JP2009109144A - 調湿装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーシング内の空気の流通経路を切り換える複数のダンパを備える調湿装置において、ケーシング内に正常な空気の流通経路が形成されていない状態で、調湿装置の運転が実行されることを回避する。
【解決手段】ダンパ(41〜48)の状態を開状態と閉状態との間で切り換える切換動作を各ダンパ(41〜48)に実行させることによって、第1吸着用部材(51)で第1空気を除湿すると同時に第2吸着用部材(52)で第2空気を加湿する第1動作と、第2吸着用部材(52)で第1空気を除湿すると同時に第1吸着用部材(51)で第2空気を加湿する第2動作とを交互に行う調湿装置(10)に対して、送風ファン(25,26)の起動前に全てのダンパ(41〜48)に切換動作を実行させて、各ダンパ(41〜48)の切換動作が正常に行われるか否かを確認する動作確認手段(65)を設ける。
【選択図】図10
【解決手段】ダンパ(41〜48)の状態を開状態と閉状態との間で切り換える切換動作を各ダンパ(41〜48)に実行させることによって、第1吸着用部材(51)で第1空気を除湿すると同時に第2吸着用部材(52)で第2空気を加湿する第1動作と、第2吸着用部材(52)で第1空気を除湿すると同時に第1吸着用部材(51)で第2空気を加湿する第2動作とを交互に行う調湿装置(10)に対して、送風ファン(25,26)の起動前に全てのダンパ(41〜48)に切換動作を実行させて、各ダンパ(41〜48)の切換動作が正常に行われるか否かを確認する動作確認手段(65)を設ける。
【選択図】図10
Description
本発明は、空気の湿度調節を行う調湿装置に関するものである。
従来より、空気の湿度調節を行う調湿装置が知られている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、表面に吸着剤が担持された吸着用部材を用いて、空気の湿度調節を行う調湿装置が開示されている。
具体的に、特許文献1には、吸着剤が担持された第1吸着熱交換器及び第2吸着熱交換器を用いて空気の湿度調節を行う調湿装置が開示されている。この調湿装置では、第1吸着熱交換器で第1空気を除湿して第2吸着熱交換器で第2空気を加湿する動作と、第2吸着熱交換器で第1空気を除湿して第1吸着熱交換器で第2空気を加湿する動作とが交互に行われ、第1空気と第2空気との一方が給気ファンによって室内へ供給され、他方が排気ファンによって室外へ排出される。第1空気及び第2空気の流通経路は、8つのダンパによって切り換えられる。
また、特許文献2には、吸着剤が担持された第1吸着素子及び第2吸着素子を用いて空気の湿度調節を行う調湿装置が開示されている。この調湿装置では、運転を停止させる際に、運転の停止中に室外の空気が室内へ流入しないように全てのダンパが閉状態に設定される。
特開2005−291532号公報
特開2005−164148号公報
ところで、この種の調湿装置では、空気の流通経路の切り換えに比較的多くのダンパが使用される。このため、何れかのダンパが正常に動作しない事態が発生するおそれがある。従って、従来の調湿装置では、開くはずのダンパが開いていない状態や、閉じるはずのダンパが閉じていない状態、つまりケーシング内に正常な空気の流通経路が形成されていない状態で、送風ファンが起動されて調湿装置の運転が実行されるおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケーシング内の空気の流通経路を切り換える複数のダンパを備える調湿装置において、ケーシング内に正常な空気の流通経路が形成されていない状態で、調湿装置の運転が実行されることを回避することにある。
第1の発明は、第1空気及び第2空気が内部を流通するケーシング(11)を備え、上記ケーシング(11)には、それぞれに吸着剤が担持された第1吸着用部材(51)及び第2吸着用部材(52)と、該第1吸着用部材(51)及び第2吸着用部材(52)に空気を送るための送風ファン(25,26)と、上記第1空気及び第2空気の流通経路を切り換えるための複数のダンパ(41〜48)とが設けられ、上記ダンパ(41〜48)の状態を開状態と閉状態との間で切り換える切換動作を各ダンパ(41〜48)に実行させることによって、上記第1吸着用部材(51)で第1空気を除湿すると同時に上記第2吸着用部材(52)で第2空気を加湿する第1動作と、該第2吸着用部材(52)で第1空気を除湿すると同時に該第1吸着用部材(51)で第2空気を加湿する第2動作とを交互に行う調湿装置を対象とする。
そして、この調湿装置は、上記送風ファン(25,26)の起動前に全てのダンパ(41〜48)に切換動作を実行させて、各ダンパ(41〜48)の切換動作が正常に行われるか否かを確認する動作確認手段(65)を備えている。
第1の発明では、動作確認手段(65)が、送風ファン(25,26)の起動前に全てのダンパ(41〜48)に切換動作を実行させる。そして、動作確認手段(65)が、各ダンパ(41〜48)の切換動作が正常に行われるか否かを確認する。この第1の発明では、異常があるダンパ(41〜48)の有無が、送風ファン(25,26)の起動前に検出される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記送風ファン(25,26)の停止中は全てのダンパ(41〜48)が閉状態に設定される一方、上記動作確認手段(65)は、上記送風ファン(25,26)の起動前に、全てのダンパ(41〜48)に対して、開状態へ切り換える第1切換動作と閉状態へ戻す第2切換動作とを順番に実行させることによって、各ダンパ(41〜48)の第1切換動作及び第2切換動作が正常に行われるか否かを確認する。
第2の発明では、送風ファン(25,26)の起動前に、全てのダンパ(41〜48)が、開状態へ切り換える第1切換動作と閉状態へ戻す第2切換動作とを行う。第1切換動作と第2切換動作の後は、空気の流通経路が確保されるように、一部又は全部のダンパ(41〜48)が開状態へ切り換えられる。この第2の発明では、異常があるダンパ(41〜48)の有無の確認後に開状態に切り換えられるダンパ(41〜48)に対しても、動作確認手段(65)が、第1切換動作の後に、閉状態へ切り換わる第2切換動作を実行させる。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記ケーシング(11)には、上記第1吸着用部材(51)及び第2吸着用部材(52)をバイパスする空気が流通するバイパス通路(81,82)が形成されると共に、該バイパス通路(81,82)に空気を流通させるか否かを調節するバイパス用のダンパ(49,50)が設けられる一方、上記動作確認手段(65)は、上記送風ファン(25,26)の起動前に、上記バイパス用のダンパ(49,50)についても切換動作を実行させて、該バイパス用のダンパ(49,50)の切換動作が正常に行われるか否かを確認する。
