JP4985437B2 - 燃料遮断弁 - Google Patents

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本発明は、燃料タンクの上部に熱溶着され、燃料タンクと外部とを連通遮断する燃料遮断弁に関する。
従来、この種の燃料遮断弁として、ケーシング内の弁室にフロートを収納し、給油時にケーシングの下端の開口に燃料液位が達したときに、弁室内に燃料を導き入れ、フロートの上昇により外部への通路を遮断する構成が知られている(特許文献1)。すなわち、ケーシングは、接続通路および通気孔を有する筒状のケーシング本体と、ケーシング本体の下側に装着された下蓋と、ケーシング本体の上部に装着された上蓋とを備え、その内部スペースを弁室としている。弁室内には、燃料液面に応じて昇降するフロートが収納されており、給油時にフロートの上昇により、接続通路を閉じて、燃料の外部への流出を防止している。そして、給油が終了した後に、通気孔を介して弁室へ気体が流入することにより、弁室内の燃料液位を下げつつフロートが下降して接続通路を開くことで、燃料タンク内の外部への通気を確保している。
こうした燃料遮断弁は、蓋体のフランジ部に形成された溶着部を燃料タンクのタンク開口の周縁部に熱溶着することにより燃料タンクに装着されている。しかし、燃料遮断弁を燃料タンクに熱溶着すると、蓋体および燃料タンクにおける溶着部で溶融した樹脂が、ケーシング本体に向けて流れ、ケーシング本体に形成された通気孔を塞ぐ場合があった。
特開2007−92834
本発明は、上記従来の技術の問題点を解決することを踏まえ、ケーシングを燃料タンクに溶着するときに生じる溶融樹脂がケーシングに設けた通気孔を塞ぐのを防止した燃料遮断弁を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
適用例1は、燃料タンクの上部に装着され、燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部通路とを連通遮断する燃料遮断弁において、
上記接続通路および弁室を形成するケーシングと、
上記弁室内に収納され該弁室内の燃料液位により昇降することで上記接続通路を開閉するフロート機構と、
を備え、
上記ケーシングは、燃料タンクに溶着される溶着部を有する上蓋と、該上蓋の下部に配置された円筒状の側壁部を有するケーシング本体とを備え、
上記ケーシング本体は、上記側壁部に貫通形成され上記弁室と燃料タンク内とを連通する通気孔と、上記側壁部の外壁でありかつ上記通気孔の周辺部に突設され上記上蓋の溶着部を燃料タンクに溶着したときに生じる溶融樹脂が上記通気孔に向かうのを堰き止める防護壁とを備え、該防護壁は、上記通気孔を囲むように突設されていること、を特徴とする。

適用例1に記載の燃料遮断弁によれば、燃料タンク内の燃料液位が上昇すると、燃料タンク内の燃料蒸気が、通気孔、弁室、接続通路を通じて外部へ流出する。そして、燃料タンク内に燃料が所定の液位に達すると、フロート機構が上昇して接続通路を閉じ、これにより、燃料タンクの燃料が外部へ流出するのを防止する。また、ケーシングの上蓋は、燃料タンクのタンク上壁に溶着されている。溶着作業の際に、側壁部の防護壁は、上蓋と燃料タンクとを溶着する際に発生する溶融樹脂が通気孔へ向かっても、これを堰き止め、通気孔を塞がない。よって、通気孔の本来の作用、つまり燃料タンクと弁室との通気を確保する作用を損なうことがない。
[適用例2]
適用例2の防護壁は、該防護壁の突部先端が溶融樹脂に接触しても上記燃料タンク内から上記通気孔への通路が形成されるように突設されている構成をとることができる。
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。
(1) 燃料遮断弁10の概略構成
