JP4986287B2 - 電子楽器 - Google Patents

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Description

本発明は、中高年の演奏初心者でも簡単に演奏できる電子楽器に関する。
演奏者の呼気を用いて演奏できる電子楽器としては、人の呼気圧で音量制御を行う電子楽器のためのブレスコントローラ装置が知られている(特許文献1など参照)。
また、中高年者のQOL改善を目的として、中高年の演奏初心者でも簡単に演奏できる電子楽器システムがある(特許文献2、特許文献3など参照)。
特許第2956393号公報(第1頁、1図) 特開2004−271783号公報(第1頁、1図) 特開2007−34115号公報(第1頁、1図)
しかしながら、廃用症候群の一種である加齢によって呼吸機能が低下した中高年の演奏初心者にとって、呼吸リハビリテーションをしながら演奏を楽しむことは、上記の特許文献1のようなブレスコントローラ装置を用いた電子管楽器では、困難である。上記の特許文献1のようなブレスコントローラ装置では、演奏者がブレスコントローラ装置内部の空洞に管楽器のように呼気を流入させることによって、上記ブレスコントローラ装置内部の空洞の呼気圧を変化させ、それに伴って、演奏における音量を主に変化させるが、上記ブレスコントローラ装置内部の空洞は、密閉されており、演奏者の呼吸機能に合わせて負荷を変化させることができないという問題があった。上記の特許文献1のようなブレスコントローラ装置に示されている排気バルブは、あくまでも呼吸機能がある一定レベル以上の演奏者が、当該ブレスコントローラ装置を用いて演奏する場合、呼気圧のある一定レベル以上の微妙な圧力調整によって、演奏音の音量・音程などを微妙に調整することを目的としており、呼吸リハビリテーションが行える構造とはなっていない。すなわち、演奏者が、呼吸リハビリテーションをしながら、演奏を楽しむには、演奏者の呼吸機能に応じた広範囲な負荷が調整できる構造でなければならない。従って、演奏者の呼気の状況を検出する呼気検出部において、演奏者の呼吸機能に応じて、呼吸による演奏の負荷を軽減でき、呼吸機能が低下した中高年の演奏初心者であっても簡便に演奏できる電子楽器の実現が望まれる。また、呼吸による演奏の負荷を徐々に高めることによって、中高年者の呼吸リハビリテーション効果を実現できる電子楽器を提供することも課題である。演奏者の呼気圧を検出する呼気圧、あるいは、演奏者の呼気流量あるいは呼気流速、あるいは、その両方を検出し、演奏者の呼吸機能に合わせて広範囲に負荷調整が可能であるようにすることも課題である。更に、中高年の初心者が演奏困難な、呼気によるビブラートやタンギング、スクリームなどの特殊奏法も簡便に行えるようにすることも課題である。
上記の課題を解決するために、本発明の電子楽器は、以下のような手段を採用する。
(1)演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサとを具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報の内、どちらか一、あるいは、大きい方の呼気情報を出力する呼気検出部と、前記大きい方の呼気情報において最大値と最小値を検知し、前記最大値に対して最大音量を割り当て、前記最小値に対して最小音量を割り当てることにより音量制御範囲を設定し、かつ、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部と、を具備する電子楽器とする。更に、演奏者の肺機能の能力によって、演奏者の呼気圧負荷を調整できる呼気圧負荷調整手段を具備してもよい。
このようにすれば、中高年者の呼吸リハビリテーション効果を実現できる電子楽器を提供することができる。
(2)演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサとを具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報を出力する呼気検出部と、前記第1の呼気情報と第2の呼気情報の内、どちらか一、あるいは、大きい方の呼気情報において最大値と最小値を検知し、前記最大値に対して最大音量を割り当て、前記最小値に対して最小音量を割り当てることにより音量制御範囲を設定し、かつ、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部と、を具備する電子楽器とする。更に、演奏者の肺機能の能力によって、演奏者の呼気圧負荷を調整できる呼気圧負荷調整手段を具備してもよい。
このようにすれば、中高年者の呼吸リハビリテーション効果を実現できる電子楽器を提供することができる。
(3)演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと、呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサと、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報に対して予め決められた演算式による演算を施して取得した呼気情報を出力する呼気検出部と、前記取得した呼気情報に基づき最大値と最小値を検知し、前記最大値に対して最大音量を割り当て、前記最小値に対して最小音量を割り当てることにより音量制御範囲を設定し、かつ、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部を具備する電子楽器とする。更に、演奏者の肺機能の能力によって、演奏者の呼気圧負荷を調整できる呼気圧負荷調整手段を具備してもよい。
このようにすれば、呼気情報を確実に取得可能になり、中高年者の呼吸リハビリテーション効果を実現できる電子楽器を提供することができる。
(4)演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと、呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサと、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報を出力する呼気検出部と、前記第1の呼気情報と第2の呼気情報に対して予め決められた演算式による演算を施して取得した呼気情報において最大値と最小値を検知し、前記最大値に対して最大音量を割り当て、前記最小値に対して最小音量を割り当てることにより音量制御範囲を設定し、かつ、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部を具備する電子楽器とする。更に、演奏者の肺機能の能力によって、演奏者の呼気圧負荷を調整できる呼気圧負荷調整手段を具備してもよい。
このようにすれば、呼気情報を確実に取得可能になり、中高年者の呼吸リハビリテーション効果を実現できる電子楽器を提供することができる。
(5)演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサを具備し、更に、演奏者の肺機能の能力によって、演奏者の呼気圧負荷を調整できる呼気圧負荷調整手段を具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報を出力する呼気検出部と、前記第1の呼気情報において最大値と最小値を検知し、前記最大値に対して最大音量を割り当て、前記最小値に対して最小音量を割り当てることにより音量制御範囲を設定し、かつ、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部と、を具備する電子楽器。
このようにすれば、中高年者の呼吸リハビリテーション効果を実現できる電子楽器を提供することができ、かつ、呼気検出部が簡単である。
