以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態の外気調和機(10)は、室内の湿度調節と共に室内の換気を行うものであって、換気装置を構成している。この外気調和機(10)は、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節して室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を室外に排出する。
〈外気調和機の全体構成〉
外気調和機(10)について、図1,図2を適宜参照しながら説明する。なお、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、外気調和機(10)を前面側から見た場合の方向を意味している。
外気調和機(10)は、ケーシング(11)を備えている。また、ケーシング(11)内には、冷媒回路(50)が収容されている。この冷媒回路(50)には、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が接続されている。冷媒回路(50)の詳細は後述する。
ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。図1に示すケーシング(11)では、左手前の側面(即ち、前面)が前面パネル部(12)となり、右奥の側面(即ち、背面)が背面パネル部(13)となり、右手前の側面が第1側面パネル部(14)となり、左奥の側面が第2側面パネル部(15)となっている。
ケーシング(11)には、外気吸込口(24)と、内気吸込口(23)と、給気口(22)と、排気口(21)とが形成されている。外気吸込口(24)及び内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)に開口している。外気吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に配置されている。内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に配置されている。給気口(22)は、第1側面パネル部(14)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、第2側面パネル部(15)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)と、第1仕切板(74)と、第2仕切板(75)とが設けられている。これらの仕切板(71〜75)は、何れもケーシング(11)の底板に立設されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で、ケーシング(11)の前後方向に所定の間隔をおいて配置されている。上流側仕切板(71)は、背面パネル部(13)寄りに配置されている。下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)寄りに配置されている。
第1仕切板(74)及び第2仕切板(75)は、第1側面パネル部(14)及び第2側面パネル部(15)と平行な姿勢で設置されている。第1仕切板(74)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を右側から塞ぐように、第1側面パネル部(14)から所定の間隔をおいて配置されている。第2仕切板(75)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左側から塞ぐように、第2側面パネル部(15)から所定の間隔をおいて配置されている。
中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と直交する姿勢で、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間に配置されている。中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)から下流側仕切板(72)に亘って設けられ、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左右に区画している。
ケーシング(11)内において、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間は、上下2つの空間に仕切られており、上側の空間が内気側通路(32)を構成し、下側の空間が外気側通路(34)を構成している。内気側通路(32)は、内気吸込口(23)に接続するダクトを介して室内と連通している。内気側通路(32)には、内気側フィルタ(27)と内気湿度センサ(96)と内気温度センサ(98)とが設置されている。外気側通路(34)は、外気吸込口(24)に接続するダクトを介して室外空間と連通している。外気側通路(34)には、外気側フィルタ(28)と外気湿度センサ(97)と外気温度センサ(99)とが設置されている。
内気湿度センサ(96)は、内気側通路(32)へ流入した室内空気の相対湿度を計測する。内気温度センサ(98)は、内気側通路(32)へ流入した室内空気の温度を計測する。この内気温度センサ(98)は、室内の気温を検出する室内温度検出手段を構成している。外気湿度センサ(97)は、外気側通路(34)へ流入した室外空気の相対湿度を計測する。外気温度センサ(99)は、外気側通路(34)へ流入した室外空気の温度を計測する。この外気温度センサ(99)は、室外の気温を検出する室外温度検出手段を構成している。
ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されており、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している。第1熱交換器室(37)には、第1吸着熱交換器(51)が収容されている。第2熱交換器室(38)には、第2吸着熱交換器(52)が収容されている。また、図示しないが、第1熱交換器室(37)には、冷媒回路(50)の電動膨張弁(55)が収容されている。
各吸着熱交換器(51,52)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤を担持させたものであって、全体として長方形の厚板状あるいは扁平な直方体状に形成されている。各吸着熱交換器(51,52)は、吸着剤を空気と接触させる吸着ユニットを構成している。各吸着熱交換器(51,52)は、その前面及び背面が上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と平行になる姿勢で、熱交換器室(37,38)内に立設されている。
ケーシング(11)の内部空間において、下流側仕切板(72)の前面に沿った空間は、上下に仕切られており、この上下に仕切られた空間のうち、上側の部分が給気側通路(31)を構成し、下側の部分が排気側通路(33)を構成している。
上流側仕切板(71)には、開閉式のダンパ(41〜44)が4つ設けられている。各ダンパ(41〜44)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち内気側通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられる。また、上流側仕切板(71)のうち外気側通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられる。
下流側仕切板(72)には、開閉式のダンパ(45〜48)が4つ設けられている。各ダンパ(45〜48)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられる。また、下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられる。
ケーシング(11)内において、給気側通路(31)及び排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間は、仕切板(77)によって左右に仕切られており、仕切板(77)の右側の空間が給気ファン室(36)を構成し、仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。
給気ファン室(36)には、給気ファン(26)が収容されている。また、排気ファン室(35)には排気ファン(25)が収容されている。給気ファン(26)及び排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。給気ファン(26)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を給気口(22)へ吹き出す。排気ファン(25)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を排気口(21)へ吹き出す。
給気ファン室(36)には、冷媒回路(50)の圧縮機(53)と四方切換弁(54)とが収容されている。圧縮機(53)及び四方切換弁(54)は、給気ファン室(36)における給気ファン(26)と仕切板(77)との間に配置されている。
ケーシング(11)内において、第1仕切板(74)と第1側面パネル部(14)の間の空間は、第1バイパス通路(81)を構成している。第1バイパス通路(81)の始端は、外気側通路(34)だけに連通しており、内気側通路(32)からは遮断されている。第1バイパス通路(81)の終端は、仕切板(78)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び給気ファン室(36)から区画されている。仕切板(78)のうち給気ファン室(36)に臨む部分には、第1バイパス用ダンパ(83)が設けられている。
ケーシング(11)内において、第2仕切板(75)と第2側面パネル部(15)の間の空間は、第2バイパス通路(82)を構成している。第2バイパス通路(82)の始端は、内気側通路(32)だけに連通しており、外気側通路(34)からは遮断されている。第2バイパス通路(82)の終端は、仕切板(79)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び排気ファン室(35)から区画されている。仕切板(79)のうち排気ファン室(35)に臨む部分には、第2バイパス用ダンパ(84)が設けられている。
なお、図2の右側面図及び左側面図では、第1バイパス通路(81)、第2バイパス通路(82)、第1バイパス用ダンパ(83)、及び第2バイパス用ダンパ(84)の図示を省略している。
〈冷媒回路の構成〉
図3に示すように、冷媒回路(50)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(50)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。冷媒回路(50)は、調湿手段を構成している。
冷媒回路(50)において、圧縮機(53)は、その吐出側が四方切換弁(54)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(54)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)と電動膨張弁(55)と第2吸着熱交換器(52)とが、四方切換弁(54)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に接続されている。