図1は本発明の一実施例にかかる燃料タンクの上部に装着した燃料遮断弁10を示す断面図である。図1において、燃料タンクFTは、その表面がポリエチレンを含む複合樹脂材料から形成されており、そのタンク上壁FTaに取付穴FTbが形成されている。このタンク上壁FTaには、燃料遮断弁10がその下部を取付穴FTbに突入した状態にて取り付けられている。燃料遮断弁10は、給油時に燃料タンクFT内の燃料が、第1の液位FL1まで上昇したときにキャニスタへの流出を規制するとともにオートストップを機能させ、また、車両の傾斜時などにより第2の液位FL2まで上昇したときにキャニスタへの流出を規制する。
(2) 燃料遮断弁10の各部の構成
燃料遮断弁10は、ケーシング20と、フロート機構60と、スプリング70とを主要な構成として備えている。ケーシング20は、ケーシング本体30と、下蓋35と、ケース内体40と、上蓋50とを備えており、ケース内体40内のスペースが弁室40Sになっており、この弁室40Sにフロート機構60が収納されている。フロート機構60は、スプリング70に支持されている。
ケーシング20を構成する各々の部材は、耐燃料膨潤性、耐燃料透過性および熱溶着性を考慮して以下の樹脂材料を用いている。すなわち、ケーシング本体30、下蓋35おいよびケース内体40は、ポリアミドから形成されている。また、上蓋50を構成する樹脂材料として、内層部50L1がケーシング本体30との熱溶着性および耐燃料透過性を考慮してポリアミドを用い、外層部50L2が内層部50L1および燃料タンクFTとの溶着性を考慮して極性官能基(マレイン酸)を有するポリエチレン(変性ポリエチレン)を用いている。すなわち、外層部50L2を形成する変性ポリエチレンは、ポリエチレンを含むから燃料タンクFTに熱溶着され、また、極性官能基を有するポリアミドに反応接着する。したがって、ケーシング20を構成するケーシング本体30、上蓋50の内層部50L1および外層部50L2は、熱溶着または反応接着により一体化し、また、外層部50L2の溶着部を介して燃料タンクFTに熱溶着する。
図2は燃料遮断弁10を分解して示す断面図である。ケーシング本体30は、円筒形状の側壁部31と、側壁部31の上部を覆うように形成されたケース上壁32とを備えている。側壁部31の上部には、上蓋50に溶着するためのフランジ31aが形成されている。図3はケーシング本体30およびケース内体40を組み付ける前の状態を示す斜視図、図4はケーシング20を斜め下方から見た斜視図である。側壁部31には、通気孔31bが形成されている。通気孔31bは、ケース内体40と燃料タンクFTとを連通するためであり、側壁部31に2箇所形成されており、その直径φが1.6mmである。通気孔31bの外周側には、防護壁31cが形成されている。防護壁31cは、後述するように、上蓋50を燃料タンクFTに溶着するときに生じるバリが、通気孔31bを塞ぐのを防止するためであり、通気孔31bを囲むように側壁部31の外壁から突設され、その内径が10mm、厚さ1.5mm、高さ2mmである。また、高さは、好ましくは1〜3mm、さらに好ましくは1.5mmである。
図2において、ケース上壁32は、傘状の上壁本体32aを備えており、その中央部が接続通路32bになっている。接続通路32bに臨んだ下部の開口周縁部がシール部32cになっている。また、接続通路32bに臨んだ上部の開口周縁部が燃料を戻すための防壁32dになっている。
下蓋35は、筒状のケース下体本体36と、ケース下体本体36の下部に形成された縮径部37と、導入管38とを備えている。縮径部37の内側面には、台座37a(図5参照)が4箇所形成されている。導入管38は、その開口が導入開口38aになっている。導入開口38aは、燃料タンクFTの満タン液位を定める所定液位FL1(図1参照)に設定されている。
ケース内体40は、円筒状の側壁部41と、側壁部41の下部に形成された底壁部42とにより囲まれたカップ形状であり、その内側スペースが弁室40S内になっている。側壁部41は、ケーシング本体30との間であって収納室30Sの一部を、上昇気流でフロート機構60を上昇させないための通気路41P(図1参照)を形成している。図3に示すように、側壁部41の上部には、位置決め突起41aが周方向に90゜の間隔で4個形成されている。位置決め突起41aは、通気路41Pを跨って、ケーシング本体30の側壁部31の内壁に近接する位置まで、つまりケース内体40の側壁部41をケーシング本体30内に挿入する際に、ケーシング本体30の内壁に対して該挿入のための許容寸法を隔てる位置まで突設されている。許容寸法として、成形精度、組付精度を考慮して、0.1〜0.5mmに設定することが好ましい。また、位置決め突起41aは、通気孔31bを流れる流路抵抗を増さないように通気孔31bよりやや下方に配置されている。
