JP3918560B2 - 電子部品実装装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を基板に実装する電子部品実装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品実装装置の部品供給部には、電子部品を供給するテープフィーダなどのパーツフィーダが部品種類に応じて多数基装着されるようになっており、生産対象の基板品種が切り替わると、これらのテープフィーダの配置換えや他のテープフィーダとの交換が行われる。基板に実装される電子部品の種類は多岐にわたるため、テープフィーダもこれらの電子部品の種類に対応したものを取りそろえる必要がある。
【0003】
ところで近年実装作業の生産現場における部品管理を簡素化することを目的として、1種類のテープフィーダでできるだけ多種類の電子部品に対応できるよう、テープフィーダの種類を集約化して、汎用性のあるテープフィーダを目指す傾向にある。例えば、従来は使用するテープ幅が異なればテープフィーダ自体も種類が異なっていたが、現状ではテープ幅が異なっても所定対応範囲内であれば1種類のテープフィーダで対応できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような汎用性のあるテープフィーダを使用する場合にあっても、生産現場においては、ある特定時期に限ってみれば、個々のテープフィーダと電子部品との対応関係を固定して、汎用型としてではなく専用のテープフィーダとして使用したい場合がある。例えば、ある生産ロットにおいて、特定種類の部品の予定消費量が明確に判っており、当分の間この特定種類の電子部品に対してある本数のテープフィーダを割り当てることが予定されている場合には、この特定種類の部品とテープフィーダとの対応関係を固定して専用テープフィーダとして使用する方が、生産現場における部品管理の便宜上は好ましい。
【0005】
ところが本来汎用型として用意されているテープフィーダはサイズ・外観が類似であるため、作業者が多数のテープフィーダを部品供給部のフィーダベースに装着する際に、本来装着すべきでない位置に誤って装着するミスを誘発しやすい。従来はこのような場合装着されたテープフィーダが正しいものであるか否かを判定する手段がなかった。
【0006】
そして自動運転を開始した後、実際の部品取り出し動作時や実装動作時に異種部品として検知されるか、マシントラブルによる装置停止が発生して初めて、テープフィーダの誤装着が検出されていた。このように従来の電子部品実装装置には、装着されたテープフィーダの正否を適切に判定することができず、実装ミスやマシントラブルを誘発して生産性を低下させるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、装着されたテープフィーダの正否を適切に判定して、実装ミスやマシントラブルを防止することができる電子部品実装装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電子部品実装装置は、部品供給部に多数基並設されたテープ幅が異なっても所定対応範囲内であれば1種類のテープフィーダで対応できる汎用型フィーダであるパーツフィーダから移載ヘッドによって電子部品をピックアップして基板に実装する電子部品実装装置であって、前記パーツフィーダに内蔵され当該パーツフィーダの種類および属性を含む分類区分データを記憶する分類区分データ記憶部と、前記分類区分データを含むパーツフィーダについてのデータを前記部品供給部におけるパーツフィーダの装着位置と対応させたフィーダデータを記憶するフィーダデータ記憶部と、パーツフィーダを前記部品供給部の所定の装着位置に装着した状態で分類区分データ記憶部から前記分類区分データを読みとるデータ読み取り部と、読み取られた分類区分データを前記フィーダデータと比較することにより、当該パーツフィーダが当該装着位置に装着されるべき正しいパーツフィーダであるか否かを判定する正否判定手段と、この判定結果を表示する表示手段を備え、パーツフィーダの種類および前記属性であるテープ幅とパーツ名を前記分類区分データ記憶部に書き込み、パーツフィーダをそのテープ幅とパーツ名専用のパーツフィーダとして登録し、当該パーツフィーダを前記部品供給部に装着する際に前記正否判定手段により前記判定が行われ、誤セット状態であると判定されたならば、パーツフィーダの種類、テープ幅、パーツ名のうちのどの項目によって誤セットと判定されたかが前記表示手段によって表示される
【0009】
本発明によれば、パーツフィーダを部品供給部に装着した状態で、パーツフィーダに内蔵された区分データ記憶部からパーツフィーダの分類区分データを読みとり、この分類区分データを正しい分類区分を示すフィーダデータと比較することにより、パーツフィーダの正否を適切に判定することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図、図2は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図、図3、図4は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の表示画面を示す図である。
【0011】