第3の発明では、動作確認手段(65)が、送風ファン(25,26)の起動前に、バイパス用のダンパ(49,50)を含めた全てのダンパ(41〜50)に切換動作を実行させる。そして、動作確認手段(65)が、バイパス用のダンパ(49,50)を含めた全てのダンパ(41〜50)について、各ダンパ(41〜50)の切換動作が正常に行われるか否かを確認する。この第3の発明では、バイパス用のダンパ(49,50)についても、異常のあるダンパ(49,50)の有無が送風ファン(25,26)の起動前に検出される。
本発明では、送風ファン(25,26)の起動前に全てのダンパ(41〜48)の切換動作が正常に行われるか否かを確認することができる動作確認手段(65)を設けたので、異常があるダンパ(41〜48)の有無が、送風ファン(25,26)の起動前に検出される。このため、何れかのダンパ(41〜48)に異常がある状態で送風ファン(25,26)が起動されることを回避することができる。つまり、ケーシング(11)内に正常な空気の流通経路が形成されていない状態で調湿装置(10)の運転が実行されることを回避することができる。
また、上記第2の発明では、異常があるダンパ(41〜48)の有無の確認後に開状態に切り換えられるダンパ(41〜48)に対しても、動作確認手段(65)が、第1切換動作の後に、閉状態へ切り換える第2切換動作を実行させる。従って、全てのダンパ(41〜48)に対して、開状態へ切り換える第1切換動作と閉状態へ切り換える第2切換動作の両方が正常に行われるか否かを確認することができるので、ケーシング(11)内に正常な空気の流通経路が形成されていない状態で調湿装置(10)の運転が実行されることを確実に回避することができる。
また、上記第3の発明によれば、ケーシング(11)内にバイパス通路(81,82)が形成された調湿装置において、送風ファン(25,26)の起動前に、バイパス用のダンパ(49,50)についても異常の有無が確認される。従って、バイパス用のダンパ(49,50)に異常がある状態で調湿装置(10)の運転が実行されることを回避することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態の調湿装置(10)は、室内の湿度調節と共に室内の換気を行うものであり、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節して室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を室外に排出する。
〈調湿装置の全体構成〉
調湿装置(10)について、図1,図2を適宜参照しながら説明する。なお、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、調湿装置(10)を前面側から見た場合の方向を意味している。
調湿装置(10)について、図1,図2を適宜参照しながら説明する。なお、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、調湿装置(10)を前面側から見た場合の方向を意味している。
調湿装置(10)は、ケーシング(11)を備えている。また、ケーシング(11)内には、冷媒回路(56)が収容されている。この冷媒回路(56)には、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が接続されている。第1吸着熱交換器(51)は第1吸着用部材を構成し、第2吸着熱交換器(52)は第2吸着用部材を構成している。冷媒回路(56)の詳細は後述する。
ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。図1に示すケーシング(11)では、左手前の側面(即ち、前面)が前面パネル部(12)となり、右奥の側面(即ち、背面)が背面パネル部(13)となり、右手前の側面が第1側面パネル部(14)となり、左奥の側面が第2側面パネル部(15)となっている。
ケーシング(11)には、外気吸込口(24)と、内気吸込口(23)と、給気口(22)と、排気口(21)とが形成されている。外気吸込口(24)及び内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)に開口している。外気吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に配置されている。内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に配置されている。給気口(22)は、第1側面パネル部(14)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、第2側面パネル部(15)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)と、第1仕切板(74)と、第2仕切板(75)とが設けられている。これらの仕切板(71〜75)は、何れもケーシング(11)の底板に立設されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で、ケーシング(11)の前後方向に所定の間隔をおいて配置されている。上流側仕切板(71)は、背面パネル部(13)寄りに配置されている。下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)寄りに配置されている。
第1仕切板(74)及び第2仕切板(75)は、第1側面パネル部(14)及び第2側面パネル部(15)と平行な姿勢で設置されている。第1仕切板(74)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を右側から塞ぐように、第1側面パネル部(14)から所定の間隔をおいて配置されている。第2仕切板(75)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左側から塞ぐように、第2側面パネル部(15)から所定の間隔をおいて配置されている。