また、図2に示すように、底壁部42の上部には、スプリング70を支持するスプリング支持部42bが形成されている。
ケーシング20は、ケーシング本体30の下部と下蓋35の上部で、ケース内体40を挟持するケーシング連結機構により一体化されている。図5はケーシング20を分解した斜視図、図6は図1の6−6線に沿った断面図、図7は図6の7−7線に沿った断面図、図8は図6の8−8線に沿った断面図、図9は図6の9−9線に沿った断面図である。ケーシング連結機構は、ケーシング本体30の下部に形成された本体側連結部33と、下蓋35の上部に形成された下蓋側連結部39と、ケース内体40の下部に形成された内ケース側連結部43とにより構成されている。
本体側連結部33は、ケーシング本体30の側壁部31の下部に径外方へ延設されている。本体側連結部33の下面は、接合面33aになっており、また、ケーシング本体30の軸方向に本体側規制部33bが突設されている。
下蓋側連結部39は、下蓋35のケース下体本体36の上部から径外方へ延設された外側拡張部39aを備えている。外側拡張部39aの上面は、本体側連結部33の接合面33aに接合される接合面39bになっている。下蓋側連結部39の内周部には、ケース内体40の下部を保持するための嵌合凹所39cおよびその下方に係合部39dが形成されている。また、下蓋側連結部39には、内ケース側連結部43を位置決めするための下蓋規制部39eが上方に向けて突設されている。
内ケース側連結部43は、ケース内体40の側壁部41の下部から径外方へ延設されている。内ケース側連結部43の外周部には、下蓋35の下蓋側連結部39に位置決めするための第1内ケース規制部43a、およびケーシング本体30の本体側連結部33を位置決めするための第2内ケース規制部43bがそれぞれ形成されている。また、内ケース側連結部43の外周部には、係合部39dに係合する係合突部43cが形成されている。
ケーシング連結機構の構成により、図7に示すように、内ケース側連結部43が下蓋側連結部39の嵌合凹所39cに嵌合するとともに、係合突部43cが係合部39dに係合することで、ケース内体40が下蓋35に保持される。また、図5および図8に示すように、内ケース側連結部43の第1内ケース規制部43aが下蓋側連結部39の下蓋規制部39eに係合することで、ケース内体40が下蓋35に対して回り止めされる。また、図9に示すように、内ケース側連結部43の第2内ケース規制部43bに本体側連結部33の本体側規制部33bが軸方向へ突入することでケーシング本体30がケース内体40および下蓋35に対して位置決めされる。
図2において、上蓋50は、蓋本体51と、蓋本体51の中央から側方へ突出した管体部52と、蓋本体51の外周に形成されたフランジ53とを備え、これらを一体に形成している。管体部52内には、管通路52aが形成されており、この管通路52aの一端は、接続通路32bを通じて弁室40Sに接続され、他端はキャニスタ(図示省略)側に接続される。蓋本体51の下部の内周側には、ケーシング本体30のフランジ31aに溶着される内側溶着部51aが形成され、また、フランジ53の下端部には、燃料タンクFTのタンク上壁FTaに溶着される溶着部53aが形成されている。
図10はフロート機構60を分解した断面図である。フロート機構60は、フロート61と、フロート61の上部に配置されたアッパーフロート65とを備えている。フロート61は、下方に開放した浮力室61Sを有するフロート本体62と、フロート本体62の上部から突設されたアッパーフロート65を抜け止めするための鍔部63とを備えている。フロート61の中央上部には、弁部61aが突設されている。フロート本体62の下部外周には、ガイド突条62aが形成されている。ガイド突条62aは、フロート本体62の側壁に8カ所、上下方向にリブ形状に突設されている。フロート61は、底壁部42(図2参考)と浮力室61Sの上面との間で掛け渡されたスプリング70により支持されている。
