114の種類とを示している。
なお、各フィーダ114は、そのフィーダ114が供給する部品の種類によって分類されると仮定し、以下、フィーダ114の種類を部品の種類(部品種ci)を用いて示す。つまり、フィーダciは、部品種ciの部品を供給するフィーダ114を示す(iは正の整数)。
部品実装機100は、配置指示データDaの示す配置に従って各フィーダ114が取り付けられなかったとき、具体的には、配置指示データDaの示すフィーダ114の種類および数に従って各フィーダ114が取り付けられなかったときには、部品供給部115a,115bに取り付けられている複数のフィーダ114の配置を示す現場配置データDbを生成して管理装置200に送信することにより、配置指示データDaの修正を管理装置200に実行させる。ここで、現場配置データDbは、部品供給部115a,115bごとに、その部品供給部の各フィーダ取付位置と、その各フィーダ取付位置に実際に取り付けられているフィーダ114の種類とを示している。管理装置200は、部品実装機100から送信された現場配置データDbを取得すると、その現場配置データDbに示されるフィーダ114の種類および数が満たされるように、もう一度最適化を実行し、新たな配置指示データDaを生成して部品実装機100に送信する。
このように、本実施の形態における部品実装システムでは、部品実装機100の部品供給部115a,115bに実際に取り付けられるフィーダ114の種類および数が、管理装置200によって決定された配置に用いられるフィーダ114の種類および数と異なれば、現場配置データDbおよび配置指示データDaの生成と送信が繰り返し行われる。
以下、このような管理装置200および部品実装機100の詳細な構成について説明する。
管理装置200は、管理制御部210と、入力部211と、最適化部212と、タクト算出部213と、管理側表示部214と、第1格納部215と、管理側通信部216と、第2格納部217とを備えている。なお、本実施の形態では、管理側通信部216が、部品実装機100からの通知を取得する通知取得手段として構成されているとともに、配置指示データDaを部品実装機100に送信する送信手段として構成されている。さらに、本実施の形態では、最適化部212が複数の機器の配置を決定する決定手段として構成されている。
管理側通信部216は、部品実装機100と通信する。
入力部211は、例えばキーボードやマウスなどから構成され、管理者による入力操作を受け付ける。
管理側表示部214は、例えば液晶ディスプレイなどを備え、第1格納部215や第2格納部217に格納されているデータを表示する。
第1格納部215は、基板20の各実装点に関する情報などを示すNCデータ154aと、各部品に関する情報を示す部品ライブラリ154bとを格納している。
図7は、NCデータ154aの一例を示す図である。
NCデータ154aは、基板20において装着の対象となる全ての部品の実装点に関する情報を示す。1つの実装点piは、部品種ci、X座標xi、Y座標yi、制御データφi、および実装角度θiからなる(iは正の整数)。ここで、部品種は、部品ライブラリ154bにおける部品名に相当し(図8参照)、X座標およびY座標は実装点の座標であり、制御データφiは、その部品の装着に関する制約情報、例えば、使用可能なノズルnzのタイプや、ヘッド112a,112bの最高移動加速度等を示す。実装角度θiは、部品種ciの部品を吸着したノズルnzが回転すべき角度を示す。
図8は、部品ライブラリ154bの一例を示す図である。
部品ライブラリ154bは、部品実装機100が扱うことができる全ての部品種のそれぞれについての固有の情報を集めたライブラリである。この部品ライブラリ154bは、図8に示すように、部品種(部品名)ごとの部品サイズ、その部品種におけるタクト、および制約情報などからなる。
なお、この部品ライブラリ154bの示すタクトは、一定条件下において部品を基板20に装着するのに要する部品種固有の時間であって、制約情報は、例えば、使用可能なノズルnzのタイプ(SXや、SAなど)や、部品認識カメラ116a,116bによる認識方式(反射など)、ヘッド112a,112bの最高加速度比などである。また、図8には、参考として、各部品種の部品の外観も併せて示されている。部品ライブラリ154bには、その他に、部品の色や形状などの情報が含まれていてもよい。
最適化部212は、第2格納部217に現場配置データDbが格納されていないときには、部品実装機100の部品供給部115a,115bに取り付け可能な全てのフィーダ114の種類および数と、第1格納部215に格納されているNCデータ154aおよび部品ライブラリ154bとを用いて、タクトが最短となるように部品実装機100における実装条件の最適化を行う。その結果、最適化部212は、上述の配置指示データDaおよび実装条件データ154cを生成して第2格納部217に格納する。ここで、実装条件データ154cは、例えば、各タスクや複数の部品の実装順序などを示す。