中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と直交する姿勢で、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間に配置されている。中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)から下流側仕切板(72)に亘って設けられ、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左右に区画している。
ケーシング(11)内において、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間は、上下2つの空間に仕切られており、上側の空間が内気側通路(32)を構成し、下側の空間が外気側通路(34)を構成している。内気側通路(32)は、内気吸込口(23)に接続するダクトを介して室内と連通している。内気側通路(32)には、内気側フィルタ(27)と内気湿度センサ(96)とが設置されている。外気側通路(34)は、外気吸込口(24)に接続するダクトを介して室外空間と連通している。外気側通路(34)には、外気側フィルタ(28)と外気湿度センサ(97)とが設置されている。
ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されており、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している。第1熱交換器室(37)には、第1吸着熱交換器(51)が収容されている。第2熱交換器室(38)には、第2吸着熱交換器(52)が収容されている。また、図示しないが、第1熱交換器室(37)には、冷媒回路(56)の電動膨張弁(55)が収容されている。
各吸着熱交換器(51,52)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤を担持させたものであって、全体として長方形の厚板状あるいは扁平な直方体状に形成されている。各吸着熱交換器(51,52)は、その前面及び背面が上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と平行になる姿勢で、熱交換器室(37,38)内に立設されている。
ケーシング(11)の内部空間において、下流側仕切板(72)の前面に沿った空間は、上下に仕切られており、この上下に仕切られた空間のうち、上側の部分が給気側通路(31)を構成し、下側の部分が排気側通路(33)を構成している。
上流側仕切板(71)には、後述する第1空気及び第2空気の流通経路を切り換えるための開閉式のダンパ(41〜44)が4つ設けられている。各ダンパ(41〜44)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち内気側通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられる。また、上流側仕切板(71)のうち外気側通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられる。
下流側仕切板(72)には、後述する第1空気及び第2空気の流通経路を切り換えるための開閉式のダンパ(45〜48)が4つ設けられている。各ダンパ(45〜48)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられる。また、下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられる。
ケーシング(11)内において、給気側通路(31)及び排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間は、仕切板(77)によって左右に仕切られており、仕切板(77)の右側の空間が給気ファン室(36)を構成し、仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。
給気ファン室(36)には、第1吸着用部材(51)及び第2吸着用部材(52)に空気を送るための送風ファンとして、給気ファン(26)が収容されている。また、排気ファン室(35)には、第1吸着用部材(51)及び第2吸着用部材(52)に空気を送るための送風ファンとして、排気ファン(25)が収容されている。給気ファン(26)及び排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)であり、ファンモータの回転に伴って空気を送風する。給気ファン(26)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を給気口(22)へ吹き出す。排気ファン(25)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を排気口(21)へ吹き出す。
給気ファン室(36)には、冷媒回路(56)の圧縮機(53)と四方切換弁(54)とが収容されている。圧縮機(53)及び四方切換弁(54)は、給気ファン室(36)における給気ファン(26)と仕切板(77)との間に配置されている。
ケーシング(11)内において、第1仕切板(74)と第1側面パネル部(14)の間の空間は、第1吸着用部材(51)及び第2吸着用部材(52)をバイパスする空気が流通する第1バイパス通路(81)を構成している。第1バイパス通路(81)の始端は、外気側通路(34)だけに連通しており、内気側通路(32)からは遮断されている。第1バイパス通路(81)の終端は、仕切板(78)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び給気ファン室(36)から区画されている。仕切板(78)のうち給気ファン室(36)に臨む部分には、第1バイパス通路(81)に空気を流通させるか否かを調節する第1バイパス用ダンパ(49)が設けられている。
