JP4988032B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気記録層表面にディスクリートトラックを有する磁気記録媒体の製造方法に係り、特に、ディスクリートトラック形状を転写する際にレジストとして使用される紫外線硬化性樹脂材料に関する。
近年、様々な分野において、さらなる高密度化や高精度化のためにナノインプリント技術が注目されている。
例えば、半導体や光学素子、磁気記録媒体などへの応用が検討されている。
磁気記録媒体では、更なる高密度化に対応するために、隣接する記録トラックを溝または非磁性材料からなるガードバンドで分離し、隣接トラック間の磁気的干渉を低減するようにしたディスクリートトラック媒体が注目されている。
このようなディスクリートトラック媒体を製造する際に、スタンパを用いてナノインプリント技術を応用し、磁性層のディスクリートトラックパターンを形成することができる。インプリント法によって記録トラックのパターンとともにサーボ領域の信号に相当する磁性層のパターンも形成すれば、従来の磁気記録媒体の製造時に必要とされるサーボトラックを描画する工程をなくすことが可能となるので、コスト低減にもつながる。
このようなディスクリートトラックパターンを形成するプロセスとして、例えばNiスタンパーから、例えば高圧インプリント法または熱インプリント法によりレジストパターンを転写して製造するプロセスを用いることができる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このプロセスでは、Niスタンパーの寿命が短く大量生産には適していない。また、高データ密度化されトラックが微細になった際にはレジストパターンの転写が上手くいかなかった。
このようなことから、その他のナノインプリント技術として、光ナノインプリント法を用いることが注目されている。
光ナノインプリント法を用いてディスクリートトラック媒体上のレジストにパターンを転写するには、まず、Niスタンパー(マザースタンパー)から射出成形により樹脂スタンパーを複製し、その樹脂スタンパーと、レジストとして使用される未硬化の紫外線硬化性樹脂層とを真空貼り合わせに供する。この方法がコスト低減可能で、微細化にも適していることがわかった。
ここで、上記ディスクリートトラック媒体に転写するための紫外線硬化性樹脂に求められる特性としては、媒体上への塗布性、粘度、硬化性、樹脂スタンパーからの剥離性、及び硬化収縮性に加えて、転写したパターンを加工するためのエッチング耐性があげられる。
特開2007−186570号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、磁気記録媒体の製造方法において良好なパターン転写を行うことが可能なパターン転写用紫外線硬化性樹脂材料を得ることを目的とする。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、真空下で、データ領域、サーボ領域を含む磁気記録媒体の磁気記録層表面と、樹脂スタンパの凹凸パターン面とを、イソボルニルアクリレート、フルオレン骨格を有するアクリレート、多官能アクリレート、及び重合開始剤を含有する未硬化のパターン転写用紫外線硬化性樹脂材料の塗布層を介して貼り合わせ、
該未硬化の紫外線硬化性樹脂材料の塗布層に紫外線を照射して、硬化せしめ、
該樹脂スタンパを剥離して、前記磁気記録媒体の片面上に凹凸パターンが転写され、硬化された紫外線硬化性樹脂材料層を形成し、
硬化された紫外線硬化性樹脂材料層をマスクとしてドライエッチングを行い、磁気記録層表面に、凹凸パターンを形成することを特徴とする。
本発明を用いると、磁気記録媒体の製造方法において良好なパターン転写を行うことが可能となる。
本発明に用いられるパターン転写方法を表す図である。 磁気記録媒体を記録再生する磁気記録再生装置を表す図である。 ディスクリート型磁気記録媒体の製造方法の一例を表す図である。
本発明に係るパターン転写用紫外線硬化性樹脂材料は、下記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアクリレートと、下記式(2)で表されるイソボルニルアクリレートと、多官能アクリレートと、重合開始剤とを含有する。
Figure 0004988032
,Rは、それぞれ−H,−OCOCH=CH,−CH−OCOCH=CH,−C−OCOCH=CH,−C−OCOCH=CH,−C−OCOCH=CHのいずれかである。
Figure 0004988032
Figure 0004988032
Figure 0004988032
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Figure 0004988032
Figure 0004988032
Figure 0004988032
Figure 0004988032
などを置換することができる。
また、R,Rには、H,−CH,−C,−C,−C,−Cl,−F,−Br,−NH,−OH,−OCOCH=CHなどを置換することができる。
特に9,9’−ビスフェニルフルオレンアクリレートや9,9’−ビスフェニルフルオレンEO変性アクリレート、9,9’−ビス(3−メチルフェニル)フルオレンアクリレートはエッチング耐性の点から好ましい。
本発明によれば、フルオレン骨格を有するアクリレート、イソボルニルアクリレート、多官能アクリレート、及び重合開始剤を含有するパターン転写用紫外線硬化性樹脂材料を用いることにより、紫外線による硬化性、及び硬化後の剥離性を損なうことなく、エッチング耐性を向上することが出来る。このため、このパターン転写用紫外線硬化性樹脂材料を用いると、スタンパから精度の良いパターン転写を行うことが出来る。
フルオレン骨格を有するアクリレートを用いると、エッチング耐性が向上する。