また、最適化部212は、第2格納部217に現場配置データDbが格納されているときには、その現場配置データDbにより示されるフィーダ114の種類および個数と、第1格納部215に格納されているNCデータ154aおよび部品ライブラリ154bとを用いて、タクトが最短となるように部品実装機100における実装条件の最適化を行う。その結果、最適化部212は、上述と同様、配置指示データDaおよび実装条件データ154cを生成して第2格納部217に格納する。
なお、現場配置データDbは、配置指示データDaに応じて部品実装機100により生成されて管理装置200に送信されたデータである。したがって、上述のように最適化部212がその現場配置データDbを用いて最適化を実行して配置指示データDaおよび実装条件データ154cを生成したときには、第2格納部217には、前回生成された配置指示データDaおよび実装条件データ154cが格納されている。そこで、最適化部212は、上述のように現場配置データDbを用いて新たな配置指示データDaおよび実装条件データ154cを生成したときには、第2格納部217に既に格納されている配置指示データDaおよび実装条件データ154cを更新する。
ここで、最適化部212によって現場配置データDbを用いずに最初に行われる最適化を、初期最適化といい、そのときに生成される配置指示データDaを初期配置指示データDaという。最適化部212によって現場配置データDbを用いて2回目以降に行われる最適化を、修正最適化といい、そのときに生成される配置指示データDaを修正配置指示データDaという。
タクト算出部213は、第2格納部217に格納されている配置指示データDaおよび実装条件データ154cと、第1格納部215に格納されているNCデータ154aおよび部品ライブラリ154bとを用いて、タクトを算出する。その結果、タクト算出部213は、算出されたタクトを示すタクトデータ213aを生成して第2格納部217に格納する。なお、タクト算出部213は、タクトデータ213aを格納するときに、第2格納部217に他のタクトデータ213aが既に格納されているときには、その既に格納されている他のタクトデータ213aを、生成した新たなタクトデータ213aに更新する。
管理制御部210は、入力部211に受け付けられた入力操作などに応じて、最適化部212、タクト算出部213、管理側表示部214などを制御する。また、管理制御部210は、管理側通信部216を介して部品実装機100から現場配置データDbを取得すると、その現場配置データDbを第2格納部217に格納する。なお、管理制御部210は、部品実装機100から現場配置データDbを取得したときに、第2格納部217に他の現場配置データDbが既に格納されている場合には、管理制御部210は、その既に格納されている他の現場配置データDbを、取得した新たな現場配置データに更新する。
さらに、管理制御部210は、最適化の実行を促す入力操作が入力部211に受け付けられたとき、または第2格納部217に現場配置データDbを格納したときに、最適化部212に上述の最適化を実行させる。そして、最適化部212によって配置指示データDaおよび実装条件データ154cの生成または更新が行われるごとに、管理制御部210は、その生成または更新された新たな配置指示データDaおよび実装条件データ154cを用いたタクトの算出をタクト算出部213に実行させる。
そして、管理制御部210は、タクトデータ213aが第2格納部217に格納または更新されるごとに、そのタクトデータ213aと、そのタクトデータ213aの生成に用いられた配置指示データDaおよび実装条件データ154cとを、管理側通信部216を介して部品実装機100に送信する。
部品実装機100は、上述の操作部151および実装機側表示部152と、機構制御部153と、実装機側格納部154と、実装機側通信部155と、配置処理部160とを備えている。
実装機側通信部155は、管理装置200と通信する。
実装機側格納部154は、上述の第1格納部215と同様、NCデータ154aおよび部品ライブラリ154bを格納している。また、管理装置200から送信された実装条件データ154cは、実装機側通信部155を介して実装機側格納部154に格納される。なお、管理装置200から実装条件データ154cが送信されたときに、実装機側格納部154に既に他の実装条件データ154cが格納されているときには、既に格納されている他の実装条件データ154cは、その送信された新たな実装条件データ154cに更新される。
機構制御部153は、操作部151に受け付けられたオペレータによる操作や、実装機側格納部154に格納されているデータ、現場配置データDbなどに基づいて、ヘッド112a,112bやノズルnzなどの図3に示す各機構の動きを制御する。
配置処理部160は、部品供給部115a,115bに取り付けられる複数のフィーダ114の配置に関する処理を行う。
具体的に、配置処理部160は、部品供給部115a,115bに取り付けられるべき複数のフィーダ114の配置を示す配置指示データDaと、その配置におけるタクトを示すタクトデータ213aとを、実装機側通信部155を介して管理装置200から取得する。さらに、配置処理部160は、オペレータに対して、その配置指示データDaの示す配置に従って、各フィーダ114を部品供給部115a,115bに取り付けるように促す。すなわち、配置処理部160は、タクトデータ213aの示すタクトと、配置指示データDaの示す配置を実装機側表示部152に表示させたり、配置指示データDaの示すフィーダ114ごとに、そのフィーダ114が取り付けられるべきフィーダ取付位置にある上述のLED168aを点灯させたりする。