ケーシング(11)内において、第2仕切板(75)と第2側面パネル部(15)の間の空間は、第1吸着用部材(51)及び第2吸着用部材(52)をバイパスする空気が流通する第2バイパス通路(82)を構成している。第2バイパス通路(82)の始端は、内気側通路(32)だけに連通しており、外気側通路(34)からは遮断されている。第2バイパス通路(82)の終端は、仕切板(79)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び排気ファン室(35)から区画されている。仕切板(79)のうち排気ファン室(35)に臨む部分には、第2バイパス通路(82)に空気を流通させるか否かを調節する第2バイパス用ダンパ(50)が設けられている。
なお、図2の右側面図及び左側面図では、第1バイパス通路(81)、第2バイパス通路(82)、第1バイパス用ダンパ(49)、及び第2バイパス用ダンパ(50)の図示を省略している。
各ダンパ(41〜50)は、ダンパモータを備えている。各ダンパ(41〜50)は、ダンパモータに通電されると、開状態と閉状態との間で切り換える切換動作を実行する。切換動作は、後述するダンパ制御部(63)から切換指令を受けると開始される。
また、各ダンパ(41〜50)には、ダンパ(41〜50)が開状態であるか閉状態であるかを検出するためのリミットスイッチがそれぞれ設けられている。各リミットスイッチは、ダンパ(41〜50)が開状態の場合にはオン状態になり、ダンパ(41〜50)が閉状態の場合にはオフ状態になるように設けられている。各リミットスイッチは、後述するコントローラ(30)に接続されている。
〈冷媒回路の構成〉
図3に示すように、冷媒回路(56)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(56)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
図3に示すように、冷媒回路(56)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(56)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
冷媒回路(56)において、圧縮機(53)は、その吐出側が四方切換弁(54)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(54)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(56)では、第1吸着熱交換器(51)と電動膨張弁(55)と第2吸着熱交換器(52)とが、四方切換弁(54)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に接続されている。
四方切換弁(54)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図3(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図3(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。
冷媒回路(56)において、圧縮機(53)の吐出側と四方切換弁(54)の第1のポートとを繋ぐ配管には、高圧圧力センサ(91)と、吐出管温度センサ(93)とが取り付けられている。高圧圧力センサ(91)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の圧力を計測する。吐出管温度センサ(93)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の温度を計測する。
また、冷媒回路(56)において、圧縮機(53)の吸入側と四方切換弁(54)の第2のポートとを繋ぐ配管には、低圧圧力センサ(92)と、吸入管温度センサ(94)とが取り付けられている。低圧圧力センサ(92)は、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の圧力を計測する。吸入管温度センサ(94)は、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の温度を計測する。
また、冷媒回路(56)において、四方切換弁(54)の第3のポートと第1吸着熱交換器(51)とを繋ぐ配管には、配管温度センサ(95)が取り付けられている。配管温度センサ(95)は、この配管における四方切換弁(54)の近傍に配置され、配管内を流れる冷媒の温度を計測する。
<コントローラの構成>
本実施形態の調湿装置(10)には、調湿装置(10)の運転を制御するためのコントローラ(30)が設けられている。コントローラ(30)は、図4に示すように、ファン制御部(62)とダンパ制御部(63)とを備えている。
本実施形態の調湿装置(10)には、調湿装置(10)の運転を制御するためのコントローラ(30)が設けられている。コントローラ(30)は、図4に示すように、ファン制御部(62)とダンパ制御部(63)とを備えている。
ファン制御部(62)は、給気ファン(26)及び排気ファン(25)の各送風ファン(25,26)の運転状態を個別に制御するように構成されている。ファン制御部(62)は、給気ファン(26)を起動させる際には給気ファン(26)に対して起動指令を出力し、給気ファン(26)を停止させる際には給気ファン(26)に対して停止指令を出力する。また、ファン制御部(62)は、排気ファン(25)を起動させる際には排気ファン(25)に対して起動指令を出力し、排気ファン(25)を停止させる際には排気ファン(25)に対して停止指令を出力する。
ダンパ制御部(63)は、ダンパ(41〜50)の状態を開状態と閉状態との間で切り換える切換動作を制御するように構成されている。ダンパ制御部(63)は、上述した10個のダンパ(41〜50)の切換動作を個別に制御する。
ダンパ制御部(63)には、後述する除湿換気運転の第1動作と、除湿換気運転の第2動作と、加湿換気運転の第1動作と、加湿換気運転の第2動作と、単純換気運転とのそれぞれについて、各ダンパ(41〜50)が開状態であるか閉状態であるかのダンパ(41〜50)の開閉状態の組合せが予め記憶されている。
ダンパ制御部(63)は、調湿装置(10)の起動時に、起動後の運転状態のダンパ(41〜50)の開閉状態の組合せに基づいて、切換動作を行うダンパ(41〜50)を選択する。また、ダンパ制御部(63)は、運転状態の切り換えが行われる場合と、第1動作と第2動作との切り換えが行われる場合とに、切り換え後のダンパ(41〜50)の開閉状態の組合せに基づいて、切換動作を行うダンパ(41〜50)を選択する。ダンパ制御部(63)は、選択したダンパ(41〜50)に対して、切換動作の実行を指令する切換指令を出力する。ダンパ制御部(63)は、ダンパ(41〜50)の状態を閉状態から開状態へ切り換える場合には、開状態への切換指令を出力し、ダンパ(41〜50)の状態を開状態から閉状態へ切り換える場合には、閉状態への切換指令を出力する。