四方切換弁(54)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図3(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図3(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。
冷媒回路(50)において、圧縮機(53)の吐出側と四方切換弁(54)の第1のポートとを繋ぐ配管には、高圧圧力センサ(91)と、吐出管温度センサ(93)とが取り付けられている。高圧圧力センサ(91)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の圧力を計測する。吐出管温度センサ(93)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の温度を計測する。
また、冷媒回路(50)において、圧縮機(53)の吸入側と四方切換弁(54)の第2のポートとを繋ぐ配管には、低圧圧力センサ(92)と、吸入管温度センサ(94)とが取り付けられている。低圧圧力センサ(92)は、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の圧力を計測する。吸入管温度センサ(94)は、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の温度を計測する。
また、冷媒回路(50)において、四方切換弁(54)の第3のポートと第1吸着熱交換器(51)とを繋ぐ配管には、配管温度センサ(95)が取り付けられている。配管温度センサ(95)は、この配管における四方切換弁(54)の近傍に配置され、配管内を流れる冷媒の温度を計測する。
〈コントローラの構成〉
外気調和機(10)には、コントローラ(60)が設けられている。図1及び図2では省略されているが、ケーシング(11)の前面パネル部(12)には電装品箱が取り付けられており、この電装品箱に収容された制御基板がコントローラ(60)を構成している。
図9に示すように、コントローラ(60)には、外気絶対湿度算出部(61)と、外気露点温度算出部(62)と、運転指令入力部(63)と、換気制御部(64)とが設けられている。また、コントローラ(60)には、内気湿度センサ(96)、内気温度センサ(98)、外気湿度センサ(97)、及び外気温度センサ(99)の計測値が入力されている。更に、コントローラ(60)には、冷媒回路(50)に設けられた各センサ(91,92,…)の計測値が入力されている。コントローラ(60)は、入力されたこれらの計測値に基づいて、外気調和機(10)の運転制御を行う。
外気絶対湿度算出部(61)は、外気湿度センサ(97)が計測した室外空気の相対湿度と、外気温度センサ(99)が計測した室外空気の温度とを用いて、室外空気の絶対湿度を算出する。一方、外気露点温度算出部(62)は、外気絶対湿度算出部(61)が算出した室外空気の絶対湿度を用いて、室外空気の露点温度を算出する。このように、本実施形態の外気調和機(10)では、外気湿度センサ(97)と、外気温度センサ(99)と、外気絶対湿度算出部(61)と、外気露点温度算出部(62)とが、室外露点温度検出手段(65)を構成している。
運転指令入力部(63)には、リモコン等を通じてユーザーから指令信号が入力される。本実施形態の外気調和機(10)では、4つの運転モード(除湿モード、加湿モード、調湿モード、換気モード)が選択可能となっている。原則的に、除湿モードでは後述する除湿換気運転だけが行われ、加湿モードでは後述する加湿換気運転だけが行われ、換気モードでは後述する単純換気運転だけが行われる。また、原則的に、調湿モードでは、除湿換気運転と加湿換気運転の一方が自動的に選択して行われる。リモコンの操作等によってユーザーが上記4つの運転モードの何れかを選択すると、その選択された運転モードに対応する指令信号が運転指令入力部(63)へ入力される。コントローラ(60)は、運転指令入力部(63)へ入力された指令信号に対応する運転モードが外気調和機(10)で行われるように、ダンパ(41〜48)等の動作を制御する。
換気制御部(64)は、所定の条件が成立すると、外気調和機(10)の運転を除湿換気運転と加湿換気運転のいずれか一方へ強制的に切り換える動作を行う。また、換気制御部(64)は、単純換気運転中に所定の条件が成立すると、給気ファン(26)を強制的に停止させる動作を行う。このように、換気制御部(64)は、制御手段を構成している。換気制御部(64)の詳細な制御動作については、後述する。
−運転動作−
本実施形態の外気調和機(10)は、除湿換気運転と、加湿換気運転と、単純換気運転とを選択的に行う。除湿換気運転中や加湿換気運転中の外気調和機(10)は、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節してから供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。一方、単純換気運転中の外気調和機(10)は、取り込んだ室外空気(OA)をそのまま供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)をそのまま排出空気(EA)として室外へ排出する。
〈除湿換気運転〉
除湿換気運転中の外気調和機(10)では、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返される。この除湿換気運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
除湿換気運転中の外気調和機(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれる。