アッパーフロート65は、再開弁特性を改善するための弁であり、フロート61の上部に昇降可能に支持されており、円板65aの中央に、弁部61aで開閉される連通孔65bが形成されている。連通孔65bの下端は、シール部65cになっている。また、円板65aの外周下端には、鍔部63の外周部に係合する係合爪65dが突設されている。アッパーフロート65の上部には、ゴム製の弁体67が装着され、この弁体67がシール部32c(図2)に着離する。
(3) 燃料遮断弁10の組付および取付作業
(3)−1 組付作業
図5において、燃料遮断弁10を組み付けるには、まず、ケース内体40の内ケース側連結部43を下蓋35の下蓋側連結部39の嵌合凹所39cに保持することでケース内体40を下蓋35に仮組する。このとき、内ケース側連結部43の第1内ケース規制部43aを下蓋側連結部39の下蓋規制部39eに係合する。これにより、ケース内体40が下蓋35に対して、回転が規制された状態にて仮組される。次に、ケース内体40の弁室40S内にフロート機構60およびスプリング70を収納する。続いて、下蓋35にケーシング本体30を組み付ける。すなわち、下蓋35の接合面39bにケーシング本体30の接合面33aを合わせる。このとき、本体側規制部33bを第2内ケース規制部43bに挿入する。これにより、ケーシング本体30が下蓋35に対して位置ズレが規制された状態にて仮止めされる。
この状態にて、ケース内体40の位置決め突起41aが通気路41Pを跨って、ケーシング本体30の側壁部31の内壁に近接して配置されることで、ケース内体40がケーシング本体30に対して大きな軸ズレを生じないように配置される。
そして、下蓋35と本体側連結部33との接合面33a、接合面39bに向けてレーザーを照射することで下蓋側連結部39と本体側連結部33とを溶着する。これにより、下蓋35、ケース内体40およびケーシング本体30が一体化される。続いて、ケーシング本体30のフランジ31aを上蓋50の内側溶着部51aに合わせて、レーザーを照射することで、溶着一体化する。
(3)−2 取付作業
次に燃料遮断弁10を燃料タンクFTのタンク上壁FTaに溶着する作業について説明する。図11(A)において、上蓋50の溶着部53aの下端を熱板(図示省略)により溶融するとともに、燃料タンクFTのタンク開口FTcの周囲に沿って熱板(図示省略)により溶融して溶着面FTdとする。溶着面FTdに溶着部53aを溶着面FTdに押しつける。溶着部53aと溶着面FTdとが共にポリエチレンで形成されているので、冷却固化すると両者が互いに溶着する。このとき、図11(B)に示すように、上蓋50の溶着部53aおよび溶着面FTdは、熱的変形することで、径方向の内方および外方へ溶融した樹脂が張り出して固化することで溶着接合部Wbとなる。この溶着接合部Wbは、溶融しているときの樹脂がタンク開口FTcを通じて、側壁部31の通気孔31bの方に向かっても、防護壁31cによって堰き止められる。このとき、図11(C)に示すように、溶着接合部Wbが防護壁31cの突部先端に接触しても、燃料タンクから通気孔31bへの通路が確保され、通気孔31bを塞がない。
(4) 燃料遮断弁10の動作
(4)−1 給油時における燃料遮断弁10の動作について説明する。図1に示すように、給油により燃料タンクFT内に燃料が供給されると、燃料タンクFT内の燃料液位の上昇につれて燃料タンクFT内の上部に溜まっていた燃料蒸気は、導入管38を通じて弁室40S内に入り、弁室40Sから接続通路32b、管通路52aを通じて、キャニスタ側へ逃がされる。そして、燃料タンクFT内の燃料液位が所定液位FL1に達すると、燃料は導入開口38aを塞ぐことにより、燃料タンクFT内のタンク内圧が上昇する。このタンク内圧の上昇に伴う液位の上昇を給油ガンのセンサが感知することで、給油ガンの給油を停止するオートストップを働かせる。