また、ダンパ制御部(63)は、給気ファン(26)及び排気ファン(25)の両送風ファン(25,26)の停止中には、全てのダンパ(41〜50)を閉状態に設定する。ダンパ制御部(63)は、例えば調湿装置(10)を停止する時に、開状態のダンパ(41〜50)に対して、閉状態への切換指令を出力する。
また、この実施形態では、ダンパ制御部(63)に、動作確認手段である動作確認部(65)が設けられている。動作確認部(65)は、給気ファン(26)及び排気ファン(25)の両送風ファン(25,26)が停止している状態で給気ファン(26)及び排気ファン(25)の少なくとも一方が起動する場合に、起動する送風ファン(25,26)の運転開始に先立って、全てのダンパ(41〜50)の切換動作が正常に行われるか否かを確認するための異常検出動作を行う。異常検出動作では、動作確認部(65)が、全てのダンパ(41〜50)に対して、閉状態から開状態へ切り換える第1切換動作と、開状態から閉状態へ切り換える第2切換動作とを順番に行わせる。動作確認部(65)は、第1切換動作や第2切換動作において、切換動作の開始時点から所定の基準時間(例えば200秒)が経過しても切換動作の完了が確定しないダンパ(41〜50)がある場合には、そのダンパ(41〜50)に異常があると判断する。
−運転動作−
本実施形態の調湿装置(10)は、除湿換気運転と、加湿換気運転と、単純換気運転とを選択的に行う。除湿換気運転中や加湿換気運転中の調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節してから供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。一方、単純換気運転中の調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)をそのまま供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)をそのまま排出空気(EA)として室外へ排出する。
本実施形態の調湿装置(10)は、除湿換気運転と、加湿換気運転と、単純換気運転とを選択的に行う。除湿換気運転中や加湿換気運転中の調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節してから供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。一方、単純換気運転中の調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)をそのまま供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)をそのまま排出空気(EA)として室外へ排出する。
〈除湿換気運転〉
除湿換気運転中の調湿装置(10)では、第1バイパス用ダンパ(49)及び第2バイパス用ダンパ(50)以外のダンパ(41〜48)を開状態と閉状態との間で切り換える切換動作を行うことによって、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返される。この除湿換気運転中において、第1バイパス用ダンパ(49)及び第2バイパス用ダンパ(50)は、常に閉状態となる。
除湿換気運転中の調湿装置(10)では、第1バイパス用ダンパ(49)及び第2バイパス用ダンパ(50)以外のダンパ(41〜48)を開状態と閉状態との間で切り換える切換動作を行うことによって、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返される。この除湿換気運転中において、第1バイパス用ダンパ(49)及び第2バイパス用ダンパ(50)は、常に閉状態となる。
除湿換気運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれる。
先ず、除湿換気運転の第1動作について説明する。図5に示すように、この第1動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第1動作中の冷媒回路(56)では、四方切換弁(54)が第1状態(図3(A)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で除湿された第1空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で水分を付与された第2空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
次に、除湿換気運転の第2動作について説明する。図6に示すように、この第2動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第2動作中の冷媒回路(56)では、四方切換弁(54)が第2状態(図3(B)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で除湿された第1空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で水分を付与された第2空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
〈加湿換気運転〉
加湿換気運転中の調湿装置(10)では、第1バイパス用ダンパ(49)及び第2バイパス用ダンパ(50)以外のダンパ(41〜48)を開状態と閉状態との間で切り換える切換動作を行うことによって、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば4分間隔)で交互に繰り返される。この加湿換気運転中において、第1バイパス用ダンパ(49)及び第2バイパス用ダンパ(50)は、常に閉状態となる。
加湿換気運転中の調湿装置(10)では、第1バイパス用ダンパ(49)及び第2バイパス用ダンパ(50)以外のダンパ(41〜48)を開状態と閉状態との間で切り換える切換動作を行うことによって、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば4分間隔)で交互に繰り返される。この加湿換気運転中において、第1バイパス用ダンパ(49)及び第2バイパス用ダンパ(50)は、常に閉状態となる。
