以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る部品送りピッチ設定方法を実現する部品実装システム10の構成を示す外観図である。
部品実装システム10は、基板20に部品を実装し、回路基板を生産するシステムであり、部品送りピッチ設定装置100と部品実装機200とを備えている。
部品送りピッチ設定装置100は、本発明に係る部品送りピッチ設定方法を実行する装置であり、簡易に、部品テープの送りピッチを正しく設定する。
部品実装機200は、部品送りピッチ設定装置100により指示された送りピッチごとに、部品テープをテープ送りすることにより、部品テープに保持された電子部品などの部品を予め定められた位置に順次配置する。そして、装着ヘッドが部品を吸着して、基板20上に部品を装着していく。このように部品実装機200は、基板20に部品を実装して、上流から下流に向けて基板20を搬送する。
図2は、部品実装機200の内部の主要な構成を示す平面図である。
部品実装機200は、基板20に対して部品を実装する2つの実装ユニット210a,210bを備えている。2つの実装ユニット210a,210bは、お互いが協調し1枚の基板20に対して実装作業を行う。なお、基板20の搬送方向をX軸方向、水平面内でのX軸方向と垂直の方向をY軸方向とする。すると、2つの実装ユニット210a,210bは、Y軸方向に並べられて配置されている。
実装ユニット210aと実装ユニット210bはそれぞれ同様の構成を有している。つまり、実装ユニット210aは、部品供給部211a、装着ヘッド213a及び部品認識カメラ214aを備えている。同様に、実装ユニット210bは、部品供給部211b、装着ヘッド213b及び部品認識カメラ214bを備えている。
ここで、実装ユニット210aの詳細な構成について説明する。なお、実装ユニット210bの詳細な構成については、実装ユニット210aと同様であるため、省略する。また、それ以下の説明においても、実装ユニット210aについての説明を行うが、実装ユニット210bについても同様である。
部品供給部211aは、部品テープを収納する複数の部品カセット212aの配列からなる。複数の部品カセット212aは、X軸方向に並んで配置されている。そして、この部品カセット212a内の部品テープは、Y軸方向にテープ送りされる。なお、部品テープとは、例えば、同一部品種の複数の部品がテープ(キャリアテープ)上に均等に並べられたものであり、リール等に巻かれた状態で供給される。また、部品テープに並べられる部品は、例えばチップ等であって、具体的には0402チップ部品や1005チップ部品などである。
装着ヘッド213aは、複数の吸着ノズルを備えており、部品カセット212aの部品を吸着して基板20に装着する。
部品認識カメラ214aは、装着ヘッド213aに吸着された部品を撮影し、その部品の吸着状態を2次元又は3次元的に検査するために用いられる。
図3は、装着ヘッド213aと部品カセット212aの位置関係を示す模式図である。
装着ヘッド213aには、例えば最大10個の吸着ノズルnzを取り付けることが可能である。部品カセット212aには、部品が配置される部品供給位置215が予め定められている。そして、10個の吸着ノズルnzが取り付けられた装着ヘッド213aは、最大10個の部品カセット212aのそれぞれの部品供給位置215から部品を同時に(1回の上下動作で)吸着することができる。
なお、図3のX軸方向及びY軸方向は、図2に示されたX軸方向及びY軸方向に対応している。つまり、X軸方向に複数の部品カセット212aが並んで配置され、この部品カセット212a内の部品テープは、Y軸方向にテープ送りされ、部品供給位置215に部品が配置される。
図4は、部品230を収めた部品テープ223及びリール224の例を示す図である。
チップ型電子部品などの部品230は、図4に示すキャリアテープ221に一定間隔で複数個連続的に形成された収納凹部221aに収納されて、この上面にカバーテープ222を貼り付けて包装される。そしてこのようにカバーテープ222が貼り付けられたキャリアテープ221は、リール224に所定の数量分だけ巻回されたテーピング形態でユーザに供給される。また、このようなキャリアテープ221およびカバーテープ222によって部品テープ223が構成される。
このような部品実装機200の実装ユニット210aは、部品テープ223を予め定められた送りピッチごとにテープ送りし、部品カセット212aの部品供給位置215に各部品230を順次配置する。そして、実装ユニット210aは、装着ヘッド213aを部品供給部211aに移動させて、部品供給部211aの部品供給位置215から供給される部品230をその装着ヘッド213aに吸着させる。そして、実装ユニット210aは、装着ヘッド213aを部品認識カメラ214a上に一定速度で移動させ、装着ヘッド213aに吸着された全ての部品230の画像を部品認識カメラ214aに取り込ませ、部品230の吸着位置を正確に検出させる。さらに、実装ユニット210aは、装着ヘッド213aを基板20に移動させて、吸着している全ての部品230を基板20の実装点に順次装着させる。実装ユニット210aは、このような装着ヘッド213aによる吸着、移動、および装着という動作を繰り返し実行することにより、予め定められた全ての部品230を基板20に実装する。
ここで、部品送りピッチ設定装置100について、以下に詳細に説明する。
この部品送りピッチ設定装置100は、簡易に、部品テープ223の送りピッチを正しく設定する等の処理を行なうパーソナルコンピュータなどのコンピュータである。具体的には、部品送りピッチ設定装置100は、装着ヘッド213aによる部品230の吸着の「成功」/「失敗」などから、部品テープ223の送りピッチを設定する等の処理を行なう。ここで、まず、この吸着の「成功」/「失敗」について、以下に説明する。
図5は、装着ヘッド213aによる部品230の吸着の「成功」/「失敗」を説明する図である。