(6)演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサを具備し、更に、演奏者の肺機能の能力によって、演奏者の呼気圧負荷を調整できる呼気圧負荷調整手段を具備し、前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報を出力する呼気検出部と、前記第2の呼気情報において最大値と最小値を検知し、前記最大値に対して最大音量を割り当て、前記最小値に対して最小音量を割り当てることにより音量制御範囲を設定し、かつ、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部と、を具備する電子楽器。
このようにすれば、中高年者の呼吸リハビリテーション効果を実現できる電子楽器を提供することができ、かつ、呼気検出部が簡単である。なお、上記(1)から(4)および(6)において、本発明の電子楽器は、流量を流速と読み替えた構成でもよい。
また、中高年者の演奏初心者でも簡単に演奏できる電子楽器の実現を可能にするための構成は、例えば、以下である。
つまり、演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサとを具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報の内、どちらか一の呼気情報を選択して、出力する呼気検出部と、前記選択された呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部と、を具備する電子楽器である。
また、演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサとを具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報を出力する呼気検出部と、前記第1の呼気情報と第2の呼気情報の内、どちらか一の呼気情報を選択し、当該選択された呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部と、を具備する電子楽器である。
また、上記の電子楽器において、前記選択されるどちらか一の呼気情報は、前記第1の呼気情報と第2の呼気情報の内、値が、予め設定または格納されている閾値より大きい呼気情報であることは好適である。
また、上記の電子楽器において、前記選択されるどちらか一の呼気情報は、前記第1の呼気情報と第2の呼気情報の内、値の大きい方であることは好適である。
また、演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと、呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサとを具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報に対して予め決められた演算式による演算を施して取得した呼気情報を出力する呼気検出部と、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部を具備する電子楽器である。
また、演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと、呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサとを具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報を出力する呼気検出部と、前記第1の呼気情報と第2の呼気情報に対して予め決められた演算式による演算を施して取得した呼気情報において、最大値と最小値を検知し、前記最大値に対して最大音量を割り当て、前記最小値に対して最小音量を割り当てることにより音量制御範囲を設定し、かつ、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部を具備する電子楽器である。
また、演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサを具備し、更に、演奏者の肺機能の能力によって、演奏者の呼気圧負荷を調整できる呼気圧負荷調整手段を具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報を出力する呼気検出部と、前記第1の呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部と、を具備する電子楽器である。
また、演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサを具備し、更に、演奏者の肺機能の能力によって、演奏者の呼気圧負荷を調整できる呼気圧負荷調整手段を具備し、前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報を出力する呼気検出部と、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部と、を具備する電子楽器である。
また、上記の電子楽器において、前記呼気情報変換部は、前記選択された呼気情報において最大値と最小値を検知し、前記最大値に対して最大音量を割り当て、前記最小値に対して最小音量を割り当てることにより音量制御範囲を設定し、かつ、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力することは好適である。
本発明によれば、中高年者の演奏初心者でも簡単に演奏できる電子楽器の実現が可能になる。また、音楽を演奏しながら、呼吸機能のリハビリテーションを行える。
以下、本発明の電子楽器、の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。また、以下の説明において、流量(流速)と記しているのは、流量の代りに流速を扱うようにしてもよいことを示す。
(実施の形態1)
図1は、本発明の電子楽器の一例の外観図である。図1において、本発明の電子楽器は、本体部である電子楽器100と電子楽器100を操作するための呼気検出部50とより成る。電子楽器100の表面には、例えば、液晶タッチパネル10が具備される。液晶タッチパネル10は、後述するような所定の画像の表示ができるとともに、演奏者が表面をタッチすると、タッチした位置の座標情報が得られるようになった周知のパネルである。本発明の電子楽器100では、液晶タッチパネル10の表面に以下のような画像を表示するエリアが設けられる。楽譜エリア11には、後述する楽譜の画像が表示される。楽譜エリア12には、演奏中の1小節の楽譜の画像が表示される。楽譜エリア13には、その次の1小節の楽譜の画像が表示される。拍子エリア14には、メトロノームのような画像が表示され、演奏者に拍子を示す。楽器名エリア15には、フルートやクラリネットなどの楽器名が文字により表示される。矢印エリア11aと矢印エリア11bには、左右方向の矢印画像が表示される。矢印エリア11aと矢印エリア11bの何れかを押さえると、楽器名が次々変わり、楽器名が変更できる。ビブラートエリア17、タンギングエリア18、スクリームエリア19は、管楽器などの特殊奏法を選択するためのスイッチの画像が表示される。
図2は、電子楽器100の内部に具備された音楽演奏のための電子回路のブロック構成図である。電子楽器100は、楽曲データ記憶部20、読み出し制御部21、表示制御部22、液晶タッチパネル10、座標検出部23、演奏拍子検出部24、楽器検知部25、タッチ軌跡検知部26、呼気情報変換部27、奏法検知部28、および、楽音発生部29を具備する。楽曲データ記憶部20は、好みの楽曲の楽譜情報を記憶格納している。楽曲情報は、インターネット回線などを通じて外部から、好みの楽曲の楽譜情報を入手して、楽曲データ記憶部20に格納する方式としてもよい。楽曲データ記憶部20自身をICメモリなどの交換可能な記憶媒体の形態として、楽曲データ記憶部20のコネクタなどに挿入するようにしてもよい。ICメモリには、好みの楽曲の楽譜情報をパソコンなどにより書き込んであるものとする。