この状態では、タンク内圧と弁室40S内の圧力との差圧が大きくなり、燃料が導入管38、連通孔42aを通じて、弁室40Sに流入する。そして、図12に示すように弁室40S内の燃料液位が所定高さに達すると、フロート61の浮力およびスプリング70の荷重による上方への力と、フロート61およびアッパーフロート65の自重による下方への力との釣り合いによって、前者が後者を上回ったときにフロート61とアッパーフロート65とが一体になって上昇して、弁体67がシール部32cに着座して接続通路32bを閉じる。これにより、燃料タンクFTへの給油の際等に、燃料タンクFTから燃料蒸気を逃がすとともに燃料が燃料タンクFT外へ流出するのを防止することができる。
一方、図13に示すように、燃料タンクFTの燃料液位が低下して、弁室40S内の燃料が導入管38を通じて排出されると、通気孔31bを通じて燃料タンクから弁室40S内に燃料蒸気が導入されることで、弁室40S内の燃料液位が下降することで、フロート61は、その浮力を減少して下降する。これにより、弁部61aがシール部65cから離座して連通孔65bを開ける。連通孔65bの連通によりアッパーフロート65の下方の圧力は、接続通路32bの付近とほぼ同じ圧力になることで、アッパーフロート65の閉弁する力が小さくなり、鍔部63が係合爪65dに係合することで、アッパーフロート65を引き下げ、弁体67がシール部32cから離れて、接続通路32bが開かれる。このように、連通孔65bの通路面積を接続通路32bの通路面積より小さく設定することで、アッパーフロート65は、小さな力で開弁する。こうしたアッパーフロート65による2段の弁構造により、再開弁特性の向上を促進するように機能する。
(4)−2 車両の傾斜時など
車両の傾斜時などにおける燃料遮断弁10の動作について説明する。燃料タンクFT内は、導入管38、通気孔31b、弁室40S、通気路41P、接続通路32b、管通路52aを通じて外部(キャニスタ)へ通気している。この状態にて、車両の傾斜などにより、燃料タンクFTへの燃料液位が徐々に上昇して第2の液位FL2に達すると、導入開口38aを通じて、燃料が弁室40Sに流入し、フロート機構60を浮上させる浮力を与える。フロート機構60の上昇によりアッパーフロート65が接続通路32bを閉塞することにより、燃料タンクFTからの燃料の流出を防止する。
(5) 燃料遮断弁10の作用・効果
上記実施例にかかる燃料遮断弁10により、以下の作用効果を奏する。
(5)−1 図5において、ケーシング20の仮組の際に、ケース内体40は、ケーシング本体30の下部と下蓋35の上部でそれぞれ軸方向および周方向に位置決めされ、しかも、ケーシング本体30に対する位置ズレも防止することにより、3つの部材が共同して確実に位置決めされる。すなわち、ケース内体40は、内ケース側連結部43が下蓋35の嵌合凹所39cに収納されることで下蓋35に対して軸方向へ位置決めされるとともに、第2内ケース規制部43bが下蓋規制部39eに係合することで、下蓋35に対して周方向へ位置決めされ、さらに、第2内ケース規制部43bにケーシング本体30の本体側規制部33bが係合することで、ケーシング本体30を位置決めする。よって、下蓋35、ケース内体40およびケーシング本体30の仮組みは、簡単に行なうことができ、レーザー溶着の際の位置ズレをなくし、溶着作業の効率化を図ることができる。このように、ケーシング20は、精度よく一体化できることから、ケーシング本体30のシール部32cの中心を、ケース内体40に収納されるフロート機構60の軸心に高い精度で一致させることができ、よってシール性を向上させることができる。
(5)−2 上蓋50および下蓋35が溶着されるケーシング本体30の箇所を、ケーシング本体30の上部と下部とに分けて配置しているので、ケーシング本体の上部で、2箇所の溶着部が径方向に重なって形成されず、燃料遮断弁10の外径を小さくできる。よって、燃料タンクFTの取付穴FTbを小径にしても、本実施例の燃料遮断弁10はその下部を挿入してタンク上壁FTaに固定することができる。