さらに、本実施の形態における配置処理部160は、部品供給部115a,115bに実際に取り付けられている複数のフィーダ114の配置を特定する。ここで、その特定された配置(具体的には、フィーダ114の種類および数)と、配置指示データDaの示す配置(具体的には、フィーダ114の種類および数)とが異なり、上述のコミットボタン164が押下されると、配置処理部160は、その特定された配置を示す現場配置データDbを、実装機側通信部155を介して管理装置200に送信する。
図9は、配置処理部160の詳細な構成を示す図である。
配置処理部160は、送受信部161と、配置指示格納部162と、配置制御処理部163、現場配置格納部165と、配置特定部166と、上述のコミットボタン164、複数のLED168aおよび複数のリーダ168bとを備えている。なお、本実施の形態では、配置特定部166が複数の機器を特定する特定手段として構成され、送受信部161がその特定された複数の機器を管理装置200に通知する通知手段として構成されている。
送受信部161は、実装機側通信部155を介して管理装置200から送信された配置指示データDaおよびタクトデータ213aを取得し、その配置指示データDaおよびタクトデータ213aを配置指示格納部162に格納する。なお、送受信部161は、その配置指示データDaおよびタクトデータ213aを取得したときに、配置指示格納部162に他の配置指示データDaおよびタクトデータ213aが既に格納されているときには、既に格納されている他の配置指示データDaおよびタクトデータ213aを、取得した新たな配置指示データDaおよびタクトデータ213aに更新する。
さらに、送受信部161は、配置制御処理部163から許可されている状態で、コミットボタン164が押下されると、現場配置格納部165に格納されている現場配置データDbを読み出して、受信機側通信部155を介してその現場配置データDbを管理装置200に送信する。
配置特定部166は、部品供給部115a,115bの各フィーダ取付位置に配設されているリーダ168bの読み取り結果に基づいて、部品供給部115a,115bに取り付けられている複数のフィーダ114の配置を特定する。
現場配置データ生成部167は、部品供給部115a,115bごとに、配置特定部166によって特定された複数のフィーダ114の配置を示す上述の現場配置データDbを生成し、その現場配置データDbを現場配置格納部165に格納する。なお、現場配置データ生成部167は、その現場配置データDbを生成したときに、現場配置格納部165に他の現場配置データDbが既に格納されているときには、既に格納されている他の現場配置データDbを、生成した新たな現場配置データDbに更新する。
配置制御処理部163は、操作部151に受け付けられたオペレータによる操作に応じて、配置指示格納部162に格納されている配置指示データDaおよびタクトデータ213aの内容や、現場配置格納部165に格納されている現場配置データDbの内容を実装機側表示部152に表示させる。
ここで、上述のように、配置指示データDaは、部品供給部115a,115bごとに、その部品供給部にある各フィーダ取付位置と、各フィーダ取付位置に取り付けられるべきフィーダ(部品種)とを示している。そこで、オペレータが操作部151を操作して、実装機側表示部152に表示されているフィーダ(部品種)のうちの何れかを選択すると、配置制御処理部163は、その選択されたフィーダ114が取り付けられるべきフィーダ取付位置にあるLED168aを点灯させる。これにより、オペレータは、その選択したフィーダ114のフィーダ取付位置を容易に知ることができる。
また、配置制御処理部163は、配置指示データDaの示す配置と、現場配置データDbの示す配置とを比較し、それらの配置が互いに異なっている場合には、オペレータに対して、配置指示データDaの示す配置に各フィーダ114を取り付けるように促す。例えば、配置制御処理部163は、その配置指示データDaの示す配置通りに取り付けられていないフィーダ取付位置と、そのフィーダ取付位置に取り付けられるべきフィーダ114とを実装機側表示部152に表示させる。
さらに、配置制御処理部163は、配置指示データDaの示す配置に用いられているフィーダ114の種類および数と、現場配置データDbの示す配置に用いられているフィーダ114の種類および数とが互いに異なる場合には、送受信部161に対して、現場配置データDbを管理装置200に送信することを許可する。
一方、配置制御処理部163は、配置指示データDaの示す配置と、現場配置データDbの示す配置とが一致する場合には、機構制御部153に対して部品実装の開始を許可する。
図10は、配置指示データDaおよび現場配置データDbの一例を示す図である。