読み出し制御部21は、楽曲データ記憶部20に格納されている楽譜情報を小節単位で読み出して表示制御部22に供給する。表示制御部22は、供給された楽譜情報を元に、小節単位の楽譜情報から楽譜の画面である楽譜画面情報を生成して、液晶タッチパネル10に供給する。読み出し制御部21は、楽譜エリア11用として、6小節分の楽譜情報を表示制御部25に供給し、表示制御部22は、6小節分の楽譜画像の形の楽譜画面情報を図1の楽譜エリア11の位置に生成する。また、読み出し制御部21は、楽譜エリア12用として、1小節分の楽譜情報を表示制御部25に供給し、表示制御部22は、その1小節分の楽譜画像情報を図1の楽譜エリア12の位置に生成する。また、読み出し制御部21は、楽譜エリア13用として、次の1小節分の楽譜情報を表示制御部25に供給し、表示制御部22は、その1小節分の楽譜画像情報を図1の楽譜エリア13の位置に生成する。表示制御部22は、楽譜エリア11の6小節分の楽譜画像情報のうち、演奏中の小節については、明るく表示する楽譜画像情報になるように楽譜画像情報を生成する。楽譜エリア12の楽譜は演奏中の1小節である。
また、表示制御部22は、図1に示した拍子エリア14、楽器名エリア15、矢印エリア11a、矢印エリア11b、呼気調整エリア16、ビブラートエリア17、タンギングエリア18、スクリームエリア19の各画像の形態の画像情報を生成して、上記の楽譜エリア11、楽譜エリア12、楽譜エリア13よりなる楽譜画像情報に付け加えて、図1の液晶タッチパネル10の表面に示したような画像情報を生成して、液晶タッチパネル10に供給する。液晶タッチパネル10は、楽譜エリア11、楽譜エリア12、楽譜エリア13、拍子エリア14、楽器名エリア15、矢印エリア11a、矢印エリア11b、呼気調整エリア16、ビブラートエリア17、タンギングエリア18、スクリームエリア19の各画像を表示する。また、表示制御部22には、楽器検知部25から楽器名情報が供給され、表示制御部22は、楽器名の文字画像を楽器名エリア15に生成する。液晶タッチパネル10は、楽器名エリア15に楽器名の文字を表示する。
座標検出部23は、液晶タッチパネル10上で、演奏者がタッチした位置を検出して、その座標情報(Xi,Yi)を出力する。複数のタッチがあった場合は、それらの位置を識別してそれぞれの座標情報(X1,Y1)、(X2,Y2)などを出力する。座標情報(X1,Y1)、(X2,Y2)などは、演奏拍子検出部24、楽器検知部25、タッチ軌跡検知部26、奏法検知部28に供給される。
楽器検知部25は、電子楽器100の電源をONにしたときには、デフォルト値の楽器名としてフルートを選択するものとする。このとき、楽器検知部25は、フルートを表す楽器名情報を表示制御部25に供給する。楽器検知部25は、入力された(X1,Y1)、(X2,Y2)などの座標情報(Xi,Yi)が、矢印エリア11a、矢印エリア11bの左右方向の矢印画像の位置を示す矢印座標エリア内にあるかどうかを判定している。座標情報(Xi,Yi)が、矢印座標エリア内にある場合、フルートを別の楽器名、例えば、クラリネットに変更する。座標情報(Xi,Yi)が矢印座標エリア内であると判定されるたびに、楽器名情報が変更される。楽器名情報の変更は、視認し易いように、1秒毎に1回程度のペースで行うようにしてもよい。楽器名情報は、楽音発生部29と表示制御部25に供給される。表示制御部22では、変更された楽器名の文字が生成され、先に説明したように、液晶タッチパネル10の楽器名エリア15に表示される。また、楽器検知部25は、楽器名情報を楽音発生部29に供給する。
演奏者は、電子楽器100を演奏する場合、楽譜エリア12を見ながら表示されている音符を順番に押さえてゆく演奏形態を取る。演奏者は、拍子に合わせて、各音符に応じたタイミングで、音符の長さに対応した時間だけ各音符を押さえてゆく。この場合、座標検出部23は、押さえられた音符の位置を示す座標情報(Xi,Yi)を検出して出力する。タッチ軌跡検知部26は、演奏者がどの音高を演奏したかの判定を行う。このために、タッチ軌跡検知部26は、座標情報(Xi,Yi)が楽譜エリア12内の座標であるかどうか判定する。楽譜エリア12の外側の座標である場合は、音符を選択していないと判定して、その座標情報を無視する。タッチ軌跡検知部26は、座標情報(Xi,Yi)が楽譜エリア12内の座標であると判定した場合、次に、座標情報(Xi,Yi)のXiが五線のどの座標位置にあるかを判定して音高を決定し、その音高を表す音高情報を楽音発生部29に供給する。タッチ軌跡検知部26は、音高を検知する機能を実行するので、音高検知部と呼ぶことも出来る。
演奏者が、楽譜エリア12の任意の音符にタッチしている間は、Xi座標値に基づき音高情報が楽音発生部29に供給される。演奏者がその音符のタッチを止めると、それまでの座標情報(Xi,Yi)がなくなり、音高情報は、楽音発生部29に供給されなくなるが、楽音発生部29は、直前の音高情報を記憶しており、Xi座標値に基づく音高の楽音信号の生成が可能になっているものとする。従って、音符へのタッチがなくなっても、楽音発生部29では、楽音信号が途切れるということは無いように出来る。なお、このような操作とは異なる動作方式もあるが、異なる動作方式については、後述する。
奏法検知部28は、座標情報(Xi,Yi)がビブラートエリア17、タンギングエリア18、スクリームエリア19のどのエリア内にあるかを判定する。座標情報(Xi,Yi)がビブラートエリア17、タンギングエリア18、スクリームエリア19のどのエリア内にもない場合は、座標情報(Xi,Yi)を無視する。座標情報(Xi,Yi)がビブラートエリア17内にある場合、奏法検知部28はビブラート指示情報を楽音発生部29に供給する。座標情報(Xi,Yi)がタンギングエリア18内にある場合、奏法検知部28はタンギング指示情報を楽音発生部29に供給する。座標情報(Xi,Yi)がスクリームエリア19内にある場合、奏法検知部28はスクリーム指示情報を楽音発生部29に供給する。ビブラート指示情報、タンギング指示情報、スクリーム指示情報は、奏法制御情報である。
呼気検出部50の出力情報である呼気情報は、呼気情報変換部27において音量制御情報に変換されて、楽音発生部29に供給される。楽音発生部29は、楽器名情報、音高情報、音量制御情報、奏法制御情報に従って、指示された楽器の音色、音高、音量、奏法による楽音信号を生成して出力する。
図3は、本発明による呼気検出部50の詳細な構造を示す図である。呼気検出部50において、歌口30は、リコーダの歌口のような中空形状をしている。演奏者は、中空形状の一端である吹き込み口31から呼気を吹き込み、他端である排出口32から呼気が流出する。その呼気の経路の途中には、圧力センサ34、および、流量(流速)センサ33が設けられる。なお、以下の記載において、流量は流速と読み替えてもよい。流量(流速)の記載は、流量でも流速でもよいことを示す。圧力センサ34、および、流量(流速)センサ33は呼気の圧力や流量、流速などの状態変化を検知する。圧力センサ34の出力信号である呼気圧力信号は、マイコン35内部のAD変換回路により256階調、512階調などのデジタル符号に変換された後に、第1の呼気情報として呼気情報変換部27に供給される。また、流量(流速)センサ33の出力信号である呼気流量(流速)信号は、マイコン35内部のAD変換回路により256階調、512階調などのデジタル符号に変換された後に、第2の呼気情報として呼気情報変換部27に供給される。
演奏者の呼気圧の負荷調整用として、呼気検出部50の排出口32には、呼気圧負荷調整手段36が設置される。呼気圧負荷調整手段36は、呼気検出部50の排出口32の開口率を変えることができ、呼気の排出量を減らし、歌口30の内部の圧力を高めることのできる構造を有しており、演奏者が呼気を吹き込む負担を調整することができる。本実施例の呼気圧負荷調整手段36では、弁構造を用い、いくつかの剛性をもつ弁を取り替えることによって、排気圧を高めることができ、かつ、弁の取り付け位置を可変にし、排出口32の開口率が調整可能となっている。従って、呼吸機能が大幅に異なるような演奏者であっても、呼気圧負荷調整手段36により、演奏者個々の呼吸機能に適した呼気検出部50の特性が設定でき、演奏者は、呼吸機能に応じた負荷による演奏が可能となる。