また、イソボルニルアクリレートは、9CPと比較的低粘度で、ガラス転移点Tgが比較的高い。また、脂環式構造を有することから、耐エッチング性が高い。このイソボルニルアクリレートと重合開始剤の二成分からなる材料をパターン転写用紫外線硬化性樹脂材料として使用した場合、硬化後の膜の硬さが不十分であった。また、単官能モノマー、2官能モノマーとイソボルニルアクリレートの組み合わせでも同様であり、3官能モノマーとの組み合わせで耐エッチング性が良好なまま、硬化後の膜の硬さも十分となった。3官能モノマーより大きい多官能モノマーの場合、粘度が高い傾向がある。
また、イソボルニルアクリレートは脂環式構造を有し、ガラス転移温度Tgも高いためエッチング耐性が良好である。しかしながら、硬化後の硬度が高く硬くなりやすい、表面張力が高くないなどにより樹脂スタンパーからの剥離性が良好となりにくい傾向がある。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、真空下で、データ領域、サーボ領域を含む磁気記録媒体の磁気記録層表面と、樹脂スタンパの凹凸パターン面とを、未硬化のパターン転写用紫外線硬化性樹脂材料の塗布層を介して貼り合わせ、
未硬化の紫外線硬化性樹脂材料の塗布層に紫外線を照射して、硬化せしめ、
樹脂スタンパを剥離して、前記磁気記録媒体の片面上に凹凸パターンが転写され、硬化された紫外線硬化性樹脂材料層を形成し、
硬化された紫外線硬化性樹脂材料層をマスクとしてドライエッチングを行い、磁気記録層表面に、凹凸パターンを形成する方法であって、
パターン転写用紫外線硬化性樹脂材料がフルオレン骨格を有するアクリレート、イソボルニルアクリレート、多官能アクリレート、及び重合開始剤を含有する。
本発明のパターン転写用紫外線硬化性樹脂材料には、必要に応じて上記アクリレート及び重合開始剤の他に、接着剤などの添加物を3重量%以下で混合することができる。
本発明のパターン転写用紫外線硬化性樹脂材料は、25℃で9ないし15cpの粘度を有することが好ましい。
モノマー、オリゴマー、重合開始剤から構成され、溶媒を含まない紫外線硬化性樹脂材料を使用すると、ドライエッチング加工時のArミリングでのエッチング率が高く、ドライエッチング加工後に溝幅が広がってしまい、細い溝幅の形成が難しくなる傾向がある。
また、ドライエッチング耐性が悪化する原因は分子量の大きいオリゴマーであると考えられる。
このため、本発明に係る紫外線硬化性樹脂材料においては、所定の複数種類のモノマーと重合開始剤から構成され、オリゴマー及び溶媒を含まない紫外線硬化性樹脂材料の使用を検討した。
また、本発明に係る紫外線硬化性樹脂材料はラジカル重合系材料とし、モノマーがメタクリレートであると光重合反応が遅いため、本発明ではアクリレートを使用する。
それぞれの含有量はイソボルニルアクリレートが10重量%以上62重量%以下、フルオレン骨格を有するアクリレートが10重量%以上50重量%以下、多官能アクリレートが10以上44重量%以下、重合開始剤が0.1重量%以上6重量%以下である。
このような含有量である紫外線硬化性樹脂は、その粘度、剥離性、硬化性、塗布膜の膜厚、及びエッチングレートがより良好となる。
本発明に使用される多官能アクリレートとしては2官能、3官能、4官能以上のものがある。
2官能アクリレートとしては、例えば
1,3-ブチレングリコールジアクリレート
1,4−ブタンジオールジアクリレート
ジエチレングリコールジアクリレート
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
ネオペンチルグリコールジアクリレート
ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート
テトラエチレングリコールジアクリレート
トリエチレングリコールジアクリレート
トリプロピレングリコールジアクリレート
ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート
エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート
シクロヘキサンジメタノールジアクリレート
ジプロピレングリコールジアクリレート
アクリレートエステル(ジオキサングリコールジアクリレート)
アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート
アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート
エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート
エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート
ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート
エトキシ化(30)ビスフェノールAジアクリレート
アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート
などが挙げられる。
3官能アクリレートとしては、たとえば
トリメチロールプロパントリアクリレート
トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート
(PO(プロポキシ基)の数:2,3,4,6)
トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート
(EO(エトキシ基)の数:3,6,9,15,20)
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート
ペンタエリスリトールトリアクリレート