先ず、除湿換気運転の第1動作について説明する。図4に示すように、この第1動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第1動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態(図3(A)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。つまり、冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(52)についての吸着動作とが同時に並行して行われる。
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で除湿された第1空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で水分を付与された第2空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
次に、除湿換気運転の第2動作について説明する。図5に示すように、この第2動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第2動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態(図3(B)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。つまり、冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(52)についての再生動作とが同時に並行して行われる。
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で除湿された第1空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で水分を付与された第2空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
〈加湿換気運転〉
加湿換気運転中の外気調和機(10)では、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば4分間隔)で交互に繰り返される。この加湿換気運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
加湿換気運転中の外気調和機(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれる。
先ず、加湿換気運転の第1動作について説明する。図6に示すように、この第1動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第1動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態(図3(A)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。つまり、冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(52)についての吸着動作とが同時に並行して行われる。
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で水分を奪われた第1空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で加湿された第2空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
次に、加湿換気運転の第2動作について説明する。図7に示すように、この第2動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第2動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態(図3(B)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。つまり、冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(52)についての再生動作とが同時に並行して行われる。
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で水分を奪われた第1空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で加湿された第2空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
〈単純換気運転〉
単純換気運転中における外気調和機(10)の動作について、図8を参照しながら説明する。
単純換気運転中の外気調和機(10)では、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第2外気側ダンパ(44)、第1給気側ダンパ(45)、第2給気側ダンパ(46)、第1排気側ダンパ(47)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、単純換気運転中において、冷媒回路(50)の圧縮機(53)は停止状態となる。
単純換気運転中の外気調和機(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ取り込まれる。外気吸込口(24)を通って外気側通路(34)へ流入した室外空気は、第1バイパス通路(81)から第1バイパス用ダンパ(83)を通って給気ファン室(36)へ流入し、その後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