図4は、図3に示した呼気検出部50に配置された圧力センサ34の呼気圧力時間変化(=第1の呼気情報)、および、流量(流速)センサ33の呼気流量(流速)時間変化(=第2の呼気情報)の出力例を示している。ここで(a)および(b)は、呼気圧負荷調整手段36によって演奏者にとって適度な呼気圧負荷となるよう調整された場合の出力例であり、(c)は、呼気圧負荷調整手段36によって呼気検出部50の排気口32を全開した場合の出力例、(d)は、呼気圧負荷調整手段36によって排出口32を閉鎖して呼気検出部50内部の空洞を密閉した場合の出力例である。(a)は、比較的短い時間で呼気の流入と停止を繰り返した場合、(b)は、呼気の強さを徐々に増やすようにした場合の呼気圧力時間変化および呼気流速(流量)時間変化である。呼気流速(流量)時間変化出力の高調波成分を取り除けば、呼気圧力時間変化と呼気流速(流量)時間変化は、ほぼ比例関係にあることがわかる。従って、演奏者にとって適度な呼気圧負荷となるように、呼気圧負荷調整手段36が調整された場合は、呼気圧力時間変化と呼気流速(流量)時間変化のどちらを音量制御のための時間変化情報として計測しても問題ないことが判る。しかしながら、(c)のように、呼気検出部50の排気口が全開された場合では、圧力センサ34の出力値はなく、流量(流速)センサ33の出力しか音量制御に使えないことが判る。逆に、(d)のように呼気圧負荷調整手段36によって呼気検出部50内部の空洞が密閉された場合は、流量(流速)センサ33の出力はなく、圧力センサ34の出力しか音量制御に使えないことが判る。
一般に、呼気圧負荷調整手段36によって調整される排気口32の開口率が大きければ、適当な圧力を圧力センサ34に加えるためには、大量の呼気を吹き込む必要があり、演奏者の呼吸機能に対する負担は大きくなる。本実施例による呼気検出部50では、排気口32が全開された場合でも、密封された場合でも演奏を行うことができ、個人差の大きい中高年者の呼吸機能に合わせた呼気の吹き込みの範囲で、幅広く演奏を楽しみながら、呼吸リハビリテーションが行える。この時、圧力センサ34、および、流量(流速)センサ33のどちらの出力を優先して音量制御に使用するかは、ゲイン判定によりマイコン73が自動判定するが、予め、圧力センサ34および流量(流速)センサ33のどちらかを選択して、どちらの出力を音量制御に使用するか固定することも可能である。ゲイン判定については、後述する。
また、圧力センサ34、および、流量(流速)センサ33の出力ゲインは、演奏者の呼吸機能に合わせてキャリブレーションをする必要があるが、本実施例では、図1に示された電子楽器本体の呼気調整エリア16をタッチして、キャリブレーションを開始し、もう一度呼気調整エリア16をタッチして、キャリブレーションを終了するまでの間に演奏者に呼気検出部50に強い呼気流入と弱い呼気流入をしてもらい、各センサのピーク出力の最大値及び最小値を、音量制御の最大値及び最小値としてキャリブレーションを実施する。本発明においては、このようなキャリブレーションを図2の呼気情報変換部27において行う。
図8(A)および図8(B)は、キャリブレーションを行った結果の呼気圧力または呼気流量(流速)に基づく呼気情報と楽音信号の音量との変換特性の一例である。図9は、呼気情報変換部27が行うキャリブレーション動作のフローチャートの一例である。呼気情報変換部27は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。キャリブレーション動作の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
呼気情報変換部27には、座標検出部23から座標情報(Xi,Yi)が供給される。呼気情報変換部27は、内部のメモリに呼気調整エリア16の矩形座標領域を表す呼気調整エリア情報(Xa,Xb,Ya,Yb)を格納している。呼気情報変換部27は、通常、座標情報(Xi,Yi)と呼気調整エリア情報(Xa,Xb,Ya,Yb)を比較しており、かつ(ステップS10)のように呼気調整エリア16のタッチの割り込み待ち状態にある。座標情報(Xi,Yi)が、Xa<Xi<Xb、および、Ya<Yi<Yb、を満足する場合、演奏者が呼気調整エリア16の矩形内をタッチしたものと判定し、(ステップS10)において、呼気調整エリア16のタッチ割り込みが発生する。呼気情報変換部27は(ステップS11)に進み、呼気検出部50から供給される呼気情報により呼気圧力または呼気流量(流速)の大きさを計測する。具体的には、演奏者は、吹き込み口31に空気を演奏者が制御可能な範囲で出来る限り強く吹き込んだ後、吹込みを一旦停止し、つぎに、演奏者が制御可能な範囲で十分に弱く吹き込む。呼気情報変換部27は、このような動作に基づき変化する呼気情報の値をメモリに格納する。呼気情報変換部27は、(ステップS11)での呼気圧力計測の合間に、(ステップS12)において、座標情報(Xi,Yi)を調べ、呼気調整エリア16に対するタッチの有無を調べる。演奏者が上記の強い吹き込みと弱い吹き込みの両方を終えてから、呼気調整エリア16をタッチすると、(ステップS12)においてYesになり、呼気情報変換部27は、(ステップS13)に進む。呼気情報変換部27は、(ステップS13)において、メモリに格納した呼気情報の値から強いピーク値と弱いピーク値を取り出し、それぞれ、演奏者における最大の呼気情報Eh(h=highを示す。)、および、最小の呼気情報El(l=lowを示す。)とする。つぎに、呼気情報変換部27は(ステップS14)に進み、呼気情報Ehに最大の音量100%を割り当て、呼気情報Elに音量10%を割り当てて、図8(A)に示すような折れ線形状の呼気情報−音量の変換特性を生成し、(ステップS10)の割り込み待ちに戻る。演奏者が呼気を吹き込まない状態では、楽音が発生しないように、El以下の小さな呼気情報の値では音量が0%になるようにするのが好ましい。図8(A)の変換特性によれば、演奏者は、20dBの音量制御範囲で演奏表現が出来ることになる。なお、20dBの音量制御範囲の値は、他の値に変更してもよい。
図8(B)では、呼気情報Ehに最大の音量である+10dBを割り当て、呼気情報Elに−20dBを割り当てて、EhとElの間で30dBの音量制御を行う呼気情報−音量の変換特性の例である。この例では、呼気情報のリニアな変化に対して音量はdB単位で変化するようにしている。なお、30dBの音量制御範囲の値は、他の値に変更してもよい。El以下の小さな呼気情報の値では音量が0%になるようにするのが好ましいので、呼気情報の値が0の場合、すなわち、吹き込み口31から呼気が吹き込まれない場合は、音量は−100dBとし、実質的に無音状態になるようにしている。−100dBではなく、−∞dBとしてもよい。
なお、呼気情報Eh、Elは、呼気の圧力に基づく呼気圧力情報、または、呼気の流量または流速に基づく呼気流速(流量)情報の何れかである。呼気圧力情報と呼気流速(流量)情報のどちらであるかについては、後述する。
なお、図8(A)、図8(B)の変換特性は、Eh、El、呼気情報=0などの間を直線で結ぶような特性としたが、曲線形状としてもよい。また、音量制御情報の値を求める方法としては、メモリ内部に、図8(A)、図8(B)などの変換特性に相当する変換テーブルを形成して、この変換テーブルを参照するようにしてもよい。また、上記の図8(A)、図8(B)などの変換特性を、呼気情報を変数とする音量方程式の形式として、呼気情報から音量制御情報を求めるようにしてもよい。
つぎに、ゲイン判定の考え方について説明する。ゲイン判定とは、呼気の吹込みに対して得られる第1および第2の呼気情報の大きさの判定、いわば、呼気ゲインの判定をいう。図3の呼気検出部50の場合、呼気情報としては、圧力センサ34の出力信号が表す圧力に基づく呼気圧力情報(=第1の呼気情報)、または、流量(流速)センサ33の出力信号が表す流量または流速に基づく呼気流速(流量)情報(=第2の呼気情報)の何れかである。基本的には、呼気圧力情報と呼気流速(流量)情報の大きい方を選択する。