図5(a)に示すように、部品テープ223に一定間隔で複数個連続的に形成された収納凹部221aの各々に、部品230が収納されている。そして、部品テープ223が図5(a)に示されるY軸方向にテープ送りされ、部品230が部品供給位置215に配置されたとする。なお、Y軸方向とは、図2及び図3に示されたY軸方向に対応しており、予め定められたテープ送りの方向である。
すると、装着ヘッド213aの吸着ノズルnzが、部品供給位置215から部品230を吸着することができる。なお、吸着ノズルnzが部品230を吸着することができたかどうかは、部品230が部品認識カメラ214aによって認識されるか、部品230を吸着するための吸引用空気の流速の変化が流速センサ(図示せず)で検出されることなどによって判断される。
このように、装着ヘッド213aが部品230を吸着することができた状態のことを、吸着の「成功」という。次に、図5(b)に示すように、部品230が部品供給位置215に配置されないような送りピッチで、部品テープ223がY軸方向にテープ送りされたとする。すると、装着ヘッド213aの吸着ノズルnzが、部品供給位置215から部品230を吸着することができない。この装着ヘッド213aが部品230を吸着することができなかった状態のことを、吸着の「失敗」という。
このように、部品テープ223をテープ送りするための送りピッチによっては、吸着に「成功」したり「失敗」したりすることになる。
図6は、本実施の形態における部品送りピッチ設定装置100の機能構成を示すブロック図である。
この部品送りピッチ設定装置100は、入力部101、表示部102、部品送りピッチ設定部103、対象部品判定部104、モード切替部105、通信部106、第1格納部107及び第2格納部108を備えている。
入力部101は、例えばキーボードやマウスなどで構成されており、オペレータからの操作を受け付けて、その操作結果を部品送りピッチ設定部103、対象部品判定部104及びモード切替部105などに通知する。
表示部102は、例えば液晶ディスプレイなどで構成されており、部品送りピッチ設定部103、対象部品判定部104及びモード切替部105などの動作状態を表示したり、第1格納部107及び第2格納部108などに格納されているデータを表示したりする。
部品送りピッチ設定部103は、複数種の部品テープの中での最小の送りピッチ以下の初期の送りピッチを取得し、当該初期の送りピッチで複数回のテープ送りを部品実装機200に行わせる。具体的には、部品テープの送りピッチが2mm、4mm及び6mmの3種類である場合、初期の送りピッチを例えば2mmとして、複数回のテープ送りを部品実装機200に行わせる。
そして、部品送りピッチ設定部103は、部品実装機200がテープ送りを行うごとに、部品230が予め定められた位置に有るか無いかを検出し、有ると検出された隣り合う部品230の間の長さを、部品テープ223の送りピッチに設定する。具体的には、装着ヘッド213aによる部品供給位置215からの部品230の吸着が、「成功」すれば部品有りと検出し、「失敗」すれば部品無しと検出する。そして、「成功」と「失敗」の序列から、部品テープ223の送りピッチを設定する。
対象部品判定部104は、部品230のテープ送り方向の大きさの情報を取得し、部品230の大きさが一定の大きさよりも小さいか否かを判定する。具体的には、部品230のテープ送り方向の大きさが、4mmよりも小さいか否かを判定する。
モード切替部105は、部品テープ223の交換時に交換を検出し、また、部品送りピッチ設定部103での送りピッチ設定後に、設定された送りピッチで部品テープ223のテープ送りを部品実装機200に行わせる。
なお、モード切替部105は、部品テープ223の交換を検出すれば、「通常テープ送りモード」から「送りピッチ設定モード」に切り替える。また、モード切替部105は、部品送りピッチ設定部103での送りピッチ設定後に、「送りピッチ設定モード」から「通常テープ送りモード」に切り替える。なお、「送りピッチ設定モード」では、部品送りピッチ設定部103や対象部品判定部104が、部品テープ223の送りピッチを設定する動作を部品実装機200に行わせる。また、「通常テープ送りモード」では、設定された送りピッチで部品テープのテープ送りが行われ、基板20に部品が実装される。
通信部106は、LAN(Local Area Network)アダプタ等であり、部品送りピッチ設定装置100と部品実装機200との通信等に用いられる。例えば、通信部106は、部品送りピッチ設定部103でのテープ送りの指示を部品実装機200に与えたり、部品実装機200がテープ送りを行うごとに、部品230が部品供給位置215に有るか無いかの情報を取得したりする。
第1格納部107及び第2格納部108は、この部品送りピッチ設定装置100による部品送りピッチ設定処理等に用いられる入力データや、部品送りピッチ設定装置100による処理の結果生成される部品テープ223の送りピッチの情報等を示すデータ等を格納している。
第1格納部107は、対象部品判定部104での部品230の大きさの判定に用いられる入力データである部品ライブラリ107aを格納している。
図7は、部品ライブラリ107aの一例を示す図である。
部品ライブラリ107aは、部品実装機200が扱うことができる全ての部品種それぞれについての固有の情報を集めたライブラリである。この部品ライブラリ107aは、図7に示すように、部品種(部品名)ごとの部品サイズ、タクト(一定条件下における部品種に固有のタクト)、その他の制約情報(使用可能な吸着ノズルのタイプ、部品認識カメラによる認識方式、装着ヘッドの最高加速度比等)からなる。なお、本図には、参考として、各部品種の部品の外観も併せて示されている。部品ライブラリ107aには、その他に、部品の色や形状などの情報が含まれていてもよい。なお、対象部品判定部104での部品230の大きさの判定には、部品サイズの数値が用いられる。