また、単純換気運転中の外気調和機(10)では、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ取り込まれる。内気吸込口(23)を通って内気側通路(32)へ流入した室内空気は、第2バイパス通路(82)から第2バイパス用ダンパ(84)を通って排気ファン室(35)へ流入し、その後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
−コントローラの制御動作−
コントローラ(60)の換気制御部(64)が行う制御動作について説明する。この換気制御部(64)には、内気温度センサ(98)により計測された室内空気温度Trと、外気温度センサ(99)により計測された室外空気温度Toと、外気露点温度算出部(62)で算出された室外空気の露点温度Todewとが入力される。
上述したように、換気運転モードが選択されている状態では、単純換気運転が行われ、ケーシング(11)内へ取り込まれた室外空気がそのまま室内へ供給される。ところが、室外と室内の気温差が大きい状況で単純換気運転を行うと、温度が室内の気温と大幅に異なる室外空気が室内へそのまま供給されることになり、在室者に不快感を与えるおそれがある。
また、室外空気の湿度が高い状況で単純換気運転を行うと、ケーシング(11)の内部空間を経て室内空間へ至る過程で室外空気中の水分が結露するおそれがある。つまり、ケーシング(11)のうち室内空気が流れる部分の温度は、室内の気温と概ね等しくなっている。また、ケーシング(11)の給気口(22)はダクトを介して例えばアネモ型(アネモスタット型)の吹出口等に接続されるが、この吹出口は天井面等に設置されて室内に露出しており、その温度は室内の気温と概ね等しくなっている。室内の気温が室外空気の露点温度よりも低い状況において、室内の気温と概ね等しい部分に室外空気が触れると、その部分で室外空気中の水分が結露する。そして、室外空気中の水分が結露すると、結露水がケーシング(11)内に収容された部品に入り込んで故障の原因となったり、結露水が吹出口から室内へ落下して室内の物品を汚したりするおそれがある。
そこで、コントローラ(60)の換気制御部(64)は、換気運転モードが選択されている状態で上記の問題が生じるのを回避するために、所定の条件が成立すると、単純換気運転を禁止して外気調和機(10)の運転を除湿換気運転と加湿換気運転の何れか一方だけに制限する制御動作を行う。ここでは、この制御動作について、図10を参照しながら説明する。
換気制御部(64)では、4つの切換条件が設定されている。第1切換条件は、“室内空気温度Trが室外空気の露点温度Todewよりも低いという条件(Tr<Todew)と、室外空気温度Toが35℃よりも高いという条件(To>35℃)との少なくとも一方が成立する”という条件である。第2切換条件は、“ユーザーにより設定された運転モードが換気運転モードと加湿運転モードの何れか一方である”という条件である。第3切換条件は、“室外空気温度Toが5℃よりも低い(To<5℃)”という条件である。第4切換条件は、“ユーザーにより設定された運転モードが換気運転モードと加湿運転モードの何れか一方である”という条件である。
単純換気運転が禁止されていない状態において、第1切換条件と第2切換条件の両方が成立している場合、又は第3切換条件と第4切換条件の両方が成立している場合には、換気制御部(64)が、単純換気運転を禁止して外気調和機(10)の運転を除湿換気運転と加湿換気運転の何れか一方だけに制限する。具体的に、第1切換条件と第2切換条件の両方が成立している場合、換気制御部(64)は、外気調和機(10)の運転を除湿換気運転に限定する。また、第3切換条件と第4切換条件の両方が成立している場合、換気制御部(64)は、外気調和機(10)の運転を加湿換気運転に限定する。
単純換気運転中に第1切換条件が成立している場合は、35℃よりも高温の室外空気や、露点温度が室内の気温よりも高い室外空気がそのまま室内へ供給されることになる。また、加湿換気運転中に第1切換条件が成立している場合は、35℃よりも高温の室外空気や、露点温度が室内の気温よりも高い室外空気が、凝縮器として動作する吸着熱交換器(51,52)を通過してから室内へ供給されることになる。
そこで、第1切換条件と第2切換条件の両方が成立している場合、換気制御部(64)は、外気調和機(10)の運転を、単純換気運転または加湿換気運転から除湿換気運転へと強制的に切り換える。除湿換気運転では、蒸発器として動作する吸着熱交換器(51,52)で除湿され冷却された室外空気が室内へ供給される。つまり、単純換気運転中や加湿換気運転中に比べて、室内へ供給される空気の絶対湿度と温度の両方が低下する。このため、外気調和機(10)から室内へ供給される空気の温度と室内気温との差が縮小し、在室者の不快感が緩和される。また、外気調和機(10)から室内へ供給される空気の露点温度が室内気温よりも高くなるため、ケーシング(11)から室内へ至る過程で室外空気中の水分が結露することはなくなる。
一方、単純換気運転中に第3切換条件が成立している場合は、5℃よりも低温の室外空気がそのまま室内へ供給されることになる。また、除湿換気運転中に第1切換条件が成立している場合は、5℃よりも低温の室外空気が、蒸発器として動作する吸着熱交換器(51,52)を通過してから室内へ供給されることになる。