圧力センサ34の出力信号は一般的に電気信号であり、演奏者が加える呼気圧の大きさの変化に応じて変化するが、気圧の単位を最早持たない。この出力信号は、既に説明したように、AD変換されて8ビットから10ビット程度の分解能を有するデジタル符号形式の情報に変換される。従って、呼気圧力情報である第1の呼気情報は、電気信号である場合も、デジタル符号情報の場合も、気圧の単位を持たず、単に大きさのみを有する。流量(流速)センサ33の出力信号である電気信号、または、そのデジタル符号情報である呼気流速(流量)情報(=第2の呼気情報)も同様に、流量や流速の単位を持たず、単に大きさのみを有する。これら第1の呼気情報、第2の呼気情報の大きさは、呼気の吹き込みの強弱だけでなく、圧力センサ34や流量(流速)センサ33の感度、圧力センサ34や流量(流速)センサ33の後段に必要に応じて設けられる増幅器の増幅度、AD変換器の入力感度などによっても影響される。このように、第1の呼気情報と第2の呼気情報は、物理的な単位を持っていないので、大きさの比較が可能である。
図3のような形状の呼気検出部50をある開口率に設定しておき、ある呼気の強さで吹き込んだ場合でも、第1の呼気情報と第2の呼気情報、それぞれの大きさの相対的関係は、使用する圧力センサ34や流量(流速)センサ33の感度、増幅器の増幅度、AD変換器の入力感度などの設計パラメータによって変わる。従って、第1の呼気情報と第2の呼気情報との大小関係は、一概には規定しにくく、設計によっては大小関係が逆転するが、どのような設計を行っても、大きい方の呼気情報は、楽音信号を制御するのに有効な情報として使用できる。言い換えると、小さいほうの呼気情報は、次に説明するように楽音制御に使用できないほど小さい恐れがある。
排出口32の開口率が小さい場合、演奏者の呼気機能に対する負荷は大きく、かつ、呼気圧力情報が、呼気流速(流量)情報に比べて大きくなる。開口率を0%にすると、呼気流速(流量)情報の値は0になる。排出口32の開口率が大きい場合、演奏者の呼気機能に対する負荷は軽くなり、かつ、呼気圧力情報が、呼気流速(流量)情報に比べて小さくなる。開口率を100%にすると、呼気圧力情報の値は、殆ど0になる。従って、呼気圧負荷調整手段36により開口率を0%から100%まで調節可能な場合、呼気圧力情報と呼気流速(流量)情報の一方が0となり、有効な呼気情報が得られない事態が起きる。
このために、マイコン35は、圧力センサ34の出力信号と流量(流速)センサ33の出力信号をAD変換した後に比較し、呼気圧力情報と呼気流速(流量)情報の大きい方を選択して、呼気情報として出力する。
大きさの比較によらず、第1の呼気情報、第2の呼気情報の内で、所定の大きさ以上の呼気情報を出力している方を選択してもよい。つまり、選択されるどちらか一の呼気情報は、前記第1の呼気情報と第2の呼気情報の内、値が、予め格納されている閾値より大きい呼気情報であっても良い。この場合、第1の呼気情報、第2の呼気情報の両方が予め格納されている閾値より大きい場合、どちらか一方をランダムに選択されても良いし、予め決められた一の呼気情報が選択されても良い。なぜなら、最終的には、図8において示し、かつ、図9の呼気調整処理手順で説明したように、呼気調整処理手順の過程での呼気情報の最大値と最小値が、予め決められた音量制御範囲の最大音量と最小音量に対応するように変換されるから、選択される呼気情報がどちらであっても、音量制御範囲に違いは生じないからである。閾値は、第1の呼気情報、第2の呼気情報のそれぞれについて別の値を設定してもよい。また、演奏者が吹き込む呼気の強さに関わらず、第1の呼気情報、第2の呼気情報の少なくとも一方の値が、閾値を越えているように、大きすぎない閾値にすることが好ましい。
第1の呼気情報が殆ど0になるのは、排出口32の面積が吹き込み口31の面積に比較して大きく、開口率が100%の場合である、排出口32の面積を適度に小さく設計しておけば、どんな開口率であっても、ある程度以上の大きさの呼気圧力情報すなわち第1の呼気情報を得ることが可能である。また、第2の呼気情報が殆ど0になるのは、開口率を0%とした場合である。呼気が適度に排出されていれば、ある程度以上の大きさの呼気流速(流量)情報すなわち第2の呼気情報を得ることが可能である。従って、開口率などが極端な状態でなく、呼気検出部50の内部の形状が極端でない限り、第1の呼気情報と第2の呼気情報の一方が0になることはないようにできる。第1の呼気情報と第2の呼気情報が、ある程度以上の大きさ(閾値を超える大きさ)の情報である場合は、第1の呼気情報と第2の呼気情報の一方を選択するようにしてもよい。ある程度以上の大きさの情報とは、演奏者が、強い呼気を吹き込んだ場合に、10ビットの情報の最大値である1024に対して、例えば、100から200程度以上の値の情報であればよい。このような場合は、第1の呼気情報と第2の呼気情報の内、大きい方でない呼気情報を選択してもよく、何れか一方を選択すればよい。要点は、第1の呼気情報、第2の呼気情報の内で、値が常に0でない呼気情報、あるいは、実質的に0でないような呼気情報を選択すればよいことになる。
しかし、増幅器やAD変換器の雑音の影響を少なくするには、第1の呼気情報と第2の呼気情報の内、大きい方を選択するのが好ましい。
第1の呼気情報や第2の呼気情報がアナログの電気信号の場合は、上記閾値は、所定のアナログ電圧値やアナログ電圧源として電圧比較回路などに設定または格納しておき、第1の呼気情報や第2の呼気情報と閾値の比較を行うことができる。
第1の呼気情報や第2の呼気情報がデジタル符号情報の場合は、上記閾値は、デジタル値としてメモリなどにおいて設定または格納しておき、デジタル比較回路やマイコンの比較処理により、第1の呼気情報や第2の呼気情報と閾値の比較を行うことができる。
マイコン35は、圧力センサ34の出力信号と流量(流速)センサ33の出力信号をAD変換した後に、両方の情報を呼気情報変換部27に供給し、呼気情報変換部27が、(ステップS13)において、圧力に基づく呼気圧力情報と流量(流速)に基づく呼気流速(流量)情報とをメモリより読み出して比較し、大きい方の呼気情報を選択し、その呼気情報に関して、最大値と最小値を検出するようにしてもよい。
ゲイン判定としては、入力値の微小変化が、なるべく詳しく出力値に反映するように判定するために、演奏中の呼気圧力の最大圧力値と最小圧力値の出力差(=呼気圧ゲイン)と、呼気流量の最大流入値と最小流入値の出力差(=呼気流量ゲイン)の大きい方を選択するようにしてもよい。
また、圧力センサ34と流量(流速)センサ33の両センサが一定時間、無出力状態の場合を非演奏状態とし、演奏開始直後の一定時間内において試し吹きをしてゲイン判定を行うことも可能である。また、演奏が上達するにつれ、演奏中に呼気圧負荷調整装置74で排気口の開口率を変化させたり、演奏者の指などで、演奏者自身が排気口を抑えたりしてより高度な演奏を行う場合でも演奏途中でゲイン判定を行って、どちらのセンサの出力で音量制御を行うかも判定できる。この時、楽曲の連続性を考慮して、センサ出力切り替え時に大きな音量変動が起きないようにする。また、呼気圧力情報の値と呼気流速(流量)情報の値に大きな差が無い場合、呼気圧力情報を選択したり、呼気流速(流量)情報を選択したり、頻繁に切り替わる恐れがあるが、一方が十分に大きくならない限り、呼気情報の選択を切り替えないようにしてもよい。
本発明の電子楽器100のように呼気検出部50によって楽音信号を制御する場合、排出口32の開口率を0%として、演奏者が吹き込み口31より加える圧力をほぼ静止圧力とし、この圧力を増減して楽音の音量を変化させる方法の方が、演奏者の負担は少ない。なぜなら、開口率が0%の場合は、吹き込み口31を舌で塞ぐか、舌を上口蓋に当てて、歌口30内部の圧力を保ったままにすれば、鼻で息を肺に吸い込むことが出来、息切れが起こすことなく演奏が継続出来るからである。排出口32が空いている場合は、呼吸能力に障害があって、息継ぎが素早く適正に行えない場合、息の吹込みが途切れることにより、楽音信号の音量が小さくなって音楽が途切れる恐れがある。演奏者が、吹き込み口31から排出口32へ息を連続的に吹き込むには、適当な体力を必要とする。また、フルート、クラリネット、トランペットなどの自然楽器では、音響的振動を持続的に発生させるために、空気をマウスピースに持続的かつ安定的に吹き込むことが必要であるが、電子楽器の場合は、持続的振動が電子楽器の内部で電気的に生成されるため、吹き込み口31から空気を持続的に吹き込む動作は、本来必要がない。ただし、演奏者が、自然楽器を駆使する肉体的感覚を疑似体験したい場合には、空気を持続的に吹き込む動作が意味を持つ場合も有り得る。