第2格納部108は、部品送りピッチ設定部103での送りピッチの設定に用いられる入力データや、部品送りピッチ設定部103での処理の結果生成される部品テープ223の送りピッチの情報等を示すデータを格納している。この第2格納部108は、序列データ108a、ピッチ特定用データ108b及びピッチ設定データ108cを格納している。
序列データ108aは、部品テープ223がテープ送りされるたびに、装着ヘッド213aが部品供給位置215からの部品230の吸着に「成功」したか「失敗」したかの情報の集まりである。
図8は、ピッチ特定用データ108bの一例を示す図である。
ピッチ特定用データ108bは、送りピッチを特定するための序列のパターンと送りピッチとを対応付けた情報の集まりである。このピッチ特定用データ108bは、序列パターン及び特定用送りピッチなどからなる。
ここで、特定用送りピッチとは、部品テープ223が部品230を正しく部品供給位置215に配置するための送りピッチをいう。また、序列パターンとは、装着ヘッド213aによる部品230の吸着の「成功」と「失敗」の序列を、パターン化したものをいう。
例えば、図8に示したピッチ特定用データ108bの序列パターン「成功−成功」に対し、特定用送りピッチが「2mm」となっている。これは、装着ヘッド213aが部品230の吸着に2度連続で「成功」すれば、その部品テープ223の送りピッチは2mmであることを示している。
ピッチ設定データ108cは、部品送りピッチ設定部103が設定した部品テープ223の送りピッチの情報の集まりである。
図9は、部品送りピッチ設定部103、対象部品判定部104及びモード切替部105を詳細に説明するための図である。
まず、部品送りピッチ設定部103は、初期ピッチ取得部103a、初期テープ送り部103b、部品有無検出部103c及び送りピッチ設定部103dを備えている。
初期ピッチ取得部103aは、複数種の部品テープの中での最小の送りピッチ以下の初期の送りピッチを取得する。この初期の送りピッチは、入力部101を介してオペレータから取得してもよく、予め記憶されたデータから取得してもよい。
なお、ここでは、この初期の送りピッチは、必要最小限の送りピッチとして、複数種の部品テープ223の送りピッチの最大公約数であることとする。つまり、この最大公約数の送りピッチで複数回のテープ送りを行うと、必要以上にテープ送りを行うことがない。また、この最大公約数の送りピッチでは、どの部品テープでも、必ず部品230が部品供給位置215に配置される。このため、装着ヘッド213aが吸着できない部品230がなくなることになり、部品230が無駄に捨てられることを防ぐことができる。
例えば、部品実装機200に収納される部品テープ223の送りピッチが4mmと6mmの2種類であった場合、初期の送りピッチを4mmとしたのでは、6mmの送りピッチの部品テープ223の部品230を全て装着ヘッド213aで吸着することができない。また、初期の送りピッチを3mmとしたのでは、4mmの送りピッチの部品テープ223の部品230を全て装着ヘッド213aで吸着することができない。さらに、初期の送りピッチを1mmとしたのでは、テープ送りの回数が多くなり過ぎる。ここで、4と6の最大公約数は2である。つまり、初期の送りピッチを2mmとすれば、4mm及び6mmの送りピッチの2つの部品テープ223の部品230を全て装着ヘッド213aで吸着することができ、無駄なテープ送りもない。
なお、ここでは、部品実装機200には、送りピッチが2mm、4mm及び6mmの3種類の複数の部品テープ223が収納されていることとする。つまり、2と4と6の最大公約数は2であるので、初期の送りピッチは2mmである。
初期テープ送り部103bは、初期ピッチ取得部103aが取得した初期の送りピッチで、部品テープ223の複数回のテープ送りを部品実装機200に行わせる。つまり、送りピッチ2mmで、複数回のテープ送りを部品実装機200に行わせる。
部品有無検出部103cは、初期テープ送り部103bによって、初期の送りピッチで部品テープ223のテープ送りが行われるごとに、部品230が予め定められた位置に有るか無いかを検出する。なお、この部品有無の検出は、装着ヘッド213aが部品供給位置215での部品230の吸着に「成功」すれば部品有りと検出し、部品230の吸着に「失敗」すれば部品無しと検出する。そして、部品有無検出部103cは、装着ヘッド213aの吸着ごとに検出した結果を第2格納部に格納していくことにより、序列データ108aを更新する。
図10は、序列データ108aの一例を示す図である。
序列データ108aは、部品テープ名及び序列などからなる。ここで、部品テープ名とは、吸着の対象となる部品230を収納している部品テープ223を識別できる名称をいう。また、序列とは、装着ヘッド213aが吸着動作を行うたびに、部品230の吸着に「成功」したか「失敗」したかの情報を順番に並べたものをいう。
例えば、部品有無検出部103cは、装着ヘッド213aが部品テープAの部品230の吸着に「成功」した場合は、序列データ108aの部品テープAに対応する序列を「成功」と更新する。そして、装着ヘッド213aが部品テープAの部品230の吸着に、さらに「成功」した場合は、部品有無検出部103cは、序列データ108aの部品テープAに対応する序列を「成功−成功」に更新する。
同様に、装着ヘッド213aが部品テープBの部品230の吸着に「成功」し、その後「失敗」した場合は、部品有無検出部103cは、序列データ108aの部品テープBに対応する序列を「成功−失敗」に更新する。そして、次に、装着ヘッド213aが部品テープBの部品230の吸着に「成功」した場合は、部品有無検出部103cは、序列データ108aの部品テープBに対応する序列を「成功−失敗−成功」に更新する。
このようにして、序列データ108aは、装着ヘッド213aが部品230の吸着動作を行うごとに、部品有無検出部103cによって更新されていく。