まず図1を参照して電子部品実装装置の構造について説明する。図1において基台1の中央には、搬送路2が配設されている。搬送路2は基板3を搬送し、電子部品実装位置にて基板3を位置決めする。搬送路2の両側には、電子部品の供給部4が設けられている。部品供給部4にはパーツフィーダであるテープフィーダ5が多数基装着されている。テープフィーダ5は電子部品であるチップをピックアップ位置5aまで供給する。
【0012】
ここでテープフィーダ5について説明する。ここで使用されるテープフィーダ5は、多種類の電子部品に対応できるように設計された汎用型フィーダであり、テープ幅が異なっても所定対応範囲内であれば1種類のテープフィーダで対応できるようになっている。このテープフィーダ5は個別に記憶装置5b(図2参照)を内蔵しており、使用するフィーダ種類や、テープ幅のデータ、当該テープフィーダが供給するパーツ名など、当該テープフィーダの種類や属性を含む分類区分データを記憶装置5bに書き込んで記憶させることができるようになっている。すなわちテープフィーダ5の記憶装置5bは、分類区分データ記憶手段となっている。
【0013】
基台1の上面の両側端には、Y軸テーブル8Aおよびスライドガイド8Bが並列に配設されており、Y軸テーブル8Aおよびスライドガイド8Bには、X軸テーブル7が架設されている。X軸テーブル7には移載ヘッド6が装着されており、X軸テーブル7およびY軸テーブル8Aを駆動することにより移載ヘッド6は水平移動し、テープフィーダ5のピックアップ位置5aからチップをピックアップし、基板3上に実装する。このピックアップから実装までの動作途中において、移載ヘッド6のノズルに真空吸着によりピックアップされて保持されたチップは、カメラ9によって下方から撮像され、移載ヘッド6のノズルに対する位置ずれ量が検出される。
【0014】
次に図2を参照して制御系について説明する。図2において、CPU10は全体制御部であり、プログラム記憶部11に記憶された各種のプログラムに従って以下に説明する各部の動作制御や演算を行う。すなわちCPU10は制御手段となっている。プログラム記憶部11は実装動作などの各種動作を行う動作プログラムや、後述するフィーダ正否判定処理に必要な判定処理プログラムを記憶する。
【0015】
データ記憶部12は、実装対象の基板3上に実装される部品種類や実装座標などの実装データや、フィーダデータを記憶する。フィーダデータは、実装対象の電子部品を収納したテープフィーダについてのデータであり、前述の分類区分データを含むテープフィーダについてのデータを、部品供給部4における装着位置と対応させることにより作成される。すなわち、フィーダデータが与えられることにより、どのようなテープフィーダが部品供給部4の各装着位置に装着されるかが特定される。
【0016】
表示部13は表示用モニタであり、各種のデータ入力時の案内画面や、後述するフィーダ正否判定結果などの表示を行う。入力部14はキーボードやマウスなどの操作入力手段であり、各種操作コマンドの入力のほか、後述するように各テープフィーダ5の記憶装置5bへの書き込みなど、フィーダ設定操作時の入力を行う。機構駆動部15は、X軸テーブル7、Y軸テーブル8A、移載ヘッド6を駆動する。画像認識部16はカメラ9によって撮像された画像データを画像処理することにより、移載ヘッド6のノズルに保持された状態の電子部品の位置を検出し、ノズルに対する電子部品の相対的な位置ずれ量を求める。
【0017】
データ書き込み部17およびデータ読み取り部18は、部品供給部4に装着されるテープフィーダ5に備えられた記憶装置5bへのデータ書き込み、および記憶装置5bからのデータ読み取りを行う。ここで書き込み・読み取りされるデータは、前述のフィーダ分類区分データが含まれる。
【0018】
そして、記憶装置5bから読みとられたフィーダ分類区分データを、データ記憶部12に記憶されたフィーダデータと比較することにより、当該テープフィーダ5が当該装着位置に装着されるべき正しいテープフィーダであるか否かが判定される。この判定処理は、CPU10がプログラム記憶部11に記憶された判定処理プログラムを実行することにより行われる。
【0019】
したがってCPU10は、読み取られた分類区分データを前記フィーダデータと比較することにより、当該パーツフィーダが当該装着位置に装着されるべき正しいパーツフィーダであるか否かを判定する正否判定手段となっている。この正否判定結果は、表示手段である表示部13によって表示される。
【0020】
ここで、図3を参照して実装作業に先立って行われる分類区分データの書き込みについて説明する。この分類区分データの書き込みは、各テープフィーダ5の記憶装置5bに、当該テープフィーダ5の分類区分を特定するデータを書き込むものであり、図3に示す表示画面上でこの分類区分データを書き込むことにより、汎用型のテープフィーダ5をこの分類区分データによって特定することができるようになっている。
【0021】
このデータ書き込みに際しては、専用の書き込み装置を用いてもよく、また電子部品実装装置のデータ書き込み機能を利用して行っても良い。ここでは、電子部品実装装置を用いて書き込みを行う例を説明する。まず書き込み対象となるすべてのテープフィーダ5を部品供給部4の所定のフィーダ番地に順次装着する。そして図3の表示画面20を表示部13に表示させ、書き込みを行おうとするテープフィーダ5が装着されたフィーダ番地をクリックする。これにより、当該フィーダ番地に装着されたテープフィーダ5が、書き込み対象のテープフィーダ5として指定される。
【0022】