一方、中高年者にとっては、演奏での長時間の呼気はかなりの負担になる。排気口32の開口率が大きいと負荷が大きいが、開口率が小さいと負荷は小さい。つまり、排気口32の開口率が小さい方が、楽に楽器を演奏できる。中高年者のためには、特に、この楽器を使用する初心者にとっては、排気口32の開口率が小さい方が望ましい。そして排気口32の開口率が小さい場合は圧力センサ34の信号の振幅が大きいので、この信号のみで音量制御は可能である。なお、呼吸リハビリテーションを行うことを目的として、患者が本発明の電子楽器を使用する場合、適切な呼気の負荷が必要であるが、軽い負荷、すなわち、小さな開口率から開始するのが望ましい。
上記説明では、呼気圧負荷と表現しているが、演奏者の負担になるのは、呼気を吹き込み続けることである場合が多い。この観点から言うと、呼気圧負荷の代りに、呼気流負荷と呼んでもよい。呼気圧負荷も呼気流負荷も演奏者に対する負荷であることには変わりがない。
排出口32に設ける呼気圧負荷調整手段36の構造としては、種々の構造が適用可能である。図10(A)、図10(B)、図10(C)に一例を示す。図10(A)の呼気圧負荷調整手段36aでは、歌口30の下面40の排出口32に対して呼気遮蔽板41aを当てがう構造にする。呼気遮蔽板41aの板材は左右にスライドする構造とし、開口率を可変できるようにする。板材を柔軟性のある材料として、呼気が強い場合に、排出口32から反るようにして、開口率が大きくなるようにしてもよい。図10(B)の呼気圧負荷調整手段36bでは、扇形状の呼気遮蔽板41bを歌口下面40にあてがい、呼気遮蔽板41bが回転軸42を中心に回転可能な構造とする。つまみ42を回転軸42の周りに回すと、呼気遮蔽板41bが排出口32を覆う度合いが調整でき、開口率を調整できる。図10(C)の呼気圧負荷調整手段36cでは、外形が円形形状の呼気遮蔽板41cに、図のように半径方向の開口距離が徐々に小さくなるような形状の穴を設けておき、呼気遮蔽板41cが、回転軸42を中心に回転可能な構造とする。呼気圧負荷調整手段36cによれば、開口率が小さい領域で、開口率を微細に調整しやすい構造になる。
なお、呼気情報変換部27は、(ステップS10)において割り込みを受けたときに、表示制御部22に指示して、呼気調整エリア16を点滅させて、キャリブレーションの処理中であることを演奏者に知らせ、(ステップS14)の後では、呼気情報変換部27は、表示制御部25に指示して、上記の点滅を終了するようにしてもよい。また、呼気情報変換部27は、呼気検出部50に内蔵するようにしても良い。
次に、楽譜表示を1小節毎に更新する方法について説明する。表示制御部22は、楽譜エリア12の1小節における最後の音符のエリアを示す最終音符エリア座標情報を演奏拍子検出部24に供給する。演奏拍子検出部24は、座標検出部23から供給される座標情報(Xi,Yi)と最終音符エリア座標情報とを比較し、両者が音符の音頭の直径程度に十分に近い位置にあると判定すると、小節の最後の音符が演奏されたと判断する。この判断に従い、演奏拍子検出部24は、読み出し制御部21に、次の小節を読み出すよう指示情報を発行する。読み出し制御部21は、この指示情報に基づき、これまでより1小節分進めた楽譜情報を楽曲データ記憶部20から読み出して表示制御部25に供給する。表示制御部22は、矢印エリア11bの楽譜において、次の小節を明るく表示し、楽譜エリア13に表示していた小節を楽譜エリア12の位置に配置し、楽譜エリア13の位置に新たな小節を配置する。
楽音発生部29は、特殊奏法のビブラート、タンギング、スクリームを発生するために、内部に、ビブラートの振動に対応する数Hz程度の低周波数の正弦波振動波形発生部、タンギングのアタック波形を生成するアタック波形生成部、スクリームに対応するうなり波形を生成するスクリーム波形発生部を備える。ビブラート指示情報が、楽音発生部29に供給されると、正弦波振動波形発生部の出力信号が、楽音信号の音程を変動させて、ビブラート効果を生成する。タンギング指示情報が、楽音発生部29に供給されると、アタック信号発生部の出力信号が、楽音信号の音量を変動させて、タンギング効果を生成する。アタック信号発生部の出力信号が、楽音信号の音色も変動させて、より効果的なタンギング効果を生成するようにしてもよい。スクリーム指示情報が、楽音発生部29に供給されると、スクリーム信号発生部の出力信号が、楽音信号の音色を変動させて、スクリーム効果を生成する。このような楽音信号の音量や音色の種々の変調効果自体は、電子楽器の楽音信号合成技術の分野で周知であるので、これ以上の詳しい説明は省く。
すなわち、ビブラート、タンギング、スクリームなどの特殊奏法による演奏効果を生成するために、音高、音量、音色を変化させるための時系列変化を伴う特殊奏法効果用の制御情報が電子楽器100において記憶されており、演奏者の意図したタイミングや期間で、前記特殊奏法に対応する演奏効果音が自動的に発生することになる。
なお、本実施の形態では、既に説明したように、演奏者がその音符のタッチを止めると、それまでの座標情報(Xi,Yi)がなくなり、音高情報は、楽音発生部29に供給されなくなるが、楽音発生部29は、直前の音高情報を記憶しており、Xi座標値に基づく音高の楽音信号の生成が可能になっている。従って、音符へのタッチがなくなっても、楽音発生部29では、楽音信号が途切れるということは無いように出来る。一方、このような状態で、呼気検出部50に呼気を吹き込むと、演奏者は、記憶している音高の楽音信号を、呼気の強さに応じた音量で、呼気のタイミングに発生させることが出来る。楽器名を打楽器とすれば、打楽器の演奏が出来る。打楽器の音高は、通常の打楽器では一定であるから、演奏者は、楽譜エリア12の音符をタッチしなくともよい。また、打楽器演奏では、楽譜エリア11、楽譜エリア12、楽譜エリア13の楽譜表示がなくとも演奏は可能である。逆に、楽譜エリア12の五線の位置を選択することにより、打楽器の音高を変化させて打楽器演奏に面白さを加えるようにしてもよい。
(実施の形態2)
上記実施の形態1では、第1の呼気情報と第2の呼気情報の一方を選択する、あるいは、第1の呼気情報と第2の呼気情報の内の大きいほうを選択する例について説明したが、別の方法でもよい。本実施の形態では、第1の呼気情報と第2の呼気情報に対して予め決められた演算式による演算を施して取得した呼気情報に従って、楽音信号の音量を制御する。なお、演算式の例は、加算である。ただし、演算式は、平均値や、加重平均や、重み付けした加算等でも良い。以下、主として、第1の呼気情報と第2の呼気情報を線形演算式により加算して、呼気情報を取得する例について説明する。
すなわち、圧力センサ34の出力信号と流量(流速)センサ33の出力信号の段階で加算した後、必要に応じて増幅し、AD変換してデジタル符号情報に変換する方法により、第1の呼気情報と第2の呼気情報を加算した呼気情報とする。
あるいは、圧力センサ34の出力信号を必要に応じて増幅し、流量(流速)センサ33の出力信号を必要に応じて増幅し、増幅後の2つの信号を加算した後、AD変換してデジタル符号情報に変換する方法により、第1の呼気情報と第2の呼気情報を加算した呼気情報とする。
あるいは、圧力センサ34の出力信号を必要に応じて増幅した後、AD変換し、流量(流速)センサ33の出力信号を必要に応じて増幅した後、AD変換し、AD変換した2つのデジタル符号情報を加算する方法により、第1の呼気情報と第2の呼気情報を加算した呼気情報とする。
なお、必要に応じて増幅するとは、圧力センサ34の出力信号や流量(流速)センサ33の出力信号が小さすぎる場合に、AD変換器の入力感度に合わせた適正な信号レベルに増幅することを言う。このように、第1の呼気情報と第2の呼気情報を加算するようにすれば、一方の呼気情報の大きさが0あるいは実質的に0である場合、他方は十分に大きな値であるので、加算した呼気情報が0になることがない。なお、第1の呼気情報と第2の呼気情報の加算の際のそれぞれの重みは、多少異なってもよい。すなわち、加算とは、重みを呼気情報に付加して加算することを含む概念である。