加湿換気運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれる。
先ず、加湿換気運転の第1動作について説明する。図7に示すように、この第1動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第1動作中の冷媒回路(56)では、四方切換弁(54)が第1状態(図3(A)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で水分を奪われた第1空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で加湿された第2空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
次に、加湿換気運転の第2動作について説明する。図8に示すように、この第2動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第2動作中の冷媒回路(56)では、四方切換弁(54)が第2状態(図3(B)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で水分を奪われた第1空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で加湿された第2空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
〈単純換気運転〉
単純換気運転中における調湿装置(10)の動作について、図9を参照しながら説明する。
単純換気運転中における調湿装置(10)の動作について、図9を参照しながら説明する。
単純換気運転中の調湿装置(10)では、第1バイパス用ダンパ(49)及び第2バイパス用ダンパ(50)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第2外気側ダンパ(44)、第1給気側ダンパ(45)、第2給気側ダンパ(46)、第1排気側ダンパ(47)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、単純換気運転中において、冷媒回路(56)の圧縮機(53)は停止状態となる。
単純換気運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ取り込まれる。外気吸込口(24)を通って外気側通路(34)へ流入した室外空気は、第1バイパス通路(81)から第1バイパス用ダンパ(49)を通って給気ファン室(36)へ流入し、その後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
また、単純換気運転中の調湿装置(10)では、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ取り込まれる。内気吸込口(23)を通って内気側通路(32)へ流入した室内空気は、第2バイパス通路(82)から第2バイパス用ダンパ(50)を通って排気ファン室(35)へ流入し、その後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
−コントローラの動作−
調湿装置(10)の起動時のコントローラ(30)の動作について説明する。調湿装置(10)の起動時には、動作確認部(65)が異常検出動作を行い、異常検出動作の終了後にファン制御部(62)が排気ファン(25)のみを起動させる。なお、調湿装置(10)の起動前は、全てのダンパ(41〜50)が閉状態に設定されている。
調湿装置(10)の起動時のコントローラ(30)の動作について説明する。調湿装置(10)の起動時には、動作確認部(65)が異常検出動作を行い、異常検出動作の終了後にファン制御部(62)が排気ファン(25)のみを起動させる。なお、調湿装置(10)の起動前は、全てのダンパ(41〜50)が閉状態に設定されている。
具体的に、コントローラ(30)に例えばリモコンから運転開始の指令が入力されると、動作確認部(65)は、図10に示すように、異常検出動作を開始し、全てのダンパ(41〜50)に対して、開状態への切換指令を出力する。ダンパ制御部(63)では、全てのダンパ(41〜50)の指示値が閉状態から開状態に変更される。各ダンパ(41〜50)では、開状態への切換指令を受けると、ダンパモータが起動して、閉状態から開状態へ切り換える第1切換動作が開始される。
動作確認部(65)は、開状態への切換指令を出力すると、所定の時間間隔(例えば0.005秒間隔)で、各ダンパ(41〜50)のリミットスイッチの出力の検出を行う。そして、動作確認部(65)は、リミットスイッチの出力がオン状態になっていることを所定回数(例えば3回)連続して検出した場合に、そのダンパ(41〜50)に対して第1切換動作の完了を確定させる。
動作確認部(65)は、全てのダンパ(41〜50)について第1切換動作の完了を確定させると、全てのダンパ(41〜50)に対して、閉状態への切換指令を出力する。ダンパ制御部(63)では、全てのダンパ(41〜50)の指示値が開状態から閉状態に変更される。各ダンパ(41〜50)では、閉状態への切換指令を受けると、ダンパモータが起動して、開状態から閉状態へ切り換える第2切換動作が開始される。
そして、動作確認部(65)は、リミットスイッチの出力がオフ状態になっていることを所定回数(例えば3回)連続して検出した場合に、そのダンパ(41〜50)に対して第2切換動作の完了を確定させる。動作確認部(65)は、全てのダンパ(41〜50)について第1切換動作の完了と第2切換動作の完了とを確定させると、全てのダンパ(41〜50)が正常であると判断して、異常検出動作を終了する。
一方、動作確認部(65)は、第1切換動作の開始時点からの経過時間が所定の基準時間(例えば200秒)に達しても第1切換動作の完了が確定しないダンパ(41〜50)がある場合には、そのダンパ(41〜50)が異常であると判断する。また、動作確認部(65)は、第2切換動作の開始時点からの経過時間が所定の基準時間(例えば200秒)に達しても第2切換動作の完了が確定しないダンパ(41〜50)がある場合には、そのダンパ(41〜50)が異常であると判断する。このような場合、コントローラ(30)は、調湿装置(10)の起動を停止し、例えばケーシング(11)の表示部に、ダンパの故障を表す例えばコード番号を表示する。