ペンタエリスリトールEO変性トリアクリレート
EO変性グリセリントリアクリレート
プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート
高プロポキシ化(5.5)グリセリルトリアクリレート
トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート
ε−カプロラクトン変性トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート
を用いることができる。
4官能以上のアクリレートとしては、例えば
トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート
ペンタエリスリトールテトラアクリレート
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
などを用いることができる。
また、多官能のオリゴマーも使用可能である。
オリゴマーには、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマーなどがあり、どれも使用することができるが、特に芳香族の含まれるアクリレートオリゴマーがエッチング耐性から良好であり、中でも芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーは剥離性、エッチング耐性、相溶性の点から特に良好である。また、オリゴマーの中にSiやFなどが入っていてもよく、特にSiが入っているものは離型剤としての役割もあり、好適である。
本発明に係る紫外線硬化性樹脂材料には、さらにアダマンタン骨格を有するアクリレートを添加することができる。
本発明に使用可能なアダマンタン骨格を有するアクリレートとしては、
2−メチル−2−アダマンチルアクリレート
2−エチル−2−アダマンチルアクリレート
3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート
1−アダマンチルアクリレート
2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート
2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート
3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート
1−アダマンチルメタクリレート
1,3−アダマンタンジオールジアクリレート
1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート
などが挙げられる。
特に、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート
2−エチル−2−アダマンチルアクリレート
1−アダマンチルアクリレート
は、好適である。
アダマンタン骨格を有するアクリレートは、発明のパターン転写用紫外線硬化性樹脂材料に0ないし40重量%
本発明に使用される重合開始剤としては、
アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤、チタノセン系重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、オキシムエステル酢酸エステル系光重合開始剤などがあげられる。
上記重合開始剤の具体的な例として、
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製IRGACURE651)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルーケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製IRGACURE184)
2−ヒドロキシー2−メチルー1−フェニループロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製DAROCUR1173)
その他、IRGACURE2959, IRGACURE127, IRGACURE907, IRGACURE369, IRGACURE379, DAROCUR TPO, IRGACURE819, IRGACURE784, IRGACURE OXE01, IRGACURE OXE02, IRGACURE754(すべてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
が挙げられる。
重合開始剤は、UV照射に用いるランプの波長によって最適なものを選ぶことができる。
UV照射に用いるランプとしては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンフラッシュランプなどを使用することができる。
以下、図面を参照し、本発明に用いられるパターン転写方法を図1(a)〜(d)を参照して概略的に説明する。
これらの図は媒体基板の片面にパターンを転写する場合を示している。図1(a)に示すように、スピナー41に媒体基板51を設置する。図1(b)に示すように、スピナー41とともに媒体基板51をスピンさせながら、ディスペンサー42から本発明に係る紫外線硬化性樹脂(2P樹脂)を滴下してスピン塗布する。図1(c)に示すように、真空チャンバー81内において、真空下で、磁気記録媒体51の片面と透明スタンパ71のパターン面とを2P樹脂層(図示せず)を介して貼り合わせる。図1(d)に示すように、大気圧下でUV光源43から透明スタンパ71を通してUVを照射して2P樹脂層を硬化させる。図1(d)の後に、透明スタンパ71を剥離する。