例えば、初期配置指示データDaは、図10(a)に示すように、部品供給部115aにおける各フィーダ取付位置と、各フィーダ取付位置に取り付けられるべきフィーダ(部品種)とを示している。具体的に、初期配置指示データDaは、フィーダ取付位置A1〜A4のそれぞれにフィーダc1〜c4が取り付けられるべきことを示すとともに、フィーダ取付位置A5〜A7のそれぞれに同一種のフィーダc5が取り付けられるべきことを示している。さらに、この初期配置指示データDaは、フィーダ取付位置A8〜A10のそれぞれにフィーダc6〜c8が取り付けられるべきことを示している。
現場配置データDbは、図10(b)に示すように、部品供給部115aにおける各フィーダ取付位置と、各フィーダ取付位置に実際に取り付けられているフィーダ(部品種)とを示している。具体的に、現場配置データDbは、フィーダ取付位置A1〜A8のそれぞれにフィーダc1〜c8が実際に取り付けられていることを示すとともに、フィーダ取付位置A9,A10のそれぞれにはフィーダ114が取り付けられていないことを示している。
修正配置指示データDaは、図10(b)に示す現場配置データDbに基づいて、図10(a)に示す初期配置指示データDaが更新(修正)されたデータであって、初期配置指示データDaと同様、部品供給部115aにおける各フィーダ取付位置と、各フィーダ取付位置に取り付けられるべきフィーダ(部品種)とを示している。具体的に、修正配置指示データDaは、図10(c)に示すように、フィーダ取付位置A1,A10にフィーダ114が取り付けられるべきでないことを示すとともに、フィーダ取付位置A2〜A9のそれぞれにフィーダc1〜c8が取り付けられるべきことを示している。このような修正配置指示データDaの示すフィーダ114の種類(部品種)および数は、その修正配置指示データDaの生成に利用された現場配置データDbの示すフィーダ114の種類(部品種)および数と同じである。
つまり、オペレータは、実装機側表示部152に表示される、図10(a)に示す初期配置指示データDaの内容を確認する。しかし、フィーダc5がその初期配置指示データDaにより指示される数だけ現場にない、あるいは、多くの仕掛りの部品テープが発生するのを避けるという理由で、オペレータは、そのフィーダc5を1つだけ部品供給部115aに取り付ける。その結果、図10(b)に示すような現場配置データDbが生成される。そして、オペレータが、初期配置指示データDaの示す配置ではなく、部品供給部115aに実際に取り付けられているフィーダ114を用いて部品実装を行うために、コミットボタン164を押下する。その結果、図10(b)に示す現場配置データDbが管理装置200に送信され、管理装置200は、その現場配置データDbの示すフィーダ114の種類(部品種)および数が満たされるように修正最適化を実行し、図10(c)に示す修正配置指示データDaを生成する。
すなわち、管理装置200は、オペレータによって部品供給部115aに取り付けられたフィーダ114以外のフィーダ114を用いることなく修正最適化を行い、タクトが最短となるような、部品供給部115aに取り付けられているフィーダ114だけの配置を決定している。
なお、修正配置指示データDaの示す配置は、修正最適化の結果に応じて、現場配置データDbの示す配置と同一になることもある。
図11は、実装機側表示部152に表示される内容を説明するための図である。
配置制御処理部163は、配置指示データDaの示す各フィーダ取付位置および各フィーダ114を実装機側表示部152に表示させる。例えば、部品供給部115aのフィーダ取付位置A1に取り付けられるべきフィーダc1がその位置の指定フィーダとして表示され、部品供給部115aのフィーダ取付位置A2に取り付けられるべきフィーダc2がその位置の指定フィーダとして表示される。
また、配置制御処理部163は、オペレータによる操作部151の操作に応じて、所定の指定フィーダを選択すると、その指定フィーダを強調して実装機側表示部152に表示させるとともに、その指定フィーダが取り付けられるべきフィーダ取付位置にあるLED168aを点灯させる。例えば、配置制御処理部163は、指定フィーダであるフィーダc5を選択すると、実装機側表示部152に表示されているフィーダc5を反転表示させ、そのフィーダc5が取り付けられるべきフィーダ取付位置にあるLED168aを点灯させる。その結果、オペレータは、フィーダc5を何れのフィーダ取付位置に取り付ければよいかを容易に把握することができる。
さらに、配置制御処理部163は、現場配置データDbの示す各フィーダ取付位置および各フィーダ114を実装機側表示部152に表示させる。例えば、配置制御処理部163は、図11に示すように、現場配置データDbの示す、実際に取り付けられているフィーダ114を取付フィーダとし、その取付フィーダが取り付けられているフィーダ取付位置の指定フィーダと、その取付フィーダとを隣り合わせて実装機側表示部152に表示させる。その結果、例えば、フィーダ取付位置A1には、指定フィーダc1と取付フィーダc1とが隣り合わせで表示される。その結果、オペレータは、フィーダ取付位置A1では、管理装置200からの指示通りにフィーダ114が取り付けられていることを容易に把握することができる。