この調湿装置(10)では、異常のあるダンパ(41〜50)が検出されずに異常検出動作が終了すると、外気吸込口(24)から取り込んだ室外空気の状態に基づいて除湿換気運転と加湿換気運転のどちらを行うかを決定するモード判定運転が行われる。モード判定運転では、排気ファン(25)のみが起動する。
ダンパ制御部(62)は、モード判定運転で開状態に設定される第1外気側ダンパ(43)、第2外気側ダンパ(44)、第1排気側ダンパ(47)、及び第2排気側ダンパ(48)の各ダンパ(43,44,47,48)に対して、開状態への切換指令を出力する。ダンパ制御部(63)では、開状態への切換指令を出力したダンパ(43,44,47,48)の指示値が閉状態から開状態に変更される。そして、ダンパ制御部(63)が開状態への切換指令を出力した全てのダンパ(43,44,47,48)に対して切換動作の完了を確定させると、ファン制御部(62)は排気ファン(25)に起動指令を出力する。ファン制御部(62)では、排気ファン(25)の指示値がオフ状態からオン状態に変更される。排気ファン(25)では、起動指令を受けると、ファンモータが起動して運転が開始される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、送風ファン(25,26)の起動前に全てのダンパ(41〜50)の切換動作が正常に行われるか否かを確認することができる動作確認部(65)を設けたので、異常があるダンパ(41〜50)の有無が、送風ファン(25,26)の起動前に検出される。このため、何れかのダンパ(41〜50)に異常がある状態で送風ファン(25,26)が起動されることを回避することができる。つまり、ケーシング(11)内に正常な空気の流通経路が形成されていない状態で調湿装置(10)の運転が実行されることを回避することができる。
本実施形態では、送風ファン(25,26)の起動前に全てのダンパ(41〜50)の切換動作が正常に行われるか否かを確認することができる動作確認部(65)を設けたので、異常があるダンパ(41〜50)の有無が、送風ファン(25,26)の起動前に検出される。このため、何れかのダンパ(41〜50)に異常がある状態で送風ファン(25,26)が起動されることを回避することができる。つまり、ケーシング(11)内に正常な空気の流通経路が形成されていない状態で調湿装置(10)の運転が実行されることを回避することができる。
また、本実施形態では、異常があるダンパ(41〜50)の有無の確認後に、つまり異常検出動作後に開状態に切り換えられるダンパ(41〜50)に対しても、動作確認部(65)が、第1切換動作の後に、閉状態へ切り換える第2切換動作を実行させる。従って、全てのダンパ(41〜50)に対して、開状態へ切り換える第1切換動作と閉状態へ切り換える第2切換動作の両方が正常に行われるか否かを確認することができるので、ケーシング(11)内に正常な空気の流通経路が形成されていない状態で調湿装置(10)の運転が実行されることを確実に回避することができる。
また、本実施形態では、第1バイパス用ダンパ(49)及び第2バイパス用ダンパ(50)が異常検出動作の対象になっている。このため、各バイパス用ダンパ(49,50)についても、異常の有無が送風ファン(25,26)の起動前に検出される。従って、各バイパス用ダンパ(49,50)に異常がある状態で調湿装置(10)の運転が実行されることを回避することができる。
−実施形態の変形例1−
本実施形態の冷媒回路(56)について、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高い値に設定される超臨界サイクルを行ってもよい。その場合、第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)は、その一方がガスクーラとして動作し、他方が蒸発器として動作する。
本実施形態の冷媒回路(56)について、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高い値に設定される超臨界サイクルを行ってもよい。その場合、第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)は、その一方がガスクーラとして動作し、他方が蒸発器として動作する。
−実施形態の変形例2−
本実施形態の調湿装置(10)では、第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)に担持された吸着剤を冷媒によって加熱し又は冷却しているが、第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)に対して冷水や温水を供給することで、吸着剤の加熱や冷却を行ってもよい。
本実施形態の調湿装置(10)では、第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)に担持された吸着剤を冷媒によって加熱し又は冷却しているが、第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)に対して冷水や温水を供給することで、吸着剤の加熱や冷却を行ってもよい。
−実施形態の変形例3−
上記実施形態について、調湿装置(10)が次のように構成されていてもよい。
上記実施形態について、調湿装置(10)が次のように構成されていてもよい。
図11に示すように、本変形例の調湿装置(10)は、冷媒回路(100)と2つの吸着素子(111,112)とを備えている。冷媒回路(100)は、圧縮機(101)と凝縮器(102)と膨張弁(103)と蒸発器(104)が順に接続された閉回路である。冷媒回路(100)で冷媒を循環させると、蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。第1吸着素子(111)及び第2吸着素子(112)は、ゼオライト等の吸着剤を備えている。各吸着素子(111,112)には多数の空気通路が形成されており、この空気通路を通過する際に空気が吸着剤と接触する。
本変形例の調湿装置(10)は、除湿換気運転と、加湿換気運転と、単純換気運転とを選択的に行う。