本発明に使用可能な磁気ディスク基板としては、たとえばガラス基板、Al系合金基板、セラミック基板、カーボン基板、酸化表面を有するSi単結晶基板、およびこれらの基板の表面にNiP層を形成したものなどを用いることができる。ガラス基板には、アモルファスガラスまたは結晶化ガラスを用いることができる。アモルファスガラスとしては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスなどがある。結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスなどがある。セラミック基板としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの焼結体を繊維強化したものなどを用いることができる。基板の表面にNiP層を形成するには、メッキやスパッタリングが用いられる。
垂直磁気記録媒体を作製する場合には、基板上に軟磁性下地層(SUL)介して垂直磁気記録層を設けたいわゆる垂直二層媒体とすることができる。垂直二層媒体の軟磁性下地層は、記録磁極からの記録磁界を通過させ、記録磁極の近傍に配置されたリターンヨークへ記録磁界を還流させるために設けられている。すなわち、軟磁性下地層は記録ヘッドの機能の一部を担っており、記録層に急峻な垂直磁界を印加して、記録効率を向上させる役目を果たす。
本発明に使用可能な軟磁性下地層としては、例えばFe、NiおよびCoのうち少なくとも1種を含む高透磁率材料が挙げられる。このような材料として、FeCo系合金たとえばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系およびFeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどが挙げられる。
軟磁性下地層として、Feを60原子%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造、または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることもできる。
軟磁性下地層の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、TiおよびYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることもできる。Coは、好ましくは80原子%以上含まれる。このようなCo合金をスパッタリングにより成膜した場合にはアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示す。また、アモルファス軟磁性材料を用いることにより、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNb、及びCoZrTa系合金などを挙げることができる。
軟磁性下地層の下に、軟磁性下地層の結晶性の向上あるいは基板との密着性の向上のためにさらに下地層を設けることができる。下地層材料としては、Ti、Ta、W、Cr、Pt、もしくはこれらを含む合金、またはこれらの酸化物、窒化物を用いることができる。
軟磁性下地層と垂直磁気記録層との間に、非磁性体からなる中間層を設けることができる。中間層の役割は、軟磁性下地層と記録層との交換結合相互作用を遮断すること、および記録層の結晶性を制御することである。中間層材料としては、Ru、Pt、Pd、W、Ti、Ta、Cr、Si、もしくはこれらを含む合金、またはこれらの酸化物、窒化物を用いることができる。
スパイクノイズ防止のために軟磁性下地層を複数の層に分け、厚さ0.5〜1.5nmのRuを挟んで反強磁性結合させることができる。また、軟磁性層と、CoCrPt、SmCo、FePtなどの面内異方性を持った硬磁性膜またはIrMn、PtMnなどの反強磁性体からなるピニング層とを交換結合させることができる。この場合、交換結合力を制御するために、Ru層の上下に、磁性層たとえばCo、または非磁性層たとえばPtを積層することができる。
本発明に使用可能な垂直磁気記録層には、たとえば、Coを主成分とし、少なくともPtを含み、必要に応じてCrを含み、さらに酸化物(たとえば酸化シリコン、酸化チタン)を含む材料が用いることができる。垂直磁気記録層中では、磁性結晶粒子が柱状構造をなしていることが好ましい。このような構造を有する垂直磁気記録層では、磁性結晶粒子の配向性および結晶性が良好であり、結果として高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)を得ることができる。上記のような構造を得るためには、酸化物の量が重要になる。酸化物の含有量は、Co、Pt、Crの総量に対して、3mol%以上12mol%以下にすることができる、さらには、5mol%以上10mol%以下にすることができる。垂直磁気記録層中の酸化物の含有量が上記の範囲であれば、磁性粒子の周りに酸化物が析出し、磁性粒子を孤立化および微細化させることができる。酸化物の含有量が上記範囲を超える場合、酸化物が磁性粒子中に残留し、磁性粒子の配向性、結晶性を損ね、さらには磁性粒子の上下に酸化物が析出し、結果として磁性粒子が垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造が形成されない傾向がある。一方、酸化物の含有量が上記範囲未満である場合、磁性粒子の孤立化および微細化が不十分となり、結果として記録再生時におけるノイズが増大し、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得られない傾向がある。