さらに、配置制御処理部163は、タクトデータ213aの示すタクトを実装機側表示部152に表示させる。例えば、図11に示すように、配置制御処理部163は、タクトが15秒であることを表示させる。これにより、オペレータは、配置指示データDaの示す配置通り、つまり実装機側表示部152に表示されている各指定フィーダ通りに、各フィーダ114を取り付ければ、タクトが15秒になることを容易に把握することができる。したがって、オペレータは、そのタクトを確認した上で、配置指示データDaの示す配置通りに各フィーダ114を取り付けるか、その配置と異なるように各フィーダ114を取り付けるかを判断することができる。
図12は、管理側表示部214に表示される内容を説明するための図である。
管理制御部210は、第2格納部217に初期配置指示データDaおよびタクトデータ213aが格納されているときには、図12(a)に示すように、その初期配置指示データDaの示す配置と、タクトデータ213aの示すタクトとを管理側表示部214の初期配置指示枠214a内に表示させる。例えば、管理制御部210は、部品供給部115aのフィーダ取付位置A1〜A4にフィーダc1〜c4が取り付けられ、フィーダ取付位置A5〜A7にフィーダc5が取り付けられ、フィーダ取付位置A8〜A10にフィーダc6〜c8が取り付けられるべきことと、タクトが15秒であることとを、図を用いて初期配置指示枠214a内に表示させる。
さらに、管理制御部210は、第2格納部217に現場配置データDbが格納されているときには、図12(b)に示すように、その現場配置データDbの示す配置を管理側表示部214の現場配置枠214b内に表示させる。例えば、管理制御部210は、部品供給部115aのフィーダ取付位置A1〜A8にフィーダc1〜c8が取り付けられていることを、図を用いて現場配置枠214b内に表示させる。
ここで、管理制御部210は、初期配置指示データDaの示す配置と、現場配置データDbの示す配置とを同時に表示させるときには、例えば、それらの配置が相違している部分(図12中の斜線部)を強調して表示させる。そして、管理制御部210は、その現場配置データDbの示すフィーダ114の種類および数に従った修正最適化を最適化部212に実行させて、修正配置指示データDaおよび実装条件データ154cを生成させる。さらに、管理制御部210は、その修正配置指示データDaおよび実装条件データ154cに応じたタクトの算出をタクト算出部213に実行させ、タクトデータ213aを生成させる。
管理制御部210は、上述のように修正配置指示データDaおよびタクトデータ213aが生成されると、図12(b)に示すように、その修正配置指示データDaの示す配置と、そのタクトデータ213aの示すタクトとを管理側表示部214に表示させる。例えば、管理制御部210は、部品供給部115aのフィーダ取付位置A2〜A9にフィーダc1〜c8が取り付けられ、フィーダ取付位置A1,A10にフィーダ114が取り付けられるべきでないことと、タクトが19秒であることとを、図を用いて表示させる。
図13は、本実施の形態における管理装置200の動作を示すフローチャートである。
まず、管理装置200は、初期最適化を実行し(ステップS100)、初期配置指示データDaを生成する(ステップS102)。さらに、管理装置200は、その初期配置指示データDaに基づいてタクトを算出することによりタクトデータ213aを生成する(ステップS104)。そして、管理装置200は、生成された初期配置指示データDaとタクトデータ213aとを部品実装機100に送信する(ステップS106)。
ここで、管理装置200は、部品実装機100から現場配置データDbを取得したか否かを判別する(ステップS108)。現場配置データDbを取得していないと判別すると(ステップS108のN)、管理装置200は、部品実装機100に対する処理を終了し、部品実装機100に部品実装を開始させる。
一方、現場配置データDbを取得したと判別すると(ステップS108のY)、管理装置200は、その現場配置データDbの示すフィーダ114の種類および数に応じた修正最適化を実行し(ステップS110)、修正配置指示データDaを生成する(ステップS112)。さらに、管理装置200は、その修正配置指示データDaに基づいてタクトを算出することによりタクトデータ213aを生成する、つまり、先に生成されたタクトデータ213aを更新する(ステップS114)。そして、管理装置200は、生成された修正配置指示データDaとタクトデータ213aとを部品実装機100に送信する(ステップS116)。
図14は、本実施の形態における部品実装機100の配置処理部160の動作を示すフローチャートである。
まず、配置処理部160は、初期配置指示データDaおよびタクトデータ213aを取得し、初期配置指示データDaの示すフィーダ114の配置と、タクトデータ213aの示すタクトとを実装機側表示部152に表示させる(ステップS200)。その結果、オペレータは、その実装機側表示部152に表示されている配置に従って、部品供給部115a,115bにフィーダ114を取り付けようとする。