(5)−3 ケーシング連結機構は、内ケース側連結部43に第1内ケース規制部43aおよび第2内ケース規制部43bとして切欠きを形成し、本体側連結部33および下蓋側連結部39の接合面33a,39bとなる箇所に突起を形成しているので、接合箇所の機械的強度を低下させることなく、接合強度を高めることができる。
(5)−3 図3に示すように、側壁部41の上部には、位置決め突起41aが周方向に90゜の間隔で4つ形成されている。図1に示すように、位置決め突起41aは、通気路41Pを跨って、ケーシング本体30の側壁部31の内壁に近接する位置まで、つまり僅かなギャップを隔てる位置まで突設されており、ケース内体40の軸ズレを防止している。よって、ケース内体40が燃料膨潤や車両の振動を要因として経年変化により、傾こうとする力が加わっても、位置決め突起41aが側壁部31の内壁に当たってケーシング本体30に対して大きな軸ズレを生じない。
したがって、ケース内体40は、ケーシング本体30に対して、フロート機構60に軸ズレを生じないでガイドし、アッパーフロート65がシール部32cに高いシール性で着離するから、高いシール性が得られる。
(5)−4 ケース内体40は、ケーシング本体30内に仮組みされると、位置決め突起41aが側壁部31の内壁に対して所定の許容寸法以内で芯合わせされた状態になり、この状態にてレーザー溶着される。したがって、ケース内体40がケーシング本体30に、高い精度で芯合わせされて組み付けることができ、よってフロート機構60がシール部32cに軸ズレを生じないで着座し、高いシール性が得られる。
(5)−5 図11に示すように、側壁部31の防護壁31cは、溶着作業の際に、溶着部53aおよび溶着面FTdにおける溶融した樹脂が通気孔31bの方へ向かっても、これを堰き止め、通気孔31bを塞がない。よって、通気孔31bの本来の作用、つまり燃料タンクFTの燃料液位が低下に伴って弁室40Sに気体を導入する作用、および燃料液位が第1の液位FL1の付近において通気孔31bを通じて外部への通気を確保する作用を損なうことがない。
(6) 他の実施例
この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(6)−1 上記実施例において、第1内ケース規制部43aと第2内ケース規制部43bは、内ケース側連結部43の外周部を切り欠いた凹所とし、下蓋規制部39eを突起および本体側規制部33bを突起としたが、これに限らず、第1内ケース規制部43aおよび第2内ケース規制部43bを突起に、下蓋規制部39eおよび本体側規制部33bを凹所に形成してもよく、3つの部材を互いに位置決めできる構成であれば、特に限定されない。
(6)−2 上記実施例において、図3に示すように防護壁31cは、通気孔31bを囲む円形としたが、これに限らず、その作用を果たす限り、種々の形状をとることができる。例えば、図14に示すように、通気孔31Bbの上方が半円で、両側が上下方向の平行な壁とした防護壁31Bcや、図15に示すように、通気孔31Cbの両側が上下方向の平行な壁とした防護壁31Ccや、図16に示すように、通気孔31Dbの上方を覆うように通気孔31Dbの上方を覆う傘のような防護壁31Dcであってもよい。
(6)−3 上記実施例において、ケース内体40の位置決め突起41aは、図3に示すようにケース内体40の上部外周に形成したが、これに限らず、図17に示すように、位置決め突起31Eaは、ケーシング本体30Eの側壁部31Eの上部に形成し、ケース内体40Eの側壁部41Eは単に円筒としてもよく、これによっても、ケース内体40Eをケーシング本体30E内で芯ズレを生じないように配置することができる。
(6)−4 通気孔の周辺部に防護壁を適用することができる燃料遮断弁としては、上記実施例のような満タン規制弁の他、車両の傾斜時に燃料タンク内の燃料の外部への流出を規制する、いわゆるロールオーバー弁であってもよい。