垂直磁気記録層のPtの含有量は、10原子%以上25原子%以下にすることができる。Pt含有量が上記範囲であると、垂直磁気記録層に必要な一軸磁気異方性定数Kuが得られ、さらに磁性粒子の結晶性、配向性が良好になり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ特性、記録再生特性が得られる。Pt含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子中にfcc構造の層が形成され、結晶性、配向性が損なわれるおそれがある。一方、Pt含有量が上記範囲未満である場合、高密度記録に適したKuしたがって熱揺らぎ特性が得られない傾向がある。
垂直磁気記録層のCrの含有量は、0原子%以上16原子%以下が好ましく、10原子%以上14原子%以下がより好ましい。Cr含有量が上記範囲であると、磁性粒子の一軸磁気異方性定数Kuを下げることなく高い磁化を維持でき、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られる。Cr含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子のKuが小さくなるため熱揺らぎ特性が悪化し、かつ磁性粒子の結晶性、配向性が悪化し、結果として記録再生特性が悪くなる傾向がある。
垂直磁気記録層は、Co、Pt、Cr、酸化物に加えて、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reから選ばれる1種類以上の添加元素を含むことができる。これらの添加元素を含むことにより、磁性粒子の微細化を促進するか、または結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。これらの添加元素の合計含有量は、8原子%以下にすることができる。8原子%を超えた場合、磁性粒子中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子の結晶性、配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性が得られない傾向がある。
垂直磁気記録層の他の材料としては、CoPt系合金、CoCr系合金、CoPtCr系合金、CoPtO、CoPtCrO、CoPtSi、CoPtCrSiが挙げられる。垂直磁気記録層に、Pt、Pd、RhおよびRuからなる群より選択される少なくとも一種を主成分とする合金と、Coとの多層膜を用いることもできる。また、これらの多層膜の各層に、Cr、BまたはOを添加した、CoCr/PtCr、CoB/PdB、CoO/RhOなどの多層膜を用いることもできる。
垂直磁気記録層の厚さは、5〜60nmにすることができる、さらには10〜40nmにすることができる。この範囲の厚さを有する垂直磁気記録層は高記録密度に適している。垂直磁気記録層の厚さが5nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向がある。一方、垂直磁気記録層の厚さが40nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。垂直磁気記録層の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上にすることができる。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性が劣る傾向がある。垂直磁気記録層の垂直角型比は、0.8以上にすることができる。垂直角型比が0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
垂直磁気記録層上には保護層を設けることが出来る。
保護層は、垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ作用を有する。保護層の材料としては、たとえばC、SiO、ZrOを含む材料が挙げられる。保護層の厚さは、1〜10nmとすることが好ましい。保護層の厚さを上記の範囲にすると、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録に好適である。
垂直磁気記録媒体表面には、潤滑剤としては、たとえばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを塗布することができる。
図2に、磁気記録媒体を記録再生する磁気記録再生装置を表す図を示す。
この磁気記録装置は、筐体61の内部に、磁気記録媒体62と、磁気記録媒体62を回転させるスピンドルモータ63と、記録再生ヘッドを含むヘッドスライダー64と、ヘッドスライダー64を支持するヘッドサスペンションアッセンブリ(サスペンション65とアクチュエータアーム66)と、ボイスコイルモータ67と、回路基板とを備える。
磁気記録媒体62はスピンドルモータ63に取り付けられて回転され、垂直磁気記録方式により各種のデジタルデータが記録される。ヘッドスライダー64に組み込まれている磁気ヘッドはいわゆる複合型ヘッドであり、単磁極構造のライトヘッドと、GMR膜やTMR膜などを用いたリードヘッドとを含む。アクチュエータアーム66の一端にサスペンション65が保持され、サスペンション65によってヘッドスライダー64を磁気記録媒体62の記録面に対向するように支持する。アクチュエータアーム66はピボット68に取り付けられる。アクチュエータアーム64の他端にはアクチュエータとしてボイスコイルモータ67が設けられている。ボイスコイルモータ67によってヘッドサスペンションアッセンブリを駆動して、磁気ヘッドを磁気記録媒体61任意の半径位置に位置決めする。回路基板はヘッドICを備え、ボイスコイルモータの駆動信号、および磁気ヘッドによる読み書きを制御するための制御信号などを生成する。
この磁気ディスク装置を用い、加工した磁気記録媒体からアドレス信号等を再生することが出来る。