送りピッチ設定部103dは、部品有無検出部103cが有ると検出した隣り合う部品230の間の長さを、部品テープ223の送りピッチに設定する。具体的には、送りピッチ設定部103dは、装着ヘッド213aの吸着ごとに部品有無検出部103cで検出された結果の序列により部品テープ223の送りピッチを設定する。さらに具体的には、送りピッチ設定部103dは、図8に示された序列のパターンと送りピッチとを対応付けたピッチ特定用データ108bから、序列データ108aの序列に対応した送りピッチを特定し、部品テープ223の送りピッチに設定する。
例えば、序列データ108aの部品テープAの序列が「成功−成功」であるので、ピッチ特定用データ108bから、序列パターン「成功−成功」に対応した特定用送りピッチとして、2mmが特定される。このため、送りピッチ設定部103dは、部品テープAの送りピッチを2mmに設定する。また、序列データ108aの部品テープBの序列が「成功−失敗−成功」であるので、ピッチ特定用データ108bから、序列パターン「成功−失敗−成功」に対応した特定用送りピッチとして、4mmが特定される。このため、送りピッチ設定部103dは、部品テープBの送りピッチを4mmに設定する。
そして、送りピッチ設定部103dは、設定した送りピッチを第2格納部に格納することにより、ピッチ設定データ108cを更新する。
図11は、ピッチ設定データ108cの一例を示す図である。
ピッチ設定データ108cは、部品テープ名及び設定送りピッチなどからなる。ここで、部品テープ名とは、送りピッチを設定する対象となる部品テープ223を識別できる名称をいう。また、設定送りピッチとは、送りピッチ設定部103dが設定した送りピッチである。
例えば、送りピッチ設定部103dは、部品テープAの送りピッチを2mmに設定した場合は、ピッチ設定データ108cの部品テープAの設定送りピッチを2mmに更新する。また、送りピッチ設定部103dは、部品テープBの送りピッチを4mmに設定した場合は、ピッチ設定データ108cの部品テープBの設定送りピッチを4mmに更新する。
次に、対象部品判定部104は、部品情報取得部104a及び部品判定部104bを備えている。
部品情報取得部104aは、部品テープ223が保持する部品230のテープ送り方向の大きさの情報を取得する。この部品230のテープ送り方向の大きさは、図7に示された部品ライブラリ107aの部品サイズから取得する。具体的には、部品230のテープ送り方向とはY軸方向であるので、部品ライブラリ107aの部品サイズのYの欄の数値を取得する。
部品判定部104bは、部品情報取得部104aが取得した部品230の大きさが一定の大きさよりも小さいか否かを判定する。そして、部品230の大きさが一定の大きさよりも小さいと判定された場合に、部品送りピッチ設定部103が各処理を行う。
なお、一定の大きさとは、好ましくは4mmである。部品230のテープ送り方向の大きさが4mm以上の場合、装着ヘッド213aが部品230を誤って吸着してしまい、正しく送りピッチを設定できない場合がある。なお、詳細については、図15での説明で後述する。
モード切替部105は、テープ交換検出部105a及び設定テープ送り部105bを備えている。
テープ交換検出部105aは、部品テープの交換時に交換を検出する。なお、この交換の検出は、テープ交換時に自動で行われてもよいし、オペレータによるボタン操作などから検出してもよい。そして、このテープ交換検出部105aでのテープ交換の検出が行われた場合に、テープ交換検出部105aは、「通常テープ送りモード」から「送りピッチ設定モード」に切り替える。この切り替えにより、対象部品判定部104が各処理を開始する。
設定テープ送り部105bは、部品送りピッチ設定部103での送りピッチ設定後に、「送りピッチ設定モード」から「通常テープ送りモード」に切り替える。つまり、設定テープ送り部105bは、部品送りピッチ設定部103で設定された送りピッチで、部品テープ223のテープ送りを部品実装機200に行わせる。具体的には、図11に示されたピッチ設定データ108cの設定送りピッチで、テープ送りが行われる。
図12〜図14は、本実施の形態における部品送りピッチ設定装置100の部品送りピッチ設定方法の一例を説明する図である。前述の通り、部品実装機200には、送りピッチが2mm、4mm及び6mmの3種類の複数の部品テープ223が収納されており、初期の送りピッチは2mmであることとする。この場合、どの部品テープがどの送りピッチなのかを設定する方法について、以下に説明を行う。
なお、図12〜図14においては、モード切替部105がテープ交換を検出し、対象部品判定部104が、部品230の大きさが一定の大きさよりも小さいと判定した後の、部品送りピッチ設定部103が行う処理を説明する。
図12は、送りピッチが2mmの部品テープ223の、部品送りピッチ設定方法の一例を説明する図である。この場合の部品テープ223を、部品テープAとする。
図12(a)に示すように、部品テープAには、Y軸方向に2mm間隔で複数個連続的に収納凹部221aが形成されている。なお、Y軸方向とは、図5等に示されたY軸方向に対応しており、テープ送りの方向である。そして、この収納凹部221aのそれぞれに部品230が収納されている。また、部品230は、2mm間隔で均等に配置されていることとする。
まず、部品送りピッチ設定部103は、図12(b)に示される部品供給位置215から装着ヘッド213aに部品230を吸着させようとする。部品供給位置215には部品230が配置されているので、装着ヘッド213aは部品230を吸着できる。つまり、装着ヘッド213aによる部品230の吸着は、「成功」する。よって、部品送りピッチ設定部103は、序列データ108aの部品テープAに対応する序列を「成功」と更新する。
次に、部品送りピッチ設定部103は、部品テープAを初期の送りピッチである2mmで、Y軸方向にテープ送りさせる。ここで、以下において、部品テープAがY軸方向にテープ送りされることを、部品供給位置215がY軸方向のテープ送りの向きと反対の方向に移動することで表現する。つまり、説明の便宜上、部品テープAの部品の位置を固定して、部品供給位置215が移動するように図示することとする。例えば、図12(b)に示される部品テープAがY軸方向にテープ送りされると、部品供給位置215が図12(c)に示されるような位置に移動する。