本発明の一実施例にかかる燃料タンクの上部に装着した燃料遮断弁を示す断面図である。 燃料遮断弁を分解して示す断面図である。 ケーシング本体およびケース内体を組み付ける前の状態を示す斜視図である。 ケーシングを斜め下方から見た斜視図である。 ケーシングを分解した斜視図である。 図1の6−6線に沿った断面図である。 図6の7−7線に沿った断面図である。 図6の8−8線に沿った断面図である。 図6の9−9線に沿った断面図である。 フロート機構を分解した断面図である。 燃料遮断弁の溶着作業を説明する説明図である。 燃料遮断弁の動作を説明する説明図である。 図12に続く動作を説明する説明図である。 他の実施例にかかるケーシングを斜め下方から見た斜視図である。 さらに他の実施例にかかるケーシングを斜め下方から見た斜視図である。 別の実施例にかかるケーシングを斜め下方から見た斜視図である。 さらに別の実施例にかかるケーシング本体およびケース内体を組み付ける前の状態を示す斜視図である。
符号の説明
10…燃料遮断弁
20…ケーシング
30…ケーシング本体
30E…ケーシング本体
30S…収納室
31…側壁部
31E…側壁部
31a…フランジ
31b…通気孔
31c…防護壁
31Bb…通気孔
31Bc…防護壁
31Cb…通気孔
31Cc…防護壁
31Db…通気孔
31Ea…位置決め突起
31Dc…防護壁
32…ケース上壁
32a…上壁本体
32b…接続通路
32c…シール部
32d…防壁
33a,39b…接合面
33…本体側連結部
33b…本体側規制部
35…下蓋
36…ケース下体本体
37…縮径部
37a…台座
38…導入管
38a…導入開口
39…下蓋側連結部
39a…外側拡張部
39c…嵌合凹所
39d…係合部
39e…下蓋規制部
40…ケース内体
40E…ケース内体
40S…弁室
41…側壁部
41E…側壁部
41P…通気路
41a…位置決め突起
42…底壁部
42a…連通孔
42b…スプリング支持部
43…内ケース側連結部
43a…第1内ケース規制部
43b…第2内ケース規制部
43c…係合突部
50…上蓋
50L1…内層部
50L2…外層部
51…蓋本体
51a…内側溶着部
52…管体部
52a…管通路
53…フランジ
53a…溶着部
60…フロート機構
61…フロート
61S…浮力室
61a…弁部
62…フロート本体
62a…ガイド突条
63…鍔部
65…アッパーフロート
65a…円板
65b…連通孔
65c…シール部
65d…係合爪
67…弁体
70…スプリング
FT…燃料タンク
FTa…タンク上壁
FTb…取付穴
FTc…タンク開口
FTd…溶着面
Wb…溶着接合部

Claims (2)

  1. 燃料タンク(FT)の上部に装着され、燃料タンク(FT)内と外部とを接続する接続通路(32b)を開閉することで燃料タンク(FT)と外部通路とを連通遮断する燃料遮断弁において、
    上記接続通路(32b)および弁室(40S)を形成するケーシング(20)と、
    上記弁室(40S)内に収納され該弁室(40S)内の燃料液位により昇降することで上記接続通路(32b)を開閉するフロート機構(60)と、
    を備え、
    上記ケーシング(20)は、燃料タンク(FT)に溶着される溶着部(53a)を有する上蓋(50)と、該上蓋(50)の下部に配置された円筒状の側壁部(31)を有するケーシング本体(30)とを備え、
    上記ケーシング本体(30)は、上記側壁部(31)に貫通形成され上記弁室(40S)と燃料タンク(FT)内とを連通する通気孔(31b)と、上記側壁部(31)の外壁でありかつ上記通気孔(31b)の周辺部に突設され上記上蓋(50)の溶着部(53a)を燃料タンク(FT)に溶着したときに生じる溶融樹脂が上記通気孔(31b)に向かうのを堰き止める防護壁(31c)とを備え、該防護壁(31c)は、上記通気孔(31b)を囲むように突設されていること、
    を特徴とする燃料遮断弁。
  2. 請求項1に記載の燃料遮断弁において、
    上記防護壁(31c)は、該防護壁(31c)の突部先端が上記溶融樹脂に接触しても上記燃料タンク内から上記通気孔(31b)への通路が形成されるように突設されている燃料遮断弁。
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