上記加算の処理には、呼気検出部50において、アナログ信号の加算回路、デジタル符号情報のための2進数の加算回路、マイコン35などによる2進数加算の手順など周知の加算方法を適用すればよい。呼気情報変換部27において加算する場合には、前記2進数の加算回路、マイコンなどによる2進数加算の手順などを適用すればよい。
演算式は、上記説明したような線形加算演算式の他に、第1の呼気情報と第2の呼気情報に対する非線形の加算演算でもよい。例えば、第1の呼気情報と第2の呼気情報を2乗、3乗、1/2乗などしてから加算するような演算式などでもよい。第1の呼気情報と第2の呼気情報を変数とする2次や3次などの多項式でもよい。言い換えると、上記演算式は、第1の呼気情報、または、第2の呼気情報の増加に応じて、絶対値が増加するような関数式(増加関数の関数式)であればよい。演算処理は、このような関数式において、第1の呼気情報と第2の呼気情報を変数として代入する処理になる。
また、第1の呼気情報と第2の呼気情報がアナログの電気信号の場合の演算式は、アナログコンピュータのようなアナログ回路によって構成される演算回路による演算式、抵抗を2本設けた回路のような簡単なアナログ加算回路により形成されるアナログの演算式などを用いればよい。第1の呼気情報と第2の呼気情報がデジタル符号情報の場合は、演算式は、デジタル演算回路により実現できる。また、演算式は、マイコンのプログラムによるデジタル演算処理によっても実現できる。
なお、上記の加算などの演算を行う点以外は、実施の形態1で説明したのと同様であるので、説明は繰り返さない。
(実施の形態3)
上記実施の形態1では、音符へのタッチがなくなっても、楽音発生部29では、楽音信号が途切れるということがないようにした。呼気情報変換部27では、図8(A)、図8(B)で説明したように、呼気情報の値が極めて小さい場合は、音量が0%になるようにした。従って、演奏を終えて、演奏者が液晶タッチパネル10から手を離し、呼気の吹込みを終えた状態で、楽器の音が出っ放しになるはない。
演奏者が、楽譜エリア12の任意の音符にタッチしている間は、Xi座標値に基づき音高情報が楽音発生部29に供給される。演奏者がその音符のタッチを止めると、それまでの座標情報(Xi,Yi)がなくなり、音高情報は、楽音発生部29に供給されなくなる。このときに、楽音発生部29は、楽音信号の生成を停止するようにしてもよい。このためには、音高情報の供給がなくなると、楽音発生部29の内部で、楽音信号の音量レベルを0%に変調するようにすればよい。また、タッチ軌跡検知部26は、音高情報の生成処理だけでなく、楽譜エリア12の座標情報(Xi,Yi)がなくなった場合に、呼気情報変換部27が出力する音量制御情報を0%や−100dBに変更させるようにしてもよい。
このような方式の場合は、図8(A)、図8(B)に示した変換特性は、EhとElの間の領域の変換特性だけがあればよい。El以下の領域の変換特性は不要である。
本実施の形態では、音符にタッチしていれば、呼気を吹き込まずとも、最低の音量の楽音信号が発生することになる。また、音符にタッチしていない状態では、呼気をどのように吹き込んでも、楽音信号は発生しないことになる。休符の演奏は、呼気検出部50によらず、音符のタッチの仕方により決定される。ただし、図8(A)、図8(B)に示した変換特性において、Elに対する音量を0%や−100dBになるような変換特性にすれば、呼気検出部50によっても休符区間の生成が可能になるが、呼気による音量の変化が大きすぎることになり、演奏は難しさが増す。
(実施の形態4)
図5の呼気検出部50aは、図3の検出部から流量(流速)センサ33を取り除いて、圧力センサ34からの呼気圧力信号のみで音量制御を行うものである。呼吸機能が低下した中高年者が、初めて本発明による電子楽器を演奏するような場合は、負担の少ないような呼気圧負荷調整手段36での排気口32の開口率調整を行った後、調整を固定し、圧力センサ34からの出力信号のみで音量制御を行ってもよい。本実施の形態の場合、開口率が大きすぎると、図5(C)のように、呼気圧力信号が小さくなりすぎるので、余り大きな開口率にならないように、排出口32の面積を吹き込み口31よりも小さめにしておくのがよい。なお、上記のように、呼吸機能が低下した中高年者が、初めて本発明による電子楽器を演奏するような場合は、開口率を小さめに設定するので、実質的に、排出口32の面積を吹き込み口31よりも小さめにした状態となる。
(実施の形態5)
図6は、図3で示した呼気検出部50に対して、ビブラート、タンギング、スクリームの3つの特殊奏法の開始、終了を楽音発生部29に指示できる特殊奏法スイッチ37を呼気検出部50の側面に具備している。特殊奏法スイッチ37を押さえると、その間、ビブラート指示情報、タンギング指示情報、スクリーム指示情報が、マイコン35から楽音発生部29の奏法制御端子宛に供給される。
特殊奏法に関しては、管楽器や弦楽器、打楽器のように種類によって異なるが、何れの効果も演奏音の音程、音量、音色の微細な時間変化であり、楽器演奏の熟練者でないと上手に演奏できない。本実施の形態の呼気検出部50bを使用すると、特殊奏法スイッチ37を押さえることにより、ビブラート指示情報、タンギング指示情報、スクリーム指示情報が楽音発生部29に供給される。従って、特殊演奏効果の加味に関しては、電子楽器100の液晶タッチパネル10上の特殊奏法指定部であるビブラートエリア17、タンギングエリア18、スクリームエリア19をタッチすることによって、特殊演奏の演奏期間を指定する場合と同じように、熟練者でなくとも、特殊奏法による楽音信号が生成できる。
図6の呼気検出部50bの実施例では、前記呼気情報やビブラート指示情報、タンギング指示情報、スクリーム指示情報を無線通信によって呼気情報変換部27や楽音発生部29に送信するための無線送信部38を具備している。呼気情報変換部27や楽音発生部29では、これらの情報を受信するための無線受信回路を内蔵するようにする。
実施の形態1においては、特殊奏法効果用の正弦波振動波形、アタック波形、スクリーム波形などの時系列変化を伴う制御情報は、楽音発生部29の内部に格納しておいたが、本実施の形態では、特殊奏法効果用の制御情報を呼気検出部50bのマイコン35に記憶しておき、特殊奏法入力スイッチ37の操作に従って、特殊奏法効果用の制御情報を読み出して、楽音発生部29に供給し、楽音発生部29は、供給された特殊奏法効果用の制御情報に従って、音高、音量、音色を変化させるようにしてもよい。
(その他の実施の形態および補足)
上記呼気検出部50における流量センサまたは流速センサは、前記空気の経路の途中に設けられた片持ち梁構造の弾性抵抗体が、演奏者によって吹き込まれる呼気流による歪みを検出するセンサにより実現できる。
呼気圧負荷調整手段36は、歌口30の下面でなく、歌口30の下部側面に設けてもよい。呼気圧負荷調整手段36は、演奏者の指であってもよい。
図2で説明した読み出し制御部21、表示制御部22、座標検出部23、表示制御部22、楽器検知部25、タッチ軌跡検知部26、奏法検知部28などは、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。読み出し制御処理、座標情報の生成処理、座標情報の比較処理などの各処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
楽音発生部29は、MIDI音源などの名称で周知の楽音発生装置やミュージックシンセサイザ装置などで実現できる。また、楽音発生用のソフトウェアを内蔵したパソコンが知られている。このようなパソコンを使用する場合、読み出し制御部21、表示制御部22、座標検出部23、表示制御部22、楽器検知部25、タッチ軌跡検知部26、呼気情報変換部27、奏法検知部28なども、パソコン内部のMPUまたはCPUとメモリとにより実現することが出来る。
上記実施の形態では、呼気検出部50の操作により得られる呼気情報は、音量制御を行うようにしたが、音量制御と共に、音色制御も行うようにしてもよい。音色制御の方法は、電子楽器の楽音合成の技術分野において周知であり、説明は省く。