次に、配置処理部160は、部品供給部115a,115bに取り付けられているフィーダ114の配置を特定し、その配置を示す現場配置データDbを生成する(ステップS202)。ここで、配置処理部160は、現場配置データDbの示す配置が、初期配置指示データDaの示す配置と異なっているか否かを判別する(ステップS204)。配置が異なっていないと判別すると(ステップS204のN)、配置処理部160は、機構制御部153に対して部品実装の開始を許可する(ステップS206)。一方、配置が異なっていると判別すると(ステップS204のY)、さらに、配置処理部160は、現場配置データDbの示す配置に用いられているフィーダ114の種類および数が、初期配置指示データDaの示す配置に用いられているフィーダ114の種類および数と異なるか否かを判別する(ステップS208)。
ここで、異なっていないと判別すると(ステップS208のN)、部品供給部115a,115bに取り付けられている各フィーダ114の位置だけが、初期配置指示データDaの示す各フィーダ114の位置と異なっているため、配置処理部160は、オペレータに対して、各フィーダ114の取り付けられている位置の変更を促す(ステップS210)。一方、異なっていると判別すると(ステップS208のY)、配置処理部160は、コミットボタン164がオペレータによって押下されたか否かを判別する(ステップS212)。
ここで、押下されていないと判別すると(ステップS212のN)、配置処理部160は、オペレータに対して、各フィーダ114の配置を変更するように促す(ステップS210)。一方、コミットボタン164が押下されたと判別すると(ステップS212のY)、配置処理部160は、部品供給部115a,115bに取り付けられているフィーダ114の配置を示す現場配置データDbを管理装置200に送信する(ステップS214)。つまり、配置処理部160は、オペレータによるコミットボタン164の操作に応じて、管理装置200への通知要求を受け付けて、そのタイミングで現場配置データDbを管理装置200に送信する。
このように現場配置データDbが管理装置200に送信されると、管理装置200は、その現場配置データDbに応じて初期配置指示データDaを修正して修正配置指示データDaを生成し、その修正配置指示データDaに対応する新たなタクトデータ213aを生成する。そして、管理装置200は、その修正配置指示データDaおよびタクトデータ213aを配置処理部160に送信する。
配置処理部160は、その修正配置指示データDaおよびタクトデータ213aを管理装置200から取得し、修正配置指示データDaの示すフィーダ114の配置と、タクトデータ213aの示すタクトとを実装機側表示部152に表示させる(ステップS216)。
ここで、オペレータは、その実装機側表示部152に表示されたタクトを確認し、そのタクトでよければ、部品供給部115a,115bに取り付けられている各フィーダ114を、修正配置指示データDaの示す配置通りに並べ替える。その結果、配置処理部160は、ステップS202からの処理を繰り返し実行する。また、オペレータは、そのタクトが長すぎると判断すると、初期配置指示データDaの示す配置通りに各フィーダ114を取り付ける。あるいは、オペレータは、初期配置指示データDaや修正配置指示データDaの示す配置と異なるように各フィーダ114を取り付けて、現場で使用できるフィーダ114とタクトが満足するまで、カットアンドトライを繰り返す。
図15は、本実施の形態における部品実装機100と管理装置200の動作の一例を示すシーケンス図である。
まず、管理装置200は、初期最適化を実行するとともにタクトを算出することにより(ステップS300)、初期配置指示データDaおよびタクトデータ213aを生成する(ステップS302)。そして、管理装置200は、その初期配置指示データDaおよびタクトデータ213aを部品実装機100に送信する(ステップS304)。
次に、部品実装機100は、管理装置200から送信された初期配置指示データDaおよびタクトデータ213aを取得して、その初期配置指示データDaの示す配置と、そのタクトデータ213aの示すタクトとを表示する(ステップS306)。
ここで、このような表示を確認したオペレータは、例えば、そのタクトが15秒であって十分に短いことを把握する。さらに、オペレータは、現場の事情により、その表示された配置に用いられる3つのフィーダc5を全て取り付けることが困難であると判断する。その結果、オペレータは、タクトが少し長くなってもいいので、3つのフィーダc5のうち1つだけを部品供給部115aに取り付ける。
そして、部品実装機100は、部品供給部115a,115bに実際に取り付けられているフィーダ114の配置を特定し(ステップS308)、その配置を示す現場配置データDbを生成する(ステップS310)。
ここで、部品実装機100は、オペレータによりコミットボタン164が押下されたことを検出すると(ステップS312)、そのステップS310で生成された現場配置データDbを管理装置200に送信する(ステップS314)。
管理装置200は、部品実装機100から送信された現場配置データDbを取得すると、その現場配置データDbに基づいて修正最適化を実行するとともにタクトをもう一度算出する(ステップS316)。その結果、管理装置200は、修正配置指示データDaおよびタクトデータ213aを生成して(ステップS318)、部品実装機100に送信する(ステップS320)。