本発明の方法を用いて、半径9mm〜22mmのデータゾーンにおいて、トラック密度が325kTPI(track per inch、78nmトラックピッチに相当)である磁気ディスクを作製した。
このようなサーボ領域を有する磁気ディスクを製造するには、磁気ディスク上の磁性層パターンと対応する凹凸パターンを有するスタンパを用いてインプリントを行う。なおインプリントおよびその後の加工によって形成された磁性層の凹凸パターンは非磁性体材料によってその凹部が埋め込まれ、表面が平坦化されていても構わない。
以下、本実施形態の磁気ディスクの製造方法を説明する。
まず、スタンパを作製した。
スタンパの型となる原盤の基板として6インチ径のSiウエハーを用意した。一方、日本ゼオン社製のレジストZEP−520Aをアニソールで2倍に希釈し、0.05μmのフィルタでろ過した。Siウエハー上にレジスト溶液をスピンコートした後、200℃で3分間プリベークして、厚さ約50nmのレジスト層を形成した。
ZrO/W熱電界放射型の電子銃エミッターを有する電子ビーム描画装置を用い、加速電圧50kVの条件で、Siウエハー上のレジストに所望のパターンを直接描画した。描画時にはサーボパターン、バーストパターン、アドレスパターン、トラックパターンを形成するための信号と、描画装置のステージ駆動系(少なくとも一方向の移動軸の移動機構と回転機構とを有する、いわゆるX−θステージ駆動系)へ送る信号と、電子ビームの偏向制御信号とを同期させて発生する信号源を用いた。描画中は線速度500mm/sのCLV(Constant Linear Velocity)でステージを回転させるとともに、半径方向にもステージを移動させた。また、1回転毎に電子ビームに偏向をかけて、同心円をなすトラック領域を描画した。なお、1回転あたり7.8nmずつ送り、10周で1トラック(1アドレスビット幅に相当)を形成した。
SiウエハーをZED−N50(日本ゼオン社製)に90秒間浸漬してレジストを現像した後、ZMD−B(日本ゼオン社製)に90秒間浸漬してリンスを行い、エアーブローにより乾燥させ、図示しないレジスト原盤を作製した。
レジスト原盤上にスパッタリングによってNiからなる導電膜を形成した。具体的には、ターゲットに純ニッケルを使用し、8×10−3Paまで真空引きした後、アルゴンガスを導入して圧力を1Paに調整したチャンバー内で400WのDCパワーを印加して40秒間スパッタリングを行い、厚さ約10nmの導電膜を成膜した。
導電膜をつけたレジスト原盤をスルファミン酸ニッケルメッキ液(昭和化学(株)製、NS−160)に浸漬し、90分間Ni電鋳して、厚さ約300μmの電鋳膜を形成した。電鋳浴条件は次の通りである。
電鋳浴条件
スルファミン酸ニッケル:600g/L
ホウ酸:40g/L
界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.15g/L
液の温度:55℃
pH:4.0
電流密度:20A/dm
レジスト原盤から、電鋳膜および導電膜をレジスト残渣がついた状態で剥離した。酸素プラズマアッシングによりレジスト残渣を除去した。具体的には、酸素ガスを100ml/minで導入して圧力を4Paに調整したチャンバー内で100Wのパワーを印加して20分間プラズマアッシングを行った。
図3(a)に示すように、こうした導電膜および電鋳膜を含むファザースタンパ1を得た。その後、さらに電鋳を行い、図3(b)に示すようなマザースタンパー2を複製し、マザースタンパ2の不要部を金属刃で打ち抜くことにより射出成形用スタンパを得た。
このマザースタンパー2から図3(c)に示すように、東芝機械製射出成形装置により樹脂スタンパー3を複製した。成形材料としては、日本ゼオン社製 環状オレフィンポリマー ZEONOR 1060Rを用いたが、帝人化成製ポリカーボネート材AD5503でもよい。
次に、磁気ディスクを作製した。
図3(g)に示す1.8インチ径のドーナツ型ガラスからなるディスク基板上にスパッタリングにより磁気記録層を形成した。この磁気記録層上に金属マスク層を3nm積層した。金属マスク層に用いることができる金属は、
Ag,Al,Au,C,Cr,Cu,Ni,Pt,Pd,Ru,Si,Ta,Ti,Znなどや、これらを含む合金(例えば、CrTi,CoB,CoPt,CoZrNb,NiTa,NiW,Cr−N,SiC,TiOxなど)などである。中でも、SiやCuは樹脂スタンパーからの剥離性や加工性が優れ、好ましい。また、金属マスク層の膜厚も、加工性によって決まり、薄いほど良好である。本実施形態においては、Cuを3nm磁気記録層上に積層したものを用いた。
図3(i)に示すように、この磁気記録層5上に表面保護層6を形成した後、紫外線硬化性樹脂材料からなるレジスト7を2,2,3,3−テトラフルオロー1−プロパノールで3重量%に希釈し、図3(j)に示すように、回転数10000rpmでスピンコートした。
図3(c)に示すように、真空貼り合わせ法により樹脂スタンパ3をディスク基板表面の紫外線硬化性樹脂レジスト7に貼り合わせ、紫外線照射し樹脂を硬化させた後、図3(d)に示すように、樹脂スタンパー3を剥離した。
紫外線インプリントによる凹凸形成プロセスでは、パターン凹部の底にレジスト残渣が残る。
次に、酸素ガスを用いたRIEにより、パターン凹部の底にあるレジスト残渣を除去した。レジスト7のパターンをマスクとして、Arイオンミリングにより、図3(e)に示すように、磁気記録層をエッチングした。続いて、図3(f)に示すように、酸素RIEによりレジストのパターンを剥離した。さらに全面に図示しないカーボン保護層を成膜した。その後、作製した磁気ディスクに潤滑剤を塗布する。