すると、部品送りピッチ設定部103は、図12(c)に示される部品供給位置215から装着ヘッド213aに部品230を吸着させようとする。部品供給位置215には部品230が配置されているので、装着ヘッド213aは部品230を吸着できる。つまり、装着ヘッド213aによる部品230の吸着は、「成功」する。よって、部品送りピッチ設定部103は、序列データ108aの部品テープAに対応する序列を「成功−成功」と更新する。
よって、部品送りピッチ設定部103は、図8に示されたピッチ特定用データ108bから、序列パターンが「成功−成功」に対応する特定用送りピッチとして、送りピッチが「2mm」であると特定する。
そして、部品送りピッチ設定部103は、部品テープAの送りピッチを2mmと設定し、図11に示されたピッチ設定データ108cの部品テープAの設定送りピッチを「2mm」に更新する。
図13は、送りピッチが4mmの部品テープ223の、部品送りピッチ設定方法の一例を説明する図である。この場合の部品テープ223を、部品テープBとする。
図13(a)に示すように、部品テープBには、Y軸方向に4mm間隔で複数個連続的に収納凹部221aが形成されている。そして、この収納凹部221aのそれぞれに部品230が収納されている。また、部品230は、4mm間隔で均等に配置されていることとする。
まず、部品送りピッチ設定部103は、図13(b)に示される部品供給位置215から装着ヘッド213aに部品230を吸着させようとする。部品供給位置215には部品230が配置されているので、装着ヘッド213aは部品230を吸着できる。つまり、装着ヘッド213aによる部品230の吸着は、「成功」する。よって、部品送りピッチ設定部103は、序列データ108aの部品テープBに対応する序列を「成功」と更新する。
次に、部品送りピッチ設定部103は、部品テープBを初期の送りピッチである2mmで、Y軸方向にテープ送りさせる。なお、以下において、部品テープBについても図12での部品テープAと同様に、説明の便宜上、部品テープBの部品の位置を固定して、部品供給位置215が移動するように図示することとする。
すると、部品送りピッチ設定部103は、図13(c)に示される部品供給位置215から装着ヘッド213aに部品230を吸着させようとする。しかし、部品供給位置215には部品230が配置されていないので、装着ヘッド213aは部品230を吸着できない。つまり、装着ヘッド213aによる部品230の吸着は、「失敗」する。よって、部品送りピッチ設定部103は、序列データ108aの部品テープBに対応する序列を「成功−失敗」と更新する。
さらに、部品送りピッチ設定部103は、部品テープBを送りピッチ2mmでY軸方向にテープ送りさせる。
すると、部品送りピッチ設定部103は、図13(d)に示される部品供給位置215から装着ヘッド213aに部品230を吸着させようとする。部品供給位置215には部品230が配置されているので、装着ヘッド213aは部品230を吸着できる。つまり、装着ヘッド213aによる部品230の吸着は、「成功」する。よって、部品送りピッチ設定部103は、序列データ108aの部品テープBに対応する序列を「成功−失敗−成功」と更新する。
よって、部品送りピッチ設定部103は、図8に示されたピッチ特定用データ108bから、序列パターンが「成功−失敗−成功」に対応する特定用送りピッチとして、送りピッチが「4mm」であると特定する。
そして、部品送りピッチ設定部103は、部品テープBの送りピッチを4mmと設定し、図11に示されたピッチ設定データ108cの部品テープBの設定送りピッチを「4mm」に更新する。
図14は、送りピッチが6mmの部品テープ223の、部品送りピッチ設定方法の一例を説明する図である。この場合の部品テープ223を、部品テープCとする。
図14(a)に示すように、部品テープCには、Y軸方向に6mm間隔で複数個連続的に収納凹部221aが形成されている。そして、この収納凹部221aのそれぞれに部品230が収納されている。また、部品230は、6mm間隔で均等に配置されていることとする。
まず、部品送りピッチ設定部103は、図14(b)に示される部品供給位置215から装着ヘッド213aに部品230を吸着させようとする。部品供給位置215には部品230が配置されているので、装着ヘッド213aは部品230を吸着できる。つまり、装着ヘッド213aによる部品230の吸着は、「成功」する。よって、部品送りピッチ設定部103は、序列データ108aの部品テープCに対応する序列を「成功」と更新する。
次に、部品送りピッチ設定部103は、部品テープCを初期の送りピッチである2mmで、Y軸方向にテープ送りさせる。なお、以下において、部品テープCについても図12での部品テープAと同様に、説明の便宜上、部品テープCの部品の位置を固定して、部品供給位置215が移動するように図示することとする。
すると、部品送りピッチ設定部103は、図14(c)に示される部品供給位置215から装着ヘッド213aに部品230を吸着させようとする。しかし、部品供給位置215には部品230が配置されていないので、装着ヘッド213aは部品230を吸着できない。つまり、装着ヘッド213aによる部品230の吸着は、「失敗」する。よって、部品送りピッチ設定部103は、序列データ108aの部品テープCに対応する序列を「成功−失敗」と更新する。
さらに、部品送りピッチ設定部103は、部品テープCを送りピッチ2mmでY軸方向にテープ送りさせる。
すると、部品送りピッチ設定部103は、図14(d)に示される部品供給位置215から装着ヘッド213aに部品230を吸着させようとする。しかし、部品供給位置215には部品230が配置されていないので、装着ヘッド213aは部品230を吸着できない。つまり、装着ヘッド213aによる部品230の吸着は、「失敗」する。よって、部品送りピッチ設定部103は、序列データ108aの部品テープCに対応する序列を「成功−失敗−失敗」と更新する。