部品実装機100は、管理装置200から送信された修正配置指示データDaおよびタクトデータ213aを取得して、その修正配置指示データDaの示す配置と、そのタクトデータ213aの示すタクトとを表示する(ステップS322)。
ここで、このような表示を確認したオペレータは、例えば、そのタクトが19秒であって許容される長さであることを把握する。さらに、オペレータは、現場配置データDbの示す配置、すなわち部品供給部115a,115bに現在取り付けられているフィーダ114の配置が、修正配置指示データDaの示す配置と異なっていると判断する。具体的には、現在取り付けられているフィーダ114の種類および数は、修正配置指示データDaの示す配置に用いられているフィーダ114の種類および数と同じであるが、現在取り付けられている各フィーダ114の位置だけが、修正配置指示データDaの示す位置と異なっていると判断する。その結果、オペレータは、現在取り付けられている各フィーダ114の位置が、修正配置指示データDaの示す位置と等しくなるように、その各フィーダ114を並べ替えて配置を変更する。
部品実装機100は、変更された各フィーダ114の配置を特定し(ステップS324)、その配置を示す現場配置データDbを生成する(ステップS326)。そして、部品実装機100は、現場配置データDbの示す配置が修正配置指示データDaの示す配置と一致することを確認すると(ステップS328)、基板20への部品実装を開始する(ステップS330)。
このように本実施の形態では、現場のオペレータが、管理装置200から指示された配置通りに複数のフィーダ114を部品実装機100の部品供給部115a,115bに取り付けることができなくても、部品実装機100によって、その部品実装機100に実際に取り付けられている複数のフィーダ114が管理装置200に通知され、管理装置200によって、それらの複数のフィーダ114の配置が、例えば最適化アルゴリズムなどのアルゴリズムに従って決定される。そして、その決定された配置を示す修正配置指示データDaが部品実装機100に送信される。したがって、部品実装機100は、その修正配置指示データDaの示す配置を表示することにより、オペレータに対して、部品実装機100に現在取り付けられている複数のフィーダ114をその配置通りに配置し直すことを促すことができる。その結果、オペレータは、従来のように、管理装置200から指示された複数のフィーダ114の配置と、部品実装機100の部品供給部115a,115bに実際に取り付けられている複数のフィーダ114の配置との変更点をわざわざ記録し、その変更点を管理者に報告するという手間を省くことができ、作業負担を軽減することができる。さらに、現場による判断によって部品実装機100の部品供給部115a,115bに取り付けられる複数のフィーダ114が変更されても、それらの複数のフィーダ114の配置は、最適化アルゴリズムなどのアルゴリズムに従って決定されるため、部品実装の作業効率の低下を防ぐことができる。
(変形例)
上記実施の形態では、複数の機器の一例としてフィーダ114の配置を決定したが、ノズルステーション(ノズルチェンジャ)119a,119bに載置される複数のノズルnzの配置を決定してもよく、ヘッド112a,112bに取り付けられる複数のノズルnzの配置を決定してもよい。
ノズルステーション119a,119bに載置される複数のノズルnzの配置を決定する場合には、管理装置200は、最適化を実行することにより、ノズルステーション119a,119bごとに、そのノズルステーション上の複数のノズルnzの配置を示す配置指示データDaを生成する。また、部品実装機100は、ノズルステーション119a,119bごとに、そのノズルステーションに実際に載置されている複数のノズルnzの配置を特定することにより、現場配置データDbを生成する。
図16は、ノズルステーション119a,119bに載置されている複数のノズルnzの特定方法の一例を説明するための図である。
配置処理部160は、複数のリーダ168bの代わりに、ノズルステーション119a,119bに載置されている複数のノズルnzを撮像するカメラ600を備える。配置特定部166は、このカメラ600により撮像された画像に基づいて、ノズルステーション119a,119bに載置されている複数のノズルnzの配置、つまり、何れの位置にどのようなノズルnzが載置されているかを特定する。
ヘッド112a,112bに取り付けられる複数のノズルnzの配置を決定する場合には、管理装置200は、最適化を実行することにより、ヘッド112a,112bごとに、そのヘッドにおける複数のノズルnzの配置を示す配置指示データDaを生成する。また、部品実装機100は、ヘッド112a,112bごとに、そのヘッドに実際に取り付けられている複数のノズルnzの配置を特定することにより、現場配置データDbを生成する。
図17は、ヘッド112a,112bに取り付けられている複数のノズルnzの特定方法の一例を説明するための図である。
配置処理部160は、複数のリーダ168bの代わりに、ヘッド112a,112bに取り付けられている複数のノズルnzを撮像するカメラ602を備える。このカメラ602は、例えばX軸方向に移動自在にヘッド112a,112bに取着され、X軸方向に沿って移動しながら、ヘッド112a,112bに取り付けられている全てのノズルnzを撮像する。配置特定部166は、このカメラ602により撮像された画像に基づいて、ヘッド112a,112bに取り付けられている複数のノズルnzの配置、つまり、何れの位置にどのようなノズルnzが取り付けられているかを特定する。