除湿換気運転中や加湿還気運転中の調湿装置(10)は、第1動作と第2動作を所定の時間間隔で交互に繰り返し行う。除湿換気運転中の調湿装置(10)は、室外空気を第1空気として取り込み、室内空気を第2空気として取り込む。一方、加湿換気運転中の調湿装置(10)は、室内空気を第1空気として取り込み、室外空気を第2空気として取り込む。
先ず、除湿換気運転及び加湿還気運転の第1動作について、図11(A)を参照しながら説明する。第1動作中の調湿装置(10)は、凝縮器(102)で加熱された第2空気を第1吸着素子(111)へ供給する。第1吸着素子(111)では、吸着剤が第2空気によって加熱され、吸着剤から水分が脱離する。また、第1動作中の調湿装置(10)は、第1空気を第2吸着素子(112)へ供給し、第1空気中の水分を第2吸着素子(112)に吸着させる。第2吸着素子(112)に水分を奪われた第1空気は、蒸発器(104)を通過する際に冷却される。
次に、除湿換気運転及び加湿還気運転の第2動作について、図11(B)を参照しながら説明する。第2動作中の調湿装置(10)は、凝縮器(102)で加熱された第2空気を第2吸着素子(112)へ供給する。第2吸着素子(112)では、吸着剤が第2空気によって加熱され、吸着剤から水分が脱離する。また、第1動作中の調湿装置(10)は、第1空気を第1吸着素子(111)へ供給し、第1空気中の水分を第1吸着素子(111)に吸着させる。第1吸着素子(111)に水分を奪われた第1空気は、蒸発器(104)を通過する際に冷却される。
そして、除湿換気運転中の調湿装置(10)は、除湿された第1空気(室外空気)を室内へ供給し、吸着素子(111,112)から脱離した水分を第2空気(室内空気)と共に室外へ排出する。また、加湿換気運転中の調湿装置(10)は、加湿された第2空気(室外空気)を室内へ供給し、吸着素子(111,112)に水分を奪われた第1空気(室内空気)を室外へ排出する。
単純換気運転中の調湿装置(10)では、冷媒回路(100)の圧縮機(101)が停止状態になると共に、第1吸着素子(111)と第2吸着素子(112)のうち一方を室外空気が通過して他方を室内空気が通過する。そして、室外空気は吸着素子(111,112)を通過後に室内へ供給され、室内空気は吸着素子(111,112)を通過後に室外へ排出される。単純換気運転中の調湿装置(10)において、室外空気や室内空気の流通経路の切り換えは行われない。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
上記実施形態について、給気ファン(26)及び排気ファン(25)が停止している状態で給気ファン(26)のみが起動する場合や、給気ファン(26)と排気ファン(25)の両方の送風ファン(25,26)が起動する場合に、動作確認部(65)が異常検出動作を実行してもよい。
また、上記実施形態について、異常検出動作で行う切換動作の回数が1回でもよいし、3回以上であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、室内の湿度調節を行うための調湿装置について有用である。
10 調湿装置
11 ケーシング
25 排気ファン(送風ファン)
26 給気ファン(送風ファン)
41〜50 ダンパ
51 第1吸着熱交換器(第1吸着用部材)
52 第2吸着熱交換器(第2吸着用部材)
65 動作確認部(動作確認手段)
11 ケーシング
25 排気ファン(送風ファン)
26 給気ファン(送風ファン)
41〜50 ダンパ
51 第1吸着熱交換器(第1吸着用部材)
52 第2吸着熱交換器(第2吸着用部材)
65 動作確認部(動作確認手段)
Claims (3)
- 第1空気及び第2空気が内部を流通するケーシング(11)を備え、
上記ケーシング(11)には、それぞれに吸着剤が担持された第1吸着用部材(51)及び第2吸着用部材(52)と、該第1吸着用部材(51)及び第2吸着用部材(52)に空気を送るための送風ファン(25,26)と、上記第1空気及び第2空気の流通経路を切り換えるための複数のダンパ(41〜48)とが設けられ、
上記ダンパ(41〜48)の状態を開状態と閉状態との間で切り換える切換動作を各ダンパ(41〜48)に実行させることによって、上記第1吸着用部材(51)で第1空気を除湿すると同時に上記第2吸着用部材(52)で第2空気を加湿する第1動作と、該第2吸着用部材(52)で第1空気を除湿すると同時に該第1吸着用部材(51)で第2空気を加湿する第2動作とを交互に行う調湿装置であって、
上記送風ファン(25,26)の起動前に全てのダンパ(41〜48)に切換動作を実行させて、各ダンパ(41〜48)の切換動作が正常に行われるか否かを確認する動作確認手段(65)を備えていることを特徴とする調湿装置。 - 請求項1において、
上記送風ファン(25,26)の停止中は全てのダンパ(41〜48)が閉状態に設定される一方、
上記動作確認手段(65)は、上記送風ファン(25,26)の起動前に、全てのダンパ(41〜48)に対して、開状態へ切り換える第1切換動作と閉状態へ戻す第2切換動作とを順番に実行させることによって、各ダンパ(41〜48)の第1切換動作及び第2切換動作が正常に行われるか否かを確認することを特徴とする調湿装置。 - 請求項1又は2において、
上記ケーシング(11)には、上記第1吸着用部材(51)及び第2吸着用部材(52)をバイパスする空気が流通するバイパス通路(81,82)が形成されると共に、該バイパス通路(81,82)に空気を流通させるか否かを調節するバイパス用のダンパ(49,50)が設けられる一方、
上記動作確認手段(65)は、上記送風ファン(25,26)の起動前に、上記バイパス用のダンパ(49,50)についても切換動作を実行させて、該バイパス用のダンパ(49,50)の切換動作が正常に行われるか否かを確認することを特徴とする調湿装置。
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JP2007284391A JP2009109144A (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | 調湿装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-10-31 JP JP2007284391A patent/JP2009109144A/ja active Pending
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