そして、さらに、部品送りピッチ設定部103は、部品テープCを送りピッチ2mmでY軸方向にテープ送りさせる。
すると、部品送りピッチ設定部103は、図14(e)に示される部品供給位置215から装着ヘッド213aに部品230を吸着させようとする。部品供給位置215には部品230が配置されているので、装着ヘッド213aは部品230を吸着できる。つまり、装着ヘッド213aによる部品230の吸着は、「成功」する。よって、部品送りピッチ設定部103は、序列データ108aの部品テープCに対応する序列を「成功−失敗−失敗−成功」と更新する。
よって、部品送りピッチ設定部103は、図8に示されたピッチ特定用データ108bから、序列パターンが「成功−失敗−失敗−成功」に対応する特定用送りピッチとして、送りピッチが「6mm」であると特定する。
そして、部品送りピッチ設定部103は、部品テープCの送りピッチを6mmと設定し、図11に示されたピッチ設定データ108cの部品テープCの設定送りピッチを「6mm」に更新する。
図15は、対象部品判定部104の部品判定部104bで判定するための部品230の大きさが、4mmより小さいことが好ましいことを説明する図である。
図15(a)に示すように、部品テープ223は送りピッチが6mmの部品テープである。つまり、部品テープ223には、Y軸方向に6mm間隔で収納凹部221aが形成されている。そして、この収納凹部221aには、部品230a及び部品230bが収納されている。また、部品230a及び部品230bは、6mm間隔で配置されていることとする。
まず、図15(a)に示される部品供給位置215から装着ヘッド213aの吸着ノズルnzが部品230aを吸着しようとする。部品供給位置215には部品230aが配置されているので、吸着ノズルnzは部品230aを吸着する。
そして、例えば、送りピッチ4mmで、Y軸方向に部品テープ223のテープ送りを行ったとする。なお、図15においても、図12等と同様に、説明の便宜上、部品テープ223の部品の位置を固定して、部品供給位置215が移動するように図示することとする。
すると、図15(b)に示される部品供給位置215から装着ヘッド213aの吸着ノズルnzが部品230bを吸着しようとする。この場合、部品230bのY軸方向の大きさが4mm以上であるとする。すると、部品供給位置215には部品230bが正しくは配置されていないが、吸着ノズルnzは部品230bを吸着できてしまう場合がある。
このように、送りピッチが6mmの部品テープに、Y軸方向の大きさが4mm以上の部品が配置されていると、正しく送りピッチの設定を行うことができない場合がある。
このため、送りピッチの設定を正しく行うために、部品判定部104bで判定する部品230のY軸方向であるテープ送り方向の大きさは、4mmより小さいことが好ましい。なお、この場合、テープ送り方向の大きさが4mm以上の部品230については、予め送りピッチが設定されている。
図16〜図19は、本実施の形態における部品送りピッチ設定装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
なお、前述の通り、部品実装機200には、送りピッチが2mm、4mm及び6mmの3種類の複数の部品テープ223が収納されており、初期の送りピッチは2mmである。
図16は、全体的な動作の流れを説明するフローチャートである。
まず、部品実装機200の機種の切り替えや部品テープ223の補充を行ったりすることにより、部品テープ223の交換が行われた場合、モード切替部105のテープ交換検出部105aがテープ交換を検出する(S102)。
部品テープ223のテープ交換が検出されれば、対象部品判定部104の部品情報取得部104aは、図7に示された部品ライブラリ107aの部品サイズの情報から、当該部品テープ223の部品230のテープ送り方向の大きさを取得する(S106)。
そして、対象部品判定部104の部品判定部104bは、部品情報取得部104aが取得した部品230の大きさが4mmより小さいか否かを判定する(S108)。
部品判定部104bで、部品230の大きさが4mmより小さいと判定された場合は(S108でYES)、部品送りピッチ設定部103がピッチ設定1を実行し、部品テープ223の送りピッチの設定を行う(S110)。なお、このピッチ設定1の詳細については、図17での説明において後述する。
そして、モード切替部105の設定テープ送り部105bは、生産プログラム中の送りピッチデータに、設定された送りピッチを自動設定し(S112)、設定された送りピッチでテープ送りを開始する(S116)。なお、生産プログラムとは、基板20上の各実装位置に部品を実装する各動作を、部品実装機200に指示するためのデータである。
また、テープ送り方向の大きさが4mm以上の部品230については、送りピッチが予め設定されている。よって、部品判定部104bで、部品230の大きさが4mmより小さいと判定されなかった場合は(S108でNO)、設定テープ送り部105bは、予め設定された送りピッチでテープ送りを開始する(S116)。
このようにして、設定された送りピッチで部品実装機200の実装動作が行われていく。
図17は、部品送りピッチ設定部103でのピッチ設定1の動作の一例を示すフローチャートである。
図16の部品判定部104bで、部品230の大きさが4mmより小さいと判定された場合は(S108でYES)、初期ピッチ取得部103aは、初期の送りピッチpを取得する(S202)。ここでは、初期の送りピッチpは2mmである。
そして、初期テープ送り部103bは、初期の送りピッチpでテープ送りを行う(S206)。そして、部品有無検出部103cは、装着ヘッド213aが部品230の吸着動作を行うことで、吸着の「成功」/「失敗」による部品有無を検出する(S208)。
このようにして、部品有無検出部103cが、吸着の「成功」による部品有りを検出するまで(S204、S210)、初期テープ送り部103bによるテープ送り(S206)及び部品有無検出部103cによる部品有無の検出(S208)が繰り返される。