この後、設定項目22の中から、設定対象として選定された項目を指定する。ここでは、フィーダ種類22a、テープ幅22b、パーツ名22cのうち、テープ幅22bを選択してこのスイッチをクリックした例を示している。これにより、選択項目欄23に「テープ幅」が表示される。そしてテープ幅の設定可能数値が選択欄24に表示され、この中から所望数値をクリックすることにより、この数値(ここでは12mm)が当該テープフィーダ5のテープ幅として記憶装置5bに書き込まれる。
【0023】
すなわち、本来汎用型であり12mm,16mmの2種類のテープ幅に対応可能なテープフィーダ5が、テープ幅12mm専用のテープフィーダとして登録されたことになる。また、設定項目22の中からパーツ名22cを選択すれば、複数種類の電子部品を収納可能な汎用型のテープフィーダを、特定種類のパーツ名の電子部品に限定して登録したことになる。
【0024】
このようにして記憶装置5bへの書き込みが行われたテープフィーダ5を電子部品実装装置の部品供給部4に装着する際には、表示部13のモニタには図4に示すフィーダ正否判定結果を示す表示画面25が表示される。この画面においては、実際の部品供給部4における装着位置と同一配列で、フィーダ正否判定結果26がフィーダ番地に対応して表示される。
【0025】
すなわち、部品供給部4に複数のテープフィーダ5を順次装着してゆく作業過程において、データ読み取り部18は装着の都度、記憶装置5bから分類区分データを読み取る。そして読み取られたデータをCPU10がデータ記憶部12のフィーダデータと比較することにより、フィーダ正誤判定処理が行われる。
【0026】
そして正否判定の結果誤セット状態であると判定されたフィーダ番地が反転表示される(図4に示す例ではフィーダ番地「6」)とともに、どの設定項目によって誤セットと判定されたかの表示が誤セット内容表示欄27になされる。ここでは、フィーダ種類27a、テープ幅27b、パーツ名27cのいずれかが反転表示されることにより誤セット内容が示される。これにより、作業者は装着されたテープフィーダ5が本来装着されるべき正しいテープフィーダであるか否かを容易に確認することが出来る。
【0027】
上記説明したように、汎用型のテープフィーダを特定のテープ幅やパーツ名に限定した専用フィーダとして使用するに際し、本実施の形態に示す例では予めテープフィーダ5に内蔵された記憶装置5bに限定対象となる設定項目を分類区分データとして書き込んで記憶させるようにしている。そしてテープフィーダ5を装着する際には、書き込まれた分類区分データを読み取ってフィーダデータと比較する。これにより、サイズ・外観が類似で、装着ミスを誘発しやすい汎用型のテープフィーダを用いる場合にあっても、常に正確なフィーダ正否判定を装着作業時点でおこなうことができる。したがって、従来発生していた異種部品の混入による実装ミスや、マシントラブルを事前に防止することが出来る。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、パーツフィーダを部品供給部に装着した状態で、パーツフィーダに内蔵されたフィーダ分類区分データ記憶部からパーツフィーダの分類区分データを読みとり、この分類区分データを正しい分類区分を示すフィーダデータと比較するようにしたので、装着されたパーツフィーダの正否を適切に判定し、実装ミスやマシントラブルを事前に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の表示画面を示す図
【図4】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の表示画面を示す図
【符号の説明】
3 基板
5 テープフィーダ
5b 記憶装置
6 移載ヘッド
10 CPU
12 データ記憶部
13 表示部
18 データ読み取り部

Claims (1)

  1. 部品供給部に多数基並設されたテープ幅が異なっても所定対応範囲内であれば1種類のテープフィーダで対応できる汎用型フィーダであるパーツフィーダから移載ヘッドによって電子部品をピックアップして基板に実装する電子部品実装装置であって、前記パーツフィーダに内蔵され当該パーツフィーダの種類および属性を含む分類区分データを記憶する分類区分データ記憶部と、前記分類区分データを含むパーツフィーダについてのデータを前記部品供給部におけるパーツフィーダの装着位置と対応させたフィーダデータを記憶するフィーダデータ記憶部と、パーツフィーダを前記部品供給部の所定の装着位置に装着した状態で分類区分データ記憶部から前記分類区分データを読みとるデータ読み取り部と、読み取られた分類区分データを前記フィーダデータと比較することにより、当該パーツフィーダが当該装着位置に装着されるべき正しいパーツフィーダであるか否かを判定する正否判定手段と、この判定結果を表示する表示手段を備え、
    パーツフィーダの種類および前記属性であるテープ幅とパーツ名を前記分類区分データ記憶部に書き込み、パーツフィーダをそのテープ幅とパーツ名専用のパーツフィーダとして登録し、
    当該パーツフィーダを前記部品供給部に装着する際に前記正否判定手段により前記判定が行われ、誤セット状態であると判定されたならば、パーツフィーダの種類、テープ幅、パーツ名のうちのどの項目によって誤セットと判定されたかが前記表示手段によって表示されることを特徴とする電子部品実装装置。
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