そこで、第3切換条件が成立している場合、換気制御部(64)は、外気調和機(10)の運転を、単純換気運転または除湿換気運転から加湿換気運転へと強制的に切り換える。加湿換気運転では、凝縮器として動作する吸着熱交換器(51,52)で加湿され加熱された室外空気が室内へ供給される。つまり、単純換気運転中や除湿換気運転中に比べて、室内へ供給される空気の温度が上昇する。このため、外気調和機(10)から室内へ供給される空気の温度と室内気温との差が縮小し、在室者の不快感が緩和される。
また、換気制御部(64)では、1つの運転復帰条件が設定されている。運転復帰条件は、“室内空気温度Trが室外空気の露点温度Todewよりも5℃以上高いという条件(Tr≧Todew+5)、室外空気温度Toが30℃以下であるという条件(To≦30℃)、及び室外空気温度Toが10℃以上であるという条件(To≧10℃)の全てが成立している”という条件である。
外気調和機(10)の運転が除湿換気運転と加湿換気運転の何れか一方だけに制限された状態で運転復帰条件が成立すると、換気制御部(64)は、外気調和機(10)の運転を制限前の運転に復帰させる。つまり、外気調和機(10)の運転が単純換気運転から除湿換気運転または加湿換気運転へ強制的に切り換えられていた場合、換気制御部(64)は、外気調和機(10)の運転を除湿換気運転または加湿換気運転から単純換気運転へと戻す。また、外気調和機(10)の運転が加湿換気運転から除湿換気運転へ強制的に切り換えられていた場合、換気制御部(64)は、外気調和機(10)の運転を除湿換気運転から加湿換気運転へと戻す。また、外気調和機(10)の運転が除湿換気運転から加湿換気運転へ強制的に切り換えられていた場合、換気制御部(64)は、外気調和機(10)の運転を加湿換気運転から除湿換気運転へと戻す。
ところで、外気調和機(10)では、除湿換気運転や加湿換気運転が禁止されて単純換気運転だけが実行可能な場合がある。例えば、圧縮機(53)や四方切換弁(54)が故障していると、冷媒回路(50)で冷凍サイクルを行うことができないため、除湿換気運転や加湿換気運転を行うことはできない。また、外気調和機(10)では、室内に人が居ない夜間も室内の換気を継続して行う運転モードが設定されることもある。その場合、人の居ない夜間に除湿換気運転や加湿換気運転を行うのは無駄であるため、除湿換気運転や加湿換気運転が禁止されて単純換気運転だけが行われる。
除湿換気運転や加湿換気運転が禁止された状態で行われる単純換気運転中においても、室内と室外の気温差が大きくなったり、室外空気の露点温度が室内気温よりも高くなることは有り得る。室内と室外の気温差が大きい状態で単純換気運転を続けると、室内気温が室外気温に近付いてゆき、翌朝などに室内の空調を開始した際の空調負荷を増大させてしまう。また、室外空気の露点温度が室内気温よりも高い状態で単純換気運転を続けると、ケーシング(11)の内部や室内に露出した吹出口等で室外空気中の水分が結露する。ところが、この時には除湿換気運転や加湿換気運転が禁止されているため、外気調和機(10)の運転を単純換気運転から除湿換気運転や加湿換気運転へ強制的に切り換えることで上記の問題を回避することはできない。
そこで、除湿換気運転や加湿換気運転が禁止された状態で単純換気運転が行われている場合、換気制御部(64)は、上記の問題が生じるのを回避するために、所定の条件が成立すると給気ファン(26)を停止させる制御動作を行う。ここでは、この制御動作について、図11を参照しながら説明する。
換気制御部(64)では、1つのファン停止条件が設定されている。ファン停止条件は、“室内空気温度Trが室外空気の露点温度Todewよりも低いという条件(Tr<Todew)、室外空気温度Toが35℃よりも高いという条件(To>35℃)、及び室外空気温度Toが5℃よりも低いという条件(To<5℃)の少なくとも1つが成立した状態が20秒間以上継続する”という条件である。
このファン停止条件が成立すると、換気制御部(64)は、給気ファン(26)を停止させる。その際、換気制御部(64)は、排気ファン(25)の運転は継続させて給気ファン(26)だけを停止させる。給気ファン(26)が停止すると、室外からケーシング(11)の内部空間を経て室内へ至る室外空気の流れが停止する。このため、室内へ室外空気を供給することに起因する室内気温の変化が抑えられ、あるいはケーシング(11)の内壁や吹出口における室外空気中の水分の結露が回避される。換気制御部(64)は、ファン停止条件が成立して給気ファン(26)を停止させると、給気ファン(26)を停止させた時点からの経過時間を計測するためのタイマーをスタートさせる。
また、換気制御部(64)では、1つのファン復帰条件が設定されている。ファン復帰条件は、“ファン停止条件が成立して給気ファン(26)を停止させた時点からの経過時間が1時間以上になっている”という条件である。このファン復帰条件が成立すると、換気制御部(64)は、給気ファン(26)の運転を再開させる。また、ファン復帰条件が成立すると、換気制御部(64)ではタイマーの計測した時間がゼロにリセットされる。
ここで、給気ファン(26)が停止した状態では、ケーシング(11)内を室外空気が流れないため、ケーシング(11)内に設置された外気湿度センサ(97)や外気温度センサ(99)によって室外空気の状態(温度や湿度)を計測することができない。このため、給気ファン(26)を停止させたままでは、給気ファン(26)の運転を再開させてよいのかどうか判断できない。
そこで、換気制御部(64)は、ファン停止条件が成立して給気ファン(26)が停止した時点から1時間が経過すると、給気ファン(26)の運転を一旦再開させる。給気ファン(26)が作動している状態では、外気湿度センサ(97)や外気温度センサ(99)を用いて室外空気の状態(温度や湿度)を計測することができる。そして、換気制御部(64)は、この状態でファン停止条件が成立しなければ給気ファン(26)の運転を継続させ、ファン停止条件が成立すれば給気ファン(26)を再び停止させる。
−実施形態の効果−