そして、部品有無検出部103cが吸着の「成功」による部品有りを検出すれば(S210)、部品有無検出部103cは、図10に示された序列データ108aの序列を「成功」と更新し、その後、ピッチ設定2が実行される(S214)。このピッチ設定2の実行によって、部品テープ223の送りピッチがピッチPに特定される。なお、このピッチ設定2の詳細については、図18での説明で後述する。
そして、ピッチ設定2をN回繰り返し実行した場合に、送りピッチとして特定されたピッチPが同じ値でN回続いた場合は(S212、S216)、送りピッチ設定部103dは、このピッチPを送りピッチとして設定する(S218)。このN回は、多い数であるほど、送りピッチの設定精度が向上するものであり、例えば10回である。なお、N=1とし、1回のピッチ設定2を実行するだけで送りピッチを設定することにしてもよい。そして、送りピッチ設定部103dは、図11に示されたピッチ設定データ108cの設定送りピッチをピッチPに更新する。
図18は、部品送りピッチ設定部103でのピッチ設定2の動作の一例を示すフローチャートである。
図17で部品有無検出部103cが吸着の「成功」による部品有りを検出すれば(S210)、初期テープ送り部103bは、さらに初期の送りピッチpでテープ送りを行う(S302)。
そして、部品有無検出部103cが吸着の「成功」/「失敗」による部品有無を検出する(S304)。
部品有無検出部103cが吸着の「成功」による部品有りを検出した場合は(S304でYES)、この部品有無検出部103cは、序列データ108aの序列を「成功−成功」に更新する。そして、送りピッチ設定部103dは、この序列データ108aとピッチ特定用データ108bとから、「成功−成功」の序列の送りピッチとして、ピッチPを2mmに特定する(S306)。
部品有無検出部103cが吸着の「失敗」による部品無しを検出した場合は(S304でNO)、部品有無検出部103cは、序列データ108aの序列を「成功−失敗」に更新する。そして、初期テープ送り部103bは、さらに初期の送りピッチpでテープ送りを行う(S308)。
そして、部品有無検出部103cが吸着の「成功」/「失敗」による部品有無を検出する(S310)。
部品有無検出部103cが吸着の「成功」による部品有りを検出した場合は(S310でYES)、この部品有無検出部103cは、序列データ108aの序列を「成功−失敗−成功」に更新する。そして、送りピッチ設定部103dは、この序列データ108aとピッチ特定用データ108bとから、「成功−失敗−成功」の序列の送りピッチとして、ピッチPを4mmに特定する(S312)。
部品有無検出部103cが吸着の「失敗」による部品無しを検出した場合は(S310でNO)、部品有無検出部103cは、序列データ108aの序列を「成功−失敗−失敗」に更新する。そして、初期テープ送り部103bは、さらに初期の送りピッチpでテープ送りを行う(S314)。
そして、部品有無検出部103cが吸着の「成功」/「失敗」による部品有無を検出する(S316)。
部品有無検出部103cが吸着の「成功」による部品有りを検出した場合は(S316でYES)、この部品有無検出部103cは、序列データ108aの序列を「成功−失敗−失敗−成功」に更新する。そして、送りピッチ設定部103dは、この序列データ108aとピッチ特定用データ108bとから、「成功−失敗−失敗−成功」の序列の送りピッチとして、ピッチPを6mmに特定する(S318)。
部品有無検出部103cが吸着の「失敗」による部品無しを検出した場合は(S316でNO)、設定失敗とされ(S320)、終了する。
このように、部品送りピッチ設定方法によって、簡易に、部品テープ223の送りピッチを正しく設定することができる。なお、この部品送りピッチ設定方法は、事前に送りピッチを確認する必要が無く、部品実装機200の部品実装動作中に行うことができ、また、部品を無駄に捨てることもない。
(変形例)
ここで、本実施の形態における変形例について説明する。上記実施の形態では、図18に示したピッチ設定2において、送りピッチを序列データ108aとピッチ特定用データ108bとから特定したが、このようなデータを用いずに計算のみで送りピッチを特定してもよい。
図19は、本変形例に係るピッチ設定2の動作の一例を示すフローチャートである。
図17で部品有無検出部103cが吸着の「成功」による部品有りを検出すれば(S210)、T=0とし(S402)、初期テープ送り部103bは、さらに初期の送りピッチpでテープ送りを行う(S404)。
そして、部品有無検出部103cが吸着の「成功」/「失敗」による部品有無を検出し(S406)、T=1となる(S408)。
この部品有無検出部103cによる部品有無の検出(S406)で、部品有無検出部103cが吸着の「成功」による部品有りを検出した場合は(S410)、ピッチPの算出が行われる(S412)。この場合、初期の送りピッチp=2mmであり、T=1であるので、ピッチP=p×Tから、ピッチPが2mmと算出される。つまり、「成功−成功」の序列の場合に、ピッチPが2mmと算出される。
また、部品有無検出部103cによる部品有無の検出(S406)で、部品有無検出部103cが吸着の「失敗」による部品無しを検出した場合、T=1となる(S408)。そして、さらに初期テープ送り部103bによるテープ送りが行われ(S410、S402、S404)、部品有無検出部103cによる部品有無が検出され(S406)、T=2となる(S408)。
この2回目の部品有無検出部103cによる部品有無の検出(S406)で、部品有無検出部103cが吸着の「成功」による部品有りを検出した場合は(S410)、ピッチPの算出が行われる(S412)。この場合、初期の送りピッチp=2mmであり、T=2であるので、ピッチP=p×Tから、ピッチPが4mmと算出される。つまり、「成功−失敗−成功」の序列の場合に、ピッチPが4mmと算出される。