ここで、上述した磁気ディスク媒体においては、磁気記録層をレジストのマスクがない部位において底までエッチングしているが、途中でArイオンミリングを止め、凹凸が出来る程度の媒体であっても構わない。また、初めに磁性層を設けずにスタンパを基板上のレジストにインプリントした後エッチングするなどして先に基板形状に凹凸を設け、その後磁性膜を製膜した媒体であっても構わない。さらに、上述したものを含めいずれの場合にも溝部が何らかの非磁性材料によって埋め込まれていても構わない。
また、紫外線硬化樹脂は2,2,3,3−テトラフルオロー1−プロパノールで3重量%に希釈して使用したが、紫外線硬化樹脂の粘度や塗布方法などによっては希釈しなくても使用することが可能である。また、希釈に使用する溶剤としては、その他にアニソール、イソプロピルアルコール、エタノール、アセトン、環状ハイドロフルオロカーボン(日本ゼオン社製ゼオローラHなど)や環状ハイドロフルオロエーテルなどを使用することができる。
実施例
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
1つのNiスタンパを用いて上述した方法により樹脂スタンパーを複製し、
紫外線硬化樹脂によるレジストマスク転写を行った。
紫外線硬化樹脂の評価は、硬化性、剥離性、塗布性、転写性、Arスパッタエッチングレートの5項目について行った。
硬化性は、転写した後にエタノールに湿らせた布でふき取り、全く変化のないものを○、細かな傷がつくものを△、ふき取った場所が全面剥がれてしまうものを×とした。
剥離性は、剥離を行った時に、樹脂スタンパ側に2P樹脂が残らないものを○、わずかに残るものを△、広い面積で残るものを×とした。
塗布性は、転写した後に紫外線硬化樹脂の表面を目視で観察し、色が均一なら○、わずかに不均一なら△、相分離しているように大きな不均一なら×とした。
転写性は、転写後の紫外線硬化樹脂のパターンをAFMで観察し、溝深さが樹脂スタンパと変わらないものを○、溝深さにバラツキが発生するものを△、溝深さが異なる(低くなる)ものを×とした。
Arスパッタエッチングレートは、芝浦メカトロニクス社製51Aを使用し、Ar雰囲気下、圧力を1Paとし, RF電源100W, 200秒の条件でプラズマエッチングを行った。エッチングの前後にはアルバック社製触診式表面形状測定器DEKTAK6Mを用い、紫外線硬化樹脂の膜厚を測定し、エッチング前後での膜厚差をエッチング時間で規格化してエッチングレートを算出した。耐エッチング性が良好なほど紫外線硬化樹脂を用いた加工性は向上するため、エッチングレートは低いほうが好ましく、0.15nm/秒以下であることを基準とした。
ここで、上記例では溝はランドとグルーブの比が1:1となるようにした転写パターンサンプルを使用しているが、これに限定されるものではない。RRO特性を調べる装置の特性上、プッシュプル信号PPの振幅(p−p)を和信号SUMの電圧値(p−G)で規格化した値 PP/SUMが、少なくともPP/SUM<0.1となればトラッキングを行うことが不可能となるため、このようにならないようトラッキングを行えるようなランドとグルーブの比を選定することができる。
実施例
紫外線硬化樹脂サンプルA〜Vを用いて上記方法にて磁気記録層上にパターンを転写し、磁気記録媒体を作製した。
紫外線硬化樹脂サンプルA〜Vの内容を表1−1,表1−2に、その結果を表2−1,表2−2に示す。
ここで、下記表1−1,及び表1−2に使用されている記号について説明する。
IBOA: イソボルニルアクリレート
Figure 0004988032
MADA: 2−メチル−2−アダマンチルアクリレート
Figure 0004988032
TMPTA: トリメチロールプロパントリアクリレート
Figure 0004988032
フルオレン骨格アクリレートI: 9,9’−ビスフェニルフルオレンEO変性アクリレート
Figure 0004988032
フルオレン骨格アクリレートII:
Figure 0004988032
R1=R2=
Figure 0004988032
R3=R4=H
フルオレン骨格アクリレートIII:
Figure 0004988032
R1=R2=
Figure 0004988032
R3=R4=H
TMPTA−3EO: エトキシ化(3)テトラメチロールプロパントリアクリレート
Figure 0004988032
但し、式中、l+m+n=3
DTMPTA:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
Figure 0004988032
GPTA: プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート
Figure 0004988032
PE(EO)TTA:エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート
Figure 0004988032
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
AGDA: アセタールグリコールジアクリレート
Figure 0004988032
IRGACURE369:チバスペシャルティケミカルズ社製重合開始剤
DAROCUR1173:チバスペシャルティケミカルズ社製重合開始剤
PU370:MIWON社製3官能芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー
SIU2400:MIWON社製10官能Siアクリレートオリゴマー
紫外線硬化樹脂サンプルB、C,D,F,H,I,J,K,L,M,N,R,U,V,W,Xは、硬化性、剥離性、塗布性、転写性、エッチングレートのすべての項目において磁気記録媒体にパターンを転写する目的での使用が適している紫外線硬化樹脂であることがわかった。