本実施形態の外気調和機(10)では、単純換気運転中に室内の気温が室外空気の露点温度よりも低くなると、コントローラ(60)の換気制御部(64)が、外気調和機(10)の運転を単純換気運転から除湿換気運転へ強制的に切り換える。このため、室内の気温が室外空気の露点温度よりも低くなる状況で単純換気運転が行われ続けるのを回避でき、そのような状況では除湿後の室外空気を室内へ供給する除湿換気運転へ移行することができる。従って、本実施形態によれば、単純換気運転中に室外空気中の水分が結露するのを防ぐことができ、結露に起因する故障や結露水が室内へ落下するといったトラブルを未然に防ぐことができる。
本実施形態の外気調和機(10)では、単純換気運転中に室外の気温が所定の上限値(本実施形態では35℃)を上回ると、コントローラ(60)の換気制御部(64)が、外気調和機(10)の運転を単純換気運転から除湿換気運転へ強制的に切り換え、室内へ送り込まれる空気の温度を低下させている。また、この外気調和機(10)では、単純換気運転中に室外の気温が所定の下限値(本実施形態では5℃)を下回ると、コントローラ(60)の換気制御部(64)が、外気調和機(10)の運転を単純換気運転から加湿換気運転へ強制的に切り換え、室内へ送り込まれる空気の温度を上昇させている。従って、本実施形態によれば、外気調和機(10)から室内へ供給される空気の温度と室内の気温との差が拡大しすぎるのを回避でき、室内の快適性を確保することができる。
本実施形態の外気調和機(10)では、除湿換気運転が禁止された状態で行われる単純換気運転中に室内の気温が室外空気の露点温度よりも低くなると、コントローラ(60)の換気制御部(64)が給気ファン(26)を停止させている。従って、本実施形態によれば、除湿換気運転を実行できない状況においても、ケーシング(11)の内部空間から室内に亘る部分で室外空気中の水分が結露するのを確実に防ぐことができる。
本実施形態の外気調和機(10)では、除湿換気運転が禁止された状態で行われる単純換気運転中に室外の気温が所定の上限値(本実施形態では35℃)を上回ると、コントローラ(60)の換気制御部(64)が給気ファン(26)を停止させている。また、この外気調和機(10)では、加湿換気運転が禁止された状態で行われる単純換気運転中に室外の気温が所定の下限値(本実施形態では5℃)を下回ると、コントローラ(60)の換気制御部(64)が給気ファン(26)を停止させている。従って、本実施形態によれば、除湿換気運転や加湿換気運転を実行できない状況においても、室内の快適性の低下や空調負荷の増大を抑制できる。
本実施形態の外気調和機(10)では、冷媒回路(50)が吸着動作と再生動作を行う。
そして、吸着動作中(即ち、蒸発器として動作中)の吸着熱交換器(51,52)では空気の除湿と冷却の両方が並行して行われ、再生動作中(即ち、凝縮器として動作中)の吸着熱交換器(51,52)では空気の加湿と加熱の両方が並行して行われる。つまり、この外気調和機(10)では、空気の湿度調節と温度調節が一箇所で行われる。従って、本実施形態によれば、空気の湿度調節と温度調節を別個の部材を用いて行う場合に比べ、外気調和機(10)の構成を簡素化することができる。
−実施形態の変形例1−
本実施形態の冷媒回路(50)では、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高い値に設定される超臨界サイクルを行ってもよい。その場合、第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)は、その一方がガスクーラとして動作し、他方が蒸発器として動作する。
−実施形態の変形例2−
本実施形態の外気調和機(10)では、第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)に担持された吸着剤を冷媒によって加熱し又は冷却しているが、第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)に対して冷水や温水を供給することで、吸着剤の加熱や冷却を行ってもよい。
−実施形態の変形例3−
上記実施形態では、外気調和機(10)が次のように構成されていてもよい。
図12に示すように、本変形例の外気調和機(10)は、冷媒回路(100)と2つの吸着素子(111,112)とを備えている。この外気調和機(10)では、冷媒回路(100)と吸着素子(111,112)とが調湿手段(115)を構成している。
冷媒回路(100)は、圧縮機(101)と凝縮器(102)と膨張弁(103)と蒸発器(104)が順に接続された閉回路である。冷媒回路(100)で冷媒を循環させると、蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。第1吸着素子(111)及び第2吸着素子(112)は、ゼオライト等の吸着剤を備えている。各吸着素子(111,112)には多数の空気通路が形成されており、この空気通路を通過する際に空気が吸着剤と接触する。各吸着素子(111,112)は、吸着ユニットを構成している。
本変形例の外気調和機(10)は、除湿換気運転と、加湿換気運転と、単純換気運転とを選択的に行う。
除湿換気運転中や加湿換気運転中の外気調和機(10)は、第1動作と第2動作を所定の時間間隔で交互に繰り返し行う。除湿換気運転中の外気調和機(10)は、室外空気を第1空気として取り込み、室内空気を第2空気として取り込む。一方、加湿換気運転中の外気調和機(10)は、室内空気を第1空気として取り込み、室外空気を第2空気として取り込む。