上記実施の形態では、図1に示したように、楽譜上の音符をタッチして、音高を変えるようにした。特許文献2、特許文献3のように、五線紙の表示画像上を指がなぞることにより、音高と音長を決めるようにしてもよい。また、管楽器であるレコーダの演奏操作ように、円筒や棒の表面に設けたスイッチを両手で操作して、音高を選択する形態の電子楽器としてもよい。この場合、レコーダの歌口の位置に本発明の呼気検出部50を設置することになる。
また、上記の実施の形態において説明した電子楽器では、演奏者はタッチパネルをタッチすることにより、音高を変えるようにした。しかし、タッチパネルは必須ではない。つまり、演奏者は、画面上のGUIボタンや、マウスのボタンや、キーボードのキーやテンキーのキーなどの、入力手段を用いた指示(これを、タッチとも言う、こととする)をすることで、音高を変えるようにしても良い。かかる場合、ディスプレイは、CRTや、液晶ディスプレイや、有機ELや、投影型のプロジェクタなど、何でも良い。また、入力手段は、画面上のGUIボタンや、マウスや、キーボードやテンキーなど、演奏者が、音の発生タイミングを入力する手段であれば何でもよい。また、ディスプレイも必須ではない。
また、上記の実施の形態において説明した電子楽器は、音高を、白鍵、黒鍵よりなる鍵盤で選択する電子楽器などにも適用できることは言うまでもない。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
本発明にかかる電子楽器は、楽器として音楽演奏に活用するだけでなく、中高年者のような呼吸機能に障害がある人に呼吸機能を回復させるためのリハビリテーション装置として活用可能である。
本実施形態による電子楽器の外観図 本実施形態による電子楽器のブロック構成図 本実施形態による電子楽器の呼気検出部の例を示す図 本実施形態による電子楽器の特性の例を示す図 本実施形態による電子楽器の特性の別の例を示す図 本実施形態による電子楽器の呼気検出部の別の例を示す図 本実施形態による電子楽器の呼気検出部の別の例を示す図 本実施形態による電子楽器の呼気情報変換特性の例を示す図 本実施形態による電子楽器の呼気調整のフローチャート 本実施形態による電子楽器の呼気圧負荷調整手段の構造の一例を示す図
符号の説明
100 電子楽器
50、50a、50b 呼気検出部
10 液晶タッチパネル
11 楽譜エリア
12 楽譜エリア
13 楽譜エリア
14 拍子エリア
15a 矢印エリア
15 楽器名エリア
15b 矢印エリア
16 呼気調整エリア
17 ビブラートエリア
18 タンギングエリア
19 スクリームエリア
20 楽曲データ記憶部
21 読み出し制御部
22 表示制御部
23 座標検出部
24 演奏拍子検出部
25 楽器検知部
26 タッチ軌跡検知部
27 呼気情報変換部
28 奏法検知部
29 楽音発生部
30 歌口
31 吹き込み口
32 排出口
33 流量(流速)センサ
34 圧力センサ
35 マイコン
36 呼気圧負荷調整手段
37 特殊奏法入力スイッチ7
38 無線送信部
40 歌口下面
41a、41b、41c 呼気遮蔽板
42 回転軸
43 つまみ

Claims (12)

  1. 演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサとを具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報の内、どちらか一の呼気情報を選択して、出力する呼気検出部と、
    前記選択された呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、
    前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部と、を具備する電子楽器。
  2. 演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサとを具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報を出力する呼気検出部と、
    前記第1の呼気情報と第2の呼気情報の内、どちらか一の呼気情報を選択し、当該選択された呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、
    前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部と、を具備する電子楽器。
  3. 前記選択されるどちらか一の呼気情報は、前記第1の呼気情報と第2の呼気情報の内、値が、予め設定または格納されている閾値より大きい呼気情報である請求項1、請求項2いずれか記載の電子楽器。
  4. 前記選択されるどちらか一の呼気情報は、前記第1の呼気情報と第2の呼気情報の内、値の大きい方である請求項1、請求項2いずれか記載の電子楽器。
  5. 演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと、呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサとを具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報に対して予め決められた演算式による演算を施して取得した呼気情報を出力する呼気検出部と、
    前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、
    前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部を具備する電子楽器。
  6. 演奏者が呼気を吹き込む吹込み口と、吹き込んだ呼気を排出する排出口と、前記吹き込み口から前記排出口までの呼気の経路の途中に、呼気による前記経路の圧力に応じた呼気圧力信号を出力する圧力センサと、呼気の流量に応じた呼気流量信号を出力する流量センサとを具備し、前記呼気圧力信号に基づく第1の呼気情報と前記呼気流量信号に基づく第2の呼気情報を出力する呼気検出部と、
    前記第1の呼気情報と第2の呼気情報に対して予め決められた演算式による演算を施して取得した呼気情報において、最大値と最小値を検知し、前記最大値に対して最大音量を割り当て、前記最小値に対して最小音量を割り当てることにより音量制御範囲を設定し、かつ、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する呼気情報変換部と、
    前記音量制御情報に対応する音量の楽音信号を生成する楽音発生部を具備する電子楽器。
  7. 演奏者の呼気圧負荷を調整できる呼気圧負荷調整手段をさらに具備する請求項1から請求項6いずれか記載の電子楽器。
  8. 前記呼気圧負荷調整手段は、前記開口部の面積を増減する手段である請求項7記載の電子楽器。
  9. 前記流量センサの代りに、呼気の流速に応じた呼気流速信号を出力する流速センサを具備し、前記第2の呼気情報は前記呼気流速信号に基づく情報である請求項1から請求項8いずれか記載の電子楽器。
  10. 音高、音量、音色の何れかを変化させるための時系列変化を伴う特殊奏法効果用の制御情報を記憶しており、演奏者の意図したタイミングや期間で、前記特殊奏法効果用の制御情報に従い音高、音量、音色の何れかを変化させて、ビブラート、タンギング、スクリームなどの特殊奏法の演奏効果音を生成する請求項1から請求項9いずれか記載の電子楽器。
  11. 前記呼気情報変換部は、
    前記選択された呼気情報において最大値と最小値を検知し、前記最大値に対して最大音量を割り当て、前記最小値に対して最小音量を割り当てることにより音量制御範囲を設定し、かつ、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する請求項1または請求項2記載の電子楽器。
  12. 前記呼気情報変換部は、
    前記取得した呼気情報に基づき最大値と最小値を検知し、前記最大値に対して最大音量を割り当て、前記最小値に対して最小音量を割り当てることにより音量制御範囲を設定し、かつ、前記呼気情報を音量制御情報に変換して出力する請求項5または請求項6記載の電子楽器。
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