なお、部品供給部115a,115bに取り付けられる複数のフィーダ114の配置と、ノズルステーション(ノズルチェンジャ)119a,119bに載置される複数のノズルnzの配置と、ヘッド112a,112bに取り付けられる複数のノズルnzの配置とを組み合わせて決定してもよい。
以上、本発明に係る機器の配置決定方法について、実施の形態およびその変形例を用いて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態およびその変形例では、図2および図3に示す部品実装機100以外の種類の部品実装機であってもよい。つまり、部品実装機100は、実装ユニットを2つ備えていたが、1つだけ備えていてもよい。また、2つの実装ユニット110a,110bは、互いに協調して1つの基板20に対して部品を交互に装着したが、それぞれ独立に互いに異なる基板20に対して部品を装着してもよい。また、部品実装機100はいわゆるロータリー機であってもよい。
さらに、本実施の形態およびその変形例では、部品実装機100がタクトを表示して、そのタクトの評価をオペレータ自身が行ったが、部品実装機100にその評価をさせてもよい。つまり、部品実装機100の配置制御処理部163は、タクトに対するしきい値を有し、そのしきい値と、配置指示格納部162に格納されているタクトデータ213aの示すタクトとを比較する。配置制御処理部163は、その比較の結果、タクトがしきい値よりも長いと判断すると、実装機側表示部152に、配置指示データDaの示す配置ではタクトが長くなり作業効率が低下する旨のメッセージを実装機側表示部152に表示させる。また、管理装置200にその評価をさせてもよい。この場合、例えば、管理制御部210は、タクトに対するしきい値を有し、そのしきい値と、タクト算出部213により算出されたタクトとを比較する。管理制御部210は、その比較の結果、タクトがしきい値よりも長いと判断すると、そのタクトの算出に用いられた配置指示データDaの部品実装機100への送信を禁止する。そして、管理制御部210は、現場配置データDbの示す配置に用いられているフィーダ114の種類および数ではタクトが長くなり作業効率が低下する旨のメッセージを、管理側通信部216を介して部品実装機100に送信する。このようなメッセージを取得した部品実装機100は、そのメッセージを実装機側表示部152に表示させる。
また、本実施の形態およびその変形例では、部品実装機100の配置処理部160は、部品供給部115a,115bのフィーダ取付位置ごとに、そのフィーダ取付位置に実際に取り付けられているフィーダ114の種類を示す現場配置データDbを生成して管理装置200に送信した。しかし、配置処理部160は、取り付けられているフィーダ114のフィーダ取付位置まで管理装置200に通知することなく、部品供給部115a,115bに実際に取り付けられているフィーダ114の種類および数だけを示す現場配置データDbを生成して管理装置200に送信してもよい。
また、本実施の形態およびその変形例では、フィーダ114にICタグtaを取り付けたが、フィーダ情報を記憶している記憶媒体であれば、ICタグta以外の他の媒体をフィーダ114に取り付けてもよい。例えば、1次元または2次元バーコードなどを取り付けてもよい。また、本実施の形態では、リーダ168bを各フィーダ取付位置に配設し、リーダ168bのそれぞれにフィーダ114のICタグtaからフィーダ情報を読み取らせたが、各フィーダ114のフィーダ情報の読み取り方法は、これに限られない。例えば、ヘッド112aにリーダ168bを備え、ヘッド112aがそのリーダ168bを用いて各フィーダ114のフィーダ情報を読み取ってもよい。また、そのリーダ168bの代わりにヘッド112aにカメラを備え、そのカメラが各フィーダ114に取り付けられた1次元または2次元バーコードを撮像することにより、そのバーコードに記憶されているフィーダ情報を読み取っても良い。
また、本変形例では、ノズルnzの配置を特定するためにカメラを用いたが、各ノズルnzに上述のようなICタグなどの記憶媒体を付し、その記憶媒体から情報を読み出すリーダを備えても良い。
また、ヘッド112a,112bに取り付けられているノズルnzの配置を特定するために、部品認識カメラ116a,116bを利用してもよい。この場合、ヘッド112a,112bは、部品を吸着していない状態で、部品認識カメラ116a,116b上を移動し、その部品認識カメラ116a,116bに各ノズルnzを撮像させる。これにより、機構を複雑にすることなく、ヘッド112a,112bに取り付けられているノズルnzの配置を簡単に特定して現場配置データDbを生成することができる。同様に、ミラーやレンズなどの光学機器を利用して、ノズルステーション119a,119bに載置されているノズルnzを、部品認識カメラ116a,116bに撮像させ、その撮像結果に基づいて上記ノズルnzの配置を特定してもよい。