先ず、除湿換気運転及び加湿換気運転の第1動作について、図12(A)を参照しながら説明する。第1動作中の外気調和機(10)は、凝縮器(102)で加熱された第2空気を第1吸着素子(111)へ供給する。第1吸着素子(111)では、吸着剤が第2空気によって加熱され、吸着剤から水分が脱離する。また、第1動作中の外気調和機(10)は、第1空気を第2吸着素子(112)へ供給し、第1空気中の水分を第2吸着素子(112)に吸着させる。第2吸着素子(112)に水分を奪われた第1空気は、蒸発器(104)を通過する際に冷却される。
次に、除湿換気運転及び加湿換気運転の第2動作について、図12(B)を参照しながら説明する。第2動作中の外気調和機(10)は、凝縮器(102)で加熱された第2空気を第2吸着素子(112)へ供給する。第2吸着素子(112)では、吸着剤が第2空気によって加熱され、吸着剤から水分が脱離する。また、第1動作中の外気調和機(10)は、第1空気を第1吸着素子(111)へ供給し、第1空気中の水分を第1吸着素子(111)に吸着させる。第1吸着素子(111)に水分を奪われた第1空気は、蒸発器(104)を通過する際に冷却される。
そして、除湿換気運転中の外気調和機(10)は、除湿された第1空気(室外空気)を室内へ供給し、吸着素子(111,112)から脱離した水分を第2空気(室内空気)と共に室外へ排出する。また、加湿換気運転中の外気調和機(10)は、加湿された第2空気(室外空気)を室内へ供給し、吸着素子(111,112)に水分を奪われた第1空気(室内空気)を室外へ排出する。
単純換気運転中の外気調和機(10)では、冷媒回路(100)の圧縮機(101)が停止状態になると共に、第1吸着素子(111)と第2吸着素子(112)のうち一方を室外空気が通過して他方を室内空気が通過する。そして、室外空気は吸着素子(111,112)を通過後に室内へ供給され、室内空気は吸着素子(111,112)を通過後に室外へ排出される。単純換気運転中の外気調和機(10)において、室外空気や室内空気の流通経路の切り換えは行われない。
−実施形態の変形例4−
上記実施形態では、外気調和機(10)が次のように構成されていてもよい。
図13に示すように、本変形例の外気調和機(10)は、本体ユニット(150)と熱源ユニット(165)とを備えている。
本体ユニット(150)の内部空間は、給気通路(151)と排気通路(152)とに区画されている。給気通路(151)は、その始端が外気吸込口(153)に連通し、その終端が給気口(154)に連通している。給気通路(151)には、その始端から終端へ向かって順に、利用側熱交換器(161)と、加湿エレメント(162)と、給気ファン(157)とが配置されている。排気通路(152)は、その始端が内気吸込口(155)に連通し、その終端が排気口(156)に連通している。排気通路(152)には、排気ファン(158)が配置されている。
熱源ユニット(165)は、一対の連絡配管(166)を介して利用側熱交換器(161)と接続されている。図示しないが、熱源ユニット(165)は、圧縮機や膨張弁などを備えている。この熱源ユニット(165)は、利用側熱交換器(161)と共に冷媒回路(167)を形成している。利用側熱交換器(161)は、空気を冷媒と熱交換させる空気熱交換器である。冷媒回路(167)は、利用側熱交換器(161)が蒸発器となる冷凍サイクル動作と、利用側熱交換器(161)が凝縮器となる冷凍サイクル動作とを選択的に行う。本変形例の外気調和機(10)では、この冷媒回路(167)と加湿エレメント(162)が、調湿手段(170)を構成している。
図示しないが、加湿エレメント(162)では、水通路と空気通路とが透湿膜を挟んで形成されている。水通路では、外部から供給された水道水が流通する。空気通路では、給気通路(151)を流れる空気が流通する。透湿膜は、液体である水は通過させずに水蒸気だけを通過させる。
本変形例の外気調和機(10)は、除湿換気運転と、加湿換気運転と、単純換気運転とを選択的に行う。
除湿換気運転中の外気調和機(10)では、利用側熱交換器(161)が蒸発器となる冷凍サイクル動作を冷媒回路(167)が行うと共に、加湿エレメント(162)に対する給水が停止される。この運転中において、利用側熱交換器(161)における冷媒の蒸発温度は、室外空気の露点温度よりも低い値に設定される。給気通路(151)へ流入した室外空気は、利用側熱交換器(161)を通過する際に冷却され、室外空気中の水分が凝縮してドレン水となる。利用側熱交換器(161)を通過した室外空気は、加湿エレメント(162)を通過した後に給気口(154)を通って室内へ供給される。利用側熱交換器(161)で生じたドレン水は、室外へ排出される。排気通路(152)へ流入した室内空気は、排気口(156)を通って室外へ排出される。
加湿換気運転中の外気調和機(10)では、利用側熱交換器(161)が凝縮器となる冷凍サイクル動作を冷媒回路(167)が行うと共に、加湿エレメント(162)に対する給水が行われる。給気通路(151)へ流入した室外空気は、利用側熱交換器(161)を通過する際に加熱された後に加湿エレメント(162)へ送られる。加湿エレメント(162)では、透湿膜を通過した水蒸気が空気に付与される。加湿エレメント(162)で加湿された空気は、給気口(154)を通って室内へ供給される。排気通路(152)へ流入した室内空気は、排気口(156)を通って室外へ排出される。
単純換気運転中の外気調和機(10)では、冷媒回路(167)の運転と加湿エレメント(162)に対する給水の両方が停止され、給気ファン(157)及び排気ファン(158)の運転だけが行われる。給気通路(151)へ流入した室外空気は、利用側熱交換器(161)と加湿エレメント(162)を順に通過し、その後に給気口(154)を通って室内へ供給される。排気通路(152)へ流入した室内空気は、排気口(156)を通って室外へ排出される。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。