また、2回目の部品有無検出部103cによる部品有無の検出(S406)でも、部品有無検出部103cが吸着の「失敗」による部品無しを検出した場合、T=2となる(S408)。そして、さらに初期テープ送り部103bによるテープ送りが行われ(S410、S402、S404)、部品有無検出部103cによる部品有無が検出され(S406)、T=3となる(S408)。
この3回目の部品有無検出部103cによる部品有無の検出(S406)で、部品有無検出部103cが吸着の「成功」による部品有りを検出した場合は(S410)、ピッチPの算出が行われる(S412)。この場合、初期の送りピッチp=2mmであり、T=3であるので、ピッチP=p×Tから、ピッチPが6mmと算出される。つまり、「成功−失敗−失敗−成功」の序列の場合に、ピッチPが6mmと算出される。なお、ここでは、ループ3でのmの値(S402)は2であればよい。
このように、序列データ108aやピッチ特定用データ108bを用いることなく、送りピッチを算出できる。また、初期の送りピッチpが2mmでない場合にも適用でき、また、部品テープ223の送りピッチの種類が多い場合にも適用できる。なお、この送りピッチの種類が多い場合には、ループ3でのmの値(S402)を大きく設定すればよい。
以上、本発明に係る部品送りピッチ設定方法について、上記実施の形態及びその変形例を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
たとえば、本実施の形態では、序列データ108aとピッチ特定用データ108bとから部品テープ223の送りピッチを特定することとしたが、このような記憶媒体を用いずに、予めプログラムに、2mm、4mm及び6mmなどのピッチPを設定しておくことで、送りピッチを特定することとしてもよい。つまり、図18に示したフローチャートに従ってプログラムが実行するように、例えば、吸着が「成功−成功」であればピッチPは「2mm」というように、予めプログラム中のデータに設定しておくこととしてもよい。
また、本実施の形態及びその変形例では、部品実装機200には、送りピッチが2mm、4mm及び6mmの3種類の複数の部品テープ223が収納されていることとしたが、部品実装機200に収納される部品テープの送りピッチは、2mm、4mm及び6mmに限られず、また何種類でもよい。
また、本実施の形態及びその変形例では、初期の送りピッチを複数種の部品テープの送りピッチの最大公約数であることとしたが、最大公約数でなくても、複数種の部品テープの送りピッチが、ある単位ピッチの整数倍となるような単位ピッチを初期の送りピッチとしてもよい。例えば、送りピッチが2mm、4mm及び6mmの3種類である場合、送りピッチの最大公約数は2mmであるが、単位ピッチとして1mmを初期の送りピッチとしてもよい。
また、本実施の形態及びその変形例では、部品テープ223は図4に示す構成であることとしたが、部品テープ223は図4に示す構成以外の他の構成であってもよく、例えば、部品230は収納凹部221aに収納される構成でなくても、部品230は部品テープ本体に挟まれるように保持されているような構成であってもよい。
また、本実施の形態及びその変形例では、部品情報取得部104aは、部品ライブラリ107aから部品230の大きさの情報を取得することとしたが、部品情報取得部104aは、その他のデータ又は入力部101を介してオペレータから、部品230の大きさの情報を取得することとしてもよい。
また、本実施の形態及びその変形例では、部品判定部104bで判定するための部品230の大きさを4mmより小さいこととしたが、部品実装機200に収納される部品テープの送りピッチの種類や初期の送りピッチによって、この判定するための部品の大きさが算出され、修正されることとしてもよい。
また、本実施の形態及びその変形例では、部品テープ223のテープ送りで部品供給位置215に部品230が正確に配置されることとしたが、部品供給位置215に部品230が少しずれて配置された場合は、部品認識カメラ214aで部品供給位置215を撮像し、部品230のずれの量を検出することにより、テープ送りの量を補正することとしてもよい。
また、本実施の形態及びその変形例では、部品有無検出部103cは、装着ヘッド213aが部品供給位置215からの部品の吸着に成功するか失敗するかにより、部品有無を検出することとしたが、カメラやセンサなどによって部品有無を検出してもよく、また、検出位置は部品供給位置215でなくとも部品を認識できる位置であればよい。
また、本実施の形態及びその変形例では、部品実装機200の部品実装中に部品送りピッチ設定方法を行うこととしたが、この部品送りピッチ設定方法により実装動作前に事前に送りピッチを確認することとしてもよい。
また、本実施の形態及びその変形例では、部品テープ交換の検出や部品230の大きさの判定を行わなければ、送りピッチを設定しないこととしたが、部品テープ交換の検出や部品230の大きさの判定を行うことなく、送りピッチを設定することとしてもよい。
また、本実施の形態及びその変形例では、部品送りピッチ設定装置100はパーソナルコンピュータなどのコンピュータであることとしたが、この部品送りピッチ設定装置100の機能が部品実装機200の内部に備わっていてもよい。
また、本実施の形態及びその変形例では、部品実装機200は、2つの実装ユニット210a,210bを備えていることとしたが、本発明が適用される部品実装機は、このような部品実装機200に限定されるものではない。例えば、基板搬送方向の上流側と下流側との各々に装着ヘッドを備え、装着ヘッドが基板に部品を実装する部品実装機であってもよい。また、装着ヘッドを1つしか備えていない部品実装機であっても本発明を適用可能である。さらに、XYテーブルにより位置決めした基板上に間欠回転するロータリーヘッドにより部品を装着するタイプのロータリー装着機や、その他のタイプの部品実装機にも、本発明を適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。