一方、サンプルA、O、Q、S、Yはエッチングレートが速くて耐エッチング性が悪いことがわかった。サンプルAはサンプルBと比べてIBOAが少ない。この実施例より、IBOAは10%以上が好ましいことがわかった。サンプルOより、IBOAがないとエッチング耐性がさらに悪いことがわかった。サンプルQでは、エッチング耐性が悪くなることから、フルオレン骨格アクリレートはエッチング耐性に大きく影響を及ぼしており、エッチング耐性を向上させるにはなくてはならない材料であることがわかった。サンプルSより、重合開始剤が6%を上回ると、エッチング耐性も悪くなる傾向にあるといえる。MADAおよびフルオレン骨格アクリレートがなく、多官能アクリレートの割合が大きい場合、特にエッチングレートが速く、耐エッチング性が悪くなる。
サンプルE,G、P、Sは剥離性及び転写性が悪いことがわかった。サンプルE、GとHより多官能アクリレートは10%以上が好ましい。また、サンプルPより、IBOAがない場合、剥離性と転写性に問題が生じることがわかった。IBOAはマスクパターン転写を行うのに必須なアクリレートであることが確認できた。
サンプルO、Pは塗布性が悪い。塗布膜の中で材料が分離しているように見えており、IBOAが紫外線硬化樹脂中に入っていないためと考えられる。
サンプルQ,Y,J,Wについて、紫外線硬化樹脂へのパターンの転写後、酸素ガスを用いたRIEにより、パターン凹部の底にあるレジスト残渣を除去した。次にレジストを取り除いた部分(パターン凹部の底)の金属マスク層(Cu)を ガス圧0.1Pa エッチング時間15秒の条件でArイオンミリングにより除去した後、カーボン保護層を酸素ガスを用いたRIEにより除去し、磁気記録層表面を露出させた。この時のマスク形状をAFMで測定してみると、サンプルQ及びYではマスク形状がだれてしまっていたが、J,Wではマスクの矩形性が維持されたままであり、溝幅5nm程度という微細パターンが形成できていた。フルオレン骨格アクリレートとアダマンタン骨格アクリレートが紫外線硬化樹脂中に含まれることにより、磁性体加工を行ってもマスク形状が維持され、所望のパターン、微細パターンを加工することができることがわかった。
一方、サンプルQ,Y,J,Wについて、Arイオンミリングの代わりに、 ガス圧0.1Pa エッチング時間15秒の条件でCFガスミリングにより、レジストを取り除いた部分(パターン凹部の底)のマスク層(Si)を除去すること以外は、同様にしてカーボン保護層を酸素ガスを用いたRIEにより除去し、磁気記録層表面を露出させた。この時のマスク形状をAFMで測定してみると、 マスクの矩形性は維持されており、溝幅は5nm程度という微細パターンが形成できており、本願発明に係るサンプルJ,Wは、Arイオンミリングを使用しても、CFガスミリングを使用しても良好なマスク形状が得られた。しかしながら、フルオレン骨格アクリレートが含まれていないサンプルQ,Yについては、CFガスミリングを使用すると良好なマスク形状が得られるが、Arイオンミリングを使用しても良好なマスク形状が得られない。近年、環境上の問題からCFガスの使用は極力低減する傾向がある。フルオレン骨格アクリレートが含まれていないサンプルQ,Yは環境上問題があることがわかった。また、ディスクの表面だけでなく裏面も加工する場合にはCF4ガスを使った反応性イオンエッチングを適用するのは放電が安定せず非常に難しい。Arイオンミリング、Arスパッタエッチングでの加工が両面ディスクの場合は好ましい。
さらに、良好な紫外線硬化樹脂サンプルB、C,D,F,H,I,J,K,L,M,N,R,U,V,W,Xを用いてDTR媒体を作成し、記録再生特性を調べたところ、良好な特性を得ることができた。
なお、本実施例においては重合開始剤としてIRGACURE369またはDAROCUR1173を用いたが、当然UVランプやアクリレートとの相性によって適宜選択することができる。
なお、本実施例においては重合開始剤としてIRGACURE369を用いたが、当然UVランプやアクリレートとの相性によって適宜選択することができる。
Figure 0004988032
Figure 0004988032
Figure 0004988032
Figure 0004988032
3,71…樹脂スタンパ,5…磁気記録層,7…紫外線硬化性樹脂層,51,62…磁気記録媒体

Claims (4)

  1. 真空下で、磁気記録層表面と、樹脂スタンパの凹凸パターン面とを、イソボルニルアクリレート、フルオレン骨格を有するアクリレート、多官能アクリレート、及び重合開始剤を含有するパターン転写用紫外線硬化性樹脂材料を含む塗布層を介して貼り合わせ、
    該未硬化の紫外線硬化性樹脂材料の塗布層に紫外線を照射することにより、硬化せしめ、
    該樹脂スタンパを剥離して、前記磁気記録層の片面上に凹凸パターンが転写され、硬化された紫外線硬化性樹脂材料層を形成し、
    硬化された紫外線硬化性樹脂材料層をマスクとしてドライエッチングを行い、磁気記録層表面に、凹凸パターンを形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記パターン転写用紫外線硬化性樹脂材料は、
    前記イソボルニルアクリレートを10重量%ないし62重量%、
    前記フルオレン骨格を有するアクリレートを10重量%ないし50重量%、
    前記多官能アクリレートを10ないし44重量%、
    前記重合開始剤を0.1重量%ないし6重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記パターン転写用紫外線硬化性樹脂材料は、アダマンタン骨格を有するアクリレートをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記アダマンタン骨格を有するアクリレートは0ないし40重量%存在することを特徴とする請求項3に